以下に、図面を参照しながら本発明に係る回胴式遊技機について詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る回胴式遊技機として遊技媒体に遊技メダルを用いる回胴式遊技機を例に挙げて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
本実施の形態に係る回胴式遊技機は、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1aと遊技機筐体1aの前面側に開閉自在に取り付けられた前面枠1bとを備えている。
前面枠1bの前面の上部には、遊技機筐体1a内部に横並びに3個配設された回胴2a、2b、2c(以下、必要に応じて回胴2aを「左回胴2a」、回胴2bを「中回胴2b」、回胴2cを「右回胴2c」と称する)が透明性を有する回胴視認部3に臨ませて設けられている。この回胴2a、2b、2cは、その外周に複数種類の図柄が施された図柄配列帯(図示はしていない)を有しており、各回胴2a、2b、2cの停止時の上記図柄の組合せによって遊技結果を表示する回胴装置を構成している。この回胴2a、2b、2cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図2参照)により回転駆動されるように構成され、各回胴2a、2b、2cが回転することにより、前記図柄が変動表示される。なお、回胴2a、2b、2cは、本実施の形態のように、回胴駆動モータ211a、211b、211のような電気的駆動源を用いて物理的に回転または停止が行われる回胴に限定されず、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われるような演出的な回胴であっても良い。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、2個、4個等、何個配設されていても良い。また、前記図柄配列帯に施され図柄の種類も特に限定されるものではなく、例えば、「7」、「ベル」、「プラム」、「オレンジ」、「チェリー」、「JAC」、「BAR」、「人物」、「動物」、「魚」、「乗り物」等、種々の図柄を採用することができる。
回胴視認部3には、回胴視認部3を横断するようにして合計5本の入賞ライン5が施されている。この有効ライン5は、3本の横有効ライン5a、およびこれらと交差する2本の斜め有効ライン5bからなり、この入賞ライン5a、5bは、単位遊技(1ゲーム)に対する遊技メダルの投入枚数(賭け数)に応じて有効になる。この有効となった有効入賞ライン5a、5b上で、3つの回胴2a、2b、2cの図柄の組み合わせが内部抽選に当選した入賞役(当選役)に対応する図柄の組み合わせ(入賞図柄)と一致した場合に入賞となり、その入賞図柄に応じた遊技価値が遊技者に付与される。例えば、遊技メダルの払い出しを伴う入賞役に内部当選し、これに対応する入賞図柄が有効入賞ライン5aまたは5b上に停止表示された場合、遊技機筐体1a内のホッパーユニット(メダル払出装置)500(図2参照)が作動して、所定枚数の遊技メダルの払い出しが行われる。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものといえる。なお、上記入賞役には、公知の入賞役を含む様々な入賞役を設定することができる。例えば、所定枚数の遊技メダルの払い出しを伴う小役、遊技メダルの投入なしに次回の遊技を可能とする再遊技(リプレイ)を付与する再遊技役、BB役(小役や再遊技役との同時当選役を含む)、RB役(小役や再遊技役との同時当選役を含む)、特殊遊技の突入契機なる特殊役(例えば、再遊技役の当選確率が通常の遊技状態よりも上昇するリプレイタイム(RT)遊技への突入契機役(RT役)、小役の押し順や狙うべき図柄等を報知せしめて通常の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態とするアシストタイム(AT)遊技への突入契機役(AT役))等を設定することができる。
前面枠1bの前面のほぼ中央部には、遊技に伴う演出(演出には、文字、図形、または画像(動画や静止画)を用いた種々の演出態様を含む)を表示し、演出内容によって遊技者に各種の遊技情報を提供する液晶表示装置(LCDユニット)6が設けられている。
また、液晶表示装置6には、過去の遊技の履歴、クレジット数、遊技メダルの投入枚数、または入賞による払い出し枚数等の遊技の進行に伴う遊技情報も表示される。なお、液晶表示装置6に限らず、電子ペーパを用いた表示装置、7セグメントやLEDを用いた表示装置、または、これらを組み合わせた表示装置であっても良い。
また、液晶表示装置6の左右側には、LEDを内蔵し、光の装飾により遊技に伴う演出を現出するための装飾ランプ部15が設けられている。
さらに前面枠1bには、液晶表示装置6の下方の段部に、遊技に供する遊技メダルを投入するためのメダル投入口7、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法よって記憶可能とする機能を備えた装置、図示はしていない)に貯留された範囲(以下、「クレジット」と称する)内で、遊技メダルを最大枚数賭けで一度に擬似投入し得るMAXBETボタン8、押した回数に応じて最大賭け枚数まで加算的に擬似投入し得る貯留メダル投入ボタン9、クレジットされた遊技メダルの精算を行う貯留メダル精算ボタン10、回胴2a、2b、2cの回転を一斉に開始させるためのレバー式の回胴回転始動レバー11、および各回胴2a、2b、2cの回転を個別に停止させる3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(以下、必要に応じて、回胴回転停止ボタン12aを「左回胴回転停止ボタン12a」、回胴回転停止ボタン12bを「中回胴回転停止ボタン12b」、回胴回転停止ボタン12cを「右回胴回転停止ボタン12c」と称する)等が設けられている。また、MAXBETボタン8、貯留メダル投入ボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、および回胴回転停止ボタン12a、12b、12cのそれぞれには、これらが操作された場合、その旨の検出情報(遊技操作信号)を生成するスイッチが備えられている。
回胴回転停止ボタン12a、12b、12cは、それぞれ、左回胴2a、中回胴2b、右回胴2cに対応しており、例えば、左回胴回転停止ボタン12aが遊技者によって押されると、左回胴2aが停止するようになっている。なお、以上に説明した、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12a、12b、12c、MAXBETボタン8、貯留メダル投入ボタン9、貯留メダル精算ボタン10は、遊技者が遊技を進行する上で必要な遊技部品であり、それぞれ遊技操作手段として機能する。なお、メダル投入口7は直接的に遊技者が操作するものではないが、メダル投入口7に遊技メダルを投入し、これをメダル検出センサ7a(図2参照)により所定数検出されることが遊技開始条件であることに鑑みれば、メダル投入口7(メダル検出センサ7a)も上記各ボタン類と同様に、前記遊技操作手段といえる。
液晶表示装置6の下方には、装飾パネル部17が設けられている。装飾パネル部17は、遊技者に対して遊技機本体100の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施されているものであり、化粧板としての役割を果たす。
装飾パネル部16の下方には、前面枠1bと一体的に装着されたメダル受け皿部14が設けられている。メダル受け皿部14には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口14aが設けられていると共に、遊技メダル払出口14aに臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿14bが設けられている。
また、前面枠1bの前面上部両側および前面下部両側には、遊技に伴う演出効果音を外部に出力するための音波出力部(スピーカ)16が設けられている。
次に、図2および図3を参照しつつ、本発明に係る回胴式遊技機の制御系について説明する。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、図2を参照して、本発明に係る回胴式遊技機における主要な各基板と各遊技部品との接続状況について簡単に説明しておく(バックアップ電源の制御系についての詳細は追って説明する)。図2は、遊技機本体100に配置される各種基板と遊技部品(電気電子部品)との接続状況を概略的に示すブロック図である。なお、図1と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
本実施の形態に係る回胴式遊技機は、図に示すように、遊技動作全般の制御を司る主制御基板400と、主制御基板400からの制御コマンドを受けて演出処理を行う演出制御基板420と、外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板440とを中心に構成されている。
主制御基板400は、遊技機本体100の遊技動作全般の制御を司る制御基板である(詳細は後述する)。主制御基板400には、遊技中継基板370を介して遊技機本体100に配置された各種スイッチやセンサ類等が接続されている。具体的には、主制御基板400には、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7a、MAXBETボタン8の操作を検出するMAXBETスイッチ8a、貯留メダル投入ボタンの操作を検出する貯留メダル投入スイッチ9a、貯留メダル精算ボタン10の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ10a、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11a、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を検出する回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’を搭載した停止スイッチ基板360が接続されており、これらからの信号が入力される。
また、主制御基板400には、回胴中継基板330を介して回胴2a、2b、2cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cおよび回胴位置検出センサ(各回胴に設けられているセンサであって、図柄の基準となる位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続されている。主制御基板400は、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御して、各回胴2a、2b、2cの回転動作および目的とする位置に各回胴2a、2b、2cの停止動作を実現している。
また、主制御基板400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500が接続されている。ホッパーユニット500には、払出制御基板450、メダル払出センサ520、およびホッパーモータ510が配置されており、主制御基板400の制御の下、払出制御基板450がホッパーモータ510を駆動制御することにより、遊技メダルを所定枚数ずつ払い出すようになっている。上記払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520によって検出される。
また、主制御基板400には、外部集中端子基板310と回胴設定基板430とが接続されている。外部集中端子基板310は、ホール全体の遊技機を統括的に管理するホールコンピュータHCに接続されており、主制御基板400はこの外部集中端子基板310を介して所定の遊技情報をホールコンピュータHCに出力している。回胴設定基板430は、ホール関係者が所持する設定鍵を挿入するための設定キースイッチ、上記設定鍵が挿入されることを条件に遊技の出玉率に変化をもたらす「設定」を変更したり、遊技動作に異常状態が発生した場合にこれを解除したりするためのリセットスイッチ等を備えており、上記各スイッチの操作を検出して、その信号を出力する。
さらに、主制御基板400には、演出I/F基板340を介して、演出制御基板420が接続されている。
演出制御基板420は、ROM、RAM、CPUを含む1チップマイクロコンピュータ(図示はしていない)を備えて構成され、主制御基板400の制御の下、LED基板380を介して遊技機に配置される各LEDを駆動制御して光による演出を実現したり、スピーカ16を駆動制御して音による演出を実現したりしている。また、演出制御基板420は主制御基板400の制御の下、液晶制御基板460を制御して液晶表示装置6により画像による演出を実現している。液晶制御基板460には演出内容に沿った画像を表示するための種々の画像データが記憶されており、また、演出出力全般の制御を担うVDP(Video Display Processor)が搭載されている。
ここで、各遊技動作の実行時に主制御基板400から演出制御基板420に送信される演出制御コマンドについて簡単に説明しておく。この演出制御コマンドとしては、以下のようなものがある。なお、これらのコマンド名は、発生時期または送信時期に着目して命名されており、その命名の内容の実行を促すものではない。
まず、遊技メダル1枚を投入するごとに発生する「メダル投入コマンド」、回胴回転始動レバー11の操作時に発生する「回転開始(遊技スタート)コマンド(内部当選した入賞役に関する情報や遊技状態に関する情報を含む)」、回胴回転始動レバー11操作後の回胴回転開始時に発生する「回胴起動(回胴回転)コマンド」がある。ここで、回転開始コマンドが入賞役や遊技状態の情報を含むとは、例えば回転開始コマンドが16ビットの符号からなり、そのうちの6ビットが当選役を示す情報(内部当選入賞役情報)に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す情報(遊技状態情報)に割り当てられるような形態を意味する。そして、演出制御基板420は、前記回転開始コマンドを受けて、目的とする演出内容を決定する。前記回転開始コマンドに含まれる「遊技状態情報」にはBB遊技中である旨を示す「BB遊技中」等がある。
さらにまた、主制御基板400から演出制御基板420に送られる演出制御コマンドには、回胴回転停止ボタン12aの操作時(左停止操作時)、回胴回転停止ボタン12bの操作時(中停止操作時)、回胴回転停止ボタン12cの操作時(右停止操作時)にそれぞれ発生する「停止ボタン左」、「停止ボタン中」、「停止ボタン右」のコマンドや左回胴2a停止時、中回胴2b停止時、または右回胴2c停止時に発生する「左回胴停止」、「中回胴停止」、「右回胴停止」のコマンド(回胴の「停止位置情報」を含む)がある。これら「停止ボタン左」、「停止ボタン中」、「停止ボタン右」の各コマンドも16ビットの符号からなり、そのうちの3ビットが順押し、逆押し、ハサミ押し等の停止順情報に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す状態情報(遊技状態情報)に割り当てられる。さらに、演出制御基板420は、前記「停止ボタン左」、「停止ボタン中」、「停止ボタン右」、「左回胴停止」、「中回胴停止」、または「右回胴停止」のコマンドを受けて、目的とする演出内容を決定する。
さらに、主制御基板400から演出制御基板420に送られる演出制御コマンドには、3つの回胴を停止させた際、最後の回胴回転停止ボタンを離した時に発生する「全回胴停止」コマンドがある。この全回胴停止コマンドも16ビットの符号からなり、そのうちの4ビットが有効入賞ライン5上に揃った入賞役の種類を示す情報(入賞役情報)に割り当てられ、他の3ビットが入賞ラインを示す情報(入賞ライン情報)に割り当てられ、他の4ビットがそのときの遊技状態を示す情報(遊技状態情報)に割り当てられる。
この全回胴停止コマンドは、停止制御(いわゆる、引き込み制御)中に停止ボタンから指を離した場合、第3番目の回胴の停止制御後の回胴停止時に発生する。ここで全回胴停止コマンドに含まれる「入賞ライン情報」とは、回胴において入賞役が揃った入賞ラインに関する情報であり、また「入賞役情報」とは実際に揃った図柄に関する情報である。回転開始コマンドに含まれる「入賞役」の情報では、実際に揃う図柄が未確定であるのに対し、この全回胴停止コマンドに含まれる「入賞役」の情報は、取りこぼしをすることなく実際に揃った図柄を示す情報である点で、両者は異なる。演出制御基板420ではこの入賞ライン情報と入賞役情報に基づいて、各種演出手段(LED、スピーカ16、液晶表示装置6等)に全回胴が停止して入賞の当否が確定した後に現出すべき演出内容を決定している。
電源基板440は、遊技店に設置(遊技島側に設置)された変圧トランス(外部電源)200(図3参照)に接続され、変圧トランス200から供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、主制御基板400やバックアップ電源部777(図3参照)にそれぞれ供給する。電源基板440には、トグルSW(図示はしていない)が備えられており、メイン電源のオン・オフを手動操作により切り替え可能となっている。
次に、図3を参照して、本発明の実施の形態における主制御基板400、電源基板440、およびバックアップ電源部777の制御系について詳細に説明する。なお、図3は本発明の実施の形態の動作を説明するために必要な部分のみを示し、その他の制御系統については省略する。
先ず、電源基板440から説明する。電源基板440は、図に示すように、遊技店に設置された変圧トランス200から電源基板440にAC24Vが供給されている。電源基板440は、電圧生成部441と、メイン電源監視部443と、システムリセット部445とを含んで構成され、電源供給手段として機能している。
電圧生成部441は、変圧トランス200から供給されるAC24Vを整流回路(図示はしていない)を介して遊技機内部の各電気電子部品を駆動させるための所要の電源(DC12V、DC18V、DC24V、バックアップ電源用供給電力(Vcc)等)を生成する。上記電圧生成部441により生成された各電圧は、コネクタI、Jを介して各基板や遊技部品等に供給される。なお、電源基板440から供給された電圧の一部は、他の基板でさらに所定の電圧に変換され、当該基板に搭載されている電気電子部品やこれに接続された遊技部品に供給される。
メイン電源監視部443は、変圧トランス200から前記トルグSWを介して供給されているAC24Vを直接読み込んで供給電圧を常時監視している。メイン電源監視部443は、前記トルグSWをオフにすることによりメイン電源が遮断されたり、停電が発生したり、メイン電源に何らかの異常が発生したりしてメイン電源の電圧異常を検出した場合(メイン電源電圧が限界値よりも低下した場合)、メイン電源の電圧異常を示す電源断信号ALARMを出力する(電源断信号ALARMは、電圧異常時には「H」レベルの信号が、正常時には「L」レベルの信号が出力される)。この電源断信号ALARMは、主制御基板400の1チップマイクロコンピュータ401に内蔵されたXNMI端子が受け、メインCPU401cのNMI(non−maskable−interrupt)端子に前記電源断信号ALARM(「H」レベル)が入力されると、NMI割り込みが発生し、電圧降下割り込み処理(詳細は後述する)が実行される。このため、主制御基板400によって遊技動作が中断されると共に、遊技再開時に必要とする遊技データ(内部当選フラグ、遊技メダルの払い出し残余情報、クレジット数、BB遊技中やRB遊技中である旨の情報等、メイン電源遮断時の遊技状態を再現可能とするために必要なデータを意味する)がメインRAM401bのバックアップ領域に記憶される。その後は、電圧が低下した際にメインCPU401cの暴走状態が発生することを防止するため、メインCPU401cは、休止(HALT)命令を実行して上記電圧降下割り込み処理を終了するようになっている。
システムリセット部445は、メイン電源の電圧が正常な値に復帰した場合、システムリセット信号SYSRSTを出力する。このシステムリセット信号SYSRSTは、主制御基板400の1チップマイクロコンピュータ401に内蔵されたXSRST端子に供給されるようになっている。システムリセット信号SYSRSTを受けた1チップマイクロコンピュータ401は、中断していた遊技動作を再開し、上記バックアップされた遊技データに従って、メイン電源遮断時における遊技状態から遊技を再開させる。
バックアップ電源部777は、上述した電源断等によるメイン電源の電圧異常が発生した場合、主制御基板400のメインRAM401bにバックアップ用の電源電圧を供給するものであり、バックアップ電源供給手段として機能する。本実施の形態におけるバックアップ電源部777は、二次電池として機能する充電用のコンデンサ777aと、逆方向電流を阻止する逆流防止ダイオード777bとを含んで構成されている。
逆流防止ダイオード777bは、通常時に電源基板440により供給される直流電圧Vcc(DC5V)を受けてコンデンサ777aに供給すると共に、バックアップ時にコンデンサ777aの電流がVcc側に逆流しないように機能する。コンデンサ777aの両端の電圧は、バックアップ用のバックアップ電源として利用され、本実施の形態では、その出力値はDC5Vである。このDC5Vは、信号線VBL(バックアップ電源用信号線)を通じて主制御基板400の1チップマイクロコンピュータ401に内蔵されたVBB端子(バックアップ電源用入力端子)に供給される。
バックアップ電源部777の具体的な構成と作用を説明すると以下の通りである。バックアップ電源部777は図に示すように、電源基板440により供給される直流電圧Vcc(DC5V)とアース(GND)との間に逆流防止ダイオード777bとコンデンサ777aとを直列的に接続して、メイン電源の電圧が正常である場合には、逆流防止ダイオード777bの順方向側からDC5Vを取り出し、電源断等によるメイン電源の電圧異常が発生した場合には、コンデンサ777aに蓄積された電荷からDC5Vを取り出して、主制御基板400の1チップマイクロコンピュータ401のメインRAM401bに対してDC5Vを供給するように構成されている。したがって、通常時(メイン電源の電圧が正常値のとき)においても、メイン電源遮断時においてもVBB端子にDC5Vが供給されている。
メイン電源遮断時においては、主制御基板400の1チップマイクロコンピュータ401に供給されている電圧(Vdd:DC5V)が限界値より低下したとしても、メインRAM401bに記憶された遊技データが長期間継続して記憶される(本実施の形態では、少なくとも1週間程度は記憶した遊技データが記憶保持されるようにしている)。なお、バックアップ電源部777は、配線の取り回しや配置が容易なことを考慮して遊技中継基板370に設けられている。しかしながらこれに限らず、バックアップ電源部777を他の基板や遊技部品に設けても良い。また、本実施の形態ではコンデンサ777aを用いた例を説明したがこれに限らず、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等のように、二次電池として機能するものを用いても良い。
主制御基板400は、遊技動作制御プログラム(回胴式遊技機全体をどのように動作させるかが記述されているプログラム)を実行して遊技の進行に係る処理を行うメインCPU401c、前記遊技制御プログラムを記憶するメインROM401a、メインCPU401cが前記遊技動作制御プログラム実行する際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記憶する作業領域として利用されるメインRAM(CPUに内蔵されたRAMでも良い)401b(本実施の形態のメインRAM401bは、電源が供給されていない場合、記憶された遊技データが揮発する揮発性記憶手段である)から構成される1チップマイクロコンピュータ401(本実施の形態では、Z−80システム相当品を採用している)を備えている。上記1チップマイクロコンピュータ401は、メインROM401a、メインRAM401b、およびメインCPU401cの他に、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC(Counter Timer Circuit)401dやメインCPU401cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路401eを備えており、遊技制御装置を構成する。
また、主制御基板400は、1チップマイクロコンピュータ401を中心として、主制御基板400に接続された各基板との間の信号を入出力するI/Oポート888、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路(図示はしていない)、内部抽選に使用する乱数を生成したり回胴回転始動レバー11の操作を契機として乱数を抽出したりするためのカウンタ回路403、回胴駆動モータ211a、211b、211cを駆動制御するモータ駆動回路405等を含んで構成されている。回胴式遊技機における遊技動作制御は、1チップマイクロコンピュータ401を中心として各上記回路が連携し合い、1チップマイクロコンピュータ401は、所定の遊技動作を実行させるための制御信号(制御コマンドを含む)を各制御基板または各遊技部品に送信して遊技動作全般を制御している。また、1チップマイクロコンピュータ401は入賞役抽選手段(図示はしていない)としての機能を有しており、ここで「入賞役抽選手段」とは、メインCPU401cが所定の単位遊技開始条件の下、回胴回転始動レバー11が操作されたことを条件に入賞役を抽選する機能部をいう。
また、主制御基板400の1チップマイクロコンピュータ401は、バックアップ電源部777からの供給電源電圧であるDC5V(以下、「バックアップ電源電圧」と称する)を監視する電源異常監視部999(供給電源監視手段に相当する)を備えている。この電源異常監視部999はメインCPU401cがその機能を担い、バックアップ電源部777に接続された信号線VBLを通じて供給されているバックアップ電源電圧の状態をI/Oポート888を介して監視する機能部をいう。
本実施の形態では、図3に示すように、バックアップ電源電圧が主制御基板400上の信号線VBLの配線経路の途中から分岐させた信号線VL(バックアップ電源用分岐信号線)を介してI/Oポート888に入力されるようにし、このI/Oポート888を経由して1チップマイクロコンピュータ401に供給されるようになっている。したがって、電源異常監視部999は、上記I/Oポート888の入力状態を常時監視することができる。電源異常監視部999は、バックアップ電源電圧の状態を判断、具体的には、DC5Vの状態であれば正常(「H」レベル)であると判断し、DC0Vであれば異常状態(「L」レベル)であると判断する。
さらにまた、主制御基板400の1チップマイクロコンピュータ401は、電源異常監視部999によってバックアップ電源電圧が異常状態であることが検出された場合、メインRAM401bに記憶された所定の遊技データをクリアする遊技データクリア部555(遊技データクリア手段に相当する)を備えている。この遊技データクリア部555は、メインCPU401cがその機能を担い、電源異常監視部999がバックアップ電源電圧の異常状態を示す「L」レベルの入力レベルを検出した場合、メインRAM401bに記憶された所定の遊技データ(メインCPU401cが遊技動作制御プログラムを実行する際に発生する所定の遊技データ、例えば、内部当選フラグまたは遊技状態を示すデータの一部または全部)をクリアする。なお、上記遊技データクリア部555は、バックアップ電源電圧の異常状態が検出された場合に直ちに所定の遊技データをクリアするように構成しても良いし、ノイズ等により一時的にバックアップ電源電圧が低下する場合を考慮して所定の時間継続してバックアップ電源電圧が限界値よりも低下していることを検出した場合、所定の遊技データをクリアするように構成しても良い。
ここで、本発明の特徴的要素の一つである上記バックアップ電源電圧の供給路について詳細に説明する。
本実施の形態では、図に示すように、回胴回転始動レバー11(回胴回転始動スイッチ11a)側の出力端子に接続されたコネクタAから延びるケーブルの他方を、遊技中継基板370側の入力端子に接続されたコネクタBに接続することにより、回胴回転始動スイッチ11aと遊技中継基板370とが電気的に接続されている。同様にして、停止スイッチ基板360と遊技中継基板370とがコネクタC、Dを介して電気的に接続され、メダル検出センサ7aと遊技中継基板370とがコネクタE、Fを介して電気的に接続されている。また、遊技中継基板370と主制御基板400とは、回胴回転始動スイッチ11a、停止スイッチ基板360、メダル検出センサ7aから出力された信号を送信するための信号線を集合させたコネクタGと、これに対応する主制御基板400側のコネクタHとにより電気的に接続されている。上記各コネクタA〜Hのそれぞれは電気電子部品間を相互に接続可能に構成された接続手段としての役割を果たす。回胴回転始動スイッチ11a、停止スイッチ基板360(回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’)、メダル検出センサ7aのそれぞれに対応して設けられ、回胴回転始動スイッチ11aから出力される回胴回転開始信号、停止スイッチ基板360(回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’)からの各回胴回転停止信号、メダル検出センサ7aからのメダル検出信号を送信するための信号線(遊技操作検出用信号線)は、上記各コネクタA〜Hを介して主制御基板400に電気的に接続されている。
ところで、打ち込み機は、遊技者が行う一連の遊技操作(「遊技メダルをメダル投入口7に投入する」→「回胴回転始動レバー11を押下し、回胴2a、2b、2cの回転を開始させる」→「回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを順次押して回胴2a、2b、2c停止させる」という一連の遊技操作)を擬似的に行うための制御信号(以下、「擬似遊技制御信号」と称する)が繰り返し出力する(以下、必要に応じて「打ち込み動作」とも称する)。このため、打ち込み機のような機能を有する不正機器を装着する場合、前記擬似遊技制御信号を主制御基板400に送信するために、少なくとも遊技機本体100に設けられた回胴回転始動レバー11(回胴回転始動スイッチ11a)、回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(停止スイッチ基板360)、メダル検出センサ7aと、主制御基板400とを繋いでいる信号線間に、打ち込み機側の擬似遊技制御信号を出力する出力端子を接続する必要がある。すなわち、少なくともコネクタA〜Hのいずれかを取り外さなければ、打ち込み機を装着し、作動させることができない。
そこで、本発明では、打ち込み機を接続してもこれを無力化するべく、バックアップ電源電圧の供給路である信号線VBLを、回胴回転始動スイッチ11a、停止スイッチ基板360、およびメダル検出センサ7aの信号線のうちの少なくともいずれか1つと信号線VBLとを一つに集約したコネクタを介して主制御基板400に電気的に接続している。本実施の形態では、図3に示すように、停止スイッチ基板360の信号線と信号線VBLとを一つに集約したコネクタCと遊技中継基板370側のコネクタDとにより、信号線VBLを取り回して遊技中継基板370と電気的に接続し、さらに、信号線VBLと回胴回転始動スイッチ11a、停止スイッチ基板360、およびメダル検出センサ7aの信号線とを一つに集約したコネクタG、Hを介して、主制御基板400に電気的に接続する配線構造となっている。本実施の形態のコネクタC、D、G、Hは、複数の遊技操作検出用信号線の少なくとも1つと信号線VBL(バックアップ電源用信号線)とを一つに集約し、電気電子部品間を電気的に接続可能に構成された配線接続手段として機能する。
このようにすれば、打ち込み機が接続されている間は、バックアップ電源電圧の供給路である信号線VBLが切断されているため、信号線VLからI/Oポート888を介して供給されるバックアップ電源電圧の状態が「H」レベルから「L」レベルに変化し、電源異常監視部999によりバックアップ電源電圧の状態が異状状態であることを検出することができる。
また、上記打ち込み機が有する機能として、バックアップ電源電圧と同じ電圧値(以下、「擬似電圧」と称する)を主制御基板400側に印加するように構成したものも考えられる(以下、このような打ち込み機を、「高性能打ち込み機」と称する)。このような高性能打ち込み機が使用されると、打ち込み動作が行われている間、信号線VBLから伝達される前記擬似電圧により、バックアップ電源電圧の状態が正常値(「H」レベル)を示すため、打ち込み機が接続されていたとしても、電源異常監視部999がバックアップ電源電圧の異常状態を検出することができない。しかしながら、上記のような高性能打ち込み機を用いた場合であっても、打ち込み動作が完了すれば必ず、当該打ち込み機を取り外して遊技機本体100の電気系統をもとに戻す必要がある。このとき、電気系統をもとに戻す過程で、前記擬似電圧の供給が断たれると共に信号線VBLと主制御基板400との電気的接続が一時的にも切断されることになるため、電源異常監視部999によりバックアップ電源電圧の異常状態を検出することができる。
したがって、打ち込み機が如何に打ち込み動作をしたとしても、また、打ち込み動作を完了したとしても、打ち込み機によって得られた遊技データは、上述した遊技データクリア部555によりクリアされることになる。この結果、打ち込み機の使用そのものを無意味なものとすることができ、打ち込み機を無力化することができるようになる。なお、メイン電源遮断中に打ち込み機を着脱すれば信号線VBLが切断されるため、メインRAM401bに記憶された遊技データは直ちに揮発することになる。
なお、本実施の形態では、バックアップ電源部777を遊技中継基板370に設けた場合を説明したがこれに限られることはなく、回胴回転始動スイッチ11a、メダル検出センサ7a側、他の基板、または他の遊技部品に設けても良い。また、この際、打ち込み機を接続する際に必要となる遊技部品と主制御基板400とを電気的に接続する信号線と、バックアップ電源電圧の信号線VBLとを一つに集約した配線接続手段を介してバックアップ電源電圧を主制御基板400側に供給する配線構造とすれば良い。
ここで、打ち込み機の操作順序に従い、本実施の形態に係る回胴式遊技機の作用を説明すると以下のようになる。なお、以下では、遊技店の従業員が行う一般的な回胴式遊技機に関する操作手順に従い説明する。
まず、遊技店の営業時間終了後、遊技店の従業員が回胴設定基板430に設けられた設定キースイッチを操作して「設定」を変更操作した後、回胴式遊技機のメイン電源を遮断し、打ち込みに必要となる遊技機側の遊技部品のコネクタ類、例えば遊技中継基板GまたはHを取り外して打ち込み機側のコネクタ(前記擬似遊技制御信号を出力する出力端子)に接続する。打ち込み機の接続が完了した後、メイン電源を投入する。なお、上記「設定」を変更すると、一般的には、メインRAM401bに記憶された遊技データ(メイン電源遮断直前の遊技データ)がクリアされ、初期状態となる。
メイン電源を投入すると、これと同時に打ち込み機側にも電源が投入される。そして、打ち込み機に設けられている打ち込み動作設定スイッチ(図示はしていない)を操作して打ち込み動作の終了条件を設定し、その後、打ち込み動作を開始させる。そうすると、打ち込み機から主制御基板400に対して、メダル検出センサ7aにから出力されるメダル検出信号と、回胴回転始動スイッチ11aから出力される回胴回転開始信号と、停止スイッチ基板360から出力される回胴回転停止信号(回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを一定のタイミングで押しているという回胴回転停止信号)とが順番に繰り返し出力され、自動的に遊技が進行する。なお、打ち込み動作の終了条件は、回胴式遊技機の機能と打ち込み機の機能に依存するが(通常、回胴式遊技機が有する機能に対応した打ち込み機が存在している)、ここでは、当選役として、遊技価値の最も高いBB役に内部当選した場合を打ち込み動作の終了条件として説明する。
打ち込み機は、BB役の内部当選フラグが成立したことを検出した場合、打ち込み動作を終了する。BB役に当選したか否かは、例えば、BB役の内部当選フラグ成立した際に発生する演出制御コマンドを検出したか否かにより、BB役の内部当選フラグが成立したか否かを判定することができる。既に説明したように、演出制御コマンドには、回胴回転始動レバー11の操作時に発生する「回転開始コマンド」がある。この「回転開始コマンド」には、内部当選入賞役情報が含まれているので、BB役に内部当選すれば、その旨を示す情報を含んだ演出制御コマンドが演出制御基板420に対して送信される。打ち込み機は、この内部当選入賞役情報を含んだ演出制御コマンドを受けることにより、BB役の内部当選フラグが成立したか否かを判定することができる。
そして、BB役の内部当選フラグが成立して打ち込み動作が終了すれば、従業員がこれを確認し、打ち込み機を取り外して各スイッチ類の電気系統をもとに戻し、メイン電源を遮断する。このとき、打ち込み機によって得られたBB役の内部当選フラグがそのままメインRAM401bにバックアップされることとなる。
しかしながら、本実施の形態では、メイン電源投入中に打ち込み機を接続したことによって信号線VBLが切断されたことに起因するバックアップ電源電圧の異常状態が電源異常監視部999によって検出され続ける。この間は、打ち込み動作が如何に成されようとも、その打ち込み動作によって得られたBB役の内部当選フラグが遊技データクリア部555によってクリアされ続ける。また、上述した高性能打ち込み機により打ち込み動作が完了してしまった場合であっても、打ち込み機を取り外した時点で、信号線VBLが切断されたことに起因するバックアップ電源電圧の異常状態が電源異常監視部999により検出されることになる。このように、本発明に係る回胴式遊技機では、バックアップ電源電圧の異常状態が検出された場合、所定の遊技データをクリアすることができる。この結果、実質的に打ち込み機を無力化することができるようになる。
また、メイン電源遮断中に打ち込み機を接続した場合には、バックアップ電源電圧の供給路である信号線VBLが切断さるため、バックアップ電源電圧がメインRAM401bに供給されない。この結果、メインRAM401bに記憶された遊技データを直ちにクリアすることができる。特に、遊技データクリア部555により特定の入賞役の内部当選フラグのみがクリアされるように構成した場合、他の入賞役の内部当選フラグがクリアされず、打ち込み動作により得られた遊技データがバックアップされてしまう恐れがある。クリアする遊技データは、通常、遊技価値が高いBB役やRB役に設定しておけばあまり問題は生じないが、打ち込み機を接続した時点でバックアップ電源電圧の供給路である信号線VBLが切断されるようにしておけば、メインRAM401bに記憶された遊技データを揮発させることができるため、打ち込み機による不正行為を二重に防止することができる。
なお、上記では、遊技データクリア部555がBB役の内部当選フラグをクリアする場合を例にとって説明したがこれに限らず、遊技データクリア部555によってクリアされる遊技データは総ての内部当選フラグであっても良いし、特定の内部当選フラグであっても良いし、または特殊遊技を実行させる旨を示す遊技データであっても良い。また、規定遊技数消化(例えば、1000ゲーム消化)により所定の遊技が発動する機能を備えた機種(例えば、規定遊技数消化後に特定の入賞役の内部当選フラグが強制的に成立する、いわゆる「天井」機能を備えた機種)にあっては、その消化遊技数を示す遊技データであっても良い。また、演出制御基板420側で特殊遊技を実現している回胴式遊技機の場合(液晶表示装置6に現出する演出態様の中に、ATに係る演出を含ませてAT遊技の際にはこの演出を現出するように構成された機種)には、通常、演出制御基板420用のバックアップ電源を搭載している。このため、演出制御基板420にも、遊技データクリア部555と同様の機能を有する制御部を設けて、演出制御基板420用バックアップ電源電圧の異常を検出した場合、演出制御基板420のRAMから特殊遊技実行の際に必要とする演出制御コマンドをクリアするように構成しても良い。
次に、図4A〜図7を参照して、本発明に係る回胴式遊技機の遊技動作の制御に関する処理内容について説明する。本実施の形態では、メイン電源投入時から開始されるメイン処理と、一定時間ごとに実行されるタイマ割り込み処理と、メイン電源遮断時に実行される電圧降下割り込み処理を含んで構成されている。
先ず、図4Aおよび図4Bを参照して、本実施の形態の主制御基板400において実行されるメイン処理について説明する。図4Aおよび図4Bは、遊技動作制御プログラムに従い主制御基板400において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
まず、遊技機本体100に対して外部から電源が投入されると、電源基板440によって主制御基板400に電源が投入された旨の電源投入信号が送信され、主制御基板400を介して各基板へと電源投入信号が送信される。そして、主制御基板400は、遊技動作開始前における必要な初期設定を行う(ステップS10)。詳細な説明は省略するが、この初期設定では、各種基板や遊技部品(各スイッチ類やセンサ類)の接続状態の確認、CTC401dを含む内蔵レジスタやI/Oの初期化、メインRAM401bのワーク領域を書き込み許可にする等、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(メイン電源遮断前の遊技状態に復帰可能であれば、バックアップされた遊技データに従い、遊技を再開する処理を実行する)。
そして、上記初期設定の処理(ステップS10)が正常に終了した場合、処理状態に応じて以下に説明するステップS11〜ステップS29の処理を実行する。
主制御基板400は、所定のワーク領域をクリアし、次回の遊技を開始させるために必要なワーク領域を確保するRAM初期化処理を実行する(ステップS11)。
次に、主制御基板400は、満杯検知金具600のON、OFF状態を監視し、満杯状態であればエラー処理を実行する(ステップS12)。満杯検知金具600(図2参照)は、ホッパーユニット500から溢れた遊技メダルを貯留する補助タンク(図示はしていない)に形成された満杯検出センサであり、前記補助タンクが遊技メダルで満杯状態となっているか否かを検出している。
次に、主制御基板400は、メダル投入処理を実行する(ステップS13)。このメダル投入処理は、メダル投入口7(クレジットからの擬似的な投入も含む)から遊技機本体100に投入された遊技メダルを検出したり、検出した遊技メダルの投入枚数を計数したりする遊技メダル投入に係る処理や、クレジットされた遊技メダルの精算に係る処理である。また、このメダル投入処理においては、単位遊技開始条件を満たしている際、遊技者により回胴回転始動レバー11が操作されたか否か、具体的には、回胴回転始動スイッチ11aからの回胴回転開始信号を受信したか否かをも監視しており、回胴回転開始信号を受信しない限り、ステップS14の処理には移行されないようにしている。したがって、本実施の形態の回胴式遊技機における遊技態様は、遊技者による遊技メダル投入動作により遊技が開始され、回胴回転始動レバー11を操作して回胴を回転させ、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを操作して回胴を停止させ、各回胴の停止位置により定まる図柄の組合せによって遊技結果が得られるまで(ここでいう遊技結果とは、有効入賞ライン5上に入賞図柄が揃い、当該入賞図柄に応じた遊技価値が付与されることを意味する)の一連の工程を1回の遊技(単位遊技:1ゲーム)として、繰り返される遊技である。
次に、主制御基板400は、内部抽選に係る乱数値(以下、「抽選用乱数値」と称する)をカウンタ回路のカウンタ値に基づいて抽出する乱数抽出処理を実行する(ステップS14)。前記抽選用乱数値を抽出するタイミングは、回胴回転始動レバー11が操作された際、回胴回転始動スイッチ11aからの回胴回転開始信号を主制御基板400が受信したタイミングで行われる。
内部抽選用乱数は、主制御基板400のカウンタ回路によって生成され、本実施の形態に係る回胴式遊技機では、8ビットのバイナリカウンタを2個用いて16ビットのハードウェア乱数(0000H〜FFFFH(16進数)の繰り返し)を生成している。なお、前記乱数の生成は、ハードウェア乱数に限られることはなく、CPUに所定のプログラムを実行させることによって生成するソフトウェア乱数を用いても良い。上記乱数値は、乱数値の発生が不規則になるように生成されており、この結果、同じ乱数値が規則的に生成されることを防止するようにしている。この結果、遊技者が意図的に特定の入賞役を狙い当てることができないようになっている。
次に、主制御基板400は、ステップS14の処理で抽出した抽選用乱数値に基づき、内部抽選に関する図柄抽選処理を実行する(ステップS15)。この図柄抽選処理は、前記抽選用乱数値と図柄入賞判定テーブルとに基づき当選役を決定したり、当選役に対応する内部当選フラグを成立させたりする処理である。上記図柄入賞判定テーブルはメインROM401aに記憶されており、入賞役に対応する判定値が記憶されている。当選役は、抽選用乱数値がどの判定値に該当するかで決定され、その旨を示す内部当選フラグが成立する。本実施の形態では、入賞役としてハズレ役、BB役、RB役、再遊技役、小役が設けられている。なお、本実施の形態では、上記BB役およびRB役は、内部当選フラグが成立した遊技で入賞図柄が有効入賞ライン5上に揃えられなかったとしても、成立した内部当選フラグはクリアされず、次回の遊技に内部当選フラグ持ち越すことができる、いわゆる「持ち越し可能入賞役」として設定されている。一方、再遊技役および小役は内部当選フラグが成立した入賞図柄が有効入賞ライン5上に揃えられなかった場合、次回の遊技に内部当選フラグを持ち越すことができない、いわゆる「持ち越し不可能入賞役」として設定されている。
次に、主制御基板400は、各回胴2a、2b、2cの回転を開始させるための回胴回転始動時の設定を行う回胴回転開始設定処理を実行し(ステップS16)、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作された場合、各回胴停止ボタンに対応する回胴を停止させる回胴停止処理を実行する(ステップS17)。
各回胴12a、12b、12cの停止制御は、内部当選フラグに対応する入賞図柄を停止させるための停止制御データを設定し、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作されたタイミングに基づいて、有効入賞ライン5上に入賞図柄が極力揃うように有効ライン5上に入賞図柄を構成する図柄を引き込むための引き込みコマ数を決定し、各回胴12a、12b、12cを停止制御(いわゆる、引き込み制御)する。
次に、主制御基板400は、入賞判定処理を実行する(ステップS18)。この入賞判定処理は、入賞図柄が有効入賞ライン5上で停止したか否かの判定をする停止図柄判定処理や入賞確定時における遊技メダルの払い出しを行うための払出設定処理を行う処理が含まれる。
上記入賞判定処理では、内部当選フラグを確認し、これに対応する入賞図柄が有効入賞ライン5上で停止したか否かを判定する停止図柄判定処理が実行される。内部当選フラグに対応した入賞図柄が有効入賞ライン5上で停止した場合、入賞が確定したとして、遊技メダルの払い出しを行うための払出設定処理が実行される。
次に、主制御基板400は、上記入賞判定処理(ステップS18)で設定された払い出し枚数に基づき、クレジットを加算したり、ホッパーユニット500に遊技メダルの払い出しを実行させたりする遊技メダル払出処理を実行する(ステップS19)。
次に、主制御基板400は、再遊技役に対応する入賞図柄(再遊技図柄)が有効入賞ライン5上に揃っているか否かを判定し(ステップS20)、再遊技図柄が揃っている場合(ステップS20:YES)には、再遊技を行うための処理(再遊技作動開始処理)を実行する(ステップS28)。具体的には、前回の遊技の遊技メダル投入枚数と同等の次回の遊技の遊技メダル投入枚数を設定して、遊技者が遊技メダルを投入することなく次回の遊技を開始可能な状態に設定する。そして、再遊技作動開始処理(ステップS28)を実行した後、RAM初期化処理(ステップS11)に移行する。
一方、再遊技図柄が揃っていない場合(ステップS20:NO)、次に主制御基板400は、RB役に対応する入賞図柄(RB図柄)が有効ライン5上に揃っているか否かを判定し(ステップS21)、RB図柄が揃っている場合(ステップS21:YES)には、RB遊技を実行するための設定を行い(RB作動開始処理:ステップS29)、その後、RAM初期化処理(ステップS11)に移行する。また、RB図柄が揃っていない場合(ステップS21:NO)には、RB遊技中であるか否かを判定し(ステップS22)、RB遊技中の場合(ステップS22:YES)には、RB遊技を進行する上で必要な処理(RB遊技管理処理:ステップS30)を実行した後、RAM初期化処理(ステップS11)に移行する。
一方、RB遊技中ではない場合(ステップS22:NO)、次に主制御基板400は、BB役に対応する入賞図柄が有効入賞ライン5上に揃っているか否かを判定し(ステップS23)、BB図柄が揃っている場合(ステップS23:YES)には、BB遊技を実行するための設定を行い(BB作動開始処理:ステップS31)、その後、RAM初期化処理(ステップS11)に移行する。また、BB図柄が揃っていない場合(ステップS23:NO)には、BB遊技中であるか否かを判定し(ステップS24)、BB遊技中でない場合(ステップS24:NO)には、そのままRAM初期化処理(ステップS11)に移行する。
一方、BB遊技中である場合(ステップS24:YES)、次に主制御基板400は、BB遊技を進行する上で必要な処理(BB遊技管理処理:ステップS25)を実行した後、BB遊技の終了条件を満たしたか否かを判定する(ステップS26)。BB遊技の終了条件を満たしていない場合(ステップS26:NO)には、そのままRAM初期化処理(ステップS11)に移行し、BB遊技の終了条件を満たした場合(ステップS26:YES)には、BB遊技中に使用したメインRAM401bのワーク領域をクリアして(ステップS27)、ステップS12の処理に移行する。
次に、図5を参照して、上記メイン処理において一定時間(本実施の形態では1.502ms)ごとに実行されるタイマ割り込み処理について説明する。図5は、CTC401dからの一定時間ごとの割り込みで起動されるタイマ割り込み処理を示すフローチャートである。
CTC401dの時間定数レジスタには、本実施の形態に係る回胴式遊技機では1.502msに相当する値が設定されており、1.502msごとにタイマ割り込みが発生するようになっている。なお、このタイマ割り込み処理は、CTC401d内部からのマスク可能(maskableinterrupt)な割り込み信号に基づいて実行される。
まず、主制御基板400は、タイマ割り込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を実行する(ステップS40)。
次に、主制御基板400は、ポート入力処理を実行する(ステップS41)。このポート入力処理は、主制御基板400のI/Oポート888を介して入力される回胴式遊技機の総てに配置されたスイッチやセンサ類からの信号の入力を確認して、入力された信号を管理するデータの作成を行い、作成した入力データを割り込みごとに記憶更新する処理である。また、このポート入力処理では、信号線VBLを通じて入力されるバックアップ電源電圧もI/Oポート888を介して入力される。
次に、主制御基板400は、各回胴2a、2b、2cの回転制御および停止制御を行うための回胴回転制御処理を実行する(ステップS42)。この回胴回転制御処理は、各回胴2a、2b、2cの回転制御および停止制御に関する必要な設定を行う処理である。この回胴回転制御処理では、各回胴2a、2b、2cを停止状態から一定の回転速度で回転させるために必要な駆動パルス信号を生成したり、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号(回胴2a、2b、2cの基準位置検出信号)が入力されるタイミングに基づき、各回胴2a、2b、2cがそれぞれ一定の回転速度になったか否かを判定したりする処理も行われている。各回胴2a、2b、2cがそれぞれ一定の回転速度になった場合、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を有効とする。そして、各回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作が有効となっている間に、遊技者により各回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作されたことを検出した場合、前述したメイン処理の回胴停止処理(ステップS17:図4A参照)において回胴停止命令を示す回胴停止フラグがセットされ、本処理において回胴停止フラグが確認された場合、各回胴2a、2b、2cを目的とする位置に停止制御するための駆動パルス信号を生成する。なお、各回胴2a、2b、2cの現在位置は、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号が入力されるタイミングと、回胴駆動モータ211a、211b、211cに出力する駆動パルスの個数により現在位置を把握することができ、これにより、各回胴2a、2b、2cを停止制御する際、目的とする位置に停止制御することが可能となっている。
次に、主制御基板400は、定期更新処理を実行する(ステップS43)。この定期更新処理は、各種遊技動作に必要なタイマを割り込みごとに更新したり、1チップマイクロコンピュータ401に内蔵されているウォッチドッグタイマを定期的にクリアしたり、抽選用乱数の更新をしたりする処理である。この定期更新処理が実行されない場合、例えば、遊技動作制御に異常が発生してプログラムが暴走状態となった場合、ウォッチドッグタイマがタイムアップすると、メインCPU401cが自動的にリセットされて前記暴走状態から復帰する。
次に、主制御基板400は、不正管理処理を実行する(ステップS44)。詳細は追って説明するが、本処理では、バックアップ電源電圧の異常状態が検出された場合に所定の遊技データをメインRAM401bからクリアする処理を行っている。
次に、主制御基板400は、コマンド出力処理を実行する(ステップS45)。このコマンド出力処理は、遊技の進行に伴う処理状態に応じて、演出制御コマンドを演出制御基板420に送信する処理である。演出制御基板420は、この演出制御コマンドを受けて、各種演出手段に目的とする演出内容を現出させるように演出処理を実行する。なお、主制御基板400は、演出制御基板420に対して上記演出制御コマンドを1バイト分出力している。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの演出制御コマンドが送信されることになる。
次に、主制御基板400は、メダル情報出力処理を実行する(ステップS46)。このメダル情報出力処理は、遊技メダルが投入された旨のメダル投入信号や遊技メダルが払い出された旨のメダル払出信号等を出力する処理である。上記各信号は、外部集中端子基板310を介して、ホールコンピュータHCに送信される。ホールコンピュータHCは、前記メダル投入信号や前記メダル払出信号等に基づき、遊技島に設置されている各遊技機に投入された遊技メダルの枚数や払い出された遊技メダルの枚数を管理する。
次に、主制御基板400は、遊技機本体100に配置されたLEDの発光を制御するための発光制御信号を出力するための表示出力処理を実行する(ステップS47)。
そして、ステップS40〜ステップS46の処理を実行した後、退避したレジスタの内容を復帰させ(ステップS48)、メインCPU401cを割り込み許可状態に設定して(ステップS49)、タイマ割り込み処理を終了する。
次に、図6を参照して、図5のタイマ割り込み処理の不正管理処理(ステップS44)について説明する。本処理は、遊技データクリア部555として機能するものである。
まず、主制御基板400は、信号線VBLを通じてI/Oポートを介して入力されたバックアップ電源電圧の入力レベル(以下、「Vbb入力レベル」と称する)を取得して、そのレベルが「H」レベルであるか否かを判定する(ステップS440)。取得したVbb入力レベルが「H」レベルである場合(ステップS440:NO)、正常であると判断してそのまま不正管理処理を終了する。
一方、上記取得したVbb入力レベルが「H」レベルではない場合、すなわち、異常状態を示す「L」レベルである場合(ステップS440:YES)、次に主制御基板400は、所定の遊技データがメインRAM401bのワーク領域に設定されているか否かを確認する(ステップS441)。本実施の形態では、入賞役のうち最も遊技価値が高いBB役の内部当選フラグが成立しているか否かを確認している。
BB役の内部当選フラグが成立していない場合(ステップS441:NO)、そのまま不正管理処理を終了する。一方、BB役の内部当選フラグが成立している場合(ステップS441:YES)、次に主制御基板400は、成立したBB役の内部当選フラグをクリアする処理を実行して(ステップS442)、不正管理処理を終了する。ステップS422の処理では、BB役の内部当選フラグの成立をクリア(または初期状態)する方法であればどのような処理方法を採用しても良い。ステップS422の処理内容としては、例えば、BB役の内部当選フラグをハズレ役である旨の情報に書き換える処理が挙げられる。また、本処理では、BB役の内部当選フラグをクリアするだけで、BB遊技中である旨を示す遊技データはクリアしないことが好ましい。例えば、予期せぬ故障により、営業中であってもコネクタA〜Hを取り外して各スイッチ類を修理交換する場合がある。この場合、BB遊技中である旨を示す遊技データがクリアされてしまうと、BB遊技が強制的に終了してしまうので、遊技者に多大な損害を与えてしまうからである。
上述のように、BB役の内部当選フラグをクリアする処理、例えばハズレ役である旨の情報に書き換える処理を行えば、打ち込み機によりBB内部当選フラグ成立による打ち込み動作が完了したとしても、打ち込み機を取り外した時点で、本処理によってハズレ役の内部当選情報に書き換えられるため、今回の遊技で遊技メダルの払い出しも行われることがなく、遊技機本体100の電気系統をもとに戻せば、次回以降の遊技において通常の遊技が進行していくことになる。これにより、打ち込み機を使用したとしても、遊技者間の公平な遊技が保たれると共に、打ち込み機を無力化することができる。なお、既に説明したように、本処理においてクリアされる遊技データは、BB役の内部当選フラグをクリアすることに限らず、クリアする遊技データは適宜変更可能である。なお、不正管理処理(ステップS44)をメイン処理(図4A、4B参照)中に設けても良く、例えば、図柄抽選処理(ステップS15)やその直後の処理に設けても同様の効果を得ることができる。この場合、当選役としてBB役が決定されて、これに対応する内部当選フラグを成立させる処理を実行した後、不正管理処理(ステップS44)を実行するようにし、当該処理によりバックアップ電源電圧が異常であることが検出されれば、所定の遊技データをクリアするように構成すれば良い。
最後に、図7を参照して、メイン電源が遮断された際の電圧降下割り込み処理について説明する。本実施の形態では、既に説明したように、メイン電源の電圧異常を示す電源断信号ALARMのレベルが「H」レベルに変化した場合、NMI割り込みが発生して電圧降下割り込み処理が実行される。
まず、主制御基板400は、電源断信号ALARMを取得して、そのレベルが「H」レベルであるか否かを判定する(ステップS60)。電源断信号ALARMが「H」レベルではない場合(ステップS60:NO)、すなわち、ノイズ等によって割り込みが発生したような場合、これは正常値であると判断しそのまま電圧降下割り込み処理を終了し、割り込みが発生直前のアドレスに戻る。一方、電源断信号ALARMが「H」レベルである場合(ステップS60:YES)、電源断が生じたとして、レジスタを退避し(ステップS61)、スタックポインタを退避する(ステップS62)。
次に、バックアップされるメインRAM401bのワーク領域に、チェックサム値を作成し、保存する(ステップS63)。このチェックサム値は、メイン電源遮断時にレジスタが正しくスタック領域に設定されたか否かを判断するために利用されるデータであり、メイン処理(図4A参照)の初期設定処理(ステップS10)において、遊技復旧処理を実行する際、バックアップしたデータが正しくバックアップされたものか否かを判定するために用いられる。
そして、主制御基板400は、メインRAM401bをアクセス不能にして割り込み禁止状態に設定し(ステップS64)、出力ポートをオフに設定して(ステップS65)、停電まで待機する。この後は、メインCPU401cを動作させるための電源電圧(Vdd:DC5V)が低下していくので、メインCPU401cは動作不能となる。勿論、電源が復旧すればチェックサムデータを確認し、ステップS62、S63において退避したレジスタを復帰させることで遊技を再開することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好ましい一実施の形態について説明したが、これは、本発明を単に例示したものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。また、本発明の逸脱しない範囲において、回胴式遊技機を構成する要素、各種パラメータを適宜変更することができる。
本発明は、回胴式遊技機に有用である。