JPH1135533A - シス−1−アミノインダン−2−オールの製造方法 - Google Patents

シス−1−アミノインダン−2−オールの製造方法

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JPH1135533A
JPH1135533A JP19540297A JP19540297A JPH1135533A JP H1135533 A JPH1135533 A JP H1135533A JP 19540297 A JP19540297 A JP 19540297A JP 19540297 A JP19540297 A JP 19540297A JP H1135533 A JPH1135533 A JP H1135533A
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JP19540297A
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English (en)
Inventor
Masakuni Harada
昌晋 原田
Shigeru Nakano
茂 中野
Masayuki Morita
雅之 森田
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ICHIKAWA GOSEI KAGAKU KK
Original Assignee
ICHIKAWA GOSEI KAGAKU KK
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シス−1−アミノインダン−2−オールを効
率的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 シス−2−(置換カルボニルオキシ)イ
ンダン−1−オール類とシス−1−(置換カルボニルオ
キシ)インダン−2−オール類の少なくとも1種類とア
セトニトリルとを濃硫酸または発煙硫酸の存在下に反応
させ、その結果生成する中間体を加水分解することによ
り、又は、シス−1,2,−インダンジオールの環状オ
ルトエステル類を合成し、それをアセトニトリルと濃硫
酸または発煙硫酸の存在下に反応させ、その結果生成す
る中間体を加水分解することによりシス−1−アミノイ
ンダン−2−オールを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業的に有用なシ
ス−1−アミノインダン−2−オールの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般式(V)
【0003】
【化30】
【0004】で表されるシス−1−アミノインダン−2
−オールは医薬中間体として有用であり、光学活性な
(1S,2R)−1−アミノインダン−2−オールはA
lDS治療において顕著な効果を示しているプロテアー
セ阻害剤であるIndinavir(Crixiva
n)の製造に用いられている(WO9628439号公
報、WO9523797号公報、WO9636629号
公報)。
【0005】これまで種々のシス−1−アミノインダン
−2−オールの製造法が開示されている。例えば、本発
明者等は2−ハロインダン−1−オールのRitter
反応による方法を発明している(特開平7−31610
6号公報、EP658537号公報)。また、インデン
エポキシドのRitter反応による方法(USP54
20353号公報)、1,2−インダンジオールのRi
tter反応による方法(WO9524374号公
報)、インデンをアセトニトリル中でN−ハロイミド類
と反応する方法(WO9700237号公報)等が開示
されている。これらは何れも簡便な方法であり、所望の
シス−1−アミノインダン−2−オールが良好な収率で
得られる。得られたアミノアルコ−ルがラセミ体の場合
は、これを光学分割することにより所望のエナンチオマ
−を得ることができる。一方、種々の光学活性な出発物
質とニトリル類を反応させることにより光学活性なシス
−1−アミノインダン−2−オールを製造することも可
能である。例えば(1S,2R)−1−アミノインダン
−2−オールは、それぞれ(lS,2S)−2−ブロモ
インダン−1−オール、(1S,2R)−インデンエポ
キシド、および(1S,2R)−1,2−インダンジオ
ールから製造できる。このように、光学活性な出発物質
を用いてシス−1−アミノインダン−2−オールを合成
した場合には生成物は光学活性体となり、光学分割が不
要であることから経済的に有利である。この場合、光学
活性な出発物質の入手の容易さは重要であり、例えば光
学活性な(1S,2S)−2−ブロモインダン−1−オ
ールはリパ−ゼによる光学分割で(特願平8−1693
85)もしくはハロパ−オキシダ−ゼによる微生物酸化
で(WO9636724号公報)、(1S,2R)−イ
ンデンエポキシドは光学活性なマンガン錯体による不斉
エポキシ化(特表平5−507645号公報、WO93
03838号公報)もしくは微生物によるラセミ体の光
学分割で(WO9612818号公報)、(1S,2
R)−1,2−インダンジオールはインデンの微生物酸
化(WO9700966号公報)、もしくは微生物によ
るラセミ体の光学分割で(WO9611282号公報)
それぞれ得ることが可能である。さきに述べたように、
1,2−インダンジオールもしくは1,2−インデンエ
ポキシドはアセトニトリルとのRitter反応により
一般式(IV)で表されるシス−2−インデノオキサゾリ
ンを与え、この化合物を加水分解することにより、所望
のシス−1−アミノインダン−2−オールが得られる。
しかしながら、これらの反応は−40℃という極めて低
い反応温度が必要であった。比較的発熟量の大きい本反
応においては、この温度条件を維持することは容易では
ない。HlV薬の感染者への投与量は非常に高く(約2
g/日)、中間体であるシス−1−アミノインダン−2
−オールも大量生産する必要性があった。しかしなが
ら、かかる厳しい温度条件においての大量生産は因難で
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シス−1−
アミノインダン−2−オールの効率的な製造方法を提供
することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等はシス−1,
2−インデンエポキシド、およびシス−1,2−インダ
ンジオールのアセトニトリルとのRitter反応の機
構を検討した。既に発表された論文(Tetrahed
ron Lett.,36,p.3993(1995)
およびTetrahedron Lett.,36,
p.7615,(1995))において、これらの反応
機構が説明されている。本反応系においてはエポキシド
のプロトン化、もしくはジオールの脱水によって2−ヒ
ドロキシインダニルカルボカチオンが発生するが、この
反応性中間体は容易にインダン−2−オンや重合物に変
化してしまい、所望のシス−インデノオキサゾリン(I
V)の収率が低下する。これを防ぐために発煙硫酸、ト
リフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の強
酸を作用させている。例えば、発煙硫酸を作用させた場
合には環状硫酸エステルが生成し、この中間体のプロト
ン化(2位が硫酸エステル化したインダニルカルボカチ
オンの生成)を経てニトリルと反応する。しかしなが
ら、反応温度が高いと環状硫酸エステルの生成よりも2
−ヒドロキシインダニルカチオンの生成が優先するため
に収率が低下する。これを避けるために、極めて低い反
応温度が必要となるのてある(図式1)。
【0008】
【化31】
【0009】本発明者等は、この反応機構において環状
硫酸エステルの生成と、この中間体がプロトン化されて
生成するインダニルカチオンが比較的安定で、異性化や
重合を生じにくいという事実と、本反応系では平衡が存
在するためにin situでのエステル化が必要であ
るという事実に着目した。すなわち、何らかの方法で2
位の水酸基を保護したインダニルカチオンを経由してニ
トリルと反応させることにより収率は向上するものと考
えた。さらに、2位の水酸基が保護されたカチオンの生
成をRitter反応系てin situに行うのでは
なく、例えば出発物質であるインダンジオールを保護し
た化合物を事前に合成し、この化合物のRitter反
応を行うことにより、従来技術のような極めて低い反応
温度は不要なのではないかと考え、本発明の検討を開始
した。
【0010】本発明者等は、1−インダノ−ル類は強酸
の存在下でインダニルカルボカチオンを生成し、アセト
ニトリルとの反応は1位に選択的に生じることから、2
位の水酸基が保護された1−インダノール類が好適な基
質であると考えた。また、2位の水酸基の保護基として
は脱保護の容易なアセチル基を選択して検討をおこな
い、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、一般式(I)
【0012】
【化32】
【0013】(ただし、式中、R1 はメチル基であり、
ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表されるシス−2
−アセトキシインダン−1−オール類とアセトニトリル
を濃硫酸もしくは発煙硫酸の存在下に反応させることに
より、一般式(III )
【0014】
【化33】
【0015】(ただし、式中、R1 は前記一般式(I)
と同義であり、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表
されるシス−1−アセトアミド−2−アセトキシインダ
ン類、および一般式(IV)
【0016】
【化34】
【0017】(ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよ
い)で表されるシス−インデノオキサゾリンの少なくと
も1種を合成し、これらを加水分解することにより、所
望の一般式(V)
【0018】
【化35】
【0019】(ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよ
い)で表されるシス−1−アミノインダン−2−オール
を得ることかできた(図式2)。
【0020】
【化36】
【0021】本発明者等は、さらに、一般式(VI)
【0022】
【化37】
【0023】(ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよ
い)で表されるシス−1,2−インダンジオールのエス
テル化によって得られた一般式(I)(ただし、Rl
水素原子、直鎖もしくは分岐のアルキル基であり、ラセ
ミ体でも光学活性体でもよい)で表されるシス−2−
(置換カルボニルオキシ)インダン−1−オール類と一
般式(II)(ただし、式中、R1 は水素原子、直鎖もし
くは分岐のアルキル基であり、ラセミ体でも光学活性体
でもよい)で表されるシス−1−(置換カルボニルオキ
シ)インダン−2−オール類の混合物をもちいて前記の
条件で Ritter反応を行ったところ、所望の一般
式(III )(ただし、式中、R1 は水素原子、直鎖もし
くは分岐のアルキル基であり、ラセミ体でも光学活性体
でもよい)で表されるシス−1−アセトアミド−2−
(置換カルボニルオキシ)インダン類、もしくは一般式
(IV)(ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で
表されるシス−インデノオキサゾリンを合成し、これら
を加水分解することにより、所望の一般式(V)(ただ
し、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表されるシス
−1−アミノインダン−2−オールが得られた(図式
3)。
【0024】
【化38】
【0025】驚くべきことに、例えば一般式(I)と一
般式(II)のエステル類の等量混合物を用いて本反応を
行った場合、得られた生成物である一般式(III )のア
ミド類と一般式(IV)の2−インデノオキサゾリンの収
率の和は50%を超えていた。この結果は、当初基質と
して選択した一般式(I)で表されるエステル類のみな
らず一般式(II)で表されるエステル類も基質として関
与していることを示している。かくして、本発明者等
は、一般式(I)で表されるのエステル類と一般式(I
I)で表されるエステル類の少なくとも1種を基質とし
て用いることにより、所望の一般式(V)で表されるシ
ス−1−アミノインダン−2−オールが得られることを
見い出した。
【0026】本発明をより詳細に説明する。
【0027】一般式(I)で表されるシス−2−(置換
カルボニルオキシ)インダン−1−オール類はトランス
−2−ブロモインダン−1−オール類をエステル化した
後に弱塩基性から弱酸性の水溶液中で加熱することによ
って得られる。本反応は弱塩基性緩衝溶液で行うことが
好ましい。例えば、シス−2−アセトキシインダン−1
−オール(I:R1 =CH3 )は、トランス−2−ブロ
モインダン−1−オールを無水酢酸でアセチル化してト
ランス−2−ブロモ−1−アセトキシインダンを合成
し、これを酢酸ナトリウム水浴液中で加熱することによ
って容易に合成できる(図式4)。
【0028】
【化39】
【0029】また、J.Org.Chem.,61,
p.4469(1996)に記載の方法に準拠して、一
般式(VI)で表されるシス−1,2−インダンジオール
と一般式(VIII)で表されるオルトエステル類を酸触媒
存在下に反応させた後、反応混合物に水を加えるか、弱
塩基性緩衝溶液を加えてかき混ぜるだけで容易に得るこ
とができる。この場合、一般式(I)のエステル類は一
般式(II)で表されるシス−1−(置換カルボニルオキ
シ)インダン−2−オール類との混合物として得られる
のが一般的である(図式5)。
【0030】
【化40】
【0031】一般式(I)もしくは一般式(II)の少な
くとも1種のエステル類(ラセミ体でも光学活性体でも
よい)とアセトニトリルを混合し(アセトニトリルの使
用量はエステル類に対して1.0当量モルから200当
量モルまで使用できる。これより使用量が少ないと、目
的とする化合物(III )もしくは化合物(IV)の収率が
低下し、使用量が多いと経済的に不利である。)、濃硫
酸もしくは発煙硫酸を添加する。反応温度は−20℃か
ら100℃までの温度を選択できるが、好ましい反応温
度は0℃から40℃であり、より好ましい反応温度は室
温である。これより温度が低いと反応の進行がおそく、
高いと副反応により目的物の収率が低下する。濃硫酸お
よび発煙硫酸はエステル類に対して1.0当量モルから
5.0当量モル使用できるが、好ましくは1.0当量モ
ルから3.0当量モルである。本反応には不活性な有機
溶媒を用いることも可能である。
【0032】原料として使用できる一般式(I)もしく
は一般式(II)で表されるエステル類の置換基R1 とし
ては水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、
ブチル基が選択できる。反応の進行は液体クロマトグラ
フィー等で追跡できる。反応終了後は、反応混合物を反
応混合物を炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸水素カリウム等の希薄水溶液に注加し、
常法によって生成物を取り出すことができる。本反応に
より、一般式(III )で表されるシス−1−アセトアミ
ド−2−(置換カルボニルオキシ)インダン類、および
一般式(IV)で表されるシス−インデノオキサゾリンが
得られる。これらの生成比率は用いたエステル類(I)
および(II)の置換基R1 の種類や使用する強酸の種類
で異なるが、発煙硫酸を用いた場合には一般式(III )
で表される化合物か主生成物となり、濃硫酸を用いた場
合には一般式(IV)で表される化合物が主生成物となる
のが一般的である。本反応で得られた生成物はそれぞれ
単離して個別に加水分解するか、単離することなく混合
物として加水分解することにより、目的とする一般式
(V)で表されるシス−1−アミノインダン−2−オー
ルが得られる。化合物(III )は水に対する溶解度が小
さいために、単独で加水分解する場合はアセトニトリル
のような反応不活性な有機溶媒等を添加することが好ま
しい。
【0033】工業的には化合物(III )もしくは化合物
(IV)を単離せずに連続的に加水分解をおこなう方が経
済的に有利である。この場合は、アセトニトリルとの反
応終了後に反応混合物に水を加え、加熱すればよいが、
過剰のアセトニトリルを使用した場合には加水分解工程
に途中で共沸蒸留で除去することも可能である。本加水
分解反応を酸性で行う場合は、温度を室温から100℃
に設定することが好ましく、より好ましい反応温度は4
0℃から80℃である。加水分解終了後は、目的とする
シス−1−アミノインダン−2−オール(V)の取り出
しは常法で可能である。例えば、反応混合物の液性を酸
性に保ち、水に不溶の有機溶媒で副生成物を抽出後に水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム等の無機性の塩基を加えることによって系を
塩基性(pH10〜12)にし、析出した目的物を濾過
する。また、塩基性にした後に溶媒抽出し、抽出相を濃
縮することによって目的物を得ることも可能である。
【0034】本反応を光学活性な一般式(I)もしくは
一般式(II)のエステル類を原料として行うことも可能
であり、例えば、(1S,2R)−2−(置換カルボニ
ルオキシ)インダン−1−オール類、もしくは(1S,
2R)−1−(置換カルボニルオキシ)インダン−2−
オール類の少なくとも1種を原料に用いた場合、生成物
は(1S,2R)−1−アセトアミド−2−(置換カル
ボニルオキシ)インダン類(III )もしくは(4S,5
R)−インダノオキサゾリン(IV)となり、これらの加
水分解生成物は(1S,2R)−1−アミノインダン−
2−オール(V)となる。また、一般式(I)および一
般式(II)のエステル類として(1R,2S)体を選択
した場合には、得られる生成物(III )および(IV)は
それぞれ(1R,2S)体、および(4R,5S)体で
あり、所望のシス−1−アミノインダン−2−オール
(V)は(1R,2S)体となる。本反応で得られる光
学活性なシス−インデノオキサゾリン(IV)、および光
学活性なシス−1−アミノインダン−2−オール(V)
の絶対配置は、既に報告されている各化合物の比旋光度
との比較により決定できる。また、一般式(III )で表
される光学活性なシス−1−アセトアミド−2−(置換
カルボニルオキシ)インダン類の絶対配置は、加水分解
生成物である光学活性なシス−1−アミノインダン−2
−オール(V)の絶対配置から決定できる。本発明の方
法を用いることにより、原料の光学純度を保持したシス
−1−アセトアミド−2−(置換カルボニルオキシ)イ
ンダン類(III )、シス−インデノオキサゾリン(I
V)、およびシス−1−アミノインダン−2−オール
(V)の製造が可能である。例えば、光学純度100%
eeの(1S,2R)−1,2−インダンジオール(V
I)から誘導した、(1S,2R)−2−アセトキシイ
ンダン−1−オール(I:R1 =CH3 )と(1S,2
R)−1−アセトキシインダン−2−オール(II:R1
=CH3 )の混合物を発煙硫酸の存在下にアセトニトリ
ルと反応させたところ、(1S,2R)−1−アセトア
ミド−2−アセトキシインダン(III )、および(4
S,5R)−インデノオキサゾリン(IV)か得られた。
これらを個別に加水分解すると、得られた(1S,2
R)−1−アミノインダン−2−オール(V)の光学純
度は何れも100%eeであり、中間体であるアミド
(III )とオキサゾリン(IV)の光学純度は保持されて
いることが確認された。一般式(III )で表されるシス
−1−アセトアミド−2−(置換カルボニルオキシ)イ
ンダン類は本発明者らによって初めて得られた新規な化
合物である。
【0035】本発明者等は、先の、図式1で示される環
状硫酸エステルはプロトン化されることにより、インダ
ン骨格の2位の水酸基が硫酸エステルされたインダニル
カチオンを生成する事実に着目し、シス−1,2−イン
ダンジオールの環状エステル類はRitter反応の良
好な基質になると考えた。前述のJ.Org.Che
m.,61,p.4469(1996)には1,2−ジ
オール類とオルトエステル類の反応による1,2−ジオ
ールの環状オルトエステル中間体の生成が記載されてい
ることから、本発明者等はシス−1,2−インダンジオ
ールの環状オルトエステル類のRitter反応につい
て鋭意検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。
【0036】すなわち、一般式(VI)
【0037】
【化41】
【0038】(ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよ
い)で表されるシス−1,2−インダンジオールを、酸
触媒の存在下に一般式(VII )
【0039】
【化42】
【0040】(ただし、式中、R1 は水素原子、直鎖も
しくは分岐のアルキル基であり、R2は炭素数1から3
の低級アルキル基である)で表されるオルトエステル類
と反応させることにより、一般式(VIII)
【0041】
【化43】
【0042】(ただし、式中、R1 およびR2 は前記一
般式(VII )と同義であり、ラセミ体でも光学活性体で
もよい)で表されるシス−環状オルトエステル類を合成
し、これを濃硫酸もしくは発煙硫酸の存在下にアセトニ
トリルと反応させることにより、一般式(IV)
【0043】
【化44】
【0044】(ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよ
い)で表されるシス−インデノオキサゾリンを合成し、
これを加水分解することからなる、一般式(V)
【0045】
【化45】
【0046】(ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよ
い)で表されるシス−1−アミノインダン−2−オール
の製造方法を見い出したのである(図式6)。
【0047】
【化46】
【0048】以下により詳細に本発明を説明する。
【0049】一般式(VI)で表されるシス−1,2−イ
ンダンジオールは公知の方法で得ることができる。一般
式(VIII)で表されるシス−環状オルトエステル類は酸
触媒の存在下にシス−1,2−インダンジオールと一般
式(VII )で表されるオルトエステル類の反応で得られ
る。酸触媒としてはパラトルエンスルホン酸、ピリジニ
ウムパラトルエンスルホン酸塩、濃硫酸、トリフルオロ
酢酸や固体酸触媒等が使用できる。オルトエステル類
(VII )はシス−1,2−インダンジオールに対して
1.0当量モルから100当量モルの範囲で使用でき
る。本反応に不活性な溶媒の使用も可能であり、大過剰
のオルトエステル類を溶媒として用いることも可能であ
る。溶媒を使用して本反応を行う際の最適なオルトエス
テル類(VII )の使用量は、シス−1,2−インダンジ
オールに対して1.0当量モルから3.0当量モルであ
る。シス−環状オルトエステル類(VIII)を単離しない
場合には、次の反応の基質であるアセトニトリルか好適
な溶媒である。
【0050】シス−環状オルトエステル類(VIII)は単
離して次の反応を行うことも、単離せずに行うことも可
能てある。
【0051】シス−環状オルトエステル類(VIII)を単
離して次反応を行う場合、反応で副生するアルコ−ル
類、過剰のオルトエステル類(VII )および反応溶媒を
常圧もしくは減圧下に留去する。生成したシス−環状オ
ルトエステル類(VIII)は不安定で、特に容易に加水分
解するので注意を要する。このため、特に精製操作を行
わずにアセトニトリルに溶解し、濃硫酸もしくは発煙硫
酸を添加する。アセトニトリルは出発原料のシス−1,
2−インダンジオール(VI)に対して1.0当量モルか
ら100当量モル使用できる。濃硫酸もしくは発煙硫酸
の適当な使用量は、シス−1,2−インダンジオール
(VI)に対して1.0当量モルから3.0当量モルであ
る。酸の使用量がこれよりも少ないと反応か完結せず、
これよりも多いと経済的に不利である。本反応は反応不
活性な有機触媒中で行うことも可能である。反応温度は
−20℃から40℃が好ましく、これよりも温度が低い
と反応の進行が遅く、高いと副反応により目的物の収率
が低下する。本反応により一般式(IV)で表されるシス
−インデノオキサゾリンか生成する。反応は液体クロマ
トグラフィー等で追跡し、原料が消失し、シス−インデ
ノオキサゾリン(IV)の増加が認められなくなった場合
に反応を終了させる。シス−インデノオキサゾリン(I
V)は、反応混合物を炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム等の希薄水溶液にpHを8〜10を維持するように
注加し、有機溶媒で抽出後に溶媒を留去することにより
取り出すことができる。本化合物(IV)を加水分解し、
所望のシス−1−アミノインダン−2−オール(V)を
得ることができる。また、シス−インデノオキサゾリン
(IV)を単離せずに、反応混合物に水を加えた後に加水
分解して所望のシス−1−アミノインダン−2−オール
(V)を得ることができる。この場合、硫酸の濃慶は
0.1Nから5Nが好ましく、加水分解の温度は室温か
ら100℃が好ましく、より好ましくは50℃から80
℃である。
【0052】一方、シス−環状オルトエステル(VIII)
を単離せずに次反応を行う場合、反応混合物にアセトニ
トリルを加え(前反応をアセトニトリル溶媒中で行う場
合には、この操作は省略できる)、濃硫酸もしくは発煙
硫酸を添加する。アセトニトリルは出発原料のシス−
1,2−インダンジオール(VI)に対して1.0当量モ
ルから100当量モル使用できる。濃硫酸および発煙硫
酸の使用量は、シス−1,2−インダンジオール(VI)
に対して2.0当量モルから5.0当量モルが適当であ
り、酸の使用量がこれよりも少ないと反応が完結せず、
これよりも多いと経済的に不利である。本反応の温度は
−20℃から40℃が好ましく、これよりも温度が低い
と反応の進行が遅く、高いと副反応により収率が低下す
る。反応終了後は前述の方法と同様にして、生成物であ
るシス−オキサゾリン(IV)の取り出し、およびシス−
1−アミノインダン−2−オール(V)の製造ができ
る。
【0053】本製造方法は光学活性なシス−1,2−イ
ンダンジオール(IV)を出発原料にした場合にも適用で
きる。例えば、(1S,2R)−1,2−インダンジオ
ールを出発原料とした場合には、得られるシス−インデ
ノオキサゾリン体(IV)およびシス−1−アミノインダ
ン−2−オール(V)は、それぞれ(4S,5R)体、
および(1S,2R)体となり、(1R,2S)−1,
2−インダンジオールを出発原科とした場合には、得ら
れるシス−インデノオキサゾリン体(IV)およびシス−
1−アミノインダン−2−オール(V)はそれぞれ、
(4R,5S)体、および(1R,2S)体となる。こ
れら生成物の純対配置は、既に報告されている当該化合
物の比旋光度から決定できる。本発明の製造方法におい
ては、出発原料であるシス−1,2−インダンジオール
(VI)の光学純度は保持され、同様の光学純度で目的と
するシス−インデノオキサゾリン(IV)およびシス−1
−アミノインダン−2−オール(V)が得られる。
【0054】本発明者等は、次に、シス−1,2−イン
ダンジオールの環状保護化合物として環状アセタールを
基質として選択した。J.Org.Chem.,62,
p.151(1997)には、ベンズアルデヒドから誘
導されるジメチルアセタールやエチレンケタ−ル類がル
イス酸によりプロトン化され、ベンジル位にカチオンが
生成し、これが親電子的に芳香核を攻撃する反応が報告
されている(図式7)。
【0055】
【化47】
【0056】本発明者等は類似の基質であるシス−1,
2−インダンジオール環状アセタールは強酸の存在によ
りインダン骨格の1位にカチオンを生成し、系にニトリ
ルが存在する場合には親電子的に反応するのではないか
と考え、鋭意検討を行った緒果、本発明を完成するに至
った。
【0057】すなわち、本発明は、一般式(IX)
【0058】
【化48】
【0059】(ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよ
い)で表されるシス−1,2−インダンジオールジメチ
ルアセタールを合成し、これを濃硫酸もしくは発煙硫酸
の存在下にアセトニトリルと反応させることにより、一
般式(IV)
【0060】
【化49】
【0061】(ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよ
い)で表されるシス−インデノオキサゾリンを生成さ
せ、これを加水分解することからなる、一般式(V)
【0062】
【化50】
【0063】(ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよ
い)で表されるシス−1−アミノインダン−2−オール
の効率的な製造方法を提供するものである(図式8)。
【0064】
【化51】
【0065】以下に本発明をより詳細に説明する。
【0066】本発明の出発原料となるシス−1,2−イ
ンタンジオールジメチルアセタール(IX)は一般式(V
I)
【0067】
【化52】
【0068】(ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよ
い)で表されるシス−1,2−インダンジオールを常法
でアセタール化することにより容易に得られる。例え
ば、酸触媒の存在下にシス−1,2−インダンジオール
(VI)と過剰のアセトンジメチルアセタールを副生する
メタノ−ルを留去しつつ反応させるか、酸触媒の存在下
にシス−1,2−インダンジオール(VI)を、当量モル
もしくは小過剰の2−メトキシプロペンと反応させるこ
とにより、良好な収率で、目的とする一般式(IX)で表
されるシス−1,2−インダンジオールジメチルアセタ
ールか得られる。本反応に使用される酸触媒としては。
パラトルエンスルホン酸、ピリジニウムパラトルエンス
ルホン酸塩、濃硫酸、トリフルオロ酢酸、固体酸触媒等
があげられる。一般式(IX)で表されるシス−1,2−
インダンジオールジメチルアセタールは本発明者等によ
って初めて合成された新規な化合物である。
【0069】シス−1,2−インダンジオールジメチル
アセタール(IX)は濃硫酸もしくは発煙硫酸の存在下に
アセトニトリルと反応させることにより、一般式(IV)
で表されるシス−インデノオキサゾリンを与える。本反
応は、発煙硫酸の存在下にも進行するが収率が低い。使
用する濃硫酸の量はシス−1,2−インダンジオールジ
メチルアセタール(IX)に対して2.0当量モルから
5.0当量モルが好ましく、これよりも硫酸の使用量が
少ないと収率が低下し、使用量が多いと経済的に不利で
ある。アセトニトリルは、シス−1,2−インダンジオ
ールジメチルアセタール(IX)に対して1.0当量モル
から100当量モル使用できる。過剰のアセトニトリル
を溶媒として用いることもできるし、反応不活性な有機
溶媒の存在下に本反応を行うことも可能である。本反応
は−20℃から40℃の温度範囲で実施可能である。こ
れよりも反応温度が低いと反応の進行が遅く、高いと副
反応のため収率が低下する。反応の進行は高速液体クロ
マトグラフィー等で追跡でき、原料であるシス−1,2
−インダンジオールジメチルアセタール(IX)が消滅
し、生成物であるシス−インデノオキサゾリン(IV)の
増加が認められなくなれば反応を終了する。シス−イン
デノオキサゾリン(IV)は、反応混合物を炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム等の無機塩基の稀薄溶液にpH8から10を保持し
ながら注加し、有機溶媒で抽出後に抽出層を濃縮すれば
取り出すことができる。シス−インデノオキサゾリン
(IV)は前述の方法で加水分解することにより、所望の
一般式(V)で表されるシス−1−アミノインダン−2
−オールが得られる。シス−インデノオキサゾリン(I
V)を取り出すことなしに、反応液に水を加えた後に加
熱することで、所望のシス−1−アミノインダン−2−
オール(V)を得ることもできる。酸性で加水分解する
際の硫酸の濃度は、0.1Nから5.0Nが好ましく、
反応温度は室温から100℃が好ましく、さらに好まし
くは50℃から80℃である。
【0070】本発明の製造方法は、光学活性なシス−
1,2−インダンジオール(VI)を原料に用いた場合に
も適用できる。例えば、(1S,2R)−1,2−イン
ダンジオール(VI)を出発原料に用いた場合、(4S,
5R)−インデノオキサゾリン(IV)および(1S,2
R)−1−アミノインダン−2−オール(V)が生成物
として得られる。また、(1R,2S)−1,2−イン
ダンジオール(VI)を出発物質として用いた場合に、
(4R,5S)−インデノオキサゾリン(IV)および
(1R,2S)−1−アミノインダン−2−オール
(V)が生成物として得られる。各生成物の絶対配置
は、既に報告されている当該化合物の比旋光度から決定
できる。本発明の製造法においては、出発原料であるシ
ス−1,2−インダンジオール(VI)の光学純度は保持
され、同様の光学純度で目的とするシス−インデノオキ
サゾリン(IV)およびシス−1−アミノインダン−2−
オール(V)が得られる。
【0071】以下に実施例で本発明をより詳細に説明す
る。
【0072】反応の追跡、および生成物の化学純度決定
は、下記の高速液体クロマトグラフィー条件でおこなっ
た。
【0073】 カラム :YMCpack C8 A−202 150mm×4.5mmφ 検出波長 :254nm 流量 :1.0ml/min. カラム温度:40℃ 移勤相 :0.003M H3 PO4 (aq.):CH3 CN =80:20(0→5.0min.) =80:20→10:90(5.0min.→15.0min. ) =10:90(15.0min.→25.0min.) =10:90→80:20(25.0min.→30.0min .) 光学活性なシス−1,2−インダンジオール(VI)の光
学純度の決定は、以下の高速液体クロマトグラフィー条
件でおこなった。
【0074】 カラム :CHRALCEL OK 250mm×
4.5mmφ 検出波長 :254nm 流量 :0.8ml/min カラム温度:30℃ 移動相 :ヘキサン:イソプロパノール=90:10 光学活性なシス−1−アミノインダン−2−オール
(V)の光学純度の決定は、以下の高速液体クロマトグ
ラフィー条件でおこなった。
【0075】 カラム :CROWNPAK CR(−) 150m
m×4.5mmφ 検出波長 :210nm 流量 :0.6ml/min. カラム温度:30℃ 移動相 :過塩素酸水溶液(pH=1.0) 1H−NMRは、テトラメチルシランを内部標準物質と
して測定した。
【0076】実験例1 (±)−トランス−2−ブロモ
インダン−1−オールからの(±)−2−アセトキシイ
ンダン−1−オール(I,R1 =CH3 )の合成(1) 1000ml3ッ口フラスコに(±)−トランス−2−
ブロモインダン−1−オール117g(0.548mo
l)を仕込み、室温で無水酢酸70g(0.684mo
l)を加えた。60℃で5時間加熱下にかき混ぜて、
(±)−トランス−2−ブロモ−1−アセトキシインダ
ンを生成させた。室温で25%水酸化ナトリウム水浴液
を加え、pHを6〜7に調整した。ついて95℃で2.
5時間かき混ぜた後に放冷した。水層のpHは4であっ
た。析出結晶を減圧で濾別した後に水洗、減圧乾燥して
81.7gの粗生成物を得た。粗生成物をヘキサン:ジ
クロロメタン(80:20)から再結晶して、無色針状
晶の(±)−シス−2−アセトキシインダン−1−オー
ル(I,R1 =CH3 )43.4g(収率:41.3
%)を得た。
【0077】融点:101〜102℃ IR(KBr,cm-1):3310,1740,126
0.1 H−NMR(CDCl3 ppm): δ=2.09(3H,s,CH3 ), 2.29(1H,d,br,J=7.4Hz,OH), 3.07(1H,dd,J=16.8Hz,3.0H
z,CH,H3a). 3.21(1H,dd,J=16.8Hz,5.5H
z,CH,H3b). 5.22(1H,t,J=5.5Hz,CH,H1 ). 5.46(1H,td,J=5.5Hz,3.0Hz,
2.0Hz,CH,H2 ) 7.22〜7.48(4H,m,arom.H). 実験例2 (±)−トランス−2−ブロモインダン−1
−オールからの(±)−2−アセトキシインダン−1−
オール(I,R1 =CH3 )の合成(2) 100ml3ッ口フラスコに(±)−トランス−2−ブ
ロモインダン−1−オール10.65g(0.05mo
l)を仕込み、無水酢酸6.38g(0.0625mo
l)を加えた。65℃で4時間かき混ぜた後に室温で2
5%水酸化ナトリウム水溶液を加えた。このときの水層
のpHは10であり、有機層のpHは7であった。80
〜85℃で2時間かき混ぜた後に室温まで冷却した。反
応混合物をジクロロメタン50mlで2回抽出し、抽出
層を濃縮して粗生成物8.4gを得た。この半量をジク
ロロメタンを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマト
グラフィーを行って精製し、微黄色結晶の(±)−シス
−2−アセトキシインダン−1−オール(I,R1 =C
3 )3.54g(収率:74.0%)を得た。スペク
トルデ−タは実験例1の生成物と一致した。
【0078】実験例3 (±)−シス−1,2−インダ
ンジオール(VI)からの(±)−シス−2−ホルミルオ
キシインダン−1−オール(I.R1 =H)および
(±)−1−ホルミルオキシインダン−2−オール
(I.R1 =H)の合成(1) 500ml4ツ口フラスコに、(±)−シス−1,2−
インダンジオール(VI)7.5g(0.05mol)を
仕込み、ジクロロメタン450mlを加えて溶解させ
た。パラトルエンスルホン酸一水和物0.6g(0.0
0315mol)を加えた後、室温でかき混ぜなからオ
ルトギ酸トリメチル(VII ,R1 =H,R2 =CH3
8.0g(0.075mol)を加え、室温で2時間か
き混ぜた。反応混合物を0.5%炭酸カリウム水溶液1
50mlに注加し、室温で1時間かき混ぜた。有機層を
分離し、水100mlで洗浄後に無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。ジクロロメタン溶液を減圧下に濃縮して無色
〜徴黄色の粗生成物8.38gを得た。これをイソプロ
パノールから再結晶して、無色麟片状結晶の(±)−シ
ス−2−ホルミルオキシインダン−1−オール(I,R
1 =H)と(±)−シス−1−ホルミルオキシインダン
−2−オール(II,R1 =H)の混合物4.80g(収
率:53.9%)を得た。 1H−NMRにおけるC2
ロトンの積分比から混合比はI(R1 =H):II(R1
=H)=63:37てあった. IR(KBr,cm-1):3260,3148,171
3,1339,1192.1 H−NMR(CDCl3 ,ppm) (±)−シス−2−ホルミルオキシインダン−1−オー
ル(I,R1 =H); δ=2.98〜3.28(2H,m,CH2 ,H3a+H
3b) 2.28(1H,s,br,OH), 5.25(1H,d,J=5.0Hz,CH,H1 ). 5.59(1H,dd,J=5.0Hz,3.5Hz
CH,H2 ), 7.22〜7.37(4H,m,arom.H), 8.12(1H,s,CHO). (±)−シス−1−ホルミルオキシインダン−2−オー
ル(II,R1 =H); δ=2.98〜3.28(2H,m,CH2 ,H3a+H
3b) 1.64(1H,s,br,OH), 4.67(1H,dd,J=6.4Hz,5.5Hz,
CH,H2 ), 6.11(1H,d,J=5.5Hz,CH,H1 ), 7.40〜7.48(4H,m,arom.H), 8.22(1H,s,CHO). 実験例4 (±)−シス−1,2−インダンジオール
(VI)からの(±)−シス−2−ホルミルオキシインダ
ン−1−オール(I,R1 =H)および(±)−1−ホ
ルミルオキシインダン−2−オール(II,R1 =H)の
合成(2) 500ml4ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)4.5g(0.03mol)を仕
込み、ジクロメタン300mlを加えて溶解させた。パ
ラトルエンスルホン酸一水和物0.36g(0.002
mol)を加え、かき混ぜながら室温でオルトギ酸トリ
メチル(VII ,R2 =H,R3 =CH3)4.77g
(0.045mol)を加え、室温で2時間かき混ぜ
た。2%酢酸ナトリウム水溶液50mlを加え、室温で
一夜かき混ぜた。水層のpHは7であった。分液し、有
機層を水50mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後に減圧下に濃縮し、淡黄色結晶の粗生成物4.72g
を得た。
【0079】粗生成物を、ジクロロメタンを展開溶媒と
してシリカゲルカラムクロマトグラフィーをおこなって
精製し、無色結晶の(±)−シス−2−ホルミルオキシ
インダン−1−オール(I,R1 =H)と(±)−シス
−1−ホルミルオキシインダン−2−オール(II,R1
=H)の混合物3.44g(収率:64.4%)を得
た。 1H−NMRにおけるC2 プロトンの積分比から、
混合比はI(R1 =H):II(R1 =H)=50:50
てあった。
【0080】実験例5 (±)−シス−1,2−インダ
ンジオール(VI)からの(±)−シス−2−(n−プロ
ピルカルボニルオキシ)インダン−1−オール(I,R
1 =(CH2 2CH3)および(±)−シス−1−(n
−プロピルカルボニルオキシ)インダン−2−オール
(II,R1 =(CH2 2CH3 )の合成(1) 500ml4ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)7.5g(0.05mol)を仕
込み、ジクロロメタン450mlを加えて溶解した。パ
ラトルエンスルホン酸一水和物0.6g(0.0031
5mol)を加え、室温でかき混ぜながらオルト酪酸ト
リメチル(VII ,R1 =(CH2 2CH3 ,R2 =C
3 )8.9g(0.06mol)を加えた。室温で3
時間かき混ぜた後、反応混合物を0.5%炭酸カリウム
水溶液150mlに注加し、室温で30分かき混ぜた。
水層のpHは5であった。有機層を分離し、水100m
lで洗浄後に無水硫酸ナトリウムで乾燥後に濃縮し、淡
黄色結晶の粗生成物11.0gを得た。粗生成功をヘキ
サンから再結晶し、徴黄白色結晶の(±)−シス−2−
(n−プロピルカルボニルオキシ)インダン−1−オー
ル(I,R1 =(CH2 2CH3 )と(±)−シス−
1−(n−プロピルカルボニルオキシ)インダン−2−
オール(II,R1 =(CH2 2CH3 )の混合物5.
40g(収率:49.1%)を得た。 1H−NMRにお
けるC2 プロトンの積分比から、混合比はI(R1
(CH2 2CH3 ):II(R1 =(CH2 2CH3
=50:50であった。
【0081】IR(KBr,cm-1):3362,17
27,1198.1 H−NMR(CDCl3 ,ppm) (±)−シス−2−(n−プロピルカルボニルオキシ)
インダン−1−オール(I:R1 =(CH2 2
3 ); δ=0.95(3H,dd,J=12.9Hz,5.4
Hz,CH3 ),1.58〜1.76(2H.m,CH
2 ),2.32(2H,t,J=7.4Hz,CH2
or2.38(2H,t,J=7.4Hz,CH2 ),
2.96〜3.10(1H,m,CH,H3a),3.1
4〜3.26(1H,m,CH,H3b),5.22(1
H,d,J=5.5Hz,CH,H1 ),5.47(1
H,td,J=5.5Hz,3.5Hz,2.0Hz,
CH,H2 ),7.2〜7.5(4H,m,arom.
H). (±)−シス−1−(n−プロピルカルボニルオキシ)
インダン−2−オール(II:R1 =(CH2 2
3 ); δ=0.95(3H,dd,J=12.9Hz,5.4
Hz,CH3 ),1.58〜1.76(2H,m,CH
2 ).2.32(2H,t,J=7.4Hz,CH2
or2.38(2H,t,J=7.4Hz,CH2 ),
2.96〜3.10(1H,m,CH,H3a),3.1
4〜3.26(1H,m,CH,H3b),4.66(1
H,dd,J=5.9Hz,5.4Hz,CH,
2 ),6.01(1H,d,J=5.4Hz,CH,
1 ),7.2〜7.5(4H,m,arom.H). 実験例6 (±)−シス−1,2−インダンジオール
(VI)からの(±)−シス−2−(n−プロピルカルボ
ニルオキシ)インダン−1−オール(I,R1 =(CH
2 2CH3 )および(±)−シス−1−(n−プロピ
ルカルボニルオキシ)インダン−2−オール(II,R1
=(CH2 2CH3 )の合成(2) 200ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)3.0g(0.02mol)を仕
込み、ジクロロメタン200mlを加え溶解した。パラ
トルエンスルホン酸一水和物0.3g(0.0016m
ol)を加え、室温でオルト酪酸トリメチル(VII :R
1 =(CH2 2CH3 ,R2 =CH3)4.44g
(0.03mol)を添加し、同温度で4時間かき混ぜ
た。反応混合物を2%酢酸ナトリウム水溶液50mlに
注加し、室温で一夜かき混ぜた。水層のpHは6〜7で
あった。有機層を分離し、水50mlで洗浄後に無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、黄色
粘調液体の粗生成物4.47gを得た。粗生成物をジク
ロロメタンを展開溶媒とし、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーをおこなって精製し、無色結晶の(±)−シ
ス−2−(n−プロピルカルボニルオキシ)インダン−
1−オール(I,R1 =(CH2 2CH3 )と(±)
−シス−1−(n−プロピルカルボニルオキシ)インダ
ン−2−オール(II,R1 =(CH2 2CH3 )の混
合物2.38g(54.1%)を得た。1H−NMRに
おけるC2 プロトンの積分比から、混合比はI(R1
(CH22CH3 ):II(R1 =(CH2 2CH3
=10:9であった。
【0082】実験例7(1S,2R)−1,2−インダ
ンジオール(VI)から(1S,2R)−2−アセトキシ
インダン−1−オール(I:R1 =CH3 )および(1
S,2R)−1−アセトキシインダン−2−オール(I
I:R1 =CH3 )の合成 500ml3ッ口フラスコに(1S,2R)−1,2−
インダンジオール(VI)6.0g(0.04mol,1
00%ee)を仕込み、ジクロロメタン400mlを加
えて溶解させた。パラトルエンスルホン酸一水和物0.
48g(0.0025mol)を加えた後、室温でかき
混ぜながら、オルト酢酸トリメチル(VII :R1 =CH
3 ,R2 =CH3 )7.2g(0.06mol)を添加
し、同温度で3時間かき混ぜた。反応混合物を1%炭酸
ナトリウム水溶液100mlに注加し、10分間かき混
ぜた後に分液した。水層のpHは9であった。有機層に
水100mlを加えて室温でかき混ぜると、30分後の
水層のpHは4であった。分液してジクロロメタン溶液
510gを得た。
【0083】この溶液の半量(255g)を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後に溶媒を留去して、黄色液体の粗生成
物3.66gを得た。この粗生成物をジクロロメタンを
展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーを
行い、微黄白色結晶の(1S,2R)−2−アセトキシ
インダン−1−オール(I:R1 =CH3 )と(1S,
2R)−1−アセトキシインダン−2−オール(IIR1
=CH3 )の混合物1.77g(収率:23.0%)を
得た。
【0084】先のジクロロメタン溶液の残りの半量(2
55g)に1%酢酸ナトリウム水溶液100mlを加え
てかき混ぜた。添加直後のpHは8であった。室温で2
日間かき混ぜたところ、pHは7であった。有機層を分
離し、水50mlで洗浄後に無水硫酸ナトリウムて乾燥
し、ジクロロメタンを留去して、黄色液体の粗生成物
3.72gを得た。これを前述の方法と同様に精製し
て、淡黄色結晶の(1S,2R)−2−アセトキシイン
ダン−1−オール(I:R1 =CH3 )と(1S,2
R)−1−アセトキシインダン−2−オール(II:R1
=CH3 )の混合物2.07g(収率:27.0%)を
得た。総収量3.84g(総収率:50.0%)。 1
−NMRにおけるC2 プロトンの積分比から、混合比は
I(R1 =CH3 ):II(R1 =CH3 )=50:50
であった。
【0085】IR(KBr,cm-1):3343,17
28,1252.1 H−NMR(CDCl3 ,ppm) (1S,2R)−2−アセトキシインダン−1−オール
(I:R1 =CH3 ) δ=2.09(3H,s,CH3 ),2.36(1H,
s,br,OH),3.07(1H,dd,J=16.
8Hz,3.0Hz,CH,H3a),3.21(1H,
dd,J=16.8Hz,5.5Hz,CH,H3b),
5.22(1H,d,J=5.5Hz,CH,H1 ),
5.46(1H,td,J=5.5Hz,3.0Hz,
2.0Hz,CH,H2 ),7.22〜7.48(4
H,m,arom.H). (1S,2R)−1−アセトキシインダン−2−オール
(II:R1 =CH3 ) δ=2.14(3H,s,CH3 ),2.36(1H,
s,br,OH),3.01(1H,dd,J=16.
0Hz,6.0Hz,CH,H3a),3.19(1H,
dd,J=16.0Ha,6.0Hz,CH,H3b),
4.65(1H,dd,J=6.0Hz,5.0Hz,
CH,H2 ),5.99(1H,d,J=5.0Hz,
CH,H1 ),7.22〜7.48(4H,m,aro
m.H). 実施例1 (±)−シス−2−アセトキシインダン−1
−オール(I:R1 =CH3 )の濃硫酸を用いたRit
ter反応 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−2−アセト
キシインダン−1−オール(I:R1 =CH3 )3.8
g(0.02mol)を仕込み、アセトニトリル20m
lを加えて溶解した。12〜16℃で15分を要して濃
硫酸3.06g(0.03mol)を滴下した。室温で
7時間かき混ぜた後、反応液を1%水酸化ナトリウム水
溶液に注加し、pHを8に調整した。塩化メチレン40
mlで2回抽出し、無水硫酸ナトリウムで抽出層を乾燥
した。減圧下に溶媒を留去して、微褐色結晶の粗生成物
3.50gを得た。
【0086】粗生成物を酢酸エチルを展開溶媒としてシ
リカゲルクロマトグラフィーをおこない、以下の分画を
得た。
【0087】1) (±)−シス−1−アセトアミド−
2−アセトキシインダン(III :R1 =CH3 ) 収量:0.94g(収率:20.2%) 融点:195〜196℃ IR(KBr,cm-1):3245,1738,164
4,1235.1 H−NMR(CDCl3 ,ppm): δ=2.02(3H,s,CH3 ),2.10(3H,
s,CH3 ).3.01(1H,dd,J=17.3H
z,1.5Hz,CH,H3a),3.22(1H,d
d,J=17.3Hz,5.0Hz,CH,H3b),
5.55(1H,td,J=5.0Hz,5.0Hz,
1.5Hz,CH,H2 ),5.68(1H,dd,J
=9.0Hz,5.0Hz,CH,H1 ),5.94
(1H,d,br,J=9.0Hz,NH),7.22
〜7.28(4H,m,arom.H). 2) (±)−シス−インデノオキサゾリン(IV) 収量:1.35g(収率:39.0%) 融点:66〜68℃ IR(KBr,cm-1):1663,1387,122
3,1198,1013,748.1 H−NMR(CDCl3 ,cm-1): δ=1.94(3H,s,CH3 ),3.24(1H,
dd,J=17.8Hz,1.5Hz,CH,H3a),
3.43(1H,dd,J=17.8Hz,7.9H
z,CH,H3b),5.30(1H,td,J=7.9
Hz,7.9Hz,1.5Hz,CH,H2 ),5.5
0(1H,d,J=7.9Hz,CH,H1 ),7.2
3〜7.50(4H,m,arom.H). 実施例2 (±)−シス−2−アセトキシインダン−2
−オール(I:R1 =CH3 )の発煙硫酸を用いたRi
tter反応(1) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−2−アセト
キシインダン−1−オール(I:R1 =CH3 )3.8
g(0.02mol)を仕込み、アセトニトリル20m
l加えて溶解させた。かき混ぜなから、13〜16℃で
発煙硫酸(25%SO3 )2.80g(0.03mo
l)を15分を要して滴下した。室温で5時間かき混ぜ
た後、反応混合物を5%水酸化ナトリウム50mlに注
加した。pHは9〜10であった。ジクロロメタン40
mlで2回抽出し、抽出層をあわせて水20mlで洗浄
した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後に濃縮し、
白色結晶の粗生成物3.45gを得た。これを酢酸エチ
ルを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーをおこない、以下の分画を得た。
【0088】1) (±)−シス−1−アセトアミド−
2−アセトキシインダン(III :R1 =CH3 ) 収量:1.90g(収率:40.8%) 2) (±)−シス−インデノオキサゾリン(IV) 収量:0.58g(収率:16.8%) 実施例3 (±)−シス−2−アセトキシインダン−2
−オール(I:R1 =CH3 )の発煙硫酸を用いたRi
tter反応(2) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−2−アセト
キシインダン−2−オール(I:R1 =CH3 )3.8
g(0.02mol)を仕込み、アセトニトリル20m
lを加えて室温で溶解させた。氷塩浴で冷却すると10
℃以下でスラリー状となった。−6℃を保ち、かき混ぜ
なから発煙硫酸(25%SO3 )2.80g(0.03
mol)を10分を要して滴下した。−3℃から−10
℃で4.5時間かき混ぜた後、反応混合物を5%水酸化
ナトリウム50ml中に注加し、pHを10に調整し
た。ジクロロメタン40mlで2回抽出し、抽出層を水
20mlで洗浄後に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。つ
いで溶媒を減圧下に留去し、黄色液体の粗生成物1.9
0gを得た。粗生成物を酢酸エチルを展開溶媒としてシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーをおこない、以下の
分画を得た。
【0089】1) (±)−シス−1−アセトアミド−
2−アセトキシインダン(III :R1 =CH3 ) 収量:0.18g(収率:3.9%) 2) (±)−シス−インデノオキサゾリン(IV) 収量:0.33g(収率:9.5%) 実施例4 (±)−シス−2−アセトキシインダン−2
−オール(I:R1 =CH3 )の発煙硫酸を用いたRi
tter反応(3) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−2−アセト
キシインダン−2−オール(I:R1 =CH3 )3.8
g(0.02mol)を仕込み、アセトニトリル20m
lを加えて溶解させた。15℃から20℃を保ちなか
ら、発煙硫酸(25%SO3 )3.73g(0.04m
ol)を7分を要して滴下した。20℃で5.5時間か
き混ぜると均一な溶液は桃色スラリーに変化した。反応
混合物を10%炭酸ナトリウム水溶液100ml中に注
加し、析出結晶を濾別した。濾液のpHは8〜9であっ
た。結晶を水洗後に乾燥して、無色結晶の(±)−シス
−1−アセトアミド−2−アセトキシインダン(III :
1 =CH3 )2.88g(収率:61.8%)を得
た。一方、濾液と洗浄液をあわせ、酢酸エチル40ml
で3回抽出し、抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、溶媒を減圧下に留去して黄色結晶の粗生成物1.0
7gを得た。これを酢酸エチルから再結晶して、微黄白
色結晶の(±)−シス−1−アセトアミド−2−アセト
キシインダン(III :R1 =CH3 )0.16g(収
率:3.4%)を得た。さらに、再結晶の母液を減圧下
に濃縮し、得られた黄色液体を、酢酸エチルを展開溶液
としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行って精
製し、微黄白色結晶の(±)−シス−インデノオキサゾ
リン(IV)0.13g(収率:3.8%)を得た。
【0090】実施例5 (±)−シス−2−アセトキシ
インダン−2−オール(I:R1 =CH3 )の濃硫酸を
用いたRitter反応と生成物の加水分解 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−2−アセト
キシインダン−2−オール(I:R1 =CH3 )4.2
0g(0.022mol)を仕込み、アセトニトリル2
0mlを加えて溶解させた。18℃から20℃を保ち、
かき混ぜなから、濃硫酸3.40g(0.033mo
l)を10分を要して滴下した。20〜25℃で2.5
時間かき混ぜ、室温で一夜放置した。HPLCにおい
て、(±)−シス−インデノオキサゾリン(IV)は33
%、(±)−シス−1−アセトアミド−2−アセトキシ
インダン(III :R1 =CH3 )は21%(いずれも面
積百分率)の生成が認められた。反応混合物に水30m
lを加え、50℃で2時間かき混ぜた。反応混合物から
減圧下にアセトニトリルと水を濃縮し、残液量を18.
5gとした。この溶液に水20mlを加え、50℃で、
さらに6.5時間かき混ぜた。反応混合物を冷却し、ジ
クロロメタン20mlで洗浄した。水層に25%水酸化
ナトリウム水溶液を加え、pHを10〜11に調整し
た。析出結晶を濾過、水洗いし、減圧乾燥して無色結晶
の(±)−シス−1−アミノインダン−2−オール
(V)2.16g(収率:65.9%)を得た。先の濾
過母液を酢酸エチル20mlで2回抽出し、抽出層を濃
縮して無色結晶の(±)−シス−1−アミノインダン−
2−オール(V)0.41g(収率:12.5%)を得
た。
【0091】融点:127〜9℃ IR(KBr,cm-1):3339,3272,360
0.1 H−NMR(CDCl3 ,ppm): δ=2.22(1H,s,br,NH2 ),2.17
(1H,s,br,OH),2.94(1H,dd,1
6.3Hz,3.0Hz,CH2 ,H3a),3.10
(1H,dd,16.3Hz,5.5Hz,CH2 ,H
3b),4.32(1H,td,5.5Hz,CH,
1 ),4.38(1H,td.5.5Hz,5.5H
z,3.0Hz,CH,H2),7.23〜7.32
(4H,m,arom.H). 実施例6 (±)−シス−2−ホルミルオキシインダン
−1−オール(I:R1=H)と(±)−シス−1−ポ
ルミルオキシインダン−2−オール(II:R1 =H)の
混合物の濃硫酸を用いたRitter反応 100ml3ッ口フラスコに実施例3で合成した(±)
−シス−2−ホルミルオキシインダン−1−オール
(I:R1 =H)と(±)−シス−1−ホルミルオキシ
インダン−2−オール(II:R1 =H)の混合物(I:
II=63:37)1.78g(0.01mol)を仕込
み、アセトニトリル60mlを加えて溶解させた。17
℃から20℃を保ちなから、濃硫酸1.50g(0.0
15mol)を5分を要して滴下した。23℃で6時間
かき混ぜた後、反応混合物から減圧下にアセトニトリル
を濃縮し、残液を7.10gとした。これを10%炭酸
ナトリウム水溶液に注加し、酢酸エチル30mlで2回
抽出した。抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、酢酸
エチルを留去して、褐色液体の粗生成物1.60gを得
た。これを、酢酸エチルを展開溶媒としてシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーをおこない、(±)−シス−イ
ンデノオキサゾリン(IV)1.12g(収率:65.0
%)を得た。
【0092】実施例7 (±)−シス−2−ホルミルオ
キシインダン−1−オール(I:R1=H)と(±)−
シス−1−ホルミルオキシインダン−2−オール(I:
1 =H)の混合物の発煙硫酸を用いたRitter反
応 50ml3ッ口フラスコに実験例4で合成した(±)−
シス−2−ホルミルオキシインダン−1−オール(I:
1 =H)と(±)−シス−1−ホルミルオキシインダ
ン−2−オール(II:R1 =H)の混合物(I:II=5
0:50)1.78g(0.01mol)を仕込み、ア
セトニトリル10mlを加えて懸濁させた。23〜27
℃でかき混ぜながら発煙硫酸2.32g(0.025m
ol)を滴下し、25〜30℃で4時間かき混ぜた。反
応液はいったん均一となり、ついで桃色のスラリーヘと
変化した。反応混合物を5%炭酸水素ナトリウム水溶液
100ml中に注加した。析出結晶を濾過(濾液のpH
は9であった)、水洗後に減圧乾燥して淡褐色緒結の粗
生成物0.86gを得た。これを酢酸エチルから再結晶
して(±)−シス−1−アセトアミド−2−ホルミルオ
キシインダン(III:R1 =H)0.44g(収率:2
0.1%)を得た。
【0093】融点:183〜185℃ IR(KBr,cm-1):3275,1721,165
7,1188.1 H−NMR(CDCl3 ,ppm): δ=2.11(3H,s,CH3 ),3.05(1H,
d,J=17.3Hz,CH2 ,H3a),3.26(1
H,dd,J=17.3Hz,5.0Hz,CH2 ,H
3b),5.68(1H,t,J=5.0Hz,CH,H
2 ),5.73(1H,dd,J=9.0Hz,5.0
Hz,CH,H1 ),5.98(1H,d,br,J=
9.0Hz,NH),7.25〜7.29(4H,m,
arom.H),8.04(1H,s,CHO). 再結晶後の濾過母液を減圧下に濃縮し、残さを酢酸エチ
ルを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーをおこなって精製し、微黄白色結晶の(±)−シス−
インデノオキサゾリン(IV)0.32g(収率:18.
5%)を得た。−方、先の水性濾液を酢酸エチル20m
lで3回抽出し、抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後
に濃縮し、得られた残さを酢酸エチルを展開溶媒として
シリカゲルカラムクロマトグラフィーをおこなって精製
し、微黄白色結晶の(±)−シス−インデノオキサゾリ
ン(IV)0.75g(収率:43.4%)を得た。
【0094】実施例8 (±)−シス−2−ホルミルオ
キシインダン−1−オール(I:R1=H)と(±)−
シス−1−ホルミルオキシインダン−2−オール(II:
1 =H)の混合物の濃硫酸を用いたRitter反応
と生成物の加水分解 100ml3ッ口フラスコに実施例3で合成した(±)
−シス−2−ホルミルオキシインダン−1−オール
(I:R1 =H)と(±)−シス−1−ホルミルオキシ
インダン−2−オール(II:R1 =H)の混合物(I:
II=63:37)1.78g(0.01mol)を仕込
み、アセトニトリル60mlを加えて溶解させた。17
〜18℃でかき混ぜながら、濃硫酸1.50g(0.0
15mol)を5分を要して滴下した。25℃で7時間
かき混ぜた。HPLCにおいて、(±)−シス−インデ
ノオキサゾリン(IV)は54%(面積百分率)生成して
いた。湯浴の温度を30℃に保ち、減圧下にアセトニト
リルを留去して、残液量を4.10gとした。残液に水
15mlを加え、50℃で8時間かき混ぜた。反応混合
物を冷却し、ジクロロメタン20mlで2回洗浄した。
水層を分離し、これに25%水酸化ナトリウム水溶液を
加えてpHを11に調整した。酢酸エチル20mlで2
回抽出し、抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減
圧下に溶媒を留去し、無色結晶の(±)−シス−1−ア
ミノインダン−2−オール(V)0.70g(収率:4
7.0%)を得た。
【0095】実施例9.(±)−シス−2−(n−プロ
ピルカルボニルオキシ)インダン−1−オール(I:R
1 =(CH2 2CH3 )と(±)−シス−1−(n−
プロピルカルボニルオキシ)インダン−2−オール(I
I:R1 =(CH22CH3 )の混合物の濃硫酸を用い
たRitter反応 100ml3ッ口フラスコに実施例5で合成した(±)
−シス−2−(n−プロピルカルボニルオキシ)インダ
ン−1−オール(I:R1 =(CH22CH3)と
(±)−シス−1−(n−プロピルカルボニルオキシ)
インダン−2−オール(II:R1 =(CH22CH3
の混合物(I:II=50:50)2.20g(0.01
mol)を仕込み、アセトニトリル10mlを加えて溶
解させた。17〜18℃でかき混ぜながら、濃硫酸1.
50g(0.015mol)を7分を要して滴下した。
15〜22℃で7時間かき混ぜた後、反応混合物を、1
0%炭酸ナトリウム水溶液50ml中に注加した、ジク
ロロメタン30mlで2回抽出した後、抽出層を水10
mlで洗浄した。ジクロロメタン溶液を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去して淡褐色結晶の粗
生成物0.83gを得た。これを、ジクロロメタンを展
開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーをお
こない、以下の分画を得た。
【0096】(1) (±)−シス−1−アセトキシ−
2−(n−プロピルカルボニルオキシ)インダン(III
:R1 =(CH22CH3 ) 収量:0.51g(収率:19.5%) 融点:135−137℃ IR(KBr,cm-1):3302,1727,165
1,1184.1 H−NMR(CDCl3 ,ppm): δ=0.93(3H,t,J=7.4Hz,CH3 ),
1.62(2H,q,J=7.4Hz,CH2 ),2.
09(3H,s,CH3 ),2.25(2H,t,J=
7.4Hz,CH2 ),2.99(1H,dd,J=1
7.3Hz,1.5Hz,CH2 ,H3a),3.23
(1H,dd,J=17.3Hz,5.4Hz,C
2 ,H3b),5.57(1H,td,J=5.4H
z,5.4Hz,1.5Hz,CH,H2 ),5.67
(1H,dd,J=8.9Hz,5.4Hz,CH,H
1 ),5.98(1H,d,br,J=8.9Hz,N
H),7.20〜7.28(4H,m,arom.
H). (2) (±)−シス−インデノオキサゾリン(IV) 収量:0.28g(収率:16.2%). 実施例10 (±)−シス−2−(n−プロピルカルボ
ニルオキシ)インダン1−オール(I:R1 =(C
22CH3 )と(±)−シス−1−(n−プロピルカ
ルボニルオキシ)インダン−2−オール(II:R1
(CH22CH3 )の混合物の発煙硫酸を用いたRit
ter反応 50ml3ッ口フラスコに実施例6で(±)−シス−2
−(n−プロピルカルボニルオキシ)インダン−1−オ
ール(I:R1 =(CH22CH3 )と(±)−シス−
1−(n−プロピルカルボニルオキシ)インダン−2−
オール(II:R1 =(CH22CH3 )の混合物(I:
II=10:9)2.20g(0.01mol)を仕込
み、アセトニトリル10mlを加えて溶解させた。かき
混ぜながら、18〜23℃で発煙硫酸(25%SO3
2.32g(0.025mol)を7分を要して滴下し
た。23〜26℃で5.5時間かき混ぜ、淡褐色スラリ
ー状の反応混合物を10%炭酸ナトリウム水溶液50m
l中に注加した。析出結晶を濾過、水洗した後に乾燥し
て、暗白色結晶の(±)−シス−1−アセトアミド−2
−(n−プロピルカルボニルオキシ)インダン(III :
1 =(CH22CH3 )1.96g(収率:75.1
%)を得た。
【0097】濾液を酢酸エチル20mlで3回抽出し、
抽出層を無水硫酸ナトリウムて乾燥後に濃縮して黄色液
体の粗生成物0.32gを得た。これを酢酸エチルを展
開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーをお
こない、無色結晶の(±)−シス−インデノオキサゾリ
ン(IV)0.15g(収率:8.7%)を得た。
【0098】実施例11 (±)−シス−2−(n−プ
ロピルカルボニルオキシ)インダン−1−オール(I:
1 =(CH22CH3 )と(±)−シス−1−(n−
プロピルカルボニルオキシ)インダン−2−オール(I
I:R1 =(CH22CH3 )の混合物の濃硫酸を用い
たRitter反応と加水分解 100ml3ッ口フラスコに、実験例5で合成した
(±)−シス−2−(n−プロピルカルボニルオキシ)
インダン−1−オール(I:R1 =(CH22CH3
と(±)−シス−1−(n−プロピルカルボニルオキ
シ)インダン−2−オール(II:R1 =(CH22CH
3 )の混合物(I:II=50:50)2.20g(0.
01mol)を仕込み、アセトニトリル10mlを加え
て溶解させた。13〜15℃で、かき混ぜながら、濃硫
酸1.50g(0.015mol)を7分を要して滴下
した。20℃で10時間かき混ぜた後、さらに室温で一
夜、かき混ぜを続けた。反応混合物に水10mlを加
え、50℃で4時間かき混ぜた後、アセトニトリルと水
を減圧下に留去し、残液を4.4gとした。残液に水1
1mlを加え、50℃で8時間かき混ぜた。室温まで冷
却し、ジクロロメタン20mlで2回洗浄した。水層に
25%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10〜1
1に調整した。ジクロロメタン20mlで2回抽出し、
抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒を留去し
て、無色結晶の(±)−シス−1−アミノインダン−2
−オール(V)0.63g(収率:42.3%)を得
た。
【0099】実施例12 (1S,2R)−2−アセト
キシインダン−1−オール(I:R1=CH3 )および
(1S,2R)−1−アセトキシインダン−2−オール
(II:R1 =CH3 )の混合物の発煙硫酸を用いたRi
tter反応 50ml3ッ口フラスコに、実験例7で合成した(1
S,2R)−2−アセトキシインダン−1−オール
(I:R1 =CH3 )および(1S,2R)−1−アセ
トキシインダン−2−オール(II:R1 =CH3 )の混
合物(I:II=50:50)1.92g(0.01mo
l)を仕込み、アセトニトリル10mlを加えて溶解さ
せた。22〜24℃で、かき混ぜながら発煙硫酸(25
%SO3 )2.32g(0.025mol)を27分を
要して滴下した。23〜25℃で4時間かき混ぜたとこ
ろ、淡桃色の微細結晶が析出した。12℃に冷却して3
0分かき混ぜた後、反応混合物を5%炭酸ナトリウム水
溶液100ml中に注加した。析出結晶を濾過、水洗し
た後、乾燥して、無色結晶の(1S,2R)−1−アセ
トアミド−2−アセトキシインダン(III :R1 =CH
3 )1.57g(収率:67.4%)を得た。
【0100】融点:175〜176℃ IR(KBr,cm-1):3308,1732,165
1,1551,1246,1128.1 H−NMR(CDCl3 ,ppm):実施例1の
(±)−シス−1−アセトアミド−2−アセトキシイン
ダンと一致。
【0101】 [α]D =−56.6°(c=1.0,MeOH) 一方、濾過母液を酢酸エチル20mlで3回抽出し、抽
出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒を留去して、
淡黄色結晶の粗生成物0.83gを得た。これを酢酸エ
チルを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラワ
ィ−をおこない、以下の分画を得た。
【0102】(1)(1S,2R)−1−アセトアミド
−2−アセトキシインダン(III :R1 =CH3 ) 収量:0.35g(収率:15.0%) (2)(4S,5R)−インデノオキサゾリン(IV) 収量:0.085g(収率:4.9%) 融点:85〜86℃ [α]D =−316.3°(c=1.0,CHC
3 ). 実施例13 (1S,2R)−1−アセトアミド−2−
アセトキシインダン(III :R1 =CH3 )の加水分解
による(1S,2R)−1−アミノインダン−2−オー
ル(V)の合成 50ml3ッ口フラスコに実施例12で合成した、(1
S,2R)−1−アセトアミド−2−アセトキシインダ
ン(III :R1 =CH3 )1.17g(0.005mo
l)を仕込み、2N硫酸10ml、およびアセトニトリ
ル6mlを加えて溶解させた。50℃で6時間かき混ぜ
た後、アセトニトリルおよび水を減圧下に留去し、残液
を7.4gとした。水2.9gを加え、50℃で3時間
かき混ぜた。室温まて冷却し、ジクロロメタン5mlで
2回洗浄した。水層に25%水酸化ナトリウムを加え
て、pHを7に調整した後、ジクロロメタン5mlで洗
浄した。水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を加え、
pHを11に調整した。析出結晶を濾過、水洗し、乾燥
して、無色鱗片状結晶の(1S,2R)−1−アミノイ
ンダン−2−オール(V)0.22g(収率:29.6
%)を得た。
【0103】融点:118〜119℃ IR(KBr,cm-1):3343,976,735.1 H−NMR(CDCl3 ,ppm):実施例5で合成
した、(±)−シス−1−アミノインダン−2−オール
(V)と一致した。
【0104】[α]D =−25.2°(c=1.0,
0.1M HCl/MeOH). キラルなHPLCによる光学純度は、100%eeであ
った。
【0105】母液と洗浄液をあわせ、酢酸エチル10m
lで3回抽出し、抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を減圧下に留去し、無色鱗片状結晶の(1S,
2R)−1−アミノインダン−2−オール(V)0.2
2g(収率:29.6%)を得た。
【0106】キラルなHPLCによる光字純度は、10
0%eeであった。
【0107】実施例14 (4S,5R)−インデノオ
キサゾリン(IV)の加水分解による(1S,2R)−1
−アミノインダン−2−オール(V)の合成 10mlナス型フラスコに、実施例12で合成した(1
S,2R)−インデノオキサゾリン(IV)0.15g
(0.87mmol)を仕込み、2N硫酸1.0mlを
加えて溶解させた。50℃で5時間かき混ぜた後、ジク
ロロメタン2mlで2回洗浄した。水層に25%水酸化
ナトリウム水溶液を加えてpHを10〜11に調整し
た。析出結晶を濾過、水洗、乾燥して、無色鱗片状結晶
の(1S,2R)−1−アミノインダン−2−オール
(V)0.082g(収率:63.1%)を得た。
【0108】[α]D =−25.2°(c=1.0,
0.1M HCl/MeOH). キラルなHPLCによる光学純度は100%eeであっ
た。
【0109】実施例15 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =H,R
2 =CH3 )の合成とRitter反応、および加水分
解(1) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)3.0g(0.02mol)を仕
込み、アセトニトリル20mlを加えて分散させた。パ
ラトルエンスルホン酸一水和物0.19g(0.001
mol)を加え、室温でかき混ぜながらオルトギ酸トリ
メチル(VII :R1 =H,R2 =CH3)3.2g
(0.03mol)を滴下した。室温で3時間かき混ぜ
た後、15〜16℃でかき混ぜなから、5分を要して濃
硫酸6.0g(0.06mol)を滴下した。20℃で
5時間かき混ぜ、さらに室温で一夜かき混ぜた。50℃
の湯浴で加温しつつ減圧下に濃縮し、残液量を18.3
gとした。残液に水15mlを加え、50℃で8時間か
き混ぜた。反応混合物を室温に冷却し、ジクロロメタン
20mlで2回洗浄し、ジクロロメタン層を水10ml
て洗浄した。水層をあわせ、これに25%水酸化ナトリ
ウム水溶液を加え、pHを10〜11に調整した。酢酸
エチル30mlで2回抽出し、抽出層を無水硫酸ナトリ
ウムて乾燥後に溶媒を留去して無色結晶の(±)−シス
−1−アミノインダン−2−オール(V)1.42g
(収率:47.7%)を得た。−方、酢酸エチルで抽出
後の水層を食塩で飽和させ、酢酸エチル20mlで3回
抽出した。抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒
を留去して無色結晶の(±)−シス−1−アミノインダ
ン−2−オール(V)0.36g(収率:12.1%)
を得た。
【0110】実施例16 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオール環状オルトエステル(VIII:R=CH3
2 =CH3 )の合成とRitter反応、および加水
分解(1) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)3.0g(0.02mol),ア
セトニトリル20ml,パラトルエンスルホン酸一水和
物0.19g(0.001mol)を仕込み、分散させ
た。21〜22℃でオルト酢酸トリメチル(VII :R1
=CH3 ,R2 =CH3 )3.6g(0.03mol)
を加え、室温で5時間かき混ぜた。16℃から28℃で
かき混ぜながら、濃硫酸6.0g(0.06mol)を
10分を要して滴下し、室温で一夜かき混ぜた。20〜
25℃で水10mlを加え、50℃で7時間かき混ぜ
た。室温まで冷却し、反応混合物をジクロロメタン20
mlで2回洗浄した。水層に25%水酸化ナトリウム水
溶液を加えてpHを10に調節し、酢酸エチル100m
lで抽出した。水層をさらに酢酸エチル40mlで2回
抽出した。抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒
を留去して、微桃白色結晶の(±)−シス−1−アミノ
インダン−2−オール(V)1.89g(収率:63.
4%)を得た。
【0111】実施例17 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =(CH
22CH3 ,R2 =CH3 )の合成とRitter反
応、および加水分解(1) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)3.0g(0.02mol)、ア
セトニトリル20ml,パラトルエンスルホン酸一水和
物0.19g(0.001mol)を仕込み、26℃で
かき混ぜながら、オルト酪酸トリメチル(VII :R1
(CH22CH3 ,R2 =CH3 )4.4g(0.03
mol)を加えた.室温で3時間かき混ぜた後、18℃
〜25℃で10分を要して濃硫酸6.0g(0.06m
ol)を滴下した。室温で18時間かき混ぜた後、水1
0mlを加え、50℃で2時間かき混ぜた。同温度で減
圧下に濃縮し、残液を15.3gとした。水7mlを加
えて50℃で4時間かき混ぜ、室温まで冷却した。反応
混合物をジクロロメタン20mlで2回洗浄し、水層に
25%水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10に調
節した。酢酸エチル40mlで3回抽出し、抽出層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を濃縮し、淡桃色
結晶の(±)−シス−1−アミノインダン−2−オール
(V)1.73g(収率:58.1%)を得た。
【0112】実施例18 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =H,R
2 =CH3 )の合成とRitter反応、および加水分
解(2) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)3.0g(0.02mol)、ア
セトニトリル20ml、パラトルエンスルホン酸一水和
物0.19g(0.001mol)を仕込み、23℃〜
25℃でオルトギ酸トリメチル(VII :R1 =H,R2
=CH3 )3.2g(0.03mol)を加え、室温で
2時間かき混ぜた。原料のジオールか消減していること
を確認し、−2〜2℃でかき混ぜなから濃硫酸8.0g
(0.08mol)を滴下した。2〜4℃を保ちなから
5時間かき混ぜた後、水16mlを加えた。50℃で
1.5時間かき混ぜだ後に減圧下に濃縮し、残液を5.
8gとした。残液に水25mlを加え、さらに50℃で
9時間かき混ぜた。室温まで冷却し、反応混合物をジク
ロロメタン20mlで2回洗浄し、水層に25%水酸化
ナトリウム水溶液を加えてpHを10〜11に調整し
た。酢酸エチル40mlで3回抽出し、抽出層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥後に溶媒を留去して、淡桃白色結晶
の(±)−シス−1−アミノインダン−2−オール
(V)1.74g(収率:58.4%)を得た。さらに
水層を同様に処理し、同じ生成物0.13g(収率:
4.4%)を得た。
【0113】実施例19 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =H,R
2 =CH3 )の合成とRitter反応、および加水分
解(3) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)3.0g(0.02mol)、ア
セトニトリル20ml、パラトルエンスルホン酸一水和
物0.19g(0.001mol)を仕込み、20℃で
かき混ぜながらオルトギ酸トリメチル(VII :R1
H,R2 =CH3 )3.2g(0.03mol)を加え
た。同温度で2時間かき混ぜた後、0〜3℃で12分を
要し、発煙硫酸(25%SO3 )2.8g(0.03m
ol)を滴下し、2〜7℃で2.5時間かき混ぜた。H
PLC分析の結果、(±)−シス−インダンジオール環
状オルトエステル(VIII:R1 =H,R2 =CH3 )が
残存していたため、3〜5℃でかき混ぜながら、発煙硫
酸(25%SO3 )2.8g(0.03mol)を滴下
し、3℃で3時間、室温で一夜かき混ぜた。反応液に水
15mlを加え、50℃で1.5時間かき混ぜだ後、減
圧下に濃縮して残液を19.7gとした。これに水5.
7gを加えて、50℃で6時間かき混ぜた。反応混合物
を室温まで冷却し、ジクロロメタン20mlで2回洗浄
後、水層に25%水酸化ナトリウムを加え、pHを4〜
5に調整した。水層をジクロロメタン20mlで洗浄
し、さらに25%水酸化ナトリウム水溶液を加えて最終
的にpHを10〜11に調整した。微桃色結晶が析出し
たので、これを酢酸エチル90mlで抽出し、さらに水
層を酢酸エチル40mlて2回抽出した。抽出層をあわ
せ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒を留去して、無
色結晶の(±)−シス−1−アミノインダン−2−オー
ル(V)2.23g(収率:74.3%)を得た。
【0114】実施例20 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =H,R
2 =CH3 )の合成とRitter反応、および加水分
解(4) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)3.0g(0.02mol),ア
セトニトリル20ml,パラトルエンスルホン酸一水和
物0.19g(0.001mol)を仕込み、懸濁状態
でかき混ぜながら、24℃でオルトギ酸トリメチル(VI
I :R1 =H,R2 =CH3 )3.2g(0.03mo
l)を加え、同温度で2時間かき混せた。HPLC分析
において、ジオールが消滅していることを確認した後、
3℃でかき混ぜながら、濃硫酸8.0g(0.08mo
l)を30分を要して滴下した。3〜6℃て6時間、室
温で一夜かき混ぜた後、HPLC分析において、(±)
−シス−インダンジオール環状オルトエステル(VIII:
1 =H,R2 =CH3 )の消滅を確認し、反応液に水
16mlを加えた。反応混合物を50℃で2時間かき混
ぜた後、減圧下に濃縮し、残液を21.5gとした。残
液に水10mlを加え、50℃で6時間かき混ぜ、室温
まで冷却した。反応混合物をジクロロメタン20mlで
2回洗浄し、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を加
えてpHを6に調整した。再度ジクロロメタン10ml
で洗浄し、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を加え
てpHを10〜11に調整すると、結晶が析出した。ス
ラリーを酢酸エチル100mlで抽出した後、水層をさ
らに酢酸エチル40mlで2回抽出した。抽出層をあわ
せ、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を留去し
て、無色結晶の(±)−シス−1−アミノインダン−2
−オール(V)2.52g(収率:84.6%)を得
た。
【0115】実施例21 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =C
3 ,R2 =CH3 )の合成とRitter反応、およ
び加水分解(2) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)3.0g(0.02mol)、ア
セトニトリル20ml,パラトルエンスルホン酸水和物
0.19gを仕込み、かき混ぜながら、22℃でオルト
酢酸トリメチル(VII :R1 =CH3 ,R2 =CH3
3.6g(0.03mol)を加え、25℃で2時間か
き混ぜた。HPLC分析でジオールが消失したのを確認
した後、0〜2℃でかき混ぜながら、濃硫酸6.0g
(0.06mol)を13分を要して滴下した。2〜6
℃で5時間かき混ぜ、HPLC分析すると、(±)−シ
ス−インデノオキサゾリン(IV)は32%(面積百分
率)生成し、中間体の(±)−シス−1,2−インダン
ジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =CH3 ,R
2 =CH3 )は12.6%(面積百分率)残存してい
た。室温で一夜かき混ぜ、再度分析すると、中間体の、
環状オルトエステル(VIII)は消滅していた。反応混合
物に水10mlを加え、50℃で1時間かき混ぜた後に
減圧下に濃縮し、残液を17.5gとした。残液に水8
mlを加え、50℃で6時間かき混ぜた後に室温まで冷
却した。反応混合物をジクロロメタン20mlで2回洗
浄し、水層に25%水酸化ナトリウム水溶液を加えるこ
とにより、pHを6に調整した。水層をジクロロメタン
20mlで洗浄し、さらに25%水酸化ナトリウム水溶
液を加えてpHを10〜11に調整したところ、結晶が
析出した。スラリーに酢酸エチル100mlを加え、結
晶を溶解、抽出し、水層をさらに酢酸エチル40mlで
2回抽出した。抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後に
溶媒を留去し、無色結晶の(±)−シス−1−アミノイ
ンダン−2−オール(V)1.88g(収率:63.1
%)を得た。
【0116】実施例22 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオール環状オルトエステル(VIII :R1 =CH
3 ,R2 =CH3 )の合成とRitter反応、および
加水分解(3) 濃硫酸の使用量を6.0g(0.06mol)から8.
0g(0.08mol)に増やして実施例21と同様の
繰作をおこない、無色結晶の(±)−シス−1−アミノ
インダン−2−オール(V)2.11g(収率:70.
8%)を得た。
【0117】実施例23 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =C
3 ,R2 =CH3 )の合成とRitter反応、およ
び加水分解(4) 濃硫酸6.0g(0.06mol)に替えて、発煙硫酸
(25%SO3 )5.6g(0.06mol)を用いて
実施例21と同様の操作をおこない、無色結晶の(±)
−シス−1−アミノインダン−2−オール(V)2.0
0g(収率:67.1%)を得た。
【0118】実施例24 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =(CH
22CH3 ,R2 =CH3 )の合成とRitter反
応、および加水分解(2) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(V)3.0g(0.02mol)、ア
セトニトリル20ml、パラトルエンスルホン酸一水和
物0.38g(0.002mol)を仕込み、懸濁しつ
つ、18℃でオルト酪酸トリメチル(VII :R1 =(C
22CH3 ,R2 =CH3 )4.4g(0.03mo
l)を加えた。23℃で2時間かき混ぜたところ、原料
のジオールは消失した。0℃に冷却し、かき混ぜなか
ら、0〜3℃で濃硫酸8.0g(0.08mol)を滴
下した。3〜5℃で6.5時間、室温で15時間かき混
ぜると、HPLC分析の結果、中間体の(±)−シス−
1,2インダンジオール環状オルトエステル(VIII:R
1 =(CH22CH3 ,R2 =CH3 )は消失し,
(±)−シス−インデノオキサゾリン(IV)が40%
(面積百分率)生成した。反応混合物に水20mlを加
え、50℃で1.5時間かき混ぜた後に減圧下に濃縮
し、残液を23.4gとした。残液に水8mlを加え、
再度50℃で6時間かき混ぜ、室温まで冷却した。反応
混合物をジクロロメタン30mlで2回洗浄し、水層に
25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを6〜7に
調整した。ジクロロメタン20mlで再皮洗浄後、水層
に25%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10〜
11に調整した。析出結晶を酢酸エチル100mlで溶
解、抽出し、水層をさらに酢酸エチル40mlで2回抽
出した。
【0119】抽出層をあわせ、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後に溶媒を留去し、無色結晶の(±)−シス−1−ア
ミノインダン−2−オール(V)2.23g(収率:7
4.8%)を得た。
【0120】実施例25 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =H,R
2 =CH3 )の合成とRitter反応(1) 200ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)3.0g(0.02mol)、ジ
クロロメタン100ml、パラトルエンスルホン酸一水
和物0.19g(0.001mol)を仕込み、分散さ
せた。17℃でオルトギ酸トリメチル(VII :R1
H,R2 =CH3 )3.2g(0.03mol)を加
え、22℃で2時間かき混ぜた。反応混合物を濾過して
不溶物を取り除き、減圧下に濃縮して、淡黄色液体の
(±)−シス−1,2−インダンジオール環状オルトエ
ステル(VIII:R1 =H,R2 =CH3 )3.69g
(収率:96.1%)を得た。
【0121】IR(液膜、cm-1):2944,112
3,1076,982,756.1 H−NMR(CDCl3 ,ppm): δ=3.20(2H,d,J=5.0Hz,CH2 ,H
3a+b) 3.36(3H,s,OCH3 ), 3.48(1H,s,CH), 5.07(1H,m,CH,H2 ) 5.70(1H,d,5.5Hz,CH,H1 ), 7.20〜7.32(4H,m,arom.H). 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =H,
2 =CH3 )3.62g(0.019mol)、アセ
トニトリル20mlを仕込み、3℃でかき混ぜながら、
濃硫酸2.9g(0.03mol)を5分を要して滴下
した。0〜5℃で6時間かき混ぜると、反応混合物は、
均一な溶液から白色のスラリーヘと変化した。反応混合
物を、さらに室温で14時間かき混ぜ、5%炭酸ナトリ
ウム水溶液150ml中に注加した。pHは9であっ
た。酢酸エチル40mlで3回抽出し、抽出層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥後に濃縮して、褐色結晶の粗生成物
2.86gを得た。粗生成物を、酢酸エチルを展開溶液
としてシリカゲルカラムクロマトグラフィーをおこなっ
て精製し、無色結晶の(±)−シス−インデノオキサゾ
リン(IV)2.38g(収率:71.7%)を得た。
【0122】実施例26 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =C
3 ,R2 =CH3 )の合成とRitter反応(1) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)3.0g(0.02mol)、ジ
クロロメタン100ml、パラトルエンスルホン酸一水
和物0.38g(0.002mol)を仕込み、18℃
でかき混ぜながら、オルト酢酸トリメチル(VII :R1
=CH3 ,R2 =CH3 )3.6g(0.03mol)
を加えた。21℃で2時間かき混ぜた後、減圧下に濃縮
し、淡黄色液体の(±)−シス−1,2−インダンジオ
ール環状オルトエステル(VIII:R1 =CH3 ,R2
CH3 )4.11g(収率:99.8%)を得た。この
アセトニトリル溶液20mlを100ml3ッ口フラズ
コに仕込み、1〜3℃でかき混ぜながら、濃硫酸2.9
g(0.03mol)を滴下した。反応混合物を2〜3
℃で5時間、室温で14時間かき混ぜた後、5%炭酸ナ
トリウム水溶液150ml中に注加した。酢酸エチル4
0mlで3回抽出し、抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥後に濃縮し、褐色結晶の粗生成物3.05gを得た。
これを、酢酸エチルを展開溶媒としてシリカゲルカラム
クロマトグラフィーをおこなって精製し、無色結晶の
(±)−シス−インデノオキサゾリン(IV)2.60g
(収率:78.3%)を得た。
【0123】実施例27 (1S,2R)−1,2−イ
ンダンジオール環状オルトエステル(VIII:R1 =H,
2 =CH3 )の合成とRitter反応、および加水
分解(1) 100ml3ッ口フラスコに(1S,2R)−1,2−
インダンジオール(100%ee)(VI)1.5g
(0.01mol)、ジクロロメタン90ml、パラト
ルエンスルホン酸一水和物0.08g(0.5mmo
l)を仕込み、26℃でかき混ぜながら、オルトギ酸ト
リメチル(VII :R1 =H,R2 =CH3 )1.59g
(0.015mol)を加えた。反応混合物を室温で2
時間かき混ぜた後、減圧下に濃縮して、淡褐色液体の
(1S,2R)−1,2−インダンジオール環状オルト
エステル(VIII:R1 =H,R2 =CH3 )1.91g
(収率:99.5%)を得た。このアセトニトリル溶液
10mlを50ml3ッ口フラスコに仕込み、1〜3℃
で12分を要して、濃硫酸1.5g(0.015mo
l)を滴下した。反応混合物を3〜4℃で5時間、室温
で15時間かき混ぜだ後、10%炭酸ナトリウム水溶液
30ml中に注加した。酢酸エチル20mlで3回抽出
し、抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後に濃縮し、褐
色結晶の粗生成物1.59gを得た。粗生成物を、酢酸
エチルを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーをおこなって精製し、無色結晶の(4S,5R)
−インデノオキサゾリン(IV)1.06g(収率:6
1.3%)を得た。[α]D =−316.5° (c=
1.0,CHCl3 ). 50ml3ッ口フラスコに(4S,5R)−インデノオ
キサゾリン(IV)0.63g(3.6mmol)を仕込
み、2N硫酸5mlを加えた。加温すると澄明溶液とな
った。反応混合物を50℃で9時間かき混ぜた後、ジク
ロロメタン5mlで2回洗浄した。水層に25%水酸化
ナトリウムを加えてpHを7に調整し、再度ジクロロメ
タン5mlで洗浄した。水層に25%水酸化ナトリウム
を加えて、pHを10〜11に調整すると、結晶が析出
した。これを減圧濾過し、2mlの水で洗浄後に乾燥し
て、無色鱗片状結晶の(1S,2R)−1−アミノイン
ダン−2−オール(V)0.37g(収率:68.6
%)を得た。キラルなHPLC分析による光学純度は、
100%eeであった。
【0124】先の水性濾過母液を酢酸エチルで抽出し、
溶媒を留去して、無色鱗片状結晶の(1S,2R)−1
−アミノインダン−2−オール(V)0.11g(収
率:20.4%)を得た。キラルなHPLC分析による
光学純度は、99.6%eeであった。
【0125】実施例28 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオールジメチルアセタール(IX)の合成(1) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオール(VI)15.0g(0.1mol),
2,2−ジメトキシプロパン32.0g(0.31mo
l)パラトルエンスルホン酸一水和物0.1gを仕込
み、かき混ぜながら65℃に加熟すると、均一な溶液と
なった。70〜100℃に加熱しつつ、62時間を要し
て、常圧下に副生メタノールと2,2−ジメトキシプロ
パンの留去を続けた。この間に2,2−ジメトキシプロ
パン192g(1.8mol)およびパラトルエンスル
ホン酸一水和物0.3gを分割して添加した。反応混合
物を冷却すると結晶が析出した。ジクロロメタン50m
lを加えて溶解させ、10%炭酸ナトリウム水溶液50
ml中に注加した。有機層を飽和食塩水30mlで洗浄
後に無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去
して、黄色結晶の粗生成物を得た。これをヘキサンから
再結晶し、微褐色結晶の(±)−シス−1,2−インダ
ンジオールジメチルアセタール(IX)14.1g(収
率:73.7%)を得た。
【0126】融点:68〜69℃ IR(KBr,cm-1):2988,2936,137
0,1258,1208,1055,1020.1 H−NMR(CDCl3 ,ppm): δ=1.23(3H,s,CH3 ),1.42(3H,
s,CH3 ),3.16(2H,d,J=5.4Hz,
CH2 ,Ha+b),4.98(1H,td,J=5.4
Hz,5.4Hz,2.5Hz,CH,H2 ),5.5
5(1H,d,J=5.4Hz,CH,H1 ),7.2
0〜7.30(3H,m,arom.H),7.40〜
7.46(1H,m,arom.H). 実施例29 (±)−シス−1,2−インダンジオール
ジメチルアセタール(IX)の合成(2) 1000ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−
インダンジオール(VI)30.0g(0.2mol),
テトラヒドロフラン300mlを仕込み、溶解させた。
ピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩8.0g(0.
032mol)を添加し、空冷下にかき混ぜながら2−
メトキシプロペン31.6g(0.44mol)を10
分を要して滴下した。内温は14℃から28℃まで上昇
した。反応混合物を室温で4.5時間かき混ぜたとこ
ろ、黄色のスラリーに変化した。酢酸エチル300ml
を加えて結晶を溶解させ、これを5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液200ml中に注加した。有機層を分離し、水
層を酢酸エチル100mlで抽出した。水層のpHは8
であった。有機層をあわせ、5%炭酸水素ナトリウム水
溶液200ml、飽和食塩水100mlで順次洗浄し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後に濃縮し、微
褐色結晶の粗生成物35.3gを得た。粗生成物をヘキ
サン45mlから再結晶して、微黄白色板状結晶の
(±)−シス−1,2−インダンジオールジメチルアセ
タール(IX)31.5g(収率:83.0%)を得た。
【0127】実施例30 (1S,,2R)−1,2−
インダンジオールジメチルアセタール(IX)の合成
(1) 100ml3ッ口フラスコに(1S,2R)−1,2−
インダンジオール(100%ee)(VI)3.0g
(0.02mol)、テトラヒドロフラン30mlを仕
込み、溶解させた。ピリジニウムパラトルエンスルホン
酸塩0.80g(3.2mmol)を加え、15℃でか
き混ぜながら、2−メトキシプロペン3.2g(0.0
44mol)を10分を要して滴下した。内温は25℃
まで上昇した。反応混合物を室温で4.5時間かき混ぜ
た後、酢酸エチル30mlを加え、5%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液20ml中に注加した。有機層を分離し、水
層を酢酸エチル10mlで抽出した。有機層をあわせ、
水20mlで洗浄後に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を減圧下に留去し、黄色液体の粗生成物3.75g
を得た。これをジクロロメタンを展開溶媒としてカラム
クロマトグラフィーをおこなって精製し、微黄色透明液
体の(1S,2R)−1,2−インダンジオールジメチ
ルアセタール(IX)2.48g(収率:65.3%)を
得た。
【0128】IR(液膜、cm-1):2986,298
4,1372,1248,1208,1154,109
8,1059,1019,864,750. [α]D =−98.0(c=1.0,CHCl3 ). 実施倒31 (±)−シス−1,2−インダンジオール
ジメチルアセタール(IX)のRitter反応(1) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオールジメチルアセタール(IX)3.8g
(0.02mol)、アセトニトリル20mlを仕込
み、溶解させた。13℃でかき混ぜながら、発煙硫酸
(25%SO3 )2.8g(0.03mol)を10分
を要して滴下した。反応混合物を12℃で1時間かき混
ぜた後、20%炭酸ナトリウム水溶液50ml中に注加
し、ジクロロメタン20mlで3回抽出した。抽出層を
飽和食塩水30mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後に溶媒を留去して、黄色液体の粗生成物1.15g
を得た。これを、酢酸エチルを展開溶媒としてシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーをおこなって精製し、無色
結晶の(±)−シス−インデノオキサゾリン(IV)0.
81g(収率:23.8%)を得た。
【0129】実施例32 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオールジメチルアセタール(I)のRitter
反応(2) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオールジメチルアセタ−ル(IX)1.9g
(0.01mol)、アセトニトリル10mlを仕込
み、溶解させた。かき混ぜなから、2〜4℃で発煙硫酸
(25%SO3 )1.4g(0.03mol)を滴下し
た。反応混合物を3〜6℃で4.5時間かき混ぜ、10
%炭酸ナトリウム水溶液50ml中に注加した。ジクロ
ロメタン30mlで2回抽出し、抽出層を飽和食塩水3
0mlで洗浄後に無水硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出
層を減圧下に濃縮し、淡褐色液体の粗生成物0.48g
を得た。これを実施例31と同様にして精製し、無色結
晶の(±)−シス−インデノオキサゾリン(IV)0.4
1g(収率:23.7%)を得た。
【0130】実施例33 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオールジメチルアセタール(IX)のRitter
反応、および加水分解(1) 100ml3ッ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオールジメチルアセタール(IX)3.8g
(0.02mol)、アセトニトリル20mlを仕込
み、溶解させた。かき混ぜながら、1〜5℃で濃硫酸
4.0g(0.04mol)を滴下した。0〜5℃で2
時間かき混ぜ、HPLC分析をおこなったところ、
(±)−シス−インデノオキサゾリン(IX)は36%
(面積百分率)生成していたものの、アセタール(IX)
が37%(面積百分率)残存していた。1〜3℃でかき
混ぜながら、濃硫酸1.0g(0.01mol)を滴下
し、3℃で2時間かき混ぜた。HPLC分析の結果オキ
サゾリン(IV)は51%(面積百分率)であり、アセタ
ール(IX)は21%(面積百分率)残存していた。3℃
でかき混ぜながら、さらに濃硫酸1.0g(0.01m
ol)を滴下し、3時間かき混ぜた。HPLC分析する
とオキサゾリン(IV)は69%(面積百分率)であり、
アセタール(IX)は5%(面積百分率)であった。反応
混合物を15%炭酸ナトリウム水溶液100ml中に注
加し、酢酸エチル30mlで3回抽出した。抽出層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥後に濃縮して、褐色結晶の粗
(±)−シス−インデノオキサゾリン(IV)3.25g
を得た。
【0131】粗体のオキサゾリン(IV)3.25gを2
N硫酸20gに溶解し、50℃で8時間かき混ぜた。室
温まで冷却し、ジクロロメタン20mlで2回洗浄し
た。ジクロロメタン層を水10mlで抽出し、先の水層
をあわせて、25%水酸化ナトリウムを加え、pHを1
0〜11に調整したところ、結晶が析出した。酢酸エチ
ル80mlで溶解、抽出した後、水層をさらに同じ溶媒
30mlで抽出した。抽出層をあわせ、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後に濃縮し、微黄色結晶の(±)−シス−1
−アミノインダン−2−オール(V)2.14g(アセ
タール(IX)からの収率:71.8%)を得た。
【0132】実施例34 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオールジメチルアセタール(IX)のRitter
反応、および加水分解(2) 100ml3ツ口フラスコに(±)−シス−1,2−イ
ンダンジオールジメチルアセタール(IX)3.8g
(0.02mol)を仕込み、アセトニトリル20ml
を加えて溶解させた。−2℃に冷却するとスラリー状に
なった。−2〜0℃でかき混ぜながら、濃硫酸6.0g
(0.06mol)を10分を要して滴下した。反応混
合物を0〜3℃で2時間かき混ぜると、HPLC分析に
おいて原料が消失し、均一な溶液になった。反応液を1
0%炭酸ナトリウム水溶液150mlに注加し、酢酸エ
チル40mlで3抽出した。抽出層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後に濃縮し、微黄色結晶の粗(±)−インデノ
オキサゾリン(IV)3.20gを得た。粗オキサゾリン
(IV)を2N硫酸20gに溶かし、50〜53℃で7.
5時間かき混ぜた。反応液を室温まで冷却し、ジクロロ
メタン20mlで2回洗浄後に25%水酸化ナトリウム
を加えてpHを6〜7に調整した。再度ジクロロメタン
20mlで洗浄後に25%水酸化ナトリウムを加え、p
Hを10〜11とした。析出した結晶を酢酸エチル10
0mlで溶解、抽出し、水層を同じ溶媒40mlで2回
抽出した。抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒
を留去して、無色結晶の(±)−シス−1−アミノイン
ダン−2−オール(V)2.03g(アセタール(IX)
からの収率:68.1%)を得た。
【0133】実施例35 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオールジメチルアセタール(IX)のRitter
反応、および加水分解(3) 実施例34と同様におこなった。ただし、濃硫酸滴下後
に5℃で5時間、室温で13時間のかき混ぜをおこなっ
た。最終的に(±)−シス−1−アミノインダン−2−
オール(V)2.25g(アセタール(IX)からの収
率:75.5%)を得た。
【0134】実施例36 (±)−シス−1,2−イン
ダンジオールジメチルアセタール(IX)のRitter
反応、および加水分解(4) 実施例34と同様におこなった。ただし、濃硫酸8.0
g(0.08mol)を使用し、濃硫酸滴下後に2〜5
℃で8.5時間かき混ぜた。最終的に(±)−シス−1
−アミノインダン−2−オール(V)2.43g(アセ
タール(IX)からの収率:81.5%)を得た。
【0135】実施例37 (1S,2R)−1,2−イ
ンダンジオールジメチルアセタール(IX)のRitte
r反応(1) 100ml3ッ口フラスコに,実施例30で合成した
(1S,2R)−1,2−インダンジオールジメチルア
セタール(IX)1.90g(0.01mol)、アセト
ニトリル15mlを仕込み、溶解させた。1℃まで冷却
したところ、微黄色の均一溶液であった。1〜3℃でか
き混ぜなから、濃硫酸4.0g(0.04mol)を1
0分を要して滴下した。3〜5℃で7時間かき混ぜ、淡
黄色の均一な反応溶液を10%炭酸ナトリウム水溶液7
5ml中に注加した。酢酸エチル20mlで3回抽出
し、抽出層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後に溶媒を留去
して、黄色結晶の粗生成物1.58gを得た。これを酢
酸エチルを展開溶媒としてシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーをおこなって精製し、無色結晶の(4S,5
R)−インデノオキサゾリン(IV)1.37g(収率:
79.3%)を得た。
【0136】融点:85〜86℃ [α]D =−316.6℃(c=1.0,CHC
3 ). 実施例38 (4S,5R)−インデノオキサゾリン
(IV)の加水分解による(1S,2R)−1−アミノイ
ンダン−2−オールの合成 50ml3ッ口フラスコに、実施例37で合成した(4
S,5R)−インデノオキサゾリン(IV)0.87g
(5mmol)、2N硫酸5mlを仕込み、溶解させ
た。50℃で8時間かき混ぜた後に室温まで冷却した。
均一な反応液をジクロロメタン5mlで2回洗浄し、2
5%水酸化ナトリウムを加えて1pHを6〜7に調整し
た。ジクロロメタン5mlで洗浄し、水層に再度25%
水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10〜11に調
整した。析出結晶を減圧濾過、水洗、乾燥して、無色鱗
片状結晶の(1S,2R)−1−アミノインダン−2−
オール(V)0.55g(収率:73.8%)を得た。
キラルなHPLC分析の結果、光学純度は100%ee
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 317/70 C07D 317/70

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (ただし、式中、R1 は水素原子、直鎖もしくは分岐の
    アルキル基であり、ラセミ体でも光学活性体でもよい)
    で表される、シス−2−(置換カルボニルオキシ)イン
    ダン−1−オール類、もしくは一般式(II) 【化2】 (ただし、式中、R1 は前記一般式(I)と同義であ
    り、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表される、シ
    ス−1−(置換カルボニルオキシ)インダン−2−オー
    ル類の少なくとも一種とアセトニトリルを濃硫酸もしく
    は発煙硫酸の少なくとも1種の存在下に反応させること
    により、一般式(III ) 【化3】 (ただし、式中、R1 は前記一般式(I)もしくは一般
    式(II)と同義であり、ラセミ体でも光学活性体でもよ
    い)で表される、シス−1−アセトアミド−2−(置換
    カルボニルオキシ)インダン類、および一般式(IV) 【化4】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    る、シス−インデノオキサゾリン類の少なくとも1種を
    合成し、これを加水分解することからなる、一般式
    (V) 【化5】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    る、シス−1−アミノインダン−2−オールの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化6】 (ただし、式中、R1 は水素原子、直鎖もしくは分岐の
    アルキル基であり、ラセミ体でも光学活性体でもよい)
    で表される、シス−2−(置換カルボニルオキシ)イン
    ダン−1−オール類、もしくは一般式(II) 【化7】 (ただし、式中、R1 は 前記一般式(I)と同義であ
    り、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表される、シ
    ス−1−(置換カルボニルオキシ)インダン−2−オー
    ル類の少なくとも一種とアセトニトリルを濃硫酸もしく
    は発煙硫酸の少なくとも1種の存在下に反応させること
    によりなる、一般式(IV) 【化8】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    る、シス−インデノオキサゾリン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記反応において、使用する濃硫酸もし
    くは発煙硫酸の使用量が、一般式(I)で表されるシス
    −2−(置換カルボニルオキシ)インダン−1−オー
    ル、もしくは一般式(II)で表されるシス−1−(置換
    カルボニルオキシ)インダン−2−オールの少なくとも
    1種に対して1.0 から3.0 等量モルであることを特徴と
    する請求項2に記載の一般式(IV)で表されるシス−イ
    ンデノオキサゾリン類の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記反応を0℃から40℃でおこなうこと
    を特徴とする請求項2から3に記載の一般式(IV)で表
    されるシス−インデノオキサゾリン類の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記一般式(I)および一般式(II)に
    おいて、R1 がメチル基である、シス−2−アセトキシ
    インダン−1−オール、もしくは、シス−1−アセトキ
    シインダン−2−オールの少なくとも1種を用いること
    を特徴とする請求項1から4に記載の一般式(IV)で表
    されるシス−インデノオキサゾリンおよび一般式(V)
    で表されるシス−1−アミノインダン−2−オールの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記一般式(I)および一般式(II)で
    表されるシス−2−(置換カルボニルオキシ)インダン
    −1−オール、もしくは、シス−1−(置換カルボニル
    オキシ)インダン−2−オールの少なくとも1種が、光
    学活性な(1S,2R)−2−(置換カルボニルオキシ)
    インダン−1−オール類もしくは光学活性な(1S,2
    R)−1−(置換カルボニルオキシ)インダン−2−オ
    ールであることを特徴とする、請求項1から4に記載の
    一般式(IV)で表される(4S,5R)−インデノオキ
    サゾリンおよび一般式(V)で表される(1S,2R)
    −1−アミノインダン−2−オールの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記一般式(I)および一般式(II)で
    表される、シス−2−(置換カルボニルオキシ)インダ
    ン−1−オール、もしくは、シス−1−(置換カルボニ
    ルオキシ)インダン−2−オールの少なくとも1種が、
    光学活性な(1R,2S)−2−(置換カルボニルオキ
    シ)インダン−1−オール類もしくは光学活性な(1
    R,2S)−1−(置換カルボニルオキシ)インダン−
    2−オールであることを特徴とする、請求項1から4に
    記載の一般式(IV)で表される(4R,5S)−インデ
    ノオキサゾリンおよび一般式(V)で表される(1R,
    2S)−1−アミノインダン−2−オールの製造方法。
  8. 【請求項8】 一般式(IV)(ただし、式中、R1 は前
    記一般式(I)もしくは一般式(II)と同義であり、ラ
    セミ体でも光学活性体でもよい)で表される、シス−1
    −アセトアミド−2−(置換カルボニルオキシ)インダ
    ン類。
  9. 【請求項9】 一般式(I) 【化9】 (ただし、式中、R1 は水素原子、直鎖もしくは分岐の
    アルキル基であり、ラセミ体でも光学活性体でもよい)
    で表される、シス−2−(置換カルボニルオキシ)イン
    ダン−1−オール類、もしくは一般式(II)。 【化10】 (ただし、式中、R1 は前記一般式(I)と同義であ
    り、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表される、シ
    ス−1−(置換カルボニルオキシ)インダン−2−オー
    ル類の少なくとも一種とアセトニトリルを濃硫酸もしく
    は発煙硫酸の少なくとも1種の存在下に反応させること
    により、一般式(III ) 【化11】 (ただし、式中、R1 は 前記一般式(I)もしくは一
    般式(II)と同義であり、ラセミ体でも光学活性体でも
    よい)で表される、シス−1−アセトアミド−2−(置
    換カルボニルオキシ)インダン類製造方法。
  10. 【請求項10】 前記反応において、使用する濃硫酸も
    しくは発煙硫酸の使用量が、一般式(I)で表されるシ
    ス−2−(置換カルボニルオキシ)インダン−1−オー
    ル、もしくは一般式(II)で表されるシス−1−(置換
    カルボニルオキシ)インダン−2−オールの少なくとも
    1種に対して1.0 から3.0 等量モルであることを特徴と
    する請求項9に記載の一般式(III )で表されるシス−
    1−アセトアミド−2−(置換カルボニルオキシ)イン
    ダン類の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記反応を0℃から40℃でおこなうこ
    とを特徴とする請求項9から10に記載の一般式(III
    )で表されるシス−1−アセトアミド−2−(置換カ
    ルボニルオキシ)インダン類の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記一般式(I)および一般式(II)
    において、R1 がメチル基である、シス−2−アセトキ
    シインダン−1−オール、もしくは、シス−1−アセト
    キシインダン−2−オールの少なくとも1種を用いるこ
    とを特徴とする請求項9から11に記載の一般式(III
    )で表されるシス−1−アセトアミド−2−(置換カ
    ルボニルオキシ)インダン類の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記一般式(I)および一般式(II)
    で表される、シス−2−(置換カルボニルオキシ)イン
    ダン−1−オール、もしくは、シス−1−(置換カルボ
    ニルオキシ)インダン−2−オールの少なくとも1種
    が、光学活性な(1S,2R)−2−(置換カルボニル
    オキシ)インダン−1−オール類もしくは光学活性な
    (1S,2R)−1−(置換カルボニルオキシ)インダ
    ン−2−オールであることを特徴とする、請求項9から
    11に記載の一般式(III )で表される(1S,2R)
    −1−アセトアミド−2−(置換カルボニルオキシ)イ
    ンダン類の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記一般式(I)および一般式(II)
    で表される、シス−2−(置換カルボニルオキシ)イン
    ダン−1−オール、もしくは、シス−1−(置換カルボ
    ニルオキシ)インダン−2−オールの少なくとも1種
    が、光学活性な(1R,2S)−2−(置換カルボニル
    オキシ)インダン−1−オール類もしくは光学活性な
    (1R,2S)−1−(置換カルボニルオキシ)インダ
    ン−2−オールであることを特徴とする、請求項9から
    11に記載の一般式(III )で表される(1R,2S)
    −1−アセトアミド−2−(置換カルボニルオキシ)イ
    ンダン類の製造方法。
  15. 【請求項15】 一般式(VI) 【化12】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    る、シス−1,2−インダンジオールと一般式(VII ) 【化13】 (ただし、式中、R1 は水素原子、直鎖もしくは分岐の
    アルキル基であり、R2は炭素数1から3の低級アルキ
    ル基である)で表される、オルトエステル類を酸触媒の
    存在下に反応させることにより、一般式(VII ) 【化14】 (ただし、式中、R1 およびR2 は前記一般式(VII )
    と同義であり、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表
    されるシス−環状オルトエステル類を合成し、これを濃
    硫酸もしくは発煙硫酸の存在下にアセトニトリルと反応
    させることにより、一般式(IV) 【化15】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    る、シス−インデノオキサゾリン類を合成し、これを加
    水分解することからなる、一般式(V) 【化16】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    る、シス−1−アミノインダン−2−オールの製造方
    法。
  16. 【請求項16】 一般式(VI) 【化17】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    る、シス−1,2−インダンジオールと一般式(VII ) 【化18】 (ただし、式中、R1 は水素原子、直鎖もしくは分岐の
    アルキル基であり、R2は炭素数1から3の低級アルキ
    ル基である)で表される、オルトエステル類を酸触媒の
    存在下に反応させることにより、一般式(VIII) 【化19】 (ただし、式中、R1 およびR2 は前記一般式(VII )
    と同義であり、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表
    されるシス−環状オルトエステル類を合成し、これを濃
    硫酸もしくは発煙硫酸の存在下にアセトニトリルと反応
    させることにより、一般式(IV) 【化20】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    る、シス−インデノオキサゾリン類の製造方法。
  17. 【請求項17】 一般式(VIII)で表される環状オルト
    エステル類とアセトニトリルの反応を20℃から40℃でお
    こなうことを特徴とする請求項16に記載の一般式(I
    V)で表されるシス−インデノオキサゾリン類の製造方
    法。
  18. 【請求項18】 一般式(VII )で表されるシス−1,
    2−インダンジオールを酸触媒の存在下に一般式(VII
    I)で表されるオルトエステル類と反応させ、副生する
    アルコール類を除去した後に、インダンジオールに対し
    て1.0 から3.0等量モルの濃硫酸もしくは発煙硫酸の存
    在下にアセトニトリルと反応させることを特徴とする請
    求項16から17に記載の一般式(IV)で表されるシス
    −インデノオキサゾリン類の製造方法。
  19. 【請求項19】 一般式(VII )で表されるシス−1,
    2−インダンジオールを酸触媒の存在下に一般式(VII
    I)で表されるオルトエステル類と反応させ、副生する
    アルコール類を除去することなしに、インダンジオール
    に対して2.0 から5.0 等量モルの硫酸もしくは発煙硫酸
    の存在下にアセトニトリルと反応させることを特徴とす
    る請求項16から17に記載の一般式(IV)で表される
    シス−インデノオキサゾリン類の製造方法。
  20. 【請求項20】 一般式(VI)で表されるシス−1,2
    −インダンジオールが、光学活性な(1S,2R)−
    1,2−インダンジオールであることを特徴とする、請
    求項15から19に記載の一般式(IV)で表される(4
    S,5R)インデノオキサゾリンおよび一般式(V)で
    表される(1S,2R)−1−アミノインダン−2−オ
    ール類の製造方法。
  21. 【請求項21】 一般式(VI)で表される、シス−1,
    2−インダンジオールが、光学活性な(1R,2S)−
    1,2−インダンジオールであることを特徴とする、請
    求項15から19に記載の一般式(IV)で表される(4
    R,5S)−インデノオキサゾリン類、および一般式
    (V)で表される(1R,2S)−1−アミノインダン
    −2−オールの製造方法。
  22. 【請求項22】 一般式(VI) 【化21】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    るシス−1,2−インダンジオールを酸触媒の存在下
    に、2−メトキシプロペンもしくはアセトンジメチルア
    セタールと反応させることにより、一般式(IX) 【化22】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    るシス−1,2−インダンジオールジメチルアセタール
    を合成し、これを濃硫酸もしくは発煙硫酸の存在下に、
    アセトニトリルと反応させることにより、一般式(IV) 【化23】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    るシス−インデノオキサゾリンを生成させ、これを加水
    分解することを特徴とする一般式(V) 【化24】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    るシス−1−アミノインダン−2−オールの製造方法。
  23. 【請求項23】 一般式(VI) 【化25】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    るシス−1,2−インダンジオールを酸触媒の存在下
    に、2−メトキシプロペンもしくはアセトンジメチルア
    セタールと反応させることにより、一般式(IX) 【化26】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    るシス−1,2−インダンジオールジメチルアセタール
    を合成し、これを濃硫酸もしくは発煙硫酸の存在下に、
    アセトニトリルと反応させることにより、一般式(IV) 【化27】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    るシス−インデノオキサゾリン類の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記反応において、濃硫酸を使用する
    ことを特徴とする、請求項23に記載の一般式(IV)で
    表されるシス−インデノオキサゾリンの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記反応において濃硫酸の使用量が一
    般式(IX)で表されるシス−1,2−インダンジオール
    メチルアセタールに対して2.0 から5.0 等量モルである
    ことを特徴とする請求項23および24に記載の一般式
    (IV)で表されるシス−インデノオキサゾリン類の製造
    方法。
  26. 【請求項26】 前記反応を−20℃から40℃でおこなう
    ことを特徴とする請求項23から25に記載の一般式
    (IV)で表されるシス−インデノオキサゾリン類の製造
    方法。
  27. 【請求項27】 一般式(VI)で表されるシス−1,2
    −インダンジオールが光学活性な(1S,2R)−1,
    2−インダンジオールであることを特徴とする、請求項
    22から26に記載の一般式(IV)で表される、光学活
    性な(4S,5R)−インデノオキサゾリン、および一
    般式(V)で表される、光学活性な(1S,2R)−1
    −アミノインダン−2−オールの製造方法。
  28. 【請求項28】 一般式(VI)で表される、シス−1,
    2−インダンジオールが、光学活性な(1R,2S)−
    1,2−インダンジオールであることを特徴とする、請
    求項22から26に記載の一般式(IV)で表される、光
    学活性な(4R,5S)−インデノオキサゾリン、およ
    び一般式(V)で表される、光学活性な(1R,2S)
    −1−アミノインダン−2−オールの製造方法。
  29. 【請求項29】 一般式(IX)(ただし、ラセミ体でも
    光学活性体でもよい)で表されるシスー1,2−インダ
    ンジオールジメチルアセタール。
  30. 【請求項30】 一般式(VI) 【化28】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    るシス−1,2−インダンジオールを酸触媒の存在下
    に、2−メトキシプロペンもしくはアセトンジメチルア
    セタールと反応させることによりなる、一般式(IX) 【化29】 (ただし、ラセミ体でも光学活性体でもよい)で表され
    るシス−1,2−インダンジオールメチルアセタールの
    製造方法。
  31. 【請求項31】 一般式(VI)で表されるシス−1,2
    −インダンジオールが光学活性な(1S,2R)−1,
    2−インダンジオールであることを特徴とする、請求項
    30に記載の一般式(IX)で表される(1S,2R)−
    インダンジオールジメチルアセタールの製造方法。
  32. 【請求項32】 一般式(VI)で表される、シス−1,
    2−インダンジオールが光学活性な(1R,2S)−
    1,2−インダンジオールであることを特徴とする、請
    求項30に記載の一般式(IX)で表される(1R,2
    S)−1−インダンジオールジメチルアセタールの製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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