JP4641338B2 - 不揮発性半導体記憶装置及びシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気的に書き換え可能な不揮発性半導体記憶装置、詳述すればフラッシュメモリに関する。
【0002】
【従来の技術】
不揮発性半導体記憶装置としては、紫外線による一括消去が可能なEPROMから電気的に消去可能なEEPROM、さらにフラッシュメモリへと開発が進み、普及し始めている。このフラッシュメモリは、シリアル書込/シリアル読出の高速性に優れるとともに、記憶容量が大きい。また、フラッシュメモリは、加工ルールの微細化と一つのメモリセルに複数ビットのデータを記憶する多値化技術(特開平4−119594号公報、特開平10−92186号公報、特開平10−334674号公報)の採用によりDRAMを上回る勢いで大容量化が進んでいる。
【0003】
この多値化技術について、その概略を説明する。従来、メモリセルが、2つの状態のいずれをとるかによって、それぞれ「1」と「0」の状態に対応させて1ビットのデータを格納していた。この多値化技術では、例えば2ビットの記憶をさせるには、一つのメモリセルが4つの異なるいずれかの状態を取りうるようにする。これによって、4つの状態を「11」、「10」、「00」、「01」に対応させて2ビットのデータを格納する。一つのメモリセルに格納されている2ビットのデータの読み出しにあたっては、図15に示すように異なる4つの状態の間にある3通りのワード線電圧を印加して読み出しを行う3回のREAD動作を行う必要がある。
【0004】
また、データ記憶用フラッシュメモリにおいて、シリアル書込/シリアル読出する最小の単位をセクタ(あるいはページ)という。通常、データを読み出す一本のワード線に沿ってアレーをなしている複数のメモリセルが1セクタとなる。このデータ記憶用フラッシュメモリを用いたシステムでは、一般的にフラッシュメモリを制御するコントローラが管理する管理データとユーザデータとをセクタ内に含んでいる。この管理データは、使用されるシステムによっても異なるが、例えば、そのセクタが良セクタであるか、不良セクタであるかを示すフラグ、セクタに有効なデータが書き込まれているか否かを示すフラグ、セクタに何回書き込みが行われたかを示すデータ、それにセクタのユーザデータについてのECC(Error Correction Code)データ等である。
【0005】
フラッシュメモリでは、例えば、64MのAND型フラッシュメモリでは、1セクタは512Byteのデータ領域と16Byteの管理領域から構成される。ここで、管理データは管理領域に格納される。また、256MのAND型フラッシュメモリでは、1セクタは2048Byteのデータ領域と64Byteの管理領域から構成される。このセクタ毎の読み出しには約50μsを要し、読み込んだ後のデータ転送には1Byte毎に50nsを要する。
【0006】
また、メモリセルの密度を上げることによって記憶容量の大容量化が行われている。しかし、メモリセルが近接してくると、隣接するメモリセルを同時に読み出そうとする場合に、近接するビット線間に生じる静電容量のために隣接するビット線から干渉を受けて誤読み出しが生じるという問題がある。これについて、隣接するメモリセルの読み出しを少なくとも2回のフェイズに分けて行う方法が考えられる。これは、一本のワード線に接続されるメモリセルのアレーにおいて、最初のメモリセルを0として、以下、順に1、2、3と番号付けした場合に偶数番目のメモリセルを読み出すフェイズ0(P0)(図14(a))と、奇数番目のメモリセルを読み出すフェイズ1(P1)(図14(b))の2回のフェイズに分けて読み出しを行うものである。このように隣接するメモリセルの読み出しを異なる2回のフェイズに分けて行うことで隣接メモリセル間でのビット線の干渉を防止して誤読み出しを防ぐことができる。
なお、NANDセルユニットにおいて、データの読み出し時に互いに隣接する二本のビット線の一方をプリチャージ電位にプリチャージした後にフローティング状態にし、かつ他方を正電位に設定する手段を備える不揮発性半導体メモリ(特開平11−176960号公報)がある。しかし、この不揮発性半導体メモリは、特定の選択セルを読み出す操作に関するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フラッシュメモリでは、1セクタのデータを一括して読み出すが、必要とされるデータだけをできるだけ高速に読み出すことが要求される場合がある。特に、1セクタのメモリセルに関する管理データは、コントローラがまず必要とするデータであり、高速に読み出す必要がある。
【0008】
また、1セクタのデータは、例えば、論理割付では図18に示すように、データ領域(Y000H〜Y7FFH)と管理領域(Y800H〜Y83FH)がある。この1セクタのデータをメモリセルに記憶させる実際の物理割付では、例えば、図19に示すようになる。しかし、上述のように隣接するメモリセルを同時に読み出すのではなく、2回のフェイズ(P0,P1)に分けて読み出しを行う場合には、図19に示すように、管理データを読み出すためには2回のフェイズを完了する必要がある。このため、管理データの読み出しにあたって、図20に示すように、データ領域のデータの読み出しをも行わなければならず、1セクタ分の読み出し時間を要する問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、所望のデータ、例えば、管理データの読み出しを高速に行うことができる電気的に書き換え可能な不揮発性半導体記憶装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、少なくとも2ビット以上を記憶する2次元配列のメモリセルと、複数のワード線と、該ワード線に直交する複数のビット線とを有し、
前記メモリセルは、前記ワード線と前記ビット線の交点に存在すると共に、前記ワード線と前記ビット線に所定電圧を印加してデータの書き込みと読み出しを行う不揮発性半導体記憶装置であって、
少なくとも一本の前記ワード線に接続される前記メモリセルのアレーにおいて、(n−1)個(nは2以上の整数)おきのメモリセルごとに特定データを読み出す読み出し手段
を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、前記不揮発性半導体記憶装置であって、少なくとも一本の前記ワード線に接続される前記メモリセルのアレーにおいて、(n−1)個(nは2以上の整数)おきのメモリセルごとに特定データを書き込む書き込み手段
をさらに有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、少なくとも2ビット以上を記憶する2次元配列のメモリセルと、複数のワード線と、該ワード線に直交する複数のビット線とを有し、
前記メモリセルは、前記ワード線と前記ビット線の交点に存在すると共に、前記ワード線と前記ビット線に所定電圧を印加してデータの書き込みと読み出しを行う不揮発性半導体記憶装置であって、
少なくとも一本の前記ワード線に接続される前記メモリセルのアレーにおいて、所定のメモリセルの前記少なくとも2ビット以上のうち少なくとも一つの特定ビットごとに特定データを読み出す読み出し手段
を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、前記不揮発性半導体記憶装置であって、少なくとも一本の前記ワード線に接続される前記メモリセルのアレーにおいて、所定のメモリセルの前記少なくとも2ビット以上のうち少なくとも一つの特定ビットごとに特定データを書き込む書き込み手段
をさらに有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、少なくとも2ビット以上を記憶する2次元配列のメモリセルと、複数のワード線と、該ワード線に直交する複数のビット線とを有し、
前記メモリセルは、前記ワード線と前記ビット線の交点に存在すると共に、前記ワード線と前記ビット線に所定電圧を印加してデータの書き込みと読み出しを行う不揮発性半導体記憶装置であって、
少なくとも一本の前記ワード線に接続される前記メモリセルのアレーにおいて、(n−1)個(nは2以上の整数)おきのメモリセルごとに、前記少なくとも2ビット以上のうち少なくとも一つの特定ビットごとに特定データを読み出す読み出し手段
を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、前記不揮発性半導体記憶装置であって、少なくとも一本の前記ワード線に接続されるメモリセルのアレーにおいて、(n−1)個(nは2以上の整数)おきのメモリセルごとに、前記少なくとも2ビット以上のうち少なくとも一つの特定ビットごとにデータを書き込む書き込み手段
をさらに有することを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、前記不揮発性半導体記憶装置であって、前記読み出し手段は、データの読み出しを開始するメモリセルを特定するコマンドが外部から入力される場合に、前記コマンドにしたがって、所定のメモリセルから特定データを読み出すことを特徴とする。
【0017】
またさらに、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置は、前記不揮発性半導体記憶装置であって、前記特定データは、前記ワード線に接続される前記メモリセルのアレーに関する管理データであることを特徴とする。
【0018】
本発明に係るシステムは、前記不揮発性半導体記憶装置を用いて外部とのデータの入出力を行うことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を用いて説明する。
【0020】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る不揮発性半導体記憶装置の概略図を図1に示す。
この不揮発性半導体記憶装置1は、2次元配列している複数のメモリセル2a、2bの間にYデコーダ/センスラッチ5を有し、メモリセル2a、2bの上下にYデコーダ/データラッチ7a、Yデコーダ/データラッチ7b、それにXデコーダ6a,6bを有している。また、ワード線3と該ワード線に直交するビット線4があり、各メモリセルはワード線3とビット線4の交点に存在している。さらに、各メモリセルはXデコーダ6aから延在するワード線3に沿ってアレーをなしており、各メモリセルはビット線4でYデコーダ/センスラッチ5やYデコーダ/データラッチ7aに接続され、さらにビット線4でYデコーダ/データラッチ7bに接続されている。
【0021】
この不揮発性半導体記憶装置1の読み出し動作について概説する。読み出しの単位(セクタ)は一本のワード線3に接続される複数のメモリセルのアレーである。一本のワード線3に接続されるメモリセルのアレーについて、1回のフェイズでは一つおきのメモリセルについて読み出し、全部で2回のフェイズに分けて読み出す。具体的には、フェイズ0では偶数番目のメモリセルを読み出し、フェイズ1では奇数番目のメモリセルを読み出す。また、一つのメモリセルに記憶している2ビットのデータを読み出すために3回のREAD動作を行う。各READ動作で、各メモリセルから延びているビット線からセンスラッチ5にデータが転送され、上位ビットはデータラッチ7bから、下位ビットはデータラッチ7aからそれぞれ出力される。このうち、READ1で上位ビットを確定することができる。
なお、一本のワード線に接続されるメモリセルのアレーを読み出すフェイズは、2回(P0,P1)に限られず、n回(nは2以上の整数)のフェイズに分けて行ってもよい。この場合、(n−1)個おきのメモリセルごとにデータを読み出す。
【0022】
また、この不揮発性半導体記憶装置1は、制御用CPU8、ALL判定回路9、コマンドデコーダ10、アドレスデコーダ11、入出力バッファ12を備えている(図1)。この不揮発性半導体記憶装置1では、外部とのデータの入出力は、入出力バッファ12を介して行われ、入力されたデータは、アドレスデコーダ11で指定される所定のアドレスのメモリセルに書き込まれ、記憶される。書き込みが成功したかどうかはALL判定回路9によって判断される。また、入力されるコマンドはコマンドデコーダ10で解読され、制御用CPU8でデータの書き込み/読み出しを行うメモリセルの制御が行われる。
【0023】
ここで、一本のワード線に沿って、4つの異なる状態にあるメモリセルがしきい値電圧の高い順に上から下に並んでいる場合(図16(a))に、これらのメモリセルから2ビット記憶を読み出す場合を考える。
まず、READ1では、図16の(a)に示すように、ワード線電圧3.0Vで読み出しを行うと、ワード線電圧より低いしきい値の状態にあるメモリセルでは電流が流れるので「0」がセンスラッチにラッチされ、ワード線電圧より高いしきい値のメモリセルでは電流が流れないので「1」がセンスラッチにラッチされる。次いで、ラッチされた値はセンスラッチからデータラッチ2に転送される。このときセンス側とは反対の出力側には反転された値が発生し、上から「0」、「0」、「1」、「1」の値が各メモリセルに記憶している2ビットのうちの上位ビットに対応する(図16(a))。
次に、READ2では、図16の(b)に示すように、ワード線電圧4.0Vで読み出しを行うと、ワード線電圧より低いしきい値の3つのメモリセルでは電流が流れるので「0」、最もしきい値の高いメモリセルは「1」がセンスラッチにラッチされる。次いで、ラッチされた値はセンスラッチからデータラッチ1に転送される。
そして、READ3では、図16の(c)に示すように、ワード線電圧2.0Vで読み出しを行うと、ワード線電圧より低いしきい値の1つのメモリセルでは電流が流れるので「0」、他の3つのワード線電圧よりしきい値が高いメモリセルは「1」がセンスラッチにラッチされる。
【0024】
次いで、図17の(a)に示すように、READ3でラッチされたセンスラッチの値(「1」、「1」、「1」、「0」)がビット線に転送され、一方、データラッチ1にラッチされている値(「1」、「0」、「0」、「0」)はビット線に反転転送され、これらの2つの値に関するXOR演算の結果、得られる値(「0」、「1」、「1」、「0」)がデータラッチ1にラッチされる。次いで、データラッチ1からの出力時にそれぞれ反転されて、(「1」、「0」、「0」、「1」)の値が出力される。これが2ビット記憶のうちの下位ビットに相当する。この下位ビットの値は、データラッチ2のデータ(上位ビット)とともにデータ出力される(図17(b))。上位、下位ビットを連続して表記すると、「01」、「00」、「10」、「11」となり、これがメモリセルの4つの状態に対応する。そこで、各メモリセルに記憶される2ビット記憶は、3回のREAD動作によってこれらのいずれかの値として読み出される。
【0025】
さらに、この不揮発性半導体記憶装置の1セクタの物理割付を図2に示す。図2では、便宜上、ワード線に沿ったメモリセルのアレーを縦に並べて示している。図2では、各行が一つのメモリセルの下位ビット、上位ビットに記憶される論理アドレスを示している。例えば、管理データ(Y800H I/O 0、I/O 4)は、一つのメモリセルの下位ビット、上位ビットにそれぞれ記憶されている。また、この不揮発性半導体記憶装置では、所定のメモリセルから一つおきの偶数番目のメモリセル(P0として表示)ごとに管理データ(Y800H I/O 0〜Y83FH I/O 7)を記憶している。
なお、この管理データのY800Hは、論理アドレスを表わしており、YはY方向であることを表わし、800Hは16進(Hexadecimal)表記(10進表記では、8×16×16+0×16+0×16=2048)でのByte数を示している。また、I/O 0は、1Byteを表わす8ビットデータを伝えるI/Oピンの0から7のうちの一つを表わしている。この論理アドレスの表記方法は上記のものに限られず、任意の方法で表記してもよい。
【0026】
次に、この不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける読み出し動作を図3に示す。この読み出し動作では、まずIOピンにコマンドと上位ビットと下位ビットに分けられたアドレス(SA(1)、SA(2))が順次入力されると、読み出されるワード線が決められ、シリアル読み出しが開始される。読み出しにおいて、そのワード線について、READ1、READ2、READ3のフェイズ0のみを行う。この不揮発性半導体記憶装置では、偶数番目のメモリセル(P0)に管理データを記憶しているので、管理データの読み出しにあたっては、READ1、READ2、READ3のそれぞれのフェイズ0のみを行うことで管理データを読み出すことができる。これによって一つのセクタを読み出す場合の半分の24μsで管理データを読み出すことができる。
【0027】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける物理割付を図4に示す。この不揮発性半導体記憶装置は、実施の形態1に係る不揮発性半導体記憶装置と比べると、管理データを上位ビットに記憶させている点で相違する。この不揮発性半導体記憶装置は、多値化技術により複数ビットを格納するメモリセルからデータを読み出す場合に、管理データの読み出しを優先して行う課題を解決するものである。
【0028】
この多値化技術における読み出しの問題について説明する。多値化技術によって一つのメモリセルに複数ビットのデータを記憶している場合、一つのメモリセルに格納されている複数ビットのデータを読み出すために、例えば、2ビットのデータ(4値)を持つ場合には3回のREAD動作を必要とする。また、3ビットのデータ(8値)を持つ場合には7回のREAD動作を必要とする。2ビット記憶の場合、一つのメモリセルに格納している2ビット分のデータは、3回全てのREAD動作を行わなければ確定しない。また、一回のREAD動作では管理データが格納されているメモリセル以外のメモリセルについてもシリアル読出する。そのため、必要とする管理データを読み出すにあたって、余分のユーザデータ等の読み出しを行う必要があり、結局、1セクタ分の読み出し時間を要するという問題がある。
【0029】
このような複数ビットからなる格納データを上位ビット側と下位ビット側とに規定して、読み出し時に、上位ビットまたは下位ビットのうちのいずれか一方のビット側データの読み出しを行って出力するとともにその出力中に他方のビット側データの読み出しを行う読み出し手段を有する不揮発性半導体記憶装置(特開平10−11982号公報、特開平10−11979号公報)や、複数のビットデータを所定の順番で並べたビットデータ列の先頭ビットに相当するものから順次読み出す半導体メモリ(特開平10−334674号公報)がある。しかし、これらの不揮発性半導体記憶装置や半導体メモリは、切れ目なくシリアルアクセスを行うものであって、管理領域の管理データの読み出しを優先させるものではない。
【0030】
この実施の形態2に係る不揮発性半導体記憶装置は、上述する多値化技術における読み出しの高速化の問題を解決するものである。この不揮発性半導体記憶装置の一つのセクタにおいて、例えば、管理データであるY800H I/O 0〜I/O 7は、図4に示すように、連続するメモリセルの上位ビットに記憶されている。その管理データの読み出し操作について図5に示す。読み出し動作では、READ1のフェイズ0とフェイズ1を行う。管理データ(Y800H I/O 0〜Y83FH I/O 7)は、所定のメモリセルから各メモリセルの上位ビットにのみ記憶されているので、READ1の動作のみを行うことにより管理データを読み出すことができる。したがって、これにより1セクタを全て読み出す場合に比べて1/3の時間で読み出すことができる。なお、3ビット記憶の場合には、全ビット確定に必要な7回のREAD動作のうち1回のREAD動作で上位ビットごとの管理データを読み出すことができるので、管理データの読み出しを1/7の時間に高速化できる。
【0031】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る不揮発性半導体記憶装置における1セクタの物理割付を図6に示す。この不揮発性半導体記憶装置は、実施の形態1及び実施の形態2に係る不揮発性半導体記憶装置と比べると、所定のメモリセルから一つおきのメモリセルにおける上位ビットに管理データを記憶している点で相違する。図6では、例えば、管理データ(Y800H I/O 0〜I/O 3)は、偶数番目のメモリセルの上位ビットに記憶されている。その読み出し動作について図7に示す。この不揮発性半導体記憶装置では、所定のメモリセルから偶数番目のメモリセル(P0)にのみ記憶しているので、フェイズ0のみを行えばよい。しかも、上位ビットにのみ管理データを記憶しているので、READ1のみを行えばよい。そこで、READ1のフェイス0のみを行うことで管理データを読み出すことができるので、1セクタ分の1/6の読み出し時間に短縮できる。
【0032】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る不揮発性半導体記憶装置における1セクタの物理割付を図8に示す。この不揮発性半導体記憶装置は、実施の形態2に係る不揮発性半導体記憶装置と比べると、管理データのサイズを超える特定データを所定のメモリセルの上位ビットに記憶している点で相違する。図8では、例えば、特定データ(Y000H I/O 0〜Y41FH I/O 7)を上位ビットに記憶させている。なお、特定データのサイズは、最大で1セクタの容量の半分である1056Byteである。その読み出し動作について図9に示す。特定データは所定のメモリセルの上位ビットに記憶されているので、上位ビットを確定させるREAD1動作についてフェイズ0、フェイズ1の順に読み出しを行えば読み出すことができる。これによって1セクタ分の1/3の読み出し時間に短縮することができる。
また、さらに所定のメモリセルから一つおきの偶数番目のメモリセル(P0)における上位ビットに特定データを記憶させる場合には、READ1のフェイズ0のみを行うことでこの特定データを読み出すことができるので、1セクタ分の1/6の読み出し時間に短縮できる。なお、この場合の特定データのサイズは、最大で1セクタの容量の1/4である528Byteである。
【0033】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る不揮発性半導体記憶装置における1セクタの物理割付は実施の形態4に係る不揮発性半導体記憶装置における1セクタの物理割付と同一であり、図8に示すものである。この不揮発性半導体記憶装置は、奇数番目のメモリセルの上位ビットに特定データ(Y210H〜Y41FH、Y630H〜Y83FH)を記憶させている。通常、フェイズ0を読み出した後にフェイズ1を読み出すが、この不揮発性半導体記憶装置は、読み出しの順番を外部から入力するアドレスに応じて変更するものである。この場合、アドレスとして、(Y210H〜Y41FH、Y630H〜Y83FH)を入力すると、奇数番目のメモリセルを読み出すフェイズ1から読み出しを行う。これによって奇数番目のメモリセルについても高速読み出しが可能となる。この場合、高速読み出しが可能なのは奇数番目のメモリセルなので、1セクタの半分の記憶容量(1056Byte)までの特定データである。
また、奇数番目のメモリセルの上位ビットに特定データ(Y210H〜Y41FH)の読み出しについて、その読み出し動作を図10に示す。この場合、アドレスとして、(Y210H〜Y41FH)を入力すると、READ1の動作において、奇数番目のメモリセルを読み出すフェイズ1から読み出しを行う。これによって奇数番目のメモリセルの上位ビットについても高速読み出しが可能となり、外部からの入力アドレスやコマンドによってREAD1のフェイズ1の読み出しを行うことで1セクタ分の読み出しの1/6に読み出し時間を短縮することができる。この場合、高速読み出しが可能なのは奇数番目のメモリセルの上位ビットなので、1セクタの1/4の記憶容量(528Byte)までの特定データである。
【0034】
また、外部から入力するコマンドによって、最初にフェイズ1から読み出しを行ってもよい。
さらに、READ1で確定できる上位ビットに特定データを記憶させてもよい。この場合、高速読み出しが可能なのはREAD1で確定できる上位ビットのみなので、1セクタの半分の記憶容量までの特定データである。
【0035】
実施の形態6.
本発明の実施の形態6に係るデータ記憶システムを図11に示す。このデータ記憶システムには本発明に係る不揮発性半導体記憶装置を用いることができる。
具体的には実施の形態1から実施の形態5に係る不揮発性半導体記憶装置のいずれをも用いることができる。このデータ記憶システム20は、3つのフラッシュメモリ21、22、23を備え、これらを制御するためのコントローラ24と、データを一時的に蓄積するバッファ25とエラー訂正を行うエラー訂正回路26からなる。また、このデータ記憶システム20は、コントローラ24がシステム内で使用するため頻繁にアクセスを必要とする管理データを、システムを構成する不揮発性半導体記憶装置の1セクタごとの管理領域に記憶している(図12)。
【0036】
また、この管理データの格納は、上述の実施の形態1から5に係る不揮発性半導体記憶装置における特定データの格納方法を用いることができる。即ち、一本のワード線に接続されるメモリセルのアレーについて、一つおきのメモリセルごとに管理データを記憶させておき、2回のフェイズに分けて読み出す場合に最初のフェイズで一つおきのメモリセルごとに管理データを読み出してもよい。また、所定のメモリセルの上位ビットごとに管理データを記憶させておき、1回のREAD動作で上位ビットごとに管理データを読み出してもよい。さらに、一つおきのメモリセルごとに、上位ビットごとに管理データを読み出してもよい。
【0037】
なお、通常の管理領域の大きさ(64Byte)を超えるデータをより高速に扱うためにデータを記憶する物理割付のアドレスを種々変更してもよい。例えば、図13に示すように、コントローラが頻繁に必要とするデータ(#0000〜#041F)を1セクタの偶数番目のメモリセル(フェイズ0に対応)の上位ビット(READ1に対応)に格納することで、読み出し動作においてREAD1のフェイズ0のみを行うことで読み出すことができ、これらのデータを高速に扱うことができる。
さらに、フェイズ0のみの読み出し動作とする場合には、1セクタの半分までのデータ量について、1セクタ全部を読み出す場合の半分の時間に高速化できる。さらに、2ビット記憶の場合、READ1のみで確定できる上位ビットにのみ記憶させる場合には1セクタの1/4までのデータ量について、1セクタ全部を読み出す場合の1/6の時間に高速化できる。このデータ記憶システムとしては、例えば、ICカードとすることができる。
またさらに、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置を用いて外部とのデータの入出力を行うシステムとしては、このデータ記憶システムに限られない。この不揮発性半導体装置の他、コントローラ24、バッファ25、エラー訂正回路26等を含む制御部や、さらに、キーボードやポインティングデバイス等の入出力デバイス、画像入出力デバイス、音声入出力デバイス、その他の機器類との接続デバイス等を含んでいてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置によれば、(n−1)個(nは2以上の整数)おきのメモリセルごとに、例えばnが2の場合には偶数番目のメモリセルごとに読み出すフェイズ0を行って特定データを読み出す読み出し手段を有しているので、一つのセクタを読み出す場合の半分の時間に高速化できる。
【0039】
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置によれば、(n−1)個(nは2以上の整数)おきのメモリセルごとに、例えばnが2の場合には偶数番目のメモリセルごとに特定データを書きこむ書き込み手段を有することで、所定のメモリセルから一つおきのメモリセルごとに所望のデータを記憶させることができ、(n−1)個(nは2以上の整数)おきのメモリセルごとに特定データを読み出す読み出し手段によって一つのセクタを読み出す場合の半分の時間に高速化できる。
【0040】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置によれば、所定のメモリセルの少なくとも一つの特定ビットごとに特定データを読み出す読み出し手段、例えば、上位ビットを確定できるREAD動作を行うことによって、所定のメモリセルの上位ビットごとに特定データを読み出すことができる。これによって、例えば、2ビット記憶の場合、2ビット全てを確定させるために必要な3回のREAD動作のうち1回のREAD動作によって特定データを読み出すことができるので、読み出しを一つのセクタを読み出す場合の1/3の時間に高速化できる。さらに3ビット記憶の場合では、全ビット確定に必要な7回のREAD動作のうち1回のREAD動作のみで上位ビットごとに特定データを読み出すことができるので、1つのセクタを読み出す場合の1/7の時間に高速化できる。
【0041】
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置によれば、所定のメモリセルの少なくとも一つの特定ビットごとに特定データを書きこむ書き込み手段によって、所定のメモリセルの上位ビットごとに特定データを書きこむことができる。これによって、所定のメモリセルの上位ビットごとに所望のデータを記憶させることができる。読み出しにあたって、上位ビットを確定できるREAD動作を行うことによって、所定のメモリセルの上位ビットごとに特定データを読み出すことができる。2ビット記憶の場合、2ビット全てを確定させるために必要な3回のREAD動作のうち1回のREAD動作によって特定データを読み出すことができるので、読み出しを一つのセクタを読み出す場合の1/3の時間に高速化できる。さらに3ビット記憶の場合では、全ビット確定に必要な7回のREAD動作のうち1回のREAD動作のみで上位ビットごとに特定データを読み出すことができるので、1つのセクタを読み出す場合の1/7の時間に高速化できる。
【0042】
本発明に係る不揮発性半導体記憶装置によれば、(n−1)個(nは2以上の整数)おきのメモリセルごとに、例えばnが2の場合には偶数番目のメモリセルごとに読み出すフェイズ0を行う。それとともに、少なくとも一つの特定ビットごとに特定データを読み出す読み出し手段、例えば、上位ビットを確定できるREAD動作を行うことによって、所定のメモリセルの上位ビットごとに特定データを読み出すことができる。つまり、1回のREAD動作でしかもフェイズ0のみを行うことで特定データを読み出す読み出し手段を有しているので、2ビット記憶の場合、一つのセクタを読み出す場合の1/6の時間に高速化できる。
【0043】
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置によれば、(n−1)個(nは2以上の整数)おきのメモリセルごとに、例えばnが2の場合には偶数番目のメモリセルごとに、少なくとも一つの特定ビットごとに特定データを書きこむ書き込み手段によって、所定のメモリセルの上位ビットごとに特定データを書きこむことができる。これによって、一つおきのメモリセルの上位ビットごとに所望のデータを記憶させることができる。読み出しにあたって、1回のREAD動作のフェイズ0のみを行うことで特定データを読み出す読み出し手段を有している。これによって、2ビット記憶の場合、一つのセクタを読み出す場合の1/6の時間に高速化できる。
【0044】
また、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置によれば、読み出しを開始するメモリセルを特定するコマンドを外部から入力することによって、特定データを読み出すメモリセルを適宜変更することができる。
【0045】
さらに、本発明に係る不揮発性半導体記憶装置によれば、コントローラで最初に必要とされる管理データを高速に読み出すことができる。
【0046】
本発明に係るシステムによれば、前記不揮発性半導体記憶装置を用いて外部とのデータの入出力を行うので、所望のデータ、例えば、管理データを高速に読み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る不揮発性半導体記憶装置の概略図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係る不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける物理割付を示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける管理データの読み出し動作を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態2に係る不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける物理割付を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態2に係る不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける管理データの読み出し動作を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態3に係る不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける物理割付を示す図である。
【図7】 本発明の実施の形態3に係る不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける管理データの読み出し動作を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態4に係る不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける物理割付を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態4に係る不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける管理データの読み出し動作を示す図である。
【図10】 本発明の実施の形態5に係る不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける管理データの読み出し動作を示す図である。
【図11】 本発明の実施の形態6に係るデータ記憶システムの概略図である。
【図12】 本発明の実施の形態6に係るデータ記憶システムの論理割付の一例を示す図である。
【図13】 本発明の実施の形態6に係るデータ記憶システムの論理割付の別の例を示す図である。
【図14】 フラッシュメモリのワード線に沿ってアレーをなしているメモリセルの読み出しにあたって、隣接するメモリセルを2回のフェイズ((a)フェイズ0、(b)フェイズ1)で読み出す場合にビット線に印加する電圧条件を示す図である。
【図15】 2ビットのデータを読み出す場合に、4つの状態のそれぞれについて、ワード線に印加する電圧と流れる電流との関係から、対応する上位ビットと下位ビットの組み合わせを示す図。
【図16】 メモリセルから2ビットのデータを読み出す3回のREAD動作((a)READ1、(b)READ2、(c)READ3)でのセンスラッチ、データラッチの値の変化を示す図である。
【図17】 (a)図16でREAD3の後に下位ビットを確定させるためのXOR演算の概略を示す図と、(b)各データラッチからの出力と上位・下位ビットの対応を示す図である。
【図18】 不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける論理割付を示す図である。
【図19】 不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける物理割付の一例を示す図である。
【図20】 図19の不揮発性半導体記憶装置の1セクタにおける読み出し動作を示す図である。
【符号の説明】
P0 フェイズ0、 P1 フェイズ1、 1 不揮発性半導体記憶装置、 2メモリセル、 3 ワード線、 4 センスラッチ、 5 Xデコーダ、 6a Yデコーダ/データラッチ1、 6b Yデコーダ/データラッチ2、 7制御用CPU、 7a ステータスレジスタ、 8 ALL判定回路、 9 コマンドデコーダ、 10 アドレスデコーダ、 11 入出力バッファ、 20 データ記憶システム、 21、22、23 不揮発性半導体記憶装置、 24 コントローラ、 25 バッファ、 26 エラー訂正回路、 27 ホストシステム
Claims (4)
- 不揮発性半導体装置であって、
前記不揮発性半導体装置は、
複数のワード線と、該ワード線に直交する複数のビット線と、前記ワード線と前記ビット線の交点に存在する少なくとも2ビット以上を記憶する2次元配列のメモリセルと、
少なくとも一本の前記ワード線に接続される前記メモリセルのアレーにおいて、(n−1)個(nは2以上の整数)おきのメモリセルごとにデータをn回のフェイズに分けて読み出す読み出し手段と、
を備え、
前記読み出し手段は、前記不揮発性半導体装置を制御するコントローラが管理する管理データを、前記n回のフェイズの内の最初のフェイズに読み出すことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。 - 少なくとも一本の前記ワード線に接続される前記メモリセルのアレーにおいて、(n−1)個(nは2以上の整数)おきのメモリセルごとに前記管理データを書き込む書き込み手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 前記読み出し手段は、前記不揮発性半導体装置を制御するコントローラが管理する管理データの読み出しを開始するメモリセルを特定するコマンドが外部から入力される場合に、前記コマンドにしたがって、所定のメモリセルから前記管理データを読み出すことを特徴とする請求項1又は2に記載の不揮発性半導体記憶装置。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の前記不揮発性半導体記憶装置を用いて外部とのデータの入出力を行うことを特徴とするシステム。
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