JP4377657B2 - 有機塩素化合物除去剤及び有機塩素化合物除去方法 - Google Patents

有機塩素化合物除去剤及び有機塩素化合物除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機塩素化合物で汚染された土壌及び/又は地下水の浄化技術に関するものである。
塩素系の有機溶剤は、脱脂性能に優れているので、材料表面の清浄性が要求される製品や中間加工品を提供する業界(例えば、半導体製造、精密部品加工などの業界)では洗浄溶剤として、またクリーニング業界ではドライクリーニングの溶剤として重宝されていた。これらの塩素系有機溶剤はオゾン層の破壊物質であるため、モントリオール議定書でその製造や使用に制限を受けるに至り、現在では使用量が減ってきてはいるが、かつて大量に使用されていた時期に適正に処理されなかったため、土壌や地下水を汚染していることが最近になって発覚して社会問題化し、土地の現所有者あるいは不適切な処理によって汚染を招いた当時の所有者の浄化責任が問われている。特に、塩素系有機溶剤の中でもかつて大量に使用されていたトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンは発がん性が指摘され、大気への放出が懸念されるのみならず、汚染地周辺あるいは汚染地の下を流れる地下水脈の下流域に居住する一般住民の安全性確保の観点から、早期の浄化処理対策が望まれている。
しかし、過去において、その使用に関する規制が緩かったことや、発覚までの時間が長すぎることから、浄化責任者を特定しにくく、また浄化処理に相当なコストを要するのでなかなか浄化が進まない現実がある。2003年2月に土壌汚染対策法が施行されるなど法的整備が進んできている一方で、より安価で有効な浄化方法の技術開発が望まれている。
汚染土壌や地下水を原位置(汚染場所)で浄化処理する方法としては、ソイルフラッシング法、土壌洗浄法、土壌ガス吸引法、揚水曝気法、生物分解法などが提案されている。
ソイルフラッシング法は、洗浄液を土壌に注入させて汚染物質を抽出する方法である。透過性のよい土質に適しているが、洗浄液が汚染源となる可能性がある。
土壌ガス吸引法は、吸引井を設けて土壌中の揮発しやすい汚染物質をガスとして分離する方法である。揮発性の対象物質に対し効率的な分離が可能であるが、地質的条件や汚染物の種類や分布によって適用できない場合も多い。
揚水曝気法は、地下水中の揮発威分を気液接触によって曝気ガス中に分離する方法である。揮発し易い成分は分離が容易であるが、土壌ガス吸引法に比較して効率が悪い。
生物分解法は、微生物により対象成分を分解させる方法である。消費エネルギーが少ない方法であるが、汚染物質の種類や汚染地の気象条件に依存し、適用できない場合も多い。いずれの方法も原理は単純であるが、処理コストや安全性の観点からも課題があり、着実に汚染地の浄化が進むほどの魅力ある処理技術であるとは言い難い。
汚染対象を有機塩素化合物(有機塩化物)に限れば、鉄粉の還元力を利用して脱塩素させる技術が注目されている。この技術は、安価で安全であって、実用化が高く期待されている。なお有機化合物の分解処理としては、原位置処理にこだわらなければ、燃焼法が簡単である。この燃焼法とは、酸化分解で有機物を二酸化炭素と水にかえて無害化する方法であり、有機塩素化合物についても燃焼法の利用が考えられる。しかし、鉄粉による還元反応によって塩素を抜く方法が、常温でも、熱力学的に十分進行する可能性が指摘されており、鉄を還元剤に用いて無害化する手段が検討されている。特に、大気と遮断された地中は嫌気性雰囲気であるので、還元反応による有機塩素化合物からの脱塩素は、地下水の処理に有利な方法であると考えられる。
鉄粉による脱塩素反応は、局部電池反応によって説明されている(非特許文献1)。すなわち鉄粉表面に有機塩素化合物が吸着されると、金属側と有機塩素化合物側(環境側)の条件の差異によってアノード分極とカソード分極が生じ、これによって電子が流れる。すなわちアノード側からは鉄が鉄イオンとなることによって電子が放出され(Fe→Fe2++2e-)、カソード側ではこの電子を利用して脱ハロゲン化反応等の還元反応が生じると説明されている。
局部電池理論による場合、有機塩素化合物と鉄粉との接触頻度(局部電池の発生頻度)を高めることが重要であり、鉄粉を小粒径化したり、小粒径鉄粉を大粒径鉄粉の表面に焼結によって付着させたり、鉄粉を多孔質化するなど、鉄粉の表面積を高めるための工夫がなされている(例えば特許文献1〜3など)。また局部電池反応をより効率的に進行させるため、鉄粉の表面にCu、Zn、Ni、Tiなどを析出させたり、合金化させたりしている(特許文献3〜6など)。例えば特許文献3ではCuによって局部電池反応が効率よく進行するのは、金属鉄、第一鉄イオン、金属銅、第一銅イオンなどの標準電極電位が互いに相違するため、幾種類もの局部電池や酸化還元反応が生成してイオン移動が生じ、このことが鉄粉による有機ハロゲン化合物の分解機能を助成するためではないかと考えている。特許文献4で鉄合金を挙げているのは、鉄合金の標準電極電位が所定の範囲に入るためである。特許文献5ではNiやCuは、カソード極として機能すると考えている。特許文献6でTiなどを鉄粉表面に担持させているのは、地鉄とTiなどとの間で局部電池が形成され、鉄粉の還元作用(具体的には、有機ハロゲン化物に電子を付与する能力)が高められ、その結果、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化分解が促進されるためである。
先崎哲夫,「有機塩素化合物汚染地下水の処理−金属鉄付着活性炭による低温下での処理技術」,PPM,日本工業新聞社,1995年,第26巻,第5号,第64〜70頁 特開2001−198567号公報 特開2002−167602号公報 特開2002−69425号公報 特開平11−253926号公報 特開2002−161263号公報 特開2003−80074号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、有機塩素化合物の処理効率をさらに改善できる技術を確立することにある。
上述したように鉄粉による有機塩素化合物の除去(分解)反応は、局部電池反応によって理解されている。なお局部電池機構による場合、鉄と、Cu、Zn、Ni、Tiなどの他の元素との間の導電性を確保する必要があるため、これら鉄と他の元素とは離すことはできない(従って先行文献では、Cu、Zn、Ni、Tiなどは鉄と合金化されたり、鉄の表面に析出しており、必ず鉄と一体化している)。
一方、本発明者らは、上記のような局部電池機構とは異なる機構を想定している。すなわち(1)鉄粉がまず始めに腐食して電子を発生する(Fe→Fe2++2e-)と共に(2)水と反応して水素を発生し(2H2O+2e-→2OH-+H2↑)、(2)この発生した水素が有機塩素化合物と反応して、塩素イオンが脱離して有機塩素化合物からの脱塩素(脱塩素過程)が完了するという機構である。またこの非局部電池型の機構によれば、Feは水素を発生させるために利用しているに過ぎないため、最後の脱塩素化反応は鉄粉の表面で起こる必要はなく、例えば鉄と脱塩素化反応に利用する他の元素とは、必ずしも密着(表面析出、合金化など)している必要はない。
そして本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、局部電池理論に沿って設計された鉄粉(例えば、Fe−Ni合金粉)よりも、非局部電池理論に沿って設計された鉄粉(例えば、FeとNiの混合粉)の方が有機塩素化合物の除去(分解)効率に極めて優れていることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明に係る有機塩素化合物除去剤は、BET比表面積が0.010〜3m2/gである鉄粉(A)に、周期表第8族元素(Feを除く)から選択された少なくとも一種の金属の粉体(B1)及び/又は該金属を多孔質体に担持した粉体(B2)が、混合されている。前記有機塩素化合物除去剤が、前記鉄粉(A)と前記金属粉体(B1)とで構成されている場合、金属粉体(B1)は通常、鉄粉(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部程度である。一方、前記有機塩素化合物除去剤が、前記鉄粉(A)と前記担持粉体(B2)とで構成されている場合、担持粉体(B2)は通常、鉄粉(A)100質量部に対して、0.0001〜10質量部程度である。なお担持粉体(B2)は前記8族元素(Feを除く)を、通常、0.01〜30質量%程度含有している。金属粉体(B1)のBET比表面積は、例えば、0.05〜4m2/gであり、担持粉体(B2)のBET比表面積は、例えば、4〜1000m2/gである。前記多孔質体としては、例えば、アルミナ、ハイドロタルサイト、アロフェン、アルミノシリケート、ゼオライト、活性白土、雲母、シリカ、滑石、珪藻土、活性炭などが適宜使用できる。金属粉体(B1)や担持粉体(B2)は、Ni、Ru、Rh、Pd、Ptなどから形成されているのが望ましい。前記鉄粉は、酸素含有量が5質量%以下であるのが推奨される。前記鉄粉(A)と前記粉体[金属粉体(B1)、担持粉体(B2)]とは必ずしも混合されている必要はなく、前記鉄粉(A)で構成される第1の粉集合体と、前記粉体[金属粉体(B1)、担持粉体(B2)]で構成される第2の粉集合体とで、本発明の有機塩素化合物除去剤を構成してもよい。
本発明の有機塩素化合物除去剤は、有機塩素化合物で汚染された土壌及び/又は地下水を浄化するのに有用である。例えば土壌100質量部に対し、本発明の有機塩素化合物除去剤1〜50質量部を混合したものを、地下水と接触させることによって地下水及び/又は土壌に含まれる有機塩素化合物を分解除去できる。望ましくは、下記式で表される鉄粉(A)と粉体(B1,B2)の離間指標Kが7〜15となるように、有機塩素化合物除去剤と土壌とを混合する。
K=−log10[4πRA 2/{(VA/VB1)+(VA/VB2)}]
[RA:鉄粉(A)一粒が分担する土壌を球とみなしたときの半径(m)、VA:鉄粉(A)一粒が分担する土壌の体積(m3)、VB1:金属粉体(B1)一粒が分担する土壌の体積(m3)、VB2:担持粉体(B2)一粒が分担する土壌の体積(m3)]
なお前記RAは、下記式によって求まる。
A={3VA/(4π)}1/3
ここで前記VA、VB1、及びVB2は、下記式から算出される。
A=(100/d)/{(x/ρA)/(πDA 3/6)}
B1=(100/d)/{(yB1/ρB1)/(πDB1 3/6)}
B2=(100/d)/{(yB2/ρB2)/(πDB2 3/6)}
[d:土壌の見かけ密度(トン/m3)、x:土壌100トン当たりの鉄粉(A)の量(トン)、ρA:鉄粉(A)の密度(トン/m3)、DA:鉄粉(A)の粒径(m)、yB1:土壌100トン当たりの金属粉体(B1)の量(トン)、ρB1:金属粉体(B1)の密度(トン/m3)、DB1:金属粉体(B1)の粒径(m)、yB2:土壌100トン当たりの担持粉体(B2)の量(トン)、ρB2:担持粉体(B2)の見かけ密度(トン/m3)、DB2:担持粉体B2の粒径(m)]
ここで前記d、ρA、ρB1、及びρB2は土壌及び各粉体を直接測定することによって求まるものであり、DB2は担持粉体B2の粒径をレーザー回折式粒度分布測定装置で測定することによって直接求まるものである。またDA及びDB1は、対応する粉体のBET比表面積を測定し、下記式によって求まるものである。x、yB1、yB2は指標Kが7〜15となるように調製されるものである。
A=6/(ρAσA
B1=6/(ρB1σB1
[σA:鉄粉(A)のBET比表面積(m2/トン)、σB1:金属粉体(B1)のBET比表面積(m2/トン)]
有機塩素化合物除去剤として鉄粉(A)と前記粉体[金属粉体(B1)、担持粉体(B2)]の混合粉(C)を用いる場合、より優れた方法として、地下水が流れる領域(土地)の一部を上下方向に複数層に区分し、(1)該区分層のうち上から第2層目以下の層では少なくとも1層で、土壌100質量部に対して鉄粉を1〜50質量部を混合し、(2)該鉄粉層よりも上の層では少なくとも1層で、土壌100質量部に対して有機塩素化合物除去剤を1〜50質量部混合することが提案される。特に(1)土壌100質量部に対して鉄粉を1〜50質量部を混合した層と、(2)土壌100質量部に対して有機塩素化合物除去剤を1〜50質量部混合した層とを、交互に形成していくのが望ましい。また有機塩素化合物除去剤として鉄粉(A)と前記粉体[金属粉体(B1)、担持粉体(B2)]とを混合しない場合には、例えば、地下水が流れる領域(土地)の一部を上下方向に複数層に区分し、(1)該区分層のうち上から第2層目以下の層では少なくとも1層で、鉄粉(A)を使用し、(2)該鉄粉層よりも上の層では少なくとも1層で、粉体[金属粉体(B1)、担持粉体(B2)]を使用することが提案される。
本発明の有機塩素化合物除去剤は、鉄粉(A)に所定の金属粉体(水素化触媒系粉体)またはその担体担持物を混合したものであり、局部電池反応とは異なる機構で有機塩素化合物を除去(分解)するものであり、このような有機塩素化合物除去剤は局部電池反応に沿って設計された鉄粉よりも効率よく有機塩素化合物を除去(分解)できる。また鉄粉の表面に他の金属を接触させておく必要がなく、接触化(合金化、析出処理など)のための工程を省略でき、また品質管理の煩雑化を防止でき、安定生産が容易となる。
本発明の有機塩素化合物除去剤は、鉄粉(A)と、鉄以外の他の金属で形成される粉(B)との混合物である。このような混合粉は、土壌に散布したときに、鉄粉(A)と粉(B)が実質的に密着(一体化)していないため、局部電池機構に従えば粉(B)は鉄粉(A)の有機塩素化合物分解作用を何らサポートしない筈のものであるが、局部電池機構とは異なる機構で有機塩素化合物が分解されるためか、しかも当該異なる機構の方が局部電池機構よりも反応性に優れているためか、混合粉は密着粉(鉄合金粉、表面析出型の粉など)よりも有機塩素化合物の分解効率が優れている。
すなわち上述したように、本発明者らは、(1)鉄粉(A)の腐食、(2)鉄粉(A)からの水素発生、(3)該水素を用いた粉(B)における脱塩素反応の3ステップの反応機構を想定している。そしてこの反応機構では、鉄粉(A)からの水素発生量を高めることが重要である。また水素発生量が十分であっても、粉(B)による脱塩素反応が遅いため、分解効率に優れた粉(B)の選定が重要となってくる。
鉄粉(A)からの水素発生量を高めるためには、鉄粉(A)と地下水との接触効率を高めることが重要であり、具体的には鉄粉(A)のBET比表面積(具体的には液体窒素温度下で表面にN2を吸脱着させN2単分子膜吸着量から表面積を推定するN2吸着法による比表面積)を0.010m2/g以上、好ましくは0.05m2/g以上、さらに好ましくは0.1m2/g以上とする。一方、BET比表面積が大きくなればなるほど、単位時間当たりの水素発生量が多くなり、この間の有機塩素化合物の分解は促進されるものの、原位置での有機塩素化合物の処理を前提とすると、地下水の流れは非常に遅く、この地下水に含まれる新たな有機塩素化合物は徐々に有機塩素化合物除去剤の設置場所に到達するため、鉄粉からの水素発生速度が過剰となれば無駄が生じ、しかも短時間で鉄粉が失活するために却って有機塩素化合物の処理量が少なくなってしまう。すなわち本発明では長時間に渡って一定の水素発生が確保されるのが望ましく、鉄粉のBET比表面積は3m2/g以下、好ましくは2m2/g以下、さらに好ましくは1m2/g以下、特に0.5m2/g以下とする。
鉄粉(A)のBET比表面積を十分に高めておけば、必要な水素量を確保することは可能であるが、鉄粉(A)の使用量が比較的少ない場合には、鉄粉(A)はできるだけ酸化されていないのが望ましい。鉄粉(A)の酸素含有量は、例えば5質量%以下、好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下程度であることが推奨される。
なお酸素含有量は、固体試料中の酸素を熱分解させて遊離してくる酸素を赤外線検出器で定量する機器分析法によって測定することが信頼性の点で推奨され、この方法は金属材料や機能性セラミックス等の分析によく用いられる方法である。
一方、前記粉(B)の分解効率を高めるため、前記粉(B)としては、有機塩素化合物の水素化効率に優れた元素、すなわち鉄以外の周期表第8族元素(好ましくは、Ni、Ru、Rh、Pd、Ptなど)を用いることが重要である。これらの金属は水素化触媒として知られており、以下、水素化触媒金属と称することがある。水素分子がこれら水素化触媒金属と接触すると個々の水素原子がそれぞれ金属表面に存在する金属原子に吸着し(解離吸着)、金属表面を水素原子が自由に動くことが可能になる。この活性化された水素は、触媒表面に有機塩素化合物が接触することによって容易に反応し、脱塩素反応を起こすものと考えられる。特に好ましい水素化触媒金属は、Ni、Pd、Pt(例えば、Pd、Pt)などである。これら特に好ましい水素化触媒金属は、水素吸蔵特性に優れている。本発明では水素発生剤[鉄粉(A)]と、水素化触媒金属とが密着することなく実質的に離れているため、水素発生剤[鉄粉(A)]から生じた水素を効率よく捕捉することによって、混合粉による有機塩素化合物の処理効率をさらに高めることができる。
なお上記水素化触媒金属は、単独で用いてもよく、適宜組み合わせて用いてもよい。
該触媒粉(B)は、前記周期表第8族元素(水素化触媒金属)自体の粉(B1)であってもよく、水素化触媒金属を多孔質体に担持した粉体(B2)であってもよく、金属粉体(B1)と担持粉体(B2)とを併用してもよい。金属粉体(B1)は製造が簡便であるという利点を有しており、担持粉体(B1)は水素化触媒金属の使用量を低減できるという利点を有している。
金属粉体(B1)及び担持粉体(B2)の配合量は、これら金属粉体(B1)及び担持粉体(B2)の反応性に応じて異なり、特に金属粉体(B1)及び担持粉体(B2)の両方を添加する場合にはこれら金属粉体(B1)及び担持粉体(B2)の比率に応じても異なるため、一義的に決定することはできないが、具体的な使用態様を決定すれば配合量の設定は可能であり、例えば後述する指標Kを利用して配合量を設定することが推奨されるが、おおよその目安は以下の通りである。
すなわち鉄粉(A)と金属粉体(B1)とで有機塩素化合物除去剤を構成する場合、または鉄粉(A)と担持粉体(B2)とで有機塩素化合物除去剤を構成する場合には、それぞれ、下記の配合量とすることが推奨される。また金属粉体(B1)と担持粉体(B2)を併用する場合でも、金属粉体(B1)と担持粉体(B2)それぞれの配合量を、下記に示す通りとしてもよい。
(i)鉄粉(A)と金属粉体(B1)とで有機塩素化合物除去剤を構成する場合
金属粉体(B1)は、鉄粉(A)100質量部に対して、例えば0.01質量部以上、好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.10質量部以上とする。金属粉体(B1)が上記のような極めて少ない量であっても、有機塩素化合物を効率よく分解できる。金属粉体(B1)の配合量の上限は特に限定されないが、金属粉体(B1)を鉄粉(A)と同質量となるほどまで多くしても効果が飽和し、コスト高となる。かかる観点から、金属粉体(B1)は、鉄粉(A)100質量部に対して、10質量部以下、好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下とすることが推奨される。
(ii)鉄粉(A)と担持粉体(B2)とで有機塩素化合物除去剤を構成する場合
担持粉体(B2)は、鉄粉(A)100質量部に対して、例えば0.0001質量部以上、好ましくは0.0005質量部以上、さらに好ましくは0.001質量部以上とする。担持粉体(B2)は、配合量を前記金属粉体(B1)よりも少なくできるため、水素化触媒金属の使用量を著しく抑制でき、有機塩素化合物除去剤の製造コストを著しく低減できる。担持粉体(B2)の配合量の上限は特に限定されないが、上記金属粉体(B1)の場合と同様、担持粉体(B2)を鉄粉(A)と同質量となるほどまで多くしても効果が飽和し、コスト高となる。かかる観点から、担持粉体(B2)は、鉄粉(A)100質量部に対して、10質量部以下、好ましくは1質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下とすることが推奨される。
なお担持粉体(B2)中の水素化触媒金属の含有量は、担持粉体(B2)の配合量に応じて適宜設定できるが、例えば、0.01〜30質量%程度(好ましくは0.05〜20質量%程度、さらに好ましくは0.1〜10質量%程度)とすることが多い。
金属粉体(B1)の比表面積は、例えば0.05m2/g以上、好ましくは0.10m2/g以上、さらに好ましくは0.2m2/g以上程度である。また担持粉体(B2)の比表面積は、該担持粉体(B2)が多孔質体で構成されているために前記金属粉体(B1)の場合よりも大きく、例えば4m2/g以上、好ましくは50m2/g以上、さらに好ましくは100m2/g以上程度である。比表面積を大きくするほど、水素の捕捉効率が高まり、有機塩素化合物の分解効率を高めることができる。なお比表面積が小さくても、触媒粉(B)[金属粉体(B1)及び/又は担持粉体(B2)]の配合量を高めれば、また担持粉体(B2)の場合には水素化触媒金属の含有量を高めれば、有機塩素化合物の分解効率の維持は可能であるため、触媒粉(B)[金属粉体(B1)、担持粉体(B2)]の比表面積は必須要件ではない。ただし触媒粉(B)[金属粉体(B1)、担持粉体(B2)]の比表面積を大きくし過ぎても、効果が飽和するだけでなく、反応性が高くなりすぎて使用前に失活しやすくなる。またコスト高ともなる。従って金属粉体(B1)のBET比表面積は、例えば4m2/g以下、好ましくは3m2/g以下、さらに好ましくは2m
2/g以下程度とすることが推奨される。担持粉体(B2)のBET比表面積は、例えば1000m2/g以下、好ましくは500m2/g以下、さらに好ましくは300m2/g以下程度とすることが推奨される。
多孔質体の種類は特に限定されないが、例えば、Al系多孔質体(活性アルミナなどのアルミナ、ハイドロタルサイトなど)、Al・Si複合系多孔質体(アロフェン、アルミノシリケート、ゼオライト、活性白土、雲母など)、Si系多孔質体(シリカ、滑石、珪藻土など)、炭素系多孔質体(活性炭など)などの無機多孔質体が挙げられる。これら多孔質体は、単独で用いてもよく、適宜組み合わせて用いてもよい。
なお本発明の有機塩素化合物除去剤は、前記鉄粉(A)と触媒粉(B)[金属粉体(B1)、担持粉体(B2)]とが必ずしも混合されている必要はなく、例えば前記鉄粉(A)と触媒粉(B)とは、それぞれ別々の袋に詰められたもの(粉集合体)であってもよい。このような態様であっても、適当に混合すれば上述の混合粉体と同様に使用することができ、また混合しなくても処理法を適切にすれば(詳細は後述)、有効に有機塩素化合物を処理できる。
本発明の有機塩素化合物除去剤を使用すれば、有機塩素化合物で汚染された土壌及び/又は地下水を浄化することができる。例えば本発明の有機塩素化合物除去剤は、汚染地の原位置での浄化に適用することができ、例えば土壌(例えば汚染土壌)に有機塩素化合物除去剤を分散(混合)したものを地中に埋めることによって、その領域を通過する地下水を利用して汚染土壌を浄化できる。また土壌が汚染されていない場合でも、地下水が汚染されている場合には、該地下水を浄化できる。
土壌と有機塩素化合物除去剤とを分散(混合)する場合、有機塩素化合物除去剤の使用量は、汚染の程度や埋設密度などに応じて適宜設定できるが、有機塩素化合物除去剤は、土壌100質量部に対して、例えば1〜50質量部程度混合することが推奨される。
この場合、本発明の有機塩素化合物除去剤は、所定の鉄粉(A)と、所定の触媒粉(B)[金属粉体(B1)及び/又は担持粉体(B2)]で構成されていることを考慮すると、これら鉄粉(A)及び触媒粉(B)が互いに適切な距離を保つようにしながら、土壌と混合することがさらに推奨される。鉄粉(A)と触媒粉(B)が接触している場合の有機塩素化合物除去機構は局部電池機構によって説明されるが、該局部電池機構に従って鉄粉(A)と触媒粉(B)を接触させた場合に比べ、鉄粉(A)と触媒粉(B)を離した場合の方が、有機塩素化合物の処理効率がむしろ高まるという事実を突き止めたからである(後述の実施例参照)。鉄粉(A)と触媒粉(B)を離した場合の方が優れているのは、鉄粉表面で発生した水素を触媒粉(B)の表面まで移動させたときの方が、より効率的な脱塩素反応を引き起こす為であり、反応速度の遅い脱塩素反応は、水素吸蔵能を有する前記触媒粉(B)の存在下で反応効率が高められているためであると推察される。
ところで鉄粉(A)から発生した水素を触媒粉(B)に供給するときの水素ロスを小さくすることが処理効率を高める上で重要である。水素ロスを防止する為には、鉄粉(A)と触媒粉(B)の距離を適切に設定する必要があることは上述したような本発明の機構から理解できるとしても、その定量的な条件設定は容易ではない。処理効率は、鉄粉(A)の量及び粒度、触媒粉(B)の量及び粒度などの影響も受け、これらの点についても考慮する必要があるからである。
そこでまず本発明者らは一粒の鉄粉(A)に着目し、(i)該一粒の鉄粉(A)が分担する土壌と同体積の球(以下、単位土壌球と称する)の表面積が大きくなるほど水素ロスが大きくなって処理効率が低下するはずであると考え、(ii)この単位土壌球の表面積に比べて、単位土壌球内に含まれる触媒粉(B)の割合が大きくなるほど水素ロスが小さくなって処理効率が向上するはずであると考え、単位土壌球の表面積を、該単位土壌球に含まれる触媒粉(B)[金属粉体(B1)、担持粉体(B2)]の個数で除した値(以下、水素通過可能面積と称する)を指標とすればよいと考えた。水素通過可能面積は、下記式(1)で表される。
水素通過可能面積=4πRA 2/{(VA/VB1)+(VA/VB2)} …(1)
[RA:単位土壌球の半径(m)
A:鉄粉A一粒が分担する土壌の体積(単位土壌球の体積)(m3
B1:金属粉体B1一粒が分担する土壌の体積(m3
B2:担持粉体B2一粒が分担する土壌の体積(m3)]
なお前記単位土壌球の半径RAと体積VAとの間には、VA=(4/3)πRA 3の関係があるから、半径RAは下記式(2)で表される。
A={3VA/(4π)}1/3 …(2)
そして上記指標「水素通過可能面積」は、鉄粉(A)や触媒粉(B)の量、粒度などと関連づけられるのである。すなわち土壌(見かけ密度d)100質量部(例えば100トン)に対して、鉄粉A(密度ρA、粒径DA)をx質量部(xトン)、金属粉体B1(密度ρB1、粒径DB1)をyB1質量部(yB1トン)、担持粉体B2(見かけ密度ρ)をyB2質量部(yB2トン)を混合した系を想定する。鉄粉A全体の体積はx/ρAで表され、鉄粉A一粒当たりの体積は(4/3)π×(DA/2)3=πDA 3/6で表されるところ、鉄粉Aの個数は[鉄粉A全体の体積]/[鉄粉一粒当たりの体積]から算出され、(x/ρA)/(πDA 3/6)となる。従って鉄粉A一粒当たりが分担する土壌の体積VAは、[土壌全体の体積(すなわち100/d)]/[鉄粉Aの個数]で表され、下記式(3)の通りとなる。同様に金属粉体B1一粒当たりが分担する土壌の体積VB1、及び担持粉体B2一粒当たりが分担する土壌の体積VB2は、それぞれ、下記式(4)及び(5)の通りとなる。
A=(100/d)/{(x/ρA)/(πDA 3/6)} …(3)
B1=(100/d)/{(yB1/ρB1)/(πDB1 3/6)} …(4)
B2=(100/d)/{(yB2/ρB2)/(πDB2 3/6)} …(5)
[d:土壌の見かけ密度(トン/m3
x:土壌100トン当たりの鉄粉Aの量(トン)
ρA:鉄粉Aの密度(トン/m3
A:鉄粉Aの粒径(m)
B1:土壌100トン当たりの金属粉体B1の量(トン)
ρB1:金属粉体B1の密度(トン/m3
B1:金属粉体B1の粒径(m)
B2:土壌100トン当たりの担持粉体B2の量(トン)
ρB2:担持粉体B2の見かけ密度(トン/m3
B2:担持粉体B2の粒径(m)]
これら式(3)〜(5)及び上述した式(2)から明らかなように、前記水素通過可能面積[式(1)]は、鉄粉(A)や触媒粉(B)の量、粒度などと関連づけられているのである。
なお土壌の見かけ密度d、鉄粉Aの密度ρA、金属粉体B1の密度ρB1、及び担持粉体B2の見かけ密度ρB2は直接測定できる。一方、鉄粉Aの直径DA及び金属粉体B1の直径DB1は、BET比表面積から求めることができる。例えば鉄粉Aの比表面積σA(単位質量当たりの表面積)は、下記式(6)で表される。
σA=表面積/質量=sA×nA/(vA×ρA×nA)=sA/(vA×ρA) …(6)
[σA:鉄粉AのBET比表面積(m2/トン)
A:鉄粉A一粒の表面積(m2
A:鉄粉A一粒の体積(m3
A:鉄粉Aの個数
ρA:鉄粉Aの密度(トン/m3)]
ここで鉄粉A一粒の体積vA及び表面積sAと粒径DAとの間には、vA=(4/3)π(DA/2)3=πDA 3/6、及びsA=4π(DA/2)2=πDA 2の関係があり、これらを上記式(6)に代入して整理すると、下記式(7)となる。
A=6/(ρAσA) …(7)
[DA:鉄粉Aの粒径(m)
ρA:鉄粉Aの密度(トン/m3
σA:鉄粉AのBET比表面積(m2/トン)]
同様に金属粉体B1の直径DB1は、下記式(8)で表される。
B1=6/(ρB1σB1) …(8)
[DB1:金属粉体B1の粒径(m)
ρB1:金属粉体B1の密度(トン/m3
σB1:金属粉体B1のBET比表面積(m2/トン)]
従って鉄粉A及び金属粉体B1については、密度及びBET比表面積を測定すれば、粒径を算出できる。一方、担持粉体(B2)については比表面積から平均粒径を求めることができないが、レーザー回折法による粒度分布測定装置[例えば、(株)島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置]を用いれば、平均粒径DB2(単位:m)を直接求めることができる。
そこで種々の有機塩素化合物除去剤について、土壌の特性[密度d(トン/m3)]、鉄粉Aの特性[密度ρA(トン/m3)、BET比表面積σA(m2/トン)]、金属粉体B1の特性[密度ρB1(トン/m3)、BET比表面積σB1(m2/トン)]、担持粉体B2の特性[粒径DB1(m2)]、並びにそれぞれの配合量x、yB1、yB2を代えて、上記水素通過可能面積の影響を調べたところ、水素通過可能面積が10-152以上10-72以下となる範囲で、最も処理効率が高くなることが判明した。水素通過可能面積が大きすぎると、水素が効率的に触媒粉(B)に供給することができずに脱塩素反応が充分に進まず、逆に水素通過可能面積が小さすぎると、脱塩素反応の効率は充分であるものの、鉄粉(A)及び触媒粉(B)の添加効果が飽和し、また鉄粉(A)や触媒粉(B)の粒度をこれ以上小さくしても表面酸化の影響などによって反応活性がかえって損なわれるためであると思料される。
以上より、下記式(9)で算出される水素通過可能面積の対数(K)を指標とし、土壌の特性[密度d(トン/m3)]、鉄粉Aの特性[密度ρA(トン/m3)、BET比表面積σA(m2/トン)]、金属粉体B1の特性[密度ρB1(トン/m3)、BET比表面積σB1(m2/トン)]、担持粉体B2の特性[粒径DB1(m2)]に応じて、下記指標Kが7〜15となるように配合量x、yB1、yB2を決定すれば、効率よく分解反応を進行させることができる。
K=−log10[4πRA 2/{(VA/VB1)+(VA/VB2)}] …(9)
なお鉄粉(A)一粒が分担する単位土壌球内の触媒粉(B)の個数が少なくなるほど、他の要件が変化しない限り、指標Kも小さくなることから、この指標Kは鉄粉(A)と触媒粉(B)の距離を表しているともいえる。従って該指標Kを鉄粉(A)と触媒粉(B)の離間指標Kと称する場合がある。
また汚染された領域が広範囲におよぶ場合は、地下水の流れを勘案して適切な箇所に有機塩素化合物除去剤を埋設することが、埋設領域を減らすことにつながり低コスト化のポイントとなる。また必要最小限の除去剤で効果をあげられるように汚染地中の処理領域を選定した場合でも、有機塩素化合物除去剤コストの中に占める水素化触媒金属のコストが大きいので、使用する水素化触媒金属の量をさらに減らすことが望ましく、有機塩素化合物除去剤の埋設方法のさらなる改良が望まれる。
すなわち本発明者らが提案する反応機構によれば、鉄粉から発生した水素を利用して水素化触媒[粉(B)]で有機塩素化合物を分解しているため、触媒粉(B)を水素と効率よく接触するような埋設法を採用することが低コスト化の点で重要となる。例えば有機塩素化合物除去剤として、鉄粉(A)と触媒粉(B)とからなる混合粉(C)を使用する場合、さらなる水素発生源としての別の鉄粉(A’)を使用し、この別の鉄粉(A’)からの水素が混合粉(C)に向けて移動するような位置関係となるように、鉄粉(A’)と混合粉(C)を埋設することが推奨される。また鉄粉(A)と触媒粉(B)とを未混合のままで使用する場合には、鉄粉(A)からの水素が触媒粉(B)に向けて移動するような位置関係となるように、鉄粉(A)と触媒粉(B)を埋設することが推奨される。
より具体的には、別の鉄粉(A’)と混合粉(C)(有機塩素化合物除去剤)とを併用する場合、図1又は図2に示すように、地下水が流れる領域の一部を上下方向に複数層(図1では層No.1及び層No.2の2層、図2では層No.1〜4の4層)に区分し、該区分層のうち上から第2層目以下の層では少なくとも1層(図1では層No.2の1層、図2では層No.2及び4の2層)で、土壌100質量部に対して別の鉄粉(A’)を1〜50質量部を混合し、該鉄粉層よりも上の層では少なくとも1層(図1では層No.1の1層、図2では層No.1及び3の2層)で、土壌100質量部に対して有機塩素化合物除去剤[混合粉(C)]を1〜50質量部混合することが推奨される。
なお別の鉄粉(A’)や有機塩素化合物除去剤[混合粉(C)]を埋設する層は、互いに接している必要はないが、除去効率を高めるにはこれらの層は接近している方が望ましく、特に接していることが推奨される。また図2に示すように、鉄粉(A’)の埋設層と有機塩素化合物除去剤[混合粉(C)]の埋設層とが交互に形成されているのが、除去効率がさらに高まる点で望ましい。
一方、鉄粉(A)と粉(B)とを未混合のままで使用する場合には、上述した別の鉄粉(A’)の埋設層に鉄粉(A)を埋設し、上述した混合粉(C)の埋設層に粉(B)を埋設すればよい。
また本発明の有機塩素化合物除去剤は、原位置処理での利用に限られず、例えばカラムに充填し、このカラムに汚染地下水を流すことで有機塩素化合物を除去してもよい。なおカラムに充填する場合でも、鉄粉(A)と粉(B)の混合粉(C)をそのまま使用してもよいが、原位置処理の場合と同様に、別の鉄粉(A’)と併用することとし、混合粉(C)の下側に別の鉄粉(A’)が位置するようにこれらを充填してもよく、混合粉(C)と別の鉄粉(A’)とを交互に充填してもよい。また鉄粉(A)と粉(B)とを未混合のままで使用する場合には、粉(B)の下側に鉄粉(A)が位置するようにこれらを充填してもよく、粉(B)と鉄粉(A)とを交互に充填してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実験例1
下記表1〜4に示すように、種々の鉄粉(A)と、種々の金属粉体(B1)とを種々の割合で混合し、有機塩素化合物除去剤[混合粉(C)]を調製した。
得られた有機塩素化合物除去剤の性能を以下のようにして評価した。すなわち窒素曝気により溶存酸素を除去して、嫌気状態とした超純水に、濃度10mg/Lとなるように有機塩素化合物としてのトリクロロエチレン(以下、TCEと記載)を添加してモデル汚染地下水を調製した。バイアル瓶(容量125ml)に添加量が100g/Lとなるように有機塩素化合物除去剤を入れ、次いで前記モデル汚染地下水を溢れるまで入れた後、空気が入らないように密栓した。常温下でバイアル瓶内の除去剤が上下左右に十分に動くように攪拌させた。所定時間攪拌した後の溶液中のTCE濃度を分析し、除去率を求めた。
結果を表1〜3に示す。また表1の結果を図3に示す。
Figure 0004377657
Figure 0004377657
Figure 0004377657
表1及び図3から明らかなように、鉄粉とNi粉(2%)の混合粉(No.1)は、鉄とNiの合金粉(Ni:2%)(No.2)に比べて、著しくTCE除去効率に優れている。このことから局部電池機構によるTCE除去よりも、本発明者の想定する水素を利用した機構によるTCE除去の方が優れていることが判る。なお反応の前後で鉄粉の酸化挙動を調べたところ、下記表4に示す通りであった。下記表4に示すように、鉄とNiの合金粉は、鉄とNiの混合粉に比べて、TCE分解実験中の鉄粉表面の酸化が起こりにくくなっていた。このことは混合粉の方が合金粉よりも性能が高いことを裏付けている。
また表2から明らかなように、金属粉体(B1)は水素化触媒金属(Feを除く8族元素;表2の例ではPd、Rh、Ru)であることが重要である。
なお表3のNo.14の例では鉄粉のBET比表面積が小さすぎるため、No.15〜16の例では鉄粉の酸素含有量が多すぎるため、No.17の例では金属粉体(B1)の配合比が小さすぎるため、No.18の例では金属粉体(B1)のBET比表面積が小さすぎるため、TCE除去効率が低下しているが、図3から推察されるように、同条件における合金粉(局部電池機構)に比べればTCE除去効率は優れている。しかも最適な条件、すなわちNo.10〜13に示される範囲にすれば、TCE除去効率を十分に高めることができるのである。
Figure 0004377657
実験例2
金属粉体(B1)に代えて種々の担持粉体(B2)を使用する以外は、実験例1と同様にした。結果を表5に示す。
Figure 0004377657
表5から明らかなように、担持粉体(B2)を用いれば、金属粉体(B1)よりも水素化触媒金属の使用量を減らすことができる。
実験例3〜6
モデル土壌としての4号珪砂に、上記No.1の有機塩素化合物除去剤(鉄粉A及び金属粉体B1)を、有機塩素化合物除去剤/土壌=100g/1kgの割合で混合した(土壌A)。
モデル土壌としての4号珪砂に、鉄粉A’(上記No.1の鉄粉Aと同特性の鉄粉)を、鉄粉/土壌=100g/1kgの割合で混合した(土壌B)。
TCE濃度を1mg/Lにする以外は実験例1と同様にしてモデル汚染水を調製した。
実験例3では、ガラスカラム(直径30mm;以下、同様)に充填厚み40cmで土壌Aを充填した(すなわち土壌Aの単一層となっている)。実験例4ではガラスカラムに充填厚み40cmで土壌Bを充填した(すなわち土壌Bの単一層となっている)。実験例5ではガラスカラムの底から20cmまで土壌Bを充填し、その上に土壌Aを20cm充填した(すなわち土壌B/土壌Aの2層となっている)。実験例6ではガラスカラムの底から7cmまで土壌Bを充填し、その上に土壌Aを3cm充填し、これをさらに3回繰り返して充填厚みを40cmとした(すなわち土壌B/土壌A/土壌B/土壌A/土壌B/土壌A/土壌B/土壌Aの8層となっている)。
各ガラスカラムにモデル汚染水を通水(流速:40ml/hr、接触時間:7hr)し、カラム出口でのTCE濃度を測定し、下記式に基づいてTCE除去率の経時変化を調べた。
TCE除去率=[1−C/C0]×100
(式中、C0はカラム入口でのTCE濃度を示し、Cはカラム出口でのTCE濃度を示す)
結果を図4に示す。
図4から明らかなように、有機塩素化合物除去剤(鉄粉Aと金属粉体B1の混合物)を適用した実験例3及び5〜6は、鉄粉A’のみを適用した実験例4よりもTCE除去効率に優れている。特に鉄粉A’の上側に有機塩素化合物除去剤を適用した実験例5及び6は、有機塩素化合物除去剤を単独で使用した実験例3よりもTCE除去効率に優れている。
実験例7
種々の有機塩素化合物除去剤について、土壌の特性[密度d(トン/m3)]、鉄粉Aの特性[密度ρA(トン/m3)、BET比表面積σA(m2/トン)]、Ni粉体B1の特性[密度ρB1(トン/m3)、BET比表面積σB1(m2/トン)]、及びそれらの配合量x、yB1を代えて、離間指標K=−log10[4πRA 2/{(VA/VB1)+(VA/VB2)}]との関係を調べた。
結果を下記表6に示す。
Figure 0004377657
表6から明らかなように、離間指標Kが適切であれば、処理効率をより一層、高めることができる。
図1は本発明の有機塩素化合物除去剤の使用方法の一例を示す概念図である。 図2は本発明の有機塩素化合物除去剤の使用方法の他の例を示す概念図である。 図3は各種の有機塩素化合物除去剤の除去効率を示すグラフである。 図4は各種の有機塩素化合物除去剤を土壌と混合したときの除去効率を示すグラフである。

Claims (15)

  1. BET比表面積が0.010〜3m2/gである鉄粉(A)に、
    周期表第8族元素(Feを除く)から選択された少なくとも一種の金属の粉体(B1)及び/又は該金属を多孔質体に担持した粉体(B2)が、混合されている有機塩素化合物除去剤。
  2. 前記有機塩素化合物除去剤は、前記鉄粉(A)と、前記金属粉体(B1)とで構成されており、金属粉体(B1)は、鉄粉(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部である請求項1に記載の有機塩素化合物除去剤。
  3. 前記金属粉体(B1)は、BET比表面積が0.05〜4m2/gである請求項1又は2に記載の有機塩素化合物除去剤。
  4. 前記有機塩素化合物除去剤は、前記鉄粉(A)と、前記担持粉体(B2)とで構成されており、担持粉体(B2)は、鉄粉(A)100質量部に対して、0.0001〜10質量部である請求項1に記載の有機塩素化合物除去剤。
  5. 前記担持粉体(B2)は前記8族元素(Feを除く)を0.01〜30質量%含有している請求項1又は4に記載の有機塩素化合物除去剤。
  6. 前記担持粉体(B2)は、BET比表面積が4〜1000m2/gである請求項1及び4〜5のいずれかに記載の有機塩素化合物除去剤。
  7. 前記多孔質体は、アルミナ、ハイドロタルサイト、アロフェン、アルミノシリケート、ゼオライト、活性白土、雲母、シリカ、滑石、珪藻土、及び活性炭から選択された少なくとも一種である請求項1及び4〜6のいずれかに記載の有機塩素化合物除去剤。
  8. 前記粉体(B1、B2)は、Ni、Ru、Rh、Pd、及びPtから選択された少なくとも一種の金属で形成されるものである請求項1〜7のいずれかに記載の有機塩素化合物除去剤。
  9. 前記鉄粉は、酸素含有量が5質量%以下である請求項1〜8のいずれかに記載の有機塩素化合物除去剤。
  10. BET比表面積が0.010〜3m2/gである鉄粉(A)で構成される第1の粉集合体と、
    周期表第8族元素(Feを除く)から選択された少なくとも一種の金属の粉体(B1)及び/又は該金属を多孔質体に担持した粉体(B2)で構成される第2の粉集合体とで構成される有機塩素化合物除去剤。
  11. 土壌100質量部に対し、請求項1〜10のいずれかに記載された有機塩素化合物除去剤1〜50質量部を混合したものを、地下水と接触させることによって地下水及び/又は土壌に含まれる有機塩素化合物を分解除去する方法。
  12. 下記式で表される鉄粉(A)と粉体(B1,B2)の離間指標Kが7〜15となるように、有機塩素化合物除去剤と土壌とを混合する請求項11に記載の方法。
    K=−log10[4πRA 2/{(VA/VB1)+(VA/VB2)}]
    [式中、RA、VA、VB1、VB2の意味は以下の通り。
    A:鉄粉(A)一粒が分担する土壌を球とみなしたときの半径(m)
    A:鉄粉(A)一粒が分担する土壌の体積(m3
    B1:金属粉体(B1)一粒が分担する土壌の体積(m3
    B2:担持粉体(B2)一粒が分担する土壌の体積(m3
    なお前記RAは、下記式によって求まる。
    A={3VA/(4π)}1/3
    ここで前記VA、VB1、及びVB2は、下記式から算出される。
    A=(100/d)/{(x/ρA)/(πDA 3/6)}
    B1=(100/d)/{(yB1/ρB1)/(πDB1 3/6)}
    B2=(100/d)/{(yB2/ρB2)/(πDB2 3/6)}
    ただし
    d:土壌の見かけ密度(トン/m3
    x:土壌100トン当たりの鉄粉(A)の量(トン)
    ρA:鉄粉(A)の密度(トン/m3
    A:鉄粉(A)の粒径(m)
    B1:土壌100トン当たりの金属粉体(B1)の量(トン)
    ρB1:金属粉体(B1)の密度(トン/m3
    B1:金属粉体(B1)の粒径(m)
    B2:土壌100トン当たりの担持粉体(B2)の量(トン)
    ρB2:担持粉体(B2)の見かけ密度(トン/m3
    B2:担持粉体(B2)の粒径(m)
    ここで前記d、ρA、ρB1、及びρB2は土壌及び各粉体を直接測定することによって求まるものであり、DB2は担持粉体B2の粒径をレーザー回折式粒度分布測定装置で測定することによって直接求まるものである。またDA及びDB1は、対応する粉体のBET比表面積を測定し、下記式によって求まるものである。x、yB1、yB2は指標Kが7〜15となるように調製されるものである。
    A=6/(ρAσA
    B1=6/(ρB1σB1
    ただし
    σA:鉄粉(A)のBET比表面積(m2/トン)
    σB1:金属粉体(B1)のBET比表面積(m2/トン)
  13. 地下水が流れる有機塩素化合物で汚染された土壌を原位置で処理するに際して、地下水が流れる領域の一部を上下方向に複数層に区分し、
    該区分層のうち上から第2層目以下の層では少なくとも1層で、土壌100質量部に対して鉄粉を1〜50質量部を混合し、
    該鉄粉層よりも上の層では少なくとも1層で、土壌100質量部に対して請求項1〜8のいずれかに記載された有機塩素化合物除去剤を1〜50質量部混合することを特徴とする地下水及び/又は土壌に含まれる有機塩素化合物を分解除去する方法。
  14. 土壌100質量部に対して鉄粉を1〜50質量部を混合した層と、
    土壌100質量部に対して請求項1〜8のいずれかに記載された有機塩素化合物除去剤を1〜50質量部混合した層とを
    交互に形成していく請求項13に記載の地下水及び/又は土壌に含まれる有機塩素化合物を分解除去する方法。
  15. 地下水が流れる有機塩素化合物で汚染された土壌を原位置で処理するに際して、地下水が流れる領域の一部を上下方向に複数層に区分し、
    該区分層のうち上から第2層目以下の層では少なくとも1層で、請求項10に記載されている第1の粉集合体を使用し、
    該鉄粉層よりも上の層では少なくとも1層で、請求項10に記載されている第2の粉集合体を使用することを特徴とする地下水及び/又は土壌に含まれる有機塩素化合物を分解除去する方法。
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