JP4637649B2 - 浄化用鉄系粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、土壌、河川水、地下水、大気等の環境を汚染している有機ハロゲン化合物(含ハロゲン有機化合物)を高効率で分解処理できる汚染浄化用鉄系粉末およびその製造方法、並びに球状金属Ni微粒子を製造するための有用な方法等に関するものである。
トリクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物は、半導体工場や金属加工工場における脱脂洗浄剤として、またドライクリーニングの洗浄剤として広く使用されている。しかしこれら有機塩素化合物は、これまで排出・投棄されることがあった。有機塩素化合物は自然界において分解されにくいため、土壌中や地下水中に徐々に蓄積され、土壌や地下水を汚染し大きな社会問題となっている。
土壌中や地下水中の汚染物質を無害化する処理方法としては、汚染土壌を掘削除去しロータリーキルン等で燃焼除去する熱分解法、地下水中に溶解した汚染物質を真空ポンプによって吸引し回収除去するガス吸引法、地下水を汲み上げ抽出除去する揚水曝気法、微生物の汚染物質分解能を利用した微生物法などが知られている。
しかしながら、熱分解法では土壌掘削に大がかりな設備が必要となり、熱処理後の土壌を埋め戻して再利用する場合には高コストとなる。ガス吸引法では、気化している汚染物質しか回収することができず、さらには回収後に汚染物質を分解処理する必要が生じる。揚水曝気でも水に溶解する汚染物質しか回収することができず、しかも回収後に汚染物質を分解する必要がある。微生物法では、土壌条件によっては適用することができない場合があり、さらには微生物による分解反応であるため、高濃度汚染の場合には他の方法に比べて処理期間が長くなったり、分解反応が途中までしか進行しないこともある。
大がかりな設備や回収後の分解操作が不要であって安定して有機塩素化合物を無害化できる方法として、鉄粉を使用して有機塩素化合物を還元分解する方法が提案されている。この方法では、鉄粉が酸化されることによって発生する電子を利用して、有機塩素化合物を還元分解するものである。しかし本来、鉄粉による有機塩素化合物の分解効率はそれほど高くないため、実用化の為に種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、粒径1〜500μm程度の鉄粉表面に、0.3μm程度のNi粒子を付着させることによって、有機ハロゲン化合物分解用鉄系粉末とすることを提案している。また、この技術では、Ni粒子を鉄粉表面末に付着させる方法として、付着金属を酸で溶解してそこに母材金属(鉄粉)を浸漬する化学的方法や、母材金属料と付着金属をミキサー等で混合し、そのときの接触による圧力によって付着金属を付着させる物理的方法が例示されている。
また特許文献2には、プレス成形において発生する規格外の圧粉体を粉砕して得られる鉄粉を有効利用して汚染浄化用鉄系粉末とする技術が提案されている。この技術では、鉄系粉末に少量の黒鉛やNiを含むことによって、含ハロゲン有機汚染物質の還元的脱ハロゲン反応を促進する効果を発揮することが開示されている。
本発明者らは、有機ハロゲン化合物を効果的に分解処理するための技術についてかねてより研究を重ねており、その研究の一環として特許文献3のような技術を提案している。この技術においては、有機ハロゲン化合物を効果的に処理する浄化用鉄粉の様々な形態を例示しており、その一つの形態として、「目開き300μmの篩を通過する割合が90%以上、Hによる還元減量が0.1〜1.0%、組織がマルテンサイトまたは焼戻しマルテンサイトである鉄粉」と、「Ni含有量が40%以上で、目開き45μmの篩を通過する割合が90%以上であるNi含有粉」を混合した混合粉末(浄化用鉄粉)が有用な浄化効果を発揮し得ることを示している。
いずれにしても、鉄粉表面にNi微粒子を付着させることによって、有機ハロゲン化合物に対する分解活性が向上できることは知られているのであるが、こうした鉄系粉末に関連して、金属Ni微粒子を効率よく製造することが必要になる。
金属Ni微粒子を製造する方法としては、ガスアトマイズ法や水アトマイズ法が一般的に知られている(例えば、特許文献4、5)。しかしながら、これらの方法では、金属を溶解させるための高温処理が必要であり、装置が高価になるという欠点がある。
こうしたことから、溶液反応による液相法の金属粒子の製造技術も検討されている。こうした技術として、特許文献6には、W/O型(油中水滴型)のエマルジョンを利用することによって、球状で粒径を制御した多孔性の塩基性炭酸Niを製造する方法が提案されている。
エマルジョンを利用した技術では、中和剤として用いられる酸やアルカリの他、水不溶性Ni塩と共に副生される塩類の影響によって、エマルジョンが破壊されやすく、反応全体を通して安定な場を確保することが困難であることが指摘されている。また、上記のようなエマルジョンを利用する方法では、Ni塩は生成できても、これを酸化還元して金属Niに製造する過程(通常、高温の水素雰囲気中で行われる)において、球状の形態を維持することが困難であることも指摘されている。
こうした背景の下で、上記のような欠点を解消する方法として、例えば特許文献7、8のような技術も提案されている。これらの方法では、エマルジョンを維持したままでNi塩を析出させるために、エマルジョンを減圧処理することによって、反応系から水(アンモニア水も含む)を蒸発させて除去する方法が提案されている。また、これらの方法では、還元反応では、Ni同士の融着を抑制するための手段として、アルカリ土類金属を混合させて高温・水蒸気雰囲気で還元処理する方法が採用されている。しかしながら、これらの技術では、減圧処理、高温での還元、還元安定剤の除去のための洗浄などの多段の煩雑な処理が必要になってくる。
一方、Ni塩の還元方法として、例えば非特許文献1のような技術も知られている。この技術では、硫酸Ni水溶液を直接水酸化ナトリウムとヒドラジンで還元処理することによって、金属Ni微粒子を製造するものである。また、この方法では、攪拌法によるNi製造法に比べて静置法の方がより微小なNi粒子(0.1μm程度)が製造できることも示唆されている。しかしながら、こうした液相反応では、微粒子の粒径を人為的に制御することはできない。しかもこの方法では、20mgのNiに対して、300〜600mLのヒドラジン溶液が還元のために必要となり、危険物である薬品を多量に使用しなければならないという欠点がある。
特開2003−136051号公報、特許請求の項範囲の請求項2、[0034]等 特開2002−20806号公報、特許請求の項範囲の請求項2等 特開2004−82106号公報、特許請求の項範囲の請求項3等 特開2001−64702号公報、特許請求の項範囲等 特開2001−64703号公報、特許請求の項範囲等 特開平11−59432号公報、特許請求の項範囲等 特開平11−335709号公報、特許請求の項範囲等 特開2001−89803号公報、特許請求の項範囲等 「粉体工学会誌」Vol.41、645−650(2004)、『液相法によるNi微粒子の調製』、佐藤、倉光等
上記のように、鉄粉表面にNi微粒子を付着させることによって、有機ハロゲン化合物に対する分解活性が向上できることは知られているのであるが、微細なNi金属粒子を鉄粉表面末に均一に分散付着させるための技術はこれまで提案されていないのが実情である。また、球状金属Ni微粒子を効率良く製造する技術の確立も望まれているのが実情である。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、微細な金属Ni粒子を鉄粉表面末に均一に分散付着させるための製造方法、およびこうした方法によって得られる浄化用鉄系粉末、並びに球状金属Ni微粒子を効率良く製造するための方法等を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明の鉄系粉末とは、鉄を主成分とする鉄粉末の表面に、平均粒径:1〜50nmのNi微粒子を付着させたものであり、且つNi微粒子の付着割合が、浄化用鉄系粉末全体に対して0.001〜10質量%である点に要旨を有するものである。
上記のような本発明の鉄系粉末を製造する方法は、水溶性NiをW/O型のエマルジョンとした後、前記水溶性Niと反応剤を反応させ、水不溶性Ni塩を含む水滴が均一に分散したマイクロエマルジョンとし、引き続き、鉄粉を添加してW/O型のエマルジョンを破壊すると共に、前記鉄粉表面末に水不溶性Ni塩を均一に付着させ、更に水不溶性Ni塩を付着させた鉄粉をアルカリ存在下でヒドラジンに浸漬することによって、水不溶性Ni塩を還元することを特徴とする。
この製造方法において、前記水溶性Niとしては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩および酢酸塩よりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましく用いることができる。また用いる反応剤としては、炭酸水素塩水溶液、炭酸塩水溶液またはトリアルキルアミン等が挙げられる。
一方、本発明の球状金属Ni微粒子の製造方法とは、水溶性NiをW/O型のエマルジョン化した後、前記水溶性Niと反応剤を反応させることによって、水不溶性Ni塩を含む水滴が均一に分散したマイクロエマルジョンとし、引き続き、前記水不溶性Ni塩を回収し、当該水不溶性Ni塩をアルカリ存在下でヒドラジンによる湿式処理によって還元する点に要旨を有するものである。この製造方法において、前記水溶性Niや反応剤は、上記と同様のものを使用することができる。
上記球状金属Ni微粒子の製造方法において、前記水不溶性Ni塩をアルカリ存在下でヒドラジンによる湿式処理によって還元するに際して、超音波処理化で還元することによって金属Ni粒子の微細化を図ることができる。またこの方法で得られた球状金属Ni微粒子は、触媒、機能性フィラー、積層セラミックコンデンサ内部電極等として用いられることもできるが、鉄粉と混合することによって、浄化用鉄系粉末を構成することもできる。
本発明の製造方法によれば、微細な金属Ni粒子を鉄粉表面末に均一に分散付着させた鉄系粉末を製造することができ、こうした鉄系粉末では、有機ハロゲン化合物を効果的に分解できるようになり、有機ハロゲン化合物に汚染された土壌や地下水を浄化するために有用に利用できる。
また、本発明によれば、球状金属Ni微粒子を効率良く製造することができ、この球状金属Ni微粒子は、有機ハロゲン化合物浄化用鉄系粉末を構成する素材として使用できるのは勿論のこと、触媒、機能性フィラー、積層セラミックコンデンサ内部電極等の幅広い用途で用いることもができる。
本発明の鉄系粉末は、有機ハロゲン化合物の分解(脱ハロゲン化)に有効に利用されるものであるが、この鉄系粉末に含まれる鉄粉による脱ハロゲン作用の基本原理について詳細に説明すると、以下の通りである。
鉄粉の表面に有機ハロゲン化合物が付着すると、鉄粉表面において金属側と有機ハロゲン化合物側(環境側)の条件の差異によってアノード分極とカソード分極が生じる。このため電子の流れが生じ、アノード側では鉄の溶出(酸化)が起こって電子を放出し、カソード側では前記電子による還元作用によって脱ハロゲン反応(分解)が生じる。従ってトータルとして、下記式(1)に示す化学反応が起こる。
Fe+H2O+RX → Fe2++OH-+RH+X- …(1)
(式中、Rは有機基を示し、Xは塩素原子などのハロゲン原子を示す)
本発明の鉄系粉末では、上記のような鉄粉の表面に金属Ni粒子を付着させたものであるが、このNi粒子は、鉄粉と水が反応して発生する水素[上記(1)式]を使って、Ni粒子が有機ハロゲン化合物からのハロゲンの還元的引き抜きを触媒する作用を発揮するものと考えられる。
鉄粉自体も、トリクロロエチレン類(トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロエチレン、モノクロロエチレン等)等の有機ハロゲン化合物に対しては、分解能力が発揮されるのであるが、鉄粉表面に金属Ni粒子を付着させることによって分解反応が促進されることになる。
本発明者らは、上記のような鉄系粉末において、有機ハロゲン化合物に対する作用を向上させる構成について、様々な角度から検討を重ねた。その結果、鉄粉表面に付着される金属Ni粒子をより微細なものとすれば、鉄系粉末による有機ハロゲン分解作用がより高くなるとの知見が得られた。特に、平均粒径が数nm〜数10nm(以下、「ナノスケール」と呼ぶことがある)の金属Ni微粒子が得られれば、有機ハロゲン化合物の分解作用が更に向上することが予想された。また、Niは、要監視項目に挙げられており、将来的には環境規制物質になる可能性が高いことから、できるだけ少ないNi添加量でより高い浄化作用を発揮することが望まれる。
しかしながら、これまで提案されている各種方法では、比較的大きな粒子半径(例えば、0.1μm以上)のものしか得られず(例えば、前記特許文献1)、できるだけ少ない添加量でその効果が発揮されることが予想されるほどの微細な金属Ni粒子を均一に付着させたものは得られていない。或いはその製造過程において、安定して球状の金属Ni形態を維持することができず、ナノスケールのNi微細粒子自体も安定して得ることができなかった。
そこで本発明者らは、鉄粉表面により微細な球状金属Ni粒子を付着させた鉄系粉末、或いは球状の金属Ni粒子そのものを得るための方法について、更に鋭意研究を重ねた。その結果、既に提案されているW/O型のエマルジョンを利用する方法を基本とし、その条件をより適切に規定してやれば、目的に適う浄化用鉄系粉末、および球状金属Ni粒子が得られることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明の製造過程に沿って、本発明の作用効果について説明する。
本発明の製造方法(金属Ni微粒子の製造方法)においては、基本的な製造工程として、水溶性NiをW/O型のエマルジョンとした後、水溶性Niと反応剤を反応させることによって、水不溶性Ni塩を含む水滴が均一に分散したマイクロエマルジョンとする工程を含むものである。
この工程で用いることのできる水溶性Niとしては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩および酢酸塩よりなる群から選ばれる1種または2種以上のNi塩が好ましく用いることができる。
用いる反応剤としては、炭酸水素塩水溶液、炭酸塩水溶液またはトリアルキルアミン等が挙げられる。このうち炭酸水素塩は、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が代表的なものとして挙げられ、炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが代表的なものとして挙げられる。
一方、反応剤として用いるトリアルキルアミンとしては、疎水性のトリエチルアミンや親水性のトリメチルアミンのいずれも用いることができる。このうち、疎水性のトリエチルアミンを反応剤として用いた場合には、W/O型の油側に反応剤を溶かし込んで反応させることになる。また親水性のトリメチルアミンを反応剤として用いた場合には、反応剤はマイクロエマルジョン化した後にエマルジョンを混合させることになる。
上記のように、水溶性Niと反応剤とを反応させることによって、水不溶性Ni塩を含む水滴が均一に分散したマイクロエマルジョンとするが、このときマイクロエマルジョン中には、塩基性炭酸Ni、水酸化Niまたは炭酸Ni、或いはこれらの混合物の不溶性Ni塩を含む水滴が均一に分散した状態となる。但し、この段階では均一性の低い球状の微粒子の凝集体となっており、均一な微細粒子が得られているわけではない。
本発明方法では、引き続き上記のようなマイクロエマルジョンから、水不溶性Ni塩を回収し、この水不溶性Ni塩をアルカリの存在下でヒドラジンによる還元処理によって還元することによって、Ni塩が還元されて金属Niとなると共に、球状の微細粒子をなる。
こうした工程で製造することによって、平均粒径で1nm〜10μmの球状金属Ni微細粒子を製造することができるのであるが、水溶性Niの種類、濃度、温度、エマルジョンを形成するときの界面活性剤のHLB(hydrophile lipophile balance)、界面活性剤と水溶液のモル比等を適切に調整することによって、金属Ni微粒子の粒径を制御することができる。具体的には、より微細な金属Ni微粒子を得るための条件としては、(a)Ni濃度を低くすること、(b)油に対する水の量を少なくすること、(c)界面活性剤と水溶液のモル比を大きくすること、等が挙げられる。また、Ni塩をアルカリ存在下のヒドラジンによる湿式処理を超音波処理下(例えば、20〜100kHzの条件下)に行うことも金属Ni微粒子の粒径をより微細化にする上で有用である。更に、還元剤として用いるヒドラジンの使用量もそれほど多く用いることなく、効果的に還元することができる。
上記のようにして得られる球状金属Ni微粒子は、その平均粒径を適切に調整でき、触媒、機能性フィラー、積層セラミックスコンデンサ内部電極等として用いることができるが、ミキサーなどで鉄粉と混合することによって、浄化用鉄系粉末として用いることができる。
但し、Ni微粒子を鉄粉と混合して浄化用鉄系粉末を構成するに際し、金属Ni微粒子の均一化を図るためには、金属Ni微粒子をある程度大きなもの(例えば、0.1〜100μm)とする必要がある。しかしながら、有機ハロゲン化合物に対する分解作用と考慮すれば、平均粒径で1〜50nm程度の金属Ni微細粒子を鉄粉表面末に均一に付着させる構成を採用することが好ましい。こうした方法として、エマルジョン法を応用することによって、球状金属Ni微粒子を鉄粉表面に付着させた鉄系粉末を、一連の製造工程で実現できたのである。
即ち、本発明の製造方法(鉄系粉末の製造方法)においては、基本的には上記と同様にして水不溶性Ni塩を含む水滴が均一に分散したマイクロエマルジョンとし、引き続き、このエマルジョン中に鉄粉を添加することによって、W/O型エマルジョンを破壊すると共に、鉄粉表面に水不溶性Ni塩を均一に付着させることができ、更に水不溶性Niを付着させた鉄粉をアルカリ存在したでヒドラジンに浸漬することによって、水不溶性Ni塩を還元するものである。こうした製造工程を経ることによって、平均粒径1〜50nm程度の球状金属Ni微粒子を均一に付着させた鉄系粉末を得ることができる。またこうした方法では、鉄粉表面末の還元度も高くするできもできる。
こうして得られた鉄系粉末は、有機ハロゲン化物によって汚染された物質を浄化するのに有用である。例えば、有機ハロゲン化合物によって汚染された土壌と混合することにより、または有機ハロゲン化合物によって汚染された地下水を混合または透過させることにより、これら土壌や地下水を浄化することができる。そのため大規模な処理装置が不要となり、汚染現場(原位置)で処理することもできる。また上記浄化処理(土壌浄化処理、地下水浄化処理など)に際しては、他の浄化方法(例えば、微生物法など)と組み合わせてもよい。
尚、本発明方法において、エマルジョンを形成するときに用いる界面活性剤の種類については、W/O型のエマルジョンを形成できれば特に限定されないが、例えばTween80、Triton−X100等が好ましいものとして挙げられる。
また、本発明で用いる鉄粉の種類については、特に限定されないが、代表的なものとしてアトマイズ鉄粉が挙げられる。この鉄粉の平均粒径が小さ過ぎると製造コストが高くなり、大き過ぎると有機ハロゲン化合物の分解効果が低くなるので、平均粒径で10〜1000μm程度が適当である。また、この鉄粉は、鉄を主体とするものであるが、微量(1質量%程度)の他の成分(C,Mnなど)、不可避的不純物(P,Sなど)、およびその他の成分を含有していてもよい。
本発明の鉄系粉末において、Ni微粒子の付着割合は、鉄系粉末全体に対して0.001〜10質量%程度が好ましく、より好ましくは0.01〜1質量%程度である。Ni微粒子の付着割合が低過ぎると、Ni微粒子の添加効果が小さくなり、過剰になると効果が飽和してコストアップに繋がって好ましくない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含されるものである。
[実施例1]
(平均粒径:0.3〜2.0μmの球状金属Ni微粒子を作製する方法)
市販の硫酸Ni(II)六水和物(和光純薬製)を用いて、2.5Mの水溶液150mLを調製した。また3.0質量%のTween80を溶解させたトルエン500mLを調製した。続いて、両者を混合し、300rpmで10分間攪拌することによって、W/O型のエマルジョンを調製した。
上記エマルジョンを、3.0Mの炭酸水素カリウム溶液に投入し、25℃で60分間攪拌した。その結果、塩基性炭酸Niの混合物が現れ、淡緑色の析出物が得られた。
反応終了後、その析出物を析出させた。引き続き。減圧濾過、蒸留水によるリンス処理を施し、105℃で一晩乾燥させ、塩基性炭酸Niと水酸化Niの混合物を60g得た。得られた混合物について、X線回折による物質の同定結果を図1に示す。この結果から、ピークがブロードになっており、同物質が非晶質のものであることが分かる。
得られた物質を走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって、粒径を分析したところ、サブミクロンサイズの不定形な球状粒子の凝集体であった。この凝集体のSEM観察結果を図2(図面代用写真)に示す。尚、この段階では、均一な球状の微粒子は得られていない。
上記凝集体におけるエネルギー分散型X線分析による元素分析結果を、図3に示す。この結果から明らかなように、Ni元素、炭酸基や水酸基由来のC、Oが確認できる。尚、図3においては、Auのピークが認められるが、これは電子顕微鏡観察のために施した表面処理の金に基づくものである。
続いて、同塩基性炭酸Niと水酸化Niの混合物をアルカリ存在下のヒドラジンによる還元処理を下記のように施して、金属Niを調整した。
上記の塩基性炭酸Niと水酸化Niの混合物500mgを10mLの蒸留水に懸濁させ、300rpmの攪拌を行った。このときの温度は、70℃に保温した。そこに、1Mの水酸化ナトリウム(和光純薬製)を5mL加えた。続いて、20Mのヒドラジン水溶液(和光純薬製)を5mL加え、そのまま30分間反応させた。その結果、Niが金属Niに還元され反応が黒く色が変化した。また、還元された金属Ni微粒子は、攪拌子(磁石)に付着することで集められた。
その微粒子を洗浄濾過し、105℃で3時間乾燥させ、0.3〜2.0μmの粒径の均一な球形金属Ni微粒子を得た。その微粒子のSEM観察結果を図4に、エネルギー分散型X線分析による元素分析結果を図5に、夫々示す。
この結果から、次のように考察できる。即ち、元素の主体はNiであり、前記図3の結果と比較して炭酸基および水酸基由来のC、Oが減少していることが分かる。チャートに見られる微少のCは、電子顕微鏡観察用に背景のサンプル固定用のテープ由来のC元素である。また、同サンプルのX線回折結果を、図6に示す。この結果から明らかなように、前記図1ではブリードであったピークが急峻に変化しており、結晶性の高いNi金属であることが確認できた。
[実施例2]
(ヒドラジン還元時の攪拌を超音波処理で実施し、球状金属Ni粒子を得る場合)
上記実施例1の方法にて得られた塩基性炭酸Niと水酸化Niの混合物500mgを10mLの蒸留水に懸濁させ、容器ごと超音波処理槽に浸け、20kHzの超音波処理を行い、分散させながら以降の処理を施した。このときの温度は、70℃に保温した。そこに、1Mの水酸化ナトリウム(和光純薬製)を5mL加えた。続いて、20Mのヒドラジン水溶液(和光純薬製)を5mL加え、そのまま30分間反応させた。その結果、Niが金属Niに還元され反応が黒く色が変化した。また、還元された金属Ni微粒子は、攪拌子(磁石)に付着することで集められた。
その微粒子を洗浄濾過し、105℃で3時間乾燥させ、0.2〜0.5μmの粒径の均一な球形金属Ni微粒子を得た。その微粒子のSEM観察結果を図7に、同サンプルのエネルギー分散型X線分析による元素分析結果を図8に、夫々示す。
この結果から、次のように考察できる。即ち、元素の主体はNiであり、前記図3の結果と比較して炭酸基および水酸基由来のC、Oが減少していることが分かる。チャートに見られる微少のCは、電子顕微鏡観察用に背景のサンプル固定用のテープ由来のC元素である。また、図7と図4を比較することにより、超音波処理を施すことによって、粒径が小さく且つ均一性が高くなった金属Ni微粒子が得られることが分かる。
[実施例3]
(浄化用鉄粉[平均粒径:65μm]に、粒径10nmの金属Ni粒子を均一に付着させる例)
まずトルエン70gに、30gの界面活性剤(Triton-X100)を溶解させた。そこに、0.1Mの硝酸Ni(II)六水和物(和光純薬製)の水溶液5mLを添加した。その混合液を30分間激しく攪拌した。このときの混合方法には、Vortox、超音波、攪拌羽根による攪拌、ミキサーによる攪拌等、様々な方法が採用できる。
その結果、油相、水相、界面活性剤の相が均一な一相の様態となり、マイクロエマルジョンの状態となった(この条件では、溶液中に約30mgのNi元素が含まれる)。
上記マイクロエマルジョン溶液に、0.5mLのトリエチルアミンを加えた。その後、穏やかに30秒間攪拌を行った。その結果、溶液の色が淡色化した。そのマイクロエマルジョン溶液のナノスケール水滴中では、Niイオンが水酸化Niとなり、水不溶性の塩となり、析出する。
続いて、そのマイクロエマルジョン溶液に、10gの汚染浄化用鉄粉(平均粒径:65μm)を加えて激しく攪拌処理を行った。その後、数分間静置処理すると、マイクロエマルジョン状態が破壊され、水相と油相の2相に分離した。そこでは、鉄粉は底に沈殿した。そして、この沈殿物の鉄粉を、濾過分離によって回収した。
続いて、回収した鉄粉の還元処理を行った。上記の方法によって得られた鉄粉を、70℃に保温した200mLの0.2Mの水酸化ナトリウム、4Mのヒドラジン水溶液に浸漬し、穏やかに30分間攪拌処理することによって、浄化鉄粉の表面に付着した水酸化Ni微粒子を還元処理した。その微粒子を洗浄濾過し、105℃で3時間乾燥させることによって、浄化鉄粉の表面に平均粒径30nmのナノスケール金属Ni粒子が付着された浄化鉄粉が調製できる。以上の方法では、0.03質量%の金属Ni微粒子が浄化鉄粉表面に付着した状態のものとなる。
続いて上記方法によって調製した鉄系粉末の浄化性能を評価した。このとき母材となる鉄粉には、アトマイズ鉄粉「アトメル300M」[商品名:(株)神戸製鋼所製]を使用した。また微粒Ni金属添加効果の確認のために、Ni金属微粒子には市販品の平均粒径が10μmのもの、および平均粒径400nmのものを使用した。また、ナノスケール金属Ni微粒子を付着させた浄化用鉄系粉末は、前述の調製法で作製したものを用いた。分解対象のハロゲン化合物には、トリクロロエチレンを使用した。このとき、使用した鉄系粉末(鉄粉、鉄粉+Ni粉末)の化学成分を下記表1に示す。
Figure 0004637649
続いて、以下の方法に従って、有機ハロゲン化合物の分解性評価実験を行った。
純水に窒素をバブリングして溶存酸素を追い出した後、トリクロロエチレン(TCE)を加え、モデル汚水を調製した(TCE濃度:10mg/L)。このモデル汚水10mLと、各実験例で得られた鉄系粉末:2gを容量125mLのバイアル瓶に封入した後、温度25℃に維持した室内にて、水平型振盪機(100ストローク/分)で48時間振盪した。振盪後のトリクロロエチレンの濃度をガスクロマトグラム質量分析装置にて測定し、下記式に基づいてTCE残存率を算出した。
TCE残存率(質量%)=[振盪後のTCE濃度]/[振盪前のTCE濃度]×100
実験結果から求められるTCE相対値(初期の濃度を1としたときの相対濃度)を図9、および下記表2に示す。また、このときの反応は、下記式に従う一次反応式で表現できる。この式に基づいて、反応定数kが算出される。反応定数k(h−1)で整理したものを、図10および下記表3に示す。
In[TCE相対値]=−kt
但し、k(h−1):反応定数
t(h):反応時間
Figure 0004637649
Figure 0004637649
これらの結果から、次のように考察できる。まず、鉄粉のみと、鉄粉に10μmの金属Niを添加した条件の比較から、鉄粉に金属Ni微粒子を添加することによって、有機ハロゲン化合物の浄化作用が向上することが分かる。また、平均粒径400nmのNi粉末添加と、平均粒径10μmのNi粉末添加の条件の結果の比較から、添加Niの粒径が小さいと添加効果が高くなることが分かる。更に、実施例にて調製したナノスケール金属Niを表面に付着させた条件と、平均粒径400nmのNiを添加した条件の結果の比較から、添加するNi径の大きさが小さくなるに従って、添加Ni質量当りの浄化活性の向上効果が高まることが分かる。
実施例1で得られた塩基性炭酸Niと水酸化Niの混合物におけるX線回折による物質の同定結果を示すグラフである。 実施例1で得られた凝集体のSEM観察結果を示す図面代用写真である。 実施例1で得られた凝集体におけるエネルギー分散型X線分析による元素分析結果を示すグラフである。 実施例1で得られた球形金属Ni微粒子のSEM観察結果を示す図面代用写真である。 実施例1で得られた球形金属Ni微粒子のエネルギー分散型X線分析による元素分析結果を示すグラフである。 実施例1で得られた球形金属Ni微粒子のX線回折結果を示すグラフである。 実施例2で最終的に得られた球形金属Ni微粒子のSEM観察結果を示す図面代用写真である。 実施例2で最終的に得られた球形金属Ni微粒子のエネルギー分散型X線分析による元素分析結果を示すグラフである。 実施例3で得られた各種鉄粉におけるTCE分解実験結果を示すグラフである。 実施例3で得られた各種鉄粉における反応定数を比較して示した棒グラフである。

Claims (1)

  1. 鉄を主成分とする鉄粉の表面に、平均粒径:1〜50nmのNi微粒子を付着させたものであり、且つ前記Ni微粒子の付着割合が、浄化用鉄系粉末全体に対して0.001〜10質量%であることを特徴とする浄化用鉄系粉末。
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