JP4639302B2 - 変異グルコース脱水素酵素 - Google Patents

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Description

本発明は、基質特異性の向上した変異グルコース脱水素酵素に関する。本発明の変異グルコース脱水素酵素は、グルコースセンサ、及びグルコースアッセイキット等に好適に使用することができ、生化学分野、臨床分野等で有用である。
近年バイオセンサ素子として様々な酵素が用いられている。糖尿病の診断を目的とした血液中のグルコース濃度を測定するセンサ素子として、グルコースオキシダーゼ(GOD)がすでに実用化されているが、GODはサンプル中の溶存酸素に影響を受けることが問題となっている。そこでサンプル中の溶存酸素に影響を受けないグルコース脱水素酵素(GDH)がGODに代わるものとして注目されている。
GDHには、NAD(P)を補酵素とするもの(E.C. 1.1.1.47)やピロロキノリンキノン(PQQ)を補酵素とするもの(PQQGDH; E.C. 1.1.99.17)などが報告されている。NAD(P)を補酵素とするGDHは、測定系にNAD(P)を添加する必要があるという点でセンサ素子として問題がある。一方、PQQGDHなどの補酵素結合型GDHは測定系に補酵素を添加する必要がない。
また、センサ素子には、連続使用や室温に放置していてもセンサとしての機能を失わないというような安定性が望まれる。
高温下で生育する好熱性細菌由来の酵素は、一般に高い熱安定性を有し、長期保存や連続使用などにおいても高い安定性を示すことから、センサ素子としての応用が期待されている。しかし、好熱菌由来の耐熱性GDHについては、サーモゲネス・アシドフィラム(Thermoplasma acidophilm)、スルファロバス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)由来のGDHが報告されているが、いずれもNAD(P)を補酵素とするものである。
一方、中度好熱性細菌であるブルクホリデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)が産生する耐熱性GDHはFAD結合型であり、すでに至適反応温度、熱安定性、基質特異性などの酵素学的性質が明らかとなっている(特許文献1)。このGDHは、通常は、高い耐熱性を持つ触媒サブユニット(αサブユニット)、チトクロームCである電子伝達サブユニット(βサブユニット)、機能不明のγサブユニットから構成されるヘテロオリゴマーとして存在し、45℃に至適反応温度を持つが、50℃以上の熱処理を行うことによりサブユニットの解離が起こり、75℃に至適反応温度をもつαサブユニット単量体になる。αサブユニット単量体は熱に安定であり、60℃30分の熱処理後にも80%以上の残存活性を示す。これらのサブユニットをコードする遺伝子も単離されている(特許文献1、特許文献2)。
しかし、補酵素結合型GDHは一般的に基質特性が広く、グルコース以外にマルトースやガラクトースなどとも反応する。糖尿病患者向け血糖測定向けのグルコースセンサとして応用した場合で、糖尿病患者が腹膜透析を実施しなければならないような重篤な症状の場合は、透析液にマルトースが大量に含まれているため、本来の血糖値より高く測定値が出てしまう危険性がある。ブルクホリデリア・セパシアのGDHも同様に、グルコース以外にマルトースやガラクトースとも反応性を有している。
アミノ酸置換変異を導入することによって、GDHの基質特異性を変化させる技術が知られている。このような変異GDHとしては、例えば、E. coli(特許文献3、4)、アシネトバクター・カルコアセティカス(Gluconobacter calcoaceticus)(特許文献5)、又はアシネトバクター・バウマンニ(特許文献6〜8)由来の、ピロロキノリンキノンを補酵素とするPQQGDHが知られている。
米国特許出願公開第2004/0023330号 国際公開第03/091430号パンフレット 特開平10−243786号公報 特開2001−197888号公報 特開2004−173538号公報 特開2004−313172号公報 特開2004−313180号公報 特開2004−344145号公報
本発明は、グルコースに対する基質特異性の向上したFAD結合型GDHを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ブルクホリデリア・セパシアのFAD結合型GDHの特定の部位のアミノ酸配列を改変することにより、グルコースに対する反応性を維持しながら、他の糖に対する反応性が低下させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)配列番号13に示すアミノ酸配列、又は、同アミノ酸配列において下記の位置以外の1又は複数のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつ、グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質であって、下記のいずれかのアミノ酸置換変異を有する、グルコースに対する基質特異性が向上した変異グルコース脱水素酵素(数字はアミノ酸配列における位置を、アミノ酸残基は前記位置における置換後のアミノ酸残基を示し、「+」は同時に2つのアミノ酸置換を有することを示す。);
(A)472Arg、472Asn、472Asp、472Cys、472Glu、472Gly、472His、472Ile、472Leu、472Met、472Phe、472Pro、472Ser、472Trp、472Tyr、472Val、
(B)475Asp、475Cys、475Glu、475Gly、475His、475Met、475Phe、475Ser、475Tyr、475Val、
(C)472Arg+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)、
472Asn+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)、
472Asp+475(His,Phe,Ser,Val)、
472Cys+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser)、
472Glu+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)、
472Gly+475(Asp,Cys,Gly,Met,Phe,Ser,Tyr)、
472His+475(Cys,Glu,His,Met,Phe,Ser,Tyr)、
472Ile+475(Asp,Cys,Glu,Gyl,His,Met,Phe,Ser,Tyr)、
472Leu+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)、
472Met+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser)、
472Phe+475(Asp,Glu,Gyl,His,Met,Phe,Ser,Tyr)、
472Pro+475His
472Ser+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe,Ser)、
472Trp+475(His,Phe,Ser)、
472Tyr+475(Asp,His,Phe,Ser)、
472Val+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe,Ser)、
(2)前記(A)〜(C)に示すアミノ酸置換変異以外は、配列番号13に示すアミノ酸配列を有する、前記の変異グルコース脱水素酵素。
(3)前記アミノ酸置換変異が、下記の変異から選ばれる、前記の変異グルコース脱水素酵素;
(D)472Arg、472Asn、472Asp、472Glu、472Gly、472Phe、472Pro、
(E)475Asp、475Cys、475Glu、475Gly、475Met、475Phe
(F)472Arg+475(Asp,Gly,His,Phe)、
472Asn+475(Gly,His,Phe,Tyr)、
472Asp+475(His,Ser)、
472Cys+475(Gly,His,Phe)、
472Glu+475(Glu,His,Phe,Tyr)、
472Gly+475(Asp,Phe,Tyr)、
472His+475(His,Ser)、
472Ile+475(Asp,Glu,Gyl,His,Ser)、
472Leu+475(Gly,His,Phe,Tyr)、
472Met+475(Asp,Gly,His,Phe)、
472Phe+475(Asp,Glu,Gyl,His,Phe,Ser,Tyr)、
472Ser+475(Glu,Gly,His,Phe)、
472Trp+475(His,Phe)、
472Tyr+475His、
472Val+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe)。
(4)配列番号13に示すアミノ酸配列、又は、同アミノ酸配列において下記の位置以外の1又は複数のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつ、グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質であって、下記の特徴を有するグルコース脱水素酵素;
(i)配列番号13に示すアミノ酸配列のうち、少なくとも472位のアルギニン残基又は475位のアスパラギン残基の何れかが他のアミノ酸残基に置換しており、
(ii)前記変異を導入したグルコース脱水素酵素のグルコースに対する比活性と、マルトースに対する比活性との比 ((マルトースに対する反応性/グルコースに対する反応性)×100)が、変異を導入しないグルコース脱水素酵素に比べて10%以上低下している。
(5)前記変異グルコース脱水素酵素と、電子伝達サブユニットとを少なくとも含む変異グルコース脱水素酵素複合体。
(6)前記変異グルコース脱水素酵素をコードするDNA。
(7)前記DNAを保持し、前記の変異グルコース脱水素酵素又は変異グルコース脱水素酵素複合体を産生する微生物。
(8)前記の変異グルコース脱水素酵素、変異グルコース脱水素酵素複合体、又は微生物を含む、グルコースアッセイキット。
(9)前記の変異グルコース脱水素酵素、変異グルコース脱水素酵素複合体、又は微生物を含む、グルコースセンサ。
本明細書において、変異GDHとは、変異GDH複合体との対比においては変異αサブユニットをいうが、変異αサブユニット及び変異GDH複合体を総称して「変異GDH」ということがある。
DH5α/pTrc99A/γ+αのグルコース及びマルトースを基質とする脱水素酵素活性を示す図。菱形はグルコース、正方形はマルトースを示す(図2〜5も同様)。 DH5α/pTrcγαAsn475Aspのグルコース及びマルトースを基質とする脱水素酵素活性を示す図。 DH5α/pTrc99Aγαβのグルコース及びマルトースを基質とする脱水素酵素活性を示す図。 DH5α/pTrcγαβAsn475Aspのグルコース及びマルトースを基質とする脱水素酵素活性を示す図。 DH5α/pTrcγαβAsn475Gluのグルコース及びマルトースを基質とする脱水素酵素活性を示す図。 GDH αサブユニットの472位および475位のコドン置換に用いたPCRプライマーの配列を示す図。 変異GDHのSVプロットを示す図。 変異GDHのSVプロットを示す図。 グルコースセンサの構造を示す図。 グルコースセンサの各試薬部を示す図。 野生型GDHを用いたグルコースセンサのグルコースに対する反応性を示す図。 472Glu475Tyr型GDHを用いたグルコースセンサのグルコースに対する反応性を示す図。 472Asp475His型GDHを用いたグルコースセンサのグルコースに対する反応性を示す図。 野生型GDHを用いたグルコースセンサの、グルコース存在下におけるマルトースに対する反応性を示す図。 472Glu475Tyr型GDHを用いたグルコースセンサの、グルコース存在下におけるマルトースに対する反応性を示す図。 472Asp475His型GDHを用いたグルコースセンサの、グルコース存在下におけるマルトースに対する反応性を示す図。 野生型GDH及び変異GDHを用いたグルコースセンサを用いて測定された見かけ上の血糖値を示す図。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の変異GDHは、野生型GDHに特定の変異を導入することにより、製造される。野生型GDHとしては、ブルクホリデリア・セパシアが産生するGDHが挙げられる。ブルクホリデリア・セパシアのGDHとしては、ブルクホリデリア・セパシアKS1株、JCM2800株又はJCM2801株が産生するGDHが挙げられる。KS1株は、平成12年9月25日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に、受託番号第FERM BP−7306として寄託されている。JCM2800株又はJCM2801株は、独立行政法人理化学研究所微生物系統保存施設(Japan Collection of Microorganisms, JCM)に保存されている。
KS1株のGDH αサブユニット遺伝子、及びβサブユニット遺伝子の一部を含む染色体DNA断片の塩基配列を配列番号11に示す(米国特許出願公開第2004/0023330号)。この塩基配列には3つのオープンリーディングフレーム(ORF)が存在し、5’末端側から2番目及び3番目のORFは、それぞれαサブユニット(配列番号13)、及びβサブユニット(配列番号14)をコードしている。また、1番目のORFはγサブユニット(配列番号12)をコードしていると推定される。また、配列番号15に、βサブユニット遺伝子全長を含む断片の塩基配列を示す。さらに、βサブユニットのアミノ酸配列を配列番号16に示す。配列番号16において、アミノ酸番号1〜22はシグナルペプチドであると推定される。尚、配列番号15及び16において、第1番目のアミノ酸残基はValと記載されているが、Metである可能性が高く、また、翻訳後に脱落している可能性がある。
本発明の変異GDHは、αサブユニットのみであってもよいし、αサブユニットとβサブユニットとの複合体、又はαサブユニット、βサブユニット及びγサブユニットからなる複合体であってもよい。本発明の変異GDHは、いずれの場合もαサブユニットに特定の変異が導入されたものであるが、この特定の変異の他に、保存的な変異を有していてもよい。また、他のサブユニットは野生型であっても、保存的な変異を有するものであってもよい。尚、「保存的変異」とは、GDH活性に実質的に影響しない変異をいう。
本発明の変異型αサブユニットは、好ましくは、後述する特定の変異以外は、配列番号13に示すアミノ酸配列を有する。また、変異型αサブユニットは、GDH活性を有する限り、前述したような保存的変異を有していてもよい。すなわち、配列番号13のアミノ酸配列において、前記特定の変異以外に、1又は複数のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質であってもよい。尚、配列番号13には、配列番号11の塩基配列によってコードされ得るアミノ酸配列を示してあるが、N末端のメチオニン残基は、翻訳後に脱落している可能性がある。前記「1又は複数」とは、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜3個である。
また、βサブユニットは、典型的には配列番号16のアミノ酸配列を有する。しかし、GDHのβサブユニットとして機能し得る限り、配列番号16のアミノ酸番号23〜425からなるアミノ酸配列において、1又は複数のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質であってもよい。前記「1又は複数」とは、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個、特に好ましくは1〜5個である。尚、GDHのβサブユニットとして機能するとは、GDHの酵素活性を損なわずにチトクロームCとして機能することをいう。
野生型αサブユニット遺伝子として具体的には、配列番号11の塩基番号764〜2380からなる塩基配列を含むDNAが挙げられる。また、αサブユニット遺伝子は、配列番号11の塩基配列の塩基番号764〜2380からなる塩基配列を有するDNA、又はこの配列から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、GDH活性を有するタンパク質をコードするDNAであってもよい。
また、βサブユニット遺伝子として具体的には、配列番号9の塩基番号187〜1398からなる塩基配列を含むDNAが挙げられる。またβサブユニット遺伝子は、配列番号9の塩基番号187〜1398からなる塩基配列を有するDNA、又はこの配列から調製され得るプローブとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、βサブユニットとして機能し得るタンパク質をコードするDNAであってもよい。
前記ストリンジェントな条件としては、70%、好ましくは80%、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の相同性を有するDNA同士がハイブリダイズする条件、具体的には、1×SSC、0.1%SDS、60℃が挙げられる。
αサブユニット遺伝子及びβサブユニット遺伝子は、例えば、ブルクホルデリア・セパシアKS1株の染色体DNAを鋳型とするPCRによって、取得することができる。PCR用プライマーは、前記の塩基配列に基づいて化学合成することによって調製することができる。また、前記配列に基づいて作製したオリゴヌクレオチドをプローブとするハイブリダイゼーションによって、ブルクホルデリア・セパシアKS1株の染色体DNAから取得することもできる。また、ブルクホルデリア・セパシアの他の菌株からも、同様にしてバリアントを取得することができる。他の菌株としては、前記のJCM2800株及びJCM2801株が挙げられる。これらの菌株が産生するGDHのαサブユニットは、KS1株のαサブユニットと各々95.4%及び93.7%の相同性を有している。
また、他の微生物が産生するGDHであっても、ブルクホルデリア・セパシアのGDHと類似の構造及び酵素学的性質を有するものであれば、本発明の変異GDHの製造に用いることができる。
本発明の変異GDHは、上記のような野生型GDHに特定の変異を導入することによって、グルコースに対する基質特異性が向上したものである。「グルコースに対する基質特異性が向上した」とは、グルコースに対する反応性を実質的に維持したまま、他の単糖類、二糖類又はオリゴ糖等の糖類、例えばマルトース、ガラクトース、キシロース等に対する反応性が低下したこと、あるいは、グルコースに対する反応性が他の糖類に対する反応性に比べて向上したことを含む。例えば、グルコースに対する反応性が低下しても、他の糖類に対する反応性がそれ以上に低下すれば、グルコースに対する基質特異性は向上する。また、他の糖類に対する反応性が上昇しても、グルコースに対する基質特異性がそれ以上に上昇すれば、グルコースに対する基質特異性は向上する。具体的には例えば、グルコースに対する比活性と、他の糖類、例えばマルトースに対する比活性との比((他の糖類に対する反応性/グルコースに対する反応性)×100)が10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上低下していれば、グルコースに対する基質特異性は向上している。
前記特定の変異とは、配列番号13に示すアミノ酸配列の472位におけるアミノ酸置換、475位におけるアミノ酸置換、又は472位及び475位の両方におけるアミノ酸置換のいずれか一つである。より具体的な変異としては、以下に示すアミノ酸置換が挙げられる。尚、下記の数字はアミノ酸配列における位置を、アミノ酸残基は前記位置における置換後のアミノ酸残基を示し、「+」は同時に2つのアミノ酸置換を有することを示す。下記アミノ酸置換のうち、(A)は472位におけるアミノ酸置換であり、(B)は475位におけるアミノ酸置換であり、(C)は472位及び475位の両方におけるアミノ酸置換である。例えば、「472Asn+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)」は、472位のアミノ酸残基(野生型ではAla)がAsnで置換され、かつ、475位(野生型ではAsn)がAsp,Gly,His,Phe,Ser又はTyrのいずれかで置換される変異を示す。
(A)472Arg、472Asn、472Asp、472Cys、472Glu、472Gly、472His、472Ile、472Leu、472Met、472Phe、472Pro、472Ser、472Trp、472Tyr、472Val、
(B)475Asp、475Cys、475Glu、475Gly、475His、475Met、475Phe、475Ser、475Tyr、475Val、
(C)472Arg+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)、
472Asn+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)、
472Asp+475(His,Phe,Ser,Val)、
472Cys+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser)、
472Glu+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)、
472Gly+475(Asp,Cys,Gly,Met,Phe,Ser,Tyr)、
472His+475(Cys,Glu,His,Met,Phe,Ser,Tyr)、
472Ile+475(Asp,Cys,Glu,Gyl,His,Met,Phe,Ser,Tyr)、
472Leu+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)、
472Met+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser)、
472Phe+475(Asp,Glu,Gyl,His,Met,Phe,Ser,Tyr)、
472Pro+475His
472Ser+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe,Ser)、
472Trp+475(His,Phe,Ser)、
472Tyr+475(Asp,His,Phe,Ser)、
472Val+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe,Ser)、
前記アミノ酸置換のうち、好ましいものを、下記に示す。
(D)472Arg、472Asn、472Asp、472Glu、472Gly、472Phe、472Pro、
(E)475Asp、475Cys、475Glu、475Gly、475Met、475Phe
(F)472Arg+475(Asp,Gly,His,Phe)、
472Asn+475(Gly,His,Phe,Tyr)、
472Asp+475(His,Ser)、
472Cys+475(Gly,His,Phe)、
472Glu+475(Glu,His,Phe,Tyr)、
472Gly+475(Asp,Phe,Tyr)、
472His+475(His,Ser)、
472Ile+475(Asp,Glu,Gyl,His,Ser)、
472Leu+475(Gly,His,Phe,Tyr)、
472Met+475(Asp,Gly,His,Phe)、
472Phe+475(Asp,Glu,Gyl,His,Phe,Ser,Tyr)、
472Ser+475(Glu,Gly,His,Phe)、
472Trp+475(His,Phe)、
472Tyr+475His、
472Val+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe)。
上記アミノ酸置換変異の位置は、配列番号13、すなわちブルクホリデリア・セパシアKS1株の野生型GDH αサブユニットのアミノ酸配列における位置であるが、配列番号13のアミノ酸配列において、前記特定の変異以外に、1又は複数のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有するGDH αサブユニットのホモログ又はバリアントにおいては、配列番号13のアミノ酸配列とのアラインメントにおいて、前記アミノ酸置換の位置に相当する位置を示す。例えば、1〜471位の領域において1個のアミノ酸残基の欠失を有するGDH αサブユニットの保存的バリアントにおいては、472位及び475位とは、前記バリアントの471位及び474位を示す。
本発明者らは、基質特異性を向上させる変異を導入する位置として、グルコース脱水素酵素のFADとの結合に関与する領域又はその周辺領域について検討した。FADとの結合に関与する領域としては、FAD近傍領域(FAD-covering lid)又はFAD結合ドメイン、具体的には配列番号1〜4に示すアミノ酸配列に相当する領域が考えられた。
前記「アミノ酸配列に相当する領域」とは、配列番号13に示すアミノ酸配列を有するブルクホルデリア・セパシアKS1株のGDH αサブユニットにおいては、配列番号1、2、又は4に示すアミノ酸配列を有する領域、すなわち配列番号13のアミノ酸番号88〜92、57〜61、470〜504からなる領域である。また、配列番号13のアミノ酸配列と相同性を有するアミノ酸配列を有するGDH αサブユニットにあっては、配列番号13のアミノ酸配列とのアラインメントにおいて、前記ブルクホルデリア・セパシアKS1株のGDH αサブユニットのアミノ酸番号88〜92、57〜61、470〜504からなる領域に相当する領域である。
本発明者は、FADを補酵素として有するGMCオキシドレダクターゼファミリーであるグルコノバクター・オキシダンスのソルビトール脱水素酵素(GenBank accession AB039821)、エルビニア・ヘルビコーラの2−ケトグルタル酸脱水素酵素(GenBank accession AF068066)、ファネロケート・クリソスポリウムのセロビオース脱水素酵素(CDH)(J. Mol. Biol., 315(3), 421-34 (2002))、ストレプトマイセス・スピシーズのコレステロールオキシターゼ(COD)(J. Struct. Biol. 116(2), 317-9(1996))、ペニシリウム・アマガサキエンスのグルコースオキシダーゼ(Eur. J. Biochem. 252, 90-99(1998))のアミノ酸配列を比較し、FAD結合ドメイン及びFAD-covering lid等の保存された領域、およびタンパク質の折りたたみに関与するアミノ酸残基であるプロリンが保存されている領域を見い出した。そして、これらの領域と他の領域との境界付近の配列を改変することにより、基質特異性を向上できる可能性について検討を行った結果、上記アミノ酸残基の変異によって基質特異性を向上することができることを確認した。
所望の変異を有するGDH αサブユニットは、GDH αサブユニットをコードするDNA(αサブユニット遺伝子)に、部位特異的変異法によって、所望のアミノ酸変異に対応するヌクレオチド変異を導入し、得られる変異DNAを適当な発現系を用いて発現させることによって、取得することができる。また、変異GDH αサブユニットをコードするDNAを、βサブユニットをコードするDNA(βサブユニット遺伝子)、又はβサブユニット遺伝子とγサブユニットをコードするDNA(γサブユニット遺伝子)とともに発現させることによって、変異GDH複合体を取得することができる。尚、GDH αサブユニットをコードするDNAへの変異の導入は、γサブユニット、αサブユニット及びβサブユニットをこの順にコードするポリシストロニックなDNA断片を用いてもよい。
変異が導入されたGDH αサブユニット又はGDH複合体の糖類に対する基質特異性は、実施例に記載された方法によって各種糖類に対する反応性を調べ、野生型GDH αサブユニット又は野生型GDH複合体の反応性と比較することよって、決定することができる。
γサブユニット、αサブユニット及びβサブユニットをこの順にコードするポリシストロニックなDNA断片は、例えば、ブルクホルデリア・セパシアKS1株の染色体DNAを鋳型とし、配列番号12、13の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとするPCRによって取得することができる(後記実施例参照)。
GDHの各サブユニットの遺伝子の取得、変異の導入、遺伝子の発現等に用いるベクターとしては、例えばエシェリヒア属細菌で機能するベクター、具体的にはpTrc99A、pBR322、pUC18、pUC118、pUC19、pUC119、pACYC184、pBBR122等が挙げられる。遺伝子の発現に用いるプロモーターとしては、例えばlac、trp、tac、trc、PL、tet、PhoA等が挙げられる。また、プロモーターを含む発現ベクターの適当な部位に、αサブユニット遺伝子又は他のサブユニット遺伝子を挿入することによって、これらの遺伝子のベクターへの挿入とプロモーターの連結とを同じ工程で行うことができる。このような発現ベクターとしては、pTrc99A、 pBluescript、pKK223-3等が挙げられる。
また、αサブユニット遺伝子又は他のサブユニット遺伝子は、発現可能な形態で宿主微生物の染色体DNA中に組み込まれてもよい。
組換えベクターで微生物を形質転換するには、例えばカルシウム処理によるコンピテントセル法、プロトプラスト法又はエレクトロポレーション法等が挙げられる。
宿主微生物としては、バチルス・サブチリス等のバチルス属細菌、サッカロマイセス・セレビシエ等の酵母、アスペルギルス・ニガー等の糸状菌が挙げられるが、これらに限られず、異種タンパク質生産に適した宿主微生物であれば用いることができる。
本発明の変異αサブユニットもしくは変異GDH複合体又はこれらを発現する微生物は、グルコースセンサの酵素電極、又はグルコースのアッセイキットの構成要素として用いることができる。ブルクホルデリア・セパシアの野生型GDHを用いたグルコースセンサ及びグルコースアッセイキットは、米国特許公開第2004/0023330A1に記載されている。本発明の変異GDHも、同様にして使用することかできる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕ブルクホルデリア・セパシアのGDHを発現するプラスミド
ブルクホルデリア・セパシアのGDHを発現するプラスミドとして、GDHのαサブユニット及びγサブユニットを発現するプラスミド、並びに、αサブユニット、βサブユニット及びγサブユニットを発現するプラスミドを用意した。
<1>GDHのαサブユニット及びγサブユニットを発現するプラスミド
αサブユニット及びγサブユニットを発現するプラスミドとしては、WO02/036779に記載のプラスミドpTrc99A/γ+αを使用した。同プラスミドは、ブルクホルデリア・セパシアKS1株(FERM BP-7306)染色体DNAから単離された、GDH γサブユニット構造遺伝子とαサブユニット構造遺伝子を連続して含むDNA断片が、ベクターpTrc99A(Pharmacia社)のクローニング部位であるNcoI/HindIIIに挿入されてなるプラスミドである。本プラスミド中のGDHγα遺伝子は、trcプロモーターによって制御される。pTrc99A/γ+αは、アンピシリン耐性遺伝子を保持している。
<2>GDHのαサブユニット、βサブユニット及びγサブユニットを発現するプラスミド
GDHのαサブユニット、βサブユニット及びγサブユニットを発現するプラスミドは、以下のようして調製した。
(1)ブルクホルデリア・セパシアKS1株からの染色体DNAの調製
ブルクホルデリア・セパシア KS1株より染色体遺伝子を常法に従って調製した。すなわち、同菌株をTL液体倍地(ポリペプトン 10g、酵母抽出液 1g、NaCl 5g、KH2PO4 2g、グルコース 5g;1L、pH 7.2)を用いて、34℃で一晩振盪した。増殖した菌体を遠心分離機により回収した。この菌体を10mM NaCl、20mM Tris-HCl(pH8.0)、1mM EDTA、0.5% SDS、100μg/mlのプロテイナーゼKを含む溶液に懸濁し、50℃で6時間処理した。ここに等量のフェノール−クロロホルムを加えて室温で10分間撹拌した後、遠心分離機により上清を回収した。これに終濃度0.3Mになるように酢酸ナトリウムを加え、2倍量のエタノールを重層して中間層に染色体DNAを析出させた。これをガラス棒を用いてすくいとり、70%エタノールで洗浄した後、適当量のTEバッファーに溶解させ、染色体DNA溶液とした。
(2)GDHのγサブユニット、αサブユニット及びβサブユニットをコードするDNA断片の調製
前記染色体DNAを鋳型として、以下の配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとするPCRにより、GDHのγサブユニット、αサブユニット及びβサブユニットをコードするDNA断片を増幅した。
〔フォワードプライマー〕
5'-CATGCCATGGCACACAACGACAACAC-3'(配列番号5)
〔リバースプライマー〕
5'-GTCGACGATCTTCTTCCAGCCGAACATCAC-3'(配列番号6)
増幅した断片のC末端側を平滑末端化した後、N末端側をNcoIで消化し、同様に処理したpTrc99A(Pharmacia社)にライゲーションした。得られた組換えベクターでE. coli DH5αを形質転換し、アンピシリン50μg/mLを含むLB寒天培地で生じるコロニーを採取した。得られた形質転換体を液体のLB培地で培養してプラスミドを抽出し、その挿入DNA断片を解析したところ、約3.8kbの挿入断片が確認された。本プラスミドをpTrc99Aγαβと命名した。本プラスミド中のGDHの各構造遺伝子は、trcプロモーターによって制御される。pTrc99Aγαβは、アンピシリン耐性遺伝子及びカナマイシン耐性遺伝子を保持している。
〔実施例2〕GDH αサブユニット遺伝子への変異導入
市販の部位特異的変異導入キット(Stratagene社、QuikChangeII Site-Directed Mutagenesis Kit)を用いて、実施例1に記載のプラスミドpTrc99A/γ+α及びpTrc99Aγαβに含まれるGDH αサブユニット遺伝子の475位のアスパラギンのコドン(AAT)をアスパラギン酸(GAT)又はグルタミン酸(GAA)のコドンに置換した。プライマーには、下記のオリゴヌクレオチドを使用した。以下、475位のアスパラギン残基からアスパラギン酸残基へ置換を「Asn475Asp」、475位のアスパラギン残基からグルタミン酸残基へ置換を「Asn475Glu」と記載する。
Asn475Asp置換用プライマー
〔フォワードプライマー〕
5'-CGCGCCGAACGATCACATCACGGGC-3'(配列番号7)
〔リバースプライマー〕
5'-GCCCGTGATGTGATCGTTCGGCGCG-3'(配列番号8)
Asn475Glu置換用プライマー
〔フォワードプライマー〕
5'-GAATTCGCGCCGAACGAACACATCACGGGCTCG-3'(配列番号9)
〔リバースプライマー〕
5'-CGAGCCCGTGATGTGTTCGTTCGGCGCGAATTC-3'(配列番号10)
PCR反応は、以下の反応組成で、95℃、30秒の後、95℃ 30秒、55℃ 1分、68℃ 8分を15サイクル繰り返し、68℃ 30分の反応を行った後、4℃で保持した。
〔反応液組成〕
鋳型DNA(5ng/μl) 2μl
(pTrc99A/γ+α及びpTrc99Aγαβ)
10×反応緩衝液 5μl
フォワードプライマー(100ng/μl) 1.25μl
リバースプライマー(100ng/μl ) 1.25μl
dNTP 1μl
蒸留水 38.5μl
DNAポリメラーゼ 1μl
合計 50μl
PCR反応の後、反応液にDNAポリメラーゼIを0.5μl添加し、37℃で1時間インキュベートし、鋳型プラスミドを分解させた。
得られた反応液で、エシェリヒア・コリDH5α(supE44, ΔlacU169(φ80lacZΔM15), hsdR17, recAi, endA1, gyrA96, thi-1, relA1)のコンピンテントセルを形質転換した。アンピシリン(50μg/ml)およびカナマイシン(30μg/ml)を含むLB寒天培地(バクトリプトン1%、酵母エキス0.5%、塩化ナトリウム1%、寒天1.5%)上に生育してきたコロニー数個からプラスミドDNAを調製し、配列解析を行って、GDH αサブユニット遺伝子に目的の変異が導入されたことを確認した。Asn475Asp変異が導入されたpTrc99A/γ+α及びpTrc99Aγαβを、各々pTrcγαAsn475Asp、及びpTrcγαβAsn475Aspと命名した。また、Asn475Glu変異が導入されたpTrc99A/γ+α及びpTrc99Aγαβを、各々pTrcγαAsn475Glu、及びpTrcγαβAsn475Gluと命名した。
〔実施例3〕変異GDHの基質特異性の解析
実施例2で得られた変異GDH発現プラスミドを用いて、変異GDHを製造し、基質特異性を検討した。
(1)培養
pTrcγαAsn475Glu、及びpTrcγαβAsn475Gluを導入したエシェリヒア・コリDH5α株を、各々2mlのLB培地(アンピシリン50μg/ml及びカナマイシン30μg/ml含有)で、L字管を用いて37℃で一晩振とう培養した。それらの培養液を、150mlのLB培地(アンピシリン50μg/mlおよびカナマイシン30μg/ml含有)を含む500mlの坂口フラスコに植菌し、37℃で振とう培養した。培養開始から3時間後にIPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)を終濃度0.1mMになるように添加し、さらに2時間培養した。
(2)酵素サンプルの調製
前記で培養した培養液から菌体を集め、洗浄後、湿菌体0.3mgあたり1mlの0.2% Triton X100を含む10mMリン酸カリウムバッファー(PPB)(pH7.0)で菌体を懸濁し、超音波破砕した。この懸濁液を遠心分離(10000r.p.m、10分、4℃)して残渣を除去した後、上清を超遠心分離(50,000r.p.m.、60分、4℃)し、得られた上清(水溶性画分)を、粗酵素サンプルとした。また、このサンプルを、通常の疎水性クロマトグラフィー(カラム名:オクチルセファロース(アマシャム・バイオサイエンス製)およびイオン交換クロマトグラフィー(Q-セファロース(アマシャム・バイオサイエンス製)により精製して、精製酵素サンプルを得た。目的とする酵素画分の決定は、GDH活性を指標として行った。
(3)GDH活性の測定
前記精製酵素サンプル8μlに、活性測定用試薬(12μlの600mM メチルフェナジンメトサルフェート(PMS)、120μlの6 mM 2,6-ジクロロフェノールインドフェノール(DCIP)に、0.2(w/v)% Triton X-100 10mM PPBを加え、全量480μlとした溶液)を8μl添加した。これをアルミブロック恒温槽を用いて、各反応温度で1分間プレインキュベートした後、素早く各濃度の基質(グルコース又はマルトース)、または蒸留水を8μl加えて攪拌し、分光光度計を用いてDCIP由来の吸収波長である600 nmの吸光度を測定した。各試薬の終濃度はDCIP:0.06mM、PMS、0.6mM。基質の終濃度は40mM,20mM,10mM,および5mMである。
結果を、表1及び図1〜5に示す。
Figure 0004639302
この結果から明らかなように、いずれの変異GDHも、グルコースに対する反応性は維持されつつ、マルトースに対する反応性が低下していること、すなわちグルコースに対する特異性が向上していることが明らかである。
〔実施例4〕GDH αサブユニット遺伝子への変異導入
実施例1で得られたpTrc99Aγαβに含まれるGDH αサブユニット遺伝子の475位およびその周辺に変異導入を実施し、変異酵素の気質特異性を評価した。変異導入は、実施例2と同様に行なった。変異導入用プライマーは以下のようにして作製した。図6に示す基本プライマー(野生型)(フォワードプライマー:配列番号17、リバースプライマー:配列番号18)に対して、所定の位置(472位および475位)のコドンを、図6の入れ替えコドン表に示すとおりに変更し、各種変異導入用のプライマーを作製した。
〔実施例5〕変異GDHの基質特異性の解析
実施例4で得られた変異GDH発現プラスミドを用いて、実施例3と同様にして、変異GDHを製造し、基質特異性を検討した。酵素活性は、粗酵素サンプルを用いて行った。それぞれの変異GDHのグルコースに対する比活性、マルトースに対する比活性、反応比(マルトースに対する比活性/グルコースに対する比活性。単位はU/ml)を、表2〜7に示す。尚、グルコースに対する比活性が0.5U/ml以下のものに関しては活性無しと判断し、表中「−」で示した。
その結果、475位に関しては、実施例2で行なったアスパラギンからアスパラギン酸(GAT)又はグルタミン酸(GAA)への置換以外置換であっても、基質特性を改善する効果があることが確認された。また、475位の近傍の472位のアスパラギン(AAC)を他のアミノ酸へ置換することでも、基質特性を改善できることが見出された。さらに、472位と475位のアミノ酸の置換の組み合わせによって、相乗的に基質特性が改善出来ることも見い出された。
Figure 0004639302
Figure 0004639302
Figure 0004639302
Figure 0004639302
Figure 0004639302
Figure 0004639302
〔実施例6〕精製酵素のSVプロット評価
実施例5で基質特異性の改善が認められたいくつかの変異GDHについて、SVプロットを取得した。各々の変異GDHは、実施例3と同様にして精製した。結果を図7〜8、及び表8に示す。
その結果、精製した酵素においても、試験した全ての基質濃度に関して、反応比(マルトースに対する比活性/グルコースに対する比活性)が野生型と比べて低くなり改善されていることが確認できた。また結果に関しても実施例5での粗酵素溶液による測定結果とほぼ一致したことから、粗酵素による改変酵素のスクリーニングは十分可能であることが確認できた。さらにこの候補の中からグルコースセンサに用いる改変酵素を選択した。その場合において血中のマルトース濃度は最大でも200mg/dlまでしか上昇しないことから、特に基質濃度180mg/dlと90mg/dlにおける反応比に注目した。結果グルコースに対する反応性が野生型と比較してあまり落ちていない候補として472Asp475Hisを選択し、グルコースに対する反応性は落ちるがマルトースとは殆ど反応しない候補として472Glu475Tyrを選択した。
Figure 0004639302
〔実施例6〕変異GDHを用いた血糖測定用比色式センサの作製
472Asp+475His型変異GDH、及び、472Glu+475Tyr型変異GDHを用いて、血糖測定用の比色式センサを作製した。
図9に示す基本構成を有するグルコースセンサ(1)を作製した。すなわち、前記グルコースセンサは、透明基板(2)に対してスペーサー(3)を介して透明カバー(4)(材質PET)を積層した形態を有し、各要素(2)〜(4)によってキャピラリ(5)が規定されている。キャピラリ(5)の寸法は、1.3mm×9mm×50μmである(図9)。透明基板(2)および透明カバー(4)は、厚みが250μmであるPETにより形成し、スペーサー(3)は黒色の両面テープにより構成した。
グルコースセンサは、図10に示す第1試薬部(6)、第2試薬部(7)及び第3試薬部(8)を有し、それぞれ成分及び塗布量を表9に示す。表中、「Ru」は、ヘキサルテニウムアンミン錯体(Ru(NH)Cl)を、CHAPSは3-[(3-cholamidopropyl)dimethylammonio] propanesulfonic acidを、ACESはN-(2-acetamido)-2-aminoethanesulfonic acidを、MTTは3-(4,5-Dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazolium bromideを、各々示す。
Figure 0004639302
上記グルコースセンサのキャピラリに測定試料を供給し、その時点から0.1秒毎に吸光度を繰り返し測定して、吸光度のタイムコースを作成した。各回の吸光度の測定においては、第3試薬部(8)に対して、キャピラリの高さ方向に沿って光を照射し、そのときにグルコースセンサを透過した光を受光した。光の照射は、発光ダイオードを用いて630nmの光を照射することにより行なった。透過光は、フォトダイオードにおいて受光した。
測定試料としては、グルコースを添加した血液を用いた。ヘマトクリットを42%に調整した血液に、0,100,200,400mg/dlの濃度になるようにグルコースを添加したものを用いて、グルコースセンサの直線性を評価した。結果を、図11(野生型)、図12(472Glu475Tyr)及び図13(472Asp475His)に示す。
また、ヘマトクリット値42%、グルコース濃度45mg/dlに調整した血液に、さらにマルトースを0,100,200又は300mg/dlになるように添加したものを用いて、マルトースの影響を評価した。図14(野生型)、図15(472Glu475Tyr)及び図16(472Asp475His)に示す。
グルコース45mg/dlにマルトースを添加した場合、野生型ではマルトース濃度に依存して吸光度が増加し、マルトースと強く反応していることが示唆される。一方変異酵素を用いたセンサでは、マルトース濃度に応じた吸光度の増加が抑えられており、マルトースの影響が少なくなっていることがわかる。これらのデータを見かけの血糖上昇値に換算した結果を図17に示す。野生型酵素を用いたセンサでは、低血糖(45mg/dlグルコース)がマルトースの混入によって正常域(122mg/dlグルコース)に見かけ上表示されてしまう。一方、改変GDHを用いたセンサでは、マルトースが最大300mg/dl混入している場合でも、見かけの血糖値が正常域まで上昇することはない。
以上の結果から明らかなように、変異GDHを用いたグルコースセンサは、直線性も野生型と同程度確保されているにも関わらず、マルトースとの反応性が大きく低下している。この変異GDHを用いたグルコースセンサを用いれば、病院等で投与される血中マルトース濃度の上限値(200mg/dl)以上においても、低血糖(50mg/dl以下)が正常値や高血糖と判定されること無く、安全な治療が行なえる。また前述の通りGDHは溶存酸素とも反応しないことから、この変異GDHを用いたセンサを提供することで、糖尿病患者の正確な診断治療が行なえる。
〔実施例7〕472位のアミノ酸置換と、475位以外の部位のアミノ酸置換との組み合わせの効果の検証
472Phe型置換を有する変異GDHに、さらに475位に近い部位(477〜497位)およびランダムに選択した475位から遠い部位(53〜73位)において、フェニルアラニンへの置換を導入した。
472位がフェニルアラニンに置換された変異GDHを発現するpTrc99Aγαβを用いて、実施例2と同様にして変異を導入した。変異導入に用いたフォワードプライマーの配列は表10、11に示すとおりである。リバースプライマーの配列は、フォワードプライマーの完全相補鎖とした。
Figure 0004639302
Figure 0004639302
結果を表12、13に示す。この結果から明らかなように、472Pheと、475位以外の部位のアミノ酸置換との組み合わせにおいては、活性が無くなるか、変化が無いか、あるいはマルトースとの反応性を増大させる効果しか見られず、どの部位に変異を導入しても改善効果が見られるわけではないことが確認された。
Figure 0004639302
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産業上の利用の可能性
本発明の変異GDHは、グルコースに対する基質特異性が向上しており、グルコースセンサ等を用いたグルコースの測定に好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. 配列番号13に示すアミノ酸配列、又は、同アミノ酸配列において下記の位置以外の1又は複数のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつ、グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質であって、下記のいずれかのアミノ酸置換変異を有する、グルコースに対する基質特異性が向上した変異グルコース脱水素酵素(数字はアミノ酸配列における位置を、アミノ酸残基は前記位置における置換後のアミノ酸残基を示し、「+」は同時に2つのアミノ酸置換を有することを示す。);
    (A)472Arg、472Asn、472Asp、472Cys、472Glu、472Gly、472His、472Ile、472Leu、472Met、472Phe、472Pro、472Ser、472Trp、472Tyr、472Val、
    (B)475Asp、475Cys、475Glu、475Gly、475His、475Met、475Phe、475Ser、475Tyr、475Val、
    (C)472Arg+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)、
    472Asn+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)、
    472Asp+475(His,Phe,Ser,Val)、
    472Cys+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser)、
    472Glu+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)、
    472Gly+475(Asp,Cys,Gly,Met,Phe,Ser,Tyr)、
    472His+475(Cys,Glu,His,Met,Phe,Ser,Tyr)、
    472Ile+475(Asp,Cys,Glu,Gyl,His,Met,Phe,Ser,Tyr)、
    472Leu+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser,Tyr)、
    472Met+475(Asp,Gly,His,Phe,Ser)、
    472Phe+475(Asp,Glu,Gyl,His,Met,Phe,Ser,Tyr)、
    472Pro+475His
    472Ser+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe,Ser)、
    472Trp+475(His,Phe,Ser)、
    472Tyr+475(Asp,His,Phe,Ser)、
    472Val+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe,Ser)、
  2. 前記(A)〜(C)に示すアミノ酸置換変異以外は、配列番号13に示すアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の変異グルコース脱水素酵素。
  3. 前記アミノ酸置換変異が、下記の変異から選ばれる、請求項1に記載の変異グルコース脱水素酵素;
    (D)472Arg、472Asn、472Asp、472Glu、472Gly、472Phe、472Pro、
    (E)475Asp、475Cys、475Glu、475Gly、475Met、475Phe
    (F)472Arg+475(Asp,Gly,His,Phe)、
    472Asn+475(Gly,His,Phe,Tyr)、
    472Asp+475(His,Ser)、
    472Cys+475(Gly,His,Phe)、
    472Glu+475(Glu,His,Phe,Tyr)、
    472Gly+475(Asp,Phe,Tyr)、
    472His+475(His,Ser)、
    472Ile+475(Asp,Glu,Gyl,His,Ser)、
    472Leu+475(Gly,His,Phe,Tyr)、
    472Met+475(Asp,Gly,His,Phe)、
    472Phe+475(Asp,Glu,Gyl,His,Phe,Ser,Tyr)、
    472Ser+475(Glu,Gly,His,Phe)、
    472Trp+475(His,Phe)、
    472Tyr+475His、
    472Val+475(Asp,Glu,Gly,His,Phe)。
  4. 配列番号13に示すアミノ酸配列、又は、同アミノ酸配列において下記の位置以外の1又は複数のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入、又は付加されたアミノ酸配列を有し、かつ、グルコース脱水素酵素活性を有するタンパク質であって、下記の特徴を有するグルコース脱水素酵素;
    (i)配列番号13に示すアミノ酸配列のうち、少なくとも472位のアルギニン残基又は475位のアスパラギン残基の何れかが他のアミノ酸残基に置換しており、
    (ii)前記変異を導入したグルコース脱水素酵素のグルコースに対する比活性と、マルトースに対する比活性との比 ((マルトースに対する反応性/グルコースに対する反応性)×100)が、変異を導入しないグルコース脱水素酵素に比べて10%以上低下している。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の変異グルコース脱水素酵素と、電子伝達サブユニットとを少なくとも含む変異グルコース脱水素酵素複合体。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の変異グルコース脱水素酵素をコードするDNA。
  7. 請求項6に記載のDNAを保持し、請求項1〜4のいずれか一項に記載の変異グルコース脱水素酵素又は請求項5に記載の変異グルコース脱水素酵素複合体を産生する微生物。
  8. 請求項1〜4に記載の変異グルコース脱水素酵素、請求項5に記載の変異グルコース脱水素酵素複合体、又は請求項7に記載の微生物を含む、グルコースアッセイキット。
  9. 請求項1〜4に記載の変異グルコース脱水素酵素、請求項5に記載の変異グルコース脱水素酵素複合体、又は請求項7に記載の微生物を含む、グルコースセンサ。
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