ところが、実際には、前後席にどのような者が乗るかは状況に応じて変化するものであり、ナビゲーション機能の使用が制限された後席に、目的地設定及び経路設定の可能な者が座る場合もあり得る。こうした場合、前席の乗員のみしか目的地設定や経路設定が行なえないことや、前席の確認を得なければ自由に目的地変更ができないことは不便である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車両の乗員に応じて柔軟に機器機能の使用制限を定めることを可能とする車載用電子機器制御システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の車載用電子機器制御システムは、車両に搭載された電子機器の機能使用操作に使用され、前記機能に対する使用制限状態を各々変更可能に設定される操作部が、前記車両内の互いに異なる位置に複数設けられ、複数の前記操作部に対し、前記使用制限状態を個別に設定する使用状態設定手段と、設定された前記使用制限状態が反映されるように、個々の前記操作部において前記機能使用操作に伴う入力処理を制御する入力処理制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、車両に設けられた操作部が複数あり、そのそれぞれの操作部に対して個別の使用制限状態、例えば操作制限等が設けられた状態に設定することで、機能の使用を制限することができる。また、その使用制限状態が定める制限内容をカスタマイズすることができるため、制限内容は、車両や乗員の状況などに基づいて適宜変更可能となるから、機器機能に対して柔軟に使用制限を設けることが可能となる。また、それぞれの操作部に対して個別に使用制限状態を設定することが可能となり、各操作部に応じた使用制限を設けることができるようになる。例えば、操作部が、車両の複数の座席のそれぞれから個別に操作可能な位置に分散配置されている場合には、各座席に座る個々の乗員の種別(子供や大人等)に応じて、対応する操作部の使用制限状態を設定することが可能となる。
また、操作部は、前記車両の複数の座席のそれぞれから個別に操作可能な位置に分散配置することができる。これにより、車両の各座席に座る乗員の種別(例えば大人や子供)に応じて、任意に使用制限状態を設定・変更することができる。機器機能を使用してほしくない乗員、例えば、いたずらで操作部を操作して機能を使用するような子供が座席に座るような場合には、操作部の操作を禁止する、あるいはその一部操作を制限することができる。
また、操作部は、前記車両の前部座席から操作可能な位置に少なくとも1つのものが、後部座席から操作可能な位置に少なくとも1つのものが、それぞれ設けられたものとすることができる。
これにより、車載用電子機器の機能を使用する操作部は、前部座席側と後座席側との双方に設けられ、前後双方の座席からの操作が可能となるとともに、それら操作部に対して使用制限状態を設けることが可能となる。車両を運転する運転者は、一般的には、これらの機器機能の使用に対しては最も高い使用権限を有するべきであるが、運転席が前部座席にあるため、後部座席からの機器機能の使用を直接制止することは難しい。従って、運転者の望まない機能が後部座席からの操作によって使用されて、運転者が不快に感じるような場合がありえる。特に子供がいる家庭の自家用車の場合、大抵の場合は、前部座席に大人が座り、後部座席に子供が座ることが多く、後部座席の子供がいたずらで機器機能を勝手に使用してしまうことも十分にありえる。また、その機能がナビゲーション機能である場合には、運転者の知らないところで運転者の意図しない目的地に勝手に目的地変更がなされることも考えられる。上記本発明によれば、前部座席及び後部座席に対して使用制限状態を設けることができるから、後部座席からの機器の使用についても制限を設けることができ、また、座席に座る乗員の座席が変わったり、異なる乗員が乗った場合等には、それに応じて適宜使用制限状態の内容を変更することができる。
本発明の車載用電子機器制御システムでは、複数の前記操作部に対し、前記使用制限状態を個別に設定する使用状態設定手段と、設定された前記使用制限状態が反映されるように、個々の前記操作部において前記機能使用操作に伴う入力処理を制御する入力処理制御手段と、を備えることができる。
上記構成によれば、それぞれの操作部に対して個別に使用制限状態を設定することが可能となり、各操作部に応じた使用制限を設けることができるようになる。例えば、操作部が、車両の複数の座席のそれぞれから個別に操作可能な位置に分散配置されている場合には、各座席に座る個々の乗員の種別(子供や大人等)に応じて、対応する操作部の使用制限状態を設定することが可能となる。
各前記操作部に対し、前記使用制限状態の設定を個別にオン/オフする使用制限状態オンオフ手段を設けることができる。これにより、各操作部に対する予め定められた内容の使用制限状態を、操作部毎に個別にオン(設定)/オフ(解除)するだけで、複数の操作部に対する使用制限状態を容易に設定することが可能となる。
また、上記の使用制限状態設定手段は、各前記操作部に対する前記機能の使用制限状態を、それら操作部の特定情報と対応付けて記憶する使用制限状態記憶手段と、前記使用制限状態の設定対象となる操作部を選択する制限対象操作部選択手段と、を備え、選択された操作部に対応する前記機能の使用制限状態を前記使用制限状態記憶手段から読み出して、当該操作部に設定することができる。これにより、各操作部の使用制限状態の内容は、使用制限状態記憶手段に記憶されているから、全操作部に対しそれぞれに定められた使用制限状態を同時設定することができる。
上記の複数の前記操作部は、それぞれ自身に対する使用制限状態設定を行なうための前記制限対象操作部選択手段を個別に有することができる。上記構成によれば、使用制限状態の設定は、制限対象となる操作部自身、即ち使用制限状態の設定対象となる操作部自身からのみ行なうことができ、複数の操作部のそれぞれにおいて、個別に行われる。具体的に言えば、本発明の車載用電子機器制御システムにおいて使用制限状態設定可能な権限を有する者が、例えば所定の識別処理を経た上で、それぞれの操作部の制限対象操作部選択手段を用いて、その操作部自身の使用制限状態を設定し、それ以降に行なわれる操作を制限するようにすることができる。これにより、操作部からは、自身以外の他の操作部の使用制限状態設定ができないので、車両の乗員が他の操作部に対して勝手に使用制限状態を設定することを防ぐことができる。
また、上記の制御対象操作部選択手段は、複数の前記操作部のうち予め管理操作部と定められたものに設けられ、当該管理者操作部に、前記制限対象操作部として選択すべき操作部を、個々の操作部を一義的に特定するための操作部特定情報の入力又は選択により決定する制限対象操作部決定手段が設けられる一方、該管理操作部以外の操作部での前記使用制限状態の設定/解除操作を禁止することもできる。
上記構成によれば、機器機能の使用制限状態の設定対象となる操作部の選択は、管理者によって操作可能な位置に設けられる管理操作部においてのみ可能とされ、管理操作部以外の操作部からは、使用制限状態の設定対象である操作部を選択することができない。操作部への使用制限状態の設定は、設定対象となる操作部を選択した上で行なわれるから、制御対象操作部選択手段を有する管理操作部からのみ、各操作部への使用制限状態の設定を実行させることができる。従って、管理者以外の者による勝手な使用制限状態の変更を防ぐことができる。また、この場合、管理操作部から全ての制限対象操作部への使用制限状態設定を行なうことができるので、各操作部への使用制限状態の設定を管理操作部において一括して管理することが可能となり、使用制限状態の設定管理が容易となる。なお、制限対象となる操作部には、管理操作部自身を含むことができる。
さらに、前記座席に対応して設けられた前記操作部に対する前記機能の使用制限状態を、前記座席に着座するユーザーに応じて変更可能とするために、前記使用制限状態設定手段は、各前記操作部に対する前記機能の使用制限状態を、複数のユーザーをそれぞれ一義的に特定するためのユーザー特定情報と対応付けて記憶する使用制限状態記憶手段と、前記操作部が設けられた前記座席に着座するユーザーが誰であるかを識別する着座ユーザー識別手段と、を備え、識別されたユーザーに対応する前記機能の使用制限状態を前記使用制限状態記憶手段から読み出して、当該ユーザーが着座する座席に対応した操作部に、読み出した前記使用制限状態を設定することもできる。
上記構成によれば、車両の各座席に対応する操作部の使用制限状態を、座席に着座するユーザーに応じて変更することが可能となる。また、着座したユーザーが識別されることによって、該ユーザーに対応する使用制限状態が使用制限状態記憶手段から読み出され、該ユーザーが着座する座席に対応する操作部に該使用制限状態が自動設定されるから、設定操作などを必要とせず、容易に使用制限状態の設定を行なうことができる。また、使用制限状態の設定は、ユーザーが識別された上で行われるから、使用制限状態の設定者を限られたユーザーのみに制限することができる。
上記の前記着座ユーザー識別手段は、前記ユーザーの識別情報として、前記操作部に設けられた入力手段から入力されるユーザー固有のパスワードを使用することができる。ユーザー固有のパスワードをユーザー識別情報として利用するため、使用制限状態の設定者を限られたユーザーのみに制限することができる。
上記の前記着座ユーザー識別手段は、前記ユーザーの識別情報として、前記ユーザー固有の生体情報を使用することができる。具体的には、前記生体情報は、顔画像とすることができるし、ユーザーの声紋、指紋、アイリス、網膜等を使用することもできる。ユーザー識別情報として上記のようなユーザー固有の生態情報を使用すれば、ユーザー識別情報が他者に盗まれ難いため、セキュリティ性が高くなる。また、ユーザーの識別情報がユーザーの顔画像であれば、座席に座ったユーザーは、その状態で顔を撮影されるだけで識別処理がされ、その識別結果に基づいて、その座席に対応する操作部に対し自動的に使用制限状態が設定されるから、特別な入力操作等を行なうことなく、簡単に使用制限状態を設定することができる。
また、本発明の車載用電子機器制御システムでは、複数の前記操作部の一部が管理操作部として定められ、残余の操作部が前記制限対象操作部として定められるとともに、前記制限対象操作部において、予め定められた制限対象機能の使用に関係する入力操作があった場合、当該機能使用の許可を前記管理操作部に要求する使用許可要求手段と、前記使用許可要求があった場合に前記管理操作部にこれを報知する使用許可要求手段と、該使用許可要求を承認するか否かを選択する使用許可要求承認選択手段と、を備えて構成することができる。
上記構成によれば、使用制限状態を設定された操作部から機器機能を使用する際には、管理操作部からの使用許可が必要となる。これにより、管理装置に対応する乗員を管理者とし、その管理者によって機器機能の使用管理を行なうことができる。管理者の望まない機器機能の使用要求に対しては、該機器機能の使用を許可しなければよいし、管理者の望む機器機能の使用要求であった場合には、その操作を許可すればよい。管理者に代わって他のユーザーが機器機能を実行する操作を行なわせることもでき、その際、管理者は、それに対する承認操作を行なうだけでよい。特に、管理者が運転者である場合、運転中の運転者は、操作部の操作に意識を集中することができないため、スムーズに操作を行なうことができない場合があるが、上記構成によれば、車両走行中には、他の乗員に機能の使用操作を代行してもらうことができ、運転者はその後に行なう承認操作だけで、使用したい機能を使用することができるようになる。なお、制限対象操作部に管理操作部を含むこともできる。
また、本発明の車載用電子機器制御システムでは、前記使用制限状態記憶手段において、前記機能の使用制限状態が変更可能に記憶されており、前記使用制限状態の変更情報を入力する変更入力手段と、前記変更情報の入力内容に基づいて、対応する前記機能の前記使用制限状態を前記使用制限状態記憶手段上にて書き換える使用制限状態書き換え手段と、を備えることができる。上記構成によれば、操作部に設定される使用制限状態について、その内容を変更することができるため、座席に座る乗員に応じて変更することができる。
この場合、複数の前記操作部の一部が管理操作部として定められ、残余が前記制限対象操作部として定められるとともに、前記使用制限状態記憶手段において、該制限対象操作部のそれぞれに対応する前記機能の使用制限状態が個別に変更可能とされており、個々の該制限対象操作部に対する前記使用制限状態の変更情報を入力する前記変更入力手段が、該管理操作部にのみ設けられるとすることができる。
上記構成によれば、制限対象操作部毎に使用制限状態の制限内容を定めることができるから、それぞれの制限対象操作部の状況に応じて、異なる使用制限状態を設定することが可能となる。また、上記構成によれば、使用制限状態の内容の変更は、管理者によって操作可能な位置に設けられる管理操作部においてのみ可能とされ、管理操作部以外の操作部からは、使用制限状態の内容変更はできない。従って、管理者以外の者によって使用制限状態の制限内容が変更されることを防ぐことができる。また、管理操作部から全ての制限対象操作部の使用制限状態の制限内容を変更できるから、各操作部への使用制限状態の制限内容変更を管理操作部において一括して管理することが可能となり、使用制限状態の内容変更管理が容易となる。なお、制限対象操作部には、管理操作部自身を含むことができる。
また、本発明の車載用電子機器制御システムでは、前記電子機器がカーナビゲーション装置であり、前記機能が当該カーナビゲーション装置の目的地設定又は変更に係る機能を含むものとすることができる。複数の操作部を有するナビゲーション装置の場合、それら操作部のいずれからも目的地設定や目的地の変更などを行なうことを可能とすると、運転者の意図しない目的地設定がなされてしまう場合がある。ところが、運転者が操作可能な操作部からのみしか目的地変更が行なえないことは不便であり、車両に搭乗する乗員によっては、誰もが何の制限も無く目的地設定や目的地変更を行なうことができると便利な場合もある。上記構成によれば、車両に登場する乗員に応じて、目的地設定・目的地変更に係る機能の実行に対し、制限を設けることができる。
また、前記電子機器がカーナビゲーション装置である場合には、前記使用制限状態が、前記車両の現在位置又は現在設定中の目的地を基準位置として、前記目的地設定又は変更の結果として生ずる新目的地と前記基準位置との距離が予め定められた条件を充足した場合に、当該目的地設定又は変更に係る操作を制限するものとして定めることができる。
目的地を設定する場合に、運転して1日以上もかかるような遠方の目的地が設定されることはまれである。また、現在案内中の目的地から極めて遠い地点を新目的地に変更するような場合もまれである。これらの設定・変更は、例えば子供のいたずらによる操作等による、運転者の目的地とは明らかに異なる設定であることが多い。上記構成によれば、車両の現在位置又は現在案内中の目的地から、新たに設定される目的地までの距離が一定以上越えるような設定・変更が予め禁止されるように制限を設け、運転者が意図しない大幅な目的地の変更を防ぐことができる。
また、前記電子機器がカーナビゲーション装置である場合には、前記使用制限状態が、前記車両の現在位置又は現在設定中の目的地を基準位置として該基準位置から前記目的地設定又は変更の結果として生ずる新目的地へ至る経路上に有料道路が予め定められた条件を充足する形で含まれている場合に、当該目的地設定又は変更に係る操作を制限するものとして定めることができる。
目的地設定に際して運転者が意図する経路条件の中には、有料道路の有無がある。目的地に到着するまでに支払う通行料に関しては、特に料金は気にせずできるだけ早く到着したい場合や、一定金額以上にはならないようにしたい場合、一銭も払いたくない場合等、状況に応じて様々であり、運転者によってもこうしたスタンスは異なってくる。上記構成によれば、新たな目的地を設定する際に、運転者のこうしたスタンスが無視されることが無いように、予め有料道路の通過に対して、金額等による制限を設けることが可能となる。
以下、本発明の車載用電子機器制御システムの一実施例である自動車用ナビゲーションシステムを例に説明を行なう。図1は、本発明の自動車用ナビゲーションシステム100が適用された自動車200の内部を簡易的に示す図である。図1に示す自動車200内には、車両の前席側に前席表示装置4、後席右側及び後席左側に後席表示装置5,6が、それぞれ分散配置されて設けられている。前席表示装置4は運転席及び助手席に座る乗員によって、後席表示装置5は後席右側に座る乗員によって、後席表示装置6は後席左側に座る乗員によって、それぞれの表示部10,13,15を視認可能で、かつそれぞれの操作部11,14,16を操作可能な位置に個別に配置される。前席表示装置4は、車室内のインストルメントパネル中央の位置に設けられ、後席表示装置5,6は、前席シートのヘッドレスト後方に埋め込まれ固定されている。これら表示装置4,5,6が本発明における電子機器であり、表示部と操作部からナビゲーション機能を使用することが可能なナビゲーション装置である。
図2は、本発明のナビゲーションシステム100のブロック図である。このナビゲーションシステム100は、位置検出器1、データ入力装置2、内部記憶装置3、前席表示装置4、後席表示装置5,6、車両操作スイッチ群7、車両状態センサ群8、スピーカ9、及びこれらを接続した制御装置20を備えている。位置検出器1、データ入力装置2、内部記憶装置3はそれぞれ、制御装置20に設けられた専用のインターフェース(図ではI/Fと略す)21、22、23を介して制御部30に接続されている。
位置検出器1は、いずれも周知の地磁気センサ、走行状態検出手段となる距離センサ(車速センサ)、ジャイロスコープ、及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機(いずれも図示無し)を有している。これらのセンサは各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補間しながら使用するように構成されている。なお精度によっては上述したうちの一部で構成してもよく、更にステアリングの回転センサ、各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
データ入力装置2は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ及び目印データ、案内データ、案内表示優先度データ、事故データ等を入力するための装置である。媒体としては、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、メモリカードを用いてもよい。これらのデータを内部記憶装置3に保持する場合、データ入力装置2は無くてもよい。
内部記憶装置3は、各種ユーザーの設定情報や最新道路情報の更新データ等を記録するための書換え可能なデータを保持する装置であるが、マップマッチング用データ、地図データ及び目印データ、案内データ、案内表示優先度データ、事故データ等をデータ入力装置2の代わりに保持、使用してもよい。媒体としてはハードディスクを用いるのが一般的であるが、メモリカードを用いてもよい。また各種ユーザーの設定情報が制御部30内のバッテリバックアップされたRAM32、もしくはROM33上に記録されるのであれば、本装置は無くてもよい。本実施例においては、この内部記憶装置3に、後述する目的地・経路設定許可テーブル3a(図5)が記憶されている。
目的地・経路設定許可テーブル3aは、目的地設定機能の実行時における経路の追加・変更・削除といった処理の許可・禁止や、変更時の運転者確認(運転者による変更の承認)の要否等の使用制限内容を定めるものであり、内部記憶装置3に記憶されている。本実施例における目的地・経路設定許可テーブル3a(図5)には、制限項目として、本ナビゲーションシステムにおける目的地設定機能の実行における経路の追加・変更・削除といった処理の許可・禁止を定める設定・変更項目と、変更時における運転者あるいは確認権(承認権)を有するものによる設定・変更確認の要否を定める確認要否項目と、乗員に対してその確認権を付与する確認権項目とが、車両の座席に対応付けて設定されている。確認要否の設定は、設定・変更項目において、設定変更許可とされた座席に対してのみ設定可能である。確認(承認)が不要な設定の場合は、運転者や確認権者(承認権者)の承認を得ることなく目的地及び経路の設定・変更を行なうことができるが、確認(承認)が必要な設定の場合には、設定内容・変更内容に対する運転者あるいは確認権者から確認がなければ(承認がなければ)、目的地の設定・変更を行なうことができない。なお、本実施例では、操作部は座席に対応付けて設けられるため、座席が操作部を特定する操作部特定情報をなす。また、この目的地・経路設定許可テーブル3aを記憶する内部記憶装置3が、使用制限状態記憶手段をなす。
表示装置4は、表示部10、操作部11、及び助手席入力判定センサ12を備えて構成され、車両の前席乗員用に設置される。
表示部10は、周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)及びLCD表示制御を行なうための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、映像信号出力部24から送られる表示指令及び表示画面データに基づいて表示を行なう。また、表示部10として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。この表示部10の画面には位置検出器1から入力された車両現在位置マークと、データ入力装置2もしくは内部記録装置3より入力される地図データと、更に地図上に表示する誘導経路等の付加データとを重ねて表示することが出来る。
操作部11は、タッチスイッチやメカニカルスイッチ、マイク等の音声入力部を備える周知の音声認識装置等からなる。本実施例では、メカニカルスイッチとして、図6に示すようなキースイッチ11a,11b,11c,11d,11eを備えており、位置検出器1をなすGPS受信機で検出された現在地を修正する現在地キー11a、目的地設定を行なう目的地キー11b、ナビゲーション機能の各種機能を実行するためのメニュー画面を表示するメニューキー11c、表示地図の縮尺変更用の広域・詳細キー11d、目的地・経路設定制限を行なう制限設定キー11e等を備える。また、タッチスイッチ(ソフトボタン)は、表示部10と一体に構成され、表示部(画面)10上に透明なタッチパネルを重ね配置し、そのタッチパネル上に設定されたソフトボタン領域(下側の画面の対応する位置にはボタン画像を表示する)に指が触れたとき、ボタン付勢されたとして認識するものであり、画面上に適宜表示される。本実施例では、この操作部が、本発明の入力手段、変更入力手段を兼ねるように構成されている。
なお、操作部11のうち、予め定められた操作部に関しては、車両走行中においてその操作が禁止又は無効化される走行強制対象操作部とされている。例えば、走行中において、ナビゲーション機能のうちの地図検索や経路選択等の目的地設定、テレビ画面への切替操作等の複雑な入力操作に運転者が没頭することは望ましくないため、これらの操作については車両走行中に限って禁止されるよう、制御部30のROM33(図3参照)に格納された走行強制プログラム33cによって予め操作制限がなされている。メカニカルなスイッチの場合であればそれらのスイッチ操作が無効化される(例えば、操作信号の出力を停止するか、操作信号の受信側でその受信を拒むようにする)ように構成され、また、タッチスイッチの場合であればスイッチ操作ができないようにスイッチを画面から消去したり、スイッチ色をトーンダウンしてソフトボタンをロックし、入力操作が不能となるように構成される。本実施例においては、前席表示部4に関してのみ、目的地・経路設定機能に関するスイッチが制限操作部として定められている。
また、表示装置4は、運転席と助手席との双方の乗員によって使用されるため、操作部11への操作が運転席からなされたのか、助手席からなされたのかを判別する為の助手席入力判定センサ12を備える。ここでの助手席入力判定センサ12は、図4に示すように、運転席に座る運転手からは操作できない位置に設けられた走行強制解除部をなす助手席側操作判別用スイッチ(助手席側操作判別手段)120aの押圧状態を検知する。本実施例では、制御部30のROM33(図3参照)に格納された走行強制プログラム33cによって、車両走行中の運転者による操作部11への操作が制限されているが、助手席側操作判別用スイッチ120aの押圧状態が検知されると、操作部11への操作制限が解除される。従って、助手席の乗員は、助手席側操作判別用スイッチ120aの押圧状態とすることで、運転者の代わりに操作部11の操作を行なうことが可能となる。
表示装置5,6は、後席乗員用に設置される。表示部13,15、操作部14,16は、表示装置4の表示装置10、操作部11と同様に構成される。ただし、これらの操作部14,16は、運転者による操作が不可能な位置に配置されているため、予め上記の走行強制プログラム33cによる走行強制対象から外されている。また、操作部14,16には、目的地設定(経路設定を含む)制限を行なう制限設定キー11eが存在しない、または、存在しても操作が無効化されている。
なお、本発明の複数の操作部は、車両の前席側や後席側に設けられた表示装置毎の操作部のことを表している。
スピーカ9は、音声信号出力部25から入力された音声出力信号に基づき所定の音声(案内のための音声や画面操作の説明、音声認識結果等)を外部に報知する。
車両操作スイッチ群7は、例えば灯火スイッチ、ワイパースイッチ、着座センサ等であり、各種入力に使用される。
車両状態センサ群8は、例えばパーキングブレーキ状態センサ、変速機セレクトセンサ等であり、各種入力に使用される。
制御装置20は、通常のコンピュータとして構成される制御部30、制御部30のRAM32内に蓄えられた画像データを表示用の映像信号に変換して出力する映像信号出力部24、前述したインターフェース21、22、23、音声信号出力部25からなる。
制御部30の内部には周知のCPU31、RAM32、ROM33、I/O35及びこれらの構成を接続するバスライン34が備えられている。制御部30のROM33には、前後席表示装置4,5,6の操作部11,14,16により目的地の位置を入力すると、現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に選択して誘導経路を形成し表示する、いわゆる周知のナビゲーションプログラム33a(目的地設定機能)が格納されている。最適な経路の自動的設定に関しては、ダイクストラ法等の手法を用いることができる。なお、本発明における目的地設定とは、現在の目的地の変更設定や目的地の追加設定に限られるものではなく、経路を変更するあらゆる経路変更設定を含むこともできる。また、表示装置4,5,6の操作部11,14,16や車両状態センサ群8により前後席表示装置4,5,6の表示部10,13,15に表示する画像を同じにしたり、全く異なる画像にしたり、画像の一部にマスクする周知の表示制御を行なうための表示制御プログラム33b(表示制御機能)、車両走行中の運転者による目的地設定機能の使用を禁止する走行強制プログラム33cを格納し、さらに、後述する目的地設定機能の使用制限設定プログラム33d、目的地設定機能の使用制限制御プログラム33e、ユーザー識別プログラム33fを格納する。これらのプログラムは、いずれも図3のRAM32のワークメモリ32aをワークエリアとしてCPU31により実行されるものである。また、ROM33は本当に書き換え不可能なものでもよく、いわゆるフラッシュROMのように書き換え可能なものでもよい。
なお、本発明の車載用電子機器制御システムにおける電子機器(本実施例ではナビゲーション機能を有する表示装置)の主要な機能実現手段(すなわち、使用状態設定手段、入力処理制御手段、使用制限状態設定オンオフ手段、制限対象操作部選択手段、操作部特定手段、制限対象操作部決定手段、使用制限状態記憶手段、着座ユーザー識別手段、使用許可要求手段、使用許可報知手段、使用許可要求承認手段、使用制限状態書き換え手段)は、ROM33に格納された目的地設定機能の使用制限設定プログラム33d及び目的地設定機能の使用制限制御プログラム33e、ユーザー識別プログラム33fを実行することにより実現される。
本発明のナビゲーションシステム100では、各表示装置4,5,6からの目的地設定を行なう際には、ROM33に格納された目的地設定機能の使用制限設定プログラム33dが実行され、これら各表示装置(制限対象操作部)4,5,6の目的地設定の使用を制限することができ、さらにその使用制限の内容をカスタマイズすることが可能となっている。なお、本実施例における目的地設定機能の使用制限のカスタマイズは、運転者のみが可能であり、車両停車中に前席表示装置4の操作部11(管理操作部)の操作によってのみ可能とされている。以下、目的地設定機能の使用制限設定の流れを、図6を用いて説明する。
まず、図6の(a)に示す前席表示装置4の制限設定キー11eを押すことで、目的地設定機能の使用制限設定プログラム33dを起動する。これにより、表示部10には図6の(b)に示す目的地設定制限画面が表示され、制限を設ける座席を画面上のタッチスイッチから選択可能となる。ここでは、3.後部座席(右)が選択されたものとする。座席が選択されると、表示部10には、図6の(c)に示すような各座席の制限内容設定画面が表示される。この画面では、各制限項目の内容を決定することが可能となっており、各制限項目(ここでは、設定・変更、確認要否、及び確認権)に対して、対応するタッチスイッチを押して制限項目の内容を選択する形で、画面上で各制限項目の内容を指定し、表示した内容で決定する際には、決定スイッチを押す。決定スイッチを押すと、内部記憶装置3の目的地・経路設定許可テーブル3a(図5)に記憶されていた制限内容が更新(上書き保存)される。ここでは、後部座席(右)に対し、設定・変更を許可し、その際の確認を不要とし、さらに確認権を有するとの内容で制限設定がなされ、目的地・経路設定許可テーブル3aに記憶されたものとする。また、図6の(c)に示す画面から戻るスイッチを押すと、前画面に戻る。デフォルトスイッチを押すと、各制限項目がデフォルトに戻される。本実施例のデフォルトは、設定・変更を許可、確認要否を要、確認権無しとして定められている。なお、確認の要否を必要とするユーザーに確認権が付与されないのは当然であるから、確認要否を要とするようにタッチスイッチによって指定した場合には、自動的に確認権が無しに設定されるようになっていてもよい。
決定スイッチが押されて、目的地・経路設定許可テーブル3a(図5)が更新されると、CPU31がROM33に格納された目的地設定機能の使用制限制御プログラム33eを実行して、作成された目的地・経路設定許可テーブル3a(図5)の使用制限内容に基づいて、各表示装置の操作部11,14,16のそれぞれに対し、使用制限を独立に設定する。後席表示装置の操作部14,16は、左右の後部座席に対応して設けられているので、各座席に対応する使用制限を、その座席に対応する操作部に対して設定する。前席表示装置は、運転席と助手席で共有するものであるから、通常は制限が設けられておらず、助手席側操作判別用スイッチ120aが押された場合に、助手席に対応する使用制限状態が有効となるように設定される。本実施例では、図5に示す目的地・経路設定許可テーブル3aの内容で制限が設けられている。
目的地設定を行なう場合は、まず、どの操作部からの入力(入力処理)であるかを判定する。これは、どの操作部の目的地キー11bが操作されたかに基づいてCPU31が判定する。ここで、前席表示装置4の操作部11からの入力であった場合には、助手席側操作判別用スイッチ120aの操作状態から、助手席からの操作であるか否かを判定する。助手席入力判定センサ12によって助手席側操作判別用スイッチ120aの操作が検知された場合には、制御部30のCPU31が、操作部11への操作は運転者ではなく助手席からの操作であると判定し、走行強制プログラム33cによる走行時の操作制限が解除されるとともに、目的地・経路設定許可テーブル3a(図5)の使用制限状態を読み出し、その使用制限状態を操作部11に対して設定する。助手席側操作判別用スイッチ120aの操作が検知されていない場合には、操作部11に対して制限は設定されない。なお、運転席に対しても操作制限が設定される場合には、目的地・経路設定許可テーブル3a(図5)に運転席に対応する使用制限状態を記憶し、その制限内容が操作部11に設定される。後席表示装置の操作部14,16からの操作が検出された場合には、目的地・経路設定許可テーブル3a(図5)から対応する使用制限状態を読み出し、その使用制限状態を操作部14,16に対して設定する。
操作部11,14,16からの目的地キー11bを押すと、上記のように使用制限状態が設定され、その際に目的地設定が許可されていた場合には、キーワード検索や電話番号入力等の周知の手段を利用して目的地設定が可能となる。目的地設定が許可されていない場合(ここでは後部座席左に対応する操作部16)は、例えば、目的地の設定・変更を行なうことができない、あるいはその権限を持たない旨を、画面表示又は音声にて報知する。
ここで、使用制限状態の制限項目の確認要否が必要とされた乗員に対応する操作部(ここでは助手席に対応する操作部11)への操作があった場合には、所定の操作による目的地設定操作を行った後に、最終的に目的地を確定するスイッチ(図示なし)が押されると、運転者に対応する表示装置4の表示部10と、確認権有りと設定された操作部(ここでは後部座席右側の乗員に対応する表示装置5の表示部13)とに、図7の(a)の画面が表示され、運転者と上記の設定で確認権を有するとされた乗員に対し、変更確認の要求が行なわれる。これにより、これらの運転者及び乗員に対して、目的地設定を制限された乗員からの目的地設定要求があった旨が報知される。なお、目的地設定要求の有無は、スピーカ9からの音声によって報知されてもよい。また、この画面には、その設定変更を承認するタッチスイッチと、変更されたルートを確認するタッチスイッチと、及び設定変更を拒否するタッチスイッチとが表れる。設定変更を承認するタッチスイッチが押された場合には、目的地が設定変更され、新たなルートが設定されるとともに、図7の(c)に示すような画面が表示装置4,5の表示部10,13に表示され、目的地・ルートが変更された旨が報知される。設定変更を拒否するタッチスイッチが押された場合には、図8に示すような画面が表示装置4,5の表示部10,13に表示される。これもスピーカ9から音声によって報知されてもよい。変更されたルートを確認するタッチスイッチが押された場合には、図7の(b)に示すような画面が表示装置4の表示部10と、表示装置5の表示部13とに表示され、画面右側で新たな目的地及びルートを確認し、画面左側の設定変更を承認する際に押すタッチスイッチあるいは設定変更を拒否するタッチスイッチを押すことで、新たな目的地及びルートが設定される、あるいはその設定が拒否され、図7の(c)や図8のような画面表示や音声によって設定変更の結果が報知される。なお、確認権を有する者による設定・変更の承認・非承認は、音声によって行なうこともできる。確認権を有する者が運転者である場合には、停車中のみ承認・非承認を与えるとしてもよい。
使用制限状態の制限項目の確認要否が不要とされた乗員に対応する操作部(ここでは後部座席右に対応する操作部14)への操作があった場合には、上記した設定・変更内容の確認は行われず、所定の目的地設定操作によって目的地を確定することができる。
次に、上記実施例を第一実施例とし、それとは異なる第二実施例について説明する。第二実施例では、目的地設定機能の使用制限設定プログラム33dの実行内容が異なっている。第二実施例における目的地設定機能の使用制限設定プログラム33dは、第一実施例と同様に、図9の(a)に示す前席表示装置4の制限設定キー11eを押すことで起動し、表示部10に図9の(b)のような画面が表示される。このとき、表示部10には、左右双方の後部座席の使用制限内容を同時に設定するタッチスイッチ(5.後部座席(両方))が表れる。ここで、5.後部座席(両方)を選択すると、表示部10には、図9の(c)に示すような各座席の制限内容設定画面が表示され、各制限項目(ここでは、設定・変更、確認要否、及び確認権)に対して、左右双方の後部座席の各制限項目内容を決定することができる。決定は、各制限項目の内容に対応するタッチスイッチを押すことで行なう。ここでは、設定・変更が許可され、確認要否を必要とし、確認権無しとの内容で制限設定がなされ、目的地・経路設定許可テーブル3aには、図10に示すように、後部座席の左右双方が同じ内容で使用制限状態が記憶される。なお、図9の(b)の表示は、後部座席個別のタッチスイッチを無しとして、後部座席に関しては一括して設定するようにされていてもよい。つまり、座席毎にではなく、単純に前席側と後席側との表示装置に対して、それぞれ一括して使用制限のカスタマイズが可能とされてもよい。いたずらで目的地設定機能を使用する子供等が主に後部座席に乗る場合には、後部座席の一括設定が有効となる。
本発明の第三実施例について説明する。第三実施例では、目的地設定機能の使用制限設定プログラム33dの実行内容が上記実施例と異なっている。第三実施例における目的地設定機能の使用制限設定プログラム33dは、第一実施例及び第二実施例と同様に、図11の(a)に示す前席表示装置4の制限設定キー11eを押すことで起動し、表示部10には、図11の(b)のような画面が表示される。ここで、表示部10に表れるタッチスイッチから、制限を設ける座席を選択すると、図11の(c)に示すように、表示部10に、上記実施例の制限項目である設定・変更、確認要否、及び確認権を設定するタッチスイッチに加えて、目的地設定時にユーザーパスワード(ユーザー識別情報)の入力を必要とするか否かを定める制限項目であるユーザーパスワード入力(図ではパスワード入力と表示)が表れる。ここでは、図11の(b)の画面では3.後部座席(右)を選択し、図11(c)の画面ではユーザー設定を必要とする入力がなされており、決定が押されることで、内部記憶装置3の目的地・経路設定許可テーブル3aに設定内容が更新される。本実施例の目的地・経路設定許可テーブル3aには、図12に示すように、ユーザーパスワード入力の制限項目が設けられ、座席毎にユーザーパスワード入力の要否を設定している。なお、デフォルトスイッチを押した場合には、画面上でユーザーパスワード入力項目の必要がタッチされた状態となる。
本実施例では、図12に示す内容で目的地・経路設定許可テーブル3aが設定されており、目的地設定機能の使用制限制御プログラム33eによって、各表示装置の操作部11,14,16に対し、その目的地・経路設定許可テーブル3a(図12)の内容で使用制限がそれぞれ設定される。また、制御部30のROM33にユーザー識別処理を行なうユーザー識別プログラム33fが格納されている。
この場合、ユーザーパスワード入力が必要とされた操作部(ここでは後部座席右側に対応する操作部14)は、例えば、目的地キー11bを押すと、ユーザー識別プログラム33fが起動し、図13に示すようなユーザーパスワード入力画面が表示される。ユーザーパスワードは一定複数桁の符号よりなり、該入力画面に現れるテンキーからユーザーパスワードを入力する。ユーザーパスワードが入力されると、入力されたユーザーパスワードと、内部記憶装置3の所定の記憶領域(図16の登録ユーザー情報記憶部3b)に記憶されたユーザーパスワードとを照合する処理が実行される。照合の結果、入力されたユーザーパスワードが正しいものである場合には、パスワードが入力された操作部に対して目的地設定機能の使用が承認すべきユーザーであると識別し、ユーザーパスワードが正しくない場合には、目的地設定機能の使用を禁止すべきユーザーであると識別する。処理後には、使用制限制御プログラム33eが起動して、ユーザー識別処理の結果、入力されたユーザーパスワードが正しいものである場合には、パスワードが入力された操作部に対して、目的地・経路設定許可テーブル3a(図12)を参照して、使用制限状態が設定される。ユーザーパスワードが正しくない場合には、目的地設定機能の使用が禁止され、前画面に戻る。
なお、本発明において使用可能なユーザー識別情報は、ユーザー固有の情報であれば上記実施例のユーザーパスワードに限定されず、パスワードの他にも、ユーザーの顔画像や声紋、指紋、アイリス、網膜等のユーザー生体情報を採用することができる。また、これらの中のいずれか又は複数を用いたユーザー識別処理を行なってもよい。これらはいずれもユーザー個々で異なる情報であるため、パスワード等のように識別情報を盗まれることが無く、セキュリティ性が極めて高い。
顔画像を用いる場合は、各座席に座る乗員をCCDカメラ等の顔撮影カメラによってユーザー(識別処理対象者)の顔画像を取得し、内部記憶装置3の登録ユーザー情報記憶部3bに記憶された登録ユーザ情報情報と照合して、各座席の乗員を特定する。なお、ここでの登録ユーザー情報記憶部3bには、図16におけるユーザーID及びパスワードに代わって、ユーザーの顔画像情報をユーザー識別情報として記憶しており、この顔画像情報が、ユーザー特定情報であるユーザー名に対応付けられて記憶されるものとする。顔画像の取得は、それぞれの座席毎に座った乗員(目的地設定機能の使用対象となるユーザー)を所定の向きから撮影できるように、顔撮影カメラを設けることで、全乗員が座席に座った段階で全乗員を同時に撮影することができるから、乗員に対してユーザー識別情報の入力操作を要求することなく全乗員の特定を行なうことができる。そして、各座席から操作可能な、各座席に対応する表示装置の操作部に対して、座った乗員に対応する使用制限設定を設けることが可能となる。また、取得した顔画像から子供と大人と識別し、子供が座った座席に対応する操作部に対してのみ使用制限設定を設けることもできる。
声紋を用いる場合は、ユーザー(識別処理対象者)は所定のキーワードを発声して各表示装置の操作部が備えるマイク等の音声入力部から取得し、内部記憶装置3の登録ユーザー情報記憶部3bに記憶された登録ユーザー報と照合して各座席の乗員を特定する。この場合は、キーワードと声紋との双方でユーザーを特定することができるため、セキュリティ性が高い。なお、ここでの登録ユーザー情報記憶部3bには、図16におけるユーザーID及びパスワードに代わって、キーワードと声紋情報とがユーザー識別情報として記憶されており、これらキーワードと声紋情報とが、ユーザー特定情報であるユーザー名に対応付けられて記憶されるものとする。
指紋を用いる場合は、目的地キー11bを操作した際に、表示装置に設けられた指紋検出部に所定の指を接触させて指紋画像を取り込み、内部記憶装置3の登録ユーザー情報記憶部3bに記憶された登録ユーザー情報と照合して各座席の乗員を特定する。複数桁の符号の入力に比べて、容易かつ迅速に乗員(ユーザー)を特定することが可能となる。なお、ここでの登録ユーザー情報記憶部3bには、図16におけるユーザーID及びパスワードに代わって、ユーザーの指紋画像がユーザー識別情報として記憶されており、この指紋画像が、ユーザー特定情報であるユーザー名に対応付けられて記憶されるものとする。
アイリス(虹彩)や網膜を用いる場合は、各座席にアイリスや網膜撮影用のカメラを設け、内部記憶装置3の登録ユーザー情報記憶部3bに記憶された登録ユーザー情報情報と照合して各座席の乗員を特定する。アイリスの画像を用いる場合、その模様や色の個人性を利用して照合・識別を行なう。特にアイリス模様は後天的形成要素であり、遺伝的影響度も低いので一卵性双生児でも顕著な相違があり、確実に識別できる利点がある。アイリス模様を用いた識別方式は、認識・照合を迅速にことができ、他人誤認率も低い特徴がある。アイリスの撮影は通常のカメラを用いて行なうことができる。なお、ここでの登録ユーザー情報記憶部3bには、図16におけるユーザーID及びパスワードに代わって、ユーザーの網膜画像やアイリス画像がユーザー識別情報として記憶されており、この網膜画像やアイリス画像が、ユーザー特定情報であるユーザー名に対応付けられて記憶されるものとする。
本発明の第四実施例について説明する。第四実施例では、目的地設定機能の使用制限設定プログラム33dの実行内容が、上記実施例と異なっている。第四実施例における目的地設定機能の使用制限設定プログラム33dは、他の実施例と同様、まず、図14の(a)に示す制限設定キー11eを押すことで起動し、表示部10には図14の(b)に示す画面が表示される。ここでは、第三実施例の図11の(b)に加えて、表示部10に5.ユーザー設定というタッチスイッチが表れる。この表示画面から1〜4の各座席が選択されると、上記第三実施例と同様に、図14の(c)に示す表示部10のタッチスイッチから、上記第三実施例と同様に、制限項目である設定・変更項目、確認要否項目、確認権項目、及びパスワード(ユーザー識別情報)入力項目の設定が可能となっている。
また、図14の(b)に示す画面からこのユーザー設定が選択されると、表示部10には、図15の(a)に示すように、登録ユーザーのユーザー特定情報であるユーザーIDと登録ユーザーのユーザー識別情報であるユーザーパスワードが一覧表示される。この一覧の各行は、タッチすることで選択可能となっており、例えばユーザー●●△△を選択すると、図15の(b)に示すような登録ユーザー情報が表示される。この画面では、画面上のアルファベットキーとテンキーをタッチすることで、画面表示されたユーザー名、ユーザーID、及びユーザーパスワード(図ではパスワードと略す)の変更が可能となっており、決定ボタンがタッチされると、内部記憶装置3の所定記憶領域である登録ユーザー情報記憶部3bに、図16に示すような形で、表示された内容が登録ユーザー情報としてユーザー毎に記憶される。また、図15の画面でNew Userを選択することで、上記の登録ユーザーの変更と同様の形式で、登録ユーザー情報記憶部に新規ユーザーの登録が可能となっている。
各表示装置4,5,6の操作部11,14,16から目的地設定を行なうために目的地キー11bを押すと、キーを押した表示装置の表示部に対して、図17に示す画面が表示される。この画面において、操作するユーザーのユーザーIDとユーザーパスワードとを入力すると、内部記憶装置3の所定の記憶領域(登録ユーザー情報記憶部3b)に記憶された登録ユーザー情報と照合するユーザー識別処理を実行する。その結果、入力されたユーザーID及びユーザーパスワードが正しいものである場合には目的地設定機能の使用が承認され、目的地設定画面に進み、目的地設定が可能となる。ユーザーIDやユーザーパスワードが正しくない場合には、目的地設定機能の使用が禁止され、前画面に戻る。
本発明の第五実施例について説明する。本発明の第五実施例では、登録ユーザー毎に目的地設定機能の使用制限内容が設定される。使用制限内容の設定は、まず、前席表示装置4の操作部である操作部11の制限設定キー11eを押すことで目的地設定機能の使用制限設定プログラム33dを起動する。目的地設定機能の使用制限設定プログラム33dが起動すると、表示部10には、図18の(b)に示すような一覧が表れる。この一覧には、ユーザー特定情報であるユーザー名に、ユーザー識別情報であるユーザーID及びパスワード、使用制限状態の制限内容である設定・変更、パスワード入力、確認要否、確認権の各制限項目が対応するように表示されている。この一覧から、各ユーザー名に対応する行をタッチして選択すると、図18の(c)に示す画面が表示される。図18(c)では、登録ユーザー情報であるユーザー名、ユーザーID、及びユーザーパスワードの変更が可能となっている。この画面において、決定スイッチが押されると、登録ユーザー情報が画面に表示された内容で変更されて、図20に示す目的地・経路設定許可テーブル3aに記憶される。戻るスイッチが押されると、登録ユーザー情報を変更しないで前画面に戻る。制限内容設定スイッチが押されると、図19の(a)が表示されて、図18の(c)のユーザー名で登録されたユーザーの使用制限状態を定める制限項目の設定が可能となる。各項目に対する設定は、それぞれの項目に設けられたタッチスイッチを選択して行なう。この画面で決定スイッチを押すと、現在画面表示された内容を反映する形で目的地・経路設定許可テーブル3a(図20)が更新される。デフォルトスイッチを押すと、制限内容が画面表示上でデフォルトの設定内容に切り替わる。ここでは、設定・変更項目を許可、パスワード入力項目を必要、確認要否項目を不要、確認権を有りと定められている。また、戻るスイッチを押すと前画面に戻る。詳細設定スイッチを押すと、図19の(b)に示すような画面が表示されて、使用制限状態を定める制限項目である距離制限項目及び料金制限項目の設定が変更可能となる。各項目に対する設定は、それぞれの項目に設けられたタッチスイッチを選択して行なう。決定スイッチを押すと、現在画面表示された内容を反映する形で目的地・経路設定許可テーブル3a(図20)が更新される。デフォルトスイッチを押すと、制限内容が画面表示上でデフォルトの設定内容に切り替わる。ここでは、距離制限有り、料金制限有りをデフォルト設定としている。また、戻るスイッチを押すと前画面に戻る。
距離制限の制限項目は、位置検出手段1によって検出される車両の現在位置(基準位置)から新たに設定される目的地までの距離が例えば500km以上となる目的地設定又は目的地変更を禁止するものである。なお、距離制限は、既に設定されている目的地(基準位置)から新たに設定する目的地までの距離に対して設けられてもよい。また、その距離の具体的な数値が、画面からの入力又は選択によって変更可能とされていてもよいし、さらにユーザー毎、もしくは座席毎に異なって設定できてもよい。
料金制限の制限項目は、位置検出手段1によって検出される車両の現在位置(基準位置)から新たな目的地を設定する際に、新たな目的地に至るまでの経路上に有料道路が含まれる場合、その目的地設定又は目的地変更を禁止するものである。なお、料金制限は、既に設定されている目的地(基準位置)から新たに設定する目的地に至るまでの経路上に有料道路が含まれた場合に対して設けられてもよい。また、設定される経路に有料道路を含む際に、有料道路での支払うことを許可する金額の上限を定め、それ以下の料金であれば経路に有料道路を含むことができるようにしてもよいし、その上限金額を画面上からの入力又は選択によって変更可能としてもよいし、さらにユーザー毎、もしくは座席毎に異なって設定できてもよい。
各表示装置4,5,6の操作部11,14,16から目的地設定を行なうために目的地キー11bを押すと、キーを押した表示装置の表示部に対して、図17に示す画面が表示される。この画面において、操作するユーザーのユーザーID及びユーザーパスワード(ユーザー識別情報)を入力すると、これらのID・パスワードと、内部記憶装置3の所定の記憶領域(目的地・経路設定許可テーブル3a(図20)に記憶された登録ユーザー情報とを照合するユーザー識別処理を実行する。その結果、入力されたユーザーID及びユーザーパスワードが正しいものである場合には、ユーザー識別情報の入力を行なった操作部からの目的地設定機能の使用が承認されるとともに、目的地設定機能の使用制限制御プログラム33eによって、入力されたユーザー識別情報で識別するユーザーに対応する使用制限状態が、目的地・経路設定許可テーブル3a(図20)から読み出され、読み出された使用制限状態が、目的地設定機能の使用が承認された操作部に対して設定される。ユーザーIDやユーザーパスワードが正しくない場合には、目的地設定機能の使用が禁止され、前画面に戻る。
本発明の第六実施例について説明する。本発明の第六実施例は、使用制限状態の互いに異なる複数の設定モードが、設定モード記憶部3dに記憶され、記憶された複数の設定モードのいずれかを選択し、選択した設定モードに対応する使用制限状態を前記操作部に設定する。使用制限内容の設定は、まず、前席表示装置4の操作部である操作部11の制限設定キー11eを押すことで目的地設定機能の使用制限設定プログラム33dを起動する。これにより、表示部10には図21の(b)に示す目的地設定制限画面が表示され、座席名の横にあるスイッチを押すことで、複数の選択項目がプルダウン式に垂れ下がって一覧表示され、それらの中から任意の設定モードを選択して設定する。各設定モードの制限内容は、内部記憶装置3の所定の記憶領域である設定モード記憶部3d(図22)に記憶されており、ここでは、機器機能の使用に関して最も高い使用権限が定められたフルモード、機器機能の使用が禁止された禁止モードと、設定・変更の項目が許可とされ、パスワード入力、確認要否、確認権、距離制限、料金制限の各項目のいずれかに制限が設けられてなる制限モードとが記憶されている。図21の(b)の画面で決定スイッチを押すと、現在画面表示された内容を反映する形で目的地・経路設定許可テーブル3a(図23)が更新される。この更新処理によって、目的地・経路設定許可テーブル3aには、座席と設定モードとが対応付けて記憶されるとともに、その更新処理の終了後には、目的地設定機能の使用制限制御プログラム33eが実行され、目的地・経路設定許可テーブル3aに記憶された座席と設定モードとの対応関係に従って、各座席に対応する設定モードの制限内容が各操作部に設定される。デフォルトスイッチを押すと、制限内容が画面表示上でデフォルトの設定内容に切り替わる。ここでは、デフォルトスイッチを押すことで、全座席の設定モードが制限モードに切り替わる。戻るスイッチを押すと前画面に戻る。制限詳細スイッチを押すと、図21の(c)に示すような画面が表示されて、制限モードの使用制限状態を定める制限項目である距離制限項目及び料金制限項目の設定が変更可能となる。この画面で決定スイッチを押すと、現在画面表示された内容を反映する形で設定モード記憶部3dの*部分が変更される。この変更処理の終了後には、目的地設定機能の使用制限制御プログラム33eが実行され、目的地・経路設定許可テーブル3a(図23)に記憶された座席と設定モードとの対応関係に従って、各座席に対応する設定モードの制限内容が各操作部に設定される。デフォルトスイッチを押すと、各制限項目の内容が画面表示上でデフォルトの設定内容に切り替わる。ここでは、全パスワード入力を必要、確認要否を不要、確認権を無し、距離制限有り、料金制限無しとするように、表示内容が切り替わる。戻るスイッチを押すと前画面に戻る。
なお、図21の(b)に示す目的地設定制限画面は、選択項目をタッチするごとに設定モードが切り替わるようになっており、その切り替えによって設定モードを選択するものであってもよい。また、図22の制限モードにおいて、*印の欄の内容を適宜変更可能としてもよい。また、制限モードを複数設けて、それぞれ異なる使用制限状態とすることで、制限内容のバリエーションを増やすこともできるし、逆に、フルモードと禁止モードのみ、フルモードと制限モードのみ、禁止モードと制限モードのみのいずれかとして、設定をシンプルにしても良い。このような2種の設定モードの切替えによって操作部に使用制限状態を設定する場合、例えば、禁止モードと制限モードのみを切り換えて設定する場合には、定常的には全操作部に対して制限が設けられない禁止モードとされており、ある操作部に設定モードが設定された際には、制限モードがオンされて、使用制限状態が設定されるように構成されていてもよい。
本発明の第七実施例について説明する。第七実施例は、上記第六実施例における設定モードによる使用制限状態の設定を、上記第四実施例のようなユーザー毎に使用制限状態を定めるものに適用したものである。この場合、ユーザー特定情報(例えばユーザー名)と、ユーザー識別情報(例えばユーザーID及びユーザーパスワード)と、設定モードとを対応する形で画面上から選択又は入力させ、その画面表示の内容を反映する形で、目的地・経路設定許可テーブル3aに記憶させる。目的地設定機能を使用する際には、ユーザーが、図17に示す画面からユーザー識別情報を正しく入力すると、目的地・経路設定許可テーブル3aに記憶されたユーザー名と設定モードとの対応関係に基づいて、入力したユーザーに対応する設定モードが選択され、入力した操作部に対し、その設定モードの制限内容が設定される。なお、本実施例における目的地・経路設定許可テーブル3aは、図20における制限項目(設定変更・パスワード入力・確認要否・確認権・距離制限・料金制限)に代わって、設定モードが設けられる。つまり、ユーザー特定情報(ユーザー名)に対応付ける形で、ユーザー識別情報(ユーザーID・ユーザーパスワード)と設定モードとが記憶される。なお、ユーザー識別情報は、上記したユーザーの生体情報であってもよい。
また、上記第一実施例から第七実施例においては、全て、運転席から操作可能な操作部11(表示装置4)を管理操作部として定め、この管理操作部によってのみ、使用制限状態の制限内容を変更し、各操作部と使用制限状態との対応関係、あるいは使用するユーザーと使用状態との対応関係を定めることが可能とされていた。本発明においては、管理操作部は、必ずしも操作部11に限られず、他の操作部を管理操作部としても良い。
また、全ての操作部から、使用制限状態の制限内容の変更、使用制限状態と各操作部又はユーザーとの対応関係の設定を行なうことが可能であってもよい。この場合、こうした使用制限状態の設定・変更を行なうに際して、それを行なうことのできる管理者であるか否かを識別する識別処理を行なう必要がある。管理者の識別処理は、管理者を特定する管理者特定情報とその管理者を識別するための管理者識別情報とを対応付けて記憶する管理者情報記憶部3eを、内部記憶装置3の所定領域に設けておき、各操作部11,14,16に設けられた制限設定キー11eを押したときには、図13や図17に示すような識別情報入力画面を表示し、この画面から入力される管理者識別情報に基づいて、管理者を識別する。
なお、管理者識別処理は、上記実施例におけるユーザー識別処理と同様の手法を用いることができる。従って、管理者識別情報としては、管理者IDや管理者パスワードを用いたり、管理者の顔画像情報や声紋、アイリス、網膜等の管理者生体情報を用いることができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、本発明の車載用電気機器制御システムは、テレビ機能、ラジオ機能、音楽CDやカセット等の視聴機能を利用するための複数の操作部に対しても適用可能である。
また、本発明において、助手席入力判定センサ12は、操作部11への操作が運転者から行われた者であるか助手席から行われた者であるかを判定することができればよい。例えば、助手席入力判定センサ12は、例えば、図24に示すように、ハンドルの左右に設けられたハンドル操作検出部120bの双方が同時に操作されているか否かを検知するものとし、検知されたときに、助手席からの操作部11の操作を可能とするようにしてもよい。また、図25のように操作手撮影カメラによって、前席表示装置4の操作部11に伸びてくる手の向きを画像認識処理によって認識し、運転手による操作か助手席の乗員による操作かを判定するものであっても良い。
また、車両に配置される複数の表示装置は、上記実施例とは異なる配置であってもよく、例えば、図26に示すように、前席側と後席側に1つずつとし、後席側の表示装置を、車両の天井中央に後部座席に対面するように表示部が配置された者とすることもできる。また、各座席に1つずつの表示装置が設けられていてもよい。