図2は、本発明を適用した記録装置1の構成例を示すブロック図である。
CPU(Central Processing Unit)11は、コントローラ12を介して、ROM(Read Only Memory)13に記憶されたプログラムや、HDD(Hard Disk Drive)25からRAM(Random Access Memory)14にロードされたプログラムを実行し、バス15および24に接続されている各部の動作を制御する。
例えば、CPU11は、トランスポートストリームに多重化されるPSI(Program Specific Information)のPMT(Program Map Table)に記述されるディジタルコピー制御記述子(digital_copy_control_descriptor)により、受信したコンテンツが「1世代のみコピー可」のコンテンツであることが表されており、そのコンテンツをHDD25(HDD25内のハードディスク)に記録させる場合、受信したコンテンツに基づいて、同じ内容のムーブ用のコンテンツを生成し、生成したムーブ用のコンテンツを、オリジナルのコンテンツ(受信したコンテンツ)とともにHDD25に記録させる。
ムーブ用のコンテンツは、記録装置1に装着された光ディスク27や半導体メモリ29等の他の記録メディアにムーブするときに用いられる。
チューナ部17は、CPU11による制御に従って、アンテナ16からの放送信号を受信、復調し、所定のチャンネルで放送されてきたトランスポートストリームを、バス15を介してデスクランブラ18に出力する。
デスクランブラ18は、カードI/F(Interface)19に挿入されたCASカード20に記憶されているデータを用いてスクランブルを解くキーを生成し、チューナ部17から供給されてきたトランスポートストリームのスクランブルを解除する。デスクランブラ18によりスクランブルが解除されたトランスポートストリームは、例えば、バス15を介してデマルチプレクサ21に供給される。
カードI/F19は、CASカード20から読み出したデータをバス15を介してデスクランブラ18に供給する。
デマルチプレクサ21は、CPU11による制御に従って、デスクランブラ18から供給されてきたトランスポートストリームから所定のストリームを抽出し、抽出したストリームを構成するパケットをバス15上に、または、オーディオデコーダ22、ビデオデコーダ23に出力する。デマルチプレクサ21により得られたパケットからなるコンテンツは、例えば、バス15、コントローラ12、およびバス24を介してHDD25に供給され、記録される。
また、デマルチプレクサ21は、トランスポートストリームから抽出したPSI(Program Specific Information)/SI(Service Information)などの付加情報をバス15、およびコントローラ12を介してCPU11に出力する。
オーディオデコーダ22は、デマルチプレクサ21から供給されてきたオーディオデータ(オーディオパケット)をデコードし、得られたオーディオデータを図示せぬオーディオ出力端子から出力する。オーディオ出力端子から出力されたオーディオデータは、例えば、記録装置1と接続されるテレビジョン受像機により受信され、そのスピーカから、オーディオデータに対応する音声が出力される。
ビデオデコーダ23は、デマルチプレクサ21から供給されてきたビデオデータ(ビデオパケット)をデコードし、得られたビデオデータを図示せぬビデオ出力端子から出力する。ビデオ出力端子から出力されたビデオデータは、例えば、記録装置1と接続されるテレビジョン受像機により受信され、そのディスプレイに、ビデオデータに対応する画像が表示される。
ビデオデコーダ23は、例えば、HDD25に記録されているコンテンツのタイトルの一覧を表示させるOSD(On Screen Display)機能も有しており、OSD機能により生成したビデオデータも、ビデオ出力端子を介してテレビジョン受像機に出力する。
HDD25は、バス24を介して供給されてきたコンテンツを記録する。HDD25に記録されたコンテンツは、CPU11による制御に従って適宜読み出され、再生、コピー、ムーブ等に用いられる。
光ディスクドライブ26は、そこに装着された光ディスク27を駆動することにより、バス24を介して供給されてきたデータを光ディスク27に記録し、また、光ディスク27に記録されているデータ(プログラムを含む)を読み出してバス24上に出力する。例えば、HDD25に記録されているコンテンツのムーブ先が光ディスク27として指定されている場合、光ディスクドライブ26は、HDD25からバス24を介して供給されてきたコンテンツを光ディスク27に記録させる。ここで、光ディスク27は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)やBlu-ray Disk(商標)等である。
半導体メモリI/F28は、そこに装着された半導体メモリ29を駆動することにより、バス24を介して供給されてきたデータを半導体メモリ29に記録し、また、半導体メモリ29に記録されているデータを読み出してバス24上に出力する。半導体メモリ29は、例えば、メモリスティック(商標)、SDカード(商標)等である。
通信部30は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394ケーブルを介して接続される外部機器と通信を行い、例えば、バス24を介して供給されてきたコンテンツを、その外部機器に出力する。HDD25に記録されているコンテンツのムーブは、通信部30を介して接続される外部機器に対しても適宜行われる。
図3は、記録装置1の機能構成例を示すブロック図である。図3に示す構成の少なくとも一部は、図2のCPU11により所定のプログラムが実行されることで実現される。
解析部51は、デマルチプレクサ21から供給されてきたPSIのPMT(Program Map Table)を解析し、PMTに記述されるディジタルコピー制御記述子(digital_copy_control_descriptor)(図1)により指定されるコンテンツのコピーの世代の制限を取得する。
コンテンツのコピーの世代の制限は、ディジタルコピー制御記述子を構成するデータのうちの「digital_recording_control_data」(図1の4行目)の2ビットにより指定される。「digital_recording_control_data」が00bである場合、それは、「制約条件なしにコピー可」を表し、10bである場合、「1世代のみコピー可」を表す。また、11bである場合、それは「コピー禁止」を表す。
解析部51は、「digital_recording_control_data」に従って、受信したコンテンツが「制約条件なしにコピー可」、「1世代のみコピー可」、または「コピー禁止」であることを表す情報をHDD記録制御部52およびムーブ用コンテンツ生成部53に出力する。
HDD記録制御部52は、デマルチプレクサ21から供給されてきたビデオ、オーディオパケットからなるコンテンツを受信し、HDD25へのそのコンテンツの記録を、解析部51から供給されてきた情報、およびユーザによる設定に従って制御する。
例えば、供給されてきたコンテンツが「1世代のみコピー可」のコンテンツであり、それをHDD25に記録することがユーザにより指定されている場合、HDD記録制御部52は、デマルチプレクサ21から供給されてきたオリジナルのコンテンツ(「以下、オリジナルコンテンツ」という)をHDD25のオリジナルコンテンツ記録部55に記録させるとともに、ムーブ用コンテンツ生成部53から供給されてきたムーブ用のコンテンツ(以下、「ムーブ用コンテンツ」という)をムーブ用コンテンツ記録部56に記録させる。「1世代のみコピー可」のコンテンツを記録する場合、オリジナルコンテンツとは別に、ムーブ用コンテンツがムーブ用コンテンツ生成部53により生成される。
また、HDD記録制御部52は、デマルチプレクサ21から供給されてきたコンテンツが「制約条件なしにコピー可」のコンテンツであり、それをHDD25に記録することがユーザにより設定されている場合、そのコンテンツをオリジナルコンテンツ記録部55に記録させる。さらに、HDD記録制御部52は、受信されたコンテンツが「コピー禁止」のコンテンツである場合、それをHDD25に記録しない。記録するコンテンツが「制約条件なしにコピー可」のコンテンツである場合と、「コピー禁止」のコンテンツである場合の処理は、「digital_recording_control_data」に基づく従来の記録処理と同様である。
HDD記録制御部52によりHDD25に記録されたコンテンツは、その時点で「1世代」のコピーが行われたものとして扱われる。従って、記録されたコンテンツが「1世代のみコピー可」のコンテンツである場合、そのコンテンツには、それ以降のコピーが禁止(ムーブは可能)であることを表すCCI(Copy Control Information)が付加される。CCIは、記録装置1内部でのそれぞれのコンテンツのコピーの制限に関する情報である。
ムーブ用コンテンツ生成部53は、解析部51から供給されてきた情報が、デマルチプレクサ21から供給されてきたコンテンツが「1世代のみコピー可」のコンテンツであることを表している場合、記録設定管理部54から供給されてくる設定情報により指定されるフォーマットのムーブ用コンテンツを生成し、生成したムーブ用コンテンツをHDD記録制御部52に出力する。
例えば、ムーブ用コンテンツ生成部53は、オリジナルコンテンツがMPEG(Moving Picture Experts Group)2フォーマットのコンテンツである場合、それと異なるMPEG4フォーマットのコンテンツなどの、各種のフォーマットのコンテンツをムーブ用コンテンツとして生成する(フォーマットの変換を行う)。MPEG4フォーマットのムーブ用コンテンツは、例えば、半導体メモリ29にムーブするときに用いられる。
例えば、記録装置1が受信する放送が、HD(High Definition)放送である場合、SD(Standard Definition)にダウンコンバートし、オリジナルコンテンツとフォーマットの異なるMPEG4のコンテンツをムーブ用コンテンツとして記録することにより、オリジナルコンテンツをそのままムーブ用コンテンツとして記録しておくことに較べて、HDD25の記録容量が圧迫されるのを防止することができる。
当然、オリジナルコンテンツと同じフォーマットのコンテンツがムーブ用コンテンツとして記録されるようにしてもよい。
また、ムーブ用コンテンツ生成部53は、記録設定管理部54から供給されてくる設定情報に応じて、複数のムーブ用コンテンツを生成することもある。
記録設定管理部54は、例えば、ユーザにより設定されたコンテンツの記録に関する設定を表す設定情報をムーブ用コンテンツ生成部53に出力する。この設定情報には、例えば、ムーブ用コンテンツのフォーマットを指定する情報、生成するムーブ用コンテンツの数を指定する情報などが含まれる。ユーザによる設定は、記録装置1を制御する図示せぬリモートコントローラや、記録装置1の筐体表面に設けられたボタンを用いて行われる。
HDD25のオリジナルコンテンツ記録部55は、HDD記録制御部52から供給されてきたオリジナルコンテンツを記録し、ムーブ用コンテンツ記録部56は、ムーブ用コンテンツを記録する。オリジナルコンテンツ記録部55に記録されたオリジナルコンテンツとムーブ用コンテンツ記録部56に記録されたムーブ用コンテンツは、ムーブ制御部57により適宜読み出され、光ディスク27や半導体メモリ29へのムーブに用いられる。
このように、オリジナルコンテンツ自体も、適宜、ムーブに用いられる。また、オリジナルコンテンツは、HDD25からのコンテンツの再生にも用いられる。再生が指示されたとき、オリジナルコンテンツはHDD25から読み出され、オーディオデコーダ22、ビデオデコーダ23によりデコードされる。
ムーブ制御部57は、例えば、ユーザにより、オリジナルコンテンツ記録部55に記録されているオリジナルコンテンツのムーブが指示されたとき、光ディスクドライブ26を制御して、光ディスク27にオリジナルコンテンツをムーブさせる。すなわち、ムーブ制御部57は、ムーブが終わったオリジナルコンテンツの部分を消去、または無効化しつつ、全てのムーブが終わったとき、オリジナルコンテンツ記録部55に記録されているオリジナルコンテンツを全て消去、または無効化し、利用不可とすることによってムーブを行う。
また、ムーブ制御部57は、ユーザにより、ムーブ用コンテンツ記録部56に記録されているムーブ用コンテンツのムーブが指示されたとき、光ディスクドライブ26を制御して、光ディスク27にムーブ用コンテンツをムーブさせる。
リスト表示部58は、オリジナルコンテンツ記録部55およびムーブ用コンテンツ記録部56に記録されているコンテンツを参照し、ビデオデコーダ23のOSD機能を用いて、ムーブ可能なコンテンツのリストを外部のディスプレイに表示させる。このリストから、ユーザは、ムーブするコンテンツを選択することができる。
図4はリスト表示部58により表示されるリストの例を示す図である。
図4に示すように、リストには、オリジナルコンテンツ記録部55に記録されているコンテンツのタイトルが一覧表示される。図4の例においては、番組#1乃至#5が、ユーザが操作(ムーブを含む)可能なコンテンツのタイトルとして表示されている。
また、図4の例においては、点線矢印の先に示すように、番組#1乃至#5のうちの番組#2と#4は、「1世代のみコピー可」のコンテンツであり、それぞれ、ムーブ用コンテンツもHDD25に記録されていることが示されている。
このように、リスト表示部58は、オリジナルコンテンツの他にムーブ用コンテンツがあるコンテンツについては、タイトルを1つだけ表示し、ムーブ用コンテンツのタイトルは表示しない。
仮に、あるコンテンツについて、オリジナルコンテンツの他にムーブ用コンテンツもHDD25に記録されていることから、それぞれのタイトル、すなわち、2つの同じタイトルをリスト上に表示するとした場合、ユーザが、どのタイトルを選択すればよいのか迷うおそれがあるが、このように、1つのタイトルのみが表示されるようにすることで、そのようなおそれもなくなる。
また、2つの同じタイトルが表示されている場合、「1世代のみコピー可」のコンテンツであるにもかかわらず、いかにも複製が作成されているという印象をコンテンツの著作権者に与え、さらに複製が作られるのではという懸念をも与えてしまうおそれがあるが、そのようなおそれを著作権者に与えることも防ぐことができる。
このようなリストが表示されている状態で、例えば、カーソルなどを移動させてユーザが所定の番組のタイトルを選択したとき、そのタイトルのコンテンツをHDD25上から再生する、ムーブする、コピーする、といったように、それぞれのコンテンツに応じて、選択可能な操作内容のメニューが表示される。
例えば、「制約条件なしにコピー可」のコンテンツである番組#1を選択した場合、「再生する」、「コピーする」の中から操作内容を選択することができるメニューが表示される。ユーザは、そのメニューから、番組#1のタイトルのオリジナルコンテンツを操作することができる。
また、例えば、「1世代のみコピー可」のコンテンツである番組#2を選択した場合、「(オリジナルコンテンツを)再生する」、「オリジナルコンテンツをムーブする」、「ムーブ用コンテンツをムーブする」の中から操作内容を選択することができるメニューが表示される。ユーザは、そのメニューから、番組#2のタイトルのオリジナルコンテンツ、またはムーブ用コンテンツを操作することができる。
なお、オリジナルコンテンツとムーブ用コンテンツが記録されている場合、操作内容として、「オリジナルコンテンツをムーブする」、「ムーブ用コンテンツをムーブする」が別々に表示されるのではなく、単に、「ムーブする」のみが表示され、それが選択されたとき、自動的に、ムーブ用コンテンツのムーブが行われるようにしてもよい。これにより、ユーザ、または著作権者は、ムーブ用コンテンツの存在を意識しなくて済む。
このようにして番組#2のタイトルを選択したときに表示されるメニューから、例えば、ユーザが「オリジナルコンテンツをムーブする」を選択した場合、ムーブ制御部57により、オリジナルコンテンツ記録部55に記録されているオリジナルコンテンツのムーブが行われる。一方、ユーザが、「ムーブ用コンテンツをムーブする」を選択した場合、ムーブ制御部57により、ムーブ用コンテンツ記録部56に記録されているムーブ用コンテンツのムーブが行われる。
図5は、ムーブ後のリストの表示の例を示す図である。
「1世代のみコピー可」のコンテンツ(オリジナルコンテンツ)を光ディスク27等にムーブさせた場合、HDD25からはそのコンテンツを利用できなくなるから、ムーブ可能なコンテンツのタイトルからなるリストには、そのムーブされたコンテンツのタイトルは表示されない。
図5の例においては、番組#2と#3は「1世代のみコピー可」のコンテンツである。この2つのオリジナルコンテンツがムーブされた場合のリストの表示について説明する。
例えば、番組#3は、ムーブ用コンテンツがHDD25に記録されていないコンテンツ(オリジナルコンテンツのみ記録されているコンテンツ)であり、それがムーブされた場合、図5に示すように、リスト表示部58により表示されるリストから番組#3は消される。
一方、番組#3と同じ「1世代のみコピー可」のコンテンツではあるが、番組#2は、ムーブ用コンテンツがHDD25に記録されているから、ムーブされた後であっても、リスト表示部58により表示されるリストから番組#2は消されず、その表示は継続される。従って、ユーザは、番組#2を選択したときに表示されるメニューから、番組#2のムーブ用コンテンツをムーブさせることができる。
このように、オリジナルコンテンツがムーブされた場合でも、ムーブ用コンテンツが残っているときには、そのムーブ用コンテンツをリストの表示上はいわば「格上げ」し、リストに表示されるようにすることによって、ユーザは、オリジナルコンテンツとムーブ用コンテンツの違いを意識することなく、オリジナルコンテンツと同様に、ムーブ用コンテンツを操作することができる。
なお、ムーブ用コンテンツを格上げするのではなく、オリジナルコンテンツとムーブ用コンテンツが記録されている場合において、オリジナルコンテンツがムーブされた場合、ムーブ用コンテンツがHDD25に残っているときでも、そのムーブ用コンテンツを利用不可とするようにしてもよい。
次に、以上のような構成を有する記録装置1の動作について説明する。
始めに、図6のフローチャートを参照して、記録装置1の記録処理について説明する。
この処理は、例えば、チューナ部17により受信されたトランスポートストリームがデスクランブラ18によりデスクランブルされ、デスクランブルされたトランスポートストリームから、所定のコンテンツ(ビデオ、オーディオパケット)、およびPMTがデマルチプレクサ21により抽出されたときに行われる。また、図6の例においては、HDD25へのコンテンツの記録操作がユーザにより予め行われているものとする。
ステップS1において、解析部51は、デマルチプレクサ21から供給されてきたPSIのPMTを解析し、ディジタルコピー制御記述子があるか否かを判定する。
ステップS1において、ディジタルコピー制御記述子がないと判定された場合、ステップS2において、HDD25へのコンテンツの通常の記録処理が行われる。ディジタルコピー制御記述子がない場合、ディジタルコピー制御記述子がないことを表す情報が解析部51からHDD記録制御部52に供給され、HDD記録制御部52により、「制約条件なしにコピー可」のコンテンツとしてHDD25のオリジナルコンテンツ記録部55に記録される。その後、処理は終了される。
一方、ステップS1において、解析部51は、ディジタルコピー制御記述子があると判定した場合、ステップS3に進み、「digital_recording_control_data」の値を判定する。
ステップS3において、解析部51は、「digital_recording_control_data」の値が00bである、すなわち、受信されたコンテンツが「制約条件なしにコピー可」のコンテンツであると判定した場合、ステップS2に進み、通常の記録処理を行う。このときも、ディジタルコピー制御記述子がないときと同様、「制約条件なしにコピー可」のオリジナルコンテンツがオリジナルコンテンツ記録部55に記録される。
また、ステップS3において、解析部51は、「digital_recording_control_data」の値が11bである、すなわち、受信されたコンテンツが「コピー禁止」のコンテンツであると判定した場合、また、01bであると判定した場合、ステップS4に進み、HDD25への記録を行わない。この場合、コンテンツのリアルタイムでの再生のみが可能とされ、その後、処理は終了される。
一方、ステップS3において、解析部51は、「digital_recording_control_data」の値が10bである、すなわち、受信されたコンテンツが「1世代のみコピー可」のコンテンツであると判定した場合、ステップS5に進む。HDD記録制御部52とムーブ用コンテンツ生成部53に対しては、供給されてきたコンテンツが「1世代のみコピー可」であることを表す情報が解析部51から出力される。
ステップS5において、ムーブ用コンテンツ生成部53は、記録設定管理部54から供給されてくる設定情報に基づいて、オリジナルコンテンツの他に、ムーブ用コンテンツをHDD25に記録すること(複数のコンテンツを記録すること)がユーザにより指定されているか否かを判定し、指定されていないと判定した場合、ステップS2に進む。このとき、通常の記録処理が行われ、受信された「1世代のみコピー可」のコンテンツは、以降のコピーが禁止(ムーブは可能)であることを表すCCIが付加され、オリジナルコンテンツ記録部55に記録される。
一方、ステップS5において、ムーブ用コンテンツ生成部53は、オリジナルコンテンツの他に、ムーブ用コンテンツを記録することがユーザにより指定されていると判定した場合、ステップS6に進み、次に、ムーブ先が指定されているか否かを設定情報に基づいて判定する。
ムーブ用コンテンツ生成部53は、ステップS6において、ムーブ先が指定されていると判定した場合、ステップS7に進む。
ステップS7においては、オリジナルコンテンツの記録と、ユーザにより指定されたフォーマット、個数のムーブ用コンテンツの記録が、HDD記録制御部52により同時に行われる。
すなわち、ムーブ用コンテンツ生成部53は、ユーザにより指定されたムーブ先に応じたフォーマットで、かつ、ユーザにより指定された個数のムーブ用コンテンツを生成し、それをHDD記録制御部52に出力する。また、HDD記録制御部52は、オリジナルコンテンツをオリジナルコンテンツ記録部55に記録させるとともに、ムーブ用コンテンツ生成部53から供給されてきたムーブ用コンテンツをムーブ用コンテンツ記録部56に記録させる。その後、処理は終了される。
一方、ステップS6において、ムーブ先が指定されていないと判定された場合、処理はステップS8に進み、オリジナルコンテンツの記録と、所定のフォーマット、所定の個数のムーブ用コンテンツの記録が、HDD記録制御部52により同時に行われる。
すなわち、ムーブ用コンテンツ生成部53は、例えば、オリジナルコンテンツと同じフォーマットで、1個のムーブ用コンテンツを生成し、それをHDD記録制御部52に出力する。また、HDD記録制御部52は、オリジナルコンテンツをオリジナルコンテンツ記録部55に記録させるとともに、ムーブ用コンテンツ生成部53から供給されてきた1個のムーブ用コンテンツをムーブ用コンテンツ記録部56に記録させる。その後、処理は終了される。
次に、図7のフローチャートを参照して、記録装置1のムーブ/コピー処理について説明する。
ステップS21において、ムーブ制御部57は、リスト表示部58により表示されたリストに対するユーザの操作を受け付け、ステップS22に進み、ユーザによりタイトルが選択されたコンテンツのCCIの設定を判定する。
オリジナルコンテンツ記録部55に記録されているコンテンツのうち、「制約条件なしにコピー可」のコンテンツに対してはコピーフリーであることを表すCCIが付加されており、「1世代のみコピー可」のコンテンツに対してはそれ以降のコピーが禁止であることを表すCCIが付加されている。
ステップS22において、コンテンツのCCIの設定がコピーフリーであると判定した場合、ムーブ制御部57は、ステップS23に進み、通常のコピー処理を行う。ここでは、例えば、ユーザにより選択された操作内容に応じて、オリジナルコンテンツ記録部55に記録されているコンテンツの光ディスク27、半導体メモリ29に対するコピー、または、通信部30を介して接続される外部機器へのコピーが行われる。その後、処理は終了される。
一方、ステップS22において、ユーザによりタイトルが選択されたコンテンツのCCIの設定がコピー禁止であると判定した場合、ムーブ制御部57は、ステップS24に進み、ユーザによりタイトルが選択されたコンテンツのムーブ用コンテンツがムーブ用コンテンツ記録部56に記録されているか否かを判定する。
ステップS24において、ムーブ制御部57は、ムーブ用コンテンツがムーブ用コンテンツ記録部56に記録されていないと判定した場合、ステップS25に進み、通常のムーブ処理を行う。すなわち、ムーブ制御部57は、ムーブが終わったオリジナルコンテンツの部分を消去、または無効化しつつ、全てのムーブの終わったとき、オリジナルコンテンツ記録部55に記録されているオリジナルコンテンツを全て消去、または無効化し、利用不可とすることによって、ユーザにより選択されたコンテンツのムーブを行う。その後、処理は終了される。
なお、ここでムーブが行われたコンテンツ(オリジナルコンテンツ)については、ムーブ用コンテンツがないことから、それ以降、そのコンテンツのタイトルはムーブ可能なコンテンツのリストに表示されないことになる。
ムーブ制御部57は、ステップS24において、ムーブ用コンテンツがムーブ用コンテンツ記録部56に記録されていると判定した場合、ステップS26に進み、ムーブ先のフォーマットと、ムーブ用コンテンツのフォーマットが一致するか否かを判定する。ムーブ先は、例えば、リスト上において、コンテンツのタイトルを選択したときに表示されるメニューからユーザにより選択される。
例えば、ムーブ制御部57は、ムーブ先として光ディスク27が指定されている場合、ムーブ用コンテンツのフォーマットがMPEG2フォーマットであるか否かを判定し、また、ムーブ先として半導体メモリ29が指定されている場合、ムーブ用コンテンツのフォーマットがMPEG4フォーマットであるか否かを判定する。
ムーブ制御部57は、ステップS26において、ムーブ先のフォーマットと、ムーブ用コンテンツのフォーマットが一致すると判定した場合、ステップS27に進み、ムーブ用コンテンツを用いたムーブ処理を行う。
一方、ムーブ制御部57は、ステップS26において、ムーブ先のフォーマットと、ムーブ用コンテンツのフォーマットが一致しないと判定した場合、ステップS28に進み、ユーザに対して、ムーブ用コンテンツの選択を要求する。ここでは、例えば、ムーブ用コンテンツ記録部56に記録されている、フォーマットが異なる複数のムーブ用コンテンツの一覧が表示され、その中からユーザが選択することができるようになされる。
なお、フォーマットが異なる複数のムーブ用コンテンツを記録するのではなく、所定のフォーマットのムーブ用コンテンツを記録しておき、ムーブ先のフォーマットがユーザにより選択されることに応じて、ムーブ用コンテンツのフォーマットの変換が行われ、フォーマット変換後のムーブ用コンテンツがムーブされるようにしてもよい。
ステップS29において、ムーブ制御部57は、ムーブ先のフォーマットと一致するフォーマットのムーブ用コンテンツが選択されたか否かを判定し、選択されたと判定した場合、ステップS27に進み、その、選択されたフォーマットのムーブ用コンテンツをムーブさせる。ムーブ制御部57は、ステップS29において、ユーザによる選択がないと判定した場合、処理を終了させる。
以上のようにして、HDD25に記録されたコンテンツのムーブ/コピーが、そのコンテンツに設定されているCCIに基づいて行われる。
以上の一連の記録処理、ムーブ/コピー処理により、ユーザは、複製が無制限に作成されるのを防ぐための制限がなされている範囲内で、比較的自由にコンテンツを扱うことができる。
例えば、光ディスク27と半導体メモリ29のフォーマットに応じたムーブ用コンテンツを生成しておき、それぞれのリムーバブルメディアに対して所定のタイミングでムーブを行うことによって、一方は、光ディスク27を所定のプレーヤに装着して大画面でコンテンツを視聴し、他方は、半導体メモリ29を携帯電話機に装着して屋外でコンテンツを視聴するといったような多様な使い方を実現することができる。当然、HDD25にはオリジナルコンテンツが残っているから、ユーザは、そのオリジナルコンテンツをHDD25上から再生させ、記録装置1に接続されているテレビジョン受像機を用いて視聴することもできる。
また、ユーザは、所定のタイミングでムーブを行うことができるから、オリジナルコンテンツの記録前にムーブ先まで予め指定しておく必要はなく、メディアの選択枝の幅を広げることができる。
さらに、このように、コンテンツの使い方に自由度があるものの、複製が無制限に作成されることはない。
以上においては、例えば、「1世代のみコピー可」のコンテンツであっても、ムーブ用コンテンツをHDD25に記録しておくことにより複数回のムーブが可能とされるとしたが、ムーブ用コンテンツを生成することなく、オリジナルコンテンツにムーブ可能な回数をカウントするムーブカウンタを設定し、そのムーブカウンタの値の範囲内で複数回のムーブが可能とされるようにしてもよい。
すなわち、この場合、HDD25に記録されるコンテンツはオリジナルコンテンツのみであり、ムーブが指示されたとき、オリジナルコンテンツから生成された1つのコピーがムーブ用コンテンツとされ、そのムーブ用コンテンツがムーブされる。また、このとき、ムーブ先のフォーマットに応じて、ムーブ用コンテンツのフォーマットの変換が行われるとともに、ムーブが終了したとき、ムーブカウンタの値が1だけ減らされる。
これによっても、複製が無制限に作成されるのを防ぎつつ、コンテンツの使い方の自由度を高めることができる。
図8は、このように、ムーブの回数がムーブカウンタの値により管理される場合のムーブ制御部57の構成例を示すブロック図である。
ムーブカウンタ管理部71は、ムーブカウンタの値を管理する。フォーマット変換部72は、ムーブ先に応じて、オリジナルコンテンツのコピーであるムーブ用コンテンツを生成し、生成したムーブ用コンテンツのフォーマットを適宜変換することによって得られたフォーマット変換後のコンテンツをムーブさせる。
次に、このように、ムーブの回数がムーブカウンタの値により管理される場合の記録装置1の動作について説明する。
始めに、図9のフローチャートを参照して、記録装置1の記録処理について説明する。
ステップS41乃至S44の処理は、図6のステップS1乃至S4の処理と同様の処理である。
すなわち、ステップS41において、ディジタルコピー制御記述子があるか否かが判定され、ディジタルコピー制御記述子がないと判定された場合、ステップS42に進み、通常の記録処理が行われる。ここでは、供給されてきたコンテンツが、「制約条件なしにコピー可」のコンテンツとしてHDD25のオリジナルコンテンツ記録部55に記録され、その後、処理は終了される。
一方、ステップS41において、ディジタルコピー制御記述子があると判定された場合、ステップS43に進み、「digital_recording_control_data」の値が判定される。
ステップS43において、「digital_recording_control_data」の値が00b(「制約条件なしにコピー可」のコンテンツ)であると判定された場合、ステップS42に進み、通常の記録処理が行われ、一方、「digital_recording_control_data」の値が11b(「コピー禁止」のコンテンツ)または01bであると判定された場合、ステップS44に進み、HDD25への記録は行われない。ステップS44においては、コンテンツのリアルタイムでの再生のみが可能とされ、その後、処理は終了される。
ステップS43において、「digital_recording_control_data」の値が10b(「1世代のみコピー可」のコンテンツ)であると判定された場合、ステップS45に進む。
ステップS45において、HDD記録制御部52は、複数回のムーブを可能とすることがユーザにより指定されているか否かを判定し、指定されていないと判定した場合、ステップS42に進む。ステップS42においては、通常の記録処理、すなわち、供給されてきたコンテンツをオリジナルコンテンツ記録部55に記録する処理が行われる。このとき、CCIはムーブ禁止を表すものとなるように設定される。
一方、ステップS45において、HDD記録制御部52は、複数回のムーブを可能とすることがユーザにより指定されていると判定した場合、ステップS46に進み、HDD25のオリジナルコンテンツ記録部55にコンテンツを記録させるとともに、ムーブカウンタを記録させる。ここで記録されるムーブカウンタには、例えば、ユーザにより設定された回数だけムーブが可能であることを表すような値が設定される。設定されたムーブカウンタの値は、1回のムーブ毎に、ムーブカウンタ管理部71により更新される(減らされる)。
次に、図10のフローチャートを参照して、記録装置1のムーブ/コピー処理について説明する。
ステップS51乃至S53の処理は、図7のステップS21乃至S23の処理と同様の処理である。
ステップS51において、例えば、ムーブ可能なコンテンツのリスト上でユーザにより行われた操作が受け付けられ、ステップS52に進み、ユーザにより選択されたコンテンツのCCIの設定が判定される。
ステップS52において、ユーザにより選択されたコンテンツのCCIの設定がコピーフリーを表すと判定された場合、ステップS53に進み、通常のコピー処理が行われる。ここでは、例えば、ユーザにより選択された操作内容に応じて、オリジナルコンテンツ記録部55に記録されているコンテンツの光ディスク27、半導体メモリ29に対するコピー等が行われる。その後、処理は終了される。
一方、ステップS52において、ユーザによりタイトルが選択されたコンテンツのCCIの設定がコピー禁止であると判定された場合、処理はステップS54に進む。
ステップS54において、ムーブ制御部57のムーブカウンタ管理部71は、ムーブカウンタの値を判定し、値が1である、すなわち、残り1回のムーブが可能であると判定した場合、ステップS55に進み、通常のムーブ処理を行う。例えば、ムーブ制御部57は、オリジナルコンテンツ記録部55に記録されているコンテンツをムーブさせ、ムーブが全て終わったとき、HDD25からは、そのコンテンツを利用不可とする。また、このとき、ムーブカウンタ自体の記録が消去される。その後、処理は終了される。
一方、ステップS54において、ムーブ制御部57のムーブカウンタ管理部71は、ムーブカウンタの値が2以上であると判定した場合、ステップS56に進む。
ステップS56において、ムーブ制御部57はオリジナルコンテンツ記録部55に記録されているコンテンツのコピーをムーブ用コンテンツとして1つ生成し、ムーブ先のフォーマットと、生成したムーブ用コンテンツのフォーマットが一致するか否かを判定する。
ムーブ制御部57は、ステップS56において、ムーブ先のフォーマットと、ムーブ用コンテンツのフォーマットが一致すると判定した場合、ステップS57に進み、そのムーブ用コンテンツを用いたムーブ処理を行うとともに、ムーブカウンタ管理部71によりムーブカウンタの値を1だけ減らす。その後、処理は終了される。
ステップS56において、ムーブ先のフォーマットと、ムーブ用コンテンツのフォーマットが一致しないと判定した場合、ムーブ制御部57は、ステップS58に進み、ユーザに対して、ムーブ用コンテンツの選択を要求する。
ステップS59において、ムーブ制御部57は、ムーブ先のフォーマットと一致するフォーマットが選択されたか否かを判定し、フォーマットが選択されたと判定した場合、ステップS57に進む。
ステップS57において、ムーブ制御部57は、オリジナルコンテンツから生成したムーブ用コンテンツのフォーマットをフォーマット変換部72により変換し、変換後のムーブ用コンテンツをムーブさせる。また、このとき、ムーブ制御部57は、ムーブカウンタ管理部71によりムーブカウンタの値を1だけ減らす。
一方、ムーブ制御部57は、ステップS59において、ユーザによる選択がないと判定した場合、処理を終了させる。
以上の処理によっても、複製が無制限に作成されるのを防ぎつつ、コンテンツの使い方の自由度を高めることができる。また、オリジナルコンテンツとは別にムーブ用コンテンツを生成し、それを記録させておく場合に較べて、HDD25の記録容量を圧迫してしまうことを防止することができる。
なお、図9の処理においては、オリジナルコンテンツの記録時にムーブ用コンテンツが生成されないものとしたが、ムーブ用コンテンツが1つだけ生成され、それに対して、ムーブ可能な回数がムーブカウンタにより設定されるようにしてもよい。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、図2に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、光ディスク27、または半導体メモリ29などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM13や、HDD25に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、各ステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。