以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る放送受信装置を含むデジタル放送受信システムの構成を概略的に示す図である。なお、本発明の実施の形態では、デジタル放送を前提に説明を行うが、デジタル放送に限定されるものではない。
図1において、デジタル放送受信システムは、放送受信装置としてのデジタルテレビ(DTV)101、パーソナルビデオレコーダ(PVR)102(録画機器)、及びアンテナ103を備える。
デジタルテレビ101は、デジタル放送を受信し、受信した放送データをデコードして映像や音声を出力する。
PVR102は、記録メディアを内蔵し、該記録メディアに映像データや音声データを記録する。記録メディアは、DVD等の光ディスクや、ハードディスク等の磁気ディスクがある。PVR102により記録された映像データや音声データは、デジタルテレビ101によって再生することができる。
アンテナ103は、地上デジタル放送信号や衛星デジタル放送信号を受信する。リモートコントローラ(以下、単に「リモコン」という)104は、ユーザの指示入力に基づいてデジタルテレビ101に指示信号を送信する。リモートコントローラ(以下、単に「リモコンという)105は、PVR102に指示信号を送信する。
アンテナケーブル106は、アンテナ103とデジタルテレビ101及びPVR102を接続する。デジタルケーブル107は、デジタルテレビ101とPVR102を接続する。このデジタルケーブル107はIEEE1394形式や、LAN(Local Area Network)等が考えられる。特に伝送形式は問わない。
尚、図1では、デジタルテレビ101、PVR102をそれぞれ別の筐体として示しているが、本発明はシステム構成によって限定されるものではない。例えば、デジタルテレビ101とPVR102は同一の筐体に納められていてもよい。
また、本実施の形態では、アンテナ103を用いてテレビジョン放送データを受信するが、アンテナ103の代わりにケーブルを用いてテレビジョン放送データを受信してもよい。
図2は、図1におけるデジタルテレビ101の構成を示すブロック図である。
図2のデジタルテレビ101は、以下の構成要素(動作機能部)を備える。
201は、アンテナ103からの地上波デジタル放送、BSデジタル放送、CSデジタル放送をアンテナケーブル106を介して受信し、TSデータを生成するチューナ部である。具体的には、チューナ部201は、受信した信号に対して復調、誤り訂正等の処理を施し、その後、トランスポートストリーム(TS)と呼ばれる形式のデジタルデータ(TSデータ)を生成する。ここで、トランスポートストリームとは、複数の番組を1つのストリーム(データ列)にして伝送可能なMPEG(Moving Picture Experts Group)のプロトコルである。また、チューナ部201は、選局指示を受けた場合に、デジタル放送信号から所定のチャンネルのTSデータを生成する。
また、チューナ部201は、TSデータとともにTSデータに重畳されたTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号を復調し出力する。TMCC信号は、伝送路上での信号単位(スロット)毎に、変調方式や誤り訂正方式を指定可能な階層変調方式を実現するための伝送多重制御信号を指す。
202は、チューナ部201、外部機器制御部214及び内部蓄積制御部215から出力されるTSデータをパケット識別子(PID)でフィルタリングして各種データに分離するデマルチプレクサである。具体的には、デマルチプレクサ202は、入力されたTSデータを、MPEG2画像データ、MPEG2音声データ、データ放送用データ等の複数のパケットデータに分離する。デマルチプレクサ202は、デスクランブル処理を行うために、暗号解読キーを格納したCAM(Conditional Access Module)208からキーを読み出し、暗号化されたTSデータを解読する。
203は、デマルチプレクサ202によって分離されたMPEG2画像データを復号するMPEG2ビデオデコーダである。
204は、MPEG2ビデオデコーダ203により復号された画像データと後述するシステム制御部207により生成された表示データとを切替又は合成して出力する映像出力部である。映像出力部204は、フレームメモリ211を用いて上記の画像を合成し、後述する表示部217の仕様に合った信号フォーマットの映像データに変換する。
205は、デマルチプレクサ202によって分離されたMPEG2音声データを復号するMPEG2オーディオデコーダである。
206は、MPEG2オーディオデコーダ205で復号された音声データをステレオ音声等のアナログ音声信号に変換し、該アナログ音声信号をスピーカ218に出力するD/A変換部である。
207は、デジタルテレビ101が有する各機能を制御するシステム制御部(ワークメモリを含む)である。システム制御部207は、後述する制御信号バス219を介して各動作機能部を統括的に制御する。
また、システム制御部207は、デマルチプレクサ202により分離されたPMT(Program Map Table)等のテーブルデータやデータ放送用データ等のデジタルデータを解読する処理を行う。
システム制御部207は、映像出力部204に送信する表示データを生成する処理を行う。具体的には、システム制御部207の制御により不図示の画像描画部によって表示情報が描画され、該描画された表示データが映像出力部204に送信される。また、システム制御部207は、後述する番組情報記憶部212に番組情報を記憶させる処理を行う。
208は、図示しないCPU、ROM、RAM等から構成されるICカードの読取装置を含むCAM(Conditional Access Module)である。デマルチプレクサ202は、ICカードに含まれる暗号解読キー及び解読プログラムを用いて、暗号化されたTSデータを解読する。
209は、システム制御部207に接続され、PVR102に記録されている番組データを含むファイルの情報(ファイル情報)を管理するファイル管理部である。
210は、ユーザがリモコン104や図示しない操作パネルを操作することにより、放送受信に関する各種操作の指示が入力される操作入力部である。
211は、映像出力部204が画像を合成する際に、画像の一時蓄積用メモリ(リングバッファ)として使用されるフレームメモリである。
212は、番組選択のための番組情報や、ファイル管理部209により管理されたファイル情報を記憶する番組情報記憶部である。
213は、デマルチプレクサ202によって分離された複数のパケットデータを蓄積用TSデータ(録画用番組データ)として多重化するマルチプレクサである。
214は、マルチプレクサ213により多重化された蓄積用TSデータを、デジタルケーブル107を介して接続されたPVR102に出力する外部機器制御部である。尚、外部機器制御部214は、TSデータをPVR102に出力するだけでなく、PVR102からのTSデータの読み出しやファイル情報の読み出し等の制御を行う。
215は、マルチプレクサ213により多重化された蓄積用TSデータを蓄積用メモリ216に記録する内部蓄積制御部である。尚、内部蓄積制御部215は、蓄積用TSデータを蓄積用メモリ216に記録するだけでなく、蓄積用メモリ216に記録されたTSデータを読み出す(再生する)ことが可能である。
216は、内部蓄積制御部215に内蔵され、内部蓄積制御部215が扱う蓄積用TSデータを格納する蓄積用メモリである。蓄積用メモリ216としては、電源を切ってもデータを失わないように磁気ディスク、フラッシュメモリ等のメディアが用いられ、あるいは電源が入っている時の一時的な記憶のためにRAMが用いられ、又は上記メディア及びRAMの双方が用いられる。
217は、映像出力部204から出力された映像データを表示する表示部である。表示部217としては、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶パネル、プラズマパネル、FED(Field Emission display)、EL(Electroluminescence)パネル等が用いられる。
218は、D/A変換部206より出力される音声信号を音に変換するスピーカである。スピーカ218は、ステレオの場合は2ch(チャンネル)出力、サラウンドの場合は5.1ch出力を行う。219は、システム制御部207と各動作機能部をつなぐ制御信号バスである。
次に、図1のデジタル放送受信システムで実行されるデジタル放送の出力処理を説明する。
まず、ユーザがリモコン104を用いて所定のチャンネルに対応する指示を入力すると、該指示入力が操作入力部210を介してチャンネル情報(サービスID)としてシステム制御部207に入力される。
システム制御部207は、入力されたチャンネル情報を、周波数やTSID等の情報に変換する。尚、TSIDとはトランスポートストリームのID情報である。
システム制御部207は、周波数及びTSIDをチューナ部201に設定する。チューナ部201は、システム制御部207により設定された周波数に応じたチャンネルの信号を受信するように動作し、受信した信号をTSデータに変換する。
チューナ部201で変換されたTSデータは、デマルチプレクサ202によってMPEG2画像データ、MPEG2音声データ、テーブルデータ等の複数のパケットデータに分離される。MPEG2画像データは、MPEG2ビデオデコーダ203によってデコードされ、フレームまたはフィールド単位の画像データとなる。また、MPEG2音声データは、MPEG2オーディオデコーダ205によってデコードされ、連続的な音声データとなる。テーブルデータ等のその他のパケットデータは、システム制御部207によって所定の処理が施される。
尚、チューナ部201から出力されたTSデータが暗号化されたスクランブル信号である場合、デマルチプレクサ202はCAM208を用いて暗号解読処理を行う。
映像出力部204は、MPEG2ビデオデコーダ203でデコードされた画像データを表示用の映像データに変換する。
また、D/A変換部206は、MPEG2オーディオデコーダ205でデコードされた音声データに対してD/A変換処理を実行する。ステレオの場合、音声データはD/A変換処理によって左チャンネルと右チャンネルの信号として出力される。最終的に、映像データと音声データは、表示部217とスピーカ218からユーザが視聴可能な形態で出力される。
次に、図1のデジタル放送受信システムで実行されるデジタル放送の録画処理を説明する。TSデータがデマルチプレクサ202に入力されるまでの各処理は、上述したデジタル放送の出力処理と同様であるので、その説明を省略する。
デマルチプレクサ202に入力されたTSデータは、マルチプレクサ213によって蓄積用TSデータに変換される。
マルチプレクサ213から出力された蓄積用TSデータは、外部機器制御部214及び/又は内部蓄積制御部215に入力される。外部機器制御部214及び/又は内部蓄積制御部215は、入力された蓄積用TSデータに対してDTCP(Digital Transmission Content Protection)や独自暗号化処理等の著作権保護処理を施す。
著作権保護処理が施された蓄積用TSデータは、PVR102及び/又は蓄積用メモリ216に出力され、PVR102及び/又は蓄積用メモリ216に記録される。
ここで、PVR102は、通常、蓄積用TSデータを蓄積する蓄積用メモリを備えている。今実施の形態では、デジタルテレビ101の蓄積用メモリ216の構成は、PVR102の蓄積用メモリと同様である。この場合、外部機器制御部214が所定のチャンネルに対応する指示信号をPVR102に出力し、さらに、録画の指示信号をPVR102に送信することにより、PVR102の蓄積用メモリに蓄積用TSデータを記録させることが可能である。
また、PVR102は、リモコン105からの指示入力により、デジタルテレビ101とは独立に蓄積用TSデータを蓄積用メモリに記録することも可能である。
本実施の形態では、システム制御部207は、PVR102への録画指示が入力されていない場合又はPVR102が待機状態でない場合(通電状態であった場合)は、蓄積用メモリ216に蓄積用TSデータを記録する通常録画モードを選択し、PVR102への録画指示が入力され且つPVR102が待機状態である場合(通電状態でない場合)は、PVR102の蓄積用メモリに蓄積用TSデータを記録するクイック録画モードを選択する。
次に、PVR102に記録されたTSデータの再生処理について説明する。
まず、PVR102に記録されている複数の番組から再生する番組を選択するため、ファイル管理部209は、システム制御部207及び外部機器制御部214を介してPVR102に記録されている番組データを含むファイル情報を取得する。
表示部217は、ファイル管理部209が取得したファイル情報(図3参照)に基づいて作成される録画番組リスト(図4参照)を表示する。なお、図3に示すように、各番組データのファイル名は重複しないように割り振られ、番組名、開始時間等の情報がファイル情報として管理される。
表示部217に表示される録画番組リストには、例えば、図4のように、録画された各番組の日付、番組名、放送チャンネル、録画時間等の情報が表示される。ユーザは、リモコン104を用いて、再生する番組を選択する。
ユーザにより選択された番組のTSデータは、PVR102からデジタルケーブル107を介して外部機器制御部214に入力される。入力されたTSデータに著作権保護処理が施されている場合は、DTCP等の処理シーケンスが実行される。その後、TSデータは外部機器制御部214からデマルチプレクサ202に入力される。
デマルチプレクサ202は、TSデータをMPEG2画像データ、MPEG2音声データ、テーブルデータ等の複数のパケットデータに分離する。分離されたMPEG2画像データは、MPEG2ビデオデコーダ203によってデコードされ、MPEG2音声データは、MPEG2オーディオデコーダ205によってデコードされる。データ放送用データ等のその他のパケットデータは、システム制御部207によって所定の処理がなされる。デコードされた各データに対する処理は、上述した出力処理と同様であるので、その説明を省略する。
次に、蓄積用メモリ216に記録された蓄積用TSデータの再生処理について説明する。尚、蓄積用メモリ216に記録されている複数の番組から再生する番組を選択する方法は、上記PVR102に記録されたTSデータの再生処理と同様であるので、その説明を省略する。本再生処理では、ファイル管理部209は、システム制御部207及び内部蓄積制御部215を介して、蓄積用メモリ216に記録されている番組データを含むファイル情報を取得する。また、内部蓄積制御部215は外部蓄積制御部214とは異なる著作権保護処理を実行し、独自暗号化処理が施されている場合は復号処理が行われる。
蓄積用メモリ216に記録されている番組のファイル情報はファイル管理部209で管理されており、番組情報記憶部212に図3に示すようなファイル情報が保存される。表示部217は、番組情報記憶部212に保存されたファイル情報に基づいて図4に示すような録画番組リストを表示する。表示部217に表示される録画番組リストには、例えば、図4のように、録画された各番組の日付、番組名、放送チャンネル、録画時間等の情報が表示される。ユーザは、リモコン104を用いて、再生する番組を選択する。
(第1の実施の形態)
次に、図5を用いて、PVR102が待機状態である場合にユーザからの指示によりデジタルテレビ101で受信中の番組を録画する処理について説明する。
図5は、図2のデジタルテレビ101により実行される録画処理を示すフローチャートである。尚、本処理は、図2におけるシステム制御部207が各動作機能部を制御すると共に外部機器制御部214を介してPVR102を制御することによって実行される。
図5において、デジタルテレビ101は通常の放送を受信している状態となっている。
まず、ユーザがリモコン104等を用いて録画の指示を入力すると、該指示入力が操作入力部210を介してシステム制御部207に入力される。次に、入力された指示がPVR102への録画指示であり且つPVR102が待機状態であるか否かを判定し(ステップS501)、入力された指示がPVR102への録画指示であり且つPVR102が待機状態であるときは、クイック録画モードを選択してステップS503に進む。入力された指示がPVR102への録画指示でないとき又はPVR102が待機状態でないとき(他の番組の録画を実行しているため録画指示を受け付けられない状態等)は、通常録画モードを選択し、通常録画(蓄積用メモリ216への蓄積用TSデータの記録)を実行して(ステップS502)、本処理を終了する。
一方、クイック録画モードが選択された場合は、デジタルテレビ101の蓄積用メモリ216に番組データを記録し(第1の記録手段)(ステップS503)、さらに、現在の録画モードがクイック録画モードである旨を表示部217に表示する(ステップS504)。これにより、現在の録画モードがクイック録画モードである旨がユーザに通知される。
その後、PVR102を起動する起動信号をPVR102に送信する(起動手段)(ステップS505)。次いで、PVR102が待機状態から起動状態に移行したか否かを判定し(ステップS506)、PVR102が起動状態に移行した場合は、現在チューナ部201が受信している番組のチャンネルと同じチャンネルをPVR102に設定し(ステップS507)、ステップS508に進む。なお、システム制御部207は、PVR102の動作状態に関する情報を外部機器制御部214を介して取得することにより、PVR102が待機状態であるか起動状態であるかを判定することができる。
次いで、PVR102に番組の録画開始信号を送信し、PVR102での番組データの記録が開始される(第2の記録手段)(ステップS508)。PVR102での番組データの記録が開始された後、デジタルテレビ101の蓄積用メモリ216での番組データの記録を終了し(記録終了手段)(ステップS509)、蓄積用メモリ216に記録された番組データ(TVREC)を含むDTV側番組ファイル(例えば、図3のファイル「20061001−004.ts」)を保存する。
次に、ユーザによるリモコン104等の操作により、録画終了の指示が入力されたか否かを判定する(ステップS510)。録画終了の指示入力は操作入力部210を介してシステム制御部207に送信される。録画終了の指示が入力されたときは、PVR102に番組の録画終了信号を送信してPVR102での番組データの記録を終了させ(ステップS511)、PVR102に記録された番組データ(RREC)を含むPVR側番組ファイル(例えば、図3のファイル「20061001−005.ts」)の情報をPVR102から取得する。
次に、蓄積用メモリ216に記録された番組データをPVR102に移動する(移動手段)(ステップS512)。このとき、録画された番組が著作権保護処理を必要とする番組である場合は、PVR102に移動する番組データに対して著作権保護処理を施す。
ファイル管理部209は、PVR側番組ファイルのファイル情報を読み出し、PVR側番組ファイルとDTV側番組ファイルとを同一の番組として管理するべく、PVR側番組ファイルとDTV側番組ファイルとが同一番組のファイルであることを示す番組結合情報を番組情報記憶部212に記憶し(記憶手段)(ステップS513)、本処理を終了する。
ステップS513で記憶された番組結合情報は、例えば、図6に示すような画面を表示部217に表示させることにより、確認することができる。図6において、ファイル名「20061001−004.ts」及び「20061001−005.ts」の2つのファイルは、番組名「DDD」である同一の番組ファイルとして扱われる。
次に、図7を用いて、ユーザからの指示によりPVR102に録画されている番組を再生する処理について説明する。
図7は、図2のデジタルテレビ101により実行される再生処理を説明するためのフローチャートである。
尚、本処理は、図2におけるシステム制御部207が各動作機能部を制御すると共に外部機器制御部214を介してPVR102を制御することによって実行される。
図7において、ユーザがリモコン104を用いて録画番組リストを表示する指示を入力すると、操作入力部210は該指示入力に対応する信号をシステム制御部207に送信し、デジタルテレビ101は録画番組リスト画面を表示する(ステップS701)。
図4は、録画番組リスト画面の一例を示す図である。図4の録画番組リスト画面は、図3の内容のファイル情報と図6の番組結合情報を元に作成されたものである。図3におけるファイル情報の番号「004」及び「005」の番組は、図6における番組結合情報の番号「001」の番組に対応し、図4における録画番組リスト画面では番組名「DDD」として1つの番組として表示される。さらに、結合表示されていることを示すために「結合」と表示される。
次に、ユーザによるリモコン104の操作に基づいて、表示されている番組リストから再生を希望する番組が選択される(ステップS702)。このとき、図4のカーソル401をリモコン104の不図示の方向指示ボタンで移動し、不図示の決定ボタンで決定することで番組の選択を行う。図4では番組名「DDD」の番組ファイルが選択されている。その後、選択された番組が結合番組か否かを判定し(ステップS703)、結合番組でない場合は後述するステップS710に進み、結合番組である場合はステップS704へ進む。
結合番組の2つのファイルのうち、PVR102に記録された番組データ(RREC)の先頭部を読み込み(ステップS704)、番組データ(RREC)の先頭部のGOP(GroupOf Picture)を蓄積用メモリ216に一時的に記憶する(ステップS705)。なお、MPEGの動画においては、フレーム単位でデータを圧縮して作られたIフレーム、前のIフレームを基準に、変化があった差分だけをデータ化して作られるPフレーム、前だけでなく後のフレームとの差分も利用するBフレームが存在する。1つ以上のIフレームと複数のPフレーム及びBフレームからなるひと固まりをGOPと呼ぶ。
次に、結合番組の2つのファイルのうち、デジタルテレビ101で録画を行いPVR102に移動した番組データ(TVREC)の再生を指示する(第1の再生手段)(ステップS706)。
次いで、再生中の番組データ(TVREC)の再生位置に対応するGOPと蓄積用メモリ216に一時的に記憶した番組データ(RREC)の先頭部のGOPの一部とを比較する(ステップS707)(図8)。そして、再生中の番組データ(TVREC)のGOPと番組データ(RREC)の先頭部のGOPとが同一か否かを判定する。すなわち、番組データ(TVREC)のGOPの再生中に、番組データ(RREC)のGOPの先頭部と同じ部分に達したか否かを判定する(判定手段)(ステップS708)。番組データ(RREC)のGOPの先頭部と同じ部分に達していなければステップS707に戻り、番組データ(RREC)のGOPの先頭部と同じ部分に達していればステップS709に進む。
その後、再生中の番組データ(TVREC)の再生を中止し、番組データ(TVREC)の再生位置に対応するGOPを破棄する(破棄手段)(ステップS709)。そして、PVR102により記録された番組データ(RREC)の再生を行い、(第2の再生手段)(ステップS710)、ステップS715に進む。
次いで、番組データ(RREC)の再生が終了したか否かを判定し(ステップS711)、番組データ(RREC)の再生が終了した場合は、本処理を終了する。尚、本実施の形態では、再生処理時にGOPの比較を行っているが(ステップS707)、録画処理時にGOPの比較を行ってもよい。即ち、図5のステップS513の処理の後にGOPの比較を行ってもよい。
図8は、結合番組の再生時のパケット処理を示す図である。このパケット処理は、図7のステップS707〜S710の処理に対応している。以下、結合番組である番組DDDを構成するファイル名「20061001−004.ts」の番組データ(TVREC)及びファイル名「20061001−005.ts」の番組データ(RREC)を連続して再生する処理について説明する。
図8において、番組データ(TVREC)再生中は、番組データ(TVREC)のGOP1〜GOP(A−1)が、デコード用データ801〜803として、デマルチプレクサ202による分離処理、及び各種デコーダによるデコード処理が施されて表示部217に表示される。ここで、番組データ(TVREC)のGOP1〜GOP(A−1)は、番組データ(RREC)のGOP1と一致しないため、番組データ(TVREC)のGOP1〜GOP(A−1)がデコード用データ801〜803として処理される。
そして、番組データ(TVREC)のGOP(A)と番組データ(RREC)のGOP1とが一致した結果、番組データ(RREC)のGOP1がデコード用データ804として処理される。その後、番組データ(RREC)のGOP2〜GOP(N)がデコード用データ805〜806として処理される。これにより、デジタルテレビ101により記録された番組データ(TVREC)とPVR102により記録された番組データ(RREC)とを1つの番組として連続して再生することができる。
本実施の形態によれば、PVR102への録画の指示入力に基づいて蓄積用メモリ216に番組データ(TVREC)の記録を行い、起動されたPVR102のチャンネルをデジタルテレビ101で受信しているチャンネルに設定する。また、PVR102に番組データ(RREC)の記録を実行させ、PVR102による記録が開始された後にデジタルテレビ101による蓄積用メモリ216への記録を終了させる。そして、PVR102による記録が終了した後に、蓄積用メモリ216に記録された番組データ(TVREC)をPVR102に移動する。さらに、蓄積用メモリ216に一旦記録された番組データ(TVREC)のDTV側番組ファイルとPVR102に記録された番組データ(RREC)のPVR側番組ファイルとを同一の番組として管理(記憶)する。これにより、デジタルテレビ101により記録された番組データ(TVREC)とPVR102により記録された番組データ(RREC)とを1つの番組として連続して再生することが可能となる。以上のように、PVR102が待機状態であっても応答性の高い録画を実現することができる。
なお、特許文献1記載の従来のシステムによれば、番組の開始から自動的に録画された第1の部分と、視聴者から録画コマンドを受信した時点から録画された第2の部分とを、物理的に結合させて、連続した録画を形成することができる。これにより、録画された番組全体を連続して再生することができる。
しかしながら、特許文献1では、本実施例の形態で示したように、デジタルテレビ101側から待機状態のPVR102を起動状態に移行させて、PVR102での録画を実行させるような構成は開示されていない。
本発明によれば、デジタルテレビ101側から待機状態のPVR102を起動状態に移行させるまでに時間がかかるためにPVR102による録画を瞬時に実行させることができないという問題を解決することができる。また、デジタルテレビ101側から待機状態のPVR102を起動状態に移行させるまでに要する時間は、PVR102の状態により常に一定であるとは限らない。このため、2つの番組データ(TVREC)及び番組データ(RREC)のGOPを比較することにより、同じシーンが重複することなく、連続再生できるようにしている。さらに、本発明では、PVR102内に保存された2つの番組データ(TVREC)と番組データ(RREC)とを物理的に結合しなくてもよいため、一般的なPVR102が接続されたデジタルテレビ101であれば、デジタルテレビ101側単体の構成により実現可能である。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。尚、本実施の形態は、その構成が上記第1の実施の形態と基本的に同じであるため、その説明を省略する。
上記第1の実施の形態では、蓄積用メモリ216をリングバッファとして用いることにより、ユーザが録画の指示を入力した時点から録画を行うことが可能である。この場合、蓄積用メモリ216の記録容量は、記録時間を2時間程度とすると数十GB必要となる。また、第1の実施の形態では、蓄積用メモリ216に保存されているTVRECをPVR102に移動する際、記録した番組データをそのまま移動していた。
本実施の形態では、デジタルテレビ101で受信中の放送を番組の先頭から録画すると共に、蓄積用メモリ216の記録容量を有効活用する。
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る放送受信装置で実行される録画処理を示すフローチャートである。本処理は、図2におけるシステム制御部207が各動作機能部を制御し、更に外部機器制御部214を介してPVR102を制御することにより実行される。
図9において、デジタルテレビ101を起動し、チューナ部201にユーザが指定したチャンネルが設定され、該チャンネルの番組を視聴するものとする。
デジタルテレビ101が起動されると、蓄積用メモリ216に現在視聴している番組の番組データTVREC(N)の記録を自動的に開始する(ステップS901)。ここで、Nは、番組の番号を示す。
その後、蓄積用メモリ216の空き容量が、番組データ(TVREC(N))の全てを記録するのに十分であるか否かを判定する(容量判定手段)(ステップS902)、蓄積用メモリ216の空き容量が十分であればステップS904に進み、空き容量が十分でなければ、蓄積されている一番古い番組データ(TVREC(M))を消去し(ステップS903)、ステップS904に進む。ここで、Mは番組の番号を示し、M<Nである。
次に、記録中の番組が変更されたか否かを判定し(ステップS904)、番組が変更されていなければステップS902に戻り、番組が変更されたらステップS905に進む。尚、番組の変更の判定は、番組情報記憶部212に記憶されている番組情報に基づいてシステム制御部207により実行される。例えば、視聴していた番組が終了して次の番組が開始した場合や、ユーザがチャンネルを切り替えた場合などは、番組が変更したと判定される。
次いで、変更前の番組データ(TVREC(N))をファイル化し(ステップS905)、さらに、変更後の番組データに番号「N+1」を付与する(ステップS906)。
その後、録画を終了する指示入力があった否かを判別し(ステップ907)、録画を終了する指示入力がない場合はステップS901に戻り、録画を終了する指示入力があった場合は、本処理を終了する。
図12は、図9におけるステップS903の消去処理が実行される際に表示部217に表示される画面の一例を示す図である。
図12において、画面1201は、現在チャンネルBS123の番組名「AAA」の番組データを記録していて、チャンネルD777の番組名「EEE」の番組データを消去している状態を示す。このように、蓄積用メモリ216の空き容量がなくなった場合は、最も古い番組データから消去していくことにより、常に視聴中の番組を録画するようにしている。
ただし、記録されてから一定時間経過した番組データを自動的に消去するようにしてもよい。
図10は、図2のデジタルテレビ101により実行される録画処理を示すフローチャートであり、図11は、図10のフローチャートの続きを示す図である。具体的には、図10及び図11は、PVR102が待機状態である場合に、ユーザからの指示によりデジタルテレビ101で受信中の放送番組のうちデジタルテレビ101で録画した部分をPVR102に移動する処理を行うフローチャートである。
尚、図10及び図11の処理は、図2におけるシステム制御部207が各動作機能部を制御し、更に外部機器制御部214を介してPVR102を制御することにより実行される。また、本処理は、上述した第1の実施の形態における図5と対比される図であり、図5のステップと同一のステップには同一符号を付して、重複した説明を省略する。
図10において、ステップS501〜S509の処理により、番組データ(TVREC)を含むファイルは蓄積用メモリ216に保存され、番組データ(RREC)はPVR102により録画(記録)開始される。
ユーザからの録画終了指示を受けると(ステップS510)、ステップS511において、PVR102での番組データ(RREC)の記録を終了させ、番組データ(RREC)のファイル情報をPVR102から取得する。
次に、PVR102に記録された番組データ(RREC)の先頭部を読み込み(第1の読み込み手段)(ステップS1001)、番組データ(RREC)の先頭部のGOPを抽出する(抽出手段)(ステップS1002)。また、蓄積用メモリ216に記録された番組データ(TVREC)のGOPを読み込み(第2の読み込み手段)、番組データ(TVREC)のGOPを抽出する(ステップS1003)。
次に、読み込んだ番組データ(TVREC)のGOP番号をAとし(A=1,2,…N)、そのGOPをTVREC(A)とし(ステップS1004)、ステップS1005へ移行する。
TVREC(A)と番組データ(RREC)の先頭部のGOPとを比較し(ステップS1005)、TVREC(A)と番組データ(RREC)の先頭部のGOPとが同一であるか否かを判定する(判定手段)(ステップS1006)。同一でなければAの値をインクリメントして(A=A+1)(ステップS1007)、ステップS1005に戻り、同一であれば、ステップS1008に進む。
次いで、TVREC(A)以降のGOP、すなわちTVREC(A+1),…TVREC(A+2),…TVREC(N)を破棄(消去)して(破棄手段)、TVRECを再ファイル化して、蓄積用メモリ216に記録された番組データをPVR102に移動する(ステップS512)。その後、ステップS513の処理を実行し、本処理を終了する。
図13は、結合番組の番組データ(TVREC)を移動する際のパケット処理を示す図である。このパケット処理は、図10及び図11のステップS1001〜S1008の処理に対応している。以下、結合番組である番組DDDを構成するファイル名「20061001−004.ts」の番組データ(TVREC)及びファイル名「20061001−005.ts」の番組データ(RREC)に関する処理について説明する。
図13において、移動用データ1101として、記録された番組データ(RREC)の最初のGOP1と番組データ(TVREC)のGOP1とを比較して不一致と判定された結果、番組データ(TVREC)のGOP1が選択される。移動用データ1102〜1103についても、同様に、番組データ(TVREC)のGOP2〜GOP(A−1)が選択される。番組データ(TVREC)のGOP(A)は、記録された番組データ(RREC)の最初のGOP1と一致すると判定された結果、破棄される。また、同様にして、番組データ(TVREC)のGOP(A+1)以降のGOPが全て破棄(消去)される。これにより、番組データ(TVREC)のGOP(1)〜GOP(A−1)が移動用データとして蓄積用メモリ216に保存される。
次に、図14を用いて、ユーザの指示入力によりPVR102に録画されている番組を再生する処理について説明する。
図14は、図2のデジタルテレビ101により実行される再生処理を示すフローチャートである。本処理は、図2におけるシステム制御部207が各動作機能部を制御して更に外部機器制御部214を介してPVR102を制御することにより実行される。また、本処理は、上述した第1の実施の形態における図7と対比される図であり、図7のステップと同一のステップには同一符号を付して、重複した説明を省略する。
図14において、選択された番組が結合番組か否かを判定し(ステップS703)、結合番組でない場合はステップS1302に進み、結合番組である場合はステップS1301に進む。
結合番組の2つのファイルのうち、デジタルテレビ101の蓄積用メモリ216に記録された番組データ(TVREC)を再生(ステップS1301)した後は、ステップ1302に進む。
ステップS1302では、PVR102に記録された番組データ(RREC)の再生を行う。その後、番組データ(RREC)の再生が終了したか否かを判定し(ステップS1303)、番組データ(RREC)の再生が終了した場合は、本処理を終了する。
すなわち、本処理では、番組データ(TVREC)を再生した後、その続きの番組データ(RREC)を連続して再生する。したがって、本処理によれば、図7の処理に比して簡単な処理で番組が再生される。
以上説明したように、本実施の形態では、番組の先頭からの録画が可能となる。また、デジタルテレビ101で再生する結合番組の結合する2つのファイルにおいて、互いに重複した番組データを無くす(消去する)ことで、PVR102の蓄積用メモリの記憶領域を無駄に使用することを防止することができ、かつ再生処理をより容易に行うことができる。
本実施の形態によれば、PVR102が待機状態である場合で、デジタルテレビ101を視聴しているとき、その番組を録画しようとした場合、デジタルテレビ101に対して録画の指示を入力することにより、PVR102が起動するまで間の番組データを欠落することなく録画することが可能となる。
また、録画された番組を再生する場合においても、結合番組が途切れたり重複したりせずに1つの番組として再生されるので、ユーザは不快感なく番組を視聴することができる。
また、本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能をハードウェアで実現することの他、その一部又は全部を実現するソフトウェアのプログラムを記憶した記憶媒体を放送受信装置に供給し、その放送受信装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出して実行することによっても、達成される。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が上述した各実施の形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成する。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
コンピュータから読出されたプログラムコードを実行することにより、上述した各実施の形態の機能が実現されだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動するOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した各実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した各実施形態の機能が実現される場合も含まれる。