JP4632562B2 - 画像定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿式で画像を形成する様にした複写機,ファクシミリ,プリンタ等の湿式画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の湿式画像形成装置としては、例えば、特開2000−003061号公報(特願平10−18164号)に開示されたようなものがある。この湿式画像形成装置においては、記録媒体上の画像中に存在する画像液体の一部を定着工程において定着用の加熱部材に付着させる事で,該加熱部材と着色微粒子との剥離性を向上させ、オフセットを防止する定着装置を提供するようにしている。
【0003】
また、定着装置としては、加熱部材と記録媒体支持体との間に電位差を形成したり電流を流す事により、記録媒体上の着色微粒子を凝集させて定着性を向上させる様にした電位差方式とすることも考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特開2000−003061号公報に開示した様な湿式画像形成装置においては、記録媒体上の画像中に十分な画像液体が存在している場合、定着工程により十分なオフセット防止効果がある。
【0005】
一方、この様な湿式画像形成装置において、画像液体として不揮発性の液体を使用した場合には、定着工程完了後の記録媒体中に不揮発性液体が残留する事になる。
【0006】
しかし、この液体残留量が多い場合には、記録媒体の質感を損なう(例えば、薄紙が透けて見えるなど)のみならず、画像形成された記録媒体と接触する他の物体への液体転移(例えば、机に液体が付着するなど)が発生してしまう恐れがある。
【0007】
さらに,残留する液体が着色微粒子同士もしくは着色微粒子と記録媒体との密着性を低下させるために定着性の低下を招く原因となりやすい。この様な場合には、例えば上述の電位差方式の定着方法の採用により、十分な定着性を確保する事が可能である。
【0008】
この様な背景から、記録媒体に付着させる液体の量を極力低減する努力がなされている。例えば、液体現像剤を電子写真プロセスにより作像する場合には、現像剤そのものの溶媒量を減らしたり(高濃度化)、現像工程や転写工程に加えて液体分除去工程などを設けるなどしている。
【0009】
しかし、記録媒体上の画像中に含有される画像液体量が低減するという事は、取りも直さず定着工程でのオフセット防止効果が得られにくくなる要因となる。
【0010】
従って、オフセット防止効果を期待するために、加熱部材の表層材料は離型性に優れたフッ素系の樹脂により構成する事が好ましい。
【0011】
ところが、加熱部材の離型性が優れると言う事は、加熱部材への着色微粒子の付着力が低減するのみならず、画像液体が加熱部材に弾かれ易くなってしまう。つまり、オフセットを防止するための画像液体による離型層を加熱部材の表面に形成する事が困難となる。
【0012】
また、オフセット防止の目的で加熱部材に対してシリコーンオイル等の離型用液体を別途塗布する機構を設けた場合には、せっかく上流側のプロセスにおいて画像液体量低減への努力がなされている事に反して記録媒体中に液体を供給してしまう事になる。さらに、加熱部材への離型用液体塗布機構を設けると言う事は、定着装置の大型化や複雑化をもたらすのみならず、熱容量を増大させてしまう事による消費エネルギー増加という副作用も大きい。
【0013】
そこで、本発明は、着色微粒子の電気的特性を利用して着色微粒子同士あるいは着色微粒子と記録媒体との凝集力を高める事によって確実な定着性が得られると同時に、画像液体が非常に少ない場合においても十分なオフセット防止効果を持ち、且つ小型、簡易な構成によって、低エネルギー定着が実現できる定着装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1に記載の発明の画像定着装置は、熱可塑性の着色微粒子を含む画像液体により記録媒体上に形成された画像を、該画像面に接触する加熱部材と、該記録媒体を該加熱部材に押圧する記録媒体支持部材とによって定着を行なうと共に、定着時には該加熱部材の表面と該記録媒体支持部材の表面との間に電位差を形成する定着装置に関して、該加熱部材表面が多孔質層であり、且つ該多孔質層には画像液体とほぼ同一成分の液体が含浸された状態であると共に、該多孔質層の平均孔径が該着色微粒子の平均粒径よりも小さく、該多孔質層の最大孔径が該着色微粒子の最小粒径よりも小さい事を特徴とする。
【0015】
また、上記目的を達成するため、請求項に2に記載の発明の画像定着装置は、請求項1記載の画像定着装置に関して,加熱部材の表面と記録媒体支持部材の表面との間に電流を流す事を特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明の画像定着装置は、請求項1又は2記載の画像定着装置に関して、該多孔質層への液体供給が、記録媒体上に形成された画像中に含まれる画像液体によって行われる事を特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明の画像定着装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像定着装置に関して、該多孔質層がPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)多孔質膜である事を特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明の画像定着装置は、請求項4記載の画像定着装置に関して、該PTFE多孔質膜が延伸工程を経て成形された延伸PTFE多孔質膜(以下、e−PTFE)である事を特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の発明の画像定着装置は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の画像定着装置に関して、該多孔質層の空孔率が25%以上90%以下である事を特徴とする。
【0022】
請求項に記載の発明の画像定着装置は、請求項1〜のいずれか一つに記載の画像定着装置に関して、該多孔質層の表面に付着する液体量を規制する事のできる部材が該加熱部材表面に当接されている事を特徴とする。
【0023】
請求項に記載の発明の画像定着装置は、請求項1〜のいずれか一つに記載の画像定着装置に関して、該多孔質層が半導電性を有している事を特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[構成]
図1は、本発明にかかる湿式フルカラー画像形成装置(湿式画像形成装置)を示したものである。この湿式フルカラー画像形成装置は、タンデム配列の感光装置群1と、感光装置群1の現像を行う現像装置群2と、中間転写装置3と、定着装置4を有する。
<感光装置群1>
感光装置群1は、イエロー感光装置5,マゼンタ感光装置6,シアン感光装置7,ブラック感光装置8を有する。
【0025】
このイエロー感光装置5は、ドラム状のイエロー感光体(イエロー感光ドラム)5a,帯電ローラ5b,感光体クリーニングブレード5c、除電ランプ5dを有する。また、マゼンタ感光装置6は、筒状のマゼンタ感光体(マゼンタ感光ドラム)6a,帯電ローラ6b,感光体クリーニングブレード6c,除電ランプ6dを有する。更に、シアン感光装置7は、筒状のシアン感光体(シアン感光ドラム)7a,帯電ローラ7b,感光体クリーニングブレード7c,除電ランプ7dを有する。また、ブラック感光装置8は、筒状のブラック感光体(ブラック感光ドラム)8a,帯電ローラ8b,感光体クリーニングブレード8c,除電ランプ8dを有する。
【0026】
各感光体5a,6a,7a,8a等はアモルファスシリコン感光材料等の潜像担持体からなり、帯電ローラ5b,6b,7b,8b等はエピクロロヒドリンゴムローラ等からなり、感光体クリーニングブレード5c,6c,7c,8cはウレタンゴム等からなる。
【0027】
そして、感光体は5a,6a,7a,8aは、図示しない露光手段によりそれぞれ矢印5e,6e,7e,8eで示したようにして露光されて、各色の静電潜像が形成されるようになっている。この様な感光体5a〜8aへの露光手段による書き込みにはレーザーダイオード(LD)からのレーザー光が用いられる。そして、この書き込みに際して、感光体5a〜8aの回転駆動に伴う帯電ローラ表面移動速度は150mm/sに設定され、感光体5a〜8aの感光体上帯電電位は+800Vに設定され、感光体5a〜8aの露光後画像部電位は+50Vに設定されている。
<現像装置群2>
現像装置2は、イエロー現像装置9,マゼンタ現像装置10,シアン現像装置11,ブラック現像装置12を有する。
【0028】
イエロー現像装置9は、現像液タンク9aと、現像液タンク9a内のイエロー現像剤9bと、イエロー現像剤9bに下部が浸漬された現像剤塗布ローラ9cと、現像剤塗布ローラ9c及びイエロー感光体5aに接触する現像ローラ9dと、現像剤塗布ローラ9cに臨むメータリングブレード9eと、現像ローラ9dのクリーニングブレード9fを有する。
【0029】
マゼンタ現像装置10は、現像剤タンク10aと、現像剤タンク10a内のマゼンタ現像剤10bと、マゼンタ現像剤10bに下部が浸漬された現像剤塗布ローラ10cと、現像剤塗布ローラ10c及びマゼンタ感光体6aに接触する現像ローラ10dと、現像剤塗布ローラ10cに臨むメータリングブレード10eと、現像ローラ10dのクリーニングブレード10fを有する。
【0030】
シアン現像装置11は、現像剤タンク11aと、現像剤タンク11a内のシアン現像剤11bと、シアン現像剤11bに下部が浸漬された現像剤塗布ローラ11cと、現像剤塗布ローラ11c及びシアン感光体7aに接触する現像ローラ11dと、現像剤塗布ローラ11cに臨むメータリングブレード11eと、現像ローラ11dのクリーニングブレード11fを有する。
【0031】
ブラック現像装置12は、現像剤タンク12aと、現像剤タンク12a内のブラック現像剤12bと、ブラック現像剤12bに下部が浸漬された現像剤塗布ローラ12cと、現像剤塗布ローラ12c及びブラック感光体8aに接触する現像ローラ12dと、現像剤塗布ローラ12cに臨むメータリングブレード12eと、現像ローラ12dのクリーニングブレード12fを有する。
【0032】
イエロー現像剤9b,マゼンタ現像剤10b,シアン現像剤11b,ブラック現像剤12b等の画像液体(現像液体)には、キャリア液,着色粒子,その他:電荷制御剤、分散剤等が用いられている。そして、キャリア液や着色粒子としては、例えば、
「キャリア液:100cStジメチルポリシロキサン
着色微粒子:変性エポキシ系樹脂(Tg=50℃)+各色着色顔料
その他:電荷制御剤、分散剤
着色微粒子平均粒径:3μm
着色微粒子帯電極性:正」
等の条件のものが用いられている。ここでいう各色着色原料としては、イエロー色着色顔料,マゼンタ色着色顔料,シアン色着色顔料,ブラック色着色顔料等がある。そして、イエロー現像剤9bにはイエロー色着色顔料が用いられ、マゼンタ現像剤10bにはマゼンタ色着色顔料が用いられ、シアン現像剤11bにはシアン色着色顔料が用いられ、ブラック現像剤12bにはブラック色着色顔料が用いられる。
【0033】
また、現像剤塗布ローラ9c,10c,11c,12cにはステンレス製グラビアローラ等が用いられている。現像ローラ9d,10d,11d,12dには、ステンレス芯棒に低硬度シリコーンゴム(硬度〜ショアーA 5°)及び厚み50μm導電性PFAチューブ(体積抵抗率〜105Ω cm)を被覆したものが用いられている。メータリングブレード9e,10e,11e,12eにはステンレスがもちいられている。
【0034】
現像剤ローラ9c,10c,11c,12cの表面に塗布される現像剤層の厚みは約7μmである。また、現像剤ローラ9c,10c,11c,12cの表面移動速度は、現像剤ローラ9c,10c,11c,12cと現像ローラ9d,10d,11d,12dとの接触部(ニップ幅〜1mm)において、現像ローラ表面の移動方向とは逆向きに250mm/sに設定されている。
【0035】
現像ローラ9c,10c,11c,12cの表面移動速度は、感光体5a,6a,7a,8aと現像ローラ9c,10c,11c,12cとの接触部(ニップ幅〜5mm)において、感光体(潜像担持体)5a,6a,7a,8a表面の移動速度と同じ向きに150mm/sに設定されている。また、現像ローラ9c,10c,11c,12cの表面電位は400Vに設定されている。クリーニングブレード9f,10f,11fは12fステンレスから形成されている。
<中間転写装置3>
この中間転写装置3は、イエロー感光体5aの上方に配設されたイエロー一次転写ローラ13と、マゼンタ感光体6aの上方に配設されたマゼンタ一次転写ローラ14と、シアン感光体7aの上方に配設されたシアン一次転写ローラ15と、ブラック感光体8aの上方に配設されたブラック一次転写ローラ16と、中間転写ベルト駆動ローラ17を有する。このローラ13,17はローラ14,15,16の径よりも大きく形成されている。
【0036】
また、中間転写装置3は、イエロー一次転写ローラ13と中間転写ベルト駆動ローラ17とに掛け渡された中間転写ベルト18と、中間転写ベルト18の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニングブレード19を有する。そして、中間転写ベルト18の下部側は、一次転写ローラ13〜16により感光体5a,6a,7a,8aに圧接される様になっている。
【0037】
更に、中間転写装置3は、中間転写ベルト18を介して中間転写ベルト駆動ローラ17に隣接配置された二次転写ローラ20とを有する。この中間転写ベルト18と二次転写ローラ20との間には、ローラ17,20間に位置してシート状の記録媒体21が供給される様になっている。しかも、この中間転写ベルト18と二次転写ローラ20は、中間転写ベルト駆動ローラ17により互いに反対方向に回転駆動されて、供給される記録媒体21を定着装置4側に供給する様になっている。
【0038】
尚、一次転写ローラ13〜16には、エピクロロヒドリンゴムローラが用いられていると共に、一次転写ローラバイアス電位として300V(定電圧制御)の電圧が印加される。また、中間転写ベルト18には厚み0.1mmのステンレスベルト母材に厚み1.5mmの導電ウレタンゴムを被覆したものが用いられている。この中間転写ベルト18の表面移動速度は150mm/sに設定されている。しかも、中間転写ベルトクリーニングブレード19にはウレタンゴムが用いられ、中間転写ベルト駆動ローラ17にはエピクロロヒドリンゴムローラが用いられ、二次転写ローラ20にはエピクロロヒドリンゴムローラが用いられている。そして、二次転写ローラ20から中間転写ベルト18に流す電流は100μAに設定されている。
<定着装置4>
また、定着装置4は、図1に示したように定着ローラ(加熱部材)22と、定着ローラ22の表面の液量を規制する液量規制部材23と、これに隣接配置された加圧ローラ(記録媒体支持部材)24を有する。この液量規制部材23はフッ素ゴムから形成されている。
【0039】
定着ローラ22は、中空アルミ芯金25と、この中空アルミ芯金25内に配設されたハロゲンランプ(ハロゲンヒータ)26と、中空アルミ芯金25の外周面に被覆したe−PTFE多孔質層27を有する。このe−PTFE多孔質層27は、厚み80μmで半導電性e−PTFE(最大孔径0.2μm)繊維の層を中空アルミ芯金25の外周面に被覆することにより、チューブ状に形成したものである。このe−PTFE多孔質層27は、体積抵抗率が1012Ωcmに設定されている。また、ハロゲンランプ(定着ローラ加熱手段)26の加熱による定着ローラ22の表面温度は85℃に設定されている。
【0040】
加圧ローラ24は、ステンレス芯棒28と、ステンレス芯棒28を被覆する半導電性発泡シリコーン母材及び厚み100μm半導電性PFAチューブの被輻層29を有する。また、定着ローラ22と加圧ローラ24とによるシート状の記録媒体21の加圧挟持部(定着部)のニップ幅は6mmに設定されている。更に、定着ローラ22の芯金電位はアースされて0V(GND)となっており、加圧ローラ24の芯棒電位は800V(記録媒体が無い時)に設定されている。そして、定着ローラ22から加圧ローラ24に流れる電流は500μA(定電流制御)に制御され、定着ローラ22の表面移動速度は150mm/sに設定されている。
[作用]
次に、この様な構成の湿式フルカラー画像形成装置の作用を説明する。
【0041】
この様な構成において各感光体5a,6a,7a,8aは、図1中、時計回り方向に回転駆動させられる際、除電ランプ5dにより表面の静電潜像が除去された後、表面に残存する現像剤がクリーニングブレード9f,10f,11fにより除去される。この後、各感光体5a,6a,7a,8aは、反時計回り方向に回転する帯電ローラ5b,6b,7b,8bによりそれぞれ800Vに帯電させられる。
【0042】
そして、この各感光体5a,6a,7a,8aは帯電直後の位置で図示しない露光手段(画像書き込み手段)によりそれぞれ矢印5e,6e,7e,8eで示したようにして各色の画像に応じて露光されて、各感光体5a,6a,7a,8aの表面には各色のための静電潜像が形成されるようになっている。
【0043】
一方、現像剤塗布ローラ9c,10c,11c,12cは、下部が現像剤タンク9a,10a,11a,12a内の現像剤9b,10b,11b,12bに浸漬された状態で、図1中反時計回り方向に回転させられる。この回転により現像剤タンク9a,10a,11a,12a内の現像剤9b,10b,11b,12bは、現像剤塗布ローラ9c,10c,11c,12cの表面にそれぞれ付着させられた後、メータリングブレード9e,10e,11e,12によりそれぞれ所定の厚みに形成される。この現像剤塗布ローラ9c,10c,11c,12cの表面にそれぞれ付着させられた各色の現像剤は、現像ローラ9c,10c,11c,12cの表面にそれぞれ付着させられて約7μmの層に形成された後、一部が感光体5a,6a,7a,8aの表面に形成された静電潜像の部分にオフセット(付着)させられる。現像剤塗布ローラ9c,10c,11c,12cの表面にそれぞれ付着させられた各色の現像剤の残りは、現像剤タンク9a,10a,11a,12a内にそれぞれ戻される。
【0044】
一方、中間転写ベルト駆動ローラ17の反時計回り方向への回転により、中間転写ベルト18及びイエロー一次転写ローラ13が反時計回りに回転駆動させられると共に、一次転写ローラ14〜16が中間転写ベルト18と感光体5a,6a,7a,8aの回転によって反時計回り方向に回転させられる。この際、中間転写ベルト18と感光体5a,6a,7a,8aの接触部は同方向に同期して同じ速度で移動させられる。
【0045】
この回転に伴い、感光体5a,6a,7a,8aの静電潜像の部分にそれぞれオフセットされた各色の現像剤は、一次転写ローラ13〜16の押圧作用により中間転写ベルト18の表面に転写させられた後、二次転写ローラ20の押圧力により中間転写ベルト18の表面から記録媒体21に転写させられる。
<定着装置4の作用>
この各色の現像剤による画像が転写させられた記録媒体21は定着ローラ22と加圧ローラ28との間に供給させられて、定着ローラ22と加圧ローラ28との間を通過する際に、記録媒体21に転写させられた現像剤による画像が定着ローラ22の熱と加圧ローラ24による加圧力により定着させられる。
【0046】
ところで、定着ローラ22の表層に設けた80μm厚のe−PTFE多孔質層27は、図3(a)に示したように多数の小さな結節と、それを繋ぐ極めて微細な繊維によって構成されている。この結節の大きさ、繊維の長さや太さ、またはこれらによって決まる平均孔径、さらに空孔率などは、延伸条件などの製造条件によって制御可能である。ここでは、図2に示すように平均孔径が約 0.1μm 弱、最大孔径が 0.2μm 程度の孔径を有するe−PTFE多孔質層(e−PTFE繊維層)27を使用した。
【0047】
また、図2には画像を形成する着色微粒子の粒径分布(平均粒径約3μm、最小粒径約1μm弱)も示す。このようなe−PTFE多孔質層27の孔径分布と着色微粒子分布との組合せによると、e−PTFE多孔質層27への着色微粒子進入が起こり得ないため、着色微粒子による定着ローラの汚染は限りなく発生しない。
【0048】
尚、平均粒径が0.2μm程度の別の現像剤を使用した場合には、定着ローラ22への若干量の汚染が確認されたが実用には差し支えないレベルであった。平均粒径が0.2μm程度のこの現像剤を使用し、平均孔径が約0.5μmのe−PTFE多孔質層27を使用した場合には、定着ローラ22の着色微粒子による汚染の程度がひどく、長期の使用により孔が着色微粒子によって埋まってしまう恐れがあると判断された。
【0049】
更に、e−PTFE多孔質層22内には適量の導電材が混入されており、体積抵抗率が1012Ω・cmに調整されている。
【0050】
まだ一度も定着工程を行なった事のない新品の定着ローラ22に対しては、予め現像剤のキャリア液の主成分である100cStのジメチルポリシロキサンを含浸させておく(図3(a)参照)。この様な定着ローラ22に対して、図3に示す様な記録媒体及び画像が定着時に当接される(図3(b)参照)。この時、画像層中には電流が流され、この電流により着色微粒子同士、さらに着色微粒子と記録媒体との凝集力が高められる。同時に、粒子の凝集によって押出されたキャリア液の一部が定着ローラ表面にキャリア液層を形成する。但し、画像中にもともと含有されるキャリア液量が少ない場合には、このキャリア層はほとんど形成されない。
【0051】
画像面への定着ローラ22の当接過程において着色微粒子は軟化溶融し、着色微粒子同士あるいは着色微粒子と記録媒体との間に結合力が生じる(図3(c)参照)。この時、着色微粒子間の空間に存在していたキャリア液の一部は記録媒体21の内部へ、また一部は定着ローラ22の表面に移動する。記録媒体21の内部には多くの空間が存在するためにキャリア液は記録媒体22の内部にどんどん浸透していくが、定着ローラ22側に移動したキャリア液は行き場がない(すでに、多孔質層は液で満たされている)ために、定着ローラ22の表面と着色樹脂画像層との間にさらにキャリア液層を形成する。
【0052】
定着ニップから開放される際には、凝集力の最も低い部分、つまりこのキャリア液層において分離が行われ(図3(d)参照)、画像の定着は完了する。定着ローラ22の表層には画像中から移動してきたキャリア液が余剰に付着しているため、ブレード状の液量規制部材23によって余剰分が除去される(図3(e)参照)。
【0053】
この余剰液除去の際に、多孔質層内部にもともと含浸されていた100cStジメチルポリシロキサンと現像剤キャリア液との置換が行われるが、両者の成分はほぼ等しいために定着ローラ22の定着特性は長期に渡り安定する。定着ローラ22の表面が常に液で濡れた状態であるため、長期に渡りオフセットの低減効果が持続する。
【0054】
以上の様なプロセスにより、確実な定着性とオフセット防止効果を得る事ができる。定着ローラ22から加圧ローラ24に向かって流す電流量を0μAとした時には、定着ローラ22の温度を95℃とした時に良好な定着性が得られたが、本実施例の様に500μAの電流を流した場合には10℃低い85℃にて良好な定着性が得られ、より低消費電力での定着工程が実現している事が確認された。
【0055】
また、上ではe−PTFE多孔質層が半導電性のものを使用したが、特に導電材を付与していない限りなく電気絶縁性を有するe−PTFE多孔質層を使用しても良い。定着ローラの芯がねと加圧ローラ芯棒との間には、上と同じく800Vの電位差を形成する事によって、定着ローラと記録媒体とに挟まれた領域の現像剤層に対して電場を形成する事が出来る。上の例の様に電流こそ流れないため、着色微粒子の大きな凝集効果は得られないが、着色微粒子を記録媒体側に引き寄せておく力が作用するために、オフセット率低減には効果的である。
【0056】
本発明は、電子写真分野のみならず、溶媒中において一時的もしくは恒久的に電荷を保持する事ができる着色微粒子と該溶媒とにより記録媒体上に顕像化された画像を定着する場合に適用でき、例えばインクジェット方式に代表される記録媒体上へ直接画像形成を行なう分野や、版を使用する印刷物の分野などの電子写真プロセスを利用しない作像プロセスへの適用も可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明した請求項1記載の発明によれば、該加熱部材表面が常に画像液体によって濡れた状態となっているため、これが着色粒子と加熱部材との離型剤として作用する。よって、記録媒体上に形成された画像中に含有される画像液体量が非常に少ない場合にも、完璧なオフセット防止効果をもたらす。また、画像液体とほぼ同一成分の液体が含浸されているために、加熱部材が画像の形成された記録媒体と接触する事により多孔質層の液体に授受が生じても、常に多孔質層中の液体成分が同一であるために、安定したオフセット防止効果を半永久的に持続する事ができる。
【0058】
また、加熱部材の表面と記録媒体支持部材の表面との間の電位差で形成された電場によって、画像の着色微粒子同士、記録媒体と着色微粒子間の結合力を強め、画像の着色微粒子を記録媒体上に凝集付着させるため、確実な定着性を達成する事ができる。また、着色微粒子上に画像液体を浮き上がらせ、加熱部材と着色微粒子との間に画像液体層を形成し易くなる事がオフセット防止効果に貢献する。更に、多孔質層の平均孔径が着色微粒子の平均粒径よりも小さい事により、多孔質層への着色微粒子の進入機会が少ない状態とする事ができるため、十分なオフセット防止効果が得られる。また、多孔質層の最大孔径が着色微粒子の最小粒径よりも小さい事により、多孔質層への着色微粒子の進入が一切生じないため、長期に渡り非常に安定した状態でのオフセット防止効果が得られる。
【0059】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、加熱部材の表面と記録媒体支持部材の表面との間に電流を流す事によって、電位差のみを形成した場合に比べ、着色微粒子同士をより強い凝集力させると共に、記録媒体上により強く付着させる事ができるため、より確実な定着性を達成する事ができる。
【0060】
請求項3記載の発明によれば、該加熱部材表層の多孔質層への液体供給が、記録媒体上の画像中の画像液体によって定着工程と同時に行なう事ができるため、新たに液体塗布装置等を加熱部材外周部に設ける必要が無い。よって、小型、簡易な構成であるばかりでなく、定着装置全体としての熱容量を低減できるために低消費エネルギーでの定着工程が可能となる。
【0061】
請求項4記載の発明によれば、PTFE多孔質膜を使用する事により、該加熱部材表層部への液体の含浸だけでなく該着色微粒子と該加熱部材表面との接着力を非常に小さくできるため、オフセット防止効果に有効である。
【0062】
請求項5記載の発明によれば、延伸条件などの製造条件により、多孔質層の平均孔径や空孔率や層厚みを比較的自由に制御する事ができるため、目的にあった多孔質層を形成する事ができる。チューブ状での多孔質層形成が可能なためローラ形状の加熱部材も製造可能である。
【0063】
請求項6記載の発明によれば、該多孔質層に含浸される液体量が適量となるため、オフセット低減効果が高い。空孔率が25%より小さい場合には多孔質層が保持できる液体量が少なすぎるために十分なオフセット防止効果が得られず、また90%より大きい場合には耐久性(記録媒体等による摩耗)の点から不利である。
【0066】
請求項記載の発明によれば、画像の形成された記録媒体から該加熱部材表面に転移した画像液体のうち過剰分を除去する事ができるため、該加熱部材が保持する液体総量を一定に保つ事ができ、安定した定着性を持続する事ができる。また、万が一加熱部材表層に着色微粒子が付着した場合には、それを除去するためのクリーニング部材としても作用する。
【0067】
請求項記載の発明によれば、該多孔質層が半導電性を有しているため、記録媒体上の画像部全域に渡り加熱部材と記録媒体支持体との間に安定して電流を流す事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像定着装置を備える画像形成装置の模式的概略説明図である。
【図2】図1に示した現像剤(画像液体)に用いた着色微粒子の粒度分布及び定着ローラのe-TFEの孔径分布と大きさの関係を示す説明図である。
【図3】図3はこの発明に係る定着装置の作用説明図である。
【符号の説明】
9b,10b,11b,12b・・・現像剤(画像液体)
21・・・記録媒体
22・・・定着ローラ(加熱部材)
24・・・加圧ローラ(記録媒体支持部材)
27・・・e-TFE多孔質層

Claims (8)

  1. 熱可塑性の着色微粒子を含む画像液体により記録媒体上に形成された画像を、該画像面に接触する加熱部材と、該記録媒体を該加熱部材に押圧する記録媒体支持部材とによって定着を行なうと共に、定着時には該加熱部材の表面と該記録媒体支持部材の表面との間に電位差を形成する定着装置に関して、
    該加熱部材表面が多孔質層であり、且つ該多孔質層には画像液体とほぼ同一成分の液体が含浸された状態であると共に、
    該多孔質層の平均孔径が該着色微粒子の平均粒径よりも小さく、
    該多孔質層の最大孔径が該着色微粒子の最小粒径よりも小さい事を特徴とする画像定着装置。
  2. 請求項1記載の画像定着装置に関して,
    加熱部材の表面と記録媒体支持部材の表面との間に電流を流す事を特徴とする画像定着装置。
  3. 請求項1又は2記載の画像定着装置に関して,
    該多孔質層への液体供給が、記録媒体上に形成された画像中に含まれる画像液体によって行われる事を特徴とする画像定着装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の画像定着装置に関して、
    該多孔質層がPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)多孔質膜である事を特徴とする画像定着装置。
  5. 請求項4記載の画像定着装置に関して、
    該PTFE多孔質膜が延伸工程を経て成形された延伸PTFE多孔質膜(以下、e−PTFE)である事を特徴とする画像定着装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の画像定着装置に関して、
    該多孔質層の空孔率が25%以上90%以下である事を特徴とする画像定着装置。
  7. 請求項1〜のいずれか一つに記載の画像定着装置に関して、
    該多孔質層の表面に付着する液体量を規制する事のできる部材が該加熱部材表面に当接されている事を特徴とする画像定着装置。
  8. 請求項1〜のいずれか一つに記載の画像定着装置に関して、
    該多孔質層が半導電性を有している事を特徴とする画像定着装置。
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