JP4637800B2 - 光ディスク及びその製造方法、スタンパー、信号処理方法、信号処理装置、画像描画方法、並びに光ディスク記録装置 - Google Patents

光ディスク及びその製造方法、スタンパー、信号処理方法、信号処理装置、画像描画方法、並びに光ディスク記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ光により情報の記録再生が可能な光ディスクに関し、特に、レーザ光により描画も可能な光ディスクに関する。また、当該光ディスクの製造に好適なスタンパーおよび光ディスクの製造方法に関する。
DVD−R等の光ディスクについては、そのレーベル面(記録時または再生時に、レーザ光を照射する側とは反対側の面)に、インク受容層(印刷層)を設けた光ディスクが実用化されている。ユーザは、インクジェットプリンタ等を用いてこの印刷層上に写真や絵を印刷することが可能である。
一方、インクジェットプリントでは、画像を形成するためにインクジェットプリンタ等を新たに用意するため、ユーザにはコスト的に負担となってしまう。また、光ディスクに情報を記録した後、インクジェットプリンタ等に光ディスクを移して画像を形成することは、手間がかかる作業である。さらに、複数の光ディスクに情報を記録して画像を形成する場合、その手間が非常に煩雑に感じられてしまう。
そこで、記録面に対する情報記録(デジタルデータ記録)に加え、光ディスクに対して、高コントラスト比の画像を記録することが可能な画像形成装置および画像形成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、当該画像形成装置および画像形成方法では、トラッキングをかけずに描画記録を行うため、描画の正確性や安定性に欠けてしまうといった問題がある。これは、描画に関する情報などを光ディスクに搭載しておいて、その情報を記録機が読み込むことで改良することができる。
なお、記録面に対する情報記録に加え、画像を記録できる光ディスクとしては特許文献2〜4に開示のものが知られている。
特開平2004−005848号公報 特開2000−113516号公報 特開2001−283464号公報 特開2000−173096号公報
ここで、上記特許文献2〜4には画像を記録できる光ディスクが開示されているが、レーベル面に画像を描画する際には、光ディスク記録装置で光ディスクを認識する必要がある。しかしながら、特許文献2〜4の光ディスクには光ディスク記録装置で認識できる手段は開示されていない。
本発明は、上記従来の課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、描画に関する信号の検出を容易に行うことができる光ディスクを提供することを目的とする。また、当該光ディスクを効率よく製造するためのスタンパーおよび光ディスクの製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記特定の光ディスクに対し、該プリピット信号をデコードしてプリピット情報を得ることができる信号処理方法、及び該信号処理方法を実行する信号処理装置を提供することを目的とする。また、本発明は、レーザー光の照射により可視画像の描画が可能な画像記録層を有する光ディスクの画像記録層への画像描画をより高品位に行うことができる画像描画方法、並びに該画像描画方法を適用し得る光ディスク記録装置、並びに光記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的は、以下に示す本発明により達成される。
すなわち、本発明は、基板と、前記基板上に形成されレーザ光の照射により可視画像の描画が可能な色素化合物を含有する画像記録層とを有する光ディスクであって、前記基板の前記画像記録層側の表面に、平均深さh が100〜400nmのプリピットが形成されており、前記プリピットが形成されている領域上に前記画像記録層の少なくとも一部が形成されており、前記プリピットの凸部上の前記画像記録層の平均厚みh と、前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の平均厚みh との比(h /h )が、0.1〜0.9であり、前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の窪みの深さ(h +h −h )が70〜250nmであることを特徴とする光ディスクである。また、本発明は、基板と、前記基板上に形成されレーザ光の照射により可視画像の描画が可能な色素化合物を含有する画像記録層とを有する光ディスクであって、前記基板の前記画像記録層側の表面に、平均半値幅Wが200〜500nmのプリピットが形成されており、前記プリピットが形成されている領域上に前記画像記録層の少なくとも一部が形成されており、前記プリピットの凸部上の前記画像記録層の平均厚みh と、前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の平均厚みh との比(h /h )が、0.1〜0.9であり、
前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の窪みの深さ(h +h −h )が70〜250nmであることを特徴とする光ディスクである。
上記本発明によれば、当該プリピットに光ディスクに関する製品情報や描画に関する情報を搭載することで、光ディスク記録装置でかかる光ディスクを認識できる。また本発明の光ディスクでは、上記情報が上記特定の条件を満たすことから、光ディスクからの戻り光を十分に確保でき、信号検出を容易にすることができる。また、描画に関する情報を用いて、高い描画特性を発揮することができる。また、プリピットが上記特定の形状であることで、検出信号の信号振幅が大きくなり、信号の読み取り精度を高くすることができる。
本発明に係る光ディスクにおいては、前記プリピットの平均半値幅Wが200〜500nmであることで、光ディスクからの戻り光をさらに十分に確保できる。さらに、かかる態様であることで、トラック間方向のクロストークが小さく、十分な信号振幅が得られる。
また、本発明に係る光ディスクにおいては、前記プリピットの凸部上の前記画像記録層の平均厚みhと、前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の平均厚みhとの比(h/h)が、0.1〜0.9であり、前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の窪みの深さ(h+h−h)が70〜250nmである。これにより、光ディスクからの戻り光をさらに十分に確保できる。さらに、画像記録層の反射層が形成される面が、レーザ光を読み取るのに適度な凹凸を有し、良好な再生信号を得ることができる。
本発明に係る光ディスクにおいては、前記画像記録層に沿って反射層が形成されており、前記画像記録層の窪みの深さ(h+h−h)が100〜200nmであることが好ましい。これにより、光ディスクからの戻り光をさらに十分に確保できる。さらに、より良好な再生信号を得ることができる。
本発明に係る光ディスクにおいては、前記画像記録層が色素化合物を含有する。これにより、いわゆる色素型の光ディスクとすることができる。色素型の光ディスクは、明瞭なピットが得られるため、十分なコントラスト及び視認性が得られる。
本発明に係る光ディスクにおいては、前記画像記録層が前記色素化合物を含有する塗布液を用いてスピンコートにより形成されていることが好ましい。スピンコートにより形成することで、簡便に基画像記録層を形成することが可能となり、生産性の高い光ディスクとすることができる。
本発明に係る光ディスクにおいては、前記基板の厚さが0.5〜1.1mmであることが好ましい。0.5〜1.1mmであることで、例えばDVD−R及びDVD+RのドライブやDVDレコーダに搭載されているレーザーでの描画が可能になる。
本発明においては、前記画像記録層、レーザ光略同一の軌跡に複数回照射て可視情報記録、前記プリピットにレーザ光を照射した後の戻り光を検出して可視情報の記録を行うことが好ましい。かかる可視情報の記録方法とすることで、描画可能なディスクであることをドライブやレコーダが認識させることができる。また、複数回照射することで、描画コントラストを向上させることができる。
本発明においては、前記画像記録層、レーザ光光ディスクの半径方向に遥動し且つ略同一の軌跡に複数回照射て可視情報記録、前記プリピットにレーザ光を照射した後の戻り光を検出して可視情報の記録を行うことが好ましい。かかる可視情報の記録方法とすることで、さらに、描画コントラストを向上させることができる。
なお、本発明は、ディスク状のものに限定されず、カード状の光情報記録媒体でもよい。
上記の光記録媒体(光ディスク)は、上記のようにレーザ光を略同一の軌跡に複数回照射されるシステム又はレーザ光が光ディスクの半径方向に遥動し且つ略同一の軌跡に複数回照射されるシステムに使用されることが好ましい。上記の光記録媒体はこのようなシステムに使用された場合でも、装置において十分に光ディスクの情報が認識でき、可視情報の記録が円滑に進行する。
また、上記特定のプリピットを有する光ディスクは、CD用途(レーザ波長700nm〜800nm)、DVD用途(レーザ波長600nm〜700nm)、BL用途(レーザ波長380nm〜450nm)の光ディスク装置のいずれにも使用できる。これらの装置においては、上記特定のプリピットを有することから、光ディスクの信号検出が円滑に行われる。これらの用途の中でも、上記特定のプリピットを有する光ディスクは、DVD用途の光ディスク装置に使用されることが好ましい。上記特定のプリピットの場合にはレーザ波長が600nm〜700nmであっても十分に信号が検出できることから、可視情報の記録が円滑に行われる。
発明の光ディスクの基板を作製するためのスタンパー、前記プリピットを形成するための凹凸が設けられている。かかるスタンパーを使用することで、本発明の光ディスクを効率よく製造することができる。基板に既述の形状を有するピットを形成するため、スタンパー前記凹凸のうちの凸部の平均高さが150〜400nmであることが好ましい。
さらに、本発明は、既述の本発明のスタンパーを作製する工程と、前記スタンパーを用いて画像記録層が形成される側にプリピットを有する基板を作製する工程と、前記プリピットを有する基板上に画像記録層を形成する工程と、を含むことを特徴とする光ディスクの製造方法である。本発明の製造方法により、本発明の光ディスクを効率よく製造することができる。
さらに、本発明は、既述の本発明の光ディスクのプリピット領域にレーザー光を照射してプリピット信号を読み出すステップと、前記プリピット信号の極性を反転するステップと、反転されたプリピット信号をデコードするステップと、を有することを特徴とする信号処理方法である。
また、本発明は、既述の本発明の光ディスクのプリピット領域にレーザー光を照射してプリピット信号を読み出す手段と、前記プリピット信号の極性を反転する手段と、反転されたプリピット信号をデコードする手段と、を有することを特徴とする信号処理装置である。
さらに、既述の本発明の光ディスクのプリピット領域にレーザー光を照射してプリピット信号を読み出すステップと、前記プリピット信号の極性を反転するステップと、反転されたプリピット信号をデコードしてプリピット情報を得るステップと、前記プリピット情報に基づいて画像を描画するステップと、を有することを特徴とする画像描画方法である。
また、既述の本発明の光ディスクのプリピット領域にレーザー光を照射してプリピット信号を読み出す手段と、前記プリピット信号の極性を反転する手段と、反転されたプリピット信号をデコードしてプリピット情報を得る手段と、前記プリピット情報に基づいて画像を描画する手段と、を有することを特徴とする光ディスク記録装置である。
プリピットが形成される領域は、例えば、光ディスクの内周側の領域(例えば、半径21〜24mmの領域)に形成されるが、前記画像記録層を、このようなプリピット領域にも形成されるようにした場合は信号の読み出しにおいて問題が生じることがある。すなわち、プリピット領域の上層に画像記録層が存在する場合としない場合において以下のような差異がある。つまり、プリピット領域の上層に画像記録層が存在しない場合、プリピット部位の反射率がプリピット間の反射率よりも低く、その反射率の差に基づき信号を生成し、イコライズ、デコードしてプリピット情報が得られるが、逆に、プリピット領域の上層に画像記録層が存在する場合、プリピット部位の反射率がプリピット間の反射率よりも高く、生成される信号の極性が前述の場合と反対となり、そのままの状態ではデコードしてプリピット情報として使用することができない場合がある。
かかる問題を解消するため、本発明の信号処理方法、信号処理装置、画像描画方法、光ディスク記録装置では、それぞれ、プリピット信号の極性を反転する手段またはステップを有する。これにより、レーザー光の照射により可視画像の描画が可能な画像記録層を有する光ディスクの画像記録層への画像描画をより高品位に行うことができる。
また、本発明は、基板と、前記基板上に形成されレーザ光の照射により可視画像の描画が可能な画像記録層とを有する光記録媒体であって、前記基板の前記画像記録層側の表面に、プリピットが形成されており、前記プリピットの平均深さhが100〜400nmであることを特徴とする光記録媒体である。当該光記録媒体も、本発明の光ディスクと同様な効果を発揮することができる。
本発明の光ディスクによれば、信号の検出を容易に行うことができる。また、本発明の光ディスクの製造方法によれば、当該光ディスクを効率よく製造することができる。さらに、本発明の信号処理方法、及び該信号処理方法を実行する信号処理装置によれば、光ディスクのプリピット信号の極性が規格の極性とは反対である場合でも、該プリピット信号をデコードしてプリピット情報を得ることができる。また、本発明の画像描画方法、並びに該画像描画方法を適用し得る光ディスク記録装置および光記録媒体によれば、レーザー光の照射により可視画像の描画が可能な画像記録層を有する光ディスクの画像記録層への画像描画をより高品位に行うことができる。
[光ディスク等およびスタンパー、並びに、光ディスクの製造方法]
本発明の光ディスクは、レーザ光の照射により視認可能な画像を描画できる画像記録層を基板上に有する。また、画像記録層が形成されている側の基板表面にはプリピットが形成されている。当該プリピットには、各種の情報を搭載することが可能であり、例えば、描画レーザパワー、発光パターンなどの画像記録層の描画に関する情報が搭載されており、情報の信号検出を容易にすることができる。また、描画に関する情報を用いて、高い描画特性を発揮することができる。プリピットに搭載される情報としては、その他に製造者情報などが挙げられる。
プリピットの形成される領域としては、特に制限はされない。つまり、プリピットは、画像記録層が形成されている領域よりも内周側に形成してもよい。すなわち、図3に示すように、プリピット600が形成されている領域(プリピット形成領域)が、画像記録層が形成されている領域(画像記録層形成領域602)よりも内周側にあってもよい。内周側にあることで、プリピットが色素化合物で埋まらないため、信号検出しやすい利点がある。
また、プリピット形成領域に画像記録層を形成しないようにするためには、ピット形成領域の最外周と画像記録層が形成された領域の最内周との間にマージン領域が必要となる。画像記録層形成領域をできるだけ広く確保する観点から、図1に示すように、プリピット600が形成されている領域とその上に形成される画像記録層524とが一部重なっていてもよい。すなわち、プリピット600上に前記画像記録層524の少なくとも一部が形成されていてもよい。この場合には、画像記録層の形成位置を比較的自由に設定できることから、製造工程における歩留まりが向上する。
プリピットを基板の内周に設ける場合は、基板の中心より半径21〜24mmの範囲に設けることが好ましい。
図2に示すように、プリピット(図1の符号600)の平均深さhは100〜400nmとする。100〜400nmであることで、検出信号の信号振幅が大きくなり、信号の読み取り精度を高くすることができる。ここでプリピットの平均深さhについてより詳しく説明すると、プリピット形成領域が画像記録層形成領域602よりも内周側にある場合には、プリピットの平均深さhは100〜250nmであることが好ましく、100〜170nmであることがさらに好ましい。なお、この場合には、後述するようにプリピット形成領域上に色素記録層が形成されている場合に比較して信号特性が優れていることから、プリピットの形状設計を広くすることができる。
一方、プリピット600上に画像記録層524の少なくとも一部が形成されている場合には、プリピットの平均深さhは150〜400nmであることが好ましく、150〜350nmであることがより好ましく、200〜330nmであることがさらに好ましく、230〜330nmであることがよりさらに好ましく、230〜300nmであることが特に好ましい。プリピット600上に画像記録層524が形成されている場合には、レーザの戻り光が色素の影響を受けるため、上記の範囲が信号の読み取り精度を高くするという観点からは好ましい。
プリピットの半径方向の平均半値幅Wは200〜500nmであることが好ましく、250〜450nmであることがより好ましく、390〜440nmであることがさらに好ましい。200〜500nmであることで、トラック間方向のクロストークが小さく、十分な信号振幅が得られる。なお、プリピットの周方向の長さ(半値幅)は、記録する情報によるため、適宜設定される。
また、プリピットの凸部600A上の画像記録層524の平均厚みhと、プリピットの凹部600B上の画像記録層524の平均厚みhとの比(h/h)は、0.1〜0.9であり、プリピットの凹部上の画像記録層の窪みの深さ(h+h−h)が70〜250nmであることが好ましい。
「h/h」および「h+h−h」が上記範囲にあることで、画像記録層524の反射層526が形成される面が、レーザ光を読み取るのに適度な凹凸を有し、良好な再生信号を得ることができる。「h/h」のより好ましい範囲は、0.2〜0.8である。「h+h−h」のより好ましくは100〜200nmであり、さらに好ましくは120〜180nmであり、特に好ましくは130〜170nmである。
また、図2に示すように、画像記録層524に沿って反射層526が形成されていることが好ましく、プリピットの凸部600A上の反射層526の平均厚みtと、プリピットの凹部600B上の反射層の平均厚みtとの比(t/t)は、0.8〜1.2であることが好ましく、0.9〜1.1であることがより好ましい。
なお、上記h、hおよびhなどは、AFMや透過スペクトルおよびエリプソメータから求めることができる。また、他の方法として、完成した光ディスクの断面をSEMなどにより観察することで求めることができる。
上記のようなプリピットを有する基板は、本発明のスタンパーを使用して製造することができる。本発明スタンパーは、既述のプリピットを形成するための凹凸が設けられている。当該凹凸のうちの凸部の平均高さは150〜400nmであることが好ましい。かかるスタンパーを使用することで、本発明の光ディスクを効率よく製造することができる。
当該スタンパーを作製する工程としては、通常のCD−ROMスタンパーを作製するのとほぼ同様の工程を採用することができる。具体的には、ガラス原盤上にフォトレジストを成膜し、現像などを行い、ニッケルなどの金属をスパッタし、電ちゅうすることでスタンパーを作製することができる。
本発明の光ディスクの構成としては、既述のプリピットが形成されており、画像記録層を有する構成であれば特に限定されない。すなわち、読出し専用型の光ディスク、追記型、書換え可能型等の光情報記録媒体のいずれとすることもできる。なかでも、追記型であることが好ましい。また、記録形式としては、相変化型、光磁気型、色素型等、特に制限されない。なかでも、色素型であることが好ましい。
また、本発明の光情報記録媒体は、例えば、以下の構成が挙げられる。
(1)第1の層構成は、第2の基板上に、情報記録層、反射層、接着層を順次形成し、接着層上に、画像記録層を有する第1の基板を貼り合わせる構成である。
(2)第2の層構成は、第2の基板上に、情報記録層、反射層、保護層、接着層を順次形成し、接着層上に、画像記録層を有する第1の基板を貼り合わせる構成である。
(3)第3の層構成は、第2の基板上に、情報記録層、反射層、保護層、接着層、保護層を順次形成し、該保護層上に、画像記録層を有する第1の基板が形成されている構成である。
(4)第4の層構成は、第2の基板上に、情報記録層、反射層、保護層、接着層、保護層、保護層を順次形成し、該保護層上に、画像記録層を有する第1の基板が形成されている構成である。
(5)第5の層構成は、第2の基板上に、情報記録層、反射層、接着層、反射層を順次形成し、該反射層上に、画像記録層を有する第1の基板が形成されている構成である。
(6)第6の層構成は、第2の基板上に、情報記録層、反射層、保護層を順次形成し、一方、第1の基板上に画像記録層、反射層、保護層を順次形成し、接着層を介して両者の保護層を貼り合わせる構成である。
上記(1)〜(6)の層構成は単なる例示であり、当該層構成は上述の順番のみでなく、一部を入れ替えてもよい。また、一部(画像記録層を除く)を省略してもかまわない。さらに、各層は1層で構成されても複数層で構成されてもよい。
以下、基板及び各層について説明する。なお、以下の説明において、第1の基板と第2の基板とを総称して、単に「基板」という場合がある。
なかでも、DVD(DVDの他、DVD−RやDVD−RW、HD DVD等を含む)の構成に適用することが好ましい。すなわち、貼りあわせ型の光ディスクで、少なくとも、一方の基板上に情報記録層、他方の基板上でプリピットが形成された面側に画像記録層を有し、これらが貼り合わされた構成である。
図1は、本発明の光ディスク500の層構成の一例を示す部分断面図である。光ディスク500は、第1の基板512上に、情報記録層514と、第1の反射層516とをこの順に有する第1の積層体520と、第2の基板522上に、レーザー光の照射により可視画像が記録される画像記録層524と、第2の反射層526とをこの順に有する第2の積層体528とを有し、第1の積層体520および第2の積層体528が、第1の反射層516と第2の反射層526とが対向するように、接着層530を介して貼り合わされてなる。また、第2の基板522の画像記録層が形成される面には、プリピット600が形成されている。以下、図1に記載の層構成を例に、各層とその形成方法とについて説明する。
(情報記録層)
情報記録層は、記録及び再生に使用されるレーザー光により情報の記録及び再生が行われる層である。特に、デジタル情報などの符号情報(コード化情報)が記録される。情報記録層としては、色素記録層でも相変化型記録層でもよいが、色素記録層が好ましい。
色素記録層に含有される色素の具体例としては、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、トリアゾール化合物(ベンゾトリアゾール化合物を含む)、トリアジン化合物、メロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、桂皮酸化合物、ベンゾオキサゾール化合物、ピロメテン化合物、スクアリリウム化合物等が挙げられる。なお、これらは配位中心に金属原子を持っていてもよい。
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、及び同2000−158818号公報等に記載されている色素を用いることも可能である。
上記化合物の中では、光情報記録媒体が「CD−R」の場合、シアニン色素、アゾ色素、フタロシアニン色素が好ましく、「DVDーR」の場合、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素(Ni、Co錯体を含む)、ピロメテン化合物が好ましく、「ブルーレイディスクおよびHD DVD」の場合、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物が好ましい。
また、「CD−R」の場合、シアニン色素、アゾ色素、フタロシアニン色素がさらに好ましく、「DVD−R」の場合、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素(Ni、Co錯体を含む)がさらに好ましく、「ブルーレイディスクおよびHD DVD」の場合、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素がさらに好ましい。
情報記録層は、色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製する。次いでこの塗布液を基板上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
情報記録層の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD、又は溶剤塗布等の方法によって行うことができるが、溶剤塗布が好ましい。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチルシクロヘキサンなどの炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。
情報記録層の材料として結合剤を併用する場合、結合剤の使用量は、一般に色素の質量の0.01倍量〜50倍量の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量の範囲にある。
前記溶剤塗布の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。情報記録層は単層でも重層でもよい。情報記録層の層厚は一般に10〜500nmの範囲にあり、好ましくは15〜300nmの範囲にあり、より好ましくは20〜150nmの範囲にある。
情報記録層には、該情報記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に、一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−31194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同68−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、通常、色素の質量の0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
相変化型の情報記録層を構成する材料の具体例としては、Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、In−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、Ag−V−In−Sb−Te合金、Ag−Ge−In−Sb−Te合金、等が挙げられる。なかでも、多数回の書き換えが可能であることから、Ge−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金が好ましい。相変化型の情報記録層の層厚としては、10〜50nmとすることが好ましく、15〜30nmとすることがより好ましい
以上の相変化型の情報記録層は、スパッタ法、真空蒸着法などの気相薄膜堆積法、等によって形成することができる。
(第1の基板、第2の基板)
本発明の光ディスクの第1の基板及び第2の基板は、従来の光ディスクの基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。なお、ここでは、第2の基板の画像記録層側にプリピットが形成されている。
基板材料としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
第2の基板は、既述の本発明のスタンパーを用いて画像記録層が形成される側にプリピットを有する基板を作製する工程を経て製造される。プリピットの深さに相当する凸部の高さは、フォトレジストの膜厚を調整することで制御することができる。
第1の基板及び第2の基板の厚さは、0.1〜1.2mmとすることが好ましく、0.2〜1.1mmとすることがより好ましく、0.5〜1.1mmであることがさらに好ましい。0.5〜1.1mmであることで、例えばDVD−R及びDVD+RのドライブやDVDレコーダに搭載されているレーザーでの描画が可能になる。また、第1の基板には基本的にグルーブ若しくはトラッキング用のサーボ信号が形成されていることが好ましく、第2の基板にはそのような溝若しくはトラッキング用のサーボ信号が形成された基板を用いてもよい。第1の基板のグルーブのトラックピッチは、280〜900nmの範囲にとすることが好ましく、300〜800nmの範囲とすることがより好ましい。また、グルーブの深さ(溝深さ)は、15〜200nmの範囲とすることが好ましく、25〜180nmの範囲とすることがより好ましい。
画像記録層に高精彩な画像を記録するには、第2の基板にもトラッキング用のグルーブ(溝)を設けてもよい。この場合、グルーブのトラックピッチは、記録レーザーの強度分布の観点から、0.3〜200μmの範囲にとすることが好ましく、0.6〜100μmの範囲とすることがより好ましく、0.7〜50μmとすることがさらに好ましい。
また、画像記録時にトラッキングをかけて、かつ、レーザー光を入射する側の基板厚さが0.6mmの場合の溝の深さは、50〜250nmとすることが好ましく、80〜200nmとすることがより好ましく、100〜180nmとすることがさらに好ましい。溝の幅は、100〜600nmとすることが好ましく、200〜500nmとすることがより好ましく、250〜450nmとすることがさらに好ましい。なお、溝形状は、レーザー光の波長、NA、基板厚などでその最適範囲が異なることがある。
第1の基板表面(グルーブが形成された面(ROMの場合はピットが形成された面)側)には、平面性の改善、接着力の向上、及び情報記録層の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。
下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤などを挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。
下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
一方、画像記録層に描画された可視画像において、鏡面反射光による周囲の映りこみを防止するには、第2の基板に粗面化処理を施すことが好ましい。
第2の基板への粗面化処理方法としては、種々の方法があり特に限定はされないが、下記のような第1〜第5の粗面化処理のいずれかを適用することが好ましい。
(1)第1の粗面化処理は、第2の基板が接触する一方の面に、粗面化処理が施されたスタンパを用いて、第2の基板の画像記録層が形成される側の面を粗面化するものである。具体的には、まず、第2の基板を作製する際に使用するスタンパに粗面化処理を施す。当該粗面化処理の方法としては、例えば、サンドブラストといったブラスト処理等を行い、所望の粗さとしておく。また、第5の粗面化処理で説明するような化学処理を施してもよい。そして、このスタンパを粗面化面が第2の基板の樹脂材料に接触するように金型に設置し、公知の方法により成型することで、一方の面にのみ粗面化面を有する第2の基板が作製される。なお、上記「所望の粗さ」としては、例えば、当該面の十点平均粗さ(Rz)が0.3〜5μmであって、かつ、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が、10〜500μmとすることが好ましい。
(2)第2の粗面化処理は、成型後に第2の基板が接触する一方の面に粗面化処理が施された成型金型を用いて、第2の基板の画像記録層が形成される側の面を粗面化するものである。具体的には、第2の基板の成型用金型で、その一方の主面に粗面化処理を施す。当該粗面化処理の方法としては、上記第1の粗面化処理の場合と同様であり、当該金型を用い、公知の方法により成型することで、一方の面にのみ粗面化面を有する第2の基板が作製される。
(3)第3の粗面化処理は、第2の基板を作製した後、画像記録層が形成される側の面に微粒子を分散した樹脂を塗布し、樹脂を硬化させて、第2の基板の画像記録層が形成される側の面を粗面化するものである。上記樹脂としては、アクリレート系紫外線硬化樹脂、エポキシ系、イソシアネート系熱硬化性樹脂等を使用することができる。
また、微粒子は、SiO、Al等の無機微粒子やポリカーボネート、アクリル系の樹脂粒子等を使用することができる。微粒子の体積平均粒径は、0.3〜200μmであることが好ましく、0.6〜100μmであることがより好ましい。当該微粒子の粒径と添加量を調整することで、粗面化面を所望の粗さとすることができる。
(4)第4の粗面化処理は、第2の基板を作製した後、画像記録層が形成される側の面に機械加工処理を施して、第2の基板の画像記録層が形成される側の面を粗面化するものである。機械加工処理としては、種々の処理が適用できるが、サンドブラストといったブラスト処理を適用することが好ましい。
(5)第5の粗面化処理は、第2の基板を作製した後、画像記録層が形成される側の面に化学処理を施して、第2の基板の画像記録層が形成される側の面を粗面化するものである。化学処理としては、成型後の第2の基板の一方の面に溶剤を塗布したり、スプレーで噴霧したりしてエッチングする処理を適用することができる。当該溶剤としては、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤が好ましく、それ以外に、硝酸、塩酸、硫酸といった酸性溶剤などを挙げることができる。上記のような酸性溶剤の規定度を調整したり、塗布時間を調整することで、所望の粗さとすることができる。
(第1の反射層、第2の反射層)
情報の再生時における反射率の向上の目的で、情報記録層、画像記録層に隣接して第1の反射層、第2の反射層が設けられる。反射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au金属、Ag金属、Al金属あるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Ag金属、Al金属あるいはそれらの合金である。反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板もしくは情報記録層の上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
(接着層)
接着層は、図1における第1の積層体520と第2の積層体528とを接着するための層であり、第1の反射層516と第2の反射層526との間に位置する。接着層に使用される接着剤としては、公知の紫外線硬化樹脂などを使用することができる。
(画像記録層)
本発明の光ディスクは、前述のように、情報記録層とは反対側の面に画像記録層を有する。画像記録層には、文字、図形、絵柄など、ユーザーが所望する可視画像(可視情報)が記録される。可視画像としては、例えば、ディスクのタイトル、内容情報、内容のサムネール、関連した絵柄、デザイン的な絵柄、著作権情報、記録日時、記録方法、記録フォーマット、バーコード等が挙げられる。
画像記録層に記録される可視画像とは、視覚的に認識可能な画像を意味し、文字(列)、絵柄、図形などあらゆる視認可能な情報を含む。また、文字情報としては、使用可能者指定情報、使用期間指定情報、使用可能回数指定情報、レンタル情報、分解能指定情報、レイヤー指定情報、ユーザ指定情報、著作権者情報、著作権番号情報、製造者情報、製造日情報、販売日情報、販売店または販売者情報、使用セット番号情報、地域指定情報、言語指定情報、用途指定情報、製品使用者情報、使用番号情報等が挙げられる。
画像記録層は、レーザー光の照射により、文字、画像、絵柄などの画像情報を視認可能に記録できればよい。ピットを明瞭に形成できることを考慮すると、画像記録層は、色素化合物を含有することが好ましい。そして、その構成材料としては、既述の情報記録層において説明した色素を好適に用いることができる。この場合、コストなどを考慮して、画像記録層は色素化合物を含有する塗布液を用いてスピンコートにより形成されていることが好ましい。
また、本発明の光ディスクにおいては、既述の情報記録層の構成成分(色素又は相変化記録材料)と画像記録層の構成成分とを同じとしても異ならせてもよいが、情報記録層と画像記録層とでそれぞれ要求される特性が相違するため、構成成分は異ならせることが好ましい。具体的には、情報記録層の構成成分は記録・再生特性に優れるものとし、画像記録層の構成成分は記録画像のコントラストが高くなるものとすることが好ましい。特に、色素を用いる場合、画像記録層には、記録画像のコントラスト向上の観点から、既述の色素の中でも特に、シアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ色素、アゾ金属錯体、オキソノール色素を用いることが好ましい。
また、ロイコ系の染料も使用することができる。具体的には、クリスタルバイオレットラクトン;3,3−ビス(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド等のフタリド化合物;3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6(N−エチルイソペンチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ベンジルエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−メチルプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランなどのフルオラン化合物;等が好ましい。
画像記録層は、前述の色素を溶剤に溶解して塗布液を調製し、該塗布液を塗布することによって形成することができる。溶剤としては既述の情報記録層の塗布液の調製に使用する溶剤と同じ溶剤を使用することができる。その他の添加剤、塗布方法などは、既述の記録層と同様である。
画像記録層の層厚としては、0.01〜2μmとすることが好ましく、0.05〜1μmとすることがより好ましく、0.1〜0.5μmとすることがさらに好ましい。
なお、画像記録層は、レーザ光が略同一の軌跡に複数回照射されて可視情報が記録される層であり、プリピットにレーザ光を照射した後の戻り光を検出して可視情報の記録が行われる態様、あるいは、画像記録層が、レーザ光が光ディスクの半径方向に遥動し且つ略同一の軌跡に複数回照射されて可視情報が記録される層であり、プリピットにレーザ光を照射した後の戻り光を検出して可視情報の記録が行われる態様であることが好ましい。
かかる態様とすることで、描画可能なディスクであることをドライブやレコーダが認識させることができる。また、複数回照射することで、描画コントラストを向上させることができる。
以下に、保護層について説明する。
(保護層)
第1の反射層や情報記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層が設けられてもよい。
保護層に用いられる材料の例としては、ZnS、ZnS−SiO、SiO、SiO、MgF、SnO、Si等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。
なお、本発明の光ディスクは、第1の基板にレーザー光により再生可能な情報が記録された記録部(ピット)を有する、いわゆる再生専用型の光ディスクに適用することができるのは既述の通りである。
た、光ディスクの変形例として、図21および図22の構成を挙げることができる。図21は、印刷領域702がレーベル面に形成され、ディスク内部(基板720のレーベル面の形成面の側)に、内周側からインフォメーション領域704、画像記録領域(画像記録層)706が形成された構成を示す上面図である。そして、その部分断面構造は、図22に示すとおりで、基板710と基板720との間に、外周側から画像記録領域706、インフォメーション領域704が形成されている。そして、基板720の上面に印刷領域702が形成されている。印刷領域702は、例えば、製品名やメーカー名などが印刷される。印刷方法としては、スクリーン印刷が挙げられる。図21に示すように、かかる印刷領域702を最内端部に形成することで、光ディスクの最内端部が遮蔽され、ユーザーの視覚効果を高めることができる。
インフォメーション領域704は、本発明に係るプリピットが形成されている領域であり、画像記録領域706には、既述のような可視画像がレーザ光により描画される。
ここで、図22において印刷領域702の内周端であるr0は、8〜21mmであることが好ましく外周端であるr1は、21〜23mm(但し、r0<r1)であることが好ましい。インフォメーション領域704の内周端であるr2は、19〜22mmであることが好ましく外周端であるr3は、22〜25mm(但し、r2<r3)であることが好ましい。また、画像記録領域706の内周端であるr3は、22〜25mmであることが好ましく外周端であるr4は、画像記録領域706の最外周に対応する(但し、r3<r4)。
[画像記録方法]
本発明の光ディスクの画像記録層への画像記録は、本発明の光ディスクと、少なくとも該光ディスクの画像記録層への画像情報の記録が可能な記録装置とを用いて行う。
以下、先ず、本発明の光ディスクへの記録に用いられる記録装置について説明する。
(光ディスク記録装置)
本発明の光ディスクにおいて、画像記録層への画像の記録、及び情報記録層への光情報の記録は、例えば、両層への記録機能を有する1つの光ディスクドライブ(記録装置)で行うことができる。このように1つの光ディスクドライブを使用する場合、画像記録層及び情報記録層のいずれか一方の層への記録を行った後、裏返して他方の層に記録を行うことができる。
上述した本発明の光ディスクは、以下のような装置及び方法に対して特に好適に使用することができる。
例えば、上述した本発明の光ディスクが好適に使用される光ディスク記録装置は、
(1)光ディスクの記録面(例えば、情報記録層(記録層))に対してレーザ光を照射して情報記録を行う光ディスク記録装置であって、光ディスクに対してレーザ光を照射する光ピックアップと、前記光ピックアップによる前記光ディスクに対するレーザ光の照射位置を調整する照射位置調整手段と、一方の面に前記記録面が他方の面に画像記録層が形成された光ディスクが、当該画像記録層が前記光ピックアップと対向するようにセットされた場合に、画像情報に対応する可視画像が前記光ディスクの前記画像記録層に形成されるよう前記光ピックアップおよび前記照射位置調整手段を制御する画像形成制御手段と、前記可視画像を形成する際に前記画像記録層に対して前記光ピックアップが照射するレーザ光のビームスポット径が、情報記録を行う際に前記記録面に対して前記光ピックアップが照射するレーザ光のビームスポット径よりも大きくなるように前記光ピックアップを制御するビームスポット制御手段とを具備することを特徴としている。
この構成によれば、画像データに応じてレーザ光を光ディスクの画像記録層に照射することによって、該画像記録層の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像形成の際に、光ディスクの画像記録層に照射するレーザ光のビームスポット径を大きくすることにより、光ディスクが1回転させられている間により大きい領域に対してレーザ光を照射することができ、可視画像形成のために要する時間を短縮することができる。また、上述した本発明の光ディスクはこのような方法でも良好な可視画像を記録することができる。
また、別態様の光ディスク記録装置は、
(2)光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射して情報記録を行う光ディスク記録装置であって、光ディスクに対してレーザ光を照射する光ピックアップと、前記光ピックアップによる前記光ディスクに対するレーザ光の照射位置を調整する照射位置調整手段と、一方の面に前記記録面が他方の面に画像記録層が形成された光ディスクが、当該画像記録層が前記光ピックアップと対向するようにセットされた場合に、画像情報に対応する可視画像が前記光ディスクの前記画像記録層に形成されるよう前記光ピックアップおよび前記照射位置調整手段を制御する手段であって、前記光ピックアップが前記画像記録層に対して照射するレーザ光の強度が、前記画像情報に基づいて前記画像記録層がほとんど変化しない第1の強度、もしくは該第1の強度よりも大きく前記画像記録層が変化する第2の強度のいずれかとなるよう制御する画像形成制御手段と、前記光ディスクに対して前記光ピックアップによって照射されるレーザ光に関する情報を検出し、当該検出結果に基づいて、所望のレーザ光が照射されるよう前記光ピックアップを制御するサーボ手段とを具備し、前記画像形成制御手段は、前記画像情報に基づく制御にしたがって前記光ピックアップが照射するレーザ光の強度が連続して第2の強度となっている時間が一定の時間を超えた場合に当該画像情報の内容に関わらず、前記光ピックアップから照射されるレーザ光の強度が所定の時間だけ第1の強度となるよう制御し、前記サーボ手段は、前記第1の強度で照射されたレーザ光に関する情報の検出結果に基づいて前記光ピックアップを制御することを特徴としている。
この構成によれば、画像データに応じてレーザ光を光ディスクの画像記録層に照射することによって、該画像記録層の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像形成の際に、画像データに応じたレーザ光の強度が画像記録層を変化させる第2の強度である時間が長く続いた場合にも、その画像データに拘わらず、レーザ光制御のために画像記録層がほとんど変化しない第1の強度のレーザ光を照射するようにしたので、その照射結果に基づいたレーザ光制御を行うことができる。また、上述した本発明の光ディスクはこのような方法でも良好な可視画像を記録することができる。
また、別態様の光ディスク記録装置は、
(3)光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射して情報記録を行う光ディスク記録装置であって、光ディスクに対してレーザ光を照射する光ピックアップと、前記光ピックアップによる前記光ディスクに対するレーザ光の照射位置を調整する照射位置調整手段と、画像情報に対応する可視画像が前記光ディスクの前記記録面に形成されるよう前記光ピックアップおよび前記照射位置調整手段を制御する手段であって、前記光ピックアップが前記記録面に対して照射するレーザ光の強度が、前記画像情報に基づいて前記記録面がほとんど変化しない第1の強度、もしくは該第1の強度よりも大きく前記記録面が変化する第2の強度のいずれかとなるよう制御する画像形成制御手段と、前記光ディスクに対して前記光ピックアップによって照射されるレーザ光に関する情報を検出し、当該検出結果に基づいて、所望のレーザ光が照射されるよう前記光ピックアップを制御するサーボ手段とを具備し、前記画像形成制御手段は、前記画像情報に基づく制御にしたがって前記光ピックアップが照射するレーザ光の強度が連続して第2の強度となっている時間が一定の時間を超えた場合に当該画像情報の内容に関わらず、前記光ピックアップから照射されるレーザ光の強度が所定の時間だけ第1の強度となるよう制御し、前記サーボ手段は、前記第1の強度で照射されたレーザ光に関する情報の検出結果に基づいて前記光ピックアップを制御することを特徴としている。
この構成によれば、画像データに応じてレーザ光を光ディスクの画像記録層に照射することによって、該記録層の反射率を画像様に変化させて画像データに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像形成の際に、画像データに応じたレーザ光の強度が記録面を変化させる第2の強度である時間が長く続いた場合にも、その画像データに拘わらず、レーザ光制御のために記録面がほとんど変化しない第1の強度のレーザ光を照射するようにしたので、その照射結果に基づいたレーザ光制御を行うことができる。また、上述した本発明の光ディスクはこのような方法でも良好な可視画像を記録することができる。
また、別態様の光ディスク記録装置は、
(4)光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射して情報記録を行う光ディスク記録装置であって、光ディスクに対してレーザ光を照射する光ピックアップと、前記光ピックアップによる前記光ディスクに対するレーザ光の照射位置を調整する照射位置調整手段と、一方の面に前記記録面が他方の面に画像記録層が形成された光ディスクが、当該画像記録層が前記光ピックアップと対向するようにセットされた場合に、画像情報に対応する可視画像が前記光ディスクの前記画像記録層に形成されるよう前記光ピックアップおよび前記照射位置調整手段を制御する画像形成制御手段と、前記光ディスクが当該光ディスク記録装置にセットされた際に、前記光ディスクにおける前記光ピックアップと対向する面が前記画像記録層であるか前記記録面であるかに基づいて、前記光ディスクの前記光ピックアップと対向する面と前記光ピックアップとの相対位置関係を調整する相対位置調整手段とを具備することを特徴としている。
この構成によれば、画像データに応じてレーザ光を光ディスクの画像記録層に照射することによって、該画像記録層の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データに対応する可視画像を形成することができる。そして、光ディスクがセットされた場合、画像記録層もしくは記録面のいずれが光ピックアップと対向するようにセットされたかに応じて光ピックアップと、これに対向する面との間の位置関係を調整することができる。したがって、記録面を光ピックアップに対向するようにセットした場合と、画像記録層を光ピックアップに対向するようにセットした場合とで光ピックアップとこれに対向する面との距離が異なる場合であっても、その距離の差に起因して種々の制御、例えばフォーカス制御等ができなくなってしまうといった問題を抑制できる。また、上述した本発明の光ディスクはこのような方法でも良好な可視画像を記録することができる。
また、別態様の光ディスク記録装置は、
(5)光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射して情報記録を行う光ディスク記録装置であって、光ディスクに対してレーザ光を照射する光ピックアップと、前記光ピックアップによる前記光ディスクに対するレーザ光の照射位置を調整する照射位置調整手段と、一方の面に前記記録面が他方の面に画像記録層が形成された光ディスクであって、前記記録面に案内溝が螺旋状に形成された光ディスクが、当該画像記録層が前記光ピックアップと対向するようにセットされた場合に、前記光ピックアップが照射したレーザ光の前記光ディスクからの反射光に基づいて前記案内溝に沿ってレーザ光が照射されるよう前記照射位置調整手段を制御するサーボ手段と、前記サーボ手段によって前記案内溝に沿って前記レーザ光の照射位置が移動させられている間に、画像情報に対応する可視画像が前記光ディスクの前記画像記録層に形成されるよう前記光ピックアップから照射されるレーザ光を制御する画像形成制御手段とを具備することを特徴としている。また、上述した本発明の光ディスクはこのような方法でも良好な可視画像を記録することができる。
この構成によれば、画像データに応じてレーザ光を光ディスクの画像記録層に照射することによって、該画像記録層の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データに対応する可視画像を形成することができる。この際、記録面に形成された案内溝を検出し、該検出した案内溝に沿ってレーザ光照射位置を移動させるといった記録面に対して記録を実施するときと比して複雑なレーザ光照射位置制御を行うことなく、可視画像形成を行うことができる。
また、別態様の光ディスク記録装置は、
(6)光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射して情報記録を行う光ディスク記録装置であって、光ディスクに対してレーザ光を照射する光ピックアップと、前記光ディスクを回転させる回転駆動手段と、前記回転駆動手段による前記光ディスクの回転速度に応じた周波数のクロック信号を出力するクロック信号出力手段と、一方の面に前記記録面が他方の面に画像記録層が形成された光ディスクが、当該画像記録層が前記光ピックアップと対向するようにセットされた場合に、画像情報に対応する可視画像が前記光ディスクの前記画像記録層に形成されるよう前記光ピックアップを制御する手段であって、前記信号出力手段によってクロック信号の周期毎に前記画像情報に基づいて前記光ピックアップから照射されるレーザ光を制御する画像形成制御手段と、前記回転駆動手段によって前記光ディスクが所定の基準位置から1回転させられたことを検出する回転検出手段と、前記可視画像を前記光ディスクの前記画像記録層に形成するために前記光ピックアップによってレーザ光が照射された状態で前記光ディスクが前記所定の基準位置から1回転させられたことが前記回転検出手段によって検出された場合に、前記光ピックアップによるレーザ光の照射位置を当該光ディスク記録装置にセットされた前記光ディスクの所定の径方向に所定量移動させる照射位置調整手段とを具備することを特徴としている。
この構成によれば、画像データに応じてレーザ光を光ディスクの画像記録層に照射することによって、該画像記録層の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データに対応する可視画像を形成することができる。この可視画像形成の際に、光ディスクの回転速度に応じた周波数のクロック信号の周期毎、つまり光ディスクが一定角度回転する毎に可視画像形成のためのレーザ光照射制御を行っているので、光ディスクの一定の角度毎の位置に画像データに応じた内容(例えば、濃度)の可視画像を形成することができる。また、上述した本発明の光ディスクはこのような方法でも良好な可視画像を記録することができる。
また、別態様の光ディスク記録装置は、
(7)光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射して情報記録を行う光ディスク記録装置であって、光ディスクに対してレーザ光を照射する光ピックアップと、前記光ディスクを回転させる回転駆動手段と、前記回転駆動手段によって前記光ディスクが所定の基準位置から1回転させられたことを検出する回転検出手段と、一方の面に前記記録面が他方の面に画像記録層が形成された光ディスクが、当該画像記録層が前記光ピックアップと対向するようにセットされた場合に、画像情報に対応する可視画像が前記光ディスクの前記画像記録層に形成されるよう前記光ピックアップを制御する画像形成制御手段と、前記可視画像を前記光ディスクの前記画像記録層に形成するために前記光ピックアップによってレーザ光が照射された状態で前記光ディスクが前記所定の基準位置から1回転させられたことが前記回転検出手段によって検出された場合に、前記光ピックアップによるレーザ光の照射位置を当該光ディスク記録装置にセットされた前記光ディスクの所定の径方向に所定量移動させる照射位置調整手段とを具備しており、前記画像形成制御手段は、前記回転駆動手段によって回転させられる前記光ディスクの前記画像記録層の前記所定の基準位置から前記可視画像を形成するために前記光ピックアップにレーザ光を照射させる一方で、当該レーザ光の照射位置が前記光ディスクの前記所定の基準位置に達するよりも所定量だけ前方の位置から前記所定の基準の位置までの領域に対して前記可視画像形成のためのレーザ光が照射されないよう前記光ピックアップを制御することを特徴としている。
この構成によれば、画像データに応じてレーザ光を光ディスクの画像記録層に照射することによって、該画像記録層の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像形成の際に、光ディスクを回転させながら、当該光ディスクの基準位置からレーザ光を照射して可視画像を形成し、レーザ光照射位置がその基準位置に戻る直前の領域に対しては可視画像形成のためのレーザ光照射を行わないようにしている。したがって、光ディスクの回転が不安定になる等の何らかの理由でレーザ光照射位置制御が乱れ、基準位置からレーザ光を照射し続けて光ディスクが1回転させられ、その照射位置が再度基準位置を通過する、つまり後に既にレーザ光を照射した位置とに重なる位置にレーザ光の照射位置が移動するといったことがあった場合にも、その位置に可視画像形成のためのレーザ光が照射されることを抑制でき、この結果形成される可視画像の品位が劣化することを防止できる。
また、別態様の光ディスク記録装置は、
(8)光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射して情報記録を行う光ディスク記録装置であって、光ディスクに対してレーザ光を照射する光ピックアップと、前記光ピックアップによる前記光ディスクに対するレーザ光の照射位置を調整する照射位置調整手段と、当該光ディスク記録装置にセットされた光ディスクの種類を識別するためのディスク識別情報を取得するディスク識別手段と、一方の面に前記記録面が他方の面に画像記録層が形成された光ディスクが、当該画像記録層が前記光ピックアップと対向するようにセットされた場合に、画像情報に対応する可視画像が前記光ディスクの前記画像記録層に形成されるよう前記光ピックアップおよび前記照射位置調整手段を制御する手段であって、前記ディスク識別手段によって識別された光ディスクの種類に応じて前記光ピックアップおよび前記照射位置調整手段を制御する画像形成制御手段とを具備することを特徴としている。
この構成によれば、画像データに応じてレーザ光を光ディスクの画像記録層に照射することによって、該画像記録層の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像形成の際に、セットされたディスクの種類に応じた可視画像形成のための制御を行うことができる。
また、別態様の光ディスク記録装置は、
(9)光ディスクに対してレーザ光を照射する光ピックアップと、外部から供給される情報を変調する変調手段と、前記変調手段から供給される情報に応じて前記光ピックアップから照射されるレーザ光を制御するレーザ光制御手段とを備えた光ディスク記録装置において、一方の面に前記記録面が他方の面に画像記録層が形成された光ディスクの前記画像記録層に対して可視画像を形成する場合に、外部から供給される画像情報に対する前記変調手段による変調を禁止する禁止手段と、前記光ディスクの前記画像記録層が前記光ピックアップと対向するようにセットされた場合に、前記変調手段から供給される変調がなされていない画像情報に対応する可視画像が前記光ディスクの前記画像記録層に形成されるよう前記レーザ光制御手段を制御する画像形成制御手段とを具備することを特徴としている。
この構成によれば、画像データに応じてレーザ光を光ディスクの画像記録層に照射することによって、該画像記録層の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像形成の際には、記録面に対して情報を記録する時に記録データに対して変調を施す変調手段による変調を禁止しているので、画像データが変調されることがない。したがって、当該画像データに応じた可視画像を形成するために特別のデータ転送構成を設けることなく、記録面に対して情報記録をする際のデータ転送構成を併用することができる。
別態様の光ディスク記録装置は、
(10)光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射して情報記録を行う光ディスク記録装置であって、光ディスクに対してレーザ光を照射する光ピックアップと、前記光ピックアップによる前記光ディスクに対するレーザ光の照射位置を調整する照射位置調整手段と、一方の面に前記記録面が他方の面に画像記録層が形成された光ディスクが、当該画像記録層が前記光ピックアップと対向するようにセットされた場合に、画像情報に対応する可視画像が前記光ディスクの前記画像記録層に形成されるよう前記光ピックアップおよび前記照射位置調整手段を制御する画像形成制御手段とを具備しており、前記画像形成制御手段は、前記画像情報に示される階調度合いに応じて前記光ピックアップから照射されるレーザ光を制御することを特徴としている。
この構成によれば、画像データに応じてレーザ光を光ディスクの画像記録層に照射することによって、該画像記録層の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像形成の際に、画像データに示される画像記録層上の各位置(座標)の階調度に応じたレーザ光制御を行うことができ、階調表現がなされた可視画像を形成することができる。
別態様の光ディスク記録装置は、
(11)光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射して情報記録を行う光ディスク記録装置であって、光ディスクを回転させる回転手段と、前記回転手段により回転する光ディスクに対し、前記一方の面からレーザ光を照射するとともに、当該光ディスクの略半径方向に移動可能な光ピックアップと、画像記録層に可視画像を形成する際に前記光ピックアップから出射されるレーザ光のレベルを調整する手段であって、形成すべき可視画像を表す画像データに基づいて、前記光ディスクの前記記録層および前記画像記録層をほとんど変化させない第1の強度、あるいは、前記記録層をほとんど変化させないとともに前記画像記録層の発色を変化させる第2の強度のいずれかになるように前記光ピックアップから出射されるレーザ光のレベルを調整するレーザ光レベル制御手段とを有することを特徴とする。
この装置によれば、上記本発明の光ディスクに対して、従来と同様にして記録層に対してレーザ光を照射して情報記録をすることができるとともに、画像記録層に対して可視画像の形成をすることができる。さらに、情報記録も、可視画像の形成も、光ディスクの同一面からレーザ光を照射することにより実行することが可能であることから、ユーザは光ディスクを裏返して再セットするなどの煩わしい作業をする必要がない。
また、本発明の光ディスクの画像記録層への画像形成方法は、光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射して情報記録を行う光ピックアップを有する光ディスク記録装置を用い、光ディスクにおける前記記録面と反対側の面に形成された画像記録層に対して可視画像を形成する方法であって、前記光ピックアップによるレーザ光の照射位置を前記画像記録層に所定の螺旋状もしくは同心円周状の経路に沿って移動させながら、画像情報に対応する可視画像が前記光ディスクの前記画像記録層に形成されるよう前記光ピックアップが照射するレーザ光を制御し、当該レーザ光の制御では、前記光ディスクを複数に分割した扇形部分の各々に属する隣接する所定数(複数)の前記経路を含む領域を単位領域とし、前記可視画像における当該単位領域の濃淡が表現されるように当該単位領域に属する前記経路の各々に照射するレーザ光の照射タイミングを制御することを特徴としている。
この方法によれば、画像データに応じてレーザ光を光ディスクの画像記録層に照射することによって、該画像記録層の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像形成の際に、画像データに示される画像記録層上の各位置(座標)の階調度に応じたレーザ光照射タイミング制御を行うことができ、階調表現がなされた可視画像を形成することができる。
A.上記光ディスク記録装置の具体的構成
前記光ディスク記録装置は、光ディスクの記録面に対してレーザ光を照射して情報を記録する光ディスク記録装置であり、このような記録面に対する情報記録だけではなく、記録面と反対側の面に画像記録層が形成された光ディスクの当該画像記録層にレーザ光を照射することにより画像データに対応する可視画像を形成する機能を有している。なお、かかる装置では、所定の色素を使用する光ディスクに対しては、画像記録層のみならず、通常のデジタルデータを記録する記録層に対しても可視画像を記録できる。
−光ディスク記録装置の構成−
図4は光ディスク記録装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この光ディスク記録装置100は、ホストパーソナルコンピュータ(PC)110に接続されており、光ピックアップ10と、スピンドルモータ11と、RF(Radio Frequency)アンプ12と、サーボ回路13と、デコーダ15と、制御部16と、エンコーダ17と、ストラテジ回路18と、レーザドライバ19と、レーザパワー制御回路20と、周波数発生器21と、ステッピングモータ30と、モータドライバ31と、モータコントローラ32と、PLL(Phase Locked Loop)回路33と、FIFO(First In FirstOut)メモリ34と、駆動パルス生成部35と、バッファメモリ36とを備えている。
スピンドルモータ11は、データを記録する対象となる光ディスクDを回転駆動するモータであり、サーボ回路13によりその回転数が制御される。本実施形態における光ディスク記録装置100では、CAV(Constant Angular Velocity)方式で記録等を実施するようになっているので、スピンドルモータ11は制御部16等からの指示で設定された一定の角速度で回転するようになっている。
光ピックアップ10は、スピンドルモータ11によって回転させられる光ディスクDに対してレーザ光を照射するユニットであり、その構成を図5に示す。同図に示すように、光ピックアップ10はレーザービームBを出射するレーザーダイオード53と、回折格子58と、レーザービームBを光ディスクDの面に集光する光学系55と、反射光を受光する受光素子56とを備えている。
光ピックアップ10において、レーザーダイオード53は、レーザドライバ19(図4参照)から駆動電流が供給されることにより該駆動電流に応じた強度のレーザービームBを出射する。光ピックアップ10は、レーザーダイオード53より出射されたレーザービームBを回折格子58により主ビームと先行ビームと後行ビームに分離し、この3つのレーザービームを偏光ビームスプリッタ59、コリメータレンズ60、1/4波長板61、対物レンズ62を経て、光ディスクDの面に集光させる。そして、光ディスクDの面で反射された3つのレーザービームを、再び対物レンズ62、1/4波長板61、コリメータレンズ60を透過させて、偏光ビームスプリッタ59で反射させ、シリンドリカルレンズ63を経て、受光素子56に入射させるようになっている。受光素子56は受光した信号をRFアンプ12(図4参照)に出力し、該受光信号がRFアンプ12を介して制御部16やサーボ回路13に供給されるようになっている。
対物レンズ62は、フォーカスアクチュエータ64およびトラッキングアクチュエータ65に保持されて、レーザービームBの光軸方向および光ディスクDの径方向に移動できるようになっている。フォーカスアクチュエータ64およびトラッキングアクチュエータ65の各々は、サーボ回路13(図4参照)から供給されるフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号に応じて対物レンズ62を光軸方向および径方向に移動させる。なお、サーボ回路13は、受光素子56およびRFアンプ12を介して供給される受光信号に基づいてフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号を生成し、上記のように対物レンズ62を移動させることでフォーカス制御およびトラッキング制御を行う。
また、光ピックアップ10には、図示しないフロントモニターダイオードを有しており、レーザーダイオード53がレーザ光を出射しているときに、当該出射光を受光したフロントモニタダイオードに電流が生じ、当該電流が光ピックアップ10から図4に示すレーザパワー制御回路20に供給されるようになっている。
RFアンプ12は光ピックアップ10から供給されたEFM(Eight to Fourteen Modulation)変調されたRF信号を増幅し、増幅後のRF信号をサーボ回路13およびデコーダ15にRF信号を出力する。デコーダ15は、再生時にはRFアンプ12から供給されるEFM変調されたRF信号をEFM復調して再生データを生成する。
サーボ回路13には、制御部16からの指示信号、周波数発生器21から供給されるスピンドルモータ11の回転数に応じた周波数のFGパルス信号、およびRFアンプ12からのRF信号が供給される。サーボ回路13は、これらの供給される信号に基づいて、スピンドルモータ11の回転制御および光ピックアップ10のフォーカス制御、トラッキング制御を行う。光ディスクDの記録面(情報記録層)に情報を記録する時や、光ディスクDの画像記録層(図1参照)に可視画像を形成する場合のスピンドルモータ11の駆動方式としては、光ディスクDを角速度一定で駆動する方式(CAV:Constant Angular Velocity)や、一定の記録線速度となるように光ディスクDを回転駆動する方式(CLV:Constant Linear Velocity)のいずれを用いるようにしてもよく、図1以降において説明する光ディスク記録装置100では、CAV方式を採用しており、サーボ回路13はスピンドルモータ11を制御部16によって指示された一定の角速度で回転駆動させる。
バッファメモリ36は、ホストPC110から供給される、光ディスクDの記録面に記録すべき情報(以下、記録データという)および光ディスクDの画像記録層に形成すべき可視画像に対応した情報(以下、画像データ)を蓄積する。そして、バッファメモリ36に蓄積された記録データをエンコーダ17に出力され、画像データは制御部16に出力される。
エンコーダ17は、バッファメモリ36から供給される記録データをEFM変調し、ストラテジ回路18に出力する。ストラテジ回路18は、エンコーダ17から供給されたEFM信号に対して時間軸補正処理等を行い、レーザドライバ19に出力する。
レーザドライバ19は、ストラテジ回路18から供給される記録データに応じて変調された信号と、レーザパワー制御回路20の制御にしたがって光ピックアップ10のレーザダイオード53(図5参照)を駆動する。
レーザパワー制御回路20は、光ピックアップ10のレーザダイオード53(図5参照)から照射されるレーザパワーを制御するものである。具体的には、レーザパワー制御回路20は、制御部16によって指示される最適なレーザパワーの目標値と一致する値のレーザ光が光ピックアップ10から照射されるようにレーザドライバ19を制御する。ここで行われるレーザパワー制御回路20によるレーザパワー制御は、光ピックアップ10のフロントモニタダイオードから供給される電流値を用い、目標となる強度のレーザ光が光ピックアップ10から照射されるように制御するフィードバック制御である。
FIFOメモリ34には、ホストPC110から供給されバッファメモリ36に蓄積された画像データが制御部16を介して供給され順次蓄積される。ここで、FIFOメモリ34に蓄積される画像データ、すなわちホストPC110から当該光ディスク記録装置100に供給される画像データは以下のような情報を含んでいる。この画像データは、円盤状の光ディスクDの面上に可視画像を形成するためのデータであり、図6に示すように、光ディスクDの中心Oを中心とした多数の同心円上のn個の各座標(図中黒点で示す)毎にその階調度(濃淡)を示す情報が記述されている。当該画像データは、これらの各座標の階調度を示す情報が最内周側の円に属する座標点P11、P12……P1n、その1つ外周側の円に属する座標P21、P22……P2n、さらにその1つ外周側の円に属する座標といった順序で最外周の円の座標Pmnまでの各々座標点の階調度を示す情報が記述されたデータであり、FIFOメモリ34にはこのような極座標上の各座標の階調度を示す情報が上記のような順序で供給されることになる。なお、図6は各座標の位置関係を明瞭に示すために模式的に示す図であり、実際の各座標は図示したものよりも密に配置されることになる。また、ホストPC110において、一般的に使用されるビットマップ形式等で光ディスクDの感光面に形成する画像データを作成した場合には、当該ビットマップデータを上記のような極座標形式のデータに変換し、変換後の画像データをホストPC110から光ディスク記録装置100に送信するようにすればよい。
上記のように供給される画像データに基づいて、光ディスクDの画像記録層に対して可視画像を形成する際、FIFOメモリ34には、PLL回路33から画像記録用のクロック信号が供給されるようになっている。FIFOメモリ34は、この画像記録用のクロック信号のクロックパルスが供給される毎に、最も先に蓄積された一つの座標の階調度を示す情報を駆動パルス生成部35に出力するようになっている。
駆動パルス生成部35は、光ピックアップ10から照射するレーザ光の照射タイミング等を制御する駆動パルスを生成する。ここで、駆動パルス生成部35は、FIFOメモリ34から供給される各座標毎の階調度を示す情報に応じたパルス幅の駆動パルスを生成する。例えば、ある座標の階調度が比較的大きい場合(濃度が大きい場合)には、図7上段に示すようにライトレベル(第2の強度)のパルス幅を大きくした駆動パルスを生成し、一方階調度が比較的小さい座標については図7下段に示すようにライトレベルのパルス幅を小さくした駆動パルスを生成する。ここで、ライトレベルとは、そのレベルのレーザパワーを光ディスクDの画像記録層に照射した際に画像記録層に変化が生じ、反射率が明らかに変化するパワーレベルであり、上記のような駆動パルスがレーザドライバ19に供給された場合、そのパルス幅に応じた時間だけライトレベルのレーザ光が光ピックアップ10から照射される。したがって、階調度が大きい場合にはより長くライトレベルのレーザ光が照射され、光ディスクDの画像記録層の単位領域中のより大きな領域において反射率が変化することになり、この結果ユーザ等はこの領域が濃度の濃い領域であると視覚的に認識することになる。本実施形態では、このように単位領域(単位長さ)あたりの反射率変化させる領域の長さを可変することにより、画像データに示される階調度を表現するようにしているのである。なお、サーボレベル(第1の強度)とは、そのレベルのレーザパワーを光ディスクDの画像記録層に照射した際に画像記録層がほとんど変化しないパワーレベルであり、反射率を変化させる必要がない領域に対してはライトレベルのレーザ光を照射せずに当該サーボレベルのレーザ光を照射すればよい。
また、駆動パルス生成部35は、上記のような各座標毎の階調度を示す情報にしたがった駆動パルスを生成するとともに、レーザパワー制御回路20によるレーザパワー制御や、サーボ回路13によるフォーカス制御およびトラッキング制御を実施するために必要がある場合には、各々上記階調度を示す情報に拘わらず、非常に短い期間のライトレベルのパルスを挿入したり、サーボレベルのパルスを挿入する。例えば、図8上段に示すように、画像データ中のある座標の階調度にしたがって可視画像を表現するために、時間T1の期間ライトレベルのレーザ光を照射する必要がある場合であって、該時間T1がレーザパワーを制御するための所定のサーボ周期STよりも長い場合には、ライトレベルのパルスを生成した時点からサーボ周期STが経過した時点で非常に短い時間tのサーボ用オフパルス(SSP1)を挿入する。一方、図8下段に示すように、画像データ中のある座標の階調度にしたがって可視画像を表現するためにサーボ周期ST以上の期間サーボレベルのレーザ光を照射する必要がある場合には、サーボレベルのパルスが生成されてからサーボ周期ST経過後にサーボ用オンパルス(SSP2)を挿入する。
上述したようにレーザパワー制御回路20によるレーザパワー制御は、光ピックアップ10のレーザーダイオード53(図5参照)から照射されるレーザ光を受光したフロントモニターダイオードから供給される電流(照射レーザ光の強度に応じた値の電流)に基づいて実施されることになる。より具体的には、図9に示すように、レーザパワー制御回路20は、上記のようなフロントモニターダイオード53aによって受光される照射レーザ光の強度に応じた値をサンプルホールドする(S201、S202)。そして、ライトレベルを目標値として照射しているとき、すなわちライトレベルの駆動パルス(図7,図8参照)が生成されているときにサンプルホールドした結果に基づいて、制御部16から供給されるライトレベル目標値のレーザ光が照射されるようレーザパワー制御を行う(S203)。また、サーボレベルを目標値として照射しているとき、すなわちサーボレベルの駆動パルス(図7,図8参照)が生成されているときにサンプルホールドした結果に基づいて、制御部16から供給される目標サーボレベル値のレーザ光が照射されるようレーザパワー制御を行う(S204)。したがって、ライトレベルもしくはサーボレベルのパルスが所定のサーボ周期ST(サンプル周期)より長い時間継続して出力されない場合には、画像データの内容に拘わらず上記のようにサーボ用オフパルスSSP1、サーボ用オンパルスSSP2を強制的に挿入し、上記のような各々のレベル毎にレーザパワー制御ができるようにしているのである。
また、上述したようにサーボ用オフパルスSSP1を挿入するのは、レーザパワーを制御するためだけではなく、サーボ回路13によるフォーカス制御やトラッキング制御を行うためにも実施されている。すなわち、トラッキング制御およびフォーカス制御は、光ピックアップ10の受光素子56(図5参照)によって受光されたRF信号、つまりレーザーダイオード53が出射したレーザ光の光ディスクDからの戻り光(反射光)に基づいて行われる。ここで、図10にレーザ光を照射した時に受光素子56によって受光される信号の一例を示す。同図に示すように、ライトレベルのレーザ光を照射した時の反射光は、レーザ光立ち上がり時のピーク部分K1、その後レベルが一定になる肩部分K2の要素を含んでおり、図中斜線で示す部分が画像記録層の画像形成のために用いられたエネルギーであると考えられる。そして、このような画像記録層の画像形成に用いられるエネルギーは常に安定した値となるとは限らず、種々の状況に応じて変動することが考えられる。したがって、図中斜線部分の形状はその都度変動することが考えられ、つまりライトレベルのレーザ光の反射光はノイズ等が多く安定した反射光が得られるとは限らず、この反射光を用いると、正確なフォーカス制御およびトラッキング制御の妨げとなってしまうおそれがある。したがって、上述したようにライトレベルのレーザ光が継続して長時間照射された場合には、サーボレベルのレーザ光の反射光を得ることができず、正確なフォーカス制御およびトラッキング制御が行えなくなってしまう。
そこで、上述したようにサーボ用オフパルスSSP1を挿入することにより、サーボレベルのレーザ光の反射光を周期的に取得できるようにし、該取得した反射光に基づいてフォーカス制御およびトラッキング制御を実行しているのである。光ディスクDの画像記録層に可視画像を形成する際には、記録面に対して記録する際と異なり、予め形成されたプリグルーブ(案内溝)等に沿ってトレースするといった必要がない。したがって、本実施形態では、トラッキング制御の目標値は固定値(一定のオフセット電圧を設定しておく)としている。なお、このような制御方法は、画像記録層に画像情報を形成する場合のみならず、記録面に画像情報を形成する場合にも適用できる。すなわち、レーザ光を照射したときに反射率だけでなく発色も変化する材質を記録面(記録層)に用いれば、画像記録層と同様、記録面にも画像を形成させることが可能である。このように記録面に可視画像を形成させると、可視画像を形成した部分には当然ながら本来のデータ記録はできなくなるので、データ記録をする領域と可視画像を形成させる領域とを予め分けておくのが好ましい。
なお、上記のようにサーボ用オフパルスSSP1やサーボ用オフパルスSSP2を挿入する時間は、レーザパワー制御、トラッキング制御およびフォーカス制御といった各種サーボの実行に支障をきたさない範囲で最小の時間とすることが好ましく、挿入時間を非常に短くすることで、形成される可視画像にほとんど影響を与えることなく、上記のような各種サーボを行うことができる。
図4に戻り、PLL回路(信号出力手段)33は、周波数発生器21から供給されるスピンドルモータ11の回転速度に応じた周波数のFGパルス信号を逓倍し、後述する可視画像形成のために用いられるクロック信号を出力する。周波数発生器21は、スピンドルモータ11のモータドライバにより得られる逆起電流を利用してスピンドル回転数に応じた周波数のFGパルス信号を出力する。例えば、図11上段に示すように、周波数発生器21がスピンドルモータ11が1回転、すなわち光ディスクDが1回転している間に8個のFGパルスを生成するものである場合に、図11下段に示すように、PLL回路33は当該FGパルスを逓倍したクロック信号(例えばFGパルス信号5倍の周波数、光ディスクDが1回転中にHレベルのパルスが40個)を出力する、つまりスピンドルモータ11によって回転させられる光ディスクDの回転速度に応じた周波数のクロック信号を出力する。このようにFGパルス信号を逓倍したクロック信号がPLL回路33からFIFOメモリ34に出力され、該クロック信号に1周期毎、つまりある一定角度分ディスクDが回転する毎に1つの座標の階調度を示すデータがFIFOメモリ34から駆動パルス生成部35に出力されるのである。なお、上記のようにPLL回路33を用いてFGパルスを逓倍したクロック信号を生成するようにしてもよいが、スピンドルモータ11として、回転駆動能力が十分に安定しているモータを用いた場合には、PLL回路33に代えて水晶発振器を設け、上記のようなFGパルスを逓倍したクロック信号、すなわち光ディスクDの回転速度に応じた周波数のクロック信号を生成するようにしてもよい。
ステッピングモータ30は、光ピックアップ10を当該光ディスクDにセットされた光ディスクDの径方向に移動させるためのモータである。モータドライバ31は、モータコントローラ32から供給されるパルス信号に応じた量だけステッピングモータ30を回転駆動する。モータコントローラ32は、制御部16から指示される光ピックアップ10の径方向への移動方向および移動量を含む移動開始指示にしたがって、移動量や移動方向に応じたパルス信号を生成し、モータドライバ31に出力する。ステッピングモータ30が光ピックアップ10を光ディスクDの径方向に移動させること、および光ディスクDをスピンドルモータ11が光ディスクDを回転させることにより、光ピックアップ10のレーザ光照射位置を光ディスクDの様々な位置に移動させることができ、これらの構成要素が照射位置調整手段を構成しているのである。
制御部16は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等から構成されており、ROMに格納されたプログラムにしたがって当該光ディスク記録装置100の装置各部を制御し、光ディスクDの記録面に対する記録処理および光ディスクDの画像記録層に対する画像形成処理を中枢的に制御するように構成されている。以上説明したのが本実施形態に係る光ディスク記録装置100の構成である。
以上説明したのが本実施形態に係る光ディスク記録装置100の構成である。そして、本発明の光ディスクにおいて、プリピットが形成されている領域上に画像記録層の少なくとも一部が形成されている場合においては、光ディスク記録装置は以下の手段を有し、プリピットに記録された描画に関する情報を得て、該情報に基づいて画像を描画する。
すなわち、
(1)プリピット領域にレーザー光を照射してプリピット信号を読み出す手段
(2)プリピット信号の極性を反転する手段
(3)反転されたプリピット信号をデコードしてプリピット情報を得る手段
(4)プリピット情報に基づいて画像を描画する手段
を有する。
また、本発明の画像描画方法は、以上の(1)〜(4)の手段に対応する以下の(a)〜(d)のステップを有する。
(a)プリピット領域にレーザー光を照射してプリピット信号を読み出すステップ
(b)プリピット信号の極性を反転するステップ
(c)反転されたプリピット信号をデコードしてプリピット情報を得るステップ
(d)プリピット情報に基づいて画像を描画するステップ
前記(1)の手段は、スピンドルモータ11により回転した光ディスクDのプリピット領域に、光ピックアップ10によりレーザー光を照射して、得られた戻り光を検出してプリピット信号を読み出す手段である。この手段については前述の信号処理手段と同様であり、さらに公知のプリピット信号を読み出す手段を適用することができる。
前記(2)の手段は、前記(1)の手段によって得られたプリピット信号の極性を反転する手段である。既述のように、本発明に係る光ディスクは、プリピット領域の上層に画像記録層が存在するため、プリピット領域の上層に画像記録層が存在しない場合とは、プリピット信号の極性が反対となる。そして、そのままでは既存のデコーダに信号が入力されても、制御部が判読可能なプリピット情報を生成することができない。そこで、信号の極性を反転させ、画像記録層が存在しない状態で読み出した場合に得られたであろう信号に変換しデコーダに供する。つまり、プリピット信号において、信号波形が正負対象となるように、正極性の部分は負極性に、負極性の部分は正極性に変換する。前記(2)のプリピット信号の極性を反転する前又は後に、信号をイコライズしてもよい。
前記極性を反転させる手段としては、制御部の指示によって入力される信号の正負を反転させる手段であればよく、公知の極性反転器によって反転させることができる。
(3)の手段においては、極性が反転されたプリピット信号をデコーダに入力し、該デコーダによってデコードされプリピット情報が得られる。極性が反転された信号は、既述の通り、画像記録層が存在しない場合に読み出される本来の信号であり、そのままデコーダによってデコードされプリピット情報を得ることができる。
(4)の手段においては、予め記録されていた、画像の描画条件などのプリピット情報により画像を描画する。例えば、プリピット情報に対応する描画条件を予めテーブル化して制御部のROMに記憶しておき、制御部は検知したプリピット情報に対応する描画条件をテーブルを参照して読み出し、読み出した描画条件により描画を行うことにより、最適な描画条件によって画像を描画することができる。
B.光ディスク記録装置の動作
次に、上記構成の光ディスク記録装置100の動作について説明する。上述したようにこの光ディスク記録装置100は、光ディスクDの記録面に対してホストPC110から供給された音楽データ等の情報を記録することが可能であるとともに、光ディスクDの画像記録層に対してホストPC110から供給される画像データに対応した可視画像を形成することができるように構成されている。以下、情報記録および可視画像形成といった処理を行うことが可能な光ディスク記録装置100の動作について図12および図13を参照しながら説明する。
まず、当該光ディスク記録装置100に光ディスクDがセットされると、制御部16は光ピックアップ10等を制御し、セットされた光ディスクDの光ピックアップ10と対向する面がどのようなフォーマットの光ディスクであるかを検出する。例えば、DVD−Rの場合はランドプリピット信号やプリレコード信号、DVD+Rの場合はADIP(Address in Pregroove)の有無を検出する。これらの情報が記録されていない場合には、光ディスクとして認識されない。
ここで、セットされた光ディスクDから、例えば、DVD−Rの場合はランドプリピット信号やプリレコード信号、DVD+Rの場合はADIPが検出された場合には、記録面が光ピックアップ10と対向するように光ディスクDがセットされていると判断し、制御部16は記録面に対してホストPC110から供給される記録データを記録するための制御を行う(ステップSa2)。ここで行われる記録データを記録するための制御は、従来の光ディスク記録装置(DVD−RやDVD+R)と同様であるため、その説明を省略する。
一方、セットされた光ディスクDから描画可能な光ディスクであることを示すプリピット信号が検出された場合には、画像記録層が光ピックアップ10と対向するように光ディスクDがセットされていると判断し、制御部16はセットされた光ディスクDのディスクIDを取得することができるか否かを判断する(ステップSa3)。なお、光ディスクDのディスクIDは、プリピット信号の中に搭載することができる。また、例えば図14に示すように、ディスクIDをコード化した情報に対応する可視画像を光ディスクDの画像記録層側の最外周部分の円周に沿って記述しておく。図14では、図示のように、最外周部分の円周に沿って上記コードに応じた長さの反射領域301aと非反射領域301bとを形成することによりディスクIDを光ディスクDの画像記録層に記述している。制御部16は光ディスクDの最外周の円周に沿って光ピックアップ10のレーザ光の照射位置をトレースすることにより、その反射光からディスクIDを取得する。
したがって、画像記録層の最外周部分に上記のようなディスクIDに対応する反射領域301aおよび非反射領域301bが形成されていない場合には、当該光ディスクDは画像記録層を有しない一般的な光ディスク(CD−R、DVD−R等)であると判別することができる。このようにディスクIDを取得できない場合は、制御部16は可視画像の形成が不可能な光ディスクDであると判断し(ステップSa4)、その旨をユーザに通知等するための処理を行う。
一方、光ディスクDからディスクIDを取得することができた場合には、ホストPC110から画像データを含む画像形成指示があるまで待機し(ステップSa5)、画像形成指示があった場合には制御部16は光ディスクDの画像記録層に可視画像を形成するための初期化制御を行う(ステップSa6)。より具体的には、制御部16は、所定の角速度でスピンドルモータ11が回転させられるようサーボ回路13を制御したり、光ピックアップ10を光ディスクDの径方向の最内周側の初期位置に移動させるための指示をモータコントローラ32に送出し、ステッピングモータ30を駆動させたりする。
また、画像形成のための初期化制御において制御部16は、記録面に対して情報記録を行う時よりも、大きいビームスポット径のレーザ光が光ディスクDの画像記録層に照射されるようなフォーカス制御の目標値をサーボ回路13に対して指示することもできる。
上記のような目標値を指示した際のフォーカス制御内容をより具体的に説明すると、次の通りである。上述したようにサーボ回路13によるフォーカス制御は、光ピックアップ10の受光素子56から出力される信号に基づいて行われる。光ディスクDの記録面に対する情報記録時には、図15に示す受光素子56の4つのエリア56a,56b,56c,56dの中心に円形の戻り光(図のA)が受光されるようサーボ回路13がフォーカスアクチュエータ64(図5参照)を駆動する。すなわち、エリア56a,56b,56c,56dの各々の受光量をa,b,c,dとした場合に、(a+c)−(b+d)=0となるようにフォーカスアクチュエータ64を駆動するのである。
一方、光ディスクDの画像記録層に対して可視画像を形成する場合には、上述したように記録面に対する情報記録時よりも径の大きいレーザ光が画像記録層に照射されるようフォーカス制御が行われる。図15に示す受光素子56に受光される戻り光の形状が楕円形状(図のBやC)である場合には、そのレーザ光のスポットサイズは上記円形Aの場合よりも大きいので、サーボ回路13はこのような楕円形状の戻り光が受光素子56に受光されるようフォーカスアクチュエータ64を駆動する。すなわち、(a+c)−(b+d)=α(αは0ではない)を満たすようにフォーカスアクチュエータ64を駆動するのである。したがって、本実施形態において、制御部16、サーボ回路13はビームスポット制御手段を構成している。
以上のように上述した可視画像形成のための初期化制御において制御部16がα(0ではない)をサーボ回路13に指示設定することで、記録面に対する情報記録時よりも大きいスポット径のレーザ光を光ディスクDの画像記録層に照射することができる。このように光ディスクDの画像記録層に対する可視画像を形成するときに、記録面に対する情報記録時よりも大きいスポット径のレーザ光を照射することで以下のような効果を得ることができる。すなわち、本実施形態では、可視画像を形成する際にも、記録面に情報記録を行う際と同様、光ディスクDを回転させながらレーザ光を照射することとしている。したがって、レーザ光のビームスポット径を大きくすることで、より短時間で光ディスクDの画像記録層の全領域に対して可視画像を形成することができる。この理由について、図16を参照しながら説明する。同図に模式的に示すように、照射するレーザ光のビームスポット径BSが大きい場合と小さい場合とを比較すると、光ディスクDを1回転させたときに画像形成の対象となる領域の面積がビームスポット径BSが大きい時の方が大きくなる。このため、ビームスポット径BSが小さい場合には全領域を画像形成の対象とするためにより多く光ディスクDを回転させなければならず(図示の例では、大きい場合は4回転、小さい場合は6回転)、画像形成のために多くの時間を要してしまう。以上のような理由から、この光ディスク記録装置100では、可視画像を形成する際に情報記録時よりも大きいスポット径のレーザ光が照射されるようにしているのである。
また、画像形成のための初期化制御において制御部16は、取得したディスクIDに応じたライトレベルおよびサーボレベルのレーザ光が光ピックアップ10から照射されるよう、各々のレベルの目標値をレーザパワー制御回路20に指示する。すなわち、制御部16のROMには、複数種類のディスクID毎に、ライトレベルおよびサーボレベルとして設定すべき目標値が記憶されており、制御部16は取得されたディスクIDに対応するライトレベルおよびサーボレベルの目標値を読み出し、これらの目標値をレーザパワー制御回路20に指示するのである。
このようにディスクIDに応じてパワーの目標値を設定するのは以下のような理由に基づくものである。すなわち、光ディスクDの種類によって画像記録層の色素の特性が異なることが考えられ、特性が異なる場合、どの程度のパワーのレーザ光を照射すれば反射率が変化するといった特性も当然変化することになる。このため、ある光ディスクDの画像記録層に対してはあるライトレベルのレーザ光を照射することにより、その照射領域の反射率を十分変化させることができた場合にも、他の光ディスクDの画像記録層に対して同じライトレベルのレーザ光を照射させた場合にその照射領域の反射率を変化させることができるとは限らない。したがって、本実施形態では、上記のように種々のディスクID毎に対応する光ディスク毎に、予め正確な画像形成が行えるようなライトレベルおよびサーボレベルの目標値を実験により求めておく。そして、求めた目標値を各々のディスクIDに対応付けてROMに格納しておくことにより、上記のような種々の光ディスクDの画像記録層の特性に応じて最適なパワー制御を行うことができるようにしている。
以上説明したような初期化制御が制御部16によって行われると、実際に光ディスクDの画像記録層に可視画像を形成するための処理が行われることになる。図13に示すように、まず制御部16は、ホストPC110からバッファメモリ36を介して供給された画像データをFIFOメモリ34に転送する(ステップSa7)。そして、制御部16は、周波数発生器21から供給されるFGパルス信号から、スピンドルモータ11によって回転させられる光ディスクDの所定の基準位置が、光ピックアップ10のレーザ光照射位置を通過したか否かを判断する(ステップSa8)。
ここで、図17および図18を参照しながら所定の基準位置、およびレーザ光照射位置がその位置を通過したか否かの検出方法について説明する。図17に示すように、周波数発生器21は、スピンドルモータ11が1回転する間、つまり光ディスクDが1回転する間に所定個(図示の例では8個)のFGパルスを出力する。したがって、制御部16は、周波数発生器21から供給されるFGパルスのいずれか1つを基準パルスと立ち上がりタイミングを同期させて基準位置検出用パルスを出力し、その後は基準位置検出パルスから1回転分の個数目(図示の例では8個目)のパルスの立ち上がりタイミングと同期させて基準位置検出用パルスを出力する基準位置検出用パルス信号を生成する。このような基準位置検出用パルスを生成することで、当該パルスが生成された時が光ディスクDの基準位置を光ピックアップ10のレーザ光照射位置が通過したタイミングであると検出できるのである。すなわち、図18に示すように、最初の基準位置検出用パルスを生成したタイミングにおける光ピックアップ10のレーザ光照射位置が図中太線(光ピックアップ10は径方向に移動可能であるため、照射位置が取り得る位置は線で表される)で示す位置であるとすると、その1回転後に生成される基準位置検出用パルスの生成した時にも当然光ピックアップ10のレーザ光照射位置は図中太線で示す位置にある。このように最初に基準位置検出用パルスを生成したタイミングにレーザ光の照射位置が属する径方向の線を基準位置となり、制御部16は、上記のように光ディスクDが1回転する毎に生成される基準位置検出用パルス信号に基づいて、レーザ光の照射位置が光ディスクDの基準位置を通過したことを検出することができるのである。なお、図中一点鎖線は、ある基準位置検出用パルスが生成されてから、次の基準位置検出用パルスが生成されるまでにレーザ光の照射位置の移動軌跡の一例を示す。
上述した基準位置検出用パルスに基づき、レーザ光は光ディスク上の略同一の軌跡を複数回照射する。この略同一の軌跡とは光ディスクの回転に伴う、略同心円状の軌跡である。なお、このとき光ピックアップ10は光ディスクの半径方向に揺動していることが好ましい。揺動することで、レーザ光の照射面積が増大し、可視情報の記録面積を増大させることができる。また略同一の軌跡を照射させる際の回転数は要求されるコントラストにより異なるが、例えば、最小時間にて描画を行う場合には7〜8回転である。なお、本発明に係る描画方法としては、特開2002−203321に開示されているレーザ光が光ディスク上の略同一の軌跡を複数回照射し、且つレーザ光が揺動する方法が好ましい。
ホストPC110から画像形成指示を受けた後、以上のような手法で光ディスクDの基準位置がレーザ光の照射位置を通過したことを検出すると、制御部16は、回転数を示す変数Rに1をインクリメントした後(ステップSa9)、Rが奇数であるか否かを判別する(ステップSa10)。
ここで、画像形成指示を受けた後、最初に基準位置を通過したことを検出した際には、R=0(初期値)+1=1であり、この場合、ステップSa10においてRは奇数であると判別されることになる。このようにRが奇数であると判別した場合、制御部16は、光ピックアップ10から光ディスクDの画像記録層にレーザ光を照射して可視画像を形成するための制御を行う(ステップSa11)。より具体的には、制御部16は、上記の基準位置検出用パルスを受け取った時点から、PLL回路33から出力されるクロック信号に同期してFIFOメモリ34から画像データを順次出力するよう各部を制御する。この制御により、図19に示すように、FIFOメモリ34は、PLL回路33からクロックパルスが供給される毎に、1つの座標の階調度を示す情報を駆動パルス生成部35に出力し、駆動パルス生成部35は当該情報に示される階調度にしたがったパルス幅の駆動パルスを生成してレーザドライバ19に出力する。この結果、光ピックアップ10は、各座標の階調度に応じた時間だけライトレベルでレーザ光を光ディスクDの画像記録層に照射し、その照射領域の反射率が変化することにより、図20に示すような可視画像を形成することができる。
同図に模式的に示すように、光ディスクDはスピンドルモータ11によって回転させられているので、光ピックアップ10のレーザ光の照射位置はクロック信号の1周期(パルスの立ち上がりタイミングから次のパルスの立ち上がりタイミングまでの期間)中に図中Cで示す領域分だけ円周に沿って移動することになる。この領域Cをレーザ光照射位置が通過する間にライトレベルでレーザ光を照射すべき時間を上記のように階調度に応じて変化させることで、図示のように領域C毎に異なる階調度に応じて異なる面積の反射率を変化させることができる。このように各座標の階調度に応じて各々の領域Cを通過するときのライトレベルのレーザ光の照射時間を制御することにより、画像データに応じた可視画像を光ディスクDの画像記録層に形成することができるのである。
以上のように画像データに応じて制御されるレーザ光照射によって可視画像の形成を実行するための制御を実行すると、制御部16の処理はステップSa7に戻り、バッファメモリ36から供給された画像データをFIFOメモリ34に転送する。そして、光ディスクDの基準位置を光ピックアップ10のレーザ光照射位置が通過したか否かを検出し、基準位置を通過したことが検出された場合、Rに1をインクリメントする。この結果、Rが偶数となった場合には、制御部16は上記のようなレーザ光照射制御による可視画像形成を停止させるよう装置各部を制御する(ステップSa12)。より具体的には、FIFOメモリ34に対して、PLL回路33から供給されるクロック信号に同期して各座標の階調度を示す情報を駆動パルス生成部35に出力しないよう制御する。つまり、制御部16は、光ディスクDの画像記録層に対してライトレベルのレーザ光を照射して可視画像を形成した後、次に光ディスクDが1回転している間は画像記録層の反射率を変化させるためのレーザ光の照射を行わないように制御しているのである。
このように可視画像形成のためのレーザ光照射を停止させると、制御部16は、モータコントローラ32に対して所定量だけ光ピックアップ10を径方向の外周側に移動させるよう指示し(ステップSa13)、該指示に応じてモータコントローラ32がモータドライバ31を介してステッピングモータ30を駆動し、これにより光ピックアップ10が所定量だけ外周側に移動させられる。
ここで、光ピックアップ10を光ディスクDの径方向に移動させる所定量は、上述したように光ピックアップ10から照射されるビームスポット径BS(図16参照)に応じて適宜決定すればよい。すなわち、円盤状の光ディスクDの画像記録層に可視画像を形成する際には、光ピックアップ10のレーザ光照射位置を光ディスクDの面上ほぼ隙間なく移動させることが、より高品位の画像形成を実現するために必要となる。したがって、上記のような径方向への光ピックアップ10の単位移動量を、光ディスクDに対する照射レーザ光のビームスポット径BSとほぼ同じ長さとすれば、光ディスクDの面上にほぼ隙間なくレーザ光を照射することができ、より高品位な画像形成が可能となる。なお、画像記録層の性質等の種々の要因によって照射したビームスポット径よりも大きい領域が発色するケースもあり、このようなケースでは、その発色領域の幅を考慮し、隣り合う発色領域が重ならないよう単位移動量を決めるようにすればよい。本実施形態では、ビームスポット径BSを記録面に対する記録時より大きくしているので(例えば、20μm程度)、制御部16は、このビームスポット径BSとほぼ同じ長さ分だけ光ピックアップ10を径方向に移動させるようモータコントローラ32を制御し、ステッピングモータ30を駆動させている。なお、近年のステッピングモータ30は、μステップ技術を利用することで、10μm単位でその移動量を制御することが可能であり、上記のようにステッピングモータ30を用いて光ピックアップ10を20μm単位で径方向に移動させることは十分に実現可能である。
上記のように光ピックアップ10を径方向に所定量だけ移動させる制御を行うと、制御部16は、目標となるレーザ光のライトレベル値を変更するべく、ライトレベルでレーザ光を照射する際に目標とすべき変更後のライトレベル値をレーザパワー制御回路20に対して指示する(ステップSa14)。本実施形態では、可視画像を形成する際の方式として光ディスクDを角速度を一定に維持して回転させながらレーザ光を照射するCAV方式を採用しており、上記のように光ピックアップ10が外周側に移動させられると、線速度が大きくなる。したがって、レーザ光をこのように光ピックアップ10を径方向(外周側)に移動させた時には、上記のようにライトレベルの目標値をその時点までよりも大きくなるように変更し、これにより線速度が変化しても光ディスクDの画像記録層の反射率が十分に変化できる強度のレーザパワーを照射できるようにしているのである。
以上のように光ピックアップ10の径方向への移動制御およびライトレベルの目標値を変更する制御を実行すると、制御部16は可視画像形成のために未処理の画像データ、つまり駆動パルス生成部35に供給されていない画像データがあるか否かを判別し、当該画像データがない場合には処理を終了する。
一方、モータコントローラ32に供給されていない未処理の画像データがある場合には、ステップSa7に戻り、可視画像形成のための処理を続行する。すなわち、制御部16からFIFOメモリ34に画像データを転送し(ステップSa7)、レーザ光の照射位置が光ディスクDの基準位置を通過したか否かを判別する(ステップSa8)。そして、基準位置を通過した際には、回転数を示す変数Rに1をインクリメントし(ステップSa9)、インクリメント後のRが奇数であるか否かを判別する(ステップSa10)。ここで、Rが奇数である場合には、制御部16は上記のような可視画像を形成するためのレーザ光照射がなされるよう装置各部を制御し、Rが偶数である場合には可視画像を形成するためのレーザ光照射を停止し(サーボレベルのレーザ光は照射する)、上記のような光ピックアップ10の径方向への移動制御や、ライトレベルの目標値変更といった制御を行う。すなわち、制御部16は、ある周回中に光ディスクDに対して画像形成のためのレーザ光照射(ライトレベルを含む)を行った場合、その次の周回中には画像形成のためのレーザ光照射が行われないよう制御し、その周回中に光ピックアップ10の径方向への移動制御等を実施するようにしている。このように画像形成を行わない周回中に光ピックアップ10を移動させる制御やライトレベル目標値の変更制御等を実施することで、当該制御に伴って照射位置や照射されるレーザ光のパワー値等が変動している間に画像形成されることがなく、照射位置やレーザ光の強度が安定してから画像形成のためのレーザ光照射を実行することができる。したがって、上記のような光ピックアップ10の径方向の移動制御等に起因して形成される可視画像の品位が低下してしまうことを抑制できる。
以上説明したのが、光ディスク記録装置100の主要な動作であり、光ディスク記録装置100によれば、新たに印刷手段等を搭載することなく、記録面に対して情報記録を行うために用いられる光ピックアップ10等の装置各部を可能な限り利用し、画像記録層が形成された光ディスクDの当該画像記録層に対してレーザ光を照射して画像データに対応した可視画像を形成することができる。
また、本実施形態では、スピンドルモータ11の回転に応じて生成されるFGパルスを用いて生成したクロック信号、すなわち光ディスクDの回転量に応じて生成されるクロック信号に基づいてレーザ光照射タイミングを制御しているので、光ディスクD側から位置情報等を取得することなく、光ディスク記録装置100においてレーザ光照射位置を把握することができる。したがって、光ディスク記録装置100によれば、画像記録層にプリグルーブ(案内溝)を形成するといった特別な加工等を施した光ディスクDを用いなくてはならないといった制限はなく、プリグルーブや位置情報等が予め形成されていない画像記録層に対しても、画像データに対応する可視画像を形成することができる。
次いで、情報記録層への情報(デジタル情報)の記録について説明する。情報記録層が色素型の場合、まず、未記録の前述の光ディスクを所定の記録線速度にて回転させながら、レーザーピックアップからレーザー光を照射する。この照射光により、情報記録層の色素がその光を吸収して局所的に温度上昇し、所望のピットが生成してその光学特性が変わることにより情報が記録される。
レーザー光の記録波形は、1つのピットの形成する際には、パルス列でも1パルスでもかまわない。実際に記録しようとする長さ(ピットの長さ)に対する割合が重要である。
レーザー光のパルス幅としては、実際に記録しようとする長さに対して20〜95%の範囲が好ましく、30〜90%の範囲がより好ましく、35〜85%の範囲が更に好ましい。ここで、記録波形がパルス列の場合には、その和が上記の範囲にあることを指す。
レーザー光のパワーとしては、記録線速度によって異なるが、記録線速度が3.5m/sの場合、1〜100mWの範囲が好ましく、3〜50mWの範囲がより好ましく、5〜20mWの範囲が更に好ましい。また、記録線速度が2倍になった場合には、レーザー光のパワーの好ましい範囲は、それぞれ21/2倍となる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズのNAは0.55以上が好ましく、0.60以上がより好ましい。
本発明においては、記録光として350〜850nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザーを用いることができる。
一方、情報記録層が相変化型の場合について説明する。相変化型の場合は、前述の材質から構成され、レーザー光の照射によって結晶相と非晶相との相変化を繰り返すことができる。
情報記録時は、集中したレーザー光パルスを短時間照射し、相変化記録層を部分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷され、固化し、非晶状態の記録マークが形成される。また、消去時には、記録マーク部分にレーザー光を照射し、情報記録層の融点以下、結晶化温度以上の温度に加熱し、かつ除冷することによって、非晶状態の記録マークを結晶化し、もとの未記録状態に戻す。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(参考例1
ポリカーボネート樹脂を原料とし、射出成形にてスパイラル状の案内溝(グルーブ)を有する基板(厚さ0.6mm)に作製した。案内溝は、深さ130nm、半値幅300nm、トラックピッチ0.74μmであった。下記「色素A」1.50gを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール100mlに溶解した塗布液(1)を調製し、この塗布液を上記基板の案内溝形成面側にスピンコートすることにより情報記録層(平均厚さ:80μm)を形成した。次に、スパッタリング法により情報記録層上に、銀反射層を形成し、第1のディスクを作製した。
Figure 0004637800
半径21mmから半径24mmの領域にプリピットを形成するための凹凸(凸部の高さ等は、下記表1に記載のプリピットの深さ等に相当するように調整)が形成されており、半径24mmより外側は鏡面であるスタンパーを、通常のCD−ROMスタンパーを作製するのとほぼ同様に下記のようにして作製した。まず、ガラス原盤上にフォトレジストをスピンコートで成膜し、ベーキングした。その後、レーザービームレコーダにてフォーマッタから生成した信号に対応させて、半径24mmより内側の領域にだけフォトレジストにビーム照射してその後現像した。この上にニッケルをスパッタし、電ちゅうすることでスタンパーを作製した。
次に、画像記録層を形成するため、上記スタンパーを用いて射出成形にて0.6mm厚の基板を作製した。スタンパーの転写により形成されたプリピットの深さおよび幅等は、下記表1の通りである。
下記化学式で表される「色素B」1.40gと下記化学式で表される「色素C」0.60gとを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール100mlに溶解して調製した塗布液(2)を、上記基板にスピンコート法により塗布し、厚さ0.1μmの画像記録層を形成した。画像記録層形成領域の最内径(画像記録領域の最内周)などは、下記表1の通りである。さらに、スパッタリング法により画像記録層上に、銀反射層を80nmの厚みで形成し、第2のディスクを作製した。
Figure 0004637800
Figure 0004637800
第1のディスクの反射層上に、2枚のディスクを貼り合わせるための接着剤として紫外線硬化樹脂ダイキュアクリアSD640(大日本インキ化学工業株式会社製)を吐出し、第2のディスクの反射層面側を第1のディスク上の接着剤が吐出された側と貼り合わせした後、第2のディスク側から押し付けて、紫外線硬化樹脂を広げ、高速回転させて、余分な接着剤を遠心力で振り切り、内周から外周まで均一な膜厚の接着層を形成した。この接着剤を硬化させるために、第2のディスクを通して、紫外線を照射し、接着剤を硬化させた。このときに使用した紫外線ランプは高圧水銀ランプで、紫外線照射量は0.3J/cmであった。
(実施例11、参考例2〜3
プリピット深さおよび半径方向の半値幅、画像記録層最内径などを下記表1のように変更した以外は、参考例1と同様にして光ディスクを作製した。
なお、プリピット深さおよび半径方向の半値幅は、基板表面をAFMで測定することで求めた。図2中のh、hは、画像記録層の平均厚みを透過スペクトルおよびエリプソメータから求め、さらに、基板のピット深さと画像記録層形成後の表面をAFMで測定した値から求めた。測定は、3回行い最も大きな値と小さいな値とをそれぞれ測定し、その平均として求めた。なお、測定に際しては、AFM装置SPI3800N/SPA500(セイコーインスツル株式会社製)および探針NCH−10V(日本ビーコ株式会社製)を用いて測定した。
<光ディスクの評価>
実施例1〜1参考例1〜の光ディスクについて、パルステック工業社製DDU1000を用いてレーザー波長660nmで再生し、プリピット信号品質を評価した。具体的には、ディスクドライブ装置(DDU1000、パルステック社製、レーザー波長=660nm、開口率=0.65)を用いた。結果を下記表1に示す。
なお、表1において、参考例1〜3はプリピット形成領域が画像記録層形成領域よりも内周側にある。この場合にはジッターが非常に優れており、良好な信号特性が得られることがわかる。
Figure 0004637800
表1の結果から、実施例の光ディスクは、描画に関する情報の検出を容易に行うことができることが確認できた。また、プリピット上に画像記録層が形成されている場合には、プリピット平均深さhpが、150〜350nmの範囲、プリピット平均半値幅が390〜440nm、h−h+hが130〜170nmにて、プリピットの再生信号品質の指標である3Tピットジッター、3Tランドジッター、11Tピットジッター、11Tランドジッターが特に良好であることが確認できた。なお、ジッターは、信号ばらつきの標準偏差であり、これが大きい場合、例えば3T信号が4Tと検出されてしまい、読み取りエラーとなる。この読み取りエラーの発生頻度が低い場合は、エラー訂正可能であり、プリピットに搭載された情報を読み出すことに支障は無いが、エラーの発生頻度が大きくなると、プリピットに搭載された情報を正確に読み出すことができなくなり、ディスク認識に失敗するなどの問題が発生する。
本発明の光ディスクの層構成を示す部分断面図である。 本発明の光ディスクの基板、画像記録層、反射層の層構成およびプリピットの形状を示す部分断面図である。 ディスクの上面図である。 本発明の光ディスクを取り扱うことができる光ディスク記録装置の一例の構成を示すブロック図である。 前記光ディスク記録装置の構成要素である光ピックアップの構成を示す図である。 前記光ディスク記録装置による前記光ディスクの画像記録層に対して可視画像を形成するために用いられる画像データの内容を説明するための図である。 前記光ディスク記録装置が本発明の光ディスクの画像記録層に対して可視画像を形成する際に、画像の濃淡を表現するためのレーザ光の照射制御内容を説明するための図である。 前記光ディスク記録装置が前記光ディスクの画像記録層に対して可視画像を形成する際のレーザ光の制御方法を説明するための図である。 前記光ディスク記録装置の構成要素であるレーザパワー制御回路によるレーザパワー制御内容を説明するための図である。 前記光ディスク記録装置の光ピックアップから前記光ディスクの画像記録層に照射したレーザ光の戻り光を示す図である。 前記光ディスク記録装置の構成要素である周波数発生器21によってスピンドルモータの回転量に応じて生成されるFGパルスおよび当該FGパルスに基づいて生成されるクロック信号を示す図である。 前記光ディスク記録装置の動作を説明するためのフローチャートである。 前記光ディスク記録装置の動作を説明するためのフローチャートである。 前記光ディスクの画像記録層に記録されたディスクIDを示す図である。 前記光ディスク記録装置の前記光ピックアップの受光素子によって受光されるレーザ光の戻り光の形状を示す図である。 前記光ディスク記録装置の前記光ピックアップが前記光ディスクの前記画像記録層に照射するレーザ光のビームスポット径のサイズを説明するための図である。 前記光ディスク記録装置のレーザ光照射位置が前記光ディスクの基準位置を通過したことを検出する方法を説明するための図である。 前記光ディスク記録装置のレーザ光照射位置が前記光ディスクの基準位置を通過したことを検出する方法を説明するための図である。 前記光ディスクの画像記録層にレーザ光を照射して可視画像を形成する時の前記光ディスク記録装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。 前記光ディスク記録装置によってレーザ光が照射された前記光ディスクの画像記録層を示す図である。 ディスクで印刷領域などを有する場合の上面図である。 ディスクで印刷領域などを有する場合の部分断面図である。
符号の説明
10…光ピックアップ
11…スピンドルモータ(回転駆動手段)
12…RFアンプ
13…サーボ回路
16…制御部
17…エンコーダ
18…ストラテジ回路
19…レーザドライバ
20…レーザパワー制御回路
21…周波数発生器
30…ステッピングモータ
31…モータドライバ
32…モータコントローラ
33…PLL回路
34…FIFOメモリ
35…駆動パルス生成部
36…バッファメモリ
53…レーザーダイオード
53a…フロントモニターダイオード
56…受光素子
64…フォーカスアクチュエータ
65…トラッキングアクチュエータ
100…光ディスク記録装置
270…チャッキング部
271…アダプタ
280…駆動機構
320…エンコーダ
D…光ディスク
500…光ディスク
512…第1の基板
514…情報記録層
516…第1の反射層
520…第1の積層体
522…第2の基板
524…画像記録層
526…第2の反射層
528…第2の積層体
530…接着層
600…プリピット

Claims (19)

  1. 基板と、前記基板上に形成されレーザ光の照射により可視画像の描画が可能な色素化合物を含有する画像記録層とを有する光ディスクであって、
    前記基板の前記画像記録層側の表面に、平均深さhが150〜400nmのプリピットが形成されており、
    前記プリピットが形成されている領域上に前記画像記録層の少なくとも一部が形成されており、
    前記プリピットの凸部上の前記画像記録層の平均厚みhと、前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の平均厚みhとの比(h/h)が、0.1〜0.9であり、
    前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の窪みの深さ(h+h−h)が70〜250nmであることを特徴とする光ディスク。
  2. 基板と、前記基板上に形成されレーザ光の照射により可視画像の描画が可能な色素化合物を含有する画像記録層とを有する光ディスクであって、
    前記基板の前記画像記録層側の表面に、平均半値幅Wが200〜500nmのプリピットが形成されており、
    前記プリピットが形成されている領域上に前記画像記録層の少なくとも一部が形成されており、
    前記プリピットの凸部上の前記画像記録層の平均厚みhと、前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の平均厚みhとの比(h/h)が、0.1〜0.9であり、
    前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の窪みの深さ(h+h−h)が70〜250nmであることを特徴とする光ディスク。
  3. 前記画像記録層に沿って反射層が形成されており、前記画像記録層の窪みの深さ(h+h−h)が100〜200nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスク。
  4. 前記画像記録層が前記色素化合物を含有する塗布液を用いてスピンコートにより形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ディスク。
  5. 前記基板の厚さが0.5〜1.1mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ディスク。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ディスクの前記プリピットにレーザ光を照射した後の戻り光を検出して前記画像記録層にレーザ光を略同一の軌跡に複数回照射して可視情報の記録を行うことを特徴とする光ディスクの画像形成方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ディスクの前記プリピットにレーザ光を照射した後の戻り光を検出して前記画像記録層にレーザ光を前記光ディスクの半径方向に遥動させ且つ略同一の軌跡に複数回照射して可視情報の記録を行うことを特徴とする光ディスクの画像形成方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ディスクの製造方法であって、前記プリピットを形成するための凹凸が設けられたスタンパーを作製する工程と、
    前記スタンパーを用いて画像記録層が形成される側にプリピットを有する基板を作製する工程と、
    前記プリピットを有する基板上に画像記録層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする光ディスクの製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ディスクのプリピット領域にレーザー光を照射してプリピット信号を読み出すステップと、
    前記プリピット信号の極性を反転するステップと、
    反転されたプリピット信号をデコードするステップと、
    を有することを特徴とする信号処理方法。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ディスクのプリピット領域にレーザー光を照射してプリピット信号を読み出す手段と、
    前記プリピット信号の極性を反転する手段と、
    反転されたプリピット信号をデコードする手段と、
    を有することを特徴とする信号処理装置。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ディスクのプリピット領域にレーザー光を照射してプリピット信号を読み出すステップと、
    前記プリピット信号の極性を反転するステップと、
    反転されたプリピット信号をデコードしてプリピット情報を得るステップと、
    前記プリピット情報に基づいて画像を描画するステップと、
    を有することを特徴とする画像描画方法。
  12. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ディスクのプリピット領域にレーザー光を照射してプリピット信号を読み出す手段と、
    前記プリピット信号の極性を反転する手段と、
    反転されたプリピット信号をデコードしてプリピット情報を得る手段と、
    前記プリピット情報に基づいて画像を描画する手段と、
    を有することを特徴とする光ディスク記録装置。
  13. 基板と、前記基板上に形成されレーザ光の照射により可視画像の描画が可能な色素化合物を含有する画像記録層とを有する光情報記録媒体であって、
    前記基板の前記画像記録層側の表面に、平均深さhが150〜400nmのプリピットが形成されており、
    前記プリピットが形成されている領域上に前記画像記録層の少なくとも一部が形成されており、
    前記プリピットの凸部上の前記画像記録層の平均厚みhと、前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の平均厚みhとの比(h/h)が、0.1〜0.9であり、
    前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の窪みの深さ(h+h−h)が70〜250nmであることを特徴とする光情報記録媒体。
  14. 基板と、前記基板上に形成されレーザ光の照射により可視画像の描画が可能な色素化合物を含有する画像記録層とを有する光情報記録媒体であって、
    前記基板の前記画像記録層側の表面に、平均半値幅Wが200〜500nmのプリピットが形成されており、
    前記プリピットが形成されている領域上に前記画像記録層の少なくとも一部が形成されており、
    前記プリピットの凸部上の前記画像記録層の平均厚みhと、前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の平均厚みhとの比(h/h)が、0.1〜0.9であり、
    前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の窪みの深さ(h+h−h)が70〜250nmであることを特徴とする光情報記録媒体。
  15. 前記画像記録層の上に、更に接着層、反射層、情報記録層および基板を順次有する請求項14に記載の光情報記録媒体。
  16. 前記接着層と前記反射層との間に、更に保護層を有する請求項15に記載の光情報記録媒体。
  17. 前記画像記録層と前記接着層との間に更に保護層を有する請求項16に記載の光情報記録媒体。
  18. 前記画像記録層と前記接着層との間に更に反射層を有する請求項15に記載の光情報記録媒体。
  19. 前記画像記録層と前記保護層との間に反射層を有する請求項17に記載の光情報記録媒体。
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