JP4632367B2 - ブレーキパッドの着脱が容易な鉄道車両用ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置に関する。
従来、鉄道車両用ブレーキ装置として、車輪を連結する車軸に取付けたディスクを制動するようにしたディスクブレーキ装置がある(例えば特許文献1参照)。
上記ディスクブレーキ装置は、パッドホルダに着脱自在に保持したブレーキパッド(パッド)と、パッドホルダに対してブレーキパッドを着脱するための機構を有する。ディスクブレーキ装置は、ディスクの左右側面にブレーキパッドを挟みつけることで、ディスクに制動力を付与するものである。ブレーキパッドは、ディスクに制動力を与え得るようこれを挟みつけるから磨耗し易い。したがって、ブレーキパッドはメンテナンスのためにパッドホルダから取外し、あるいは定期的に交換する必要がある。
ところで、ブレーキパッドをパッドホルダから脱落(落下)しないよう保持するために、ディスクブレーキ装置には脱落防止部材を付設している。この脱落防止部材は、一端側に設けられた支軸回りに回動可能で、回動によりブレーキパッドの脱落を防止する保持姿勢とブレーキパッドの着脱を許容する許容姿勢とに切替え可能とされている。
脱落防止部材を保持姿勢または許容姿勢の一方に選択的に維持するためにバネが用いられている。また、ディスクブレーキ装置は車両走行に伴う振動が強く伝わる部分であることから、バネとしては振動によっても脱落防止部材の保持姿勢を維持可能なだけの弾性を有するものが用いられる。そして、ブレーキパッドのメンテナンスや交換のために脱落防止部材を保持姿勢から許容姿勢に切替える作業は、作業者が脱落防止部材に設けた把手を把持し、バネの弾性に抗して支軸回りに回動させることで行う。ブレーキパッドを交換した後に脱落防止部材を再び保持姿勢とする際も把手を把持してバネの弾性に抗して支軸回りに回動させる。
特開2003−14012号公報
しかしながら、保持姿勢から許容姿勢への切替え作業は、唯一のオープンスペースである下方から行うので、不自然な体勢となることもあり、上記のように車両の振動によっても脱落防止部材の保持姿勢を保持可能なバネの弾性に抗して作業者が脱落防止部材の姿勢を切替えるためには大きな労力を必要とする。
そこで本発明は、脱落防止部材の姿勢の切替えを容易に行い得る鉄道車両用ディスクブレーキ装置の提供を課題とする。
本発明の鉄道車両用ディスクブレーキ装置は、ブレーキディスクをその両側面から挟み込むブレーキパッドがパッドホルダに着脱自在に保持され、該パッドホルダは、板状のパッドホルダ本体と、一端側の支軸回りに回動可能とされるとともにブレーキパッドがパッドホルダから脱落するのを防止する脱落防止部材とを有し、該脱落防止部材はブレーキパッドの脱落を防止する保持姿勢と該保持姿勢から前記支軸回りに回動してブレーキパッドの着脱を許容する許容姿勢とに切替え可能であり、該脱落防止部材を保持姿勢あるいは許容姿勢に維持するバネが設けられ、該バネの弾性に抗して脱落防止部材の姿勢を切替えるようにした鉄道車両用ディスクブレーキ装置において、パッドホルダに、脱落防止部材を前記支軸回りに回動させて保持姿勢から許容姿勢に切替える際に用いる棒状の工具の途中を支持させる支持部を設け、脱落防止部材に、前記支持部に工具の中途部を支持させた状態で工具の先端部が係合する係合部を設け、該係合部はブレーキパッドの保持姿勢において前記支持部に対してパッドホルダ本体側に位置ずれしていることを特徴としている。
上記構成において、脱落防止部材を保持姿勢から許容姿勢に切替えると、ブレーキパッドがパッドホルダに対して着脱可能となる。脱落防止部材の姿勢を保持姿勢から許容姿勢に切替える際、作業者が、工具の先端部を脱落防止部材の係合部に係合させ、工具の中途部をパッドホルダの支持部に支持させ工具を脱落防止部材が支軸回りに回動するよう操作すると、係合部はブレーキパッドの保持姿勢において支持部に対してパッドホルダ本体側に位置ずれしているから、支持部を力の支点とし係合部を力の作用点とする梃の原理でもって脱落防止部材を保持姿勢から許容姿勢に楽に切替えることができる。
本発明のパッドホルダは、パッドホルダ本体の板面に立設した台部を有し、支持部は前記台部に設けられていることを特徴としている。
上記構成において、台部に設けられた支持部を支点として工具を操作することで、支持部を力の支点とし係止部を力の作用点とする梃の原理でもって脱落防止部材を保持姿勢から許容姿勢に楽に切替えることができる。
本発明のパッドホルダでは、支持部は台部に形成されて工具の中途部を挿入する工具挿入用の穴であることを特徴としている。
上記構成において、支持部に工具の中途部を挿通することで、工具はその中途部を穴である支持部に係止されるから、工具の中途部が台部から離れることがなく、台部が確実に力の支点となって、より確実に梃の原理による工具の操作を行える。
本発明のパッドホルダでは、係合部は脱落防止部材に形成されて工具の先端部が係止する操作穴であることを特徴としている。
上記構成において、工具の先端部は操作穴に確実に係止されるから、さらに確実に梃の原理による工具の操作を行える。
本発明の鉄道車両用ディスクブレーキ装置によれば、パッドホルダに工具の途中を支持させる支持部を設け、脱落防止部材に工具の先端部が係合する係合部を設け、係合部を支持部に対してパッドホルダ本体側に位置ずれさせているから、支持部を力の支点とし係合部を力の作用点とする梃の原理でもって脱落防止部材を保持姿勢から許容姿勢に、楽な力で容易に切替えることができる。
以下、本発明の実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置を、図面に基づいて説明する。図1は鉄道車両用ディスクブレーキ装置の使用状態を示す全体概略平面図、図2はパッドホルダにブレーキパッドを着脱する際の側面図、図3はパッドホルダの背面図、図4は図2におけるX−X線概略断面図、図5はパッドホルダ本体の単体側面図、図6はディスクブレーキ装置の底面図、図7は図5におけるY−Y線概略断面図、図8は脱落防止部材(脱落防止部材)の単体底面図、図9は図2におけるZ−Z線断面図である。
図1に示すように、ディスクブレーキ装置1は、鉄道車両Cに用いられるもので、左右一対の車輪2,2を連結する車軸3の途中に外嵌固定されたブレーキディスク4,4に制動力を付与するものである。ディスクブレーキ装置1は、車体側にピン5,5を介して揺動自在に支持された左右対のクランプレバー(ブレーキ用梃)7,7と、クランプレバー7,7をピン5,5回りに揺動させるべくダイヤフラム8と、クランプレバー7,7の他端側に連結された左右対の制動部9,9を有している。
左右の制動部9,9は、それぞれブレーキパッド10,10(パッド)と、ブレーキパッド10,10を着脱自在に保持する板状のパッドホルダ11,11とを有する。
ここで図2〜図8に基づいてパッドホルダ11,11の構成を説明する。パッドホルダ11,11は左右の制動部9,9で対称形状であるので、一方のパッドホルダ11の説明でもって左右のパッドホルダ11,11の構成の説明を兼用する。パッドホルダ11は板状のホルダ本体11Aを有する。ホルダ本体11Aは側面視して、ブレーキディスク4の外径に沿った湾曲方向にほぼ一定の幅B1を有する円弧形状に形成されている。なお、ブレーキパッド10もホルダ本体11Aと同様に円弧形状に形成されている。ホルダ11Aは、その上部に板状の上側耳部12が、下部に板状の下側耳部13が、ホルダ本体11Aの車軸3と反対側に突出するようにそれぞれ一体形成されている。上側耳部12は斜め上方に向けて延長され、下側耳部13は水平方向に延長されている。なお、左右一対のパッドホルダ11,11には、上側耳部12どうし、および下側耳部13どうしを連結する金具(図示省略)がボルト穴で取付けられている。
下側耳部13の裏面に、誤装着阻止部材としての縦方向に長い突起20が形成されている。この突起20は、パッドホルダ本体11Aの厚み方向に突出する段差面として水平方向の下端面20aを有している。突起20は、ボルト穴15の一方側に隣接して下側耳部13の高さh1に等しく形成されている。また突起20は所定の前後幅b1に設定されている。
パッドホルダ本体11Aの表面側に上下方向に所定間隔を置いて軸受部21,22が形成されている。これら軸受部21,22に案内ピン23の上下端部が回転自在に挿通支持され、前記クランプレバー7の先端部7aと案内ピン23とが連結されている。
パッドホルダ本体11Aの上部には前後方向(横方向)に長い上部スリット26が形成され、この上部スリット26に、ブレーキパッド10を下方に付勢して後述の脱落防止部材(ラッチ)28との間でブレーキパッド10のガタつきを防止するための屈曲板バネ27が挿入されている。
パッドホルダ本体11Aの表面側下部に、ブレーキパッド10の落下を防止するための板状の脱落防止部材28が回動可能に取付けられている。この脱落防止部材28は、その基端部28aが上下方向の支軸6回りに水平面内で回動可能に支持されている。パッドホルダ本体11Aの下部に、前記支軸6を軸支する軸受部30と、脱落防止部材28の先端部28bを係止するブラケット31が形成されている。また、突起状の梃台49(台部,支持部に相当する)がパッドホルダ本体11Aの下部表面に一体に設けられている。梃台49の上面49bから脱落防止部材28までは、所定の上下距離h3だけ離間している。
図8に示すように、脱落防止部材28の先端部28bには上下方向のピン穴32が形成され、脱落防止部材28の前後方向途中にパッドホルダ本体11A側に向けて突出する突部33が形成されている。パッドホルダ本体11Aの下部には脱落防止部材28の突部33が挿入される前後方向に長い下部スリット35が形成されている。さらに、脱落防止部材28の突部33の先端部28b寄り位置に、バネ挿通穴36が形成されている。バネ挿通穴36にはU字状のバネ38の先端部38aが挿入されている。また、バネ38の基端部38bは、前記ブラケット31に設けた通孔40に挿入されている。バネ38は底面視して、その基端部38bから先端部38aに向けてパッドホルダ本体11A側に傾斜するよう配置され、基端部38b回りに回動可能である。
図6に示すように、脱落防止部材28は、支軸6回りに一方向(図6において反時計方向)に回動してパッドホルダ本体11Aから離れた開姿勢A1(図の仮想線で示す)と、支軸6回りに他方向に回動して前記突部33が下部スリット35に挿入された閉姿勢A2とに切替え可能とされている。ここで、開姿勢A1はブレーキパッド10の着脱を許容する許容姿勢であり、閉姿勢A2はブレーキパッド10の落下を防止する保持姿勢である。前記バネ38は脱落防止部材28の閉姿勢A2では、該脱落防止部材28をブレーキパッド10側に付勢して閉姿勢A2を維持し、脱落防止部材28の開姿勢A1では、該脱落防止部材28がブレーキパッド10(パッドホルダ本体11A)から離れる方向に付勢して開姿勢A1を維持する。脱落防止部材28の開姿勢A1でバネ38は自然長であり、脱落防止部材28を開姿勢A1から閉姿勢A2に回動させる途中の中間位置で、バネ38はその幅が最も圧縮され、その後に再度伸長するという動作を行う。
脱落防止部材28の突部33に、棒状(直線状)の位置変え用の工具29の先端部29aが挿入される係合部としての操作穴33aが形成されている。なお、この操作穴33aは、貫通穴ではなく、キリ穴となっている。前記梃台49に工具29の中途部29bが挿入される工具挿入穴49aが上下方向に貫通形成され、操作穴33aと工具挿入穴49aとは、脱落防止部材28の閉姿勢A2においては上下方向で対向する位置にない。すなわち、操作穴33aは、脱落防止部材28の閉姿勢A2においては工具挿入穴49aに比べてパッドホルダ本体11A側寄りに配置されている。また、前記操作穴33aと工具挿入穴49aとは、脱落防止部材28の閉姿勢A2において前後方向の位置は一致している。すなわち、操作穴33aは工具挿入穴49aの上方に位置している。ブラケット31には、ピン45を有するスプリングプランジャ46が取付けられている。
図3に示すように、ホルダ本体11Aのブレーキパッド保持面50(裏面)には案内部としての上下方向の案内溝51が形成されている。図4に示すように、この案内溝51は断面が偏平な台形の蟻溝であって、平面状の案内面52と、この案内面52の前後両側の傾斜案内面53a,53aとによって形成されている。該案内溝51はパッドホルダ11の下端縁から、前記上部スリット26まで延長して形成されている。また、案内溝51はその途中で下部スリット35に連続している。案内溝51の全幅B2は、上部スリット26、下部スリット35の前後幅内に収まる大きさに設定されている。案内溝51を除くブレーキパッド保持面50は同一平面内の平坦面50aに形成されている。
前記ブレーキパッド10は合成樹脂から一枚の板状に形成され、図2に示すように、ブレーキディスク4の回転方向に沿うよう湾曲方向にほぼ一定の幅B3を有した円弧状に形成されている。図2および図9に示すように、ブレーキパッド10は、その被保持面55(裏面)に、前記パッドホルダ本体11Aの案内溝51に案内される被案内部としての臍56が突出するよう一体に形成されている。この臍56は案内溝51と対応する断面形状を有する蟻臍である。臍56は、案内溝51の案内面52に摺接する被案内突面57と、案内溝51の傾斜案内面53に摺接する被案内傾斜面58a,58bとによって形成される。臍56の上下長さは、パッドホルダ本体11Aの上部スリット26から下部スリット35までの高さにほぼ等しく設定されている。臍56を除く被保持面55は平坦面55aに形成され、この平坦面55aがブレーキパッド保持面50の平坦面50aに摺動案内される。なお、図9に示すように、臍56の一部は、保護金具62によって保護されている。
上記のような構成を有するブレーキパッド10は、左右の制動部9,9に用いられるが、汎用性を確保するために左右の制動部9,9で形状を変えておらず、単一形状に形成したものを左右勝手使いで使用するようにしている。
ところで、図2はブレーキパッド10をホルダ本体11Aに対して下方から挿入するにあたり、ブレーキパッド10の天地(上下)が正しい状態を示している。すなわち、図示のブレーキパッド10は、紙面左側に突となるよう湾曲した正しい挿入姿勢であって、ホルダ本体11Aのブレーキパッド保持面50とブレーキパッド10の被保持面55とが対向し、ホルダ本体11Aとブレーキパッド10の突となる湾曲方向が一致する姿勢にある。この姿勢において、臍56の一方の被案内傾斜面58aと平坦面55aとの一方接続部63からブレーキパッド10の内周方向の一方側端部65までの最大幅距離B5と、臍56の他方の被案内傾斜面58bと平坦面55aとの他方接続部67から外周方向の他方側端部70までの最大幅距離B6とが異なっている。この場合、最大幅距離B5が最大幅距離B6に比べて大きく設定されている。
前記ホルダ本体11Aの案内溝51における他方の幅方向端部71a(案内面52と他方の傾斜案内面53aの交点)から突起20までの水平距離B7は、前記最大幅距離B6より大きく、最大幅距離B5より小さく設定されている。
上記構成のディスクブレーキ装置1では、ダイヤフラム8を駆動することにより、クランプレバー7,7がピン5,5回りに回動して制動部9,9がブレーキディスク4に左右方向から近付いてブレーキディスク4の側面である制動面にブレーキパッド10,10が圧接してブレーキディスク4の回転を摩擦力でもって制動する。
このようなディスクブレーキ装置1では、制動部9のブレーキパッド10は、その臍56の水平な下端面56bが脱落防止部材28の板面に上方から当接していることで下方への移動、すなわち落下が防止された状態にある。ところで、ブレーキパッド10はブレーキディスク4に圧接して磨耗するから、定期的に交換する必要がある。まず、ブレーキパッド10をホルダ本体11Aから取外すにあたり、スプリングプランジャ46のピン45を引き込み、脱落防止部材28とのロックを解除する。次に、梃台49に形成された工具挿入穴49aから所定の工具29を挿入してその工具29の先端部を操作穴33aに係止させる。このとき、脱落防止部材28は閉姿勢A2にあって操作穴33aは工具挿入穴49aに比べてホルダ本体11A側寄りに配置されているから、工具挿入穴49aを支点(梃台49を支点)、操作穴33aを作用点にして工具を、脱落防止部材28がホルダ本体11Aから離れるよう支軸6回りに回動させるよう操作する。
このとき、位置変え用工具29は操作穴33aと工具挿入穴49aに余裕をもって挿入可能としている。また、操作穴33aは貫通していないキリ穴であるため、工具29の先端部29aが操作穴33a内に挿入されれば、工具29の上方向への移動は規制される。そして、操作穴33aと工具挿入穴49aとを、前述のように、脱落防止部材28の閉姿勢A2において上下方向で対向する位置からずらしているので、工具29を操作すれば、梃の原理で、容易に脱落防止部材28を回動させることができる。
このとき脱落防止部材28の閉姿勢A2を保持していたU字状のバネ38の基端部38bと先端部38aとの幅が圧縮される。そして作業者は、バネ38の弾性に抗してさらに工具29を操作すると、バネ38が最も縮まった後に再度伸長し、脱落防止部材28は、閉姿勢A2から開姿勢A1となり、バネ38の弾性によって脱落防止部材28は開姿勢A1が維持される。バネ38の弾性に抗して工具29を回動操作する際、梃台49を支点にし、操作穴33aを作用点として梃の原理を利用して行うので、作業者は、脱落防止部材28を直接把持して枢支軸6回りに回動させる場合に比べて小さい操作力でもって脱落防止部材28の姿勢の変更を行うことができる。
上記の開姿勢A1では、脱落防止部材28の突部33がパッドホルダ11の下部スリット35から抜け出ており、ブレーキパッド10を下方へ取外すことが可能になる。そこで、ブレーキパッド10を下方に引くと、ブレーキパッド10はその臍56が案内溝51に案内されてパッドホルダ本体11Aから下方へ取外される。
ところで、新たなブレーキパッド10をホルダ本体11Aに装着するにあたり、その上下を正常装着姿勢とし、図2に示すように、ブレーキパッド10の湾曲方向をホルダ本体11Aの湾曲方向と一致させ、ホルダ本体11Aの案内溝51に臍56を位置合わせをして案内溝51に臍56を挿入(嵌入)するようにし、上方に移動不可能な位置、すなわちブレーキパッド10の臍56の上端面56aが屈曲板バネ27に当接するまで移動(上昇)させる。
ここで作業者は、このブレーキパッド10の位置を保持した状態で、再び工具を梃台49の工具挿入穴49aに挿入して工具の先端部を操作穴33aに挿入する。このとき、脱落防止部材28は上述のように開姿勢A1にある。そこで作業者は、梃台49を支点にして工具を操作し、脱落防止部材28がホルダ本体11Aに接近するよう支軸6回りに回動させる。このようにすることにより、脱落防止部材28は、開姿勢A1からその突部33が下部スリット35に挿入された閉姿勢A2となり、バネ38の弾性に基づいて脱落防止部材28はその閉姿勢A2が維持される。つまり脱落防止部材28の突部33がブレーキパッド10の臍56の下端面と当接した状態となる。そして、スプリングプランジャ46のピン45を押し込み、脱落防止部材28とのロックを行う。
このように、パッドホルダ本体11Aに工具挿入穴49aを有する梃台49を設け、脱落防止部材28に操作穴33aを設けて、工具29の中途部29bを工具挿入穴49aに挿通し、工具29の先端部29aを操作穴33aに係止するよう構成したことにより、梃の原理を利用して脱落防止部材28を支軸6回りに回動させ、閉姿勢A2から開姿勢A1、また開姿勢A1から閉姿勢A2に容易に切替えることができる。このとき、バネ38の弾性によって脱落防止部材28の姿勢が保持されていても、梃の原理により、小さな力で脱落防止部材28を支軸6回りに回動させることができる。
ちなみに、ブレーキパッド10はブレーキディスク4の左右で同一のものを使用すること、また、ブレーキパッド10の交換は車体の下方から行われるから、作業性の悪い環境で行われる。これらのことから、ブレーキパッド10の交換の際に、図2の仮想線で示すように、ブレーキパッド10の上下を反対にした誤装着姿勢C1に把持してしまう場合が考えられる。しかしながら、ブレーキパッド10を誤装着姿勢C1でもってホルダ本体11Aの案内溝51に臍56を位置合わせをし、案内溝51に臍56を嵌入するようにして上昇させようとしたとき、臍56の一方接続部分63からブレーキパッド10の一方側端部65までの最大幅距離B5を、ホルダ本体11Aの案内溝51の幅方向端部71aから突起20までの水平距離B7に比べて大きく設定しているから、ブレーキパッド10の一方側端部65が突起20の下端面20aに下方から当り、それ以上の上昇が阻止される。このため、ブレーキパッド10をホルダ本体11Aに挿入することができない。したがって、ブレーキパッド10の湾曲方向がブレーキディスク4の湾曲方向と反対の方向で装着されるという誤装着を防止することができる。
上記実施形態では、梃台49に、支持部として工具挿入穴49a(貫通穴)を形成した。そして、脱落防止部材28に操作穴33a(キリ穴)を形成して、工具29の中途部29bを工具挿入穴49aに挿通し、工具29の先端部29aを操作穴33aに係止させたことにより、脱落防止部材28を閉姿勢A2から開姿勢A1、また開姿勢A1から閉姿勢A2に切替え可能とした。しかし、支持部は、脱落防止部材28を閉姿勢A2から開姿勢A1または開姿勢A1から閉姿勢A2の何れかに切替えるために工具29の先端部29aを挿入する専用に設けた凹部、あるいは貫通穴であって、支持部として充分な強度を有するよう設けられていればよい。
例えば、支持部としては、脱落防止部材28の板面にその厚み方向に設けた段部が考えられる。この段部に工具29の先端部29aを係止するように構成することも可能で、このようにすることで、工具29を用いて、脱落防止部材28を閉姿勢A2から開姿勢A1、または開姿勢A1から閉姿勢A2に切替え可能となる。
本発明の実施形態のディスクブレーキ装置の使用状態を示す全体概略図。 同じくパッドホルダにブレーキパッドを着脱する際の側面図。 同じくパッドホルダの背面図。 同じく図2におけるX−X線概略断面図。 同じくパッドホルダ本体の単体側面図。 同じくディスクブレーキ装置の底面図。 同じく図5におけるY−Y線概略断面図。 同じく脱落防止部材の単体底面図。 同じく図2におけるZ−Z線断面図。
符号の説明
1…ディスクブレーキ装置、2…車輪、3…車軸、4…ブレーキディスク、7…クランプレバー、9…制動部、10…ブレーキパッド、11…パッドホルダ、11A…パッドホルダ本体、20…突起、26…上部スリット、28…脱落防止部材、29…工具、29a…工具の先端部、29b…工具の中途部、31…ブラケット、33…突部、33a…操作穴、35…下部スリット、36…バネ挿通穴、38…バネ、49…梃台、49a…工具挿入穴、50…ブレーキパッド保持面、50a…平坦面、51…案内溝、52…案内面、53…傾斜案内面、53a…傾斜案内面、55…被保持面、56…臍、57…被案内突面、58…被案内傾斜面、A1…開姿勢、A2…閉姿勢

Claims (4)

  1. ブレーキディスクをその両側面から挟み込むブレーキパッドがパッドホルダに着脱自在に保持され、該パッドホルダは、板状のパッドホルダ本体と、一端側の支軸回りに回動可能とされるとともにブレーキパッドがパッドホルダから脱落するのを防止する脱落防止部材とを有し、該脱落防止部材はブレーキパッドの脱落を防止する保持姿勢と該保持姿勢から前記支軸回りに回動してブレーキパッドの着脱を許容する許容姿勢とに切替え可能であり、該脱落防止部材を保持姿勢あるいは許容姿勢に維持するバネが設けられ、該バネの弾性に抗して脱落防止部材の姿勢を切替えるようにした鉄道車両用ディスクブレーキ装置において、
    パッドホルダに、脱落防止部材を前記支軸回りに回動させて保持姿勢から許容姿勢に切替える際に用いる棒状の工具の途中を支持させる支持部を設け、脱落防止部材に、前記支持部に工具の中途部を支持させた状態で工具の先端部が係合する係合部を設け、該係合部はブレーキパッドの保持姿勢において前記支持部に対してパッドホルダ本体側に位置ずれしていることを特徴とするブレーキパッドの着脱が容易な鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
  2. パッドホルダは、パッドホルダ本体の板面に立設した台部を有し、支持部は前記台部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のブレーキパッドの着脱が容易な鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
  3. 支持部は台部に形成されて工具の中途部を挿入する工具挿入用の穴であることを特徴とする請求項2記載のブレーキパッドの着脱が容易な鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
  4. 係合部は脱落防止部材に形成されて工具の先端部が係止する操作穴であることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載のブレーキパッドの着脱が容易な鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
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