JP4637573B2 - 4−アルキル−2−ハロアニリン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

[発明の背景]
発明の分野
本発明は、4−アルキル−2−ハロアニリン誘導体およびその製造方法に関する。4−アルキル−2−ハロアニリン誘導体は、医薬、もしくは農薬として有用な化合物の合成中間体である。
関連技術
アニリン誘導体に対するフリーデルクラフトのアルキル化反応は、一般的に、触媒として使用するプロトン酸やルイス酸が、アニリン誘導体のアミノ基と塩または配位結合を形成して、芳香環上の電子密度が低くなるので、反応が進行し難いことが知られていた。特に、2−ハロアニリン誘導体のアルキル化においては、芳香環上のアミノ基に対してオルト位にあるハロゲン原子の電子求引性の置換基効果によって、アルキル化反応が極めて進行し難いことが知られている。
このような問題を解決するため、2つの方法が知られている。
一つは、2−ハロアニリン誘導体のアミノ基を、アセチル基などの保護基を用いて保護することによって、アミノ基のプロトン酸やルイス酸との塩結合能もしくは錯体結合能を低下させた後、フリーデルクラフトのアルキル化反応を行う方法である。しかしながら、この方法によって位置選択性を格段に高めて生成物が得られた例は、本発明者らの知る限り報告されていない。
もう一つは、特開昭58−944号公報に開示されている方法である。この方法は、2−ハロアニリン誘導体を175℃〜250℃の高温下、5〜50気圧の圧力をかけて、密閉容器内においてアルキル化反応を行う方法である。これにより、パラ位またはオルト位にアルキル基が導入された誘導体を選択的に得ることができる。
しかしながら、この方法は、アルキル化反応を、酸性条件下で、かつ高温高圧条件下において行う必要がある。このため、反応を実施する際には、耐圧性でかつ耐酸性の密閉容器が必要となる。このことは、工業的規模での取り扱い性の観点からは不利である。また、このような反応条件のため、使用できる基質が熱安定性の高い化合物に限定されてしまう問題もあった。さらに、近年注目されているStillカップリングや鈴木カップリングなどのような芳香環カップリング反応においては、通常、熱安定性が低い芳香族ヨウ素化合物が用いられる。このため、このようなヨウ素化合物に、高温条件を必要とする特開昭58−944号公報に記載の方法を適用することは困難であった。
したがって、過酷な反応条件を必要としない温和な反応条件による合成法が望まれていた。
一方、例えば、国際公開WO01/92231号公報には、イネいもち病に対して優れた防除活性を有する化合物群として、6−t−ブチル−8−フルオロキノリン誘導体が開示される。4−アルキル−2−ハロアニリン誘導体は、このような医薬もしくは農薬の中間体として使用することができる。4−アルキル−2−ハロアニリン誘導体をこのような用途に使用する目的で合成する場合、最終製品の品質、生産性の観点から、4−アルキル−2−ハロアニリン誘導体は、位置選択性の高いアルキル化反応によって得られたものであることが望ましい。
[発明の概要]
本発明者らは今般、2−ハロアニリン誘導体の芳香環に直接結合しているアミノ基をアルキルオキシカルボニル基などのカルバメート型の保護基を用いて予め保護した後、フリーデルクラフトのアルキル化反応を行うことによって、従来の方法に比べて温和な反応条件で、2−ハロアニリン誘導体のアルキル化を行うことができることを見出した。またこの場合、アルキル化反応が高い位置選択性を有すること、すなわち、2−ハロアニリン誘導体の芳香環の4位を、高い選択性をもってアルキル化できることを見出した。さらに、このような反応を利用することによって、4−アルキル−2−ハロアニリン誘導体を合成中間体とする合成プロセスによって、イネいもち病防除に有用な6−t−ブチル−8−フルオロキノリン誘導体を得ることが可能であった。本発明はこれらの知見に基づくものである。
よって、本発明は、2−ハロアニリン誘導体をアルキル化することによる、4−アルキル−2−ハロアニリン誘導体の製造方法であって、従来法より温和な条件下において実施でき、かつ、従来法に比べてアミノ基に対するパラ位におけるアルキル化位置選択性に優れた方法を提供することをその目的とする。また本発明は、医薬、もしくは農薬として有用な化合物の合成中間体として有用な4−アルキル−2−ハロアニリン誘導体を得ることをその目的とする。
本発明による化合物は、下式(1)の化合物である:
Figure 0004637573
[式中、
は、分岐鎖C3〜C10アルキル基、または、
置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基を表し、
は、ハロゲン原子、
置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C8アルキル基、または、
置換されていてもよいC3〜C8シクロアルキル基を表し、
は、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C8アルキル基、
置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のC2〜C6アルケニル基、
または、
置換されていてもよいC3〜C8シクロアルキル基を表し、
nは、0〜3の整数を表し、かつ
Xは、ハロゲン原子を表す]。
本発明による式(1)の化合物の製造方法は、下式(2)の2−ハロアニリン誘導体と、アルキル化剤とを、酸触媒の存在下、有機溶媒または硫酸中において反応させて、前記誘導体の4位にR基[Rは前記式(1)の定義と同じである]を導入することによって、式(1)の化合物を得ることを含んでなる:
Figure 0004637573
[式中、
、R、n、Xは前記式(1)の定義と同じであり、ただしRは芳香環の4位に位置しない]。
本発明の化合物を合成中間体として使用することによって、医薬もしくは農薬、例えばイネいもち病防除剤として、有用な6−t−ブチル−8−フルオロキノリン誘導体を効率的に得ることができる。また本発明の方法によれば、2−ハロアニリン誘導体の芳香環上のアミノ基に対してパラ位(4位)の位置を、高度に選択的にアルキル化することができる。これにより4−アルキル−2−ハロアルキルオキシカルボニルアニリン誘導体が得られ、これを脱保護することによって、一般的に得るのが難しい4−アルキル−2−ハロアニリン誘導体を比較的容易かつ効率的に得ることができる。また、このような高度な位置選択性によって、生じ得る不都合な副生成物の量を減らして、工程全体の操作効率を改善することができ、工業的規模で実施することも可能となる。さらに、本発明による方法は、温和な反応条件で実施することができるので、熱安定性の低い2−ヨードアニリン誘導体などのような化合物のアルキル化においても適用可能である。
[発明の具体的説明]
式(1)の化合物
本明細書において、基または基の一部としての「アルキル基」という語は、特に定義されていない限り、基が直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基を意味する。また例えば「C1〜C8アルキル基」という場合の「C1〜C8」とは、該アルキル基の炭素数1〜8個であることを意味する。
「分岐鎖のC3〜C8アルキル基」は、好ましくは分岐鎖のC3〜C5アルキル基である。
「分岐鎖のC3〜C8アルキル基」の例としては、イソプロピル、i−ブチル、t−ブチル、t−アミル、i−ヘキシルなどが挙げられる。
「C1〜C8アルキル基」は、好ましくはC1〜C4アルキル基、より好ましくはC1〜C3アルキル基、さらに好ましくはC1〜C2アルキル基である。
「直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C8アルキル基」の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、t−アミル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどが挙げられる。
「C3〜C10シクロアルキル基」は、好ましくはC4〜C6シクロアルキル基であり、より好ましくはC5〜C6シクロアルキルである。
「C3〜C10シクロアルキル基」の例としては、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
「C3〜C8シクロアルキル基」は、好ましくはC4〜C6シクロアルキル基であり、より好ましくはC5〜C6シクロアルキルである。
「C3〜C8シクロアルキル基」の例としては、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
「C2〜C6アルケニル基」は、好ましくはC2〜C4アルケニル基、より好ましくはC2〜C3アルケニル基である。
「直鎖もしくは分岐鎖のC2〜C6アルケニル基」の例としては、ビニル、イソプロペニル、i−ブテニルなどが挙げられる。
本明細書において、「ハロゲン原子」(ハライド)とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を意味する。
本明細書において、アルキル基が「置換されていてもよい」とは、アルキル基上の1またはそれ以上の水素原子が1またはそれ以上の置換基(同一または異なっていてもよい)により置換されていてもよいことを意味する。置換基の最大数はアルキル上の置換可能な水素原子の数に依存して決定できることは当業者に明らかであろう。これらはアルケニル基およびシクロアルキル基についても同様である。
またここで置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、エステル基、直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C4アルキル基、直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C4アルコキシ基、アリル基、ニトロフェニル基、およびC1〜C4アルキルスルホニル基からなる群より選択することができる。
ここで「エステル基」とは、炭素原子数1〜4個のエステル基をいい、例えば、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、ブタン酸エステル、イソブタン酸エステル、および、シクロプロピルカルボン酸エステルが挙げられる。
また「C1〜C4アルコキシ基」は、好ましくはC1〜C3アルコキシ基、より好ましくはC1〜C2アルコキシ基である。「C1〜C4アルコキシ基」の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシなどが挙げられる。
「C1〜C4アルキルスルホニル基」は、好ましくはC1〜C3アルキルスルホニル基、より好ましくはC1〜C2アルキルスルホニル基である。「C1〜C4アルキルスルホニル基」の例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、i−ブチルスルホニル、t−ブチルスルホニルなどが挙げられる。
は、好ましくは、分岐鎖C3〜C5アルキル基、または置換されていてもよいC3〜C6シクロアルキル基を表し、より好ましくは、イソプロピル、t−ブチル、t−アミル、または1−メチルシクロヘキシルを表し、さらに好ましくは、イソプロピル、t−ブチル、または1−メチルシクロヘキシルを表し、さらにより好ましくは、イソプロピル、またはt−ブチルを表す。
は、好ましくは、ハロゲン原子、または、直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C4アルキル基を表し、より好ましくは、ハロゲン原子、またはメチル基を表し、らに好ましくは、フッ素原子、またはメチル基を表す。
nは、好ましくは0〜2の整数を表し、より好ましくは0または1であり、さらに好ましくは0である。
本発明の別の好ましい態様によれば、式(1)において、nが1であるとき、Rは、フッ素原子、またはメチル基である。
nが1である場合、Rは、芳香環上においてアミノ基に対して、3位、5位または6位のいずれかの位置に存在することが好ましい。より好ましくは、nが1であって、Rがフッ素原子である場合、Rは芳香環上においてアミノ基に対して、3位、または6位のいずれかの位置に存在する。また、より好ましくは、nが1であって、Rがアルキル基である場合、Rは芳香環上においてアミノ基に対して、3位、または5位のいずれかの位置に存在する。
は、好ましくは、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C4アルキル基、ビニル基、イソプロペニル基、または、置換されていてもよいC5〜C6シクロアルキル基を表し、より好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、4−ニトロベンジル基、2−メチルスルホニルエチル基、ビニル基、または、イソプロペニル基を表し、さらに好ましくは、メチル基またはエチル基を表す。
Xは、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、または臭素原子を表し、より好ましくは、フッ素原子、または塩素原子を表し、さらに好ましくは、フッ素原子を表す。
本発明の好ましい態様によれば、式(1)において、
が、イソプロピル、t−ブチル、または1−メチルシクロヘキシルを表し、Rが、メチル基またはエチル基を表し、かつ
nが0を表す。
本発明のより好ましい態様によれば、式(1)において、
が、イソプロピル、またはt−ブチルを表し、
が、メチル基またはエチル基を表し、
nが0を表し、かつ
Xがフッ素原子を表す。
本発明のさらに好ましい態様によれば、式(1)において、
が、t−ブチルを表し、
が、メチル基またはエチル基を表し、
nが0を表し、かつ
Xがフッ素原子を表す。
式(1)の化合物の具体例としては、2−クロロ−4−イソプロピル−N−メトキシカルボニルアニリン、2−フルオロ−4−イソプロピル−N−メトキシカルボニルアニリン、2−ブロモ−4−イソプロピル−N−メトキシカルボニルアニリン、2−ヨード−4−イソプロピル−N−メトキシカルボニルアニリン、2−クロロ−4−イソプロピル−N−エトキシカルボニルアニリン、2−フルオロ−4−イソプロピル−N−エトキシカルボニルアニリン、2−ブロモ−4−イソプロピル−N−エトキシカルボニルアニリン、2−ヨード−4−イソプロピル−N−エトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2−クロロ−N−メトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン、2−ブロモ−4−t−ブチル−N−メトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2−ヨード−N−メトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2−クロロ−N−エトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2−フルオロ−N−エトキシカルボニルアニリン、2−ブロモ−4−t−ブチル−N−エトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2−ヨード−N−エトキシカルボニルアニリン、4−t−アミル−2−クロロ−N−メトキシカルボニルアニリン、4−t−アミル−2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン、4−t−アミル−2−ブロモ−N−メトキシカルボニルアニリン、4−t−アミル−2−ヨード−N−メトキシカルボニルアニリン、4−t−アミル−2−クロロ−N−エトキシカルボニルアニリン、4−t−アミル−2−フルオロ−N−エトキシカルボニルアニリン、4−t−アミル−2−ブロモ−N−エトキシカルボニルアニリン、4−t−アミル−2−ヨード−N−エトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2,6−ジフルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2,3−ジフルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2,6−ジフルオロ−N−エトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2,3−ジフルオロ−N−エトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2−フルオロ−3−メチル−N−メトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2−フルオロ−5−メチル−N−メトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2−フルオロ−3−メチル−N−エトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2−フルオロ−5−メチル−N−エトキシカルボニルアニリン、2−フルオロ−4−(1−メチルシクロヘキシル)−N−メトキシカルボニルアニリン、2−フルオロ−4−(1−メチルシクロヘキシル)−N−エトキシカルボニルアニリン、2−クロロ−4−(1−メチルシクロヘキシル)−N−メトキシカルボニルアニリン、2−クロロ−4−(1−メチルシクロヘキシル)−N−エトキシカルボニルアニリン、2−ブロモ−4−(1−メチルシクロヘキシル)−N−メトキシカルボニルアニリン、および、2−ブロモ−4−(1−メチルシクロヘキシル)−N−エトキシカルボニルアニリンなどが挙げられる。
式(1)の化合物の好ましい例としては、2−フルオロ−4−(1−メチルシクロヘキシル)−N−メトキシカルボニルアニリン、2−フルオロ−4−(1−メチルシクロヘキシル)−N−エトキシカルボニルアニリン、4−t−ブチル−2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン、および4−t−ブチル−2−フルオロ−N−エトキシカルボニルアニリンが挙げられる。
式(1)の化合物の製造
本発明による式(1)の化合物は、例えばスキーム1に従って製造できる。本発明による化合物の合成に必要な出発物質またはその原料は市販されているか、または常法によって容易に製造できる。
スキーム1:
Figure 0004637573
[上記スキーム中、
、R、R、n、Xは前記式(1)で定義したものと同じ意味を表し、
ただし、式(2)および式(4)においては、ただしRは芳香環の4位に位置しない]。
上記スキーム1を以下において順に具体的に説明する。
工程(a):
式(4)の化合物またはその塩のアミノ基を、塩基性の条件下において、クロロギ酸エステルClCOOR[式中Rは前記式(1)で定義したものと同じ意味を表す]を用いて保護することによって、式(2)の2−ハロアニリン誘導体を得ることができる。
ここで塩基性の条件下とするために使用される塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、モルホリン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。
原料となる式(4)の化合物の具体例としては、2−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、2−ヨードアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、2,3−ジフルオロアニリンおよびこれらの塩、2−フルオロ−3−メチルアニリン、2−フルオロ−5−メチルアニリンが挙げられる。
使用可能なクロロギ酸エステルとしては、例えば、クロロギ酸アルキル(例えばクロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル)、クロロギ酸アルケニル(例えばクロロギ酸アリル)などが挙げられる。
前記した式(4)の化合物またはその塩と、クロロギ酸エステルとによる保護化反応は、例えば酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフランなどのような溶媒中において、例えば−20℃〜溶媒沸点、好ましくは0〜50℃の温度条件下において置換反応を起こさせることにより進行させることができる。
このような反応により、式(4)の化合物のアミノ基が、例えば、アルキルオキシカルボニル基、アルケニルオキシカルボニル基、4−ニトロベンジルオキシカルボニル基、または、2−メチルスルホニルエチルオキシカルボニル基などの保護基で保護されて、式(2)の2−ハロアニリン誘導体が得られる。
このようにアルキルオキシカルボニル基などのカルバメート型の保護基を用いると、アミノ基に対してパラ位(4位)だけに選択的にアルキル基を導入することができる。一方、他の保護基、例えばホルミル、アセチル、ピバロイルなどのアミド型の保護基を用いると、2位置換ハロゲンのパラ配向性支配の結果、通常、アミノ基に対してメタ位置換体である5−アルキル体が主に生成してしまう。
式(2)の2−ハロアニリン誘導体の具体例としては、2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン、2−クロロ−N−メトキシカルボニルアニリン、2−ブロモ−N−メトキシカルボニルアニリン、2−ヨード−N−メトキシカルボニルアニリン、2−フルオロ−N−エトキシカルボニルアニリン、2−クロロ−N−エトキシカルボニルアニリン、2−ブロモ−N−エトキシカルボニルアニリン、2−ヨード−N−エトキシカルボニルアニリン、2,6−ジフルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン、2,3−ジフルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン、2,6−ジフルオロ−N−エトキシカルボニルアニリン、2,3−ジフルオロ−N−エトキシカルボニルアニリン、2−フルオロ−3−メチル−N−メトキシカルボニルアニリン、および、2−フルオロ−5−メチル−N−メトキシカルボニルアニリンなどが挙げられる。
工程(b):
式(2)の2−ハロアニリン誘導体に、慣用のフリーデルクラフトのアルキル化の条件にしたがって、種々のアルキル基を導入することによって、式(1)の化合物を得ることができる。より具体的には、式(2)の2−ハロアニリン誘導体と、アルキル化剤とを、酸触媒の存在下、有機溶媒または硫酸中において反応させて、前記誘導体の4位にR基[Rは前記式(1)の定義と同じである]を導入することによって、式(1)の化合物を得ることができる。
ここで式(2)の2−ハロアニリン誘導体は、前記工程(a)から得られるものを使用してもよいが、市販のものを使用してもよい。
使用可能なアルキル化剤としては、例えば、n−プロピルクロリド、n−プロピルアルコール、イソプロピルクロリド、イソプロピルブロミド、イソプロピルアルコール、1−プロペン、イソブチルクロリド、イソブチルブロミド、t−ブチルアルコール、イソブテン、t−ブチルクロリド、t−ブチルブロミド、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、t−アミルアルコール、t−アミルクロリド、t−アミルブロミド、1−クロロ−2−メチルブタン、1−ブロモ−2−メチルブタン、および、4−プロピル−4−ヘプタノールなどが挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、アルキル化剤は、t−ブチルアルコール、イソブテン、t−ブチルクロリド、t−ブチルブロミド、イソブチルブロミド、および、イソブチルクロリドからなる群より選択され、さらに好ましくは、アルキル化剤は、t−ブチルアルコール、またはイソブチルブロミドより選択される。
例えば、式(2)の誘導体にt−ブチル基を導入する場合、アルキル化剤としては、t−ブチルアルコール、またはイソブチルブロミドを使用することが望ましい。
アルキル化剤の使用量は、式(2)の誘導体の構造および量および使用するアルキル化剤の構造等に応じて適宜変更可能であるが、例えばアルキル化剤としてt−ブチルアルコールを使用する場合には、式(2)の誘導体1モルに対して、該使用量は、好ましくは1.0〜5.0モル、より好ましくは1.0〜4.0モルである。
該酸触媒としては、プロトン酸やルイス酸などを好適に使用することができる。
プロトン酸触媒の典型例としては、濃硫酸が挙げられ、また、ルイス酸触媒の典型例としては、無水塩化アルミニウムが挙げられる。また、プロトン酸触媒として、水で適当に希釈した硫酸(例えば50〜90%硫酸)を使用することもできる。酸触媒としては、これら以外のものとして、例えば、濃塩酸、濃硝酸、塩化第二スズ、塩化亜鉛、塩化第二鉄、または強酸性イオン交換樹脂もしくはNafion−Hなどの樹脂などのような通常のフリーデルクラフト反応に用いられるプロトン酸、ルイス酸、または樹脂触媒を使用してもよい。
例えば、式(2)の誘導体にt−ブチル基を導入する場合、酸触媒として無水塩化アルミニウムを用い、かつアルキル化剤としてイソブチルブロミドを用いるか、または、酸触媒として50%〜90%硫酸を用い、かつアルキル化剤としてt−ブチルアルコールを用いるかのいずれかの組合せが好ましい。式(2)の誘導体にt−ブチル基を導入する場合、より好ましくは、酸触媒として70%〜80%硫酸を用い、かつアルキル化剤としてt−ブチルアルコールを用いる。
この工程(b)は、無溶媒によって行うこともできるが、適当な溶媒中において実施することが好ましい。
酸触媒としてルイス酸である無水塩化アルミニウムを用いる場合、溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、テトラクロロエタンなどの含塩素系溶媒が好ましい。通常のフリーデルクラフト反応で慣用される二硫化炭素やニトロベンゼンは好適な溶媒といえないことがある。
酸触媒としてプロトン酸である濃硫酸を用いる場合、該濃硫酸を溶媒としても用いることができる。この場合、濃硫酸の濃度は、好ましくは50〜90%(w/w)であり、より好ましくは70〜90%(w/w)である。濃硫酸をそのまま用いた場合、副生成物が多く生成して収率が悪くなることがある。
酸触媒の使用量は、式(2)の誘導体1モルに対して、好ましくは1.5〜4.0モル、より好ましくは2.0〜3.0モルである。ただし、濃硫酸や濃塩酸などのプロトン酸を酸触媒として用いる他に、溶媒としても用いる場合にはこの限りではない。
この工程(b)のプロセスを、以下に、酸触媒の種類毎にさらに具体的に説明する。
酸触媒としてルイス酸である塩化アルミニウムを用いる場合には、式(2)の誘導体を溶媒に溶解させてなる混合液に、塩化アルミニウムを加えて、40℃〜60℃において30分間加温して塩化アルミニウムを溶解させ、その後、該混合液を室温に冷却し、ここにアルキル化剤を加えて反応を行わせることが望ましい。
このとき、アルキル化剤の使用量は、式(2)の誘導体1モルに対して、好ましくは1.0〜6.0モル、より好ましくは4.5〜5.5モルである。アルキル化剤を混合液に加える際には、一度に加えて反応しても良いし、何回かに分割して反応系に投入しても良い。アルキル化剤を、15〜30分間かけて滴下反応することが好ましい。
反応温度は、氷冷下から40℃まで溶媒の種類により至適温度が異なるため、溶媒に応じて適宜変更可能であるが、通常、室温(例えば、20℃〜30℃)において反応を実施するのが、収率の観点から望ましい。反応時間は、通常1〜4時間である。反応の終了は、副成する塩酸ガスの消失を目安とすることができる。副成する塩酸ガスは、反応系中から窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスをバブリングすることによって効率的に排除することができる。通常、このようなバブリング操作は収率に良好な効果を及ぼすことが多い。
反応終了後は、反応液に水や塩酸溶液を加えて、触媒として用いた塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化第二スズなどのルイス酸を分解する。次いで、反応溶媒と同じ溶媒またはn−ヘキサン、n−ペンタン、酢酸エチルなどの非極性溶媒を反応液にさらに加えて、抽出操作を行い、目的物である式(1)の化合物を取り出す。得られた化合物は、含まれる溶媒を留去して、そのまま次の反応に用いたり、蒸留したり、または、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどにより精製したりすることができる。
酸触媒としてプロトン酸である濃硫酸を用い、かつ該濃硫酸を溶媒として用いる場合には、式(2)の誘導体を濃硫酸に溶解させてなる混合液に、アルキル化剤を加えて反応を行わせることが望ましい。
アルキル化剤は、イソプロピルブロミド、t−ブチルブロミドなどのほかに、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール系アルキル化剤を使用するのが好ましい。このとき、アルキル化剤の使用量は、式(2)の誘導体1モルに対して、好ましくは1.0モル〜5.0モル、より好ましくは2.5〜4.0モルである。アルキル化剤を混合液に加える際には、一度に加えて反応しても良いし、何回かに分割して反応系に投入しても良い。好ましくは、アルキル化剤を3回以上に分けて投入し、反応させる。
反応温度は、通常50℃〜80℃であるが、好ましくは60℃〜80℃の範囲である。反応時間は、通常3〜6時間であるが、好ましくは4〜5時間である。
反応終了後は、反応液に、n−ヘキサン、n−ペンタン、酢酸エチル−n−ヘキサン混合液などの溶媒をさらに加えて、抽出操作を行い、目的物である式(1)の化合物を取り出す。得られた化合物は、含まれる溶媒を留去して、そのまま次の反応に用いたり、蒸留したり、または、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどにより精製したりすることができる。
工程(c):
式(1)の化合物の保護されたアミノ基を、酸性または塩基性の条件下において脱保護することによって、式(3)のアニリン誘導体またはその薬学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を得ることができる。脱保護反応は、保護基の種類に応じて常法にしたがって当業者であれば適宜実施できる。
例えば保護基がアルキルオキシカルボニル基である場合には、式(1)の化合物を溶解させたメタノールやエタノールなどの水溶性極性溶媒中に、5%〜53%の水酸化ナトリウム水溶液または5%〜47%の水酸化カリウム水溶液を加えて、これを加熱撹拌することによって、ほぼ定量的に脱保護することができる。水酸化カリウム水溶液または水酸化ナトリウム水溶液の濃度は、撹拌操作の観点から約30%であることが好ましい。またこの反応は、前記したような溶媒を用いずに実施することもできる。この場合、5%〜53%、好ましくは20%〜53%、特に好ましくは約30%の水酸化ナトリウム水溶液、または、5%〜47%、好ましくは20%〜47%、特に好ましくは約30%の水酸化カリウム水溶液を用いることができる。前記したように撹拌操作の観点からは、いずれも約30%であることが望ましい。またこの場合、前記の塩基性条件以外の条件、例えば、パラジウムや酸化白金を使う接触水素還元条件であっても、定量的に脱保護を行うことができる。
したがって本発明の好ましい態様によれば、式(1)の化合物を、メタノール、エタノールなどの有機溶媒中や無溶媒条件下において、例えば20%〜53%の水酸化ナトリウム水溶液または20%〜47%の水酸化カリウム水溶液を加えて、必要に応じて適当な脱保護条件下、これらを加熱処理することによる、式(3)のアニリン誘導体または薬学的に許容されるその塩もしくは溶媒和物の製造方法が提供される。
また、保護基がアルケニルオキシカルボニル基の場合には、47%臭化水素酸−酢酸の溶液中において、加熱処理することによって、式(1)の化合物をほぼ定量的に脱保護することができる。
この工程(c)によって得られる式(3)のアニリン誘導体の具体例としては、2−フルオロ−4−イソプロピルアニリン、2−クロロ−4−イソプロピルアニリン、2−ブロモ−4−イソプロピルアニリン、2−ヨード−4−イソプロピルアニリン、4−t−ブチル−2−フルオロアニリン、4−t−ブチル−2−クロロアニリン、2−ブロモ−4−t−ブチルアニリン、4−t−ブチル−2−ヨードアニリン、4−t−アミル−2−フルオロアニリン、4−t−アミル−2−クロロアニリン、4−t−アミル−2−ブロモアニリン、4−t−アミル−2−ヨードアニリン、4−t−ブチル−2,6−ジフルオロアニリン、4−t−ブチル−2,3−ジフルオロアニリン、4−t−ブチル−2−フルオロ−3−メチルアニリン、および、4−t−ブチル−2−フルオロ−5−メチルアニリンが挙げられる。
また本発明において、化合物は、その薬学上許容される塩とすることができる。このような塩の好ましい例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルキルスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、フマール酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩などの有機酸塩およびグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩などが挙げられる。
さらに本発明において、化合物は溶媒和物とすることができる。このような溶媒和物としては、水和物、アルコール和物(例えば、メタノール和物、エタノール和物)、およびエーテル和物(例えば、ジエチルエーテル和物)が挙げられる。
式(1)の化合物の用途
本発明による式(1)の化合物は、医薬、もしくは農薬として有用な化合物の合成中間体である。
本発明による式(1)の化合物またはそれより得られる式(3)の誘導体を用い、国際公開WO01/92231号公報に記載の合成法か、J.Chem.Soc.,(C).2426(1970)やTetrahedron Lett.,4945(1968)に記載の方法にしたがうことによって、イネいもち病に対して優れた防除活性を有する6−t−ブチル−8−フルオロキノリン誘導体を容易に得ることができる。得られる6−t−ブチル−8−フルオロキノリン誘導体が、イネいもち病に対して優れた防除活性を有する化合物群であることは、国際公開WO01/92231号公報に開示されているとおりである。
例えば、本発明により得られた4−t−ブチル−2−フルオロアニリンまたはその塩を、国際公開WO01/92231号公報に記載の合成法か、J.Chem.Soc.,(C).2426(1970)やTetrahedron Lett.,4945(1968)に記載の方法にしたがって、2−メチルアセト酢酸エチルと脱水縮合反応させることによってシッフベース体を得、これをフェニルエーテル中で250℃に加熱するとキノロン環に環化して6−t−ブチル−2,3−ジメチル−8−フルオロキノロンを得ることができる。無水酢酸−塩基の条件下において、このキノロン体を4−O−アセチルキノリンに変換することによって4−アセトキシ−6−t−ブチル−2,3−ジメチル−8−フルオロキノリンを得ることができる。この化合物は前記WO01/92231号公報に記載されているように、イネいもち病に対して優れた防除活性を有する。
本発明にしたがって得られた式(3)の誘導体(特に4−t−ブチル−2−フルオロアニリン)を出発物質とする、6−t−ブチル−8−フルオロキノリン誘導体(以下において「式(i)の化合物」ということがある)の合成プロセスであって、国際公開WO01/92231号公報に記載のものを以下に具体的に説明する。
式(i)の化合物は、例えば、既知の方法で合成可能な4−t−ブチル−2−フルオロアニリンから、以下のスキーム2に従って製造することができる。
スキーム2:
Figure 0004637573
[上記スキームにおいて、
は、水素原子、−COR11、−COOR11、−COCHOCH、または−COCHOCOCHであり、
11は、炭素数1〜4のアルキル基であり、
12は、−R11、−OR11、−CHOCH、または−CHOCOCHである]。
このスキーム2は、先ず、式(ii)の化合物を用意し(工程(d))、次いで必要により、この式(ii)の化合物を、式(iii)または式(iv)の化合物と、塩基存在下若しくは塩基非存在下において反応させる(工程(e))ことによって、式(i)の化合物を得るものである。
上記スキーム2を具体的に説明すると、下記の通りである。
工程(d):
先ず、4−t−ブチル−2−フルオロアニリンと2−メチルアセト酢酸エチルとから、例えば、J.Am.Chem.Soc.70,2402(1948)、またはTetrahedron Lett.27,5323(1986)にしたがって、式(ii)の化合物を得る。なお、この式(ii)の化合物は、式(i)の化合物においてRが水素原子である化合物に相当する。また使用される4−t−ブチル−2−フルオロアニリンは、例えば、Chem.Abs.42,2239またはJ.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1992,595に記載の公知の方法により得ることができる。
工程(e):
次いで、式(i)においてRが水素原子以外の化合物を所望する場合には、式(ii)の化合物を式(iii)または式(iv)の化合物で塩基存在下若しくは塩基非存在下で反応させることにより、式(i)の化合物を製造することができる。
ここで、使用可能な塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン等の有機アミン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。また、式(iii)または式(iv)の化合物は、式(ii)の化合物に対して1〜50当量、好ましくは1〜10当量の範囲で用いることが望ましい。工程(e)の反応は、無溶媒または反応に関与しない有機溶媒中、例えばジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフラン中において、例えば0〜140℃の範囲の温度で実施することができる。
[実 施 例]
以下本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例1:
1−a) 2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリンの合成
2−フルオロアニリン(10.0mL,0.104mol)を、酢酸エチル(40mL)に溶解して、ピリジン(10.0mL,0.124mol)を加え、これを氷冷下に冷却した。ここに、クロロギ酸メチル(8.80mL,0.114mol)を酢酸エチル10mLに溶解した溶液を、30分間かけて滴下した。得られた反応液を室温に戻して、3時間撹拌した。反応液中の2−フルオロアニリンの消失を高速液体クロマトグラフィーを用いて確認した後、氷冷下において水を20mL加えて反応を停止させた。次いで、得られた反応混合物に、酢酸エチル50mL、および水50mLを加えて抽出操作を行った。得られた有機層を、水40mL、および飽和炭酸水素ナトリウム30mLを用いて洗浄した後、該有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。次いで、有機層から溶媒を留去して、ほぼ単一の2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン16.5gを得た(収率94.4%)。
EI−MS:m/z 170(M+H)H NMR(CDCl)δ 3.80(3H,s,CH),6.86(1H,bs,NH),6.97〜7.09(2H,m,H and H),7.12(1H,t−like,J=7.3Hz,H),8.08(1H,bs,H).
1−b) イソブチルブロミドを用いる4−t−ブチル−2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリンの合成
2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン(500mg,3.11mmol)を塩化メチレン(20mL)に溶解し、ここに無水塩化アルミニウム(986mg,7.77mmol)を加えて、40℃で20分間撹拌した。その後、得られた反応液を室温に戻して、ここにイソブチルブロミド(1.60mL,15.5mmol)の塩化メチレン溶液(6mL)を、アルゴンガスをバブリングしながら10分間かけて滴下した。これを1時間撹拌した後、水を加えて分液し、得られた有機層を水洗した。該有機層を無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した後、有機層から溶媒を留去して、粗4−t−ブチル−2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン779mgを得た。これをさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して、4−t−ブチル−2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン433mgを得た(収率64.0%、4−t−ブチル体:5−t−ブチル体=88:12)。
EI−MS:m/z 226(M+H)H NMR(CDCl)δ 1.31(9H,s,t−Bu),3.80(3H,s,CH),6.76(1H,bs,NH),7.08(1H,dd,J=13.1,2.1Hz,H),7.13(1H,dd,J=8.2,1.4Hz,H),7.94(1H,bs,H).
1−b’) 硫酸を用いる4−t−ブチル−2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリンの合成
2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン(150g,0.859mol)を、77.6%硫酸(206g)に溶解した。これを窒素雰囲気下において70℃に加熱撹拌しながら、ここにt−ブチルアルコール(72.9g,1.07mol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後1時間にわたり前記と同じ温度下において、得られた反応液を激しく撹拌した。ここに、再度t−ブチルアルコール(72.9g,1.07mol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後1時間にわたり同じ温度下において、反応液を激しく撹拌した。さらに、ここにt−ブチルアルコール(72.9g,1.07mol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後1時間にわたり同じ温度下において、反応液を激しく撹拌した。反応液を室温に戻した後、ここにn−ヘキサン530mLを加えて分液抽出を行った。得られた硫酸層に再度n−ヘキサン530mLを加えて分液抽出を行った。抽出により得られた有機層を合一し、これに、水、飽和食塩水を順に用いて洗浄した。次いで該有機層から溶媒を留去して、油状の粗4−t−ブチル−2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン307gを得た(重量収率159%、ガスクロマトグラフィー純度65.1%、4−t−ブチル体:5−t−ブチル体=100:0)。
FAB−MS:m/z 226(M+H)H NMR(CDCl)δ 3.75(3H,s),7.05(3H,m),8.05(1H,m).
1−c) 4−t−ブチル−2−フルオロアニリンの合成
得られた粗4−t−ブチル−2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン303gに、30%水酸化ナトリウム水溶液657gを加えて、90℃付近において4時間加熱還流を行った。放冷後、ここに水1000mLを加えて、ヘキサン500mLを用いて4回抽出した。合一して得られた有機層に、2M塩酸を加えて激しく撹拌し、アミノ基の塩酸塩化を行った。次いで、分液して得られた水層を、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH9に調整してアミノ基フリーとした。これをトルエン1000mLを用いて2回抽出し、合一して得られた有機層を飽和食塩水を用いて洗浄した。次いで、有機層の溶媒を留去して、油状のほぼ単一の4−t−ブチル−2−フルオロアニリン92.9gを得た(収率65.6%(t−ブチル化−脱保護2工程収率))。
EI−MS:m/z 170(M+H)H NMR(CDCl)δ 1.26(9H,s,t−Bu),3.56(br,NH),6.74(1H,t−like,J=9.3Hz,H),6.95(1H,ddd,J=7.5,2.1,0.7Hz,H),7.94(1H,dd,J=13.4,1.9Hz,H).
例2: 4−t−ブチル−2−クロロ−N−メトキシカルボニルアニリンの合成
市販の2−クロロアニリンから誘導した2−クロロ−N−メトキシカルボニルアニリン(3.00g,16.2mmol)を、77.6%硫酸(24.0g)に溶解した。これを窒素雰囲気下において70℃に加熱撹拌しながら、ここにt−ブチルアルコール(1.7mL,17.8mmol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後1時間にわたり前記同じ温度下において、得られた反応液を激しく撹拌した。その後、再度t−ブチルアルコール(1.7mL,17.8mmol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後1時間にわたり同じ温度下において、反応液を激しく撹拌した。ここにさらに、t−ブチルアルコール(1.7mL,17.8mmol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後1時間にわたり同じ温度下において、反応液を激しく撹拌した。反応液を室温に戻した後、ここに、n−ヘキサン12mLを加えて分液抽出を行った。得られた硫酸層に再度n−ヘキサン12mLを加えて分液抽出を行った。抽出により得られた有機層を合一し、これに、水、飽和炭酸水素ナトリウム水、水を順に用いて洗浄した。次いで有機層から溶媒を減圧留去して、4.00gの淡黄色の油状物を得た。これをさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製分離して、目的の4−t−ブチル−2−クロロ−N−メトキシカルボニルアニリン2.12gを得た(収率49.5%、4−t−ブチル体:5−t−ブチル体=91:9)。
EI−MS:m/z 241(M)H NMR(CDCl)δ 1.29(9H,s,t−Bu),3.80(3H,s,CH),7.05(1H,bs,NH),7.28(1H,dd,J=8.5,2.1Hz,H),7.34(1H,d,J=2.2Hz,H),8.03(1H,bd,J=8.3Hz,H).
例3: 2−ブロモ−4−t−ブチル−N−メトキシカルボニルアニリンの合成
市販の2−ブロモアニリンから誘導した2−ブロモ−N−メトキシカルボニルアニリン(3.00g,13.0mmol)を、77.6%硫酸(19.0g)に溶解した。これを窒素雰囲気下において70℃に加熱撹拌しながら、ここにt−ブチルアルコール(1.40mL,14.3mmol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後1時間にわたり同じ温度下において、得られた反応液を激しく撹拌した。その後、再度t−ブチルアルコール(1.40mL,14.3mmol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後1時間にわたり同じ温度下において、反応液を激しく撹拌した。ここにさらに、t−ブチルアルコール(1.40mL,14.3mmol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後1時間にわたり同じ温度下において、反応液を激しく撹拌した。反応液を室温に戻した後、ここにn−ヘキサン10mLを加えて分液抽出を行った。得られた硫酸層に再度n−ヘキサン10mLを加えて分液抽出を行った。抽出により得られた有機層を合一し、これに、水、飽和炭酸水素ナトリウム水、水を順に用いて洗浄した。次いで有機層から溶媒を減圧留去して、4.20gの淡黄色の油状物を得た。これをさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製分離して、目的の2−ブロモ−4−t−ブチル−N−メトキシカルボニルアニリン2.08gを得た(収率55.8%、4−t−ブチル体:5−t−ブチル体=92:8)。
EI−MS:m/z 285(M)H NMR(CDCl)δ 1.29(9H,s,t−Bu),3.80(3H,s,CH),7.04(1H,bs,NH),7.33(1H,dd,J=8.7,2.2Hz,H),7.50(1H,d,J=2.2Hz,H),8.01(1H,bd,J=8.0Hz,H).
例4: 4−t−ブチル−2−ヨード−N−メトキシカルボニルアニリンの合成
市販の2−ヨードアニリンから誘導した2−ヨード−N−メトキシカルボニルアニリン(2.00g,7.22mmol)を、77.6%硫酸(11.0g)に溶解した。これを窒素雰囲気下において60℃に加熱撹拌しながら、ここにt−ブチルアルコール(2.10mL,21.7mmol)を10分間かけて滴下した。滴下終了後30分間にわたり前記と同じ温度において、得られた反応液を激しく撹拌した。反応液を室温に戻した後、ここにn−ヘキサン20mLを加えて分液抽出を行った。得られた硫酸層に再度n−ヘキサン20mLを加えて分液抽出を行った。抽出により得られた有機層を合一し、これに、水、飽和炭酸水素ナトリウム水、水を順に用いて洗浄した。次いで有機層から溶媒を減圧留去して、1.36gの淡褐色の油状物を得た。これをさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製分離して、目的の4−t−ブチル−2−ヨード−N−メトキシカルボニルアニリン0.790gを得た(収率32.8%、4−t−ブチル体:5−t−ブチル体=94:6)。
EI−MS:m/z 333(M)H NMR(CDCl)δ 1.29(9H,s,t−Bu),3.80(3H,s,CH),6.87(1H,bs,NH),7.36(1H,dd,J=8.2,2.2Hz,H),7.73(1H,d,J=2.2Hz,H),7.90(1H,bd,J=8.8Hz,H).
例5: 2−フルオロ−4−イソプロピル−N−メトキシカルボニルアニリンの合成
例1と同様にして得られた2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン(1.00g,5.92mmol)を、77.6%硫酸(5.00g)に溶解した。これを窒素雰囲気下において70℃に加熱撹拌しながら、ここにイソプロピルアルコール(0.400g,6.51mmol)を加えて3時間激しく撹拌した。得られた反応液を室温に戻した後、ここにn−ヘキサン10mLを加えて分液抽出を2回行った。得られた有機層を合一し、これに、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水を順に用いて洗浄した。次いで有機層から溶媒を留去して、油状の2−フルオロ−4−イソプロピル−N−メトキシカルボニルアニリン666mgを得た。これをさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して、2−フルオロ−4−イソプロピル−N−メトキシカルボニルアニリン206mgを得た(収率17.0%)。
EI−MS:m/z 212(M+H)H NMR(CDCl)δ 1.22(6H,d,J=6.8Hz,isopropyl−Me),2.88(1H,m,isopropyl−CH),3.80(3H,s,CH),6.75(1H,bs,NH),6.93(1H,dd,J=12.9,2.4Hz,H),6.99(1H,dd,J=7.8,2.4Hz,H),7.95(1H,bs,H).
例6: 2−フルオロ−4−(1−メチルシクロヘキシル)−N−メトキシカルボニルアニリンの合成
例1と同様にして得られた2−フルオロ−N−メトキシカルボニルアニリン(3.38g,20.0mmol)を、77.6%硫酸(20g)に溶解した。これを窒素雰囲気下において70℃に加熱撹拌しながら、ここに1−メチルシクロヘキシルアルコール(2.28g,20.0mol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後5時間にわたり前記と同じ温度下において激しく撹拌した。次いで、得られた反応液を室温に戻した後、ここにn−ヘキサン100mLを加えて分液抽出を行った。得られた硫酸層に再度n−ヘキサン100mLを加えて分液抽出を行った。抽出により得られた有機層を合一して、これに、水、飽和食塩水を順に用いて洗浄した。次いで有機層から溶媒を留去して、油状の2−フルオロ−4−(1−メチルシクロヘキシル)−N−メトキシカルボニルアニリンを得た。これをさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製分離して、目的の2−フルオロ−4−(1−メチルシクロヘキシル)−N−メトキシカルボニルアニリン843mgを得た(収率15.8%、4位置換体:5位置換体=100:0)。
EI−MS:m/z 265(M+H)H NMR(CDCl)δ 1.15(3H,s,1−methyl),1.42(4H,m,cyclohexyl),1.54(4H,m,cyclohexyl),1.93(2H,m,cyclohexyl),3.80(3H,s,OCH),6.76(1H,bs,NH),7.07(1H,dd,J=13.4,2.2Hz,H−aromatic),7.12(1H,dd,J=8.1,2.0Hz,H−aromatic),7.95(1H,bs,H−aromatic).
例7: 4−t−ブチル−2−フルオロ−N−エトキシカルボニルアニリンの合成
例1と同様にして得られた2−フルオロ−N−エトキシカルボニルアニリン(1.00g,5.46mmol)を、77.6%硫酸(5.00g)に溶解した。これを窒素雰囲気下において70℃に加熱撹拌しながら、ここにt−ブチルアルコール(0.440g,6.01mmol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後1時間にわたり前記と同じ温度において、得られた反応液を激しく撹拌した。その後、再度t−ブチルアルコール(0.440g,6.01mmol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後1時間にわたり同じ温度下において、反応液を激しく撹拌した。ここにさらに、t−ブチルアルコール(0.440g,6.01mmol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後1時間にわたり同じ温度下において、反応液を激しく撹拌した。反応液を室温に戻した後、ここにn−ヘキサン10mLを加えて分液抽出を行った。得られた硫酸層に再度n−ヘキサン10mLを加えて分液抽出を行った。抽出により得られた有機層を合一し、ここに、水、飽和食塩水を順に用いて洗浄した。次いで有機層から溶媒を留去して、油状の粗N−エトキシカルボニル−4−t−ブチル−2−フルオロアニリン1.45gを得た(重量収率111%)。これをさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製して、4−t−ブチル−2−フルオロ−N−エトキシカルボニルアニリンと5−t−ブチル−2−フルオロ−N−エトキシカルボニルアニリンの混合物1.17gを得た(収率90%、4−t−Bu:5−t−Bu=82:18)。
EI−MS:m/z 240(M+H)H NMR(CDCl)δ 1.28(9H,s,t−Bu),1.32(3H,t,J=7.06Hz,CH),4.24(2H,q,J=7.06Hz,CH),6.73(1H,bs,NH),7.08(1H,dd,J=13.4,2.4Hz,H),7.13(1H,dd,J=8.8,2.4Hz,H),7.95(1H,bs,H).

Claims (19)

  1. 下式(1)の化合物:
    Figure 0004637573
    [式中、
    は、分岐鎖C3〜C10アルキル基、または、
    置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基を表し、
    は、ハロゲン原子、または、
    直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C8アルキル基を表し、
    は、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C8アルキル基、
    置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のC2〜C6アルケニル基、または、
    置換されていてもよいC3〜C8シクロアルキル基を表し、
    nは、1〜3の整数を表し、かつ
    Xは、ハロゲン原子を表す]。
  2. が、分岐鎖C3〜C5アルキル基、または、置換されていてもよいC5〜C6シクロアルキル基を表す、請求項1に記載の化合物。
  3. が、イソプロピル、t−ブチル、t−アミル、または1−メチルシクロヘキシルである、請求項2に記載の化合物。
  4. が、ハロゲン原子、またはメチル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. が、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C4アルキル基、ビニル基、イソプロペニル基、または、置換されていてもよいC5〜C6シクロアルキル基を表す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. が、メチル基またはエチル基である、請求項5に記載の化合物。
  7. Xがフッ素原子である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 下式(1)の化合物の製造方法であって、
    Figure 0004637573
    [式中、
    は、分岐鎖C3〜C10アルキル基、または、
    置換されていてもよいC3〜C10シクロアルキル基を表し、
    は、ハロゲン原子、
    置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C8アルキル基、または、
    置換されていてもよいC3〜C8シクロアルキル基を表し、
    は、置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のC1〜C8アルキル基、
    置換されていてもよい直鎖もしくは分岐鎖のC2〜C6アルケニル基、または、
    置換されていてもよいC3〜C8シクロアルキル基を表し、
    nは、0〜3の整数を表し、ここでnが0の場合Rは存在せず、かつ
    Xは、ハロゲン原子を表す]、
    下式(2)の2−ハロアニリン誘導体と、アルキル化剤とを、酸触媒の存在下、有機溶媒または硫酸中において反応させて、前記誘導体の4位にR基[Rは前記定義と同じである]を導入することによって、式(1)の化合物を得ることを含んでなる、方法:
    Figure 0004637573
    [式中、
    、R、n、Xは前記定義と同じ意味を表し、ただしRは芳香環の4位に位置しない]。
  9. アルキル化剤が、t−ブチルアルコール、イソブテン、t−ブチルクロリド、t−ブチルブロミド、イソブチルブロミド、イソブチルクロリドからなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
  10. アルキル化剤が、t−ブチルアルコールであり、かつ
    式(2)の誘導体のモル数に対しt−ブチルアルコールを1.0〜5.0当量用いる、請求項8に記載の方法。
  11. 酸触媒が、70〜90%(w/w)の硫酸である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 酸触媒が、70〜90%(w/w)の硫酸であり、かつ
    反応を温度60〜80℃の範囲内において行う、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 下式(4)の化合物またはその塩のアミノ基を、塩基性の条件下において、クロロギ酸エステルClCOOR[式中Rは請求項8に記載の定義と同じ意味を表す]を用いて保護して、式(2)の2−ハロアニリン誘導体を得ることをさらに含んでなる、請求項8〜12のいずれか一項に記載の方法:
    Figure 0004637573
    [式中、R、n、Xは請求項8に記載の定義と同じ意味を表す]。
  14. がt−ブチル基であり、
    がメチル基であり、
    nが0であり、かつ
    Xがフッ素原子である、請求項8に記載の方法。
  15. がt−ブチル基であり、
    がエチル基であり、
    nが0であり、かつ
    Xがフッ素原子である、請求項8に記載の方法。
  16. 下式(3)のアニリン誘導体またはその薬学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の製造方法であって、
    請求項8に記載の式(1)の化合物の保護されたアミノ基を、酸性または塩基性の条件下において脱保護することを含んでなる、方法:
    Figure 0004637573
    [式中n、R、R、Xは請求項8に記載の定義と同じ意味を表す]。
  17. 式(3)において、
    がt−ブチル基であり、
    nが0であり、かつ
    Xがフッ素原子である、請求項16に記載の方法。
  18. 脱保護基反応を、20〜53%水酸化ナトリウム水溶液または20〜47%水酸化カリウム水溶液中において加熱することにより行う、請求項16に記載の方法。
  19. 下式(2)の2−ハロアニリン誘導体と、アルキル化剤を、酸触媒の存在下、有機溶媒または硫酸中において反応させて、前記誘導体の4位にR基[Rは請求項8に記載の定義と同じである]を導入することによって、式(1)の化合物を得ることをさらに含んでなる、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法:
    Figure 0004637573
    [式中、
    、R、n、Xは請求項8に記載の定義と同じ意味を表し、ただしRは芳香環の4位に位置しない]。
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