JP4635031B2 - アダマンタン誘導体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬、農薬、高分子化合物等の原料として有用なアダマンタン誘導体の効率的な製造方法に関する。
下記式(3)
Figure 0004635031
(式(3)中、R1は水素またはメチル基を示し、R2は置換基を有していてもよいアダマンチル基を示し、nは0〜4の整数を示す)で表されるアダマンタン誘導体としては、下記式(6)
Figure 0004635031
で示される化合物などがケミカルアブストラクトに登録されているが、これらの製造方法について報告例はない。
本発明の課題はこれまで、報告されたことのないアダマンタン誘導体の効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者はアダマンタン誘導体の効率的な製造方法を鋭意検討した結果、本発明に至った。
即ち、本発明の参照の態様は、下記式(1)
Figure 0004635031
(式(1)中、R1は水素またはメチル基を示す。)で表される不飽和カルボン酸ビニルエステルと、下記式(2)
Figure 0004635031
(式(2)中、R2は置換基を有していてもよいアダマンチル基またはアダマンタノニル基を示し、nは0〜4の整数を示す。)で表されるアルコールとを反応させる下記式(3)
Figure 0004635031
(式(3)中、R1、R2およびnは、前記と同義である。)で表されるアダマンタン誘導体の製造方法に関する。
本発明の態様は、下記式(4)
Figure 0004635031
(式(4)中、R1は水素またはメチル基を示す。)で表される不飽和カルボン酸と、下記式(5)
Figure 0004635031
(式(5)中、R2は置換基を有していてもよいアダマンチル基またはアダマンタノニル基を示し、nは1〜4を示す。)で表されるビニルエーテルとを反応させることを特徴とする下記式(3)
Figure 0004635031
(式(3)中、R1、R2およびnは前記と同義である。)で表されるアダマンタン誘導体の製造方法に関する。
本発明の製造方法を用いて、式(3)で表されるアダマンタン誘導体を効率的に高収率で製造することができる。
<参照の態様>
本発明の参照態様は、前述のように式(1)で表される不飽和カルボン酸ビニルエステルと、式(2)で表されるアルコールとを反応させ、式(1)のビニル基部分に式(2)のアルコール部分を付加させる方法により、式(3)で表されるアダマンタン誘導体を得る製造方法である。
式(1)で表される化合物としては、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニルが挙げられる。
式(2)中、nは好ましくは0〜2の整数である。
式(2)中、R2で示されるアダマンチル基は、1−アダマンチル基または2−アダンマルチル基のどちらでもよく、また1または複数の置換基を有してもよい。また、R2で示されるアダマンタノニル基は、1−アダマンタノニル基、4−アダマンタノニル基、5−アダマンタノニル基、6−アダマンタノニル基のどれでもよく、また1または複数の置換基を有してもよい。
置換基としては、反応を妨げないものであれば特に制限はないが、例えば炭素数1〜4のアルキル基(メチル基およびエチル基が好ましい。)、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基(ヒドロキシメチル基およびヒドロキシエチル基が好ましい。)、アミノ基、炭素数1〜4のアミノアルキル基(アミノメチル基およびアミノエチル基が好ましい。)、カルボキシル基(−COOH)、炭素数1〜4のカルボキシアルキル基〔カルボキシメチル基(−CH2COOH)およびカルボキシエチル基(−CH2CH2COOH)が好ましい。〕、アシル基(ホルミル基、アセチル基、およびプロピオニル基が好ましい。)が好ましい。
具体的に式(2)で表される化合物としては、1−アダマンタノール、1−アダマンタンメタノール、1−アダマンタンエタノール、3−メチル−1−アダマンタノール、3−メチル−1−アダマンタンメタノール、3−メチル−1−アダマンタンエタノール、3−エチル−1−アダマンタノール、3−エチル−1−アダマンタンメタノール、3−エチル−1−アダマンタンエタノール、およびこれらの化合物の1、2、4、5、6、7、8、9、10の少なくとも一つの位置の水素が、さらに前記の置換基で置換された化合物;並びに2−アダマンタノール、2−アダマンタンメタノール、2−アダマンタンエタノール、2−メチル−2−アダマンタノール、2−メチル−2−アダマンタンメタノール、2−メチル−2−アダマンタンエタノール、2−エチル−2−アダマンタノール、2−エチル−2−アダマンタンメタノール、2−エチル−2−アダマンタンエタノール、およびこれらの化合物の1、3、4、5、6、7、8、9、10の少なくとも一つの位置の水素が、さらに前記の置換基で置換された化合物;1−ヒドロキシアダマンタノン、1−(ヒドロキシメチル)アダマンタノン、1−(ヒドロキシエチル)アダマンタノン、およびこれらの化合物の1、3、4、5、6、7、8、9、10の少なくとも一つの位置の水素が、さらに前記の置換基で置換された化合物等を挙げることができる。
参照の態様の反応は、酸触媒を使用することにより、反応速度、目的物選択性を向上させることができる。使用される酸触媒としては、種々の反応で酸触媒として知られているものの中から適宜選択することができる。
例えば酸触媒としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、フェノールスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸およびアリールジスルホン酸等の有機酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、スルホン酸系イオン交換樹脂などのスルホン酸類;12−タングストリン酸、12−タングストケイ酸、12−モリブドリン酸、12−モリブドケイ酸などのヘテロポリ酸;塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、ポリリン酸などの鉱酸;合成ゼオライト系触媒、モンモリロナイト、ベントナイト、カオリン、バーミキュライトなどに代表される粘土層間化合物;およびアルミナ、シリカアルミナ、シリカに代表される酸化物等の固体酸等が挙げられる。また、上記の酸のうち塩を形成しうるものは、そのアンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩および遷移金属塩なども使用することが可能である。
反応性および選択性を考慮すると、さらに酸触媒の好ましいものとしてルイス酸を挙げることができる。ルイス酸とは、水素イオンを放出しないで電子を受け入れることのできる酸を示し、これに該当する物質であれば本質的にいずれの使用も可能である。
具体的には、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、五塩化アンチモン、塩化イットリウム、塩化インジウム、塩化イリジウム、塩化イットリビウム、塩化ガリウム、塩化カルシウム、塩化カドミウム、塩化第二クロム、塩化第一コバルト、塩化第二コバルト、塩化銀、塩化金、塩化白金、塩化第一錫、塩化第二錫、四塩化ジルコニウム、塩化第二水銀、塩化第三スカンジウム、四塩化チタン、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化マグネシウム、塩化第二マンガン、塩化ルテニウム、塩化鉛、臭化亜鉛、臭化アルミニウム、臭化第二銅、臭化第一銅、臭化ガリウム、塩化第二ニッケル、ヨウ化亜鉛、塩素化フッ素化アルミニウム、塩素化フッ素化ジルコニウム、塩素化フッ素化チタン等の金属ハロゲン化物;三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素酢酸錯体、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ホウフッ化銅などのホウ素系化合物;トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム、トリフルオロメタンスルホン酸ランタン、トリフルオロメタンスルホン酸セレン、トリフルオロメタンスルホン酸プラセオジウム、トリフルオロメタンスルホン酸ネオジム、トリフルオロメタンスルホン酸サマリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ユウロピウム、トリフルオロメタンスルホン酸ガドリニウム、トリフルオロメタンスルホン酸テルビウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジスプロシウム、トリフルオロメタンスルホン酸ホルミウム、トリフルオロメタンスルホン酸エルビウム、トリフルオロメタンスルホン酸ツリウム、トリフルオロメタンスルホン酸イットリビウム、トリフルオロメタンスルホン酸ルテチウムなどのトリフロメタンスルホン酸またはトリフルオロエタンスルホン酸の塩;トリフルオロ酢酸セシウム、トリフルオロ酢酸タリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウムなどのトリフルオロ酢酸の塩、トリフルオロ酢酸エチル、トリフルオロ酢酸イソプロピルなどのトリフルオロ酢酸のエステル;過塩素酸スカンジウム、過塩素酸マンガン、過塩素酸鉄、過塩素酸コバルト過塩素酸ニッケル、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸銅、過塩素酸亜鉛、過塩素酸イットリウム過塩素酸銀、過塩素酸カドミウム、過塩素酸インジウム、過塩素酸イットリビウムなどの過塩素酸の塩;コバルトアセチルアセトナート、パラジウムアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、ニッケルアセチルアセトナート等の金属のアセチルアセトナート錯体;酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛等の金属酸化物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸亜鉛、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、アミン塩酸塩等の塩;トリエチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−ブロモフェニルオキシ)メチルアルミニウム、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニルオキシ)メチルアルミニウム、パークロロ−5,10,15,20−テトラフェニルポルフィナト鉄、パークロロフタロシアニン鉄、パークロロ−2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィナト鉄、パークロロ鉄サレン、トリフルオロメタンスルホニル−5,10,15,20−テトラフェニルポルフィナト鉄、トリフルオロメタンスルホニル−2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチルポルフィナト鉄、トリフルオロメタンスルホニル鉄サレンおよびジブチルスズジラウラート等が挙げられる。
上記のルイス酸の中で、アンモニアまたはアミンと塩を作るものはその塩を使用しても良い。
式(1)で表される不飽和カルボン酸ビニルエステルの使用量は、式(2)で表される化合物1モルに対して、例えば0.1〜100モルである。反応速度の点から0.5モル以上が好ましく、1モル以上が特に好ましい。また、副反応防止の点から20モル以下が好ましく、10モル以下が特に好ましい。
酸触媒の使用量は、式(2)で表されるアルコール1モルに対して,例えば0.001モル〜1モルである。反応速度の点から0.005モル以上が好ましく、0.01モル以上が特に好ましい。また、副反応防止の点から0.5モル以下が好ましく、0.1モル以下が特に好ましい。
参照の態様の反応は、溶媒がなくても進行するが、必要により有機溶媒を使用しても良い。有機溶媒としては、グリセリンアセトアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、クレゾール、フェノール、キシレノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、スルホラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。中でも、反応を円滑に進行させるので、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン等が好ましい。
溶媒を使用する場合、その量は通常、質量で式(2)で表されるアルコールに対して0.1〜100倍とするのが好ましい、反応を円滑に進め、副生成物を抑制する点から溶媒の量は0.5倍以上、特に1倍以上が好ましく、反応速度や廃溶媒量の点から溶媒の量は50倍以下、特に10倍以下が好ましい。有機溶媒中に水が含まれていても良いが、触媒の活性低下防止、副反応抑制の点から出来うる限り少なくすることが望ましい。
反応温度は、通常、十分短時間で反応が完結するので0℃以上が好ましく、より好ましくは10℃以上、特に20℃以上が好ましく、十分に副生成物の生成が抑制され、高収率が得られるので80℃以下が好ましく、より好ましくは70℃以下、特に60℃以下が好ましい。
反応時間は適宜決めればよいが、通常、2〜48時間程度が好ましい。
以上の反応により、反応液中に目的生成物であるアダマンタン誘導体が生成する。得られたアダマンタン誘導体は、有機溶媒/水系により抽出でき、水や有機溶媒による洗浄、溶媒分別法、カラムクロマトグラフィー、蒸留等の公知の方法により精製できる。
<本発明の態様>
本発明の態様は、前述のように式(4)で表される不飽和カルボン酸と下記式(5)で表されるビニルエーテルとを反応させ、式(5)のビニル基部分に式(4)のカルボン酸部分を付加させる方法により、式(3)で表されるアダマンタン誘導体を得る製造方法である。
式(4)で表される化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。
式(5)中、nは1〜4の整数である。
式(5)中、R2で示されるアダマンチル基は、1−アダマンチル基または2−アダンマルチル基のどちらでもよく、また1または複数の置換基を有してもよい。また、R2で示されるアダマンタノニル基は、1−アダマンタノニル基、4−アダマンタノニル基、5−アダマンタノニル基、6−アダマンタノニル基のどれでもよく、また1または複数の置換基を有してもよい。
置換基としては、反応を妨げないものであれば特に制限はないが、例えば炭素数1〜4のアルキル基(メチル基およびエチル基が好ましい。)、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基(ヒドロキシメチル基およびヒドロキシエチル基が好ましい。)、アミノ基、炭素数1〜4のアミノアルキル基(アミノメチル基およびアミノエチル基が好ましい。)、カルボキシル基(−COOH)、炭素数1〜4のカルボキシアルキル基〔カルボキシメチル基(−CH2COOH)およびカルボキシエチル基(−CH2CH2COOH)が好ましい。〕、アシル基(ホルミル基、アセチル基、およびプロピオニル基が好ましい。)が好ましい。
具体的に式(5)で表されるビニルエーテルとしては、1−アダマンタンメチルビニルエーテル、1−アダマンタンエチルビニルエーテル、3−メチル−1−アダマンタンメチルビニルエーテル、3−メチル−1−アダマンタンエチルビニルエーテル、3−エチル−1−アダマンタンメチルビニルエーテル、3−エチル−1−アダマンタンエチルビニルエーテル、およびこれらの化合物の1、2、4、5、6、7、8、9、10の少なくとも一つの位置の水素が、さらに前記の置換基で置換された化合物;2−アダマンタンメチルビニルエーテル、2−アダマンタンエチルビニルエーテル、2−メチル−2−アダマンタンメチルビニルエーテル、2−メチル−2−アダマンタンエチルビニルエーテル、2−エチル−2−アダマンタンメチルビニルエーテル、2−エチル−2−アダマンタンエチルビニルエーテル、およびこれらの化合物の1、3、4、5、6、7、8、9、10の少なくとも一つの位置の水素が、さらに前記の置換基で置換された化合物;1−アダマンタノンメチルビニルエーテル、1−アダマンタノンエチルビニルエーテル、およびこれらの化合物の1、3、4、5、6、7、8、9、10の少なくとも一つの位置の水素が、さらに前記の置換基で置換された化合物等を挙げることができる。
本発明の態様の反応は無触媒でも充分反応が進行するが、酸触媒を使用することにより、反応速度、目的物選択性が向上する場合がある。使用される酸触媒としては、種々の反応で酸触媒として知られているものの中から適宜選択することができる。
例えば酸触媒としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、フェノールスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸およびアリールジスルホン酸等の有機酸;塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、ポリリン酸などの鉱酸;合成ゼオライト系触媒、モンモリロナイト、ベントナイト、カオリン、バーミキュライトなどに代表される粘土層間化合物;およびアルミナ、シリカアルミナ、シリカに代表される酸化物等の固体酸等が挙げられる。また、上記の酸のうち塩を形成しうるものは、そのアンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、遷移金属塩なども使用することが可能である。
これらの酸触媒のなかで、弱い酸性を持つものが好ましく、具体的には、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸およびフェノールスルホン酸等のスルホン酸類のアンモニウム塩;12−タングストリン酸、12−タングストケイ酸、12−モリブドリン酸および12−モリブドケイ酸等のヘテロポリ酸のアンモニウム塩;コバルトアセチルアセトナート、パラジウムアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナート、ニッケルアセチルアセトナート等の金属アセチルアセトナート錯体;酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛等の金属酸化物;塩化ビスマス、酢酸ビスマス等が挙げられる。
酸性の強い触媒では、生成物の分解、原料ビニルエーテルの重合、副反応の進行などにより収率が低下する場合がある。
式(4)で表される不飽和カルボン酸の使用量は、式(5)で表されるビニルエーテル1モルに対して、例えば0.1モル〜100モルである。反応速度の点から0.5モル以上が好ましく、1モル以上が特に好ましい。また、副反応防止の点から20モル以下が好ましく、10モル以下が特に好ましい。
酸触媒の使用量は、式(5)で表されるビニルエーテル1モルに対して、例えば0.001モル〜1モルである。反応速度の点から0.005モル以上が好ましく、0.01モル以上が特に好ましい。また、副反応防止の点から0.5モル以下が好ましく、0.1モル以下が特に好ましい。
この態様の反応は、溶媒がなくても進行するが、必要により有機溶媒を使用しても良い。有機溶媒としては、参照の態様の説明で述べた溶媒を挙げることができ、また好ましい溶媒も同じである。
溶媒を使用する場合、その量は通常、質量で式(5)で表されるビニルエーテルに対して0.1〜100倍とするのが好ましい、反応を円滑に進め、副生成物を抑制する点から溶媒の量は0.5倍以上、特に1倍以上が好ましく、反応速度や廃溶媒量の点から溶媒の量は50倍以下、特に10倍以下が好ましい。有機溶媒中に水が含まれていても良いが、触媒の活性低下防止、副反応抑制の点から出来うる限り少なくすることが望ましい。
反応温度は、通常、十分短時間で反応が完結するので0℃以上が好ましく、より好ましくは10℃以上、特に20℃以上が好ましく、十分に副生成物の生成が抑制され、高収率が得られるので80℃以下が好ましく、より好ましくは70℃以下、特に60℃以下が好ましい。
反応時間は適宜決めればよいが、通常、2〜48時間程度が好ましい。
以上の反応により、反応液中に目的生成物であるアダマンタン誘導体が生成する。得られたアダマンタン誘導体は、前述の公知の方法により精製できる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
各実施例において、生成物の分析は、FIDガスクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィまたはNMRによって行った。
<参照の態様>
[参照例1]
密閉型耐圧容器に、1−アダマンタノール15.2g(0.1モル)、アクリル酸ビニル49.0g(0.5モル)、トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス四水和物7.3g(0.01モル)を入れた。そして、密閉型耐圧容器のふたを閉め、浴温を40℃にし、8時間撹拌しながら反応させた。
反応終了後、反応液を分析した結果、下記式(7)で表されるアダマンタン誘導体が13.3g(1−アダマンタノールベース収率 53%)含まれていた。
Figure 0004635031
[参照例2]
2−アダマンタノール15.2g(0.1モル)、メタクリル酸ビニル56.0g(0.5モル)、塩化スズ(IV)2.6g(0.01モル)を用いて、参照例1と同様な反応装置で(以下の実施例でも同様)40℃、8時間反応させたところ、反応終了後の反応液に、下記式(8)で表されるアダマンタン誘導体が16.1g(2−アダマンタノールベース収率 61%)含まれていた。
Figure 0004635031
[参照例3]
1−アダマンタンメタノール16.6g(0.1モル)、メタクリル酸ビニル56.0g(0.5モル)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体1.4g(0.01モル)を用いて、30℃、8時間反応させたところ、反応終了後の反応液に、下記式(9)で表されるアダマンタン誘導体が19.2g(1−アダマンタンメタノールベース収率 69%)含まれていた。
Figure 0004635031
[参照例4]
2−メチル−2−アダマンタノール16.6g(0.1モル)、メタクリル酸ビニル56.0g(0.5モル)、塩化亜鉛1.4g(0.01モル)を用いて、40℃、10時間反応させたところ、反応終了後の反応液に、下記式(10)で表されるアダマンタン誘導体が16.1g(2−メチル−2−アダマンタノールベース収率 58%)含まれていた。
Figure 0004635031
[参照例5]
1,3−ジヒドロキシアダマンタン16.8g(0.1モル)、アクリル酸ビニル49.0g(0.5モル)、p−トルエンスルホン酸一水和物1.9g(0.01モル)を用いて、40℃、8時間反応させたところ、反応終了後の反応液に、下記式(11)で表されるアダマンタン誘導体が12.1g(1,3−ジヒドロキシアダマンタンベース収率 45%)含まれていた。
Figure 0004635031
<本発明の態様>
[参照例6]
1−アダマンチルビニルエーテル17.8g(0.1モル)、メタクリル酸43.0g(0.5モル)を用いて、30℃、12時間反応させたところ、反応終了後の反応液に、下記式(12)で表されるアダマンタン誘導体が14.4g(1−アダマンチルビニルエーテルベース収率 55%)含まれていた。
Figure 0004635031
[参照例7]
2−アダマンチルビニルエーテル17.8g(0.1モル)、アクリル酸36.0g(0.5モル)を用いて、30℃、12時間反応させたところ、反応終了後の反応液に、下記式(13)で表されるアダマンタン誘導体が19.5g(2−アダマンチルビニルエーテルベース収率 74%)含まれていた。
Figure 0004635031
(実施例8)
1−アダマンタンメチルビニルエーテル19.2g(0.1モル)、メタクリル酸43.0g(0.5モル)を用いて、30℃、12時間反応させたところ、反応終了後の反応液に、下記式(9)で表されるアダマンタン誘導体が25.3g(1−アダマンタンメチルビニルエーテルベース収率 91%)含まれていた。
Figure 0004635031
[参照例9]
3−メチル−1−アダマンチルビニルエーテル19.2g(0.1モル)、メタクリル酸43.0g(0.5モル)、p−トルエンスルホン酸アンモニウム塩2.5g(0.01モル)を用いて、40℃、8時間反応させたところ、反応終了後の反応液に、下記式(14)で表されるアダマンタン誘導体が18.9g(3−メチル−1−アダマンチルビニルエーテルベース収率 68%)含まれていた。
Figure 0004635031
[参照例10]
1−アミノ−2−アダマンチルビニルエーテル19.3g(0.1モル)、メタクリル酸43.0g(0.5モル)、塩化ビスマス3.2g(0.01モル)を用いて、40℃、10時間反応させたところ、反応終了後の反応液に、下記式(15)で表されるアダマンタン誘導体が20.4g(1−アミノ−2−アダマンチルビニルエーテルベース収率 73%)含まれていた。
Figure 0004635031

Claims (2)

  1. 下記式(4)
    Figure 0004635031
    (式(4)中、R1は水素またはメチル基を示す。)で表される不飽和カルボン酸と、下記式(5)
    Figure 0004635031
    (式(5)中、R2は置換基を有していてもよいアダマンチル基またはアダマンタノニル基を示し、nは1〜4の整数を示す。)で表されるビニルエーテルとを反応させることを特徴とする下記式(3)
    Figure 0004635031
    (式(3)中、R1、R2およびnは前記と同義である。)で表されるアダマンタン誘導体の製造方法。
  2. 酸触媒の存在下に反応を行うことを特徴とする請求項1記載のアダマンタン誘導体の製造方法。
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