JP4635678B2 - 杭とフーチングとの結合構造の施工方法 - Google Patents
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なお、図8中の符号2aは、杭2の内周面に形成されたずれ止め部であり、4aは結合部材4の外周面に形成されたずれ止め部であり、8は杭2とフーチング3との間で曲げモーメントに対する接続を切るための縁切り材であり、13は地盤1上に打設された捨てコンクリートであり、21Aは杭頭部2A内に中詰めコンクリート21を充填する際に設置される底板であり、41は結合部材4内に充填された中詰めコンクリートである。
しかしながら、上述した特許文献1では、結合部材4の所定位置への配設方法についての開示がなされていない。
そこで、本発明は、フーチングと杭頭部を結合する結合部材を所定位置に精度よく配設できる杭とフーチングとの接合構造の施工方法を提供することを課題としている。
<第一実施形態>
図1は、参考例を構成する第一実施形態に係る杭とフーチングとの結合構造の施工方法を示す断面図である。図2は、図1(b)のA−A断面図である。なお、従来と同様の構成については、同一符号を付して説明する。
第一実施形態に係る杭とフーチングとの結合構造の施工方法では、図1及び図2に示すように、位置決め手段として、複数(本実施形態では2本)の吊材5と、複数(本実施形態では四個)の支持部材6と、を用意する。
吊材5は、異形鉄筋からなり、予め、鋼管からなる結合部材4の内周側に貫通させた状態で、その内周面の互いに対向する位置に溶接により固着させておく。
第一実施形態における杭2とフーチング3との結合構造の施工方法は、まず、公知の方法を用いて、杭頭部2Aの外周面が略隠れるまで、杭2を地盤1に埋め込む。次に、フーチング3の形成予定領域よりも上方に仮梁7を配設する。
これにより、結合部材4が杭頭部2Aに対して上下方向に位置決めされる。なお、吊材5の下端部は、杭頭部2A内に配置される底板21Aに連結させる。図1(a)は、ここまでの状態を示す断面図である。
これにより、結合部材4の外周面と杭頭部2Aの内周面との間の距離が規制されるため、結合部材4が杭頭部2Aに対して水平方向に位置決めされる。
次に、結合部材4にその上端側からパイプPを入れ込み、まず、杭頭部2A内に中詰めコンクリート(充填材)21が埋め込まれるまで、型枠バイブレータ9により結合部材4を振動させながら、コンクリートを打設する。これにより、杭頭部2A内において、結合部材4の外周面と杭2の内周面との間にもコンクリートが回り込んで、杭頭部2A内に隙間なく中詰めコンクリート21を打設できる。図1(b)は、ここまでの状態を示す断面図である。
そして、フーチング3が形成された後に、仮梁7やフーチング3用の型枠等を除去することにより、杭2とフーチング3との結合構造の施工が完了する。ここで、結合部材4の位置決め手段として用いられた吊材5や支持部材6は、杭2とフーチング3との結合性能に影響を与えないため埋設したままとする。
なお、本実施形態では、杭頭部2Aの上面と地盤1の上面にフーチング3をなすコンクリートを打設したが、杭頭部2Aの上端面と支持部材6をなす鋼板61との間には縁切り材8が配置されているため、杭頭部2Aとフーチング3との間で曲げモーメントに対する接続を切ることができる。
本実施形態では、結合部材4を、吊材5により杭頭部2Aに対して上下方向に位置合わせするとともに、支持部材6により杭頭部2Aに対して水平方向に位置合わせした状態で、コンクリートを打設することにより、コンクリート打設時に結合部材4の位置がずれることなく、所定位置に精度よく結合部材4を配設できる。よって、フーチング3と杭頭部2Aとが結合部材4を介して結合される杭2とフーチング3との結合構造の支持力、靱性、及び剛性を向上できる。
また、第一実施形態では、吊材5の上端部を仮梁7に固定したが、例えば、結合部材4の重量が小さい場合には、吊材5の上端部をフーチング3用の鉄筋に固定してもよい。
さらに、第一実施形態では、位置合わせ手段をなす支持部材6として長方形状の鋼板61を用いたが、これに限らず、支持部材6の材質を鋼以外の金属や木材としてもよいし、支持部材6の形状を結合部材4の外周側に開口した杭2の上端面を覆うリング状としてもよい。
この場合、これらの鋼板61Aを杭頭部2Aの上端面に井桁状に載置した状態で配設し、各鋼板61Aの下面に形成された掛止部62Aを杭2の内周面に当接させるとともに、結合部材4の外周面と鋼板61Aの側面との間に、それぞれ縁切り材8を配置する。
さらに、第一実施形態では、位置合わせ手段として吊材5及び支持部材6を用いたが、これに限らず、位置合わせ手段として吊材5のみを用いてもよい。
さらに、第一実施形態では、吊材5の下端部を、杭頭部2A内に配置される底板21Aに連結させたが、連結させなくてもよい。
図4は、本発明例を構成する第二実施形態に係る杭とフーチングとの結合構造の施工方法を示す断面図である。図5は、図4(b)のB−B断面図である。なお、従来と同様の構成については、同一符号を付して説明する。
第二実施形態における杭2とフーチング3との結合構造の施工方法では、図4及び図5に示すように、位置決め手段として、複数(本実施形態では四個)の固定部材10を用意する。
つまり、本実施形態の施工方法で得られる杭2とフーチング3との結合構造は、図4(c)に示すように、フーチング3と杭頭部2Aとが、固定部材10で支持された結合部材4を介して結合される。
本実施形態では、結合部材4を、固定部材10により上下方向及び水平方向に位置合わせした状態で、コンクリートを打設することにより、コンクリート打設時に結合部材4の位置がずれることなく、所定位置に精度よく結合部材4を配設できる。よって、フーチング3と杭頭部2Aとが結合部材4を介して結合される杭2とフーチング3との結合構造の支持力、靱性、及び剛性を向上できる。
なお、第二実施形態では、位置合わせ手段をなす固定部材10として長方形状の鋼板11を用いたが、これに限らず、固定部材10の材質を鋼以外の金属や木材としてもよいし、固定部材10の形状を結合部材4の外周側に開口した杭2の上端面を覆うリング状としてもよい。
この場合、これらの鋼板11Aを、結合部材4の外周面に接するように井桁状に配設し、各鋼板11Aの下面に形成された掛止部12Aを杭2の内周面に当接させるとともに、結合部材4と鋼板11Aとの各接触面は、溶接によりそれぞれ固定させる。
また、第一及び第二実施形態では、フーチング3と杭頭部2Aを、一本の結合部材4を介して結合させた場合について説明したが、これに限らず、フーチング3と杭頭部2Aを二本以上の結合部材4を介して結合してもよい。
この場合、まず、位置合わせ手段により結合部材4の位置合わせを行った後、杭頭部2Aの外周側の地盤1上に、捨てコンクリートを打設する。次に、上述と同様に、型枠バイブレータ9とフーチング3用の型枠や鉄筋を配置した後、型枠バイブレータ9により結合部材4を振動させながら、杭頭部2A内に中詰めコンクリート21を埋め込む。次に、結合部材4内に中詰めコンクリート41を埋め込むとともに、杭頭部2Aの上面と捨てコンクリートの上面に、フーチング3をなすコンクリートを打設する。
この場合、例えば図7に示すように、まず、地盤1に、杭頭部2Aの外径よりも大きな直径を有する凹部1Aを形成し、この凹部1A内に、杭頭部2Aの外周面が略隠れるまで杭2を埋め込む。次に、上述と同様に、固定部材10により結合部材4の位置合わせを行う。次に、杭頭部2Aの上面と、フーチング3の下面との間、及び、杭頭部2Aの外周側における地盤1の上面と、フーチング3の下面との間に隙間を形成するための型枠51を配置する。次に、上述と同様に、型枠バイブレータ9とフーチング3用の型枠(図示せず)や鉄筋(図示せず)を配置し、型枠バイブレータ9により結合部材4を振動させながら、杭頭部2A内に中詰めコンクリート21を埋め込む。次に、結合部材4内に中詰めコンクリート41を埋め込むとともに、型枠51内にフーチング3をなすコンクリートを打設する。
さらに、第一及び第二実施形態では、杭頭部2A内に充填される充填材として、フーチングをなすコンクリートと同様にコンクリートを充填したが、これに限らず、他の充填材を充填してもよい。
1A 凹部
2 杭
3 フーチング
4 結合部材
5 吊材
6 支持部材
7 仮梁
8 縁切り材
9 型枠バイブレータ
10 固定部材
11,61,11A,61A 鋼板
12,12A,62,62A 掛止部
13 捨てコンクリート
21 中詰めコンクリート(充填材)
21A 底枠
41 中詰めコンクリート
51 型枠
Claims (2)
- フーチングと、そのフーチングの下方に設置され充填材が充填された杭頭部とを、軸を上下方向に向けた一又は二以上の結合部材を介して結合する杭とフーチングとの結合構造を施工する方法であって、
前記結合部材を、上端部が前記フーチング内に配置され、下端部が前記杭頭部内に配置された配置状態に位置決めするための位置決め手段を備え、
この位置決め手段を用いて、前記結合部材を前記配置状態に位置決めした状態で、前記充填材と前記フーチングをなすコンクリートとを打設し、
前記位置決め手段として、予め、前記結合部材の外周面に、この外周面から水平方向に延びて前記杭頭部の上端面に載置され、且つ、前記杭頭部の内周面に掛止される掛止部を備えた一又は二以上の固定部材を突設し、
前記固定部材を前記枕頭部の上端部に載置して前記結合部材を支持することで、前記結合部材を前記配置状態に位置決めすることを特徴とする杭とフーチングとの結合構造の施工方法。 - 前記充填材を充填する際には、前記結合部材を振動させながら行うことを特徴とする請求項1に記載の杭とフーチングとの結合構造の施工方法。
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