JP4633715B2 - 情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、例えばDVDレコーダやDVDプレーヤ等の情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、並びにコンピュータをこのような情報記録装置等として機能させるコンピュータプログラムの技術分野に関する。
現在、地上波デジタル放送やBSデジタル放送等が開始され、家庭においても高画質なデジタル放送を視聴できるような環境が整いつつある。このようなデジタル放送では、いわゆる標準放送(以下、SD(Standard Definition)と称する)或いはSDTVの品質を有するコンテンツ情報から更に進んで、ハイビジョン放送(以下、HD(High Definition)と称する)或いはHDTVの品質を有するコンテンツ情報を視聴することができる。
他方、このようなデジタル放送により放送されるコンテンツ情報は、デジタルデータであるがゆえに、複製によっても画質の劣化がなく、容易にコピーを作成することができる。このため、デジタルデータ(或いは、デジタル放送に係るコンテンツ情報)のコピーが、著作権の保護という点において問題となっている。このような著作権の保護を実現すべく、様々な著作権保護技術が開発されている(特許文献1から3参照)。特に、DVD等の記録媒体において採用されているCPPM(Content Protection for Prerecorded Media)やCPRM(Content Protection for Recording Media)といった著作権保護技術は、不正なコピーを防ぐための技術であり、例えばコンテンツ情報にコピーワンスの制約をかけることによって、コンテンツ情報の著作権を適切に保護している。
特開2000−324443号公報 特開2000−298926号公報 特開平9−171658号公報
日本では、2004年4月より、現在放送されている地上波デジタル放送やBSデジタル放送には、著作権保護の観点から放送される全ての番組(コンテンツ情報)がコピーワンスの制約を受けることになる。
このコピーワンスの制約により、例えばハードディスクに録画されたコンテンツ情報をDVD等の他の記録媒体に移す場合には、ハードディスクに録画された元のコンテンツ情報を消去する、いわゆるMOVE動作のみが可能となる。例えば、自宅でHDのコンテンツ情報をハードディスクに録画した後に、このコンテンツ情報をDVD等に記録して外出先等で視聴したいユーザもいる。この場合、ハードディスクに録画されたHDのコンテンツ情報がSDのコンテンツ情報としてDVD等に記録され、且つハードディスクに録画されたHDのコンテンツ情報が消去されるというMOVE動作が行なわれる。このMOVE動作により、コンテンツ情報の著作権を適切に保護しつつも、コピーワンスの制約を受けるコンテンツ情報を他の記録媒体へ記録することが可能となる。
このとき、ユーザが再度HDのコンテンツ情報を視聴したいと欲しても、既にSDのコンテンツ情報しか手元には残っておらず、HDのコンテンツ情報を視聴することができないという問題点を有している。このような問題は、デジタル放送の普及を妨げるのみならず、ハードディスクレコーダ等の情報機器の魅力をも半減させることにも繋がりかねず、好ましいものではない。
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば著作権を好適に保護しつつも例えばHD及びSDの夫々のコンテンツ情報を好適に視聴することを可能とならしめる情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、並びにコンピュータをこのような情報記録装置等として機能させるコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
(情報記録装置)
本発明の情報記録装置は上記課題を解決するために、第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報をダウンコンバートして、前記第1再生品質より低精細度な第2再生品質の第2コンテンツ情報を生成するダウンコンバート手段と、第2記録媒体に前記第2コンテンツ情報を記録する第1記録手段と、前記第2記録媒体に前記第2コンテンツ情報が記録される場合、前記第1記録媒体に記録された前記第1コンテンツ情報を消去する第1消去手段と、前記第2コンテンツ情報をアップコンバートして生成される前記第1再生品質に係る画素サイズを有している前記第2再生品質の第3コンテンツ情報と前記第1コンテンツ情報との差分を示す差分情報を生成する差分手段とを備える。
本発明の情報記録装置によれば、ダウンコンバート手段の動作により、第1記録媒体に記録されている第1再生品質(HD)に係る第1コンテンツ情報がダウンコンバートされ、第2再生品質(SD)に係る第2コンテンツ情報が生成される。このとき、第2再生品質は第1再生品質と比較してより低精細度であるため、第2コンテンツ情報のデータサイズは第1コンテンツ情報のデータサイズと比較してより小さくなっている。そして、この生成された第2コンテンツ情報は、第1記録手段の動作により第2記録媒体に記録される。
一方、第2コンテンツ情報が第2記録媒体に記録された後には、第1消去手段の動作により、第1記録媒体に記録されている第1コンテンツ情報が消去される。これにより、コンテンツ情報の著作権を保護することができる。
本発明では特に、差分手段の動作により、第1コンテンツ情報と第3コンテンツ情報との差分を示す差分情報が生成される。第3コンテンツ情報は、第1コンテンツ情報と比較して、その画素サイズ(或いは、画素数)は同じであるが、画質(即ち、再生品質)が異なる。そして、この第3コンテンツ情報は、第2コンテンツ情報をアップコンバートすることで、比較的容易に生成することができる。また、差分情報は、第1コンテンツ情報と第3コンテンツ情報の差分を示している。このため、この差分情報に基づいて第3コンテンツ情報を補完することで、第1コンテンツ情報又は該第1コンテンツ情報に相当するコンテンツ情報を生成することができる。ここでの「第1コンテンツ情報に相当するコンテンツ情報」とは、ユーザをして画質(再生品質)が第1再生品質と同等程度(或いは、第2再生品質よりも高精細度である)と認識させることができるコンテンツ情報を示す趣旨である。加えて、差分情報は、それ自体はコンテンツ情報を示す情報ではなく、第3コンテンツ情報と共にデータ処理等をすることで、初めて各種映像や音声等を示す情報(具体的には、第1コンテンツ情報等)となる。
従って、コンテンツの著作権が好適に保護されつつも、ユーザは、一度第2再生品質にダウンコンバートされて他の記録媒体に記録されたコンテンツ情報を、差分情報に基づいて、再度第1再生品質に係るコンテンツ情報として視聴することが可能となる。即ち、例えば、相対的に高精細度なデジタル放送の番組を第1記録媒体に録画した後に、当該番組を相対的に低精細度な番組にダウンコンバートして第2記録媒体に記録しても、再び相対的に高精細度な番組として視聴することができる。もちろん、低精細度な番組としても視聴することもできる。
以上の結果、本発明に係る情報記録装置によれば、コンテンツの著作権を保護しつつも、ユーザは所望の再生品質(例えば、後述のHD画質に相当する第1再生品質或いは後述のSD画質に相当する第2再生品質)に係るコンテンツ情報を好適に視聴することができる。
本発明の情報記録装置の一の態様は、前記第1記録媒体に前記差分情報を記録する第2記録手段を更に備える。
この態様によれば、第1記録媒体に記録された差分情報を用いて、後述する各種動作(特に、第3コンテンツ情報の再生品質の変換動作)を適切に行うことができる。
本発明の情報記録装置の他の態様は、前記第2コンテンツ情報をアップコンバートして、前記第3コンテンツ情報を生成するアップコンバート手段と、前記差分情報に基づいて、前記生成される第3コンテンツ情報の再生品質を前記第2再生品質から前記第1再生品質に変換する変換手段とを更に備える。
この態様によれば、差分情報と第2記録媒体に記録される第2コンテンツ情報をアップコンバートして生成される第3コンテンツ情報とを用いて、第3コンテンツ情報の再生品質を第1再生品質へと変換することができる。即ち、より高精細度な再生品質を有する第1コンテンツ情報(或いは、該第1コンテンツ情報に相当するコンテンツ情報)を生成することが可能となる。従って、一度第1コンテンツ情報を第2コンテンツ情報に変換して他の記録媒体に記録しても、ユーザは該第2コンテンツ情報を高精細度な第1コンテンツ情報として再度視聴することが可能となる。
上述の如くアップコンバート手段及び生成手段を備える情報記録装置の態様では、前記第1再生品質に変換された第3コンテンツ情報を前記第1記録媒体に記録する第3記録手段と、前記変換された第3コンテンツ情報が前記第1記録媒体に記録される場合、前記第2記録媒体に記録された前記第2コンテンツ情報を消去する第2消去手段とを更に備えるように構成してもよい。
このように構成すれば、第1再生品質に変換された第3コンテンツ情報を再度第1記録媒体に記録すると共に、第2消去手段の動作により第2記録媒体に記録された第2コンテンツ情報が消去される従って、一度第1コンテンツ情報を第2コンテンツ情報に変換して他の記録媒体に記録しても、当該コンテンツの著作権を適切に保護しつつも、当該第1コンテンツ情報等を再度元の記録媒体に記録し直すことが可能となる。
(情報記録方法)
本発明の情報記録方法は上記課題を解決するために、第1記録媒体に記録されたる第1再生品質の第1コンテンツ情報をダウンコンバートして、前記第1再生品質より低精細度な第2再生品質の第2コンテンツ情報を生成するダウンコンバート工程と、第2記録媒体に前記第2コンテンツ情報を記録する第1記録工程と、前記第2記録媒体に前記第2コンテンツ情報が記録される場合、前記第1記録媒体に記録された前記第1コンテンツ情報を消去する第1消去工程と、前記第2コンテンツ情報をアップコンバートして生成される前記第1再生品質に係る画素サイズを有している前記第2再生品質の第3コンテンツ情報と前記第1コンテンツ情報との差分を示す差分情報を生成する差分工程とを備える。
本発明の情報記録方法によれば、上述した本発明の情報記録装置と同様の各種利益を享受することができる。
尚、上述した本発明の情報記録装置における各種態様に対応して、本発明に係る情報記録方法も各種態様を採ることが可能である。
(情報再生装置)
本発明の情報再生装置は上記課題を解決するために、上述した本発明の情報記録装置(但し、その各種態様を含む)により前記第2記録媒体に記録される前記第2コンテンツ情報を所望の再生品質で再生する情報再生装置であって、前記第2コンテンツ情報をアップコンバートして、前記第3コンテンツ情報を生成するアップコンバート手段と、前記差分情報に基づいて、前記生成される第3コンテンツ情報の再生品質を前記第2再生品質から前記第1再生品質に変換して再生する第1再生手段とを備える。
本発明の情報再生装置によれば、差分情報と第2記録媒体に記録される第2コンテンツ情報(具体的には、第2コンテンツ情報をアップコンバートして生成される第3コンテンツ情報)とを用いて、より高精細度な第1コンテンツ情報(或いは、該第1コンテンツ情報に相当するコンテンツ情報)を生成することが可能となる。従って、一度第1コンテンツ情報を第2コンテンツ情報に変換して他の記録媒体に記録しても、ユーザは該第2コンテンツ情報を高精細度な第1コンテンツ情報として再度視聴することが可能となる。
以上の結果、本発明に係る情報再生装置によれば、コンテンツの著作権を適切に保護しつつも、ユーザは、所望の再生品質(特に、第1再生品質)に係るコンテンツ情報を好適に視聴することが可能となる。
本発明の情報再生装置の一の態様は、前記第2コンテンツ情報を再生する第2再生手段を更に備える。
この態様によれば、ユーザは、第2コンテンツ情報をも適切に視聴することが可能となる。
(情報再生方法)
本発明の情報再生方法は上記課題を解決するために、上述した本発明の情報記録装置(但し、その各種態様を含む)により前記第2記録媒体に記録される前記第2コンテンツ情報を所望の再生品質で再生する情報再生方法であって、前記第2コンテンツ情報をアップコンバートして、前記第3コンテンツ情報を生成するアップコンバート工程と、前記差分情報に基づいて、前記生成される第3コンテンツ情報の再生品質を前記第2再生品質から前記第1再生品質に変換して再生する第1再生工程とを備える。
本発明の情報再生方法によれば、上述した本発明の情報再生装置と同様の各種利益を享受することができる。
尚、上述した本発明の情報再生装置における各種態様に対応して、本発明に係る情報再生方法も各種態様を採ることが可能である。
(コンピュータプログラム)
本発明に係る第1コンピュータプログラムは上記課題を解決するために、コンピュータを上述した情報記録装置(但し、その各種形態も含む)として機能させる。本発明に係る第2コンピュータプログラムは上記課題を解決するために、コンピュータを上述した情報再生装置(但し、その各種形態も含む)として機能させる。
本発明に係る第1又は第2コンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該第1又は第2コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該第1又は第2コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の情報記録装置又は情報再生装置を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の情報記録装置又は情報再生装置における各種態様に対応して、本発明の第1又は第2コンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
コンピュータ読取可能な媒体内の第1コンピュータプログラム製品は上記課題を解決するために、コンピュータにより実行可能なプログラム命令を明白に具現化し、該コンピュータを、本発明の情報記録装置(但し、その各種態様を含む)として機能させる。
コンピュータ読取可能な媒体内の第2コンピュータプログラム製品は上記課題を解決するために、コンピュータにより実行可能なプログラム命令を明白に具現化し、該コンピュータを、本発明の情報再生装置(但し、その各種態様を含む)として機能させる。
本発明の第1又は第2コンピュータプログラム製品によれば、当該コンピュータプログラム製品を格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラム製品をコンピュータに読み込めば、或いは、例えば当該コンピュータプログラム製品を所定の通信方式の伝送信号に変換し、通信手段を介してコンピュータにダウンロードすれば、上述した本発明の情報記録装置又は情報再生装置を比較的容易に実施可能となる。更に具体的には、当該コンピュータプログラム製品は、上述した本発明の情報記録装置又は情報再生装置として機能させるコンピュータ読取可能なコード(或いはコンピュータ読取可能な命令)から構成されてよい。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以上説明したように、本発明の情報記録装置又は方法によれば、ダウンコンバート手段、第1記録手段、第1消去手段及び差分手段、又はダウンコンバート工程、第1記録工程、第1消去工程及び差分工程を備える。また、本発明の情報再生装置又は方法によれば、アップコンバート手段及び第1再生手段、又はアップコンバート工程及び第1再生工程を備える。従って、コンテンツの著作権を保護しつつも、ユーザは所望の再生品質に係るコンテンツ情報を好適に視聴することができる。
本発明の情報記録再生装置に係る実施例の基本構成を概念的に示すブロック図である。 本実施例に係る情報記録再生装置のMOVE動作の流れを概念的に示すフローチャートである。 本実施例に係る情報記録装置の構成要素のうちMOVE動作に関する構成要素を抜粋したブロック図である。 MOVE動作時のハードディスク及び光ディスクの夫々に記録されるデータを概念的に示す説明図である 本実施例に係る情報記録再生装置のMOVE動作後のHD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(HD)の流れを概念的に示すフローチャートである。 本実施例に係る情報記録装置の構成要素のうちMOVE動作後のHD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(HD)に関する構成要素を抜粋したブロック図である。 本実施例に係る情報記録再生装置のMOVE動作後のSD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(SD)の流れを概念的に示すフローチャートである。 本実施例に係る情報記録装置の構成要素のうちMOVE動作後のSD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(SD)に関する構成要素を抜粋したブロック図である。 本実施例に係る情報記録再生装置のMOVE BACK動作(HD)後のHD画質映像の再生動作の流れを概念的に示すフローチャートである。 本実施例に係る情報記録装置の構成要素のうちMOVE BACK動作(HD)後のHD画質映像の再生動作に関する構成要素を抜粋したブロック図である。
符号の説明
1 情報記録再生装置
10 ハードディスク
11 ハードディスクドライブ
20 光ディスク
21 光ディスクドライブ
32 ダウンコンバータ
37 アップコンバータ
38 差分回路
42 加算回路
50 CPU
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づいて説明する。 (基本構成)
先ず、図1を参照して、本発明の情報記録再生装置(情報記録装置或いは情報再生装置)に係る実施例の基本構成について説明を進める。ここに、図1は、本実施例に係る情報記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。
図1に示すように、情報記録再生装置1は、ハードディスク10及び光ディスク20の夫々にデータを記録可能に構成されており、ハードディスクドライブ11、光ディスクドライブ21、HD(High Definition)デコーダ31、ダウンコンバータ32、SD(Standard Definition)エンコーダ33、CPRM(Content Protection for Recordable Media)回路34、フレームメモリ35、SDデコーダ36、アップコンバータ37、差分回路38、圧縮回路39、伸張回路40、HDエンコーダ41、加算回路42、CPU50、メモリ51を備えている。
ハードディスク10は、本発明における「第1記録媒体」」の一具体例であって、各種データを記録可能な磁気記録媒体であって、特に、光ディスク20の記録容量と比較して、より大きな記録容量を有している。
ハードディスクドライブ11は、本発明における「第2記録手段」、「第3記録手段」又は「第1消去手段」の一具体例であって、ハードディスク10へ各種データを記録又は消去可能に構成されている。
光ディスク20は、本発明における「第2記録媒体」の一具体例であって、例えばDVD等の如く直径12cmの円盤状の形状を有している情報記録媒体である。
特に、本実施例に係る情報記録再生装置1に用いられる光ディスク20は、CPRMに対応した書換可能な光ディスク(例えば、DVD−RW等)である。
光ディスクドライブ21は、本発明における「第1記録手段」又は「第2消去手段」の一具体例であって、光ディスク20へ各種データを記録又は消去可能に構成されている。
HDデコーダ31は、HDストリームをデコーディング可能に構成されている。即ち、MPEG2圧縮(エンコーディング)されているHDストリームを復号することで、本発明における「第1コンテンツ情報」の一具体例たるHD画質映像に係るデータを生成可能に構成されている。
ダウンコンバータ32は、本発明における「ダウンコンバート手段」の一具体例であって、HDサイズ(1920画素×1080画素)の映像に係るデータをSDサイズ(720画素×480画素)の映像に係るデータに変換可能に構成されている。
尚、本実施例では、単に画素数の面から映像を区別する際には、上述の如くHDサイズの映像又はSDサイズの映像と称して区別する。そして、HDサイズの映像に相当する画素数を有しており、且つ実際にHD画質を実現する映像を特にHD画質映像と称して特に区別する。また、SDサイズの映像に相当する画素数を有する映像は、HD画質を実現し得るはずもなく、SDサイズの映像を場合によってはSD画質映像と称する。
SDエンコーダ33は、ダウンコンバータにより変換されたSDサイズの映像に係るデータに対して、MPEG2圧縮(エンコーディング)可能に構成されている。そして、MPEG2圧縮された後には、SDストリームが生成される。
CPRM回路34は、CPRMに従って、コピープロテクションのために、光ディスク20に記録される各種データ(或いは、ストリーム)の暗号化及び復号化を行う。
フレームメモリ35は、HDデコーダ31の動作により生成されるHD画質映像に係るデータを格納可能に構成されている。特に、フレームメモリ35にHD画質映像に係るデータを格納することで、所望のタイミングで当該データを差分回路38に出力可能に構成されている。
SDデコーダ36は、SDストリームをデコーディング可能に構成されている。即ち、MPEG2圧縮(エンコーディング)されているSDストリームを復号して、本発明における「第2コンテンツ情報」の一具体例たるSDサイズの映像に係るデータ(即ち、SD画質映像に係るデータ)を生成可能に構成されている。
アップコンバータ37は、本発明における「アップコンバート手段」の一具体例であって、SDサイズの映像に係るデータをHDサイズの映像に係るデータに変換可能に構成されている。
差分回路38は、本発明における「差分手段」の一具体例であって、フレームメモリ35より出力されるHD画質映像に係るデータとアップコンバータ37より出力されるHDサイズの映像に係るデータとの差分を示す差分データを生成可能に構成されている。
圧縮回路39は、差分回路38により生成される差分データを圧縮可能に構成されている。ここで用いられる圧縮方式(或いは、圧縮アルゴリズム)は、例えばランレングス圧縮方式(Run Length method)等の各種方式を用いることが可能であるが、より好ましくは、可逆圧縮可能な方式であることが好ましい。即ち、圧縮データが伸張されたデータと当該圧縮データの元データとが同一となるような圧縮方式であることが好ましい。
伸張回路40は、圧縮された差分データを伸張(或いは、解凍)可能に構成されている。ここで、圧縮回路39において、可逆圧縮可能な圧縮方式で圧縮されていれば、伸張回路40から出力されるデータと圧縮回路39へ入力されるデータとは一致する。
加算回路42は、本発明における「生成手段」の一具体例であって、伸張回路40により伸張される差分データとアップコンバータ37より出力されるHDサイズの映像に係るデータとに基づいて、HD画質映像に係るデータを生成可能に構成されている。
HDエンコーダ41は、HD画質映像に係るデータに対して、MPEG2圧縮(エンコーディング)可能に構成されている。そして、MPEG2圧縮された後には、HDストリームが生成される。
CPU50は、当該情報記録再生装置1全体(即ち、図1中実線にて囲まれる各種構成要件)の動作を制御可能に構成されている。即ち、情報記録再生装置1が備える各構成要素に対してシステムコマンドを出力することで、情報記録再生装置1全体の制御を行う。通常、CPU50が動作するためのソフトウェアは、例えば外部のメモリ内に格納されている。
メモリ51は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ等の半導体メモリを含んでなり、情報記録再生装置1の動作に必要な各種データを一時的に記録可能に構成されている。
尚、以上の情報記録再生装置1の各種構成要素のうち、主として図1中1aにて示される鎖線にて囲まれる構成要素(即ち、ハードディスクドライブ11、光ディスクドライブ21、HDデコーダ31、ダウンコンバータ32、SDエンコーダ33、CPRM回路34、フレームメモリ35、SDデコーダ36、アップコンバータ37、差分回路38、圧縮回路39等)が本発明における情報記録装置の一具体例を構成する。また、主として図1中1bにて示される鎖線にて囲まれる構成要素(即ち、ハードディスクドライブ11、光ディスクドライブ21、CPRM回路34、SDデコーダ36、アップコンバータ37、伸張回路40、HDエンコーダ41、加算回路42等)が、本発明における情報再生装置の一具体例を構成する。
また、上述の実施例では、図の簡略化のために各種構成要素を媒介するバスを一部省略してブロック図が記載されていることを付記しておく。例えば、ハードディスク10にSDストリームが記録されている場合には、当該SDストリームが図示しないバスを介してSDデコーダ36へ出力され、SD画質映像が再生される。
更に、各種構成要素を媒介するバスに付されている矢印は、データの入出力の方向を例示的に示すものであり、データの入出力の方向がこの矢印の方向に限定されないことは言うまでもない。
(動作原理)
続いて、図2から図10を参照して、本実施例に係る情報記録再生装置の動作原理について説明を進める。
(1)MOVE動作
先ず、図2から図4を参照して、本実施例に係る情報記録再生装置のMOVE動作について説明する。ここに、図2は、MOVE動作に係る流れを概念的に示すフローチャートであり、図3は、MOVE動作に関する構成要素を抜粋したブロック図であり、図4は、MOVE動作時のハードディスク10及び光ディスク20の夫々に記録されるデータを概念的に示す説明図である。
図2に示すように、先ずハードディスク10に記録されているHD画質映像に係るデータであって且つMPEG2圧縮されているデータ(即ち、HDストリーム)が読み出され、HDデコーダ31の動作によりデコーディングされる(ステップS101)。このデコーディング動作により、MPEG2圧縮される前のHD画質映像に係るデータ(以降、適宜“HDデータ”と称する)が生成される。
そして、デコーディングされたHDデータがダウンコンバータ32に入力される。そして、ダウンコンバータ32の動作により、HDデータがSDサイズの映像に係るデータ(以降、適宜“SDデータ”と称する)に変換される(ステップS102)。
続いて、SDデータがSDエンコーダ33に入力される。そして、SDエンコーダ33の動作により、入力されたSDデータに対してSDエンコーディング(即ち、MPEG2圧縮)処理が行われる(ステップS103)。その結果、SDストリームが生成される。
その後、SDストリームに対してCPRM処理が施される(ステップS104)。具体的には、情報記録再生装置1が有するデバイスキーや光ディスク20に予め記録されているメディアキー(例えば、MKB(Media Key Block))や光ディスク20の固有のID番号等に応じて暗号化キーが生成される。即ち、この暗号化キーに基づいて、記録されるコンテンツ(この場合、SDストリーム)の暗号化が行われる。
そして、暗号化されたSDストリームが光ディスク20に記録される(ステップS105)。
このとき、以下に記載する動作が、ステップS105までに説明したSDストリームの光ディスク20への記録動作と並行して行なわれる。
具体的には、ステップS101においてデコーディング処理されたHDストリーム(即ち、HDデコーダ31の動作により生成されたHDデータ)は、ダウンコンバータ32に加えて、フレームメモリ35へも出力される(ステップS106)。
更には、ステップS103においてエンコーディング処理されたSDデータ(即ち、SDエンコーダ33の動作により生成されたSDストリーム)は、CPRM回路34に加えて、SDデコーダ36へも出力される。そして、SDデコーダ36の動作によりSDストリームのデコーディング処理が行われ(ステップS107)、SDデータが生成される。
その後、SDデータがアップコンバータ37へ出力される。そして、アップコンバータ37の動作により、SDデータのアップコンバートが行なわれる(ステップS108)。即ち、SDデータより、本発明における「第3コンテンツ情報」の一具体例たるHDサイズの映像に係るデータが生成される。
その後、差分回路38の動作により、ステップS108において生成されたHDサイズの映像に係るデータとステップS106においてフレームメモリ35へ格納されたHDデータとの差分を示す差分データが生成される(ステップS109)。このとき、フレームメモリ35において、HDデータが差分回路38へ出力されるタイミングを調整することで、例えばコンテンツの再生時間軸上において対応するデータ同士が、例えばフレーム単位で同期をとりながら差分回路38に入力されるように構成することが好ましい。
この差分データの生成について、より具体的に説明すると、例えばHDデータ及びHDサイズの映像に係るデータの夫々が示す所定の再生時刻における映像を比較して、画素単位での差分を算出する。例えば、画素単位での輝度、色相等を比較して、それらの差分を算出する。そして、この差分の算出をコンテンツの全再生時刻に対して行うことで、差分データを生成することができる。尚、ここでは、映像中に現れる表示対象物の輪郭部分において特に大きな差分が算出されやすく、差分データは主として表示対象物の輪郭部分を概念的に示している。
即ち、差分データは、それ単体では所定の映像や音声等を何ら意味しておらず、後述するように、HDサイズの映像に係るデータと合わせてデータ処理(具体的には、加算処理)することで初めて意味のある映像や音声等を構成する。
その後、圧縮回路39の動作により、生成された差分データに対して圧縮処理が行われる(ステップS110)。例えば圧縮回路39においてMPEG2圧縮等を行うように構成してもよい。
そして、圧縮された差分データがハードディスク10に記録されると共に(ステップS111)、HDストリームがハードディスク10より消去される(ステップS112)。このとき、圧縮処理された差分データがHDストリームに上書きされるように当該圧縮処理された差分データがハードディスク10に記録されるように構成してもよい。
このMOVE動作が実際に行なわれるブロック図上における構成要素を抽出すると、図3に示される。即ち、主として、ハードディスクドライブ11、光ディスクドライブ21、HDデコーダ31、ダウンコンバータ32、SDエンコーダ33、CPRM回路34、フレームメモリ35、SDデコーダ36、アップコンバータ37、差分回路38、圧縮回路39の動作により、上述したMOVE動作が行なわれる。尚、図3においては、各構成要素間において入出力される各種データの名称が記載されている。
以上まとめると、SDストリームが光ディスク20に記録されると共に、HDストリームがハードディスク10から消去され、且つ圧縮処理された差分データがハードディスク10に記録される。このときのハードディスク10及び光ディスク20の夫々に記録されているデータの態様について図4を参照しながら説明する。
図4(a)に示すように、MOVE動作前においては、ハードディスク10にHDストリームの全体が記録されている。
そして、上述したMOVE動作が進行するにつれて、図4(b)及び図4(c)に示すように、HDストリームがハードディスク10から徐々に消去されていき、また差分データがハードディスク10へ徐々に記録されていき、またSDストリームが光ディスク10へ徐々に記録されていく。
そして、全てのSDストリームが光ディスク20に記録されたときには、図4(d)に示すように、ハードディスク10よりHDストリームは全て消去されており、代わりに圧縮処理された差分データが記録されている。
尚、光ディスク20に記録されるSDストリームに対応しているHDストリームが同時に消去されるようにMOVE動作が行なわれる。言い換えれば、光ディスク20に記録されたSDストリームが示す映像に相当する映像を示す(即ち、例えば同一フレームの)HDストリームが同時にハードディスク10より消去されるようにMOVE動作が行なわれる。例えば、1分の(或いは、数分の、数秒の)再生時間単位毎にSDストリームが光ディスク20に記録され、且つHDストリームがハードディスク10より消去される。但し、このようにSDストリーム及び差分データの記録並びにHDストリームの消去が行なわれなくとも、例えばユーザが光ディスク20やハードディスク10を利用する際に、コンテンツの著作権が適切に保護されている状態にあれば、どのような順序・態様でSDストリーム及び差分データの記録並びにHDストリームの消去を行ってもよい。
このように、本実施例に係る情報記録再生装置1によれば、コンテンツの著作権を適切に保護しつつも、後述するようにハードディスク10に記録された差分データを用いてHD画質映像の再生が可能となる。
尚、上述の実施例においては、HDストリームを順次読み出し、該読み出されたHDストリームに対して順次ステップS101からステップS112の動作が行なわれるように構成されることが好ましい。即ち、当該MOVE動作の前提として、ハードディスク10に記録された1つのコンテンツに係るHDストリーム全体を一度に読み出し、当該全体のHDストリームに対してステップS101からステップS112の動作を一度に行なう必要はなく(即ち、バッチ処理的に行う必要はなく)、情報記録再生装置1において処理できる範囲で(例えば、数フレーム単位で)順次HDストリームを読み出し、リアルタイムに上述のMOVE動作を行なえばよい。
(2)MOVE動作後のHD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(HD)
続いて、図5及び図6を参照して、MOVE動作後のHD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(HD)について説明する。ここに、図5は、MOVE動作後のHD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(HD)の流れを概念的に示すフローチャートであり、図6は、MOVE動作後のHD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(HD)に関する構成要素を抜粋したブロック図である。
尚、MOVE BACK動作とは、MOVE動作後に、再度そのデータを元の記録媒体に記録する動作を示す。具体的には、一の記録媒体に記録されているデータを他の記録媒体に記録するMOVE動作を行なった後に、この他の記録媒体に記録されたデータを再度一の記録媒体に記録する動作を、MOVE BACK動作と称する。特に、HDストリームとして元の記録媒体に記録する動作をMOVE BACK動作(HD)と称し、SDストリームとして元の記録媒体に記録する動作をMOVE BACK動作(SD)と称して区別する。
図5に示すように、先ずハードディスク10より差分データが読み取られる(ステップS201)。そして、伸張回路40の動作により、差分データの伸張処理が行なわれる(ステップS202)。
この差分データの読取及び伸張処理と並行して、光ディスク20よりSDストリームが読み取られる(ステップS203)。続いて、読み取られたSDストリームに対してCPRM処理が施される(ステップS104)。ここでは、具体的は、情報記録再生装置1が有するデバイスキーや光ディスク20に予め記録されているメディアキー等に応じて暗号を解くための復号化キーが生成される。そして、この復号化キーを用いてSDストリームに施された暗号が解かれ、復号される。
続いて、SDデコーダ36の動作により、暗号が解かれたSDストリームのデコーディング処理が行われ(ステップS107)、SDデータが生成される。
続いて、SDデータがアップコンバータ37へ出力される。そして、アップコンバータ37の動作により、SDデータのアップコンバートが行なわれる(ステップS108)。即ち、SDデータよりHDサイズの映像に係るデータが生成される。
その後、ステップS202において伸張処理が施された差分データとアップコンバータ37より出力されるHDサイズの映像に係るデータとが、加算回路42の動作により加算されることでHDデータが生成される(ステップS204)。即ち、上述した差分回路38における差分データの生成とは逆の動作を行なうことで、HDデータを生成する。このとき、HDサイズの映像に係るデータが加算回路42へ出力されるタイミングと差分データが加算回路42へ出力されるタイミングとを調整する(或いは、同期をとる)ことで、例えばコンテンツの再生時間軸上において対応するデータ同士が、例えばフレーム単位で同期をとりながら加算回路42に入力されるように構成することが好ましい。例えば、上述したMOVE動作時に、SDストリームのユーザデータ(或いは、付加データ)として、対応する差分データのハードディスク10上の先頭オフセットアドレスを記録するように構成してもよいし、或いは該先頭オフセットアドレスを記録したテーブルを別途ハードディスク10上に記録するように構成してもよい。
その後、生成されたHDデータを再生することで(ステップS205)、ユーザはHD画質映像を視聴することができる。
仮に、従来のハードディスクレコーダ等の如く差分データを生成しない情報記録再生装置であれば、ハードディスク10に記録されていたHDストリームを、SDストリームに変換(即ち、ダウンコンバート等)してMOVE動作を行なった後には、当該SDストリームを再度HD画質映像として再生することは困難或いは不可能である。また、SDデータをアップコンバートしても、画素数の面ではHDサイズの映像として再生することはできても、本来のHD画質映像として再生することは困難或いは不可能である。
しかるに、本実施例に係る情報記録再生装置1によれば、ハードディスク10に記録されていたHDストリームを、SDストリームに変換して光ディスク20に記録した後であっても、上述の如く差分データを用いてSDストリームの再生動作を行なえば、再度HD画質映像を再生することが可能となる。そして、HDストリームをSDストリームに変換して光ディスク20に記録しても、ハードディスク10には本来のHDストリーム或いはSDストリームとは全く異なるデータである差分データしか記録されておらず、コンテンツの著作権は適切に保護されている。
従って、ユーザは、例えば自宅等においては、ハードディスクレコーダ等の高度な情報記録再生装置に記録されたHDストリームを再生することで、プラズマテレビ或いはプロジェクター等の大画面にて高画質な映像を視聴することができる。その一方で、HDストリームを変換して、例えばDVD等の光ディスク20にSDストリームとして記録することで、例えば自動車に搭載されているDVDプレーヤ(或いは、カーナビゲーションに搭載されているDVDプレーヤ)等を用いて同様のコンテンツを自動車の中においても楽しむことができる。即ち、自宅のように高度なAV視聴環境を実現できる場所であっても、自動車内のように簡易なAV視聴環境を実現できる場所であっても、ユーザは所望のコンテンツを所望の再生品質にて選択的に視聴するという大きな利点を享受することができる。
他方、上述の如くHDデータを再生することに加えて又は代えて、加算回路42において生成されたHDデータに対してエンコーディング処理を施してもよい(ステップS206)。即ち、HDデータに対してMPEG2圧縮処理を施すことで、HDストリームを生成してもよい。
そして、生成されたHDストリームがハードディスク10へ記録される(ステップS207)。即ち、MOVE BACK動作(HD)が行なわれてもよい。
このHDストリームの記録動作と並行して、光ディスク20に記録されているSDストリームが消去される(ステップS208)。これにより、コンテンツの著作権を保護することができる。ユーザは再度ハードディスク上に記録されたHD画質映像を視聴することが可能となる。
このとき、ハードディスク10に記録されている差分データも合わせて消去することが好ましい。これにより、ハードディスク10の記録容量をより有効に利用することが可能となる。
このMOVE動作後のHD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(HD)が実際に行なわれるブロック図上における構成要素を抽出すると、図6に示される。即ち、主として、ハードディスクドライブ11、光ディスクドライブ21、CPRM回路34、SDデコーダ36、アップコンバータ37、伸張回路40、HDエンコーダ41、加算回路42の動作により、上述したMOVE動作後のHD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(HD)が行なわれる。そして、出力1に接続された外部出力機器(例えば、各種ディスプレイや各種音響機器等)へHDデータが出力されることで、ユーザはHD画質映像を視聴することができる。尚、図6においては、各構成要素間において入出力される各種データの名称が記載されている。
(3)MOVE動作後のSD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(SD)
続いて、図7及び図8を参照して、MOVE動作後のSD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(SD)について説明する。ここに、図7は、MOVE動作後のSD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(SD)の流れを概念的に示すフローチャートであり、図8は、MOVE動作後のSD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(SD)に関する構成要素を抜粋したブロック図である。
図7に示すように、先ず光ディスク20よりSDストリームが読み取られる(ステップS203)。続いて、読み取られたSDストリームに対してCPRM処理が施される(ステップS104)。ここでは、具体的には、情報記録再生装置1が有するデバイスキーや光ディスク20に予め記録されているメディアキー等に応じて、暗号を解くための復号化キーが生成される。そして、この復号化キーを用いてSDストリームに施された暗号が解かれ、復号される。
続いて、SDデコーダ36の動作により、暗号が解かれたSDストリームのデコーディング処理が行われ(ステップS107)、SDデータが生成される。そして、生成されたSDデータを再生することで(ステップS301)、ユーザは、SDサイズの映像(即ち、SD画質映像)を視聴することができる。
他方、上述の如くSDデータを再生することに加えて又は代えて、暗号が解かれたSDストリームがハードディスク10へ記録されるように構成してもよい(ステップS302)。即ち、MOVE BACK動作(SD)が行われてもよい。
このSDストリームの記録動作と並行して、光ディスク20に記録されているSDストリームが消去される(ステップS208)。これにより、コンテンツの著作権を保護することができる。そして、ハードディスク10より読み取られるSDストリームに対して、SDデコーダ36の動作によりデコーディング処理が施されることで、SD画質映像を再生することができる。
このとき、ハードディスク10に記録されている差分データは、ハードディスク10に記録されたSDストリームを用いてHDデータを再生するために必要であるため、このまま残しておくことが好ましい。
このようにハードディスク10にSDストリーム及び差分データの双方が記録されていても、上述の「MOVE後のHD画質映像の再生動作」と同様に、加算回路42においてこれらのデータを加算処理することで、HD画質映像を視聴することができる。
更に、このようにコンテンツを、予めSDストリームとしてハードディスク10に記録しておけば、ハードディスク10に記録されたSDストリームを、光ディスク20へ記録する際(即ち、MOVE動作の際)に、複雑なデータ処理(例えば、ダウンコンバート処理やエンコーディング処理やデコーディング処理等)を行なう必要がなく、高速なMOVE動作を実現することができる。
このMOVE動作後のSD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(SD)が実際に行なわれるブロック図上における構成要素を抽出すると、図8に示される。即ち、主として、ハードディスクドライブ11、光ディスクドライブ21、CPRM回路34、SDデコーダ36の動作により、上述したMOVE動作後のSD画質映像の再生動作及びMOVE BACK動作(SD)が行なわれる。そして、出力2に接続された外部出力機器(例えば、各種ディスプレイや各種音響機器等)へSDデータが出力されることで、ユーザはSD画質映像を視聴することができる。尚、図8においては、各構成要素間において入出力される各種データの名称が記載されている。
(4)MOVE BACK動作(HD)後のHD画質映像の再生動作
続いて、図9及び図10を参照して、MOVE BACK動作(HD)後のHD画質映像の再生動作について説明する。ここに、図9は、MOVE BACK動作(HD)後のHD画質映像の再生動作の流れを概念的に示すフローチャートであり、図10は、MOVE BACK動作(HD)後のHD画質映像の再生動作に関する構成要素を抜粋したブロック図である。
図9に示すように、ハードディスク10に記録されたHDストリームが読み取られ(ステップS401)、該読み取られたHDストリームに対してデコーディング処理が施される(ステップS101)。即ち、HDデータが生成される。そして生成されたHDデータを再生することで(ステップS205)、ユーザは、HD画質映像を視聴することが可能となる。
尚、ここで説明する再生動作は、MOVE動作前にハードディスク10に記録されているHDストリームを再生する動作と同様である。
このMOVE BACK動作(HD)後のHD画質映像の再生動作が実際に行なわれるブロック図上における構成要素を抽出すると、図10に示される。即ち、主として、ハードディスクドライブ11、HDデコーダ31の動作により、上述したMOVE BACK動作(HD)後のHD画質映像の再生動作が行なわれる。そして、出力3に接続された外部出力機器(例えば、各種ディスプレイや各種音響機器等)へHDデータが出力されることで、ユーザはHD画質映像を視聴することができる。尚、図10においては、各構成要素間において入出力される各種データの名称が記載されている。
以上説明したように、本実施例に係る情報記録再生装置1によれば、ハードディスク10に記録されていたHDストリームを、SDストリームに変換して光ディスク20に記録した後であっても、上述の如く差分データを用いてSDストリームの再生動作を行なえば、再度HD画質映像を再生することが可能となる。そして、HDストリームをSDストリームに変換して光ディスク20に記録しても、ハードディスク10には本来のHDストリーム或いはSDストリームとは全く異なるデータである差分データしか記録されておらず、ユーザは、コンテンツの著作権を適切に保護しつつも、所望の再生品質に係るコンテンツを好適に視聴することが可能となる。
また、上述の実施例では、記録媒体の一例としてハードディスク10及び光ディスク20、並びに情報記録再生装置の一例としてハードディスク10及び光ディスク20に係るレコーダ(プレーヤ)について説明したが、本発明は、ハードディスク及び光ディスク、並びにそのレコーダ(プレーヤ)に限られるものではなく、他の各種記録媒体並びにそのレコーダ(プレーヤ)にも適用可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、並びに、記録制御用及び再生制御用のコンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明に係る情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、並びにコンピュータプログラムは、例えば、民生用或いは業務用の、DVDレコーダやDVDプレーヤ等に利用可能である。また、例えば民生用或いは業務用の各種コンピュータ機器に搭載される又は各種コンピュータ機器に接続可能な情報記録再生装置等にも利用可能である。


Claims (10)

  1. 第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報をダウンコンバートして、前記第1再生品質より低精細度な第2再生品質の第2コンテンツ情報を生成するダウンコンバート手段と、
    第2記録媒体に前記第2コンテンツ情報を記録する第1記録手段と、
    前記第2記録媒体に前記第2コンテンツ情報が記録される場合、前記第1記録媒体に記録された前記第1コンテンツ情報を消去する第1消去手段と、
    前記第2コンテンツ情報をアップコンバートして生成される前記第1再生品質に係る画素サイズを有している前記第2再生品質の第3コンテンツ情報と前記第1コンテンツ情報との差分を示す差分情報を生成する差分手段と
    を備えることを特徴とする情報記録装置。
  2. 前記第1記録媒体に前記差分情報を記録する第2記録手段を更に備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の情報記録装置。
  3. 前記第2コンテンツ情報をアップコンバートして、前記第3コンテンツ情報を生成するアップコンバート手段と、
    前記差分情報に基づいて、前記生成される第3コンテンツ情報の再生品質を前記第2再生品質から前記第1再生品質に変換する変換手段と
    を更に備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の情報記録装置。
  4. 前記第1再生品質に変換された第3コンテンツ情報を前記第1記録媒体に記録する第3記録手段と、
    前記第1再生品質に変換された第3コンテンツ情報が前記第1記録媒体に記録される場合、前記第2記録媒体に記録された前記第2コンテンツ情報を消去する第2消去手段と
    を備えることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の情報記録装置。
  5. 第1記録媒体に記録された第1再生品質の第1コンテンツ情報をダウンコンバートして、前記第1再生品質より低精細度な第2再生品質の第2コンテンツ情報を生成するダウンコンバート工程と、
    第2記録媒体に前記第2コンテンツ情報を記録する第1記録工程と、
    前記第2記録媒体に前記第2コンテンツ情報が記録される場合、前記第1記録媒体に記録された前記第1コンテンツ情報を消去する第1消去工程と、
    前記第2コンテンツ情報をアップコンバートして生成される前記第1再生品質に係る画素サイズを有する前記第2再生品質の第3コンテンツ情報と前記第1コンテンツ情報との差分を示す差分情報を生成する差分工程と
    を備えることを特徴とする情報記録方法。
  6. 請求の範囲第1項に記載の情報記録装置により前記第2記録媒体に記録される前記第2コンテンツ情報を所望の再生品質で再生する情報再生装置であって、
    前記第2コンテンツ情報をアップコンバートして、前記第3コンテンツ情報を生成するアップコンバート手段と、
    前記差分情報に基づいて、前記生成される第3コンテンツ情報の再生品質を前記第2再生品質から前記第1再生品質に変換して再生する第1再生手段と
    を備えることを特徴とする情報再生装置。
  7. 前記第2コンテンツ情報を再生する第2再生手段を更に備えることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の情報再生装置。
  8. 請求の範囲第1項に記載の情報記録装置により前記第2記録媒体に記録される前記第2コンテンツ情報を所望の再生品質で再生する情報再生方法であって、
    前記第2コンテンツ情報をアップコンバートして、前記第3コンテンツ情報を生成するアップコンバート工程と、
    前記差分情報に基づいて、前記生成される第3コンテンツ情報の再生品質を前記第2再生品質から前記第1再生品質に変換して再生する第1再生工程と
    を備えることを特徴とする情報再生方法。
  9. 請求の範囲第1項に記載の情報記録装置に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記ダウンコンバート手段、前記第1記録手段、前記第1消去手段及び前記差分手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  10. 請求の範囲第6項に記載の情報再生装置に備えられたコンピュータを制御する再生制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記アップコンバート手段及び前記第1再生手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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