JP4632993B2 - 蓄電池需給管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、電気所や需要家に蓄電池を移動して電力を供給するシステムに関する。
発電所や変電所などの電気所の監視制御用電源は直流が主流であるが、その電気所が停電になった場合に備えて、復旧までの間に使用する電力を安定的に確保しておく必要がある。そこで、各電気所には数時間の電力供給が可能な容量の直流電源(例えば、鉛電池など)が設置されている(特許文献1参照)。
特開2003−299247号公報
しかしながら、電気所の戸数は相当数に上り、それらの各電気所に過大な蓄電容量の直流電源を備え、その蓄電容量に応じた直流電源装置を備えている。それにより、電気所内の電力や設備費用が増大するとともに、所定の設置スペースを継続して確保しなければならないことから、多大なコストがかかるという問題がある。さらに、その直流電源や直流電源装置は数年に一度使用されるか否かも不明であるため、その不経済性には重大なものがある。
一方、工場や事務所などの需要家の場合、電力会社との契約電力は、過去12カ月の使用電力の最大値であるのが通常であるが、ピーク時の気温や操業状況の変化などによって使用電力が契約電力を超過したときに、追加料金が発生してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、電力需要が増加した施設に効率的に蓄電池を提供できるようにすることを主たる目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、電力施設の停電または電源の故障に応じて直流電源確保の目的で、その電力施設に蓄電池を供給するための蓄電池需給管理システムであって、前記電力施設の停電および電源の故障を監視する電力施設コンピュータと、前記電力施設コンピュータからの停電情報および故障情報を受け付ける監視コンピュータと、前記監視コンピュータからの停電情報および故障情報を受け付けて、それらに応じて前記電力施設への蓄電池の供給を要求する蓄電池管理コンピュータと、が通信可能に構成され、前記蓄電池管理コンピュータは、前記電力施設毎に、当該電力施設に移動すべき蓄電池の配置箇所、当該配置箇所から当該電力施設までの移動ルート、電力施設に備えられた常用蓄電池の容量である常用蓄電池容量、当該電力施設の停電または故障が発生した場合に、前記常用蓄電池から電力を供給すべき時間である所用供給時間、当該所用供給時間に応じて決定した容量である移動用蓄電池容量、及び当該移動用蓄電池容量に応じて決定した割当蓄電池が記憶された蓄電池管理データベースを備え、前記電力施設コンピュータは、センサにより前記電力施設の停電および電源の故障を監視し、停電または故障が発生していれば、停電情報または故障情報を前記監視コンピュータに送信し、前記監視コンピュータは、前記電力施設コンピュータから停電情報または故障情報を受信し、記憶部に格納するとともに、所定のタイミングで前記記憶部から停電情報または故障情報を読み出し、前記蓄電池管理コンピュータに送信し、前記蓄電池管理コンピュータは、前記監視コンピュータから停電情報または故障情報を受信し、その最初の送信元の電力施設コンピュータに係る電力施設を特定し、前記蓄電池管理データベースを参照して、前記特定した電力施設について記憶された前記割当蓄電池、前記配置箇所および前記移動ルートを取得し、蓄電池の供給を要求するメッセージとしてそれらの情報を出力することを特徴とする。
この構成によれば、電力施設の停電や電源の故障があったとしても、移動用蓄電池をタイムリーに安定的に供給することができるため、電力施設の常用蓄電池には、停電や故障が発生してから移動用蓄電池が到着して利用できるようになるまでの時間(蓄電池の移動時間)分の電力を確保しておけばよいので、その電力容量を大幅に低減することができる。これによれば、常用蓄電池に係る初期コストや運用コストを低減することができる。また、各電力施設に供給すべき蓄電池、その配置箇所および移動ルートが予め決められているため、停電や故障が発生した場合に迅速に対応することができる。これによれば、蓄電池の移動時間を短縮することができるので、常用蓄電池の電力容量、ひいては常用蓄電池に係るコストをさらに低減することができる。
また、本発明は、需要家の電力使用状況に応じて、その需要家に蓄電池を供給するための第2の蓄電池需給管理システムであって、需要家における電力使用実績データおよび電力使用予定データを記憶する需要家コンピュータと、需要家の電力使用実績データを蓄積し、需要家の契約電力を含む契約データを記憶する需給管理コンピュータと、蓄電池の配置箇所ごとにその配置箇所の位置、その配置箇所に備えられた蓄電池およびその蓄電池の電力容量を含む蓄電池管理データを記憶する蓄電池管理コンピュータとが通信可能に構成され、需要家コンピュータが、電力使用実績データを需給管理コンピュータに送信するとともに、その需給管理コンピュータから所定の期間における蓄電池必要容量データを受信し、その蓄電池必要容量データおよび需要家の電力使用予定データから蓄電池必要容量および蓄電池必要期間を算出し、その蓄電池必要容量および蓄電池必要期間を含む蓄電池供給依頼メッセージを需給管理コンピュータに送信し、需給管理コンピュータが、需要家コンピュータから電力使用実績データを受信し、蓄積し、その蓄積した電力使用実績データから需要家の所定の期間におけるデマンド値を予測し、そのデマンド値が契約電力より大きい場合に、デマンド値から契約電力を引いた値およびその時間帯を含む蓄電池必要容量データを需要家コンピュータに送信するとともに、需要家コンピュータから蓄電池供給依頼メッセージを受信したときに、需要家の位置、蓄電池必要容量および蓄電池必要期間を含む蓄電池供給指示メッセージを蓄電池管理コンピュータに送信し、蓄電池管理コンピュータが、蓄電池管理コンピュータから蓄電池供給指示メッセージを受信し、蓄電池管理データに基づいて、需要家の位置から蓄電池の配置箇所を選定し、蓄電池必要容量および蓄電池必要期間からその配置箇所に備えられた1以上の蓄電池を選定し、選定された配置箇所から選定された1以上の蓄電池を需要家の位置に移動するように要求するメッセージを出力することを特徴とする。
この構成によれば、需給管理コンピュータが、需要家の電力使用実績データからデマンド値を予測し、そのデマンド値が契約電力を超える場合に、需要家コンピュータに対して事前に契約電力オーバの警告を与えるので、需要家が知らない間に契約電力オーバが発生するのを防止することができる。また、需要家コンピュータが、需給管理コンピュータの予測したデマンド値による蓄電池必要容量だけでなく、需要家コンピュータにおける操業計画などの電力使用予定データを含めて、改めて蓄電池必要容量および蓄電池必要期間を算出するので、契約電力オーバを防止するのに必要な電力容量の予測精度が向上する。さらに、蓄電池管理コンピュータが、需要家の位置に適切な蓄電池の配置箇所を選定し、その配置箇所に備えられた適切な蓄電池を選定するので、効率的かつ安定的な蓄電池の供給を行うことができる。
また、本発明は、第2の蓄電池需給管理システムであって、需要家コンピュータが、蓄電池必要容量および蓄電池必要期間から蓄電池の利用料金および契約電力の超過料金を算出し、蓄電池の利用料金が契約電力の超過料金より小さい場合に、蓄電池供給依頼メッセージを需給管理コンピュータに送信することを特徴とする。
この構成によれば、需要家コンピュータが、そのまま電力を使用して契約電力オーバを待つより蓄電池接続の方が有利であると判断した場合に、蓄電池の供給依頼を行うため、不要な蓄電池の供給を減らすことができるので、より効率的な蓄電池の需給管理を行うことができる。
また、本発明は、第2の蓄電池需給管理システムであって、需給管理コンピュータが、需要家の所定の期間におけるデマンド値を予測する場合に、予測すべき日と同じ時期の同じ曜日の一年前の電力使用実績データから日負荷曲線を取得し、昨年および今年における予測すべき日の所定日数前の電力使用実績を比較し、使用電力の変化に基づいて前記日負荷曲線を補正するとともに、需要家の所在地における気温および湿度が使用電力に与える影響を示す感応度係数を求め、予測すべき日に予想される気温および湿度から、感応度係数に基づいて日負荷曲線を補正することを特徴とする。
この構成によれば、予測すべき日と同じ時期の同じ曜日の電力使用実績データを用いるとともに、気温および湿度が使用電力に与える影響を考慮に入れるので、デマンド値の予測精度を向上することができる。
なお、第1の蓄電池需給管理システムは、発明を実施するための最良の形態における第1の実施の形態に対応する。また、第2の蓄電池需給管理システムは、発明を実施するための最良の形態における第2の実施の形態に対応する。その他、本願が開示する課題およびその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、電力需要が増加した施設に効率的に蓄電池を提供することができる。これによれば、電気所や通信所の蓄電池所要容量を低減し、初期コストおよび運用コストを削減することができる。また、需要家における契約電力オーバを防止することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
≪第1の実施の形態≫
まず、第1の実施の形態に係る蓄電池需給管理システムについて説明する。この蓄電池需給管理システムは、電気所や通信所に常設されている蓄電池と、移動型の蓄電池とを併用することによって、電気所や通信所における電源を安定的かつ効率的に確保するものである。移動型の蓄電池には、Liイオン二次電池などの大型高出力の二次電池を用いる。その二次電池は、所定の蓄電池容量および電圧のものを1つのユニットとし、そのユニットを直並列に組み合わせることにより、所要の容量および電圧を確保できる。
<システムの構成と概要>
図1は、第1の実施の形態に係る蓄電池需給管理システムの構成を示す図である。蓄電池需給管理システム100は、複数の電力施設サーバ(電力施設コンピュータ)2、蓄電池管理サーバ(蓄電池管理コンピュータ)3および監視サーバ(監視コンピュータ)4がネットワーク5を介して相互に通信可能に構成されたものである。電力施設サーバ2は、変電所のような電気所や通信所などの電力施設に設置されるサーバ用コンピュータであり、その電力施設の停電や直流電源装置の故障を監視し、停電や故障が発生していれば、それらに関する情報を監視サーバ4に送信する。蓄電池管理サーバ3は、移動型の蓄電池の配置箇所を管理する蓄電池管理センタや総合制御所に設置されるサーバ用コンピュータであり、監視サーバ4から送信されて来る停電情報や故障情報を受信し、それらの情報から、予め設定された情報に基づいて蓄電池の移動に必要な情報を出力する。監視サーバ4は、電力施設を制御、管理する総合制御所に設置されるサーバ用コンピュータであり、複数の電力施設サーバ2から送信されて来る停電情報や故障情報を一括して受信し、蓄電池管理サーバ3に送信する。ネットワーク5は、電力施設サーバ2、蓄電池管理サーバ3および監視サーバ4を相互通信可能とする通信網であり、例えば、メタリック、光ファイバなどによる専用通信網や、インターネット、公衆回線などの共用通信網によって実現される。
電力施設サーバ2は、通信部21、処理部22およびセンサ23を含んで構成される。通信部21は、ネットワーク5を介して監視サーバ4との通信を可能にするものであり、ネットワーク接続機器によって実現される。処理部22は、センサ23から信号を入力し、その信号を停電情報や故障情報に編集し、それらの情報を通信部21に渡すものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。センサ23は、電力施設や直流電源装置に接続され、その電力施設の停電や直流電源装置の故障を監視し、停電や故障が発生した場合には、その発生状況に応じた信号を処理部22に出力する。
蓄電池管理サーバ3は、通信部31、処理部32、記憶部33、入力部34および表示部35を含んで構成される。通信部31は、ネットワーク5を介して監視サーバ4との通信を可能にするものであり、ネットワーク接続機器によって実現される。処理部32は、通信部31を介して受信した停電情報や故障情報から、予め記憶部33に格納された情報に基づいて蓄電池の移動に必要な情報を表示部35などに出力するものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部33は、蓄電池管理DB(Data Base)331を格納するものであり、ハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって実現される。蓄電池管理DB331は、電力施設ごとに移動用蓄電池に関する情報を格納する。
入力部34は、電力施設の新設や電力仕様の変更があった場合に、電力会社の担当者が蓄電池管理DB331を更新するための情報を入力するものであり、マウスやキーボードによって実現される。入力部34に入力された情報は、処理部32が取得し、表示部35および記憶部33に渡す。これにより、入力された情報が表示部35に表示されるとともに、その情報によって蓄電池管理DB331が更新される。表示部35は、処理部32から渡された情報を表示するものであり、例えば、液晶ディスプレイなどによって実現される。
監視サーバ4は、通信部41、処理部42および記憶部43を含んで構成される。通信部41は、ネットワーク5を介して複数の電力施設サーバ2や蓄電池管理サーバ3との通信を可能にするものであり、ネットワーク接続機器によって実現される。処理部42は、通信部41を介して電力施設サーバ2から停電情報や故障情報を受信し、記憶部43に記憶し、所定のタイミングで通信部41を介してそれらの情報を蓄電池管理サーバ3に送信するものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部43は、処理部42から渡された停電情報や故障情報を格納するものであり、ハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって実現される。
<データの構成>
図2は、蓄電池管理DBのデータ構成を示す図である。蓄電池管理DB331は、蓄電池管理サーバ3の記憶部33に格納され、常用蓄電池と、移動用蓄電池とを併用する電力施設ごとに、移動用蓄電池の配置箇所や当該電力施設までの移動ルート、割り当てるべき移動用蓄電池などが予め設定される。図2に示すように、蓄電池管理DB331は、電力施設名332、配置箇所333、ルート334、移動距離335、所要移動時間336、従来の常用蓄電池容量337、所要供給時間338、低減後の常用蓄電池容量339、移動用蓄電池容量340および割当蓄電池341を含むレコードから構成される。
電力施設名332は、電力施設に固有の名称である。ここで、蓄電池管理サーバ3の処理部32は、停電情報や故障情報を受信した場合にその最初の送信元情報(電力施設サーバ2のネットワークアドレス)から電力施設名332を特定し、蓄電池管理DB331のうち、その電力施設名332を有するレコードを検索、参照する。従って、蓄電池管理DB331は、電力施設名332をキーデータとするレコードから構成されると言える。なお、電力施設名332は、電力施設が新設された場合に、新たなレコードが追加されるとともに設定される。また、電力施設の名称が変更された場合に、変更後の名称に更新される。配置箇所333は、電力施設に蓄電池を移動するのに都合のよい配置箇所である。従って、必ずしも最寄りの配置箇所ではなく、道路事情や交通量などから考慮して適切な配置箇所が設定される。なお、配置箇所は、移動用蓄電池が配置され、蓄電池を電力施設に移動する拠点となる複数の施設であり、蓄電池管理センタや総合制御所によって管理される。ルート334は、配置箇所333から電力施設名332まで蓄電池を移動する経路を示す情報である。必ずしも最短経路ではなく、道路事情や交通量などから考慮して適切な経路が設定される。ルート334は、例えば、地図データ上に示される経路によって特定され、その場合、ルート334の欄には、地図データへのポインタ(メモリアドレス)が設定される。
移動距離335は、配置箇所333から電力施設名332の電力施設までルート334に沿って移動した場合の距離である。所要移動時間336は、配置箇所333から電力施設名332の電力施設までルート334に沿って移動した場合の時間である。所要移動時間336は、簡単には移動距離335を移動に使う車両などの平均走行速度で割ることによって求められるが、さらに制限速度や曲折などの道路事情や交通量などを考慮して実際に近い時間が設定される。
従来の常用蓄電池容量337は、電力施設名332の電力施設において、従来から電力施設の停電や直流電源装置の故障に備えて確保している常用蓄電池の最大容量である。従来の常用蓄電池容量337は、その電力施設で必要な予備電源の容量であり、電力施設の電力仕様が変わらない限り変更されることはない。所要供給時間338は、電力施設の停電や直流電源装置の故障が発生した場合に常用蓄電池から電力を供給すべき従来の時間である。所要供給時間338には、電力施設名332の電力施設において、停電や故障が発生してから復旧するまでにかかる時間以上の値が設定される。
低減後の常用蓄電池容量339は、蓄電池需給管理システム100の適用によって低減された後の常用蓄電池の容量を示すものである。既に説明したように、電力施設名332の電力施設では、電力施設の停電や直流電源装置の故障が発生した場合に従来の常用蓄電池容量337(C)の電力を所要供給時間338(X)に亘って供給する必要がある。そこで、停電や故障の場合に移動用の蓄電池を利用すれば、常用蓄電池には停電や故障が発生してから蓄電池が移動されて来て、直流電源装置に接続されるまでの間(所要移動時間336(T)+接続作業などにかかる時間α)に必要な電力容量があればよいことになる。これによれば、低減後の常用蓄電池容量339は、その欄に示す式1によって算出することができ、相応の低減効果が見込まれる。例えば、移動や接続に要する時間(T+α)が所要供給時間338(X)の半分であれば、低減後の常用蓄電池容量339は従来の常用蓄電池容量337(C)の半分になる。
移動用蓄電池容量340は、電力施設名332の電力施設に移動、接続される蓄電池に必要な電力容量を示すものである。移動用蓄電池は、電力施設に移動、接続された後に使用されるので、所要供給時間338(X)から移動や接続に要する時間(T+α)を引いた時間分(X−T−α)の電力容量があればよいことになる。これによれば、移動用蓄電池容量340は、その欄に示す式2によって算出することができる。
割当蓄電池341は、電力施設名332の電力施設において電力施設の停電や直流電源装置の故障が発生した場合に配置箇所333から電力施設に移動すべき移動用蓄電池を、移動用蓄電池容量340に応じて予め割り当てておくものであり、その移動用蓄電池に固有の名称や番号を示す情報である。割当蓄電池341は、必ずしも1つの蓄電池ではなく、複数の蓄電池ユニットを組み合わせた構成を示すものであってもよい。これは、移動用蓄電池容量340が大きいため、1つの蓄電池では対応できない場合に備えるものである。また、移動用蓄電池ユニットの電圧が電気所などの使用電圧と一致しない場合には、DC(Direct Current)/DCコンバータを介して接続することも可能である。
なお、蓄電池管理DB331の各レコードは、電力施設が新設された場合には、電力会社の担当者が蓄電池管理サーバ3の入力部34に入力した情報によって新たに設定される。また、電力施設名332や従来の常用蓄電池容量337、所要供給時間338が変更になった場合には、電力会社の担当者が蓄電池管理サーバ3の入力部34に入力した情報によって更新される。そして、実際に停電や故障が発生した場合に、蓄電池管理DB331のうち、停電や故障の電力施設に対応したレコードが参照され、蓄電池の移動に必要な情報が出力される。
<システムの処理>
図3は、蓄電池需給管理システムの処理を示すフローチャートである。まず、電力施設サーバ2では、センサ23が電力施設の停電や直流電源装置の故障を監視し、その信号を出力する(S301)。センサ23は、所定の時間ごとに電力施設や直流電源装置からの信号を監視し、停電や故障の発生を検知した場合には、その発生状況に応じた信号を処理部22に出力する。処理部22は、センサ23から入力した信号を編集することで、電力施設の停電情報や直流電源装置の故障情報を取得し、それらの情報を、通信部21を介して監視サーバ4に送信する(S302)。なお、電力施設サーバ2は、S301およびS302の処理を繰り返すことによって、停電や故障の発生状況に応じて停電情報や故障情報を監視サーバ4に送信するものとする。
監視サーバ4では、処理部42が電力施設サーバ2から通信部41を介して停電情報や故障情報を受信し、それらの情報を記憶部43に記憶する(S303)。監視サーバ4は、ネットワーク5を介して複数の電力施設サーバ2と通信可能になっているので、複数の電力施設サーバ2から停電情報や故障情報を受信することになる。そして、所定のタイミングで、記憶部43に記憶された停電情報や故障情報を読み出し、通信部41を介して蓄電池管理サーバ3に送信する(S304)。所定のタイミングとは、例えば、蓄電池管理サーバ3に対して未送信の停電情報や故障情報が所定数以上溜まったときや、蓄電池管理サーバ3に最後に送信してから所定の時間が経過したときなどである。これは、停電情報や故障情報を極力まとめて1回の通信により蓄電池管理サーバ3に送信し、通信コストを抑えるための措置である。ただし、停電情報や故障情報はタイムリーに送信する必要があるので、電力施設サーバ2から受信した時刻から所定の時間(例えば、数十秒)以内には蓄電池管理サーバ3に送信する。
蓄電池管理サーバ3では、処理部32が監視サーバ4から通信部31を介して停電情報や故障情報を受信する(S305)。次に、受信した情報の送信元である電力施設サーバ2のネットワークアドレスから電力施設名を特定し、その電力施設名332により蓄電池管理DB331を検索する(S306)。そして、電力施設名332が一致したレコードから、蓄電池の移動に必要な情報を読み出す(S307)。蓄電池の移動に必要な情報とは、例えば、図2に示す蓄電池管理DB331のレコードに格納された情報のうち、電力施設名332、配置箇所333、ルート334、割当蓄電池341などである。処理部32は、その読み出した情報を表示部35に渡し、表示部35はそれらの情報を、蓄電池の供給を要求するメッセージとして表示(出力)する(S308)。これによれば、蓄電池管理センタや総合制御所にいる電力会社の担当者は、蓄電池管理サーバ3の表示部35を参照することによって、電力施設の停電や直流電源装置の故障が発生したことを知り、蓄電池の移動に必要な情報に従って、移動用蓄電池の配置箇所にいる担当者に蓄電池の移動を指示することができる。
さらに、処理部32は、S307で読み出した情報を、通信部31を介して送信する(S309)。この場合の送信先には、配置箇所のサーバや担当者の携帯電話(図示せず)などが考えられる。これによれば、配置箇所の担当者は、サーバや携帯電話を参照することにより、蓄電池の移動に必要な情報に従って、蓄電池の移動を行うことができる。なお、配置箇所から停電または故障が発生した電力施設に移動された蓄電池は、その電力施設の直流電源装置に停電または無停電で接続可能な開閉装置を介して、安全かつ迅速に接続できるようになっている。また、蓄電池管理DB331には、予め電力施設名332ごとに、どの配置箇所からどのルートでどの蓄電池を移動すべきかという情報を含むレコードが格納されているので、その情報に基づいて迅速に対応することができる。これによれば、図2の式1において、接続作業などにかかる時間αの値を小さくできるので、低減後の常用蓄電池容量339を小さくすることができる。
以上説明した第1の実施の形態によれば、移動型の蓄電池を、電気所や通信所などの電力施設に常設されている蓄電池と併用することによって、常用蓄電池の所要容量の大幅な低減を図り、常用蓄電池に係る初期コストおよび運用コストを低減することができる。
≪第2の実施の形態≫
次に、第2の実施の形態に係る蓄電池需給管理システムについて説明する。この蓄電池需給管理システムは、工場や事務所などの需要家における電力の使用実績を取り込み、その使用実績から予測されるデマンド値(使用電力のピーク値)が契約電力を超える場合に、移動型の電力貯蔵用二次電池を需要家に供給し、使用電力が契約電力の範囲内に収まるように蓄電池から供給する電力を制御することによって、契約電力オーバを防止し、追加料金の支払いを回避するものである。移動型の電力貯蔵用二次電池には、Liイオン二次電池などの大型高出力の二次電池を用いる。その二次電池は、所定の蓄電池容量および電圧のものを1つのユニットとし、そのユニットを直並列に組み合わせることにより、所要の容量および電圧を確保できる。
<システムの構成と概要>
図4は、蓄電池需給管理システムの構成を示す図である。蓄電池需給管理システム101は、複数の需要家サーバ(需要家コンピュータ)6、蓄電池管理サーバ(蓄電池管理コンピュータ)7および需給管理サーバ(需給管理コンピュータ)8がネットワーク9を介して相互に通信可能に構成されたものである。需要家サーバ6は、工場や事務所などの需要家に設置されるサーバ用コンピュータであり、電力使用実績データを需給管理サーバ8に送信するとともに、需給管理サーバ8から所定の期間に蓄電池に必要な容量を受信し、蓄電池接続が有利であると判断した場合に、需給管理サーバ8に蓄電池の供給を依頼するものである。蓄電池管理サーバ7は、移動型の蓄電池の配置箇所を管理する蓄電池管理センタや総合制御所に設置されるサーバ用コンピュータであり、需給管理サーバ8からの指示に従って、蓄電池の供給および回収を進めるとともに、各配置箇所の蓄電池の所在や使用予定を管理する。
需給管理サーバ8は、需要家を管理する総合制御所に設置されるサーバ用コンピュータであり、複数の需要家サーバ6から送信されて来る電力使用実績データを受信し、各需要家の電力使用実績データから予測したデマンド値が契約電力を超える場合には、所定の期間に必要な蓄電池容量を需要家サーバ6に送信し、その需要家サーバ6から蓄電池の供給依頼が来たときには、蓄電池管理サーバ7に蓄電池の供給および回収を指示する。ネットワーク9は、需要家サーバ6、蓄電池管理サーバ7および需給管理サーバ8を相互通信可能とする通信網であり、例えば、メタリック、光ファイバなどによる専用通信網や、インターネット、公衆回線などの共用通信網によって実現される。
需要家サーバ6は、通信部61、処理部62、記憶部63およびセンサ64を含んで構成される。通信部61は、ネットワーク9を介して需給管理サーバ8との通信を可能にするものであり、ネットワーク接続機器によって実現される。処理部62は、センサ64から信号を入力し、その信号を電力使用実績データに編集し、そのデータを記憶部63に記憶し、通信部61を介して需給管理サーバ8に送信するとともに、需給管理サーバ8から蓄電池必要容量を受信し、所定の判断に応じて蓄電池の供給依頼を需給管理サーバ8に行うものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部63は、操業計画DB631および使用実績DB632を格納するものであり、ハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって実現される。操業計画DB631は、需要家の今後の操業計画を格納する。使用実績DB632は、需要家における電力の使用実績データを格納する。センサ64は、需要家の施設や電源装置に接続され、その需要家における電力使用に係る信号を入力し、その信号を処理部62に出力する。
蓄電池管理サーバ7は、通信部71、処理部72、記憶部73、入力部74および表示部75を含んで構成される。通信部71は、ネットワーク9を介して需給管理サーバ7との通信を可能にするものであり、ネットワーク接続機器によって実現される。処理部72は、通信部71を介して需給管理サーバ8から受信した指示に従って蓄電池の供給や回収を進めるとともに、各配置箇所における蓄電池や付属設備の所在や使用予定を管理するものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部73は、蓄電池管理DB731を格納するものであり、ハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって実現される。蓄電池管理DB731は、配置箇所ごとに蓄電池や付属設備に関する情報を格納する。
入力部74は、配置箇所の新設や配置される設備の変更があった場合に、電力会社の担当者が蓄電池管理DB731を更新するための情報を入力するものであり、マウスやキーボードによって実現される。入力部74に入力された情報は、処理部72が取得し、表示部75および記憶部73に渡す。これにより、入力された情報が表示部75に表示されるとともに、その情報によって蓄電池管理DB731が更新される。表示部75は、処理部72から渡された情報を表示するものであり、例えば、液晶ディスプレイなどによって実現される。
需給管理サーバ8は、通信部81、処理部82および記憶部83を含んで構成される。通信部81は、ネットワーク9を介して複数の需要家サーバ6や蓄電池管理サーバ7との通信を可能にするものであり、ネットワーク接続機器によって実現される。処理部82は、通信部81を介して、需要家サーバ6から電力使用実績データを受信し、その電力使用実績データから予測したデマンド値が契約電力を超える場合には、蓄電池必要容量を需要家サーバ6に送信し、需要家サーバ6から蓄電池の供給依頼があったときには、蓄電池管理サーバ7に蓄電池に供給および回収の指示メッセージを送信するものであり、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。記憶部83は、需要家情報DB831および契約情報DB832を格納するものであり、ハードディスク装置などの不揮発性記憶装置によって実現される。需要家情報DB831は、需要家ごとに所在地の位置や電力使用実績データを格納する。契約情報DB832は、需要家ごとに契約電力や蓄電池の供給依頼内容を格納する。
<データの構成>
続いて、蓄電池需給管理システム101を構成するサーバごとに、その記憶部に格納されるDBについて説明する。まず、需要家サーバ6の記憶部63には、操業計画DB631および使用実績DB632が格納される。操業計画DB631は、需要家である工場や事務所における今後の操業計画を格納する。その操業計画のうち、所定の期間における電力使用予定データが処理部62によって参照される。需給管理サーバ8によって契約電力オーバが予測された場合に、今後の電力使用予定を考慮に入れて、蓄電池接続が有利か否かを判断するためである。
使用実績DB632は、使用電力実績データを格納するものであり、所定の時間(例えば、30分間または1時間)ごとに蓄積され、処理部62によって所定のタイミングで読み出されて、需給管理サーバ8に送信される。図5(a)に示すように、使用実績DB632は、時間帯6321、使用電力量6322、所在地の気温6323および所在地の湿度6324を格納する。時間帯6321は、年月日およびその日の30分間または1時間の時間帯(例えば、○○年×月△日10:00〜11:00など)を示すものである。この時間帯6321ごとに使用電力量6322、所在地の気温6323および所在地の湿度6324が測定、記憶される。使用電力量6322は、時間帯6321に使用した電力量である。使用電力量6322は、需給管理サーバ8に送信され、基本料金および契約電力の見直しや、今後のデマンド値の予測に利用される。所在地の気温6323および所在地の湿度6324は、時間帯6321における、需要家の所在地の気温および湿度(例えば、平均値)である。所在地の気温6323および所在地の湿度6324は、需給管理サーバ8に送信され、デマンド値の予測精度を向上させるために利用される。
次に、需給管理サーバ8の記憶部83には、需要家情報DB831および契約情報DB832が格納される。需要家情報DB831は、需要家の所在地およびデマンド値の予測に必要な過去のデータ(電力使用実績データ)を格納する。図5(b)に示すように、需要家情報DB831は、需要家名8311、所在地の位置8312、時間帯8313、使用電力量8314、所在地の気温8315および所在地の湿度8316を含むレコードを格納する。需要家名8311は、工場や事務所などの需要家に固有の名称である。需要家名8311は、電力使用実績データの送信元である需要家サーバ6のネットワークアドレスに対応する。所在地の位置8312は、需要家の所在地の位置を示す住所や緯度経度である。所在地の位置8312は、需要家サーバ6から蓄電池の供給依頼があった場合に、蓄電池管理サーバ7に蓄電池供給の指示を行うときに、その指示に合わせて連絡する情報である。時間帯8313、使用電力量8314、所在地の気温8315および所在地の湿度8316は、需要家サーバ6から受信した電力使用実績データを反映、蓄積するものである。その内容は、需要家サーバ6の使用実績DB632の各情報と同様であるので、詳細な説明を割愛する。なお、需要家情報DB831には、デマンド値の予測に役立つその他の情報として、需要家における、デマンド値に対する温度や湿度の感応度係数、設備の電力仕様、操業指数の変化などの情報を格納するとともに、それらの情報を需要家サーバ6からの情報の受信によりリアルタイムに更新するようにしてもよい。
ここで、過去のある日について、時間帯8313および使用電力量8314をグラフ上にプロットすることによって、図6に示すような日負荷曲線が得られる。図6には、実績データとして、昨年の○月△日(月)の日負荷曲線6A、昨年の一週間前の同じ曜日の日負荷曲線6Bおよび今年の一週間前の同じ曜日の日負荷曲線6Cが示されている。また、日負荷曲線6A、6Bおよび6Cに基づいた予測データとして、今年の○月×日(月)の日負荷曲線6Dが示されている。
契約情報DB832は、需要家ごとに契約内容や蓄電池の供給実績などを格納する。図5(c)に示すように、契約情報DB832は、需要家名8321、契約電力8322、供給依頼内容8323、供給状況8324および回収状況8325を含むレコードを格納する。需要家名8321は、需要家に固有の名称である。需要家名8321は、電力使用実績データや蓄電池供給依頼メッセージの送信元である需要家サーバ6のネットワークアドレスに対応する。契約電力8322は、需要家名8321の需要家が電力会社と契約している電力値であり、例えば、過去12カ月の使用電力の最大値(ピーク値)である。契約電力8322を超えた電力を使用すると、契約電力オーバということで、需要家は電力会社から追加料金を徴収される。供給依頼内容8323は、需要家サーバ6から受信した蓄電池供給依頼メッセージの内容を示すものであり、例えば、必要な蓄電池の電力容量、必要な期間などである。供給状況8324は、供給依頼内容8323に基づく蓄電池の供給状況を示すものであり、蓄電池管理サーバ7に供給を指示した日時や、蓄電池管理サーバ7から供給済の連絡を受けた日時が記録される。回収状況8325は、需要家に供給した蓄電池の回収状況を示すものであり、蓄電池管理サーバ7に回収を指示した日時や、蓄電池管理サーバ7から回収済の連絡を受けた日時が記録される。なお、契約情報DB832には、需要家ごとに、実際に設置した蓄電池ユニットや付属設備の内容、契約変更の有無や変更内容、需要家からの要望や苦情などの内容とその対応状況、蓄電池の利用実績などを格納してもよい。
続いて、蓄電池管理サーバ7の記憶部73には、蓄電池管理DB731が格納される。蓄電池管理DB731は、配置箇所ごとに蓄電池や付属設備の仕様、所在、予定などの情報を格納する。図7(a)に示すように、蓄電池管理DB731は、稼動実績・設備計画情報7311、設備管理情報7312、蓄電池ユニット組合せ情報7313、スケジュール情報7314および需要家設置情報7315を格納する。
稼動実績・設備計画情報7311は、蓄電池や付属設備を含む設備の稼動実績を記録するとともに、設備の稼動実績から耐用年数などの設備仕様に基づいて更新や増設を行う設備計画を格納するものである。稼動実績は、例えば、設備の使用回数や累積使用時間などであり、スケジュール情報7314の消化状況に応じて更新される。設備計画は、それが実行された場合に、設備管理情報7312の設備に関する情報に反映される。
設備管理情報7312は、配置箇所ごとに蓄電池や付属設備の所在などを管理するものである。図7(b)に示すように、設備管理情報7312は、配置箇所F1、配置箇所の位置F2、設備名F3、定格容量F4、残存容量F5、充放電回数F6、経年F7および現在の所在地F8を含むレコードを格納する。配置箇所F1は、蓄電池や付属設備を保管し、需要家に供給する拠点となる箇所であり、蓄電池管理サーバ7からの要求に従って蓄電池の供給や回収を行う所である。配置箇所の位置F2は、文字通り、配置箇所の位置を示すものであり、例えば、配置箇所の住所や緯度経度などである。配置箇所の位置F2は、需給管理サーバ8から蓄電池の供給指示があった場合に、需要家の位置との距離や関係をチェックすることによって、適切な配置箇所を選定するために用いられる。設備名F3は、蓄電池や付属設備の名称を示すものであり、配置箇所F1に配置されているすべての設備について設定される。
定格容量F4、残存容量F5、充放電回数F6、経年F7および現在の所在地F8は、設備名F3ごとに設定される情報である。定格容量F4は、設備名F3が蓄電池である場合に、蓄電池新設時の定格容量を示す。残存容量F5は、電池の繰り返し使用後におけるその蓄電池に残っている実際に利用できる利用可能容量を示すものであり、充放電回数F6や経年F7などから求められる。残存容量F5は、蓄電池が配置箇所にあって満充電されている状態の利用可能容量が設定され、蓄電池が需要家に供給されている間は、ゼロに設定される。残存容量F5が実際に即して更新されることによって、需給管理サーバ8から蓄電池の供給指示があった場合に、現在の残容量に応じて複数の蓄電池を組み合わせて需要家に供給することができる。充放電回数F6および経年F7は、稼動実績・設備計画情報7311の稼動実績などとともに電池の残存容量F5を推定する根拠となるものであり、蓄電池の設備計画にも利用される。現在の所在地F8は、設備の所在地を示すものであり、配置箇所または供給先の需要家の名称もしくは位置情報が設定される。また、配置箇所にあっても、充電中や保守中であるときには、その状態が示される。なお、設備管理情報7312では、蓄電池や付属設備を個別に管理するのではなく、蓄電池および付属設備の種類ごとの数量、容量や使用電圧などの仕様を管理するようにしてもよい。
蓄電池ユニット組合せ情報7313は、単一の蓄電池では需要家に必要な電力容量を満たすことができないため、複数の蓄電池を組み合わせる場合に、その組合せに関する情報を提供するものである。例えば、蓄電池の種別間の相性、併用した場合のリスクや効果、適切な組合せ方法などの情報である。蓄電池ユニット組合せ情報7313を参照することによって、単純に必要な電力容量を満たすように蓄電池を組み合わせるのでなく、適切な組合せに基づいて蓄電池を選定することによって、条件のよい蓄電池を供給することが可能になる。
スケジュール情報7314は、配置箇所ごとに設備の予定を格納する。図7(c)に示すように、スケジュール情報7314は、配置箇所S1、設備名S2および予定S3を含むレコードを格納する。配置箇所S1は、蓄電池や付属設備を保管し、需要家に供給する箇所である。設備名S2は、蓄電池や付属設備の名称を示すものであり、配置箇所S1に配置されているすべての設備について設定される。予定S3は、設備名S2の設備に関する今後の予定を示すものである。予定S3は、設備管理情報7312の現在の所在地F8に連動しており、現在の所在地F8が配置箇所であれば、予定なしまたは供給予定日と供給先の需要家が設定され、現在の所在地F8が需要家であれば、回収予定日が設定される。また、現在の所在地F8が配置箇所であっても、充電中や保守中であれば、正規の保管場所に戻って来て、需要家に供給可能な状態になる予定の日時が設定される。さらに、現在の所在地F8が需要家であっても、次の供給予定が決まっていれば、その予定の日時が設定されることがある。なお、スケジュール情報7314では、需要家の蓄電池利用状況、予約状況、常連の需要家の利用予測などのデータを管理するようにしてもよい。
需要家設置情報7315は、供給先の需要家において蓄電池を設置、接続する場合に必要となる情報である。需要家ごとに設定される情報であり、例えば、蓄電池の設置スペースや直流電源装置への接続仕様などである。
<システムの処理>
図8および図9は、蓄電池需給管理システムの処理を示すフローチャートである。図8に示すように、まず、需要家サーバ6では、処理部62が電力使用実績データを取得し、記憶部63に記憶する(S801)。具体的には、需要家の施設や電源装置に接続されたセンサ64が使用電力量、気温および湿度に係る信号を入力し、処理部62に出力する。そして、処理部62が、センサ64から入力した信号を使用電力量、気温および湿度(電力使用実績データ)に変換し、その変換後の各データを記憶部63の使用実績DB632に記憶する。このS801の処理は、所定の時間(例えば、30分間または1時間)ごとに行われる。次に、処理部62が、使用実績DB632に記憶された電力使用実績データを読み出し、通信部61を介して需給管理サーバ8に送信する(S802)。なお、図8では、S801およびS802の処理が同期して行われるように示されているが、それに限定されることはなく、所定の時間ごとの電力使用実績データの取得、記憶(S801)を所定の回数行った後に、その所定の回数分の電力使用実績データをまとめて需給管理サーバ8に送信する(S802)ようにしてもよい。これによれば、需給管理サーバ8との通信回数を削減し、通信コストを抑えることができる。
需給管理サーバ8では、処理部82が、需要家サーバ6から通信部81を介して電力使用実績データを受信し、記憶部83の需要家情報DB831に記憶する(S803)。具体的には、需要家情報DB831の需要家名8311のレコードに対して、時間帯8313ごとに使用電力量8314、所在地の気温8315および所在地の湿度8316を設定する。需要家名8311は、電力使用実績データの送信元のネットワークアドレスにより特定される。
次に、処理部82は、所定の期間におけるデマンド値(使用電力のピーク値)を予測する(S804)。具体的には、まず、デマンド値を予測すべき年月日を設定し、需要家情報DB831の需要家名8311のレコードから、その年月日について、その前年の同じ月日に近い(同じ時期の)同じ曜日のすべての時間帯8313の使用電力量8314を読み出す。次に、その時間帯8313および使用電力量8314をグラフ上にプロットすることによって、図6に示すような日負荷曲線6Aを取得する。ここで、昨年および今年における予測すべき日の所定日数前の電力使用実績を比較し、使用電力の変化に基づいて日負荷曲線6Aを補正してもよい。
そして、所在地の気温8315および所在地の湿度8316が使用電力量8314に与える影響を示す感応度係数を求める。ここで、感応度係数は、過去の需要家個別の設備構成、建物の構成・構造、電力の利用パターンや利用風土などの蓄積データから需要家ごとに個別に算出されるものであり、最終的に湿度をパラメータとして気温一度あたりの電力使用量の増分として求められる。さらに、天気予報などによって得られる、予測すべき日に予想される気温および湿度から、感応度係数に基づいて日負荷曲線6Aを補正することによって、その日のデマンド値を予測する。なお、必ずしも日負荷曲線6Aでなくてもよく、前年の一週間前の同じ曜日の日負荷曲線6Bまたは同じ年の一週間前の同じ曜日の日負荷曲線6Cを取得して、デマンド値の予測を行ってもよい。また、日負荷曲線6A、6Bおよび6Cのうち、いずれか2つ以上を用いてデマンド値を予測してもよい。
続いて、処理部82は、予測したデマンド値が、記憶部83の契約情報DB832に格納された需要家名8321の契約電力8322より大きいか否かを判定する(S805)。契約電力8322より大きくなければ(S805のN)、需要家サーバ6からの電力使用実績データの受信待ちになる。契約電力8322より大きければ(S805のY)、契約電力オーバが予想されるので、それを回避すべくその需要家について蓄電池必要容量データを算出する(S806)。蓄電池必要容量データは、予測したデマンド値から契約電力8322を引いた値(予測オーバ値)および契約電力オーバとなる時間帯を含む。そして、算出した蓄電池必要容量データを需要家サーバ6に送信する(S807)。この場合、対応可能な蓄電池ユニットの種別、需要家の過去の日負荷曲線と予測される日負荷曲線とを重ねたグラフ、最新の蓄電池ユニットの標準利用料金表、蓄電池ユニットの所要設置スペースや接続条件などのデータを含めて送信してもよい。また、契約電力オーバ時の超過料金表や蓄電池ユニットの標準利用料金表は、予め需要家サーバ6に送信されていて、各料金表の内容が更新された場合に送信するようにしてもよい。これによれば、需要家に対して蓄電池接続が有利か否かの判断に有効な情報が提供されるので、需要家はその判断を正確に行うことが可能になる。
需要家サーバ6では、処理部62が、需給管理サーバ8から通信部61を介して蓄電池必要容量データ(予測オーバ値およびその時間帯)を受信する(S808)。そして、受信した蓄電池必要容量データに操業計画などを反映する(S809)ことによって、改めて蓄電池必要容量および蓄電池必要期間を算出する(S810)。具体的には、記憶部63に格納された操業計画DB631から、契約電力オーバの時間帯における電力使用予定値を読み出し、その電力使用予定値から契約電力を引く。その引いた値から、需要家の自助努力によって削減可能な電力分をさらに引いた値を予定オーバ値とする。そして、予測オーバ値および予定オーバ値を比較して、蓄電池必要容量を求める。その求め方はいろいろあってよく、例えば、安定的な電力供給を重視する場合には、より大きい方の値を蓄電池必要容量とする。電力を極力節約したいと考えている場合には、より小さい方の値を蓄電池必要容量とする。また、平均値を蓄電池必要容量としてもよい。さらに、改めて求めた蓄電池必要容量が0より大きい時間帯を合わせて蓄電池必要期間とする。
続いて、処理部62は、蓄電池接続が有利か否かを判断する(S811)。具体的には、まず、改めて求めた蓄電池必要容量および蓄電池必要期間から蓄電池ユニットの標準利用料金表に基づいて蓄電池利用料金を算出する。また、蓄電池必要容量および蓄電池必要期間から契約電力オーバ時の超過料金表に基づいて超過料金を算出する。そして、蓄電池利用料金が超過料金より小さければ、蓄電池接続が有利であると判断する。蓄電池接続が有利であれば(S811のY)、蓄電池必要容量および蓄電池必要期間を含む蓄電池供給依頼メッセージを、通信部61を介して需給管理サーバ8に送信する(S812)。蓄電池接続が有利でなければ(S811のN)、需給管理サーバ8からの蓄電池必要容量の受信処理を終了する。ここで、蓄電池接続が有利か否かを判断せずに、無条件に蓄電池供給依頼メッセージを送信するようにしてもよい。なお、需要家サーバ6の処理部62は、継続してS801およびS802の処理を所定の時間ごとに行う。
需給管理サーバ8では、処理部82が、需要家サーバ6から通信部81を介して蓄電池供給依頼メッセージを受信し、記憶部83に記憶する(S813)。具体的には、記憶部83の契約情報DB832のうち、蓄電池供給依頼メッセージの送信元のネットワークアドレスに対応する需要家名8321のレコードに対して、新たな供給依頼内容8323として蓄電池供給依頼メッセージに含まれる蓄電池必要容量および蓄電池必要期間を追加設定する。図9を参照して、続いて、処理部82は、需要家の位置、蓄電池必要容量および蓄電池必要期間を含む蓄電池供給指示メッセージを、通信部81を介して蓄電池管理サーバ7に送信する(S901)。この場合、需要家の位置は、記憶部83の需要家情報DB831のうち、蓄電池供給依頼メッセージの送信元のネットワークアドレスに対応する需要家名8311のレコードの、所在地の位置8312により特定できる。また、記憶部83の契約情報DB832のうち、追加設定した供給依頼内容8323のデータの供給状況8324に、蓄電池供給指示メッセージを送信した日時を設定する。
蓄電池管理サーバ7では、処理部72が、需給管理サーバ8から通信部71を介して蓄電池供給指示メッセージを受信する(S902)。そして、蓄電池供給指示メッセージに含まれる需要家の位置、蓄電池必要容量および蓄電池必要期間から、記憶部73の蓄電池管理DB731の各情報に基づいて蓄電池の配置箇所および需要家に移動すべき蓄電池(付属設備を含む)を選定する(S903)。具体的には、まず、需要家の位置と、各設備管理情報7312の配置箇所の位置F2との距離の関係などから、適切な配置箇所F1を選定する。この場合、単なる2地点間の直線距離によってではなく、移動するルートの道路事情や交通量などを含めて考慮することによって、より適切な配置箇所を選定する。そして、選定した配置箇所F1のレコードを参照して、現在の所在地F8が配置箇所になっている設備名F3の中から、蓄電池および付属設備を選定する。蓄電池の選定にあたっては、残存容量F5の合計が蓄電池必要容量以上になるようにするとともに、2以上の蓄電池を組み合わせる場合には、蓄電池ユニット組合せ情報7313を参照して適切な組合せになるようにする。なお、蓄電池または付属設備が足りない場合には、スケジュール7314のレコードのうち、当該配置箇所S1および当該設備名S2の予定S3を参照して、蓄電池必要期間より前に戻って来る設備名S2があれば、その利用を予定する。それでも都合が付かない場合には、設備管理情報7312のうち、次に適切な配置箇所の位置F2の配置箇所F1を新たに選定し、その中で蓄電池の選定を行う。
処理部72は、配置箇所および蓄電池の選定が完了したら、スケジュール7314の配置箇所S1のレコードのうち、蓄電池必要期間に従って各設備名S2の予定S3を設定する。そして、蓄電池供給要求メッセージを表示部75に表示(出力)する(S904)。これは、蓄電池管理サーバ7のディスプレイなどに、蓄電池必要期間、配置箇所、需要家、移動ルート、移動すべき蓄電池および付属設備を含む蓄電池供給要求メッセージを表示することによって、電力会社の担当者に移動作業を促すものである。電力会社の担当者は、蓄電池供給要求メッセージを参照して、蓄電池などの移動を自ら行い、または、配置箇所の担当者に連絡して行わせる。電力会社の担当者は、蓄電池などの移動が完了した場合に、蓄電池管理サーバ7の入力部74を操作して、蓄電池供給済メッセージを入力する。処理部72は、入力部74を介して蓄電池供給済メッセージを取得し、その蓄電池供給済メッセージを、通信部71を介して需給管理サーバ8に送信する(S905)。この場合、設備管理情報7312の現在の所在地F8に、移動先の需要家名またはその位置情報を設定するとともに、蓄電池必要期間に従ってスケジュール情報7314の予定S3に設備の戻り予定日を設定する。
需給管理サーバ8では、処理部82が、蓄電池管理サーバ7から通信部81を介して蓄電池供給済メッセージを受信し、記憶部83に記憶する(S906)。具体的には、記憶部83の契約情報DB832のレコードのうち、該当する供給状況8324に蓄電池供給済メッセージを受信した日時を設定する。次に、該当する供給依頼内容8323に設定された蓄電池必要期間の経過を待つ(S907)。これは、需要家に供給した蓄電池の利用が終了するのを待つことを意味する。そして、蓄電池必要期間が経過したとき、蓄電池回収指示メッセージを、通信部81を介して蓄電池管理サーバ7に送信する(S908)。この場合、契約情報DB832のレコードのうち、該当する回収状況8325に蓄電池回収指示メッセージを送信した日時を設定する。
蓄電池管理サーバ7では、処理部72が、需給管理サーバ8から通信部71を介して蓄電池回収指示メッセージを受信する(S909)。そして、蓄電池回収要求メッセージを表示部75に表示する(S910)。これは、蓄電池管理サーバ7のディスプレイなどに、蓄電池回収要求メッセージを表示することによって、電力会社の担当者に回収作業を促すものである。電力会社の担当者は、蓄電池回収要求メッセージを参照して、蓄電池などの回収を自ら行い、または、配置箇所の担当者に連絡して行わせる。電力会社の担当者は、蓄電池などの回収が完了した場合に、蓄電池管理サーバ7の入力部74を操作して、蓄電池回収済メッセージを入力する。処理部72は、入力部74を介して蓄電池回収済メッセージを取得し、その蓄電池回収済メッセージを、通信部71を介して需給管理サーバ8に送信する(S911)。この場合、設備管理情報7312の現在の所在地F6に、配置箇所を設定するとともに、スケジュール情報7314の予定S3に「予定なし」を設定する。ただし、既に次の需要家への移動予定が決まっていれば、その予定を設定する。これにより、需給管理サーバ8からの蓄電池回収指示メッセージの受信処理を終了する。
需給管理サーバ8では、処理部82が、蓄電池管理サーバ7から通信部81を介して蓄電池回収済メッセージを受信し、記憶部83に記憶する(S912)。具体的には、記憶部83の契約情報DB832のレコードのうち、該当する供給状況8324に蓄電池回収済メッセージを受信した日時を設定する。
以上説明した第2の実施の形態によれば、移動型電力貯蔵用二次電池を、契約電力オーバが予想される需要家のところに移動し、必要期間設置することによって、契約電力オーバを防止することができる。また、雷の多発時期や発雷予報に応じて移動型電力貯蔵用二次電池を需要家の重要負荷に設置することによって、瞬時電圧低下を防止することができる。これによれば、需要家や電力会社において多様な活用を行うことができ、産業上の利用価値が極めて高いということができる。
以上本発明の実施の形態について説明したが、図1および図4に示す各サーバ内の各部を機能させるために、各処理部で実行されるプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録し、その記録したプログラムをコンピュータに読み込ませ、実行させることにより、本発明の実施の形態に係る蓄電池需給管理システムが実現されるものとする。なお、プログラムをインターネットなどのネットワーク経由でコンピュータに提供してもよいし、プログラムが書き込まれた半導体チップなどをコンピュータに組み込んでもよい。
≪その他の実施の形態≫
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。例えば、以下のような実施の形態が考えられる。
(1)前記第2の実施の形態の蓄電池需給管理システム101の需要家においては、デマンド管理および瞬時電圧低下補償の監視、制御の機能を備えた制御装置、交流・直流の可逆の変換が可能な交直変換装置、所要の交流電圧に変換するインバータおよび蓄電池が一体となるのが望ましく、移動型蓄電池を接続する箇所は、重要負荷の系統電源側であることが望ましい。
(2)前記第2の実施の形態において、蓄電池は満充電の状態で需要家に移動され、負荷系統に接続されるが、その利用は1回とは限らず、複数回であってもよい。1つの需要家における蓄電池の利用が複数回に及ぶ場合には、移動先の需要家で深夜電力など軽負荷のときに充電を可能とする充電装置を付属設備として備えている。その場合、充電装置の制御機器、接続・据付用機材および無停電開閉装置なども一体で利用できるように、蓄電池管理サーバ7の設備管理情報7312に管理される。
(3)前記第2の実施の形態において、需要家の直流電源装置に接続された蓄電池および付属設備に関しては、その利用状況や異常の有無などの稼動情報が、需要家サーバ6から需給管理サーバ8に随時送信されるようにしてもよい。この場合、その稼動情報は、需給管理サーバ8の契約情報DB832に取り込まれて、契約上問題がないか否かが確認される。また、その稼動情報のうち、蓄電池管理上必要な情報は、蓄電池管理サーバ7にも送信され、蓄電池管理DB731の稼動実績・設備計画情報7311に取り込まれて、設備のメンテナンス上必要な対応が適宜行われる。
(4)前記第2の実施の形態において、需要家から蓄電池や付属設備の回収が済んだ旨のメッセージ(蓄電池回収済メッセージ)を需給管理サーバ8が受信した場合に、(2)で取り込んだ稼動情報などから、契約情報DB832に格納された契約電力8322など、現在の契約内容で支障がないか否かをチェックするようにしてもよい。これによれば、例えば、あまりにも移動用蓄電池の利用が多いようであれば、需要家に契約電力の引き上げを提案するといった対応を行うことができる。
(5)需要家としては、バッテリー電気自動車や充電スタンドを含んでもよい。バッテリー電気自動車に対して蓄電池を供給する場合には、DC/DCコンバータおよびその自動車に搭載されたバッテリー仕様に合わせた充電を可能とする調整装置を用いる。充電スタンドは、電力系統の交流電源で急速充電を行う充電装置と、深夜電力または普通充電により充電された蓄電池を電源とし、DC/DCコンバータを介して充電を行う充電装置により、充電サービスを行う。その蓄電池の電力容量が不足した場合に、蓄電池を供給する。
(6)前記第1の実施の形態の蓄電池需給管理システム100と、前記第2の実施の形態の蓄電池需給管理システム101とを統合したシステムを構築してもよい。これによれば、電力施設向けのシステムと、需要家向けのシステムとを統合することで、ハードウェアやソフトウェアが共用でき、蓄電池需給管理システム全体としての効率が格段に向上するとともに、コストの低減にもつながる。
(7)前記第2の実施の形態において、蓄電池を管理・供給する事業者は必ずしも電力会社である必要はないが、これを電力会社が行う場合に、既に需要家との間で専用の通信回線が設置されていて、需要家サーバ6を使わない方法で電力の使用状況など需要家の必要データが入手できる場合には、需要家サーバ6の機能を大幅に簡素化あるいは省略することも可能である。
第1の実施の形態に係る蓄電池需給管理システムの構成を示す図である。 第1の実施の形態に係る蓄電池管理DBのデータ構成を示す図である。 第1の実施の形態に係る蓄電池需給管理システムの処理を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る蓄電池需給管理システムの構成を示す図である。 第2の実施の形態に係るDBの構成を示す図であり、(a)は需要家サーバの使用実績DBの構成を示し、(b)は需給管理サーバの需要家情報DBの構成を示し、(c)は需給管理サーバの契約情報DBの構成を示す。 第2の実施の形態に係る日負荷曲線を示す図である。 第2の実施の形態に係る蓄電池管理サーバの蓄電池管理DBの構成を示す図であり、(a)は蓄電池管理DBの構成を示し、(b)は設備管理情報の構成を示し、(c)はスケジュール情報の構成を示す。 第2の実施の形態に係る蓄電池需給管理システムの処理を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る蓄電池需給管理システムの処理(続き)を示すフローチャートである。
符号の説明
100 蓄電池需給管理システム
2 電力施設サーバ(電力施設コンピュータ)
3 蓄電池管理サーバ(蓄電池管理コンピュータ)
4 監視サーバ(監視コンピュータ)
5 ネットワーク
101 蓄電池需給管理システム
6 需要家サーバ(需要家コンピュータ)
7 蓄電池管理サーバ(蓄電池管理コンピュータ)
8 需給管理サーバ(需給管理コンピュータ)
9 ネットワーク

Claims (4)

  1. 電力施設の停電または電源の故障に応じて直流電源確保の目的で、その電力施設に蓄電池を供給するための蓄電池需給管理システムであって、
    前記電力施設の停電および電源の故障を監視する電力施設コンピュータと、
    前記電力施設コンピュータからの停電情報および故障情報を受け付ける監視コンピュータと、
    前記監視コンピュータからの停電情報および故障情報を受け付けて、それらに応じて前記電力施設への蓄電池の供給を要求する蓄電池管理コンピュータと、
    が通信可能に構成され、
    前記蓄電池管理コンピュータは、前記電力施設毎に、当該電力施設に移動すべき蓄電池の配置箇所、当該配置箇所から当該電力施設までの移動ルート、電力施設に備えられた常用蓄電池の容量である常用蓄電池容量、当該電力施設の停電または故障が発生した場合に、前記常用蓄電池から電力を供給すべき時間である所用供給時間、当該所用供給時間に応じて決定した容量である移動用蓄電池容量、及び当該移動用蓄電池容量に応じて決定した割当蓄電池が記憶された蓄電池管理データベースを備え、
    前記電力施設コンピュータは、センサにより前記電力施設の停電および電源の故障を監視し、停電または故障が発生していれば、停電情報または故障情報を前記監視コンピュータに送信し、
    前記監視コンピュータは、前記電力施設コンピュータから停電情報または故障情報を受信し、記憶部に格納するとともに、所定のタイミングで前記記憶部から停電情報または故障情報を読み出し、前記蓄電池管理コンピュータに送信し、
    前記蓄電池管理コンピュータは、前記監視コンピュータから停電情報または故障情報を受信し、その最初の送信元の電力施設コンピュータに係る電力施設を特定し、前記蓄電池管理データベースを参照して、前記特定した電力施設について記憶された前記割当蓄電池、前記配置箇所および前記移動ルートを取得し、蓄電池の供給を要求するメッセージとしてそれらの情報を出力する
    ことを特徴とする蓄電池需給管理システム。
  2. 需要家の電力使用状況に応じて、その需要家に蓄電池を供給するための蓄電池需給管理システムであって、
    前記需要家における電力使用実績データおよび電力使用予定データを記憶する需要家コンピュータと、
    前記需要家の電力使用実績データを蓄積し、前記需要家の契約電力を含む契約データを記憶する需給管理コンピュータと、
    蓄電池の配置箇所ごとにその配置箇所の位置、その配置箇所に備えられた蓄電池およびその蓄電池の電力容量を含む蓄電池管理データを記憶する蓄電池管理コンピュータと、
    が通信可能に構成され、
    前記需要家コンピュータは、
    前記電力使用実績データを前記需給管理コンピュータに送信するとともに、その需給管理コンピュータから所定の期間における蓄電池必要容量データを受信し、その蓄電池必要容量データおよび前記需要家の電力使用予定データから蓄電池必要容量および蓄電池必要期間を算出し、その蓄電池必要容量および蓄電池必要期間を含む蓄電池供給依頼メッセージを前記需給管理コンピュータに送信し、
    前記需給管理コンピュータは、
    前記需要家コンピュータから前記電力使用実績データを受信し、蓄積し、その蓄積した電力使用実績データから前記需要家の所定の期間におけるデマンド値を予測し、そのデマンド値が前記契約電力より大きい場合に、前記デマンド値から前記契約電力を引いた値およびその時間帯を含む蓄電池必要容量データを前記需要家コンピュータに送信するとともに、前記需要家コンピュータから前記蓄電池供給依頼メッセージを受信したときに、前記需要家の位置、前記蓄電池必要容量および前記蓄電池必要期間を含む蓄電池供給指示メッセージを前記蓄電池管理コンピュータに送信し、
    前記蓄電池管理コンピュータは、
    前記蓄電池管理コンピュータから前記蓄電池供給指示メッセージを受信し、前記蓄電池管理データに基づいて、前記需要家の位置から蓄電池の配置箇所を選定し、前記蓄電池必要容量および前記蓄電池必要期間からその配置箇所に備えられた1以上の蓄電池を選定し、前記選定された配置箇所から前記選定された1以上の蓄電池を前記需要家の位置に移動するように要求するメッセージを出力する
    ことを特徴とする蓄電池需給管理システム。
  3. 前記需要家コンピュータは、
    前記蓄電池必要容量および前記蓄電池必要期間から蓄電池の利用料金および契約電力の超過料金を算出し、前記蓄電池の利用料金が前記契約電力の超過料金より小さい場合に、前記蓄電池供給依頼メッセージを前記需給管理コンピュータに送信する
    ことを特徴とする請求項2に記載の蓄電池需給管理システム。
  4. 前記需給管理コンピュータは、
    前記需要家の所定の期間におけるデマンド値を予測する場合に、
    予測すべき日と同じ時期の同じ曜日の一年前の電力使用実績データから日負荷曲線を取得し、昨年および今年における予測すべき日の所定日数前の電力使用実績を比較し、使用電力の変化に基づいて前記日負荷曲線を補正するとともに、前記需要家の所在地における気温および湿度が使用電力に与える影響を示す感応度係数を求め、予測すべき日に予想される気温および湿度から、前記感応度係数に基づいて前記日負荷曲線を補正する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の蓄電池需給管理システム。

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