JP3516613B2 - 汚染地下水の浄化法 - Google Patents
汚染地下水の浄化法Info
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Description
物等で汚染された地下水の浄化法に関する。
下水を通流させることによって,地下水中の有機ハロゲ
ン化合物等を分解しようとする地下水の原位置浄化法が
知られている。例えば特表平5−501520号公報や
特表平6−506631号公報には,反応壁に装填する
反応剤として,微粉状,切片状または繊維状の鉄,ある
いはこれらの鉄と活性炭の複合物の使用を開示してい
る。また,特公平2−49158号公報や特公平2−4
9798号公報には,金属鉄を用いた有機塩素系化合物
の分解に関して,その反応条件や反応促進法を開示して
いる。特開平8−257570号公報は,地下水路面ま
でピットを掘削し,このピットの底面に鉄粉層を設け,
この鉄粉層に地下水が通流するようにして有機塩素系化
合物や重金属類も一括除去する方法を開示している。
れた地下水を反応壁やピットに導いて鉄粉と接触させ,
有機ハロゲン化合物を分解して無害化する方法が知られ
ているが,その実施工となると簡単ではない。とくに,
地下水中の有機ハロゲン化合物が効率よく鉄粉で分解さ
れるように反応壁を構築することは簡単なことではな
く,大掛かりな工事と多量の反応剤を必要とする。
粉含有の反応壁を築き,この反応壁に地下水を通流させ
る地下水の原位置浄化法は,有機ハロゲン化合物で汚染
された地下水の浄化法として注目すべき方法であるが,
従来のものでは有機ハロゲン化合物の分解反応性が必ず
しも十分ではなく,このため,有機ハロゲン化合物と鉄
粉が接触する時間をできるだけ長くできるように(前記
の特表平5−501520号公報では,地下水が反応壁
中に1〜2日間滞留することを要すると記している),
大型の反応壁を構築することを要し,大掛かりな土木工
事が必要であり,また多量の鉄粉を必要とした。
06631号公報では鉄粉に加えて活性炭を併用するこ
とを提案し,これによると有機塩素系化合物の定常的な
分解が進行し,分解を促進できるとされているが,それ
でも,十分な浄化を行うには反応壁の構築に対して大掛
かりな土木工事を必要とし,多量の鉄粉と活性炭を要す
ることには変わりはない。
模な反応壁でも地下水を十分に浄化できる鉄粉利用の地
下水浄化法を確立し,地下水汚染の環境問題を低い経済
的負担で解決しようとするものである。
含有させる反応剤として,銅を含有した鉄粉を用いる
と,非常に効率よく有機ハロゲン化合物を分解できるこ
とを見い出した。すなわち,銅含有鉄粉は,銅を含有し
ない鉄粉に比べて地下水中の有機ハロゲン化合物の分解
能力が格段に高いことがわかった。
て鉄粉を用いた透水性の反応壁を地中に造成する汚染地
下水の浄化法において,該反応壁中に鉄粉を含む部分と
銅含有鉄粉を含む部分を形成し,地下水が銅含有鉄粉を
含む部分を通過したあとに鉄粉を含む部分を通過するよ
うに該反応壁を地中に造成することを特徴とする汚染地
下水の浄化法を提供する。ここで,反応壁は,透水性材
料中に銅含有鉄粉を0.1〜30重量%の量で含ませた
ものとし,地下水がこの反応壁内を通流するように地中
に造成すればよい。反応剤として鉄粉と銅含有鉄粉とを
併用する場合,透水性材料中に鉄粉を分散させた層と,
透水性材料中に銅含有鉄粉を分散させた層とからなる反
応壁とし,地下水流の流れ方向に対して前者の層を後者
の層の下流側に位置するようにして地中に造成するのが
よく,これによると,銅による二次汚染も防止できる。
そして,有機ハロゲン化合物の浄化が終了した時点で銅
を含む反応壁は掘削除去すればよい。
機ハロゲン化合物で汚染された地下水である。そのよう
な有機ハロゲン化合物としては,例えばジクロロメタ
ン,四塩化炭素,1,2-ジクロロエタン, 1,1-ジクロロエ
チレン, シス-1,2-ジクロロエチレン, 1,1,1-トリクロ
ロエタン, 1,1,2-トリクロロエタン, トリクロロエチレ
ン, テトラクロロエチレン, 1,3-ジクロロプロペン,ト
ランス-1,2-ジクロロエチレン,トリハロメタン類等があ
り,またPCBやダイオキシン等も挙げられる。
を対象として,本発明では原位置での浄化処理を行うこ
とを原則とし,その処理のための反応壁を地中に造成す
るものであり,地中反応壁に装填する反応剤として,銅
含有鉄粉を使用する点に特徴がある。とくに本発明によ
れば,金属鉄と金属銅が露出した表面をもつ銅含有鉄粒
子は,金属鉄粒子に比べると,水中の有機ハロゲン化合
物の分解作用が格段に優れることが明らかとなり,した
がって,銅含有鉄粉を用いた本発明法によると,有機ハ
ロゲン化合物で汚染された地下水を非常に効率よく浄化
することができる。
粉と接することができるように設置するが,それには,
汚染を受けている土壌深部の地下水の易透過層をカバー
するように,そして易透過層下方に位置する難透過層に
まで反応壁下縁が達するか,または埋設されるように該
反応壁を地中に設置するのがよく,また,反応壁の透水
係数が近隣の土質と比較して同じレベルか,若しくはそ
れより高くなるように透水性の良好な反応壁に構成する
のが好ましい。このため,例えば透水性の砂質材料等を
母材とし,この母材中に銅含有鉄粉を0.1〜30重量
%程度の範囲で分散させた反応壁を地中に造成するのが
よい。銅含有鉄粉が30重量%を超えると, 反応壁の他
の構成物質にもよるが反応壁の透水性が落ちるようにな
る。なお銅含有鉄粉を分散させるに際して目詰まりが生
ずるようなことはできるだけ避けるのがよく,このた
め,反応壁の他の構成材料(砂質等)に比べて極端に細
かい粒径の銅含有鉄粉は多量に使用しない方がよい。
り,有機ハロゲン化合物汚染エリア1が存在する汚染地
域における自然な地下水の流れの下流域に,その地下水
の流れを横切るように,透水性の反応壁2を施設する。
すなわち,汚染を受けている地域の地下水位3より更に
下位の難透過層4に至るまで反応壁2をほぼ垂直方向に
設置する。これにより,汚染エリア1から地下水中に混
入した有機ハロゲン化合物は,矢印で示すような地下水
の流れに乗って反応壁2内を通過し,そのさい,反応壁
2内の銅含有鉄粉と接して分解する(図中の符号Aは銅
含有鉄粉を含む部分を示している)。この地下水の流れ
を反応壁2の方向に導くために,矢板等による案内壁を
必要に応じて設けたり,また,反応壁2の背後(地下水
が反応壁を通過した側)に井戸を設けて地下水を汲み上
げ,その負背圧で汚染地域の地下水を反応壁2に流れ込
むようにすることも好ましい。もちろん,反応壁2内に
地下水が流れ込むように,周囲の土質と同等かこれより
も高い透水係数の反応壁とすることも肝要である。案内
壁は地中連壁であってもよい。
ともできるが,柱状のものを複数本連接させたり,間隔
を開けて(例えば平面的に見たときに円柱状の反応層を
千鳥状に配置する)たて込むなどの処法でもよく,この
ような柱状の埋設物の施設はボーリングマシーン等を利
用して行うことができる。したがって,本発明における
反応壁2は必ずしも連続壁である必要はなく,円柱状の
反応層が間隔を開けて複数個配置されたものも含む。い
ずれにしても,反応剤として銅含有鉄粉を使用する本発
明法の場合は,単に鉄粉を使用する場合に比べると,分
解反応効率が格段に良好であるので,反応壁の厚み等の
規模は半減若しくはそれ以下としても同等の効果をあげ
ることができる。
組合せて使用した反応壁2を用いた例を示し,そのほか
は図1で説明したとおりである。図2の例では,反応壁
2を銅含有鉄粉を含む部分Aと鉄粉を含む部分Bの複層
構造とし,反応壁内を流れる地下水の方向に対し,銅含
有鉄粉を含む部分Aを上流側,鉄粉を含む部分Bを下流
側として設置したものであり,これによると,反応壁2
を通過した地下水が銅で二次汚染されることが防止でき
る。
表面に銅が被着したもの,とりわけ,金属鉄と金属銅が
ともに露出するように鉄粒子の表面に銅が被着したもの
であるのが好ましく,このように両金属が露出している
場合に,金属鉄による有機ハロゲン化合物の分解反応
(脱ハロゲン反応,脱ハロゲン化水素反応など)が金属
銅によって著しく促進されるものと考えられる。このよ
うな銅含有鉄粉は,銅イオン含有液に鉄粉を添加するこ
とによって,例えば硫酸銅溶液に鉄粉を浸漬することに
よって得ることができる。また,鉄粉と銅粉を適度な応
力が作用するように乾式混合して,鉄粒子と銅粒子が接
合した複合粒子としてもよい。鉄粒子の全表面を覆うよ
うに銅被膜を形成した銅含有鉄粉の場合にも,銅被膜の
一部が消耗して(例えば使用中に消耗して)金属鉄と金
属銅がともに露出した粒子となるものでも,本発明では
銅含有鉄粉として使用可能である。いずれにしても,銅
含有鉄粉における銅含有量は,特に限定はされないが,
金属鉄中に金属銅が0.01〜20重量%程度であるの
がよい。
らに反応壁中に配合する場合には,その鉄粉としては,
0.1重量%以上のCを含有し且つ比表面積の大きい
(例えば比表面積が500cm2/g以上の海綿状の)
鉄粉であるのが好ましい。Cを含有した鉄粉はCを含有
しないものに比べて有機塩素系化合物の分解が良好とな
る。また,比表面積が大きい鉄粉であれば地下水との接
触面積がそれだけ大きくなるので反応性が良好となる。
粒径については,地中反応壁を構成する他の構成物質
(例えば砂質)に比べてあまり細かいとその隙間を埋め
て目詰りを起こすような状態となって透水性を悪くする
ようになり,逆にあまり粗いものでは表面積が小さくな
るので,適正な粒度のものを使用するのが好ましい。実
際には反応壁を構成する他の構成材料と同程度の粒径を
有するものが望ましい。銅含有鉄粉の粒径についても同
様のことが言い得る。いずれにしても,海綿状の粒子で
あれば,比較的粒径が大きくても,十分な表面積を確保
することができる。比表面積が500cm2/g以上の
海綿状の鉄粉または銅含有鉄粉は特殊な粉体であるが,
そのような特殊な粉体を使用するのが最も好ましい。
製造する場合の原料鉄粉として,前記の鉄粉,すなわち
0.1重量%以上のCを含有し且つ比表面積の大きい
(例えば比表面積が500cm2/g以上の海綿状の)
鉄粉であり,その粒度も前記のように適正に調整された
ものを使用することができる。このような比表面積が大
きい鉄粉に対して金属銅を被着させる場合には,例えば
前記のように硫酸銅溶液に浸漬してセメンテーション法
によって鉄粒子表面に金属銅を析出させると,金属銅が
鉄粒子の表面に析出し,金属鉄と金属銅が露出した表面
をもつ粒子が得られ,有機ハロゲン化合物の分解能の優
れた銅含有鉄粉とすることができる。
合する場合,両粉体はほぼ同じ粒度のものを使用し,砂
質等の反応壁母材中にこれらを各0.1〜30重量%づ
つ分散配合すればよい。その場合,両粉体を反応壁母材
中にほぼ均一に分散させることもできるが,前記のよう
に層分けして分散し,鉄粉含有層の方が地下水流れにつ
いて下流側に位置するように配置するのが好ましい。
粉や鉄粉による有機ハロゲン化合物の分解反応は還元的
に行われることから,例えば亜硫酸水素ナトリウム,二
亜硫酸ナトリウム,ビロ硫酸ナトリウム等の水に溶ける
と弱酸性を示す還元性物質を反応壁中に配合しておく
と,このような還元性物質の共存によって,銅含有鉄粉
による還元反応を一層促進させることができる。とくに
このような還元性物質は反応壁中の地表に近い側ほど濃
度を高くして配合しておくのが好ましく,これにより,
反応壁中への酸素の拡散を防止することができる。
的であると,反応壁内の特に上流側に存在する銅含有鉄
粉や鉄粉表面に酸化被膜が形成し,それより下流側に位
置する金属表面が露出した金属体の割合が相対的に減少
して,この露出表面をもつ金属体の減少によって地下水
を浄化するに必要な時間が増大する恐れがある。したが
って,反応壁に流入する地下水が特別な事情により酸化
的であることが予想される場合には(通常の地下水は還
元的である),還元的に調整することが望ましい。その
方法としては,地下水域の上流で微生物処理を施す,窒
素ガス等の気体や金属体を地中に注入する等の方法を採
用すればよい。一般に反応壁に流入する地下水の電位が
カロメル電極で0mV以下,望ましくは−100mV以
下の還元的であるのが好ましく,これ以上の電位である
場合には,前記のような方法により,還元的に調整する
のがよい。
ず,浄化対象の土壌や地下水の有機ハロゲン化合物の種
類,濃度,汚染範囲等を確認することが肝要である。す
なわち,土質(土壌粒子の粒径,空隙率,コーン指
数),含水量,汚染の平面的・深さ的な範囲,地下水
位,地下水の流水量・速度,汚染物質の種類・濃度等を
調査し,その調査結果をもとに,当該対象エリアにおい
て,最も効率的となるように反応壁の設計を行うことが
望ましく,実際の工事にあたっては,矢板等の施工,バ
ックホウ等の重機による掘削,軟弱地盤の改良工法とし
て知られるボーリングマシンを用いる方法などで反応壁
を施工すればよい。
ン化合物を銅含有鉄粉や鉄粉により効率よく分解させる
ことができ,有機ハロゲン化合物は無害な物質に脱ハロ
ゲンまたは脱ハロゲン化水素される。
施するために,(1) 反応壁の上部より弱酸性の還元性物
質の水溶液を散水する,(2) 反応壁中にほぼ等間隔に電
極を設置して反応壁に通電する,(3) 発熱体を反応壁内
に設置して反応壁に熱を付与する,ことも有益であり,
このような手段を必要に応じて採用することにより,反
応壁内の銅含有鉄粉や鉄粉の反応性を高めることができ
る。
地下水中の有機ハロゲン化合物の分解が進行して地下水
を浄化できることはもとより,地下水中の重金属類も反
応壁中の銅含有鉄粉および鉄粉により,還元・吸着・共
沈等の作用で併せて浄化できる。したがって,有機ハロ
ゲン化合物および/または重金属類で汚染された地下水
の浄化に対して本発明法は有益である。
粉よりも有機ハロゲン化合物を効率よく分解し無害化で
きることを示す。
装填した円筒状容器6を反応壁に見立て,これに有機ハ
ロゲン化合物を含有した水を通し,処理前後の有機ハロ
ゲン化合物濃度を測定して,その効果を調べた。
m×長さ25cmのものを使用し,その中に,砂質土壌
と反応剤(鉄粉または銅含有鉄粉)の混合物を充填し
た。砂質土壌:反応剤の混合比は,いずれの試験でも重
量比で9:1とした。
鉄粉工業株式会社製商品名E−200の鉄粉に金属銅を
2重量%被着させたものと,20重量%被着させたもの
の二種類を用意した。該鉄粉への金属銅の被着は,濃度
が50g/リットルの硫酸銅水溶液に該鉄粉を添加する
方法によって行ない,金属銅が析出したものをその液か
ら吸引ろ過装置で回収したあと,真空乾燥した。該商品
名E−200の鉄粉は炭素含有量0.2重量%,比表面
積が2000cm2/gである。また,比較のために反
応剤として該鉄粉のみを使用した場合も試験に供した。
処理水8を入れ,これを該容器6に通じたあと,処理水
9を分析に供した。被処理水8は,窒素で曝気した工業
用水にトリクロロエチレンまたはシス−1,2ジクロロエ
チレンを所定の濃度で含有させた人工液とし,これを,
容器6内での滞留時間が2時間となるように流量調節計
10で流量調節して容器6内を通過させた。被処理水の
液温はいずれの試験でも19〜20℃に維持した。ま
た,カロメル電極を用いて測定した,被処理水の酸化還
元電位(ORP)は約−100mV,pHは8.0〜9.
0である。
種,すなわち, No.1:前記の鉄粉(E−200)のみ, No.2:銅含有量2重量%の銅含有鉄粉, No.3:銅含有量20重量%の銅含有鉄粉 を使用した場合について,被処理水としてトリクロロエ
チレン含有水を適用した場合の試験結果(濃度単位:μ
g/L)を表1に,また被処理水としてシス−1,2ジク
ロロエチレン含有水を適用した場合の試験結果(濃度単
位:μg/L)を表2に示した。
反応剤を使用したNo.1のトリクロロエチレン(TC
E)分解率は87.3%であったのに対し,2%Cuお
よび20%Cu含有鉄粉を反応剤としたNo.2および3
のTCE分解率はほぼ100%に達した。なお,環境庁
平成9年3月告示第10号による地下水の水質汚濁に係
る環境基準ではTCE:0.03mg/Lとされてい
る。表1の結果は高濃度TCE汚染水でも,この基準を
十分に達成可能であることを示している。
エチレン(シスDCE)に対してもNo.2および3の銅
含有鉄粉は鉄粉よりも格段に優れた分解能を示すことが
わかる。なお,表2の浄化達成時間については,表示の
シスDCEの分解率は容器6内での滞留時間が2時間と
なるように被処理液を通過させた場合のものであるとこ
ろ,この分解率が同じ割合で続くものと仮定して,完全
浄化するには容器6内での滞留時間を何時間とすればよ
いか,を計算で求めたものである。この計算値からわか
るように,鉄粉のみのNo.1に比べ,2%CuのNo.2
の銅含有鉄粉では約1/3の時間,また20%CuのN
o.3の銅含有鉄粉では約1/6の時間で浄化が達成でき
る。なお,環境庁平成9年3月告示第10号による地下
水の水質汚濁に係る環境基準ではシスDCE:0.04
mg/Lとされている。
いて,被処理液のCu濃度の分析も併せて行なったとこ
ろ,容器6への入側Cu濃度は0.01ppmで,容器
6通過後のCu濃度はNo.1では0.01ppm未満と
なったが, No.2とNo.3では0.03ppmと0.04
ppmとなり,銅含有鉄粉を反応剤とした場合には若干
の銅の溶出が認められた。そこで,図4のように,容器
6の下流側にさらに同じ容器11を接続し,この容器1
1内に砂質土壌と鉄粉を重量比で9.5:0.5の割合で
混合して装填し,上流側の容器6には実施例1のNo.2
およびNo.3と同一のものを装填して実施例1と同じ条
件で溶出した銅イオンの除去を行なった。その結果を表
3に示した。
あとの若干の銅を含む処理水は,容器11を通過すると
ほぼ完全に銅が除去されている。すなわち,容器11の
鉄粉に銅が析出被着したものと見てよい。したがって,
銅含有鉄粉を上流側反応剤,鉄粉を下流側反応剤として
使用すると,銅の溶出の問題なく有機ハロゲン化合物の
分解が行なえる。
有機ハロゲン化合物で汚染された地下水を効率よく浄化
処理できる。このため,反応壁の規模を小さくし且つ反
応剤の使用量を少なくしても良好な浄化が達成できるの
で汚染地下水を経済的に浄化できる。
地域の概略断面図である。
汚染地域の概略断面図である。
略断面図である。
めの略断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 反応剤として鉄粉を用いた透水性の反応
壁を地中に造成する汚染地下水の浄化法において,該反
応壁中に鉄粉を含む部分と銅含有鉄粉を含む部分を形成
し,地下水が銅含有鉄粉を含む部分を通過したあとに鉄
粉を含む部分を通過するように該反応壁を地中に造成す
ることを特徴とする汚染地下水の浄化法。 - 【請求項2】 反応壁は,透水性材料中に鉄粉を分散さ
せた層と,透水性材料中に銅含有鉄粉を分散させた層と
からなり,地下水流の流れ方向に対して前者の層を後者
の層の下流側に位置させて地下水が該壁内を通流するよ
うに地中に造成される請求項1に記載の汚染地下水の浄
化法。 - 【請求項3】 銅含有鉄粉は,0.1重量%以上のCを
含有した鉄粉に対し0.01〜20重量%の銅を被着さ
せたものである請求項1または2に記載の汚染地下水の
浄化法。 - 【請求項4】 銅含有鉄粉は,0.1重量%以上のCを
含有し且つ比表面積が500cm2/g以上の海綿状の
鉄粉に対し0.01〜20重量%の銅を被着させたもの
であり,その粒子は鉄の露出面と銅の露出面を有してい
る請求項1または2に記載の汚染地下水の浄化法。 - 【請求項5】 鉄粉は,0.1重量%以上のCを含有し
且つ比表面積が500cm2/g以上の海綿状の鉄粉で
ある請求項1ないし4のいずれかに記載の汚染地下水の
浄化法。
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JP18746599A Expired - Lifetime JP3516613B2 (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | 汚染地下水の浄化法 |
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- 1999-07-01 JP JP18746599A patent/JP3516613B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Title |
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先崎哲夫,還元処理による有機塩素化合物の処理(第3報),工業用水,日本,社団法人日本工業用水協会,1991年 4月20日,第391号,pp.29−35 |
木村利宗,鉄粉法による排水中の重金属などの有害物質の処理,PPM,日本,(株)日本工業新聞社出版局,1982年 9月 1日,Vol.13 No.9,pp.47−56 |
Also Published As
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