JP3592501B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置の画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、現像剤に多孔質性の微粒子を混入する技術が知られている。この技術の一つとして、多孔質の外殻層を有するカラー潜像形成材料を含有した微粒子を現像剤としてのインク粒子に分散させた技術が特開平5−341576号公報に開示されている。この技術によれば、定着時に、微粒子からの感光性ハロゲン化銀塩の放出が防止されて、未露光インク粒子と発色現像剤との接触を防止できるとともに、定着時の未露光インクの発色を防止できる。
【0003】
また、定着ローラの離型性を向上させるために多孔質粒子の孔中にシリコーンオイルを含有し、定着工程時、多孔質粒子の孔中からシリコーンオイルを徐々に放出させて、シリコーンオイルを定着ローラに塗布する技術も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、複写機、ファクシミリ、プリンタ等のパーソナル化が進み、これらの装置の画像形成部には、小型化及び高耐久性が要求されている。特に、画像形成部における各画像形成ユニットの寿命を伸ばすことや、画像形成部をメンテナンスフリーとすることによって耐久性を向上している。
【0005】
画像形成部における画像形成ユニットのなかで、最も重要な部材として像担持体としての感光体がある。感光体の寿命を左右する要因として、感光体表面の感光層の摩耗がある。この摩耗は、画像形成において、感光体と他の画像形成ユニットが接触する部位全てに発生する。このうち一番摩耗量が多い画像形成ユニットは、感光体に残留するトナーを力学的に除去するクリーニングユニットである。他の画像形成ユニットによる摩耗もあるものの、実質寿命に影響するほどではない。
【0006】
クリーニングユニットによる感光体表面の摩耗には二種類あり、一つは、クリーニング工程時に感光体の表面に当接されるクリーニングブレードやクリーニングローラによる剪断力による摩耗であり、もう一つは、トナーがクリーニングブレードやクリーニングローラと感光体とに挟まれて、トナーが砥石粒のように作用する摩耗である。感光体の感光層が所定量摩耗すると、感光体の帯電特性で代表される電気特性が変化して画像形成に支障をきたすという問題点がある。本発明の目的は、像担持体の表面の摩耗量を低減して像担持体を長寿命化できる画像形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、像担持体の表面を帯電する帯電工程と、上記像担持体に形成された静電潜像にトナーとキャリアとからなる2成分現像剤のトナーを付着させて可視像化する現像工程と、上記像担持体のトナー像を記録紙に転写する転写工程と、この転写工程の終了後の上記像担持体の表面を清掃するクリーニング工程とを有する画像形成方法において、上記各工程のうち少なくとも一つの工程時に、表面に多数の孔を有する、上記トナーの流動性向上剤としての、上記2成分現像剤とは別の多孔質粒子を上記像担持体の表面に供給する画像形成方法であって、上記像担持体の構成材料が上記多孔質粒子の上記孔に含まれていることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成方法において、上記多孔質粒子が上記像担持体の表面に供給される工程が現像工程である場合、上記多孔質粒子が所定の割合で上記現像剤に混入されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成方法において、上記多孔質粒子が弾性を有することを特徴とする
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1,2または3記載の画像形成方法において、上記多孔質粒子の形状が略真球状であることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1,2,3または4記載の画像形成方法において、上記多孔質粒子の色が無色または白色であることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明における画像形成装置としての複写機の要部概略構成図である。同図において、符号1は、静電潜像が形成される像担持体としての感光体を示す。感光体1の周囲には、感光体1を均一に帯電する帯電ローラ2と、帯電された感光体1に原稿に対応した静電潜像を形成する図示しない書込み部と、静電潜像にトナーを付着させて静電潜像を可視像化する現像装置3と、現像装置3によって形成された可視像を転写紙に転写し、この転写紙を感光体1から分離する転写ベルト4と、転写後の感光体1に残存するトナーを除去して感光体1の表面をクリーニングするクリーニングブレード5と、転写後の感光体1に残存する電荷を消去する図示しない除電ランプとが上述した順でそれぞれ配置されている。
【0016】
現像装置3は、現像剤Dを収容する現像容器6や、この現像容器6の内部に配設されている現像ローラ7等から構成されている。現像容器6には、この内部の現像剤Dの濃度を検出するトナー濃度センサ8が設けられている。現像容器6には、トナーとキャリアとを混合した二成分系の現像剤Dの他に多孔質粒子Aが収容されており、現像容器6の内部において、現像剤Dと多孔質粒子Aとは混合されている。多孔質粒子Aの現像剤Dに対する重量比は、0.1%〜10%、好ましくは0.1%〜3%の割合である。
【0017】
多孔質粒子Aは、弾性を有する架橋有機高分子、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等を周知の懸濁重合等の重合方法に基づいて製造されている。この製造方法によれば、多孔質粒子Aを略真球状に形成でき、その粒径を5μm〜100μmの間で自由に調整することができる。また、官能基付与を容易に行えるので、多孔質粒子Aの物性を少しずつ変化させることができ、感光体1に対して最適な条件で多孔質粒子Aを合成できる。
【0018】
例えば、現像剤D内のトナー粒子の帯電は局在化しているので、トナーの流動性に影響を及ぼし、特に、多孔質粒子Aは高帯電性を有するために局所帯電に吸着されるので、多孔質粒子Aが混入された現像剤Dはその帯電の制御が複雑であるが、上述の製造方法により製造された多孔質粒子Aは、その帯電特性等の物性を少しずつ変化させることができるので、現像剤Dを最適な条件の帯電特性とすることができる。したがって、現像剤Dに多孔質粒子Aを混入した場合でも、現像剤Dの特性を悪化させることなく、かつ、多孔質粒子Aの特性も生かすことができる。
【0019】
多孔質粒子Aの製造時、多孔質粒子Aの色が無色となるように架橋有機高分子を選択する。多孔質粒子Aの色を無色とすることによって、多孔質粒子Aが画像上に残留しても、得られる画像に悪影響を及ぼすことを防止できる。また、多孔質粒子Aの色が白色であれば、多孔質粒子Aが白紙上に転写しても、比較的影響が少なく、目視では大きな問題とならない。特に、無色の場合には、モノクロ画像は勿論のこと、カラー画像である場合でも画像に影響を与えることない。
【0020】
図2に示すように、多孔質粒子Aの表面には、直径1μm〜10μmの複数の孔aが形成されている。孔aには、流動性向上剤Bが含有されている。流動性向上剤Bは、多孔質粒子Aの製造時に孔aに含有される。流動性向上剤Bを孔aに含有することによって、多孔質粒子Aとしての物性の変化を最小限に抑えることができる。
【0021】
流動性向上剤Bとしては、シリコーンオイル等の液体、各種シリカ、アルミナ等の無機微粒子、各種ワックスの微粒子、フッ素系ポリマー等のフッ素含有物、脂肪酸金属塩等の界面活性剤、真球状の微粒子等があるが、各種シリカ、アルミナ等の無機微粒子は、その硬度が高いために感光体1の表面を傷つけてしまうおそれがあり、また、シリコーンオイル等の液体は、その取り扱い方法や供給方法が困難であり、さらに、長期間使用すると現像剤Dの帯電特性や現像特性を変化するおそれもある。そこで、本実施形態では、流動性向上剤Bとして、感光体1の表面よりも硬度が低く、かつ、現像剤Dの帯電性や現像特性の変化を最小限に抑える各種ワックス、フッ素系ポリマー等のフッ素含有物の微粒子、脂肪酸金属塩等の界面活性剤、硬度を調節可能な真球状の有機微粒子等を採用している。
【0022】
次に、図1を参照して作像時の動作、すなわち、画像形成方法を簡単に説明する。まず、帯電ローラ2により感光体1の表面が一様に帯電され(帯電工程)、続いて、書込み部の露光により感光体1に静電潜像が形成される。その静電潜像は、現像装置3の現像ローラ7に担持された現像剤Dのトナーにより現像され可視像化される(現像工程)。そして、図示されない給紙部から転写部に搬送された転写紙に転写ベルト4により、転写電荷が付与されることによって感光体1の表面のトナー像が転写紙に引き付けられ、トナー像が転写紙に転写される(転写工程)。転写後の転写紙は感光体1から分離され、図示されない定着装置に搬送されトナー像が定着される。一方、感光体1の表面の未転写トナーはクリーニングブレード5によりクリーニングされる(クリーニング工程)。
【0023】
現像工程時には、多孔質粒子Aが現像剤Dに所定の割合で混入されていることによって、トナーと共に多孔質粒子Aが感光体1の表面に所定の割合で供給される。したがって、多孔質粒子Aの感光体1への供給量は、上述の割合を予め設定することによって決定することができ、常に適量の多孔質粒子Aを感光体1に供給することができる。
【0024】
多孔質粒子Aの孔aからは流動性向上剤Bが徐々に放出されており、感光体1の表面の多孔質粒子Aからも流動性向上剤Bが徐々に放出されて、流動性向上剤Bが感光体1の表面に供給される。なお、多孔質粒子Aの孔aからの流動性向上剤Bの放出量や放出期間は、孔aの孔径を調節することによって、容易に設定することができ、経時において流動性向上剤Bの感光体1への供給量が不足することを防止できる。また、現像容器6の内部において、多孔質粒子Aの孔aから放出した流動性向上剤Bも、現像工程時にトナーと共に感光体1の表面に供給される。
【0025】
次に、感光体1の表面の摩耗低減について説明する。まず、多孔質粒子Aによる摩耗低減について説明する。多孔質粒子Aの形状は略真球状であるので、感光体1に他の画像形成ユニット、すなわち、帯電ローラ2、現像ローラ7、転写ベルト4及びクリーニングブレード5が接触したときに、感光体1の表面で多孔質粒子Aが回転し、他の画像形成ユニットとの接触抵抗が低減される。また、多孔質粒子Aの孔aから流動性向上剤Bが放出した場合には、その孔aが空洞となるので、感光体1に他の画像形成ユニット、特に、クリーニングブレード5が接触したときに、クリーニングブレード5による接触圧により多孔質粒子Aが弾性変形して、クリーニングブレード5による接触圧が吸収される。なお、多孔質粒子Aの弾性力は、孔aの数や直径を変化することや、多孔質粒子Aを弾性を有する材料で製造することによって、調整することができ、感光体1に加わる接触圧に応じて適宜設定することができる。
【0026】
次に、流動性向上剤Bによる摩耗低減について説明する。流動性向上剤Bがトナーの流動性を向上するので、トナーがクリーニングブレード5と感光体1とに挟まれている状態におけるトナーによる砥石作用が低減される。したがって、多孔質粒子Aや流動性向上剤Bにより、感光体1の表面の摩擦係数が低減されて、感光体1の表面の摩耗量が少なくなるので、感光体1の耐久性を向上でき、感光体1を長寿命化できる。
【0027】
経時において、多孔質粒子Aの孔aからの流動性向上剤Bの放出量が多くなると、現像剤Dの帯電特性や現像特性が変化し、良好な画像を得ることが困難になるおそれがある。そこで、トナー濃度センサ8により、常時、トナー濃度を検出し、トナー濃度が予め設定されている適正範囲を逸脱した場合には、現像剤Dを交換する。現像剤Dの交換は、オペレータが複写機から現像装置3を取り出して、現像容器6内の現像剤Dを外部に排出して行う。このように現像剤Dの状態を常に良好な状態に維持することによって、常に高品質な画像形成を行うことができる。
【0028】
次に、上述の実施形態とは別の実施形態について説明する。上述の実施形態では、多孔質粒子Aの孔aに流動性向上剤Bが含有されていたが、この流動性向上剤Bの代わりに現像剤Dの構成材料を含有してもよい。
【0029】
現像剤Dの構成材料には、バインダ樹脂、磁性粉、顔料や染料等の着色剤、電荷制御剤、離型剤、外添剤等がある。これらを多孔質粒子Aの孔aに所定の割合で含有する。これらの構成材料について、詳細に説明すると、バインダ樹脂には、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂等があり、磁性粉には、鉄粉、フェライト粉末、マグネタイト等があり、着色剤には、カーボンブラック、アゾ系顔料、銅フタロシアニン系顔料等があり、電荷制御剤の正帯電トナーには、脂肪酸金属塩、4級アンモニウム等の電子供与性物質があり、、電荷制御剤の負帯電トナーには、アゾ系含金属染料、塩素化パラフィン等の電子受容性物質があり、離型剤には、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等があり、外添剤には、コロイダルシリカ、酸化チタン、アルミナ、脂肪酸金属塩等がある。
【0030】
このように多孔質粒子Aの孔a中に現像剤Dの構成材料を含有させることで、感光体1の表面の摩耗量が少なくなるので、感光体1の耐久性を向上でき、感光体1を長寿命化できる。さらに、現像剤Dの略同様の働きを行う新規な粒子を作成することができる。
【0031】
ところで、従来の現像剤Dの製造方法において、特に、トナーは、まずトナーの原料を混合した後、溶融混練、圧延冷却、粗粉砕、分級の各種工程を行い、その後、球形化するために表面処理を経て風飾して製造されている。しかし、上述の製造方法では、多孔質粒子Aの製造時に、多孔質粒子Aの孔a中に現像剤Dの構成材料を含有することと、多孔質粒子Aが略真球状に形成されることによって、トナーの製造工程を簡略化でき、トナーの製造コストや製造時間の短縮を図ることができる。
【0032】
流動性向上剤Bや現像剤Dの構成材料の代わりに感光体1の構成材料を多孔質粒子Aの孔aに含有してもよい。感光体1が有機感光体である場合、この構成材料には、キャリア生成材料(CGM)、キャリア輸送材料(CTM)、バインダ樹脂、紫外線吸収剤、酸化防止剤等がある。これらを多孔質粒子Aの孔aに所定の割合で含有する。これらの構成材料について、詳細に説明すると、キャリア生成材料(CGM)は、ほとんどが有機顔料や色素粒子等であり、例えば、PPC用CGMとしては、ペリレン系やアントアントロン系のような縮合多環系顔料とアゾ顔料であり、また、プリンタ用としては、フタロシアニン系の顔料である。キャリア輸送材料(CTM)には、複素環系、ヒドラゾン系、アリールアミン系が多く使用されており、この中でも、ヒドラゾン系とアリールアミン系とが最も多く使用されている。バインダ樹脂は、キャリア生成材料(CGM)に対するものでは、ポリエステル、フェノール樹脂、ブチラール樹脂等があり、キャリア輸送材料(CTM)に対するものでは、ポリカーボネート、ポリエステル、メタアクリル樹脂等がある。
【0033】
このように多孔質粒子Aの孔a中に感光体1の構成材料を含有させることで、感光体1の表面の摩耗量が少なくなるので、感光体1の耐久性を向上でき、感光体1を長寿命化できる。さらに、感光体1の劣化を防ぐことができる。
【0034】
また、流動性向上剤B、現像剤Dの構成材料または感光体1の構成材料のうち一種類のものを多孔質粒子Aの孔aに含有した場合について説明したが、これらを所定の割合で多孔質粒子Aの孔aに含有しても勿論よい。この場合、孔aに含有する割合は、特に決定しなくても、流動性向上剤B、現像剤Dの構成材料または感光体1の構成材料を併用することにより、一種類のものを孔aに含有する場合よりも、有効に感光体1の耐久性を向上でき、感光体1を長寿命化できる。
【0035】
以上説明した実施形態では、多孔質粒子Aの孔aに、流動性向上剤B、現像剤Dの構成材料あるいは感光体1の構成材料が含有されていたが、孔aに何も含有させず、空洞の状態としても、感光体1の表面の摩耗を低減できる。以下、詳細に説明する。孔aの内部を空洞とすることによって、多孔質粒子Aが弾性を有する構造となる。したがって、感光体1に他の画像形成ユニット、特に、クリーニングブレード5が接触したときに、クリーニングブレード5による接触圧により多孔質粒子Aが弾性変形して、クリーニングブレード5による接触圧が吸収される。多孔質粒子Aの弾性力は、孔aの数や直径を変化することや、多孔質粒子Aを弾性を有する材料で製造することによって、調整することができ、感光体1に加わる接触圧に応じて適宜設定することができる。
【0036】
上述の実施形態では、現像工程時に多孔質粒子Aを感光体1に供給していたが、多孔質粒子Aを現像工程時以外に感光体1に供給してもよい。この形態について、図3,4を参照して説明する。なお、図3,4において、図1に示す部材と同様の部材は、図1で用いた符号と同一符号を付すにとどめてその説明を省略する。
【0037】
図3に示すように、感光体1の周囲であって、帯電ローラ2が配置されている部位には、多孔質粒子Aを収容している容器9が配設されている。容器9の内部には、帯電ローラ2が配設されており、帯電ローラ2の表面には多孔質粒子Aが接触している。容器9の感光体1に隣接した部位には、開口9aが設けられており、この開口9aから帯電ローラ2の一部が突出している。
【0038】
この構成により、帯電工程時において、帯電ローラ2により多孔質粒子Aが感光体1の表面に供給される。多孔質粒子Aの感光体1への供給量は、帯電ローラ2の回転数等を調整することによって変化することができ、常に適量の多孔質粒子Aを感光体1に供給することができる。したがって、多孔質粒子Aを感光体1の表面に供給するために、新規な多孔質粒子A用の供給手段を設ける必要がなく、既存の画像形成ユニット、すなわち、帯電ローラ2を流用することにより、多孔質粒子Aを感光体1の表面に供給することができる。
【0039】
また、図4に示すように、感光体1の回転方向において、転写ベルト4の下流には、転写後の感光体1に残存するトナーを除去して感光体1の表面をクリーニングするクリーニングユニット10が配設されている。クリーニングユニット10は、感光体1の表面に接触するローラ状のクリーニングローラ11と、このクリーニングローラ11を収容する容器12とから主に構成されている。容器12の内部には、多孔質粒子Aが収容されており、クリーニングローラ11の表面には多孔質粒子Aが接触している。容器12の感光体1に隣接した部位には、開口12aが設けられており、この開口12aからクリーニングローラ11の一部が突出し、感光体1の表面に接触している。
【0040】
この構成により、クリーニング工程時において、クリーニングローラ11により多孔質粒子Aが感光体1の表面に供給される。多孔質粒子Aの感光体1への供給量は、クリーニングローラ11の回転数等を調整することによって変化することができ、常に適量の多孔質粒子Aを感光体1に供給することができる。したがって、多孔質粒子Aを感光体1の表面に供給するために、新規な多孔質粒子A用の供給手段を設ける必要がなく、既存の画像形成ユニット、すなわち、クリーニングユニット10を流用することにより、多孔質粒子Aを感光体1の表面に供給することができる。
【0041】
また、転写ベルト4から多孔質粒子Aを感光体1の表面に供給する場合には、転写ベルト4の表面に多孔質粒子Aを供給することによって、多孔質粒子Aを転写ベルト4を介して感光体1の表面に供給することができる。
【0042】
以上説明した実施形態では、画像形成装置として複写機である場合について説明したが、画像形成装置としては、これに限定されるものではなく、例えば、プリンタ、ファクシミリ等でも良い。また、多孔質粒子や流動性向上剤等を、二成分系の現像剤に混入した場合について説明したが、一成分系の現像剤に混入してもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、多孔質粒子によって像担持体の表面の摩擦係数が低減されて、像担持体の表面の摩耗量が少なくなり、像担持体の耐久性を向上でき、像担持体を長寿命化できる。
また、請求項1の発明によれば、像担持体の構成材料を多孔質粒子の孔に含有させることで、像担持体の特性劣化を防止できる。
【0044】
請求項2の発明によれば、多孔質粒子を像担持体の表面に供給するために、新規な供給手段を設ける必要がなく、既存の画像形成ユニットを流用することにより、多孔質粒子を像担持体の表面に供給することができる。また、多孔質粒子を所定割合で現像剤に混入するので、現像工程時に、適量の多孔質粒子を像担持体の表面に供給することができる。
【0045】
請求項3の発明によれば、像担持体上の多孔質粒子が弾性変形することにより、像担持体に対する接触力が吸収されて、接触圧による摩耗を低減でき、像担持体の耐久性を向上でき、像担持体を長寿命化できる。
【0046】
請求項4の発明によれば、多孔質粒子の形状は略真球状であるので、像担持体に他の画像形成ユニットが接触したときの他の画像形成ユニットとの接触抵抗が低減され、像担持体の摩耗を低減できる。
【0047】
請求項5の発明によれば、多孔質粒子の色を無色または白色とすることにより、画像への悪影響を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の要部概略構成図である。
【図2】多孔質粒子の拡大図である。
【図3】本発明の別の実施形態を示す画像形成装置の要部概略構成図である。
【図4】本発明の別の実施形態を示す画像形成装置の要部概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
3 現像装置
A 多孔質粒子
a 孔
B 流動性向上剤
D 現像剤

Claims (5)

  1. 像担持体の表面を帯電する帯電工程と、上記像担持体に形成された静電潜像にトナーとキャリアとからなる2成分現像剤のトナーを付着させて可視像化する現像工程と、上記像担持体のトナー像を記録紙に転写する転写工程と、この転写工程の終了後の上記像担持体の表面を清掃するクリーニング工程とを有する画像形成方法において、
    上記各工程のうち少なくとも一つの工程時に、表面に多数の孔を有する、上記トナーの流動性向上剤としての、上記2成分現像剤とは別の多孔質粒子を上記像担持体の表面に供給する画像形成方法であって、
    上記像担持体の構成材料が上記多孔質粒子の上記孔に含まれていることを特徴とする画像形成方法。
  2. 請求項1記載の画像形成方法において、
    上記多孔質粒子が上記像担持体の表面に供給される工程が現像工程である場合、
    上記多孔質粒子が所定の割合で上記現像剤に混入されていることを特徴とする画像形成方法。
  3. 請求項1または2記載の画像形成方法において、
    上記多孔質粒子が弾性を有することを特徴とする画像形成方法。
  4. 請求項1,2また3記載の画像形成方法において、
    上記多孔質粒子の形状が略真球状であることを特徴とする画像形成方法。
  5. 請求項1,2,3または4記載の画像形成方法において、
    上記多孔質粒子の色が無色または白色であることを特徴とする画像形成方法。
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