JP4635529B2 - 電源装置とそれを利用した電子機器 - Google Patents

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本発明は、特にLBPなどの電子写真装置などに使用する電源装置に関するものである。
従来、この種の電源装置の回路構成は、図5のような回路構成になっていた。
図5において、1は一次巻き線1aと他の一次巻き線1bの2つの一次巻き線と、1つの二次巻き線1cを有する昇圧トランスであり、二次巻き線1cには、ダイオード2aとコンデンサ2bで構成された整流回路2が接続されている。また、整流回路の出力の一端はアースされ、別の端には出力端子3が接続されている。
一次巻き線1aの一端には、直流電源4が接続され、一次巻き線1aの別の端には、NPNトランジスタ5のコレクタが接続されている。また、もう一つの一次巻き線1bの一端はアースされ、一次巻き線1bの別の端には、抵抗6とコンデンサ7を介して、NPNトランジスタ5のベースに接続されている。PNPトランジスタ5のエミッタは、アースされている。NPNトランジスタ5のベースには、PNPトランジスタ8のコレクタが接続され、PNPトランジスタ8のエミッタは、抵抗9を介して直流電源4に接続されている。
10は電圧検出回路であり、出力端子3に接続されている。12は演算器であり、演算器12の入力には電圧検出回路10の出力が接続されている。また、演算器12の出力は、D/Aコンバータ11に接続され、D/Aコンバータ11のアナログ出力は、PNPトランジスタ8のベースに接続されている。
上記構成において、動作説明する。
NPNトランジスタ5のコレクタが接続される一次巻き線1aの端とNPNトランジスタ5のベースが接続される一次巻き線1bの端の電圧位相は逆になるように接続されており、PNPトランジスタ8からNPNトランジスタ5のベースに電流が供給されると、NPNトランジスタ5のコレクタに電流が流れ、一次巻き線1aに電流が流れる。
一次巻き線1aに電流が流れると電流の増加に伴い、一次巻き線1bに電圧が誘起し、コンデンサ7を介して、NPNトランジスタ5へのベース電流を増加させる。NPNトランジスタ5のベース電流の増加限界は、PNPトランジスタ8からの供給電流量で決まり、その後は、NPNトランジスタ5のベース電流の減少に転じる。この現象が繰り返され発振現象となる。
この場合の一次巻き線1aの振幅電圧は、PNPトランジスタ8のコレクタ電流で決まり、出力端子3の電圧を決定させる。
電源外部に設けられた演算器12では、電圧検出回路10の出力に対して演算が行われ、結果をD/Aコンバータ11に送り、変換されたアナログ出力を電源装置内のPNPトランジスタ8のベースに供給する。PNPトランジスタ8は、ベース電圧に応じてコレクタ電流を制御し、出力を決める。
D/Aコンバータ11の出力とPNPトランジスタ8のコレクタ電流Icの関係は、
PNPトランジスタ8のコレクタ電流≒(直流電源4の電圧−PNPトランジスタ8のベース電圧)÷抵抗9
となり、電圧電流変換率は、抵抗9で決まる固定比率となる。関係を図6に示す。
尚、この特許の出願に関する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
特開2004−96891号公報
しかしながら、図5に示すような従来の構成では、PNPトランジスタ8のコレクタ電流と出力端子3の電圧の関係は、図7のように非直線になっており、D/Aコンバータ11からのアナログ電圧出力と出力端子3の電圧の関係も非直線になる。
よって、出力端子3の電圧が高い時に比べ出力端子3の電圧が低い時は、D/Aコンバータ11からのアナログ出力の1単位当りの変化に対する出力端子3の電圧が変化する割合は大きくなり、出力端子3の電圧が低い時の立ち上がり時のオーバーシュートや間欠発振の要因となっていた。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
本発明の請求項1に記載の発明は、トランスの一次巻き線に接続された第一のトランジスタのベースへの電流供給量によりトランスの発振振幅電圧を可変して出力電圧を制御する機能を有する電源装置において、制御するための直流電源の電圧を第一のトランジスタのベースへの供給電流に電圧電流変換する変換手段を非線形特性とし、この変換手段を直流電源に接続した電圧降下手段とそのエミッタに接続した第二のトランジスタとによって構成することで、第二のトランジスタのコレクタ電流と出力電圧との関係が有する非線形特性を、換手段が有する非線形特性により相殺することで、制御信号と出力電圧との関係を線形に近似させ、これにより制御するための直流電源の電圧に応じて電圧電流変換手段の変換率を適切な値に変えることができるようになり、広域の制御範囲を確保しつつ、オーバーシュートや間欠発振を抑制し、安定した出力を発生できる。
本発明の請求項に記載の発明は、非線形の電圧降下手段を少なくとも1つのダイオードを含む構成とすることで、ダイオードの順方向電圧をしきい値にして、電圧電流変換手段の変換率を変更することができ、広域の制御範囲を確保しつつ、オーバーシュートや間欠発振を抑制し、安定した出力を発生できる。
本発明の請求項に記載の発明は、非線形の電圧降下手段を少なくとも1つのツェナーダイオードを含む構成とすることで、ツェナーダイオードのツェナー電圧をしきい値として電圧電流変換手段の変換率を変更することができ、広域の制御範囲を確保しつつ、オーバーシュートや間欠発振を抑制し、安定した出力を発生できる。
本発明の請求項に記載の発明は、非線形の電圧降下手段を少なくとも1つの第三のトランジスタと前記第三のトランジスタのコレクタとベース間及びエミッタとベース間に抵抗を接続した構成を含む構成とすることで、抵抗値により細かなしきい値の設定ができ、任意のしきい値での電圧電流変換手段の変換率の変更が可能となり、広域の制御範囲を確保しつつ、オーバーシュートや間欠発振を抑制し、安定した出力を発生できる。
本発明の請求項に記載の発明は、電源装置の出力値を電源装置外部に抽出し、その抽出した値によって決まる制御電圧を請求項1〜の電源装置に供給することで、電源外部からの汎用的な信号でも、電源電圧の広域の可変を可能にし、かつオーバーシュートや間欠発振を抑制し、安定した出力を発生できる。
出力値に応じた電圧電流変換手段の変換率を設定でき、電圧を広域に可変する際の出力の安定度を高め、オーバーシュート、間欠発振などを抑制するとともに、電源出力の立ち上がり時間の短縮を容易にするものである。
又、D/Aコンバータなどで一定の電圧幅を単位として可変する場合においても、均一に出力電圧の解像度を得ることができる。
さらに、本発明の電圧電流変換手段は、図2のように複数の変換率を持ち、複数の屈曲カーブを有するので、出力電圧や特性の異なる多種の電源装置に対し、同一回路及び同一定数での構成が可能になり、標準化による電源開発時間の短縮や、IC化が容易になる。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の請求項1,2,3,5について説明する。図1は本発明の実施の形態1における電源装置の構成図である。なお、背景技術の構成と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しその説明を省略する。
背景技術との相違点は、電圧電流変換手段の変換率を決める抵抗9に直列接続されたトランジスタ21とトランジスタ21のコレクタとベース間に抵抗22と、ベースとエミッタ間に抵抗23を接続された回路を設けたことと、上記回路に並列接続されたダイオード13と抵抗14の直列回路を設けている点である。下記に動作を説明する。
電圧検出回路10からの信号を受けて、演算器12で演算された信号は、D/Aコンバータ11に送られアナログ電圧に変換されPNPトランジスタ8のベースに供給される。
PNPトランジスタ8は、ベースに与えられたアナログ電圧をコレクタ電流に変換することになるが、直流電源4の電圧とアナログ電圧の差がPNPトランジスタ8のベース・エミッタの順方向電圧を超えるまでは、エミッタ電流は流れず、直流電源4の電圧とアナログ電圧の差がPNPトランジスタ8のベース・エミッタの順方向電圧を超えると、抵抗9、抵抗22、抵抗23を介してエミッタ電流が流れ、変換率は抵抗9、抵抗22、抵抗23の直列抵抗の定数で決まる変換率となる。
さらに直流電源4の電圧とアナログ電圧の差が大きくなり、ダイオード13に順方向電圧以上の電圧が加わると抵抗14にも電流が流れ、抵抗9、抵抗14、抵抗22、抵抗23で決まる変換率となる。
直流電源4の電圧とアナログ電圧の差がさらに増加し、抵抗23の電圧降下がトランジスタ21のベース、エミッタ間の順方向電圧を超えると、トランジスタ21のコレクタ・エミッタ電圧は、抵抗22と抵抗23の抵抗値比で決まる電圧に固定され、抵抗9のみで決まる変換率となる。この時のD/Aコンバータ11からのアナログ電圧とPNPトランジスタ8のコレクタ電流の関係を図2に示す。
よって、PNPトランジスタ8のコレクタ電流と出力端子3の電圧との関係が図7のように、非線形特性であっても、D/Aコンバータ11のアナログ出力と出力の関係は、図3のように直線に近似する。このことは、出力端子3の電圧が低い場合であっても、電圧電流変換率に変化が少なく、安定した出力が得られることになる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の請求項について説明する。図4は本発明の実施の形態2における電源装置の構成図である。なお、実施の形態1の構成と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しその説明を省略する。
実施の形態1との相違点は、電流−電圧変換率を決める回路として、抵抗9と、ダイオード19と抵抗18が並列接続された回路及び、ツェナーダイオード16と抵抗17が並列接続された回路を直列に接続して構成している点である。下記に動作を説明する。
電圧検出回路10からの信号を受けて、演算器12で演算された信号は、D/Aコンバータ11に送られアナログ電圧に変換されPNPトランジスタ8のベースに供給される。
PNPトランジスタ8は、ベースに与えられたアナログ電圧に応じたコレクタ電流に変換することになるが、抵抗18の電圧降下がダイオード19の順方向電圧を、また、抵抗17の電圧降下がツェナーダイオード16のツェナー電圧を超えるまでは、抵抗9、抵抗17、抵抗18を介しての電流がエミッタに流れることになり、抵抗9、抵抗17、抵抗18の直列定数で決まる変換率となる。
抵抗18の電圧降下がダイオード19の順方向電圧以上の電圧となると、抵抗18の両端電圧がダイオード19の順方向電圧で固定され、抵抗18は、変換率に影響を与えなくなり、抵抗9、抵抗17の直列接続定数で決まる変換率となる。さらに、直流電源4の電圧とアナログ電圧の差が大きくなり、抵抗17の電圧降下がツェナーダイオード16のツェナー電圧を超えると抵抗17の両端電圧は、ツェナー電圧に固定され、抵抗9のみで決まる変換率となる。
D/Aコンバータ11からのアナログ電圧とPNPトランジスタ8のコレクタ電流の関係は、図2と同じになり、実施の形態1と同様に出力端子3の電圧が低い場合であっても、電圧電流変換率に変化が少なく、安定した出力が得られる特性となる。
以上のように、本発明にかかる電源装置は、電圧の広域可変を可能にするとともに、オーバーシュートや間欠発振を抑制したい電子機器に好適であり、特にLBP等の電子写真装置などに最適である。
本発明の実施の形態1における電源装置の構成を示す回路図 本発明の実施の形態1における、D/Aコンバータ11からのアナログ電圧出力とPNPトランジスタ8のコレクタ電流の関係を示す特性図 本発明の実施の形態1における、D/Aコンバータ11からのアナログ電圧出力と電源装置の出力の関係を示す特性図 本発明の実施の形態2における電源装置の構成を示す回路図 従来の電源装置の構成を示す回路図 従来の実施例における、D/Aコンバータ11からのアナログ電圧出力とPNPトランジスタ8のコレクタ電流の関係を示す特性図 従来の実施例における、PNPトランジスタ8のコレクタ電流と電源装置の出力の関係を示す特性図
符号の説明
1 トランス
1a トランス1の一次巻き線
1b トランス1の一次巻き線
2 整流回路
2a ダイオード
2b コンデンサ
3 出力端子
4 直流電源
5 トランジスタ
6 抵抗
7 コンデンサ
8 PNPトランジスタ
9 抵抗
10 電圧検出回路
11 D/Aコンバータ
12 演算器
13 ダイオード
14 抵抗
16 ツェナーダイオード
17 抵抗
18 抵抗
19 ダイオード
21 トランジスタ

Claims (5)

  1. 複数の一次巻き線および二次巻き線を有するトランスと、前記二次側巻き線に整流回路を介して接続した出力端子と、前記トランスの第1の一次側巻き線にコレクタが接続され、第2の一次巻き線にベースが接続された第1のトランジスタと、直流電源と、この直流電源に接続した、電圧降下手段とこの電圧降下手段にそのエミッタを接続した第2のトランジスタとからなる電圧電流変換手段と、前記第2のトランジスタのベースと前記出力端子とを接続する帰還回路部とを備え、前記第1のトランジスタのベースに前記第2のトランジスタのコレクタを接続することで、第1のトランジスタのベースへの電流供給量により、前記トランスの発振振幅電圧を可変して出力を可変するとともに、入力電流に対する出力電圧の関係において前記トランスが有する第1の非線形特性を、第1の非線形特性とは相反方向の上記電圧電流変換手段が有する第2の非線形特性により補正することで、前記帰還回路部から前記第2のトランジスタに発する制御信号と前記出力端子における出力電圧との関係を線形に近似させることを特徴とする電源装置。
  2. 非線形の電圧降下手段は、少なくとも1つのダイオードを含む構成であることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 非線形の電圧降下手段は、少なくとも1つのツェナーダイオードを含む構成であることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  4. 非線形の電圧降下手段は、少なくとも1つの第三のトランジスタと前記第三のトランジスタのコレクタとベース間及びエミッタとベース間に抵抗を接続した構成を含む構成であることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  5. 電源として請求項1〜4のいずれかに記載の電源装置を使用することを特徴とする電子機器。
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