JP2007095273A - 信号処理方法、信号処理装置、画像描画方法及び光ディスク記録装置 - Google Patents

信号処理方法、信号処理装置、画像描画方法及び光ディスク記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザ光によってレーベル面に画像を描画することができる特定の光ディスクの検出や、画像描画をより高品位に行うための情報を得られるようにする。
【解決手段】制御部102と、装着された光ディスク10を回転駆動するスピンドルモータ104と、光ディスク10に対してレーザ光Lを照射する光ピックアップ106と、該光ピックアップ106による光ディスク10に対するレーザ光Lの照射位置を調整する照射位置調整手段108と、プリピット領域30にレーザ光Lを照射して得られる戻り光信号Srからプリピット信号Spを得るプリピット検出手段110と、得られたプリピット信号Spをデコードしてプリピット情報Dpを得るデコーダ112と、画像データDgに基づく可視画像をプリピット情報Dpに基づいてレーザ光Lによって光ディスク10の画像記録層24に描画するレーザ光制御手段114とを有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、レーザ光により情報の記録再生が可能な光ディスクに使用され得る信号処理方法、信号処理装置、画像描画方法、光ディスク記録装置に関する。
DVD−R型等の光ディスクについては、そのレーベル面(記録時又は再生時に、レーザ光を照射する側とは反対側の面)に、インク受容層(印刷層)を設けた光ディスクが実用化されている。ユーザは、インクジェットプリンタ等を用いてこの印刷層上に写真や絵を印刷することが可能である。
一方、インクジェットプリントでは、画像を形成するためにインクジェットプリンタ等を新たに用意することため、ユーザにはコスト的に負担となってしまう。また、光ディスクに情報を記録した後、インクジェットプリンタ等に光ディスクを移して画像を形成することは、手間がかかる作業である。さらに、複数の光ディスクに情報を記録して画像を形成する場合、その手間が非常に煩雑に感じられてしまう。
そこで、記録面に対する情報記録(デジタルデータ記録)に加え、光ディスクに対して、高コントラスト比の画像を記録することが可能な画像形成装置及び画像形成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、当該画像形成装置及び画像形成方法では、トラッキングをかけずに描画記録を行うため、描画の正確性や安定性に欠けてしまうといった問題がある。これは、描画に関する情報等を光ディスクに搭載しておいて、その情報を記録機が読み込むことで改良することができる。
なお、記録面に対する情報記録に加え、画像を記録できる光ディスクとしては特許文献2〜4に開示のものが知られている。
特開2004−005848号公報 特開2000−113516号公報 特開2001−283464号公報 特開2000−173096号公報
ここで、上記特許文献2〜4には画像を記録できる光ディスクが開示されているが、レーベル面に画像を描画する際には、光ディスク記録装置で光ディスクを認識する必要がある。しかしながら、特許文献2〜4の光ディスクには光ディスク記録装置で認識できる手段は開示されていない。
また、レーベル面に画像を好適に描画する際の情報のやりとりについても引用文献2〜4には何ら記載がない。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、レーザ光によってレーベル面に画像を描画することができる特定の光ディスクの検出や、画像描画をより高品位に行うための情報を得ることができる信号処理方法、信号処理装置、画像描画方法及び光ディスク記録装置を提供することを目的とする。
第1の本発明に係る信号処理方法は、1以上のプリピットが形成されたプリピット領域を有する光ディスクにレーザ光を照射して得られる戻り光に基づいて信号を処理する信号処理方法であって、前記光ディスクの前記プリピット領域に前記レーザ光を照射して得られる戻り光の信号に基づいてプリピット信号を得る第1ステップと、前記プリピット信号をデコードする第2ステップとを有することを特徴とする。
これにより、レーザ光によってレーベル面に画像を描画することができる特定の光ディスクの検出や、画像描画をより高品位に行うための情報を得ることができる。
そして、第1の本発明において、前記第1ステップは、前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号を得るステップを有するようにしてもよい。戻り光の信号をそのままデコードしてプリピット情報として使用することができない場合に有効である。
また、第1の本発明において、前記第1ステップは、前記戻り光の信号から特定の信号が読み出された場合に、前記戻り光の信号を前記プリピット信号とし、前記戻り光の信号から前記特定の信号が読み出されなかった場合に、前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号とするステップを有するようにしてもよい。
また、第1の本発明において、前記第2ステップによって得られた情報のうち、当該光ディスクの種類を示す情報を読み出すステップと、光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報が記録された記憶手段から当該光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報を読み出すステップと、読み出された前記レーザ光の出力レベルの情報に基づいて前記レーザ光を制御するステップとを有するようにしてもよい。
また、第1の本発明において、前記レーザ光の出力レベルは、前記光ディスクに対する記録用の出力レベルの目標値と、前記光ディスクのサーボ用の出力レベルの目標値とを有するようにしてもよい。この場合、光ディスクの種類に応じた記録用の出力レベル、サーボ用の出力レベルに設定することができ、光ディスクの種類に応じて最適な出力レベルで光ディスクにデータを記録することが可能となる。
次に、第2の本発明に係る信号処理装置は、1以上のプリピットが形成されたプリピット領域を有する光ディスクにレーザ光を照射して得られる戻り光に基づいて信号を処理する信号処理装置であって、前記光ディスクの前記プリピット領域にレーザ光を照射して得られる戻り光の信号に基づいてプリピット信号を得る第1手段と、前記プリピット信号をデコードする第2手段とを有することを特徴とする。
これにより、レーザ光によってレーベル面に画像を描画することができる特定の光ディスクの検出や、画像描画をより高品位に行うための情報を得ることができる。
そして、第2の本発明において、前記第1手段は、前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号を得る手段を有するようにしてもよい。
また、第2の本発明において、前記第1手段は、前記戻り光の信号から特定の信号が読み出された場合に、前記戻り光の信号を前記プリピット信号とし、前記戻り光の信号から前記特定の信号が読み出されなかった場合に、前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号とする手段を有するようにしてもよい。
また、第2の本発明において、前記第2手段によって得られた情報のうち、当該光ディスクの種類を示す情報を読み出す手段と、光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報が記録された記憶手段から当該光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報を読み出す手段と、読み出された前記レーザ光の出力レベルの情報に基づいて前記レーザ光を制御する手段とを有するようにしてもよい。
また、第2の本発明において、前記レーザ光の出力レベルは、前記光ディスクに対する記録用の出力レベルの目標値と、前記光ディスクのサーボ用の出力レベルの目標値とを有するようにしてもよい。
次に、第3の本発明に係る画像描画方法は、レーザ光の照射により可視画像の描画が可能な画像記録層と、1以上のプリピットを有するプリピット領域とを具備した光ディスクの前記画像記録層に画像を描画する画像描画方法であって、前記光ディスクの前記プリピット領域に前記レーザ光を照射して得られる戻り光の信号に基づいてプリピット信号を得る第1ステップと、前記プリピット信号をデコードしてプリピット情報を得る第2ステップと、前記プリピット情報に基づいて前記画像記録層に画像を描画する第3ステップとを有することを特徴とする。
プリピットに光ディスクに関する製品情報や描画に関する情報を含めることで、光ディスクの種類に応じた信号処理を行うことができ、例えば光ディスクに可視画像を記録することができる画像記録層が形成されている場合は、可視画像ができることを示す情報をプリピットに含めておくことで、予め編集等しておいた画像データを画像記録層に記録することができ、しかも、可視画像の記録において、プリピットから検出した当該光ディスクに最適な描画に関する情報に基づいて可視画像を記録することが可能となる。
なお、プリピットの平均深さを100〜400nmとすることで、戻り光の信号の信号振幅が大きくなり、第1ステップにおいて、プリピット信号の読み取り精度を高くすることができる。
そして、第3の本発明において、前記1以上のプリピットが前記画像記録層の形成領域の一部に形成され、前記第1ステップは、前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号を得るステップを有するようにしてもよい。このステップは以下の事項に基づいて含められるものである。
すなわち、1以上のプリピットが前記画像記録層の形成領域の一部に形成される場合、戻り光の信号の読み出しにおいて問題が生じることがある。具体的には、プリピット領域の上層に画像記録層が存在する場合と、存在しない場合において以下のような差異がある。
プリピット領域の上層に画像記録層が存在しない場合、つまり、これは、例えば画像記録層を有しない通常の光ディスクに形成されたプリピットの情報を読み取る場合等が該当するが、このような場合、プリピット部位の反射率がプリピット間の反射率よりも低い。従って、プリピットに関する信号処理では、通常のデコーダを使用することができ、上述の反射率の差に基づいてプリピット信号を生成し、生成されたプリピット信号をイコライズ、デコードすることによってプリピット情報を得ることができる。なお、イコライズは、戻り光の信号に対して行うようにしてもよい。
しかし、プリピット領域の上層に画像記録層が存在する場合は、プリピット部位の反射率がプリピット間の反射率よりも高いことから、上述の信号処理では正しいプリピット情報を得ることができない。
そこで、このステップでは、戻り光の信号を反転してプリピット信号を得るようにしている。これにより、後段の通常のデコーダにて正しいプリピット情報を得ることができる。これにより、光ディスクの画像記録層への可視画像の描画をより高品位に行うことができる。
また、第3の本発明において、前記第1ステップは、前記戻り光の信号から特定の信号が読み出された場合に、前記戻り光の信号を前記プリピット信号とし、前記戻り光の信号から前記特定の信号が読み出されなかった場合に、前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号とするステップを有するようにしてもよい。
また、第3の本発明において、前記第3ステップは、前記第2ステップによって得られた情報のうち、当該光ディスクの種類を示す情報を読み出すステップと、光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報が記録された記憶手段から当該光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報を読み出すステップと、読み出された前記レーザ光の出力レベルの情報に基づいて前記レーザ光を制御して前記画像記録層に画像を描画するステップとを有するようにしてもよい。
また、第3の本発明において、前記レーザ光の出力レベルは、前記光ディスクに対する記録用の出力レベルの目標値と、前記光ディスクのサーボ用の出力レベルの目標値とを有するようにしてもよい。
次に、第4の本発明に係る光ディスク記録装置は、レーザ光の照射により可視画像の描画が可能な画像記録層と、1以上のプリピットを有するプリピット領域とを具備した光ディスクの前記画像記録層に画像を描画する光ディスク記録装置であって、前記光ディスクの前記プリピット領域に前記レーザ光を照射して得られる戻り光の信号に基づいてプリピット信号を得る第1手段と、前記プリピット信号をデコードしてプリピット情報を得る第2手段と、前記プリピット情報に基づいて前記画像記録層に画像を描画する第3手段とを有することを特徴とする。
これにより、レーザ光によってレーベル面に画像を描画することができる特定の光ディスクの検出や、画像描画をより高品位に行うための情報を得ることができる。
そして、第4の本発明において、前記1以上のプリピットが前記画像記録層の形成領域の一部に形成され、前記第1手段は、前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号を得る手段を有するようにしてもよい。
また、第4の本発明において、前記第1手段は、前記戻り光の信号から特定の信号が読み出された場合に、前記戻り光の信号を前記プリピット信号とし、前記戻り光の信号から前記特定の信号が読み出されなかった場合に、前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号とする手段を有するようにしてもよい。
また、第4の本発明において、前記第3手段は、前記第2手段によって得られた情報のうち、当該光ディスクの種類を示す情報を読み出す手段と、光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報が記録された記憶手段から当該光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報を読み出す手段と、読み出された前記レーザ光の出力レベルの情報に基づいて前記レーザ光を制御して前記画像記録層に画像を描画するステップとを有するようにしてもよい。
また、第4の本発明において、前記レーザ光の出力レベルは、前記光ディスクに対する記録用の出力レベルの目標値と、前記光ディスクのサーボ用の出力レベルの目標値とを有するようにしてもよい。
特に、本発明においては、以下に示す光ディスク(光記録媒体)に用いて有効である。すなわち、光ディスクは、基板と、前記基板上に形成されレーザ光の照射により可視画像の描画が可能な画像記録層とを有する光ディスクであって、前記基板の前記画像記録層側の表面に、プリピットが形成されていることを特徴とする。
この光ディスクによれば、プリピットに当該光ディスクに関する製品情報や描画に関する情報を含めることで、例えば光ディスク記録装置等において、光ディスクの属性(例えば可視情報が記録できる光ディスクであるかどうか等)を認識することができる。
上述の光ディスクとしては、後述する第1〜第11の態様のうち少なくとも1つの態様を適用することが好ましい。なお、プリピットが後述する特定の形状であることで、検出信号の信号振幅が大きくなり、信号の読み取り精度を高くすることができる。また、プリピットに描画に関する情報が含まれていれば、該情報を使用して可視画像を記録することで、高い描画特性(良好な視認性、高精細度、高コントラスト等)を発揮させることができる。
(1)第1の態様は、プリピットの平均深さhpが100〜400nmである態様である。この光ディスクでは、プリピットの平均深さhpが100〜400nmを満たすことから、光ディスクからの戻り光を十分に確保でき、信号検出を容易にすることができる。
(2)第2の態様は、前記プリピットが、前記画像記録層が形成されている領域よりも内周側に形成されている態様である。
(3)第3の態様は、前記プリピットが形成されている領域上に前記画像記録層の少なくとも一部が形成されている態様である。
(4)第4の態様は、前記プリピットの平均半値幅Wが200〜500nmである態様である。平均半値幅Wが200〜500nmであることで、光ディスクからの戻り光をさらに十分に確保できる。しかも、トラック間方向のクロストークが小さくなり、十分な信号振幅を得ることができる。
(5)第5の態様は、前記プリピットの凸部上の前記画像記録層の平均厚みh1と、前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の平均厚みh2との比(h1/h2)が、0.1〜0.9であり、前記プリピットの凹部上の前記画像記録層の窪みの深さ(hp+h1−h2)が70〜250nmであるである態様である。「h1/h2」及び「hp+h1−h2」が上述の範囲にあることで、光ディスクからの戻り光を十分に確保することができる。しかも、画像記録層の反射層が形成される面が、レーザ光を読み取るのに適度な凹凸を有し、良好な再生信号を得ることができる。
(6)第6の態様は、前記画像記録層に沿って反射層が形成されており、前記画像記録層の窪みの深さ(hp+h1−h2)が100〜200nmである態様である。この場合も、光ディスクからの戻り光を十分に確保でき、しかも、良好な再生信号を得ることができる。
(7)第7の態様は、前記画像記録層が色素化合物を含有する態様である。これにより、いわゆる色素型の光ディスクとすることができる。色素型の光ディスクは、明瞭なピットが得られるため、十分なコントラスト及び視認性を得ることができる。
(8)第8の態様は、前記画像記録層が前記色素化合物を含有する塗布液を用いてスピンコートにより形成されている態様である。スピンコートにより形成することで、簡便に基板上に画像記録層を形成することが可能となり、生産性の高い光ディスクとすることができる。
(9)第9の態様は、前記基板の厚さが0.5〜1.1mmである態様である。0.5〜1.1mmであることで、画像記録層に対して、例えばDVD−R及びDVD+RのドライブやDVDレコーダに搭載されているレーザ光源からのレーザ光での描画が可能になる。
(10)第10の態様は、前記画像記録層が、レーザ光が略同一の軌跡に複数回照射されて可視情報が記録される層であり、前記プリピットにレーザ光を照射した後の戻り光を検出して可視情報の記録が行われる態様である。これにより、可視画像の描画が可能な光ディスクであることをドライブやレコーダが認識させることができる。また、複数回照射することで、描画画像のコントラストを向上させることができ、視認性も良好にすることができる。
(11)第11の態様は、前記画像記録層が、レーザ光が光ディスクの半径方向に遥動し且つ略同一の軌跡に複数回照射されて可視情報が記録される層であり、前記プリピットにレーザ光を照射した後の戻り光を検出して可視情報の記録が行われる態様である。これにより、第10の態様と同様に、描画画像のコントラストを向上させることができ、視認性も良好にすることができる。
なお、上述の光ディスクは、ディスク状のものに限定されず、カード状の光情報記録媒体でもよい。
ところで、本発明に好適な光ディスクは、上述したようにレーザ光を略同一の軌跡に複数回照射されるシステム又はレーザ光が光ディスクの半径方向に遥動し且つ略同一の軌跡に複数回照射されるシステムに使用されることが好ましい。本発明に好適な光ディスクは、このようなシステムに使用された場合でも、システムにおいて十分に光ディスクの情報を認識することができ、可視画像の記録を円滑に進行させることができ、しかも、最適なレーザ光の出力にて描画することができる。
また、上述した特定のプリピットを有する光ディスクは、CD用途(レーザ波長700nm〜800nm)、DVD用途(レーザ波長600nm〜700nm)、HD DVDやブルーレイ用途(レーザ波長380nm〜450nm)の光ディスク装置のいずれにも使用できる。これらの光ディスク装置においては、上述のように光ディスクが特定のプリピットを有することから、光ディスクの信号検出を円滑に行うことができる。上述した各種用途の中でも、特定のプリピットを有する光ディスクは、DVD用途の光ディスク装置に使用されることが好ましい。特定のプリピットの場合には、レーザ波長が600nm〜700nmであっても十分に信号を検出することができることから、可視画像の記録を円滑に行うことができる。
以上説明したように、本発明に係る信号処理方法、信号処理装置、画像描画方法及び光ディスク記録装置によれば、レーザ光によってレーベル面に画像を描画することができる特定の光ディスクの検出や、画像描画をより高品位に行うための情報を得ることができる。
以下、本発明に係る信号処理方法、信号処理装置、画像描画方法及び光ディスク記録装置の実施の形態例(以下、実施の形態に係る光ディスク記録装置と記す)を図1〜図38を参照しながら説明する。
先ず、本実施の形態に係る光ディスク記録装置に適用される光ディスク10について図1〜図3を参照しながら説明する。
光ディスク10は、図1に示すように、第1積層体12と第2積層体14とを有する。第1積層体12は、透明性の第1基板16と、該第1基板16上に形成された情報記録層18と、該情報記録層18上に形成された第1反射層20とを有する。第2積層体14は、透明性の第2基板22と、該第2基板22上に形成された画像記録層24と、該画像記録層24上に形成された第2反射層26とを有する。そして、第1積層体12及び第2積層体14が、第1反射層20と第2反射層26とが対向するように、接着層28を介して貼り合わされている。
情報記録層18は、例えば第1基板16側から照射されたレーザ光によってデータ(ピット情報)の記録及び/又は再生が可能となっている。
画像記録層24は、例えば第2基板22側から照射されたレーザ光によって可視画像が記録できるようになっている。
さらに、この光ディスク10は、第2基板22の表面(画像記録層24が形成される側の表面)の一部にプリピット領域30が割り当てられ、該プリピット領域30に1以上のプリピット32、好ましくは複数のプリピット32が形成されている。
プリピット32の組み合わせにて示される情報としては、光ディスク10に関する各種情報が考えられ、例えば、当該光ディスク10が画像記録層24を有する光ディスクであるかどうかの識別情報や、画像記録層24に可視画像を描画する際のレーザ光の出力に関する情報やスポット径に関する情報、描画すべき可視画像の階調に関する情報等である。従って、プリピット32を検出することによって、当該光ディスク10が画像記録層24を有する光ディスク10であるかを容易に検出することができ、また、画像記録層24に可視画像を描画する際に、最適なレーザ出力にて描画することができ、しかも、可視画像を高い描画特性をもって記録することができる。なお、プリピット32の組み合わせにて示される情報としては、その他に製造者情報等が挙げられる。
第2基板22の表面中、プリピット領域30の割り当て位置としては、特に制限されない。例えば図3の第1の変形例に係る光ディスク10aに示すように、プリピット領域30を、画像記録層24が形成されている領域(画像記録層形成領域34)よりも内周側にあってもよい。プリピット領域30が内周側にあることで、プリピット32が色素化合物で埋まらないため、プリピット32からの戻り光を検出しやすいという利点がある。ただ、プリピット領域30に画像記録層24を形成しないようにするためには、プリピット領域30の最外周と画像記録層形成領域34の最内周との間に、ある程度のマージンが必要となる。
もちろん、画像記録層形成領域34をできるだけ広く確保するという観点から、図1に示すように、プリピット領域30と画像記録層形成領域34とが一部重なっていてもよい。すなわち、プリピット32上に画像記録層24の少なくとも一部が形成されていてもよい。この場合には、画像記録層24の形成位置を比較的自由に設定できることから、製造工程における歩留まりが向上する。
図1や図3に示すように、プリピット領域30を第2基板22の内周側に設ける場合は、第2基板22の中心より半径21〜24mmの範囲に設けることが好ましい。
図2に示すように、プリピット32の平均深さhpは100〜400nmとする。100〜400nmとすることで、プリピット32からの戻り光を電気信号に変換した後の信号(戻り光信号と記す)の信号振幅が大きくなり、戻り光信号の読み取り精度を高くすることができる。
ここで、プリピット32の平均深さhpについてより詳しく説明すると、プリピット領域30が画像記録層形成領域34よりも内周側にある場合には、プリピットの平均深さhpは100〜250nmであることが好ましく、100〜170nmであることがさらに好ましい。なお、この場合には、後述するようにプリピット領域30上に画像記録層24が形成されている場合に比較して信号特性が優れていることから、プリピット32の形状設計の自由度を向上させることができる。
一方、プリピット32上に画像記録層24の少なくとも一部が形成されている場合には、プリピット32の平均深さhpは150〜400nmであることが好ましく、150〜350nmであることがより好ましく、200〜330nmであることがさらに好ましく、230〜330nmであることがよりさらに好ましく、230〜300nmであることが特に好ましい。プリピット32上に画像記録層24が形成されている場合には、レーザの戻り光が色素の影響を受けるため、上記の範囲が信号の読み取り精度を高くするという観点からは好ましい。
プリピット32の半径方向の平均半値幅Wは200〜500nmであることが好ましく、250〜450nmであることがより好ましく、390〜440nmであることがさらに好ましい。200〜500nmとすることで、戻り光信号に重畳されるトラック間方向のクロストークが小さく、検出するに十分な信号振幅を得ることができる。なお、プリピット32の周方向の長さ(半値幅)は、記録する情報によるため、適宜設定される。
また、プリピット32の凸部32A上の画像記録層24の平均厚みh1と、プリピット32の凹部32B上の画像記録層24の平均厚みh2との比(h1/h2)は、0.1〜0.9であり、プリピット32の凹部32B上の画像記録層24の窪みの深さ(hp+h1−h2)が70〜250nmであることが好ましい。
「h1/h2」及び「hp+h1−h2」が上記範囲にあることで、画像記録層24の第2反射層26が形成される面が、レーザ光を読み取るのに適度な凹凸を有することになり、良好な再生信号を得ることができる。「h1/h2」のより好ましい範囲は、0.2〜0.8である。「hp+h1−h2」は、より好ましくは100〜200nmであり、さらに好ましくは120〜180nmであり、特に好ましくは130〜170nmである。
また、図2に示すように、画像記録層24に沿って第2反射層26が形成されていることが好ましく、プリピット32の凸部32A上の第2反射層26の平均厚みt1と、プリピット32の凹部32B上の第2反射層26の平均厚みt2との比(t1/t2)は、0.8〜1.2であることが好ましく、0.9〜1.1であることがより好ましい。
なお、上記hp、h1及びh2等は、AFMや透過スペクトル又はエリプソメータから求めることができる。また、他の方法として、完成した光ディスク10の断面をSEM等により観察することで求めることができる。
なお、プリピットの形状の測定には、AFM装置SPI3800N/SPA500(セイコーインスツル株式会社製)及び探針NCH−10V(日本ビーコ株式会社製)を用いることができる。
上記のようなプリピット32を有する第2基板22は、以下に示すスタンパを使用して製造することができる。スタンパは、上述したプリピット32を形成するための凹凸が設けられている。当該凹凸のうちの凸部の平均高さは150〜400nmであることが好ましい。スタンパを使用することで、上述した光ディスクを効率よく製造することができる。
スタンパを作製する工程としては、通常のCD−ROMを製造するためのスタンパを作製するのとほぼ同様の工程を採用することができる。具体的には、ガラス原盤上にフォトレジストを成膜し、現像等を行い、ニッケル等の金属をスパッタし、電鋳処理することでスタンパを作製することができる。
上述した光ディスクの構成としては、レーザ光の照射により可視画像の描画が可能な画像記録層24と、1以上のプリピット32を有するプリピット領域30とを具備した構成であれば特に限定されない。すなわち、読出し専用型、追記型、書換え可能型等のいずれとすることもできる。なかでも、追記型であることが好ましい。また、記録形式としては、相変化型、光磁気型、色素型等、特に制限されない。なかでも、色素型であることが好ましい。
特に、図1に示す光ディスク10は、第1基板16上に情報記録層18を有し、第2基板22上に画像記録層24を有し、これらが貼り合わされた構成であることから、例えばDVD(DVDの他、DVD−RやDVD−RW、HD DVD等を含む)の構成に適用することが好ましい。
光ディスク10の層構成としては、図1に示す層構成のほか、例えば、以下の構成が挙げられる。
(1)第1の層構成は、図示しないが、第1基板16上に、情報記録層18、第1反射層20、接着層28を順次形成し、接着層28上に、画像記録層24を有する第2基板22を貼り合わせる構成である。
(2)第2の層構成は、図示しないが、第1基板16上に、情報記録層18、第1反射層20、保護層、接着層28を順次形成し、接着層28上に、画像記録層24を有する第2基板22を貼り合わせる構成である。
(3)第3の層構成は、図示しないが、第1基板16上に、情報記録層18、第1反射層20、第1保護層、接着層28、第2保護層を順次形成し、該第2保護層上に、画像記録層24を有する第2基板22が形成されている構成である。
(4)第4の層構成は、図示しないが、第1基板16上に、情報記録層18、第1反射層20、第1保護層、接着層28、第2保護層、第3保護層を順次形成し、該第3保護層上に、画像記録層24を有する第2基板22が形成されている構成である。
(5)第5の層構成は、第1基板16上に、情報記録層18、第1反射層20、接着層28、第2反射層26を順次形成し、該第2反射層26上に、画像記録層24を有する第2基板22が形成されている構成である。この層構成は図1とほぼ同じになる。
(6)第6の層構成は、図示しないが、第1基板16上に、情報記録層18、第1反射層20、第1保護層を順次形成し、一方、第2基板22上に画像記録層24、第2反射層26、第2保護層を順次形成し、接着層28を介して第1保護層及び第2保護層を貼り合わせる構成である。
なお、図1に示す層構成、並びに上記(1)〜(6)の層構成は単なる例示であり、これらの層構成は上述の順番のみでなく、一部を入れ替えてもよい。また、一部(画像記録層24を除く)を省略してもかまわない。さらに、各層は1層で構成されても複数層で構成されてもよい。
以下、図1に記載の層構成を例に、光ディスク10の各層とその形成方法について説明する。
(情報記録層18)
情報記録層18は、記録及び再生に使用されるレーザ光により情報の記録及び再生が行われる層である。特に、デジタル情報等の符号情報(コード化情報)が記録される。情報記録層18としては、色素記録層でも相変化型記録層でもよいが、色素記録層が好ましい。
色素記録層(情報記録層18)に含有される色素の具体例としては、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、トリアゾール化合物(ベンゾトリアゾール化合物を含む)、トリアジン化合物、メロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、桂皮酸化合物、ベンゾオキサゾール化合物、ピロメテン化合物、スクアリリウム化合物等が挙げられる。なお、これらは配位中心に金属原子を持っていてもよい。
また、特開平4−74690号公報、同8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、及び同2000−158818号公報等に記載されている色素を用いることも可能である。
上記化合物の中では、光ディスク10が「CD−R」の場合、シアニン色素、アゾ色素、フタロシアニン色素が好ましく、「DVDーR」の場合、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素(Ni、Co錯体を含む)、ピロメテン化合物が好ましく、「ブルーレイディスク及びHD DVD」の場合、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物が好ましい。
また、「CD−R」の場合、シアニン色素、アゾ色素、フタロシアニン色素がさらに好ましく、「DVD−R」の場合、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素(Ni、Co錯体を含む)がさらに好ましく、「ブルーレイディスク及びHD DVD」の場合、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素がさらに好ましい。
情報記録層18は、色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製する。次いでこの塗布液を基板上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
情報記録層18の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD、又は溶剤塗布等の方法によって行うことができるが、溶剤塗布が好ましい。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等、各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子を挙げることができる。
情報記録層18の材料として結合剤を併用する場合、結合剤の使用量は、一般に色素の質量の0.01倍量〜50倍量の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量の範囲にある。
前記溶剤塗布の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。情報記録層18は単層でも重層でもよい。情報記録層18の層厚は一般に10〜500nmの範囲にあり、好ましくは15〜300nmの範囲にあり、より好ましくは20〜150nmの範囲にある。
情報記録層18には、該情報記録層18の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に、一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−31194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同68−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許第350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、通常、色素の質量の0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、さらに好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
相変化型の情報記録層18を構成する材料の具体例としては、Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、In−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、Ag−V−In−Sb−Te合金、Ag−Ge−In−Sb−Te合金、等が挙げられる。なかでも、多数回の書き換えが可能であることから、Ge−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金が好ましい。相変化型の情報記録層18の層厚としては、10〜50nmとすることが好ましく、15〜30nmとすることがより好ましい。
以上の相変化型の情報記録層18は、スパッタ法、真空蒸着法等の気相薄膜堆積法等によって形成することができる。
(第1基板16、第2基板22)
光ディスク10の第1基板16及び第2基板22は、従来の光ディスクの基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。なお、ここでは、第2基板22のうち、画像記録層24が形成される面にプリピット32が形成されている。
第1基板16及び第2基板22の材料としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン及びポリエステル等を挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状として又は剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び価格等の点からポリカーボネートが好ましい。
第2基板22は、上述したスタンパを用いて画像記録層24が形成される側にプリピット32を有する基板を作製する工程を経て製造される。プリピット32の深さに相当する凸部32Aの高さは、フォトレジストの膜厚を調整することで制御することができる。
第1基板16及び第2基板22の厚さは、0.1〜1.2mmとすることが好ましく、0.2〜1.1mmとすることがより好ましく、0.5〜1.1mmであることがさらに好ましい。0.5〜1.1mmであることで、例えばDVD−R及びDVD+RのドライブやDVDレコーダに搭載されているレーザ光での描画が可能になる。また、第1基板16には基本的にグルーブもしくはトラッキング用のサーボ信号が形成されていることが好ましく、第2基板22にはそのような溝もしくはトラッキング用のサーボ信号が形成された基板を用いてもよい。第1基板16のグルーブのトラックピッチは、280〜900nmの範囲にとすることが好ましく、300〜800nmの範囲とすることがより好ましい。また、グルーブの深さ(溝深さ)は、15〜200nmの範囲とすることが好ましく、25〜180nmの範囲とすることがより好ましい。
画像記録層24に高精彩な可視画像を記録するには、第2基板22にもトラッキング用のグルーブ(溝)を設けてもよい。この場合、グルーブのトラックピッチは、記録用のレーザ光の強度分布の観点から、0.3〜200μmの範囲にとすることが好ましく、0.6〜100μmの範囲とすることがより好ましく、0.7〜50μmとすることがさらに好ましい。
また、画像記録時にトラッキングをかけて、且つ、レーザ光を入射する側の基板厚さが0.6mmの場合において、溝の深さは、50〜250nmとすることが好ましく、80〜200nmとすることがより好ましく、100〜180nmとすることがさらに好ましい。溝の幅は、100〜600nmとすることが好ましく、200〜500nmとすることがより好ましく、250〜450nmとすることがさらに好ましい。なお、溝形状は、レーザ光の波長、NA、基板厚等でその最適範囲が異なることがある。
第1基板16の表面(グルーブが形成された面(ROMの場合はピットが形成された面)側)には、平面性の改善、接着力の向上、及び情報記録層の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。
下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;及びシランカップリング剤等の表面改質剤等を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。
下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
一方、画像記録層24に描画された可視画像において、鏡面反射光による周囲の映りこみを防止するには、第2基板22に粗面化処理を施すことが好ましい。
第2基板22への粗面化処理方法としては、種々の方法があり特に限定はされないが、下記のような第1粗面化処理〜第5粗面化処理のいずれかを適用することが好ましい。
(1)第1粗面化処理は、第2基板22が接触する一方の面に、粗面化処理が施されたスタンパを用いて、第2基板22の画像記録層24が形成される側の面を粗面化するものである。具体的には、先ず、第2基板22を作製する際に使用するスタンパに粗面化処理を施す。当該粗面化処理の方法としては、例えば、サンドブラストといったブラスト処理等を行い、所望の粗さとしておく。また、第5粗面化処理で説明するような化学処理を施してもよい。そして、このスタンパを粗面化面が第2基板22の樹脂材料に接触するように、金型に設置し、公知の方法により成型することで、一方の面のみが粗面化された第2基板22が作製される。なお、上記「所望の粗さ」としては、例えば、当該粗面化された面の10点平均粗さ(Rz)が0.3〜5μmであって、且つ、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)が、10〜500μmとすることが好ましい。
(2)第2の粗面化処理は、成型後に第2基板22が接触する一方の面に粗面化処理が施された成型金型を用いて、第2基板22の画像記録層24が形成される側の面を粗面化するものである。具体的には、第2基板22の成型用金型で、その一方の主面に粗面化処理を施す。当該粗面化処理の方法としては、上記第1粗面化処理の場合と同様であり、当該金型を用い、公知の方法により成型することで、一方の面のみが粗面化された第2の基板22が作製される。
(3)第3粗面化処理は、第2基板22を作製した後、画像記録層24が形成される側の面に微粒子を分散した樹脂を塗布し、樹脂を硬化させて、第2基板22の画像記録層24が形成される側の面を粗面化するものである。上記樹脂としては、アクリレート系紫外線硬化樹脂、エポキシ系、イソシアネート系熱硬化性樹脂等を使用することができる。
また、微粒子は、SiO2、Al23等の無機微粒子やポリカーボネート、アクリル系の樹脂粒子等を使用することができる。微粒子の体積平均粒径は、0.3〜200μmであることが好ましく、0.6〜100μmであることがより好ましい。当該微粒子の粒径と添加量を調整することで、粗面化面を所望の粗さとすることができる。
(4)第4粗面化処理は、第2基板22を作製した後、画像記録層24が形成される側の面に機械加工処理を施して、第2基板22の画像記録層24が形成される側の面を粗面化するものである。機械加工処理としては、種々の処理が適用できるが、サンドブラストといったブラスト処理を適用することが好ましい。
(5)第5粗面化処理は、第2基板22を作製した後、画像記録層24が形成される側の面に化学処理を施して、第2基板22の画像記録層24が形成される側の面を粗面化するものである。化学処理としては、成型後の第2基板22の一方の面に溶剤を塗布したり、スプレーで噴霧する等してエッチングする処理を適用することができる。当該溶剤としては、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤が好ましく、それ以外に、硝酸、塩酸、硫酸といった酸性溶剤等を挙げることができる。上記のような酸性溶剤の規定度を調整したり、塗布時間を調整することで、所望の粗さとすることができる。
(第1反射層20、第2反射層26)
情報の再生時における反射率の向上の目的で、情報記録層18、画像記録層24に隣接して第1反射層20、第2反射層26が設けられる。第1反射層20及び第2反射層26の材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは2種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Ag、Alあるいはそれらの合金である。第1反射層20及び第2反射層26は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより、情報記録層18及び画像記録層24の上に形成することができる。第1反射層20及び第2反射層26の層厚は、10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
(接着層28)
接着層28は、図1における第1積層体12と第2積層体14とを接着するための層であり、第1反射層20と第2反射層26との間に位置する。接着層28に使用される接着剤としては、公知の紫外線硬化樹脂等を使用することができる。
(画像記録層24)
光ディスク10は、上述したように、情報記録層18とは反対側の面に画像記録層24を有する。画像記録層24には、文字、図形、絵柄等、ユーザが所望する可視画像(可視情報)が記録される。画像記録層24に記録される可視画像とは、視覚的に認識可能な画像を意味し、文字(列)、絵柄、図形等あらゆる視認可能な情報を含む。可視画像としては、文字、図形、絵柄等、ユーザが所望する可視画像が含まれ、具体的には、ディスクのタイトル、内容情報、内容のサムネール、関連した絵柄、デザイン的な絵柄、著作権情報、記録日時、記録方法、記録フォーマット、バーコード等が挙げられる。
また、文字情報としては、使用可能者指定情報、使用期間指定情報、使用可能回数指定情報、レンタル情報、分解能指定情報、レイヤー指定情報、ユーザ指定情報、著作権者情報、著作権番号情報、製造者情報、製造日情報、販売日情報、販売店又は販売者情報、使用セット番号情報、地域指定情報、言語指定情報、用途指定情報、製品使用者情報、使用番号情報等が挙げられる。
画像記録層24は、レーザ光の照射により、文字、画像、絵柄等の画像情報を視認可能に記録できればよい。レーザ光の照射によって可視画像を明瞭に形成できることを考慮すると、画像記録層24は、色素化合物を含有することが好ましい。そして、その構成材料としては、上述した情報記録層18において説明した色素を好適に用いることができる。この場合、コスト等を考慮して、画像記録層24は色素化合物を含有する塗布液を用いてスピンコートにより形成されていることが好ましい。
また、光ディスク10においては、上述した情報記録層18の構成成分(色素又は相変化記録材料)と画像記録層24の構成成分とを同じにしても、異ならせてもよいが、情報記録層18と画像記録層24とでそれぞれ要求される特性が相違するため、構成成分は異ならせることが好ましい。具体的には、情報記録層18の構成成分は記録・再生特性に優れるものとし、画像記録層24の構成成分は記録される可視画像のコントラストが高くなるものとすることが好ましい。特に、色素を用いる場合、画像記録層24には、記録される可視画像のコントラスト向上の観点から、上述した色素の中でも特に、シアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ色素、アゾ金属錯体、オキソノール色素を用いることが好ましい。
また、ロイコ系の染料も使用することができる。具体的には、クリスタルバイオレットラクトン;3,3−ビス(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド等のフタリド化合物;3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6(N−エチルイソペンチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ベンジルエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−メチルプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のフルオラン化合物;等が好ましい。
画像記録層24は、上述した色素を溶剤に溶解して塗布液を調製し、該塗布液を塗布することによって形成することができる。溶剤としては既述の情報記録層18の塗布液の調製に使用する溶剤と同じ溶剤を使用することができる。その他の添加剤、塗布方法等は、上述した情報記録層の場合と同様である。
画像記録層24の層厚としては、0.01〜2μmとすることが好ましく、0.05〜1μmとすることがより好ましく、0.1〜0.5μmとすることがさらに好ましい。
なお、画像記録層24は、レーザ光が略同一の軌跡に複数回照射されて可視情報が記録される層であり、プリピット32にレーザ光を照射した後の戻り光を検出して可視情報の記録が行われる態様、あるいは、画像記録層24が、レーザ光が光ディスク10の半径方向に遥動し且つ略同一の軌跡に複数回照射されて可視情報が記録される層であり、プリピット32にレーザ光を照射した後の戻り光を検出して可視情報の記録が行われる態様であることが好ましい。
このようにすることで、可視画像の描画が可能な光ディスク10であることをドライブやレコーダにおいて認識させることができる。また、複数回照射することで、描画画像のコントラストを向上させることができる。
以下に、図1では図示しないが、好ましい態様において形成される保護層について説明する。
(保護層)
第1反射層20や情報記録層18等を物理的及び化学的に保護する目的で保護層が設けられてもよい。
保護層に用いられる材料の例としては、ZnS、ZnS−SiO2、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、さらに帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。
なお、光ディスク10は、第1基板16にレーザ光により再生可能な情報が記録された記録部(ピット)を有する、いわゆる再生専用型の光ディスクに適用することができるのは既述の通りである。
光ディスク10の変形例として、図4及び図5の構成を挙げることができる。なお、図5では、情報記録層18(図1参照)を省略して示す。
図4及び図5に示す第2の変形例に係る光ディスク10bは、上述した光ディスク10とほぼ同様の構成を有するが、第2基板22の主面の内周側に印刷領域36が形成されている点で異なる。また、プリピット領域30は、画像記録層形成領域34とは重なっておらず、第2基板22の外周側から内周側に向かって、画像記録層形成領域34、プリピット領域30、印刷領域36が配置された形態なっている。
印刷領域36には、例えば、製品名やメーカー名等が印刷される。印刷方法としては、スクリーン印刷が挙げられる。印刷領域36を第2基板22の最内周側に形成することで、光ディスク10bの最内周側が遮蔽され、ユーザの視覚効果を高めることができる。
ここで、光ディスク10bの中心から印刷領域36、プリピット領域30及び画像記録層形成領域34までの半径方向の距離について説明する。
先ず、光ディスク10bの中心から印刷領域36の内周端までの距離r0は、8〜21mmであることが好ましく、光ディスク10bの中心から印刷領域36の外周端までの距離r1は、21〜23mm(但し、r0<r1)であることが好ましい。
光ディスク10bの中心からプリピット領域30の内周端までの距離r2は、19〜22mmであることが好ましく、光ディスク10bの中心からプリピット領域30の外周端までの距離r3は、22〜25mm(但し、r2<r3)であることが好ましい。
また、光ディスク10bの中心から画像記録層形成領域34の内周端までの距離r4は、22〜25mmであることが好ましく、光ディスク10bの中心から画像記録層形成領域34の外周端までの距離r5は、光ディスク10bの最外周に対応する(但し、r4<r5)。
[画像記録方法]
上述した光ディスク10、10a、10b(代表的に光ディスク10と記す)の画像記録層24への画像記録は、本実施の形態に係る光ディスク記録装置100を用いて行う。
以下、本実施の形態に係る光ディスク記録装置100について図6〜図35を参照しながら説明する。
光ディスク10の画像記録層24への可視画像の記録及び情報記録層18へのデジタル情報の記録は、例えば、画像記録層24及び情報記録層18への記録機能を有する1つの光ディスク記録装置100で行うことができる。1つの光ディスク記録装置100を使用する場合、画像記録層24及び情報記録層18のいずれか一方の層への記録を行った後、光ディスク10を裏返して他方の層に記録を行うことができる。
そして、本実施の形態に係る光ディスク記録装置100は、図6に示すように、制御部102(CPUを含む)と、装着された光ディスク10を回転駆動するスピンドルモータ104と、光ディスク10に対してレーザ光Lを照射する光ピックアップ106と、該光ピックアップ106による光ディスク10に対するレーザ光Lの照射位置を調整する照射位置調整手段108と、プリピット領域30にレーザ光Lを照射して得られる戻り光信号Srからプリピット信号Spを得るプリピット検出手段110と、得られたプリピット信号Spをデコードしてプリピット情報Dpを得るデコーダ112と、画像データDgに基づく可視画像をプリピット情報Dpに基づいてレーザ光Lによって光ディスク10の画像記録層24に描画するレーザ光制御手段114とを有する。
また、この光ディスク記録装置100は、光ディスク10の画像記録層24が光ピックアップ106と対向するように、光ディスク10がセットされた場合に、画像データDgに対応する可視画像が画像記録層24に形成されるように、光ピックアップ106、照射位置調整手段108及びレーザ光制御手段114を制御する画像形成制御手段116を有する。
プリピット検出手段110は、2つの回路構成(第1プリピット検出手段110a及び第2プリピット検出手段110b)が考えられる。
第1プリピット検出手段110aは、プリピット領域30と画像記録層形成領域34とが一部重なって、プリピット32上に画像記録層24の少なくとも一部が形成されている光ディスク10(図1参照)を対象とした回路構成を有し、図7に示すように、戻り光信号Srを反転してプリピット信号Spを得る信号反転回路118を有する。「戻り光信号Srを反転する」とは、戻り光信号Srの信号波形を反転するものであって、位相反転や極性反転を含む概念である。
信号反転回路118を設ける意義は以下の通りである。先ず、プリピット領域30と画像記録層形成領域34とが一部重なって形成される場合、戻り光信号Srの読み出しにおいて問題が生じることがある。
すなわち、プリピット領域30の上層に画像記録層24が存在する場合と、存在しない場合において以下のような差異がある。プリピット領域30の上層に画像記録層24が存在しない場合、つまり、これは、例えば画像記録層24を有しない通常の光ディスクに形成されたプリピットの情報を読み取る場合等が該当するが、このような場合、プリピット部位の反射率がプリピット間の反射率よりも低い。従って、プリピット32に関する信号処理では、通常のデコーダ112を使用することができ、上述の反射率の差に基づいてプリピット信号Spを生成し、生成されたプリピット信号Spをイコライズ、デコードすることによってプリピット情報Dpを得ることができる。なお、イコライズは、戻り光信号Srに対して行うようにしてもよい。
しかし、プリピット領域30の上層に画像記録層24が存在する場合は、プリピット部位の反射率がプリピット間の反射率よりも高いことから、上述の信号処理では正しいプリピット情報Dpを得ることができない。
そこで、第1プリピット検出手段110aは、信号反転回路118によって戻り光信号Srを反転してプリピット信号Spを得るようにしている。これにより、後段の通常のデコーダ112にて正しいプリピット情報Dpを得ることができる。
一方、第2プリピット検出手段110bは、プリピット領域30の上層に画像記録層24が存在する光ディスク10のほか、プリピット領域30の上層に画像記録層24が存在しない光ディスク(例えば光ディスク10a)にも適用させることができる。
前提として、プリピット領域30に形成されたプリピット32の組み合わせにて示される情報に、特定のコードが含まれていることが好ましい。
そして、この第2プリピット検出手段110bは、図8に示すように、上述した信号反転回路118と、セレクタ120と、コード検出回路122と、スイッチング制御回路124とを有する。セレクタ120は、戻り光信号Srをデコーダ112に直接入力させる第1信号ラインLs1と、戻り光信号Srを信号反転回路118を介してデコーダ112に入力させる第2信号ラインLs2とを切り替え選択する。コード検出回路122は、デコーダ112から出力された情報に特定のコードが含まれているか否かを検出する。スイッチング制御回路124は、コード検出回路122からの検出結果が、「特定のコードを含まない」を示す場合に、セレクタ120に対して戻り光信号Srの信号ラインを第1信号ラインLs1又は第2信号ラインLs2に切り替えるための制御信号Ssを出力する。
例えば初期段階においてセレクタ120が第1信号ラインLs1を選択している場合、対象の光ディスク10が、プリピット領域30の上層に画像記録層24が存在する光ディスク10であれば、プリピット領域30からの戻り光信号Srはそのままデコーダ112に入力されることから、デコーダ112からは正しいプリピット情報Dpは出力されず、コード検出回路122において特定のコードは検出されないこととなる。従って、スイッチング制御回路124からセレクタ120に対して制御信号Ssが出力され、これによって、セレクタ120は第2信号ラインLs2に切り替える。その結果、プリピット領域30からの戻り光信号Srは、今度は、信号反転回路118によって反転されてデコーダ112に入力されることから、デコーダ112からは正しいプリピット情報Dpが出力されることとなる。この場合、コード検出回路122では特定のコードが検出される。
反対に、対象の光ディスク10が、プリピット領域30の上層に画像記録層24が存在しない光ディスク(例えば光ディスク10b)であれば、初期段階において、プリピット領域30からの戻り光信号Srはそのままデコーダ112に入力されることから、デコーダ112からは正しいプリピット情報Dpが出力されることとなる。この場合、コード検出回路122では特定のコードが検出され、セレクタ120での信号ラインの切り替えは行われない。
図6に示すレーザ光制御手段114は、得られたプリピット情報Dpに基づいてレーザ光Lを制御する。例えば、プリピット情報Dpに可視画像の描画条件等を引き出すための識別情報を含ませておく。そして、識別情報に対応する描画条件を予めテーブル化して、制御部102内のCPUが参照するメモリに記憶しておく。制御部102は、検知したプリピット情報Dpに対応する描画条件をテーブルを参照して読み出し、読み出した描画条件をレーザ光制御手段114に与える。レーザ光制御手段114は、与えられた描画条件に従ってレーザ光Lを制御する。これにより、最適な描画条件によって可視画像を画像記録層24に描画することができる。
また、本実施の形態に係る光ディスク記録装置100は、上述した各種手段のほか、以下の(1)〜(10)に示す全ての構成あるいは一部の構成を持たせることが好ましい。
(1)画像形成制御手段116において、画像データDgに示される階調度合いに応じて光ピックアップ106から照射されるレーザ光Lを制御すること。
この構成によれば、画像データDgに応じてレーザ光Lを光ディスク10の画像記録層24に照射することによって、該画像記録層24の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データDgに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像の形成の際に、画像データDgに示される画像記録層24上の各位置(座標)の階調度に応じたレーザ光Lの制御を行うことができ、階調表現がなされた可視画像を形成することができる。
(2)図9に示すように、ビームスポット制御手段126を具備すること。
ビームスポット制御手段126は、画像形成制御手段116に含まれ、画像記録層24に可視画像を形成する際に、画像記録層24に照射されるレーザ光Lのビームスポット径が、情報記録を行う際に情報記録層18に対して照射するレーザ光のビームスポット径よりも大きくなるように、光ピックアップ106を制御する。
この(2)の構成によれば、画像データDgに応じて変調されたレーザ光Lを画像記録層24に照射することによって、該画像記録層24の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データDgに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像の形成の際に、画像記録層24に照射するレーザ光Lのビームスポット径を大きくすることにより、ある一定時間(例えば光ディスク10が1回転する時間)に、レーザ光Lが照射される領域を大きくすることができ、可視画像の形成のために要する時間を短縮することができる。
(3)図10に示すように、レーザ光強度設定手段128とレーザ光強度制御手段130とを具備すること。
レーザ光強度設定手段128は、画像形成制御手段116に含まれ、画像データDgに基づいて、画像記録層24に対して照射するレーザ光Lの強度が、第1強度(画像記録層24の光学特性(吸光度等)がほとんど変化しない強度)又は第2強度(第1強度よりも大きく、且つ、画像記録層24の光学特性が変化する強度)となるように制御する。
特に、このレーザ光強度設定手段128は、画像データDgに基づく制御に従って光ピックアップ106から出射されるレーザ光Lの強度が、連続して第2強度となっている時間が一定の時間を超えた場合に、当該画像データDgの内容に関わらず、光ピックアップ106から出射されるレーザ光Lの強度を所定の時間だけ第1強度となるようにレーザ光制御手段114を制御する。
一方、レーザ光強度制御手段130は、画像形成制御手段116に含まれ、レーザ光Lの強度が第1強度となっている期間において、該レーザ光Lの強度を検出し、検出した強度が第1強度の第1目標値となるように制御する。同様に、レーザ光Lの強度が第2強度となっている期間において、該レーザ光Lの強度を検出し、検出した強度が第2強度の第2目標値となるように制御する。第1目標値及び第2目標値は、プリピット情報Dpに含まれる識別情報に基づいて制御部102にて検索される描画条件に含めるようにしてもよい。
この構成によれば、画像データDgに応じてレーザ光Lを光ディスク10の画像記録層24に照射することによって、該画像記録層24の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データDgに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像の形成の際に、画像データDgに応じたレーザ光Lの強度が画像記録層24を変化させる第2強度である時間が長く続いた場合にも、その画像データDgに拘わらず、レーザ光制御のために画像記録層24がほとんど変化しない第1強度のレーザ光Lを照射するようにしたので、その照射結果に基づいたレーザ光制御を行うことができる。
(4)図11に示すように、相対位置調整手段132を具備すること。
相対位置調整手段132は、画像形成制御手段116に含まれ、光ディスク10が光ディスク記録装置100にセットされた際に、光ディスク10における光ピックアップ106と対向する面が画像記録層24であるか情報記録層18であるかに基づいて、光ディスク10の光ピックアップ106と対向する面と光ピックアップ106との相対位置関係を調整する。
この構成によれば、画像データDgに応じてレーザ光Lを光ディスク10の画像記録層24に照射することによって、該画像記録層24の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データDgに対応する可視画像を形成することができる。そして、光ディスク10がセットされた場合、画像記録層24もしくは情報記録層18のいずれが光ピックアップ106と対向するようにセットされたかに応じて光ピックアップ106と、これに対向する面との間の位置関係を調整することができる。従って、情報記録層18を光ピックアップ106に対向するようにセットした場合や、画像記録層24を光ピックアップ106に対向するようにセットした場合とで、それぞれ適した制御(例えばフォーカス制御等)を行うことができる。
(5)図12に示すように、サーボ制御手段134を具備すること。
サーボ制御手段134は、上述した画像記録層24に加えて、第1基板16の表面(情報記録層18が形成される側の面)に案内溝が螺旋状に形成された光ディスク10に対応したものである。従って、画像記録層に可視画像を形成する場合は、第1基板16の端面を介して案内溝に照射される第1レーザ光と、第2基板22の端面を介して画像記録層24に照射され、前記第1レーザ光の照射位置と連動して照射される第2レーザ光とが光ピックアップ106から出射されることになる。
このサーボ制御手段134は、画像形成制御手段116に含まれ、光ピックアップ106が照射した第1レーザ光Lの光ディスク10からの反射光に基づいて案内溝に沿って第1レーザ光が照射されるように、照射位置調整手段108を制御する。
レーザ光制御手段114は、サーボ制御手段134によって案内溝に沿って第1レーザ光の照射位置が移動している間に、画像データDgに対応する可視画像が光ディスク10の画像記録層24に形成されるように、光ピックアップ106から照射される第2レーザ光を制御する。
この構成によれば、画像データDgに応じて第2レーザ光を光ディスク10の画像記録層24に照射することによって、該画像記録層24の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データDgに対応する可視画像を形成することができる。この場合、第1基板16に形成された案内溝を検出し、該検出した案内溝に沿って第1レーザ光の照射位置を移動させることから、情報記録層への情報記録のような動作を行うことになるが、該情報記録のような複雑なレーザ光照射位置の制御を行うことなく、可視画像の形成を行うことができる。
(6)図13に示すように、クロック信号出力手段136と回転検出手段138とを具備すること。
クロック信号出力手段136は、スピンドルモータ104による光ディスク10の回転速度に応じた周波数のクロック信号を出力する。
回転検出手段138は、画像形成制御手段116に含まれ、クロック信号出力手段136からのクロック信号を計数して、スピンドルモータ104によって光ディスク10が所定の基準位置から1回転させられたことを検出する。
そして、照射位置調整手段108は、可視画像を光ディスク10の画像記録層24に形成するために光ピックアップ106からレーザ光Lが出射されている状態において、光ディスク10が所定の基準位置から1回転させられたことが回転検出手段138によって検出された場合に、光ピックアップ106によるレーザ光Lの照射位置を光ディスク10の所定の径方向に所定量移動させる機能を有することが好ましい。
この構成によれば、画像データDgに応じてレーザ光Lを光ディスク10の画像記録層24に照射することによって、該画像記録層24の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データDgに対応する可視画像を形成することができる。この可視画像の形成の際に、光ディスク10の回転速度に応じた周波数のクロック信号の一定周期毎、つまり、光ディスク10が一定角度回転する毎に可視画像の形成のためのレーザ光の照射位置制御を行うため、光ディスク10の一定の角度毎の位置に画像データDgに応じた内容の可視画像を形成することができる。
また、画像形成制御手段116は、スピンドルモータ104によって回転させられる光ディスク10の画像記録層24の所定の基準位置から可視画像を形成するために光ピックアップ106にレーザ光Lを照射させる一方で、当該レーザ光Lの照射位置が光ディスク10の所定の基準位置に達するよりも所定量だけ前方の位置から所定の基準の位置までの領域に対して可視画像の形成のためのレーザ光Lが照射されないように、光ピックアップ106を制御するようにしてもよい。
この場合、画像記録層24への可視画像の形成の際に、光ディスク10を回転させながら、当該光ディスク10の基準位置からレーザ光Lを照射して可視画像を形成し、レーザ光Lの照射位置がその基準位置に戻る直前の領域に対しては可視画像形成のためのレーザ光照射を行わないようにしている。
従って、光ディスク10の回転が不安定になる等の何らかの理由でレーザ光Lの照射位置制御が乱れ、基準位置からレーザ光Lを照射し続けて光ディスク10が1回転させられ、その照射位置が再度基準位置を通過する、つまり、後に既にレーザ光Lを照射した位置とに重なる位置にレーザ光Lの照射位置が移動するといったことがあった場合にも、その位置に可視画像形成のためのレーザ光Lが照射されることを抑制でき、この結果、形成される可視画像の品位が劣化することを防止することができる。
(7)図14に示すように、ディスク識別手段140を具備すること。
ディスク識別手段140は、光ディスク記録装置100にセットされた光ディスク10の種類を識別するためのディスク識別情報を取得する。
画像形成制御手段116は、画像データDgに対応する可視画像が光ディスク10の画像記録層24に形成されるように、光ピックアップ106及び照射位置調整手段108を制御するが、特に、この構成では、ディスク識別手段140によって識別された光ディスク10の種類に応じて光ピックアップ106及び照射位置調整手段108を制御する。
この構成によれば、画像データDgに応じてレーザ光Lを光ディスク10の画像記録層24に照射することによって、該画像記録層24の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データDgに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像の形成の際に、セットされた光ディスク10の種類に応じた可視画像の形成のための制御を行うことができる。
(8)図15に示すように、変調禁止手段142を具備すること。
通常、外部から供給されたデータを光ディスク10の情報記録層18に記録する場合、ピットの解像度の関係から、データを変調回路によって情報記録用の変調(例えばEFM変調)を行って、情報記録層18に記録するようにしている。
この変調禁止手段142は、光ディスク10の画像記録層24に対して可視画像を形成する場合に、外部から供給される画像データDgに対する変調回路による情報記録用の変調(EFM変調等)を禁止する。
画像形成制御手段116は、光ディスク10の画像記録層24が光ピックアップ106と対向するように、光ディスク10がセットされた場合に、情報記録用の変調が行われていない画像データDgに対応する可視画像が光ディスク10の画像記録層24に形成されるように、レーザ光制御手段114を制御する。
この構成によれば、画像データDgに応じてレーザ光Lを光ディスク10の画像記録層24に照射することによって、該画像記録層24の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データDgに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像の形成の際には、画像記録層24に対して可視画像を記録する際に、画像データDgに対して変調回路による情報記録用の変調を禁止しているため、画像データDgが例えばEFM変調等されることがない。従って、当該画像データDgに応じた可視画像を形成するために、特別のデータ転送構成を設けることなく、情報記録層18に対して情報記録をする際のデータ転送構成を併用することができる。
(9)図16に示すように、レーザ光強度設定手段128を具備すること。
このレーザ光強度設定手段128を具備した光ディスク記録装置100に適用される第3の変形例に係る光ディスク10cは、図17に示すように構成される。
すなわち、第1基板16と、該第1基板16上に形成された情報記録層18と、該情報記録層18上に形成された半透明反射層144とを有する第1積層体12と、第2基板22と、該第2基板22上に形成された画像記録層24とを有する第2積層体14とが接着層28を介して貼り合わされて構成されている。
そして、レーザ光強度設定手段128は、画像記録層24に可視画像を形成する際に光ピックアップ106から出射されるレーザ光Lの強度を設定する手段であって、形成すべき可視画像を表す画像データDgに基づいて、光ディスク10cの情報記録層18及び画像記録層24をほとんど変化させない第1強度、あるいは、情報記録層18をほとんど変化させないと共に、画像記録層24の発色を変化させる第2強度のいずれかになるように、光ピックアップ106から出射されるレーザ光Lの強度を設定する。
従って、レーザ光強度設定手段128を用いることで、第1基板16の端面及び情報記録層18を介して画像記録層24に対してレーザ光Lを照射しても、情報記録層18の光学特性を変化させずに、画像記録層24に可視画像を記録することができる。
この構成によれば、例えば図17の光ディスク10cに対して、従来と同様にして情報記録層18に対してレーザ光Lを照射して情報記録をすることができると共に、画像記録層24に対して可視画像の形成をすることができる。さらに、情報記録も、可視画像の形成も、光ディスク10cの同一面(第1基板16の端面)からレーザ光Lを照射することにより実行することが可能であることから、ユーザは光ディスク10cを裏返して再セットする等の煩わしい作業をする必要がない。
(10)図18に示すように、照射タイミング制御手段146を具備すること。
先ず、上述した照射位置調整手段108は、光ピックアップ106によるレーザ光Lの照射位置を画像記録層24に所定の螺旋状もしくは同心円周状の経路に沿って移動させる。上述したレーザ光制御手段114は、画像データDgに対応する可視画像が光ディスク10の画像記録層24に形成されるように、光ピックアップ106が照射するレーザ光Lを制御する。
そして、照射タイミング制御手段146は、光ディスク10を仮想に複数に分割した扇形部分の各々に属する隣接する所定数(複数)の前記経路を含む領域を単位領域としたとき、可視画像における当該単位領域の濃淡が表現されるように当該単位領域に属する前記経路の各々に照射するレーザ光Lの照射タイミングを制御する。
この構成によれば、画像データDgに応じてレーザ光Lを光ディスク10の画像記録層24に照射することによって、該画像記録層24の吸光度変化に伴い、反射率が画像様に変化し、画像データDgに対応する可視画像を形成することができる。このような可視画像の形成の際に、画像データDgに示される画像記録層24上の各位置(座標)の階調度に応じたレーザ光の照射タイミング制御を行うことができ、階調表現がなされた可視画像を形成することができる。
A.光ディスク記録装置100の具体的構成
光ディスク記録装置100は、上述したように、光ディスク10(光ディスク10a〜10cを含む)の情報記録層18に対してレーザ光Lを照射して情報を記録する光ディスク記録装置であり、このような情報記録層18に対する情報記録だけではなく、情報記録層18と反対側の面に画像記録層24が形成された光ディスク10の当該画像記録層24にレーザ光Lを照射することにより、画像データDgに対応する可視画像を形成する機能を有している。なお、この光ディスク記録装置100では、所定の色素を使用する光ディスク10に対しては、画像記録層24のみならず、通常のデジタルデータを記録する情報記録層18に対しても可視画像を記録できる。
−光ディスク記録装置100の構成−
図19は、本実施の形態に係る光ディスク記録装置100の構成を示すブロック図である。
この光ディスク記録装置100は、図19に示すように、ホストパーソナルコンピュータ(PC)148に接続されており、光ピックアップ106と、スピンドルモータ104と、RF(Radio Frequency)アンプ150と、サーボ回路152と、デコーダ154と、制御部102と、エンコーダ156と、ストラテジ回路158と、レーザドライバ160と、レーザパワー制御回路162と、周波数発生器164と、ステッピングモータ165と、モータドライバ166と、モータコントローラ168と、PLL(Phase Locked Loop)回路170と、FIFO(First In FirstOut)メモリ172と、駆動パルス生成部174と、バッファメモリ176とを備えている。
スピンドルモータ104は、データを記録する対象となる光ディスク10を回転駆動するモータであり、サーボ回路152によりその回転数が制御される。本実施の形態に係る光ディスク記録装置100では、例えばCAV(Constant Angular Velocity)方式で記録等を実施するようになっているので、スピンドルモータ104は制御部102等からの指示で設定された一定の角速度で回転するようになっている。
光ピックアップ106は、スピンドルモータ104によって回転させられる光ディスク10に対してレーザ光Lを照射するユニットであり、その構成を図20に示す。
図20に示すように、光ピックアップ106は、レーザ光Lを出射するレーザダイオード178と、回折格子180と、レーザ光Lを光ディスク10の面に集光する光学系182と、反射光を受光する受光素子184とを備えている。
光ピックアップ106において、レーザダイオード178は、レーザドライバ160(図19参照)から駆動電流が供給されることにより該駆動電流に応じた強度のレーザ光Lを出射する。光ピックアップ106は、レーザダイオード178より出射されたレーザ光Lを回折格子180により主ビームと先行ビームと後行ビームに分離し、この3つのレーザビームを偏光ビームスプリッタ186、コリメータレンズ188、1/4波長板190、対物レンズ192を経て、光ディスク10の面に集光させる。
そして、光ディスク10の面で反射された3つのレーザビームを、再び対物レンズ192、1/4波長板190、コリメータレンズ188を透過させて、偏光ビームスプリッタ186で反射させ、シリンドリカルレンズ194を経て、受光素子184に入射させるようになっている。受光素子184は受光した信号をRFアンプ150(図19参照)に出力し、該受光信号がRFアンプ150を介して制御部102やサーボ回路152に供給されるようになっている。
対物レンズ192は、フォーカスアクチュエータ196及びトラッキングアクチュエータ198に保持されて、レーザ光Lの光軸方向及び光ディスク10の径方向に移動できるようになっている。フォーカスアクチュエータ196及びトラッキングアクチュエータ198の各々は、サーボ回路152(図19参照)から供給されるフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に応じて対物レンズ192を光軸方向及び径方向に移動させる。なお、サーボ回路152は、受光素子184及びRFアンプ150を介して供給される受光信号に基づいてフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を生成し、上記のように対物レンズ192を移動させることで、フォーカス制御及びトラッキング制御を行う。
また、光ピックアップ106には、図示しないフロントモニタダイオードを有しており、レーザダイオード178がレーザ光Lを出射しているときに、当該レーザ光Lを受光したフロントモニタダイオードに電流が生じ、当該電流が光ピックアップ106から図19に示すレーザパワー制御回路162に供給されるようになっている。
RFアンプ150は光ピックアップ106から供給された例えばEFM(Eight to Fourteen Modulation)変調されたRF信号を増幅し、増幅後のRF信号をサーボ回路152及びデコーダ154にRF信号を出力する。デコーダ154は、再生時にはRFアンプ150から供給されるEFM変調されたRF信号をEFM復調して再生データを生成する。
サーボ回路152には、制御部102からの指示信号、周波数発生器164から供給されるスピンドルモータ104の回転数に応じた周波数のFGパルス信号、及びRFアンプ150からのRF信号が供給される。サーボ回路152は、これらの供給される信号に基づいて、スピンドルモータ104の回転制御及び光ピックアップ106のフォーカス制御、トラッキング制御を行う。光ディスク10の記録面(情報記録層18)に情報を記録する際や、光ディスク10の画像記録層24(図1参照)に可視画像を形成する場合のスピンドルモータ104の駆動方式としては、光ディスク10を角速度一定で駆動する方式(CAV:Constant Angular Velocity)や、一定の記録線速度となるように光ディスクDを回転駆動する方式(CLV:Constant Linear Velocity)のいずれを用いるようにしてもよい。本実施の形態に係る光ディスク記録装置100では、例えばCAV方式を採用しており、サーボ回路152はスピンドルモータ104を制御部102によって指示された一定の角速度で回転駆動させる。
バッファメモリ176は、ホストPC148から供給される、光ディスク10の情報記録層18に記録すべき情報(記録データDw)及び光ディスク10の画像記録層24に形成すべき可視画像に対応した情報(画像データDg)を蓄積する。そして、バッファメモリ176に蓄積された記録データDwはエンコーダ156に出力され、画像データDgは制御部102に出力される。
エンコーダ156は、バッファメモリ176から供給される記録データDwをEFM変調し、ストラテジ回路158に出力する。ストラテジ回路158は、エンコーダ156から供給されたEFM信号に対して時間軸補正処理等を行い、レーザドライバ160に出力する。
レーザドライバ160は、ストラテジ回路158から供給される記録データDwに応じて変調された信号と、レーザパワー制御回路162の制御に従って光ピックアップ106のレーザダイオード178(図20参照)を駆動する。
レーザパワー制御回路162は、光ピックアップ106のレーザダイオード178(図20参照)から照射されるレーザパワーを制御するものである。具体的には、レーザパワー制御回路162は、制御部102によって指示される最適なレーザパワーの目標値と一致する値のレーザ光Lが光ピックアップ106から出射されるようにレーザドライバ160を制御する。ここで行われるレーザパワー制御回路162によるレーザパワー制御は、光ピックアップ106のフロントモニタダイオードから供給される電流値を用い、目標となる強度のレーザ光Lが光ピックアップ106から出射されるように制御するフィードバック制御である。
FIFOメモリ172には、ホストPC148から供給されバッファメモリ176に蓄積された画像データDgが制御部102を介して供給され順次蓄積される。ここで、FIFOメモリ172に蓄積される画像データDg、すなわちホストPC148から当該光ディスク記録装置100に供給される画像データDgは以下のような情報を含んでいる。この画像データDgは、円盤状の光ディスク10の画像記録層24に可視画像を形成するためのデータであり、図21に示すように、光ディスク10の中心Doを中心とした多数の同心円上のn個の各座標(図中黒点で示す)毎にその階調度(濃淡)を示す情報が記述されている。当該画像データDgは、これらの各座標の階調度を示す情報が最内周側の円に属する座標点P11、P12・・・P1n、その1つ外周側の円に属する座標P21、P22・・・P2n、さらにその1つ外周側の円に属する座標といった順序で最外周の円の座標Pmnまでの各々座標点の階調度を示す情報が記述されたデータであり、FIFOメモリ172には、このような極座標上の各座標の階調度を示す情報が上記のような順序で供給されることになる。
なお、図21は、各座標の位置関係を明瞭に示すために模式的に示す図であり、実際の各座標は図示したものよりも密に配置されることになる。また、ホストPC148において、一般的に使用されるビットマップ形式等で光ディスク10の感光面に形成する画像データを作成した場合には、当該ビットマップデータを上記のような極座標形式のデータに変換し、変換後の画像データをホストPC148から光ディスク記録装置100に送信するようにすればよい。
上記のように供給される画像データDgに基づいて、光ディスク10の画像記録層24に対して可視画像を形成する際、FIFOメモリ172には、PLL回路170から画像記録用のクロック信号が供給されるようになっている。FIFOメモリ172は、この画像記録用のクロック信号のクロックパルスが供給される毎に、最も先に蓄積された一つの座標の階調度を示す情報を駆動パルス生成部174に出力するようになっている。
駆動パルス生成部174は、光ピックアップ106から照射するレーザ光Lの照射タイミング等を制御する駆動パルスを生成する。ここで、駆動パルス生成部174は、FIFOメモリ172から供給される各座標毎の階調度を示す情報に応じたパルス幅の駆動パルスを生成する。例えば、ある座標の階調度が比較的大きい場合(濃度が大きい場合)には、図22Aに示すように、記録レベル(第2強度:画像記録層24の光学特性が変化する強度)のパルス幅を大きくした駆動パルスを生成し、一方、階調度が比較的小さい座標については、図22Bに示すように、記録レベルのパルス幅を小さくした駆動パルスを生成する。
ここで、記録レベルとは、そのレベルのレーザパワーを光ディスク10の画像記録層24に照射した際に、画像記録層24の光学特性に変化が生じ、反射率が明らかに変化するパワーレベルであり、上記のような駆動パルスがレーザドライバ160に供給された場合、そのパルス幅に応じた時間だけ記録レベルのレーザ光Lが光ピックアップ106から照射される。
従って、階調度が大きい場合には、記録レベルの幅が長いレーザ光Lが照射され、光ディスク10の画像記録層24の単位領域中のより大きな領域において反射率が変化することになり、この結果、ユーザ等はこの領域が濃度の濃い領域であると視覚的に認識することになる。本実施の形態では、このように単位領域(単位長さ)あたりの反射率変化させる領域の長さを可変することにより、画像データDgに示される階調度を表現するようにしている。なお、サーボレベル(第1強度)とは、そのレベルのレーザパワーを光ディスク10の画像記録層に照射した際に、画像記録層24の光学特性がほとんど変化しないパワーレベルであり、反射率を変化させる必要がない領域に対しては記録レベルのレーザ光Lを照射せずに当該サーボレベルのレーザ光Lを照射すればよい。
また、駆動パルス生成部174は、上記のような各座標毎の階調度を示す情報に従った駆動パルスを生成するとともに、レーザパワー制御回路162によるレーザパワー制御や、サーボ回路152によるフォーカス制御及びトラッキング制御を実施するために必要がある場合には、各々上記階調度を示す情報に拘わらず、非常に短い期間の記録レベルのパルスを挿入したり、サーボレベルのパルスを挿入する。
例えば、図23Aに示すように、画像データDg中のある座標の階調度に従って可視画像を表現するために、期間T1にわたって記録レベルのレーザ光Lを照射する必要がある場合であって、該期間T1がレーザパワーを制御するための所定のサーボ周期STよりも長い場合には、記録レベルのパルスを生成した時点からサーボ周期STが経過した時点で、短い時間tのサーボレベルを有するサーボ用オフパルス(SSP1)を挿入する。
一方、図23Bに示すように、画像データDg中のある座標の階調度に従って可視画像を表現するために、サーボ周期ST以上の期間にわたってサーボレベルのレーザ光Lを照射する必要がある場合には、サーボレベルのパルスが生成されてからサーボ周期ST経過後に、短い時間tの記録レベルを有するサーボ用オンパルス(SSP2)を挿入する。
上述したようにレーザパワー制御回路162によるレーザパワー制御は、光ピックアップ106のレーザダイオード178(図20参照)から照射されるレーザ光Lを受光したフロントモニタダイオードから供給される電流(照射レーザ光の強度に応じた値の電流)に基づいて実施されることになる。より具体的には、図24に示すように、レーザパワー制御回路162は、上記のようなフロントモニタダイオード200によって受光されるレーザ光Lの強度に応じた値をサンプルホールドする(S201、S202)。
そして、記録レベルのレーザ光Lを照射しているとき、すなわち、記録レベルの駆動パルス(図22A〜図23B参照)が生成されているときにサンプルホールドした結果(サンプル値)と、制御部102から供給される記録レベルの目標値とを比較し、サンプル値が目標値となるようにレーザパワー制御を行う(S203)。
また、サーボレベルのレーザ光Lを照射しているとき、すなわち、サーボレベルの駆動パルス(図22A〜図23B参照)が生成されているときにサンプルホールドした結果(サンプル値)と、制御部102から供給されるサーボレベルの目標値とを比較し、サンプル値が目標値となるようにレーザパワー制御を行う(S204)。
従って、記録レベルもしくはサーボレベルのパルスが所定のサーボ周期ST(サンプル周期)より長い時間継続して出力されない場合には、画像データDgの内容に拘わらず上記のようにサーボ用オフパルスSSP1、サーボ用オンパルスSSP2を強制的に挿入し、上記のような各々のレベル毎にレーザパワー制御ができるようにしているのである。
また、上述したようにサーボ用オフパルスSSP1を挿入するのは、レーザパワーを制御するためだけではなく、サーボ回路152によるフォーカス制御やトラッキング制御を行うためにも実施されている。すなわち、トラッキング制御及びフォーカス制御は、光ピックアップ106の受光素子184(図20参照)によって受光されたRF信号、つまり、レーザダイオード178が出射したレーザ光Lの光ディスク10からの戻り光(反射光)に基づいて行われる。
ここで、図25に、レーザ光Lを照射した際に、受光素子184によって受光される信号の一例を示す。図25に示すように、記録レベルのレーザ光Lを照射した際の反射光は、レーザ光Lの立ち上がり時におけるピーク部分K1、その後、レベルが一定になる肩部分K2の要素を含んでおり、図25中、斜線で示す部分が画像記録層24の画像形成のために用いられたエネルギーであると考えられる。
そして、このような画像記録層24の画像形成に用いられるエネルギーは常に安定した値となるとは限らず、種々の状況に応じて変動することが考えられる。従って、図25中、斜線部分の形状はその都度変動することが考えられ、つまり、記録レベルのレーザ光Lの反射光は、ノイズ等が多く安定した反射光が得られるとは限らず、この反射光を用いると、正確なフォーカス制御及びトラッキング制御の妨げとなってしまうおそれがある。従って、上述したように記録レベルのレーザ光Lが継続して長時間照射された場合には、サーボレベルのレーザ光Lの反射光を得ることができず、正確なフォーカス制御及びトラッキング制御が行えなくなるおそれがある。
そこで、上述したようにサーボ用オフパルスSSP1を挿入することにより、サーボレベルのレーザ光Lの反射光を周期的に取得できるようにし、該取得した反射光に基づいてフォーカス制御及びトラッキング制御を実行する。光ディスク10の画像記録層24に可視画像を形成する際には、情報記録層18に対して情報記録する場合と異なり、予め形成されたプリグルーブ(案内溝)等に沿ってトレースするといった必要がない。従って、本実施の形態では、トラッキング制御の目標値は、固定値(一定のオフセット電圧を設定しておく)としている。なお、このような制御方法は、画像記録層24に可視画像を形成する場合のみならず、情報記録層18に可視画像を形成する場合にも適用できる。すなわち、レーザ光Lを照射したときに、反射率だけでなく発色も変化する材質を情報記録層18に用いれば、画像記録層24と同様に、情報記録層にも可視画像を形成させることが可能である。このように、情報記録層に可視画像を形成させると、可視画像を形成した部分には当然ながら本来のデータ記録はできなくなるので、データ記録をする領域と可視画像を形成させる領域とを予め分けておくのが好ましい。
なお、上記のように、サーボ用オフパルスSSP1やサーボ用オフパルスSSP2を挿入する時間は、レーザパワー制御、トラッキング制御及びフォーカス制御といった各種サーボの実行に支障をきたさない範囲で最小の時間とすることが好ましく、挿入時間を短くすることで、形成される可視画像にほとんど影響を与えることなく、上記のような各種サーボを行うことができる。
図19に戻り、PLL回路170は、周波数発生器164から供給されるスピンドルモータ104の回転速度に応じた周波数のFGパルス信号を逓倍し、後述する可視画像の形成のために用いられるクロック信号を出力する。周波数発生器164は、スピンドルモータ104のモータドライバにより得られる逆起電流を利用してスピンドル回転数に応じた周波数のFGパルス信号を出力する。
例えば、図26Aに示すように、周波数発生器164が、スピンドルモータ104が1回転、すなわち、光ディスク10が1回転している間に、8個のFGパルスを生成するものである場合に、図26Bに示すように、PLL回路170は当該FGパルスを逓倍したクロック信号(例えばFGパルス信号の5倍の周波数、光ディスク10が1回転中にHレベルのパルスが40個)を出力する、つまり、スピンドルモータ104によって回転させられる光ディスク10の回転速度に応じた周波数のクロック信号を出力する。このように、FGパルス信号を逓倍したクロック信号がPLL回路170からFIFOメモリ172に出力され、該クロック信号に1周期毎、つまり、ある一定角度分だけ光ディスク10が回転する毎に1つの座標の階調度を示すデータがFIFOメモリ172から駆動パルス生成部174に出力される。なお、上記のようにPLL回路33を用いてFGパルスを逓倍したクロック信号を生成するようにしてもよいが、スピンドルモータ104として、回転駆動能力が十分に安定しているモータを用いた場合には、PLL回路170に代えて水晶発振器を設け、上記のようなFGパルスを逓倍したクロック信号、すなわち光ディスク10の回転速度に応じた周波数のクロック信号を生成するようにしてもよい。
ステッピングモータ165は、光ピックアップ106を当該光ディスク10にセットされた光ディスク10の径方向に移動させるためのモータである。モータドライバ166は、モータコントローラ168から供給されるパルス信号に応じた量だけステッピングモータ165を回転駆動する。モータコントローラ168は、制御部102から指示される光ピックアップ106の径方向への移動方向及び移動量を含む移動開始指示に従って、移動量や移動方向に応じたパルス信号を生成し、モータドライバ166に出力する。ステッピングモータ165が光ピックアップ106を光ディスク10の径方向に移動させること、及び光ディスク10をスピンドルモータ104が光ディスク10を回転させることにより、光ピックアップ106のレーザ光の照射位置を光ディスク10の様々な位置に移動させることができ、これらの構成要素が照射位置調整手段108(図6等参照)を構成しているのである。
制御部102は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等から構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って当該光ディスク記録装置100の装置各部を制御し、光ディスク10の情報記録層18に対する記録処理及び光ディスク10の画像記録層24に対する画像形成処理を中枢的に制御するように構成されている。
B.光ディスク記録装置100の動作
次に、本実施の形態に係る光ディスク記録装置100の動作について説明する。
上述したように、この光ディスク記録装置100は、光ディスク10の情報記録層に対してホストPC148から供給された音楽データ等の記録データDwを記録することが可能であるとともに、光ディスク10の画像記録層24に対してホストPC148から供給される画像データDpに対応した可視画像を形成することができるように構成されている。
以下、情報記録及び可視画像形成といった処理を行うことが可能な光ディスク記録装置100の動作について図27〜図35を参照しながら説明する。
先ず、光ディスク記録装置100に光ディスク10がセットされると、制御部102は光ピックアップ106等を制御し、セットされた光ディスク10の光ピックアップ106と対向する面がどのようなフォーマットの光ディスクであるかを検出する(ステップSa1)。例えば、DVD−Rの場合はランドプリピット信号やプリレコード信号、DVD+Rの場合はADIP(Address in Pregroove)の有無を検出する。これらの情報が記録されていない場合には、光ディスク10として認識されない。
ここで、セットされた光ディスク10から、例えば、DVD−Rの場合はランドプリピット信号やプリレコード信号、DVD+Rの場合はADIPが検出された場合には、情報記録層18が光ピックアップ106と対向するように光ディスク10がセットされていると判断し、制御部102は情報記録層18に対してホストPC148から供給される記録データDwを記録するための制御を行う(ステップSa2)。ここで行われる記録データDwを記録するための制御は、従来の光ディスク記録装置(DVD−RやDVD+R)と同様であるため、その説明を省略する。
一方、セットされた光ディスク10の最内周部分にレーザ光を照射して得られる戻り光に基づいて、可視画像の描画可能な光ディスクであることを示すプリピット信号Spが検出された場合には、画像記録層24が光ピックアップ106と対向するように光ディスク10がセットされていると判断し、制御部102はセットされた光ディスク10のディスクIDを取得することができるか否かを判断する(ステップSa3)。なお、光ディスクDのディスクIDは、プリピット信号Spの中に含めることができる。
また、例えば図29に示すように、ディスクIDをコード化した情報に対応する可視画像を光ディスク10の画像記録層24側の最外周部分の円周に沿って記述しておいてもよい。図29の例では、最外周部分の円周に沿って上記コード(ディスクIDをコード化した情報)に応じた長さの反射領域202aと非反射領域202bとを形成することにより、ディスクIDを光ディスク10の画像記録層24に記述している。制御部102は、光ディスク10の最外周の円周に沿って光ピックアップ106のレーザ光Lの照射位置をトレースすることにより、その反射光からディスクIDを取得することができる。
従って、図27に示すように、ディスクIDを取得できない場合は、当該光ディスク10は画像記録層24を有しない一般的な光ディスク(CD−R、DVD−R等)であると判別することができる。この場合、制御部102は可視画像の形成が不可能な光ディスクであると判断し(ステップSa4)、その旨をユーザに通知等するための処理を行う。
一方、光ディスク10からディスクIDを取得することができた場合には、ホストPC148から画像データDgを含む画像形成指示があるまで待機する(ステップSa5)。そして、ステップSa5において、画像形成指示があった場合に、制御部102は、光ディスク10の画像記録層24に可視画像を形成するための初期化制御を行う(ステップSa6)。より具体的には、制御部102は、所定の角速度でスピンドルモータ104を回転するようにサーボ回路152を制御し、光ピックアップ106を光ディスク10の径方向の最内周側の初期位置に移動させるための指示をモータコントローラ168に送出し、ステッピングモータ165を駆動する。
また、画像形成のための初期化制御において、制御部102は、情報記録層18に対して情報記録を行う際のビームスポット径よりも大きいビームスポット径のレーザ光Lが光ディスク10の画像記録層24に照射されるように、フォーカス制御の目標値をサーボ回路152に対して指示することもできる。
レーザ光Lのビームスポット径を可変にするフォーカス制御についてより具体的に説明する。
上述したようにサーボ回路152によるフォーカス制御は、光ピックアップ106の受光素子184から出力される信号に基づいて行われる。光ディスク10の情報記録層18に対する情報記録時には、図30に示す受光素子184の4つのエリア184a、184b、184c、184dの中心に円形の戻り光(図13の円形204a参照)が受光されるように、サーボ回路152がフォーカスアクチュエータ196(図20参照)を駆動する。すなわち、エリア184a、184b、184c、184dの各々の受光量をFa、Fb、Fc、Fdとした場合に、(Fa+Fc)−(Fb+Fd)=0となるようにフォーカスアクチュエータ196を駆動するのである。
一方、光ディスク10の画像記録層24に対して可視画像を形成する場合には、上述したように情報記録層18に対する情報記録時よりも径の大きいレーザ光Lが画像記録層24に照射されるように、フォーカス制御が行われる。図30に示す受光素子184に受光される戻り光の形状が楕円形状(図30の楕円204b及び204c参照)である場合には、そのレーザ光Lのスポットサイズは上述した円形204aの場合よりも大きいので、サーボ回路152は、このような楕円形状(図30の楕円204b及び204c参照)の戻り光が受光素子184に受光されるように、フォーカスアクチュエータ196を駆動する。すなわち、(Fa+Fc)−(Fb+Fd)=M(Mは0ではない)を満たすように、フォーカスアクチュエータ196を駆動する。従って、サーボ回路152はビームスポット制御手段126(図9参照)を構成することになる。
上述した可視画像の形成のための初期化制御において制御部102がM(0ではない)をサーボ回路152に指示設定することで、情報記録層18に対する情報記録時よりも大きいスポット径のレーザ光Lを光ディスク10の画像記録層24に照射することができる。このように、光ディスク10の画像記録層24に対する可視画像を形成するときに、情報記録層18に対する情報記録時よりも大きいスポット径のレーザ光Lを照射することで以下のような効果を得ることができる。
すなわち、本実施の形態では、可視画像を形成する際にも、情報記録層18に情報記録を行う際と同様に、光ディスク10を回転させながらレーザ光Lを照射している。従って、レーザ光Lのビームスポット径を大きくすることで、より短時間で光ディスク10の画像記録層24の全領域に対して可視画像を形成することができる。
この理由について、図31A及び図31Bを参照しながら説明する。図31A及び図31Bに模式的に示すように、照射するレーザ光Lのビームスポット径BSが小さい場合(図31A参照)と大きい場合(図31B参照)とを比較すると、光ディスク10を1回転させたときに、画像形成の対象となる領域の面積がビームスポット径BSが大きい時の方が大きくなる。このため、ビームスポット径BSが小さい場合には全領域を画像形成の対象とするために、より多く光ディスク10を回転させなければならず(図16A及び図16Bの例では、大きい場合は4回転、小さい場合は6回転)、画像形成のために多くの時間を要することになる。以上のような理由から、この光ディスク記録装置100では、可視画像を形成する際に情報記録時よりも大きいスポット径のレーザ光Lが照射されるようにしている。
また、画像形成のための初期化制御において、制御部102は、取得したディスクIDに応じた記録レベル及びサーボレベルのレーザ光Lが光ピックアップ106から出射されるように、各々のレベルの目標値をレーザパワー制御回路162に指示する。
すなわち、制御部102のROMには、複数種類のディスクID毎に、記録レベル及びサーボレベルとして設定すべき目標値が記憶されており、制御部102は、取得されたディスクIDに対応する記録レベル及びサーボレベルの目標値を読み出し、これらの目標値をレーザパワー制御回路162に指示する。
このように、ディスクIDに応じてパワーの目標値を設定するのは、以下の理由に基づく。
すなわち、光ディスク10の種類によって、画像記録層24の色素の特性が異なることが考えられ、色素の特性が異なる場合、どの程度のパワーのレーザ光Lを照射すれば反射率が変化するといった光学特性も当然異なることになる。このため、ある光ディスク10の画像記録層24に対しては、ある記録レベルのレーザ光Lを照射することにより、その照射領域の反射率を十分変化させることができた場合にも、他の光ディスク10の画像記録層24に対して同じ記録レベルのレーザ光Lを照射させた場合に、その照射領域の反射率を変化させることができるとは限らない。従って、本実施の形態では、上記のように種々のディスクID毎に対応する光ディスク毎に、予め正確な画像形成が行えるような記録レベル及びサーボレベルの目標値を実験により求めておく。
そして、求めた目標値を各々のディスクIDに対応付けて、すなわち、テーブル化してROMに格納しておくことにより、上記のような種々の光ディスク10の画像記録層の特性に応じて最適なパワー制御を行うことができるようにしている。
上述のような初期化制御が制御部102によって行われると、その後、光ディスク10の画像記録層24に可視画像を形成するための処理が行われることになる。
すなわち、図28に示すように、先ず、制御部102は、ホストPC148からバッファメモリ176を介して供給された画像データDgをFIFOメモリ172に転送する(ステップSa7)。そして、制御部102は、周波数発生器164から供給されるFGパルス信号から、スピンドルモータ104によって回転している光ディスク10の所定の基準位置が、光ピックアップ106のレーザ光Lの照射位置を通過したか否かを判断する(ステップSa8)。
ここで、図32〜図34を参照しながら所定の基準位置、及びレーザ光Lの照射位置がその位置を通過したか否かの検出方法について説明する。
図32に示すように、周波数発生器164は、スピンドルモータ104が1回転する間、つまり、光ディスク10が1回転する間に所定個(図32の例では8個)のFGパルスを出力する。従って、制御部102は、周波数発生器164から供給されるFGパルスのいずれか1つを基準パルスとし、その立ち上がりタイミングと同期させた基準位置検出用パルスを出力する。その後は、基準位置検出パルスから1回転分の個数目(図32の例では8個目)のFGパルスの立ち上がりタイミングと同期させて基準位置検出用パルスを出力する。このようにして、基準位置検出用パルス信号を生成する。
このような基準位置検出用パルスを生成することで、当該基準位置検出用パルスが生成された時点が、光ディスク10の基準位置を光ピックアップ106のレーザ光Lの照射位置が通過したタイミングであるとして認識させることができる。
すなわち、図33に示すように、最初の基準位置検出用パルスを生成したタイミングにおける光ピックアップ106のレーザ光Lの照射位置が、図33中、太線(参照符号206で示す線:光ピックアップ106は径方向に移動可能であるため、照射位置が取り得る位置は線で表される)で示す位置であるとすると、その1回転後に生成される基準位置検出用パルスが生成された時点にも当然光ピックアップ106のレーザ光Lの照射位置は図33中、太線で示す位置にある。
このように、最初に基準位置検出用パルスを生成したタイミングでレーザ光Lの照射位置が属する径方向の線が基準位置となり、制御部102は、上記のように、光ディスク10が1回転する毎に生成される基準位置検出用パルスに基づいて、レーザ光Lの照射位置が光ディスク10の基準位置を通過したことを検出することができる。
なお、図33中、一点鎖線(参照符号208で示す線)は、ある基準位置検出用パルスが生成されてから、次の基準位置検出用パルスが生成されるまでにレーザ光Lの照射位置の移動軌跡の一例を示す。
上述した基準位置検出用パルスに基づき、レーザ光Lは光ディスク10上の略同一の軌跡を複数回照射する。この略同一の軌跡とは光ディスク10の回転に伴う、略同心円状の軌跡である。なお、このとき、光ピックアップ106は光ディスク10の半径方向に揺動していることが好ましい。揺動することで、レーザ光Lの照射面積が増大し、可視情報の記録面積を増大させることができる。また、略同一の軌跡を照射させる際の回転数は要求されるコントラストにより異なるが、例えば、最小時間にて描画を行う場合には7〜8回転である。なお、本実施の形態に係る描画方法としては、特開2002−203321号公報に開示されている方法と同様に、レーザ光Lが光ディスク10上の略同一の軌跡を複数回照射し、且つレーザ光Lが揺動する方法が好ましい。
ホストPC148から画像形成指示を受けた後、以上のような手法で光ディスク10の基準位置がレーザ光Lの照射位置を通過したことを検出すると、制御部102は、回転数を示す変数Rに1をインクリメントした後(ステップSa9)、Rが奇数であるか否かを判別する(ステップSa10)。
ここで、画像形成指示を受けた後、最初に基準位置を通過したことを検出した際には、R=0(初期値)+1=1であり、この場合、ステップSa10において、Rは奇数であると判別されることになる。このように、Rが奇数であると判別した場合、制御部102は、光ピックアップ106から光ディスク10の画像記録層24にレーザ光Lを照射して可視画像を形成するための制御を行う(ステップSa11)。より具体的には、制御部102は、上記の基準位置検出用パルスを受け取った時点から、PLL回路170から出力されるクロック信号に同期してFIFOメモリ172から画像データDgを順次出力するように、各部を制御する。この制御により、図34に示すように、FIFOメモリ172は、PLL回路170からクロック信号が供給される毎に、1つの座標の階調度を示す情報を駆動パルス生成部174に出力する。駆動パルス生成部174は当該情報に示される階調度に従ったパルス幅の駆動パルスを生成してレーザドライバ160に出力する。この結果、光ピックアップ106は、各座標の階調度に応じた時間だけ、記録レベルのレーザ光Lを光ディスク10の画像記録層24に照射し、その照射領域の反射率が変化することにより、図35に模式的に示すような可視画像を形成することができる。
図35に模式的に示すように、光ディスク10はスピンドルモータ104によって回転させられているため、光ピックアップ106のレーザ光Lの照射位置はクロック信号の1周期(パルスの立ち上がりタイミングから次のパルスの立ち上がりタイミングまでの期間)中に、図35中、Cで示す領域分だけ円周に沿って移動することになる。この領域Cをレーザ光Lの照射位置が通過する間に、記録レベルのレーザ光Lを照射すべき時間を、階調度に応じて変化させることで、図35に示すように、領域C毎に異なる階調度に応じて異なる面積の反射率を変化させることができる。このように、各座標の階調度に応じて各々の領域Cを通過するときの記録レベルのレーザ光Lの照射時間を制御することにより、画像データDgに応じた可視画像を光ディスク10の画像記録層24に形成することができる。
以上のように、画像データDgに応じて制御されるレーザ光Lの照射によって、可視画像の形成を実行するための制御を実行すると、制御部102の処理は、ステップSa7に戻り、バッファメモリ176から供給された画像データDgをFIFOメモリ172に転送する。そして、光ディスク10の基準位置を光ピックアップ106のレーザ光Lの照射位置が通過したか否かを検出し、基準位置を通過したことが検出された場合、変数Rに1をインクリメントする。この結果、変数Rが偶数となった場合には、制御部102は上記のようなレーザ光の照射制御による可視画像形成を停止させるように、装置各部を制御する(ステップSa12)。より具体的には、FIFOメモリ172に対して、PLL回路170から供給されるクロック信号に同期して各座標の階調度を示す情報を駆動パルス生成部174に出力しないよう制御する。つまり、制御部102は、光ディスク10の画像記録層24に対して記録レベルのレーザ光Lを照射して可視画像を形成した後、次に光ディスク10が1回転している間は画像記録層24の反射率を変化させるためのレーザ光Lの照射を行わないように制御する。
このように、可視画像形成のためのレーザ光Lの照射を停止させると、制御部102は、モータコントローラ168に対して所定量だけ光ピックアップ106を径方向の外周側に移動させるよう指示し(ステップSa13)、該指示に応じてモータコントローラ168がモータドライバ166を介してステッピングモータ165を駆動し、これにより、光ピックアップ106が所定量だけ外周側に移動させられる。
ここで、光ピックアップ106を光ディスク10の径方向に移動させる所定量は、上述したように、光ピックアップ106から照射されるビームスポット径BS(図31A及び図31B参照)に応じて適宜決定すればよい。すなわち、円盤状の光ディスク10の画像記録層24に可視画像を形成する際には、光ピックアップ106のレーザ光Lの照射位置を光ディスク10の面上ほぼ隙間なく移動させることが、より高品位の画像形成を実現するために必要となる。
従って、上記のような径方向への光ピックアップ106の単位移動量を、光ディスク10に照射されるレーザ光Lのビームスポット径BSとほぼ同じ長さとすれば、光ディスク10の面上に、ほぼ隙間なくレーザ光Lを照射することができ、より高品位な画像形成が可能となる。
なお、画像記録層24の性質等の種々の要因によって、照射したビームスポット径BSよりも大きい領域が発色するケースもあり、このようなケースでは、その発色領域の幅を考慮し、隣り合う発色領域が重ならないよう単位移動量を決めるようにすればよい。本実施の形態では、ビームスポット径BSを情報記録層18への記録時より大きくしているので(例えば、20μm程度)、制御部102は、このビームスポット径BSとほぼ同じ長さ分だけ光ピックアップ106を径方向に移動させるように、モータコントローラ168を制御し、ステッピングモータ165を駆動させている。なお、近年のステッピングモータ165は、マイクロステップ技術を利用することで、10μm単位でその移動量を制御することが可能であり、上記のようにステッピングモータ165を用いて光ピックアップ106を20μm単位で径方向に移動させることは十分に実現可能である。
上記のように、光ピックアップ106を径方向に所定量だけ移動させる制御を行うと、制御部102は、レーザ光Lの記録レベルの目標値を変更し、変更後の目標値をレーザパワー制御回路162に対して指示する(ステップSa14)。本実施の形態では、可視画像を形成する際の方式として光ディスク10を角速度を一定に維持して回転させながらレーザ光Lを照射するCAV方式を採用しており、上記のように光ピックアップ106が外周側に移動させられると、線速度が大きくなる。従って、光ピックアップ106を径方向(外周側)に移動させた時には、記録レベルの目標値を、径方向に移動する以前の値よりも大きくなるように変更する。これにより、線速度が変化しても光ディスク10の画像記録層24の反射率が十分に変化できる強度のレーザパワーを照射することができる。
以上のように、光ピックアップ106の径方向への移動制御及び記録レベルの目標値を変更する制御を実行すると、制御部102は可視画像の形成のために未処理の画像データDg、つまり、駆動パルス生成部174に供給されていない画像データDgがあるか否かを判別し、当該画像データDgがない場合には処理を終了する。
一方、駆動パルス生成部174に供給されていない未処理の画像データDgがある場合には、ステップSa7に戻り、可視画像の形成のための処理を続行する。
すなわち、制御部102からFIFOメモリ172に画像データDgを転送し(ステップSa7)、レーザ光Lの照射位置が光ディスク10の基準位置を通過したか否かを判別する(ステップSa8)。そして、基準位置を通過した際には、回転数を示す変数Rに1をインクリメントし(ステップSa9)、インクリメント後の変数Rが奇数であるか否かを判別する(ステップSa10)。ここで、変数Rが奇数である場合には、制御部102は上記のような可視画像を形成するためのレーザ光Lの照射がなされるように装置各部を制御し、変数Rが偶数である場合には、可視画像を形成するためのレーザ光Lの照射を停止し(サーボレベルのレーザ光Lは照射する)、上記のような光ピックアップ106の径方向への移動制御や、記録レベルの目標値の変更といった制御を行う。
すなわち、制御部102は、ある周回中に光ディスク10に対して画像形成のためのレーザ光Lの照射(記録レベルを含む)を行った場合、その次の周回中には画像形成のためのレーザ光Lの照射が行われないよう制御し、その周回中に光ピックアップ106の径方向への移動制御等を実施するようにしている。
このように、画像形成を行わない周回中に光ピックアップ106を移動させる制御や記録レベル目標値の変更制御等を実施することで、当該制御に伴って照射位置や照射されるレーザ光Lのパワー値等が変動している間に可視画像が形成されるということがなく、照射位置やレーザ光Lの強度が安定してから画像形成のためのレーザ光Lの照射を実行することができる。従って、上記のような光ピックアップ106の径方向の移動制御等に起因して形成される可視画像の品位が低下してしまうことを抑制できる。
本実施の形態に係る光ディスク記録装置100によれば、新たに印刷手段等を設けることなく、情報記録層18に対して情報記録を行うために用いられる光ピックアップ106等の装置各部を可能な限り利用し、画像記録層24が形成された光ディスク10の当該画像記録層24に対してレーザ光Lを照射して画像データDgに対応した可視画像を形成することができる。
また、本実施の形態では、スピンドルモータ104の回転に応じて生成されるFGパルスを用いて生成したクロック信号、すなわち、光ディスク10の回転量に応じて生成されるクロック信号に基づいてレーザ光Lの照射タイミングを制御しているので、光ディスク10側から位置情報等を取得することなく、光ディスク記録装置100においてレーザ光Lの照射位置を把握することができる。従って、光ディスク記録装置100によれば、画像記録層24にプリグルーブ(案内溝)を形成するといった特別な加工等を施した光ディスク10を用いなくてはならないといった制限はなく、プリグルーブや位置情報等が予め形成されていない画像記録層24に対しても、画像データDgに対応する可視画像を形成することができる。
次に、情報記録層18への情報(デジタル情報)の記録について説明する。情報記録層18が色素型の場合、先ず、未記録の前述の光ディスク10を所定の記録線速度にて回転させながら、光ピックアップ106からレーザ光Lを照射する。この照射されたレーザ光により、情報記録層18の色素がその光を吸収して局所的に温度上昇し、所望のピットが生成してその光学特性が変わることにより、情報記録層18に情報が記録される。
レーザ光Lの記録波形は、1つのピットの形成する際には、パルス列でも1パルスでもかまわない。実際に記録しようとする長さ(ピットの長さ)に対する割合が重要である。
レーザ光Lのパルス幅としては、実際に記録しようとする長さに対して20〜95%の範囲が好ましく、30〜90%の範囲がより好ましく、35〜85%の範囲がさらに好ましい。ここで、記録波形がパルス列の場合には、その和が上記の範囲にあることを指す。
レーザ光Lのパワーとしては、記録線速度によって異なるが、記録線速度が3.5m/sの場合、1〜100mWの範囲が好ましく、3〜50mWの範囲がより好ましく、5〜20mWの範囲がさらに好ましい。また、記録線速度が2倍になった場合には、レーザ光Lのパワーの好ましい範囲は、それぞれ21/2倍となる。
また、記録密度を高めるために、光ピックアップ106に使用される対物レンズ192のNA(開口数)は0.55以上が好ましく、0.60以上がより好ましい。
本実施の形態においては、レーザ光Lとして350〜850nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザを用いることができる。
一方、情報記録層18が相変化型の場合について説明する。相変化型の場合は、前述した材質から構成され、レーザ光Lの照射によって結晶相と非晶相との相変化を繰り返すことができる。
情報記録時は、集中したレーザ光Lのパルスを短時間照射し、相変化記録層を部分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷され、固化し、非晶状態の記録マークが形成される。また、消去時には、記録マーク部分にレーザ光Lを照射し、情報記録層18の融点以下、結晶化温度以上の温度に加熱し、且つ、除冷することによって、非晶状態の記録マークを結晶化し、もとの未記録状態に戻す。
次に、実施例により本実施の形態をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリカーボネート樹脂を原料とし、射出成形にてスパイラル状の案内溝(グルーブ)を有する第1基板16(厚さ0.6mm)に作製した。案内溝は、深さ130nm、半値幅300nm、トラックピッチ0.74μmであった。下記「色素A」1.50gを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール100mlに溶解した塗布液を調製し、この塗布液を第1基板16の案内溝が形成された面にスピンコートすることにより、情報記録層18(平均厚さ:80μm)を形成した。次に、スパッタリング法により、情報記録層18上に、銀による第1反射層20を形成し、第1積層体12を作製した。
Figure 2007095273
半径21mmから半径24mmの領域にプリピット32を形成するための凹凸(凸部の高さ等は、図36に記載のプリピット32の深さ等に相当するように調整)が形成されており、半径24mmより外側は鏡面であるスタンパを、通常のCD−ROMスタンパを作製するのとほぼ同様に下記のようにして作製した。
先ず、ガラス原盤上にフォトレジストをスピンコートで成膜し、ベーキングした。その後、レーザビームレコーダにてフォーマッタから生成した信号に対応させて、半径24mmより内側の領域にだけフォトレジストにビーム照射し、その後、現像した。この上にニッケルをスパッタし、電鋳することでスタンパを作製した。
次に、画像記録層24を形成するため、上記スタンパを用いて射出成形にて0.6mm厚の第2基板22を作製した。スタンパの転写により形成されたプリピット32の平均深さhp等は、図36の通りである。すなわち、プリピット32の平均深さhpは200nm、プリピット32の半径方向の平均半値幅Wは200nmである。つまり、実施例1は、プリピット32の平均深さhpが好ましい範囲(100〜400nm)に含まれ、プリピットの平均半値幅Wも好ましい範囲(200〜500nm)に含まれている。
下記化学式で表される「色素B」1.40gと下記化学式で表される「色素C」0.60gとを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール100mlに溶解して調製した塗布液を、第2基板22にスピンコート法により塗布し、厚さ0.1μmの画像記録層24を形成した。
Figure 2007095273
Figure 2007095273
画像記録層形成領域34の最内径(画像記録層の最内半径)等は、図36の通りである。すなわち、実施例1では、画像記録層形成領域34の最内径を25mmとし、例えば図3に示す第1の変形例に係る光ディスク10aと同様に、プリピット領域30を、画像記録層形成領域34よりも内周側にしたので、画像記録層24の平均厚みh1及びh2は共に0nmとなっている。
その後、スパッタリング法により、画像記録層24上に、銀による第2反射層26を80nmの厚みで形成し、第2積層体14を作製した。
第1積層体12の第1反射層20上に、第1積層体12及び第2積層体14を貼り合わせるための接着層28として、紫外線硬化樹脂ダイキュアクリアSD640(大日本インキ化学工業株式会社製)を塗布し、第2積層体14の第2反射層26側を第1積層体12の接着層28が塗布された側とを貼り合わせた後、第2積層体14側から押し付けて、紫外線硬化樹脂を広げ、高速回転させて、余分な接着層28を遠心力で振り切り、内周から外周まで均一な膜厚の接着層28を形成した。この接着層28を硬化させるために、第2積層体14を通して、紫外線を照射し、接着層28を硬化させた。このときに使用した紫外線ランプは高圧水銀ランプで、紫外線照射量は0.3J/cm2であった。このようにして、実施例1に係る光ディスクを作製した。
(実施例2及び3)
プリピット32の平均深さhpを図36のように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2及び3に係る光ディスクを作製した。
(実施例4〜14)
画像記録層形成領域34の最内径、プリピット32の平均深さhp、プリピットの半径方向の半値幅W等を図36及び図37のように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4〜14に係る光ディスクを作製した。
特に、実施例4〜14では、図36及び図37に示すように、画像記録層形成領域34の最内径を20mmとし、例えば図1に示す光ディスク10と同様に、プリピット領域30と画像記録層形成領域34とが一部重なるようにしている。
そして、実施例4では、プリピット32の平均深さhpが200nm、プリピット32の半径方向の平均半値幅Wが200nmであり、いずれも好ましい範囲に含まれている。また、画像記録層24の平均厚みh1が40nm、平均厚みh2が160nmとなっている。これにより、実施例2のh1/h2は0.25、hp+h1−h2は80nmであって、いずれも好ましい範囲(0.1≦hp≦0.9、70nm≦hp+h1−h2≦250nm)に含まれている。
その他の実施例3〜14についても同様に、図36及び図37に示すように、プリピット32の平均深さhp、プリピットの平均半値幅W、画像記録層の厚みに関するh1/h2、hp+h1−h2が、いずれも好ましい範囲に含まれている。
(比較例1〜4)
画像記録層形成領域34の最内径、プリピット32の平均深さhp、プリピットの半径方向の半値幅W等を図38のように変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1〜4に係る光ディスクを作製した。
比較例1〜4においても、上述した実施例4等と同様に、画像記録層形成領域34の最内径を20mmとし、例えば図1に示す光ディスク10と同様に、プリピット領域30と画像記録層形成領域34とが一部重なるようにしている。
そして、比較例1は、プリピット32の平均深さhpが200nmであって好ましい範囲に含まれているが、プリピット32の半径方向の平均半値幅Wが190nmであり、好ましい範囲(200〜500nm)から外れている。また、画像記録層24の平均厚みh1が40nm、平均厚みh2が180nmとなっている。これにより、比較例1のh1/h2は0.22で好ましい範囲に含まれているが、hp+h1−h2は60nmであり、好ましい範囲(70〜250nm)から外れている。
比較例2は、プリピット32の平均深さhpが100nm、プリピット32の半径方向の平均半値幅Wが420nmであり、いずれも好ましい範囲に含まれているが、hp+h1−h2が60nmであり、好ましい範囲(70〜250nm)から外れている。
比較例3は、プリピット32の半径方向の平均半値幅Wが430nmであって好ましい範囲に含まれているが、プリピット32の平均深さhpが410nmであり、好ましい範囲(100〜400nm)から外れている。また、h1/h2は0.25で好ましい範囲に含まれているが、hp+h1−h2が260nmであり、好ましい範囲(70〜250nm)から外れている。
比較例4は、プリピット32の平均深さhpが280nmであって好ましい範囲に含まれているが、プリピット32の半径方向の平均半値幅Wが510nmであり、好ましい範囲(200〜500nm)から外れている。また、h1/h2が0.92で、hp+h1−h2が270nmであり、共に好ましい範囲から外れている。
なお、プリピット32の深さ及び半径方向の半値幅は、第2基板22の表面をAFMで測定することで求めた。図2中のh1、h2は、画像記録層24の平均厚みを透過スペクトル及びエリプソメータから求め、さらに、第2基板22のプリピット32の深さと画像記録層24形成後の表面をAFMで測定した値から求めた。測定は、3回行い最も大きな値と小さな値とをそれぞれ測定し、その平均として求めた。なお、プリピットの形状は、AFM装置SPI3800N/SPA500(セイコーインスツル株式会社製)及び探針NCH−10V(日本ビーコ株式会社製)を用いて測定した。
<光ディスクの評価>
実施例1〜14、比較例1〜4に係る光ディスクについて、パルステック工業社製DDU1000を用いてレーザ波長660nmで再生し、プリピット信号Spの品質を評価した。具体的には、ディスクドライブ装置(DDU1000、パルステック社製、レーザ波長=660nm、開口率=0.65)を用いた。結果を図36〜図38に示す。
図36及び図37の結果から、実施例1〜14に係る光ディスクは、ジッターがいずれも60ns以下で良好な結果を得られており、描画に関する情報の検出を容易に行うことができることが確認できた。
特に、実施例1〜3は、プリピット領域30が画像記録層形成領域34よりも内周側にあるため、ジッターがいずれも40ns以下であって非常に優れており、良好な信号特性が得られることがわかる。
また、プリピット32上に画像記録層24が形成されている場合には、プリピット32の平均深さhpが、150〜350nmの範囲、プリピット32の平均半値幅が390〜440nm、hp−h1+h2が130〜170nmにて、プリピット32の再生信号品質の指標である3Tピットジッター、3Tランドジッター、11Tピットジッター、11Tランドジッターが特に良好であることが確認できた。
なお、ジッターは、信号ばらつきの標準偏差であり、これが大きい場合、例えば3T信号が4Tと検出されてしまい、読み取りエラーとなる。この読み取りエラーの発生頻度が低い場合は、エラー訂正可能であり、プリピット32に含まれている情報を読み出すことに支障はないが、エラーの発生頻度が大きくなると、プリピット32に含まれている情報を正確に読み出すことができなくなり、光ディスク10の認識に失敗する等の問題が発生する。図38に示すように、比較例1、2、4は、エラーの発生が頻繁で、ジッターの測定ができなかった。比較例3は、ジッターの測定はできたが、60nsを超えた値であり、エラーの発生が多いことには変わりがない。
なお、本発明に係る信号処理方法、信号処理装置、画像描画方法及び光ディスク記録装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本実施の形態に係る光ディスク記録装置に適用される光ディスクの一例を一部省略して示す断面図である。 光ディスクにおけるプリピット領域の部分を拡大して示す断面図である。 第1の変形例に係る光ディスクを示す平面図である。 第2の変形例に係る光ディスクを示す平面図である。 第2の変形例に係る光ディスクを一部省略して示す断面図である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の構成を示すブロック図である。 第1プリピット検出手段の一例を示すブロック図である。 第2プリピット検出手段の他の例を示すブロック図である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の好ましい態様(ビームスポット制御手段を有する構成)を示すブロック図である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の好ましい態様(レーザ光強度設定手段及びレーザ光強度制御手段を有する構成)を示すブロック図である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の好ましい態様(相対位置調整手段を有する構成)を示すブロック図である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の好ましい態様(サーボ制御手段を有する構成)を示すブロック図である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の好ましい態様(回転検出手段を有する構成)を示すブロック図である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の好ましい態様(ディスク識別手段を有する構成)を示すブロック図である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の好ましい態様(変調禁止手段を有する構成)を示すブロック図である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の好ましい態様(レーザ光強度設定手段を有する構成)を示すブロック図である。 第3の変形例に係る光ディスクを一部省略して示す断面図である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の好ましい態様(照射タイミング制御手段を有する構成)を示すブロック図である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の具体的構成の一例を示すブロック図である。 光ピックアップの具体的構成の一例を示す構成図である。 光ディスクの画像記録層に対して可視画像を形成するために用いられる画像データの内容を説明するための図である。 図22Aは階調度が大きい場合の記録レベルとサーボレベルの出力タイミングを示す波形図であり、図22Bは階調度が小さい場合の記録レベルとサーボレベルの出力タイミングを示す波形図である。 図23Aはサーボ用オフパルスを挿入する場合のタイミングを示す波形図であり、図23Bはサーボ用オンパルスを挿入する場合のタイミングを示す波形図である。 レーザパワー制御回路によるレーザパワーの制御方式を示すブロック図である。 光ピックアップから光ディスクの画像記録層に照射したレーザ光の戻り光を示す波形図である。 図26Aは周波数発生器によってスピンドルモータの回転量に応じて生成されるFGパルスを示す波形図であり、図26BはFGパルスに基づいて生成されるクロック信号を示す波形図である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の処理動作を示すフローチャート(その1)である。 本実施の形態に係る光ディスク記録装置の処理動作を示すフローチャート(その2)である。 光ディスクの画像記録層の外周側に記録されたディスクIDの一例を示す説明図である。 光ピックアップの受光素子によって受光されるレーザ光の戻り光の形状を示す説明図である。 図31Aは光ピックアップから出射されるレーザ光のスポット径が大きい場合の描画状態の一例を示す説明図であり、図31Bはスポット径が小さい場合の描画状態の一例を示す説明図である。 FGパルスから選定された基準パルスに基づいて基準位置検出用パルスを生成する方法の一例を示す説明図である。 基準位置検出用パルスに基づいて、レーザ光の照射位置が光ディスクの基準位置を通過したことを検出する方法の一例を示す説明図である。 光ディスクの画像記録層にレーザ光を照射して可視画像を形成する際におけるFGパルス、基準位置検出用パルス、クロック信号及び駆動パルスの出力タイミングを示すタイミングチャートである。 光ディスクの画像記録層に対し、階調度に応じてレーザ光の照射面積を変化させて可視画像を記録する例を示す説明図である。 実施例1〜7に係る光ディスクの内訳とプリピット情報の検出精度を示す表図である。 実施例8〜14に係る光ディスクの内訳とプリピット情報の検出精度を示す表図である。 比較例1〜4に係る光ディスクの内訳とプリピット情報の検出精度を示す表図である。
符号の説明
10、10a〜10c…光ディスク 12…第1積層体
14…第2積層体 16…第1基板
18…情報記録層 20…第1反射層
22…第2基板 24…画像記録層
26…第2反射層 28…接着層
30…プリピット領域 32…プリピット
34…画像記録層形成領域 100…光ディスク記録装置
102…制御部 104…スピンドルモータ
106…光ピックアップ 108…照射位置調整手段
110…プリピット検出手段 112…デコーダ
114…レーザ光制御手段 116…画像形成制御手段
118…信号反転回路 120…セレクタ
122…コード検出回路 124…スイッチング制御回路
126…ビームスポット制御手段 128…レーザ光強度設定手段
130…レーザ光強度制御手段 132…相対位置調整手段
134…サーボ制御手段 136…クロック信号出力手段
138…回転検出手段 140…ディスク識別手段
142…変調禁止手段 144…半透明反射層
146…照射タイミング制御手段

Claims (20)

  1. 1以上のプリピットが形成されたプリピット領域を有する光ディスクにレーザ光を照射して得られる戻り光に基づいて信号を処理する信号処理方法であって、
    前記光ディスクの前記プリピット領域に前記レーザ光を照射して得られる戻り光の信号に基づいてプリピット信号を得る第1ステップと、
    前記プリピット信号をデコードする第2ステップと、
    を有することを特徴とする信号処理方法。
  2. 請求項1記載の信号処理方法において、
    前記第1ステップは、
    前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号を得るステップを有することを特徴とする信号処理方法。
  3. 請求項1記載の信号処理方法において、
    前記第1ステップは、
    前記戻り光の信号から特定の信号が読み出された場合に、前記戻り光の信号を前記プリピット信号とし、前記戻り光の信号から前記特定の信号が読み出されなかった場合に、前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号とするステップを有することを特徴とする信号処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の信号処理方法において、
    前記第2ステップによって得られた情報のうち、当該光ディスクの種類を示す情報を読み出すステップと、
    光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報が記録された記憶手段から当該光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報を読み出すステップと、
    読み出された前記レーザ光の出力レベルの情報に基づいて前記レーザ光を制御するステップと、
    を有することを特徴とする信号処理方法。
  5. 請求項4記載の信号処理方法において、
    前記レーザ光の出力レベルは、前記光ディスクに対する記録用の出力レベルの目標値と、前記光ディスクのサーボ用の出力レベルの目標値とを有することを特徴とする信号処理方法。
  6. 1以上のプリピットが形成されたプリピット領域を有する光ディスクにレーザ光を照射して得られる戻り光に基づいて信号を処理する信号処理装置であって、
    前記光ディスクの前記プリピット領域にレーザ光を照射して得られる戻り光の信号に基づいてプリピット信号を得る第1手段と、
    前記プリピット信号をデコードする第2手段と、
    を有することを特徴とする信号処理装置。
  7. 請求項6記載の信号処理装置において、
    前記第1手段は、
    前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号を得る手段を有することを特徴とする信号処理装置。
  8. 請求項6記載の信号処理装置において、
    前記第1手段は、
    前記戻り光の信号から特定の信号が読み出された場合に、前記戻り光の信号を前記プリピット信号とし、前記戻り光の信号から前記特定の信号が読み出されなかった場合に、前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号とする手段を有することを特徴とする信号処理装置。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の信号処理装置において、
    前記第2手段によって得られた情報のうち、当該光ディスクの種類を示す情報を読み出す手段と、
    光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報が記録された記憶手段から当該光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報を読み出す手段と、
    読み出された前記レーザ光の出力レベルの情報に基づいて前記レーザ光を制御する手段と、
    を有することを特徴とする信号処理装置。
  10. 請求項9記載の信号処理装置において、
    前記レーザ光の出力レベルは、前記光ディスクに対する記録用の出力レベルの目標値と、前記光ディスクのサーボ用の出力レベルの目標値とを有することを特徴とする信号処理装置。
  11. レーザ光の照射により可視画像の描画が可能な画像記録層と、1以上のプリピットを有するプリピット領域とを具備した光ディスクの前記画像記録層に画像を描画する画像描画方法であって、
    前記光ディスクの前記プリピット領域に前記レーザ光を照射して得られる戻り光の信号に基づいてプリピット信号を得る第1ステップと、
    前記プリピット信号をデコードしてプリピット情報を得る第2ステップと、
    前記プリピット情報に基づいて前記画像記録層に画像を描画する第3ステップと、
    を有することを特徴とする画像描画方法。
  12. 請求項11記載の画像描画方法において、
    前記1以上のプリピットが前記画像記録層の形成領域の一部に形成され、
    前記第1ステップは、
    前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号を得るステップを有することを特徴とする画像描画方法。
  13. 請求項11記載の画像描画方法において、
    前記第1ステップは、
    前記戻り光の信号から特定の信号が読み出された場合に、前記戻り光の信号を前記プリピット信号とし、前記戻り光の信号から前記特定の信号が読み出されなかった場合に、前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号とするステップを有することを特徴とする画像描画方法。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の画像描画方法において、
    前記第3ステップは、
    前記第2ステップによって得られた情報のうち、当該光ディスクの種類を示す情報を読み出すステップと、
    光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報が記録された記憶手段から当該光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報を読み出すステップと、
    読み出された前記レーザ光の出力レベルの情報に基づいて前記レーザ光を制御して前記画像記録層に画像を描画するステップと、
    を有することを特徴とする画像描画方法。
  15. 請求項14記載の画像描画方法において、
    前記レーザ光の出力レベルは、前記光ディスクに対する記録用の出力レベルの目標値と、前記光ディスクのサーボ用の出力レベルの目標値とを有することを特徴とする画像描画方法。
  16. レーザ光の照射により可視画像の描画が可能な画像記録層と、1以上のプリピットを有するプリピット領域とを具備した光ディスクの前記画像記録層に画像を描画する光ディスク記録装置であって、
    前記光ディスクの前記プリピット領域に前記レーザ光を照射して得られる戻り光の信号に基づいてプリピット信号を得る第1手段と、
    前記プリピット信号をデコードしてプリピット情報を得る第2手段と、
    前記プリピット情報に基づいて前記画像記録層に画像を描画する第3手段と、
    を有することを特徴とする光ディスク記録装置。
  17. 請求項16記載の光ディスク記録装置において、
    前記1以上のプリピットが前記画像記録層の形成領域の一部に形成され、
    前記第1手段は、
    前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号を得る手段を有することを特徴とする光ディスク記録装置。
  18. 請求項16記載の光ディスク記録装置において、
    前記第1手段は、
    前記戻り光の信号から特定の信号が読み出された場合に、前記戻り光の信号を前記プリピット信号とし、前記戻り光の信号から前記特定の信号が読み出されなかった場合に、前記戻り光の信号を反転して前記プリピット信号とする手段を有することを特徴とする光ディスク記録装置。
  19. 請求項16〜18のいずれか1項に記載の光ディスク記録装置において、
    前記第3手段は、
    前記第2手段によって得られた情報のうち、当該光ディスクの種類を示す情報を読み出す手段と、
    光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報が記録された記憶手段から当該光ディスクの種類に応じたレーザ光の出力レベルの情報を読み出す手段と、
    読み出された前記レーザ光の出力レベルの情報に基づいて前記レーザ光を制御して前記画像記録層に画像を描画するステップと、
    を有することを特徴とする光ディスク記録装置。
  20. 請求項19記載の光ディスク記録装置において、
    前記レーザ光の出力レベルは、前記光ディスクに対する記録用の出力レベルの目標値と、前記光ディスクのサーボ用の出力レベルの目標値とを有することを特徴とする光ディスク記録装置。
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