JP4631400B2 - 同期モータの位置センサレス駆動制御装置 - Google Patents

同期モータの位置センサレス駆動制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、同期モータの駆動制御装置に関し、特に、複数相のモータコイルを備えた同期モータを、ロータ位置センサを用いることなく駆動制御するためのモータ制御装置に関する。
従来技術として、下記特許文献1に開示された同期モータの駆動制御装置がある。このモータ駆動制御装置では、モータコイルに印加する印加電圧とモータコイルに流れるモータ電流との位相差に基づいて同期モータを駆動制御するようになっている。
具体的には、負荷トルクおよびモータ回転数から目標位相差を設定するとともに、モータ電流の位相から実位相差を検出する。そして、目標位相差と検出実位相差との誤差データに基づいて印加電圧を制御することで、負荷トルク変化がある場合であっても効率よくモータを駆動できるようになっている。
特開2002−165490号公報
上記従来技術に対し、本出願人は、先に出願した特願2004−214799において、より簡便な制御方法として、モータ電流のゼロクロスからモータ電流の位相情報を検出して同期モータを駆動制御する駆動制御装置を提案している。
しかしながら、提案した駆動制御装置では、モータの負荷トルクが小さい場合にはモータコイルに流れる電流も少ないため、モータ電流の歪みが大きくなるなどの理由により電流ゼロクロスの検出タイミングに誤差を生じ易く、この検出位相情報に基づきモータの駆動制御を行なうと、制御が不安定になるという問題があり、脱調する恐れもある。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、電流位相情報の検出誤差を抑制して、モータを安定駆動することが可能な同期モータの位置センサレス駆動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、複数相を有するモータコイルに流れる相電流の位相情報を検出し、モータコイルに印加する印加電圧と前記相電流との位相差に基づいて、位置センサを用いることなく同期モータを駆動制御するための制御装置であって、相電流がゼロクロスするタイミングから相電流の位相情報を検出し、相電流が、電流振幅の減少に伴い増大する位相情報の検出誤差に基づいて定めた所定値以上となるように、印加電圧を制御することを特徴としている。
これによると、モータの運転負荷が小さいときであっても、電流を所定値以上として、電流位相情報の検出誤差を抑制することができる。したがって、モータを安定駆動することが可能である。
また、モータコイルへの印加電圧を制御して、容易に相電流が所定値以上となるようにすることができる。さらに、相電流の位相情報は、相電流がゼロクロスするタイミングから容易に検出することができる。
また、請求項2に記載の発明では、複数相を有するモータコイルに流れる相電流の位相情報を検出し、モータコイルに印加する印加電圧と相電流との位相差に基づいて、位置センサを用いることなく同期モータを駆動制御するための制御装置であって、複数相の相電流が相互にクロスするタイミングから相電流の位相情報を検出し、相電流が、電流振幅の減少に伴い増大する位相情報の検出誤差に基づいて定めた所定値以上となるように、前記印加電圧を制御することを特徴としている。
これによると、モータの運転負荷が小さいときであっても、相電流を所定値以上として、電流位相情報の検出誤差を抑制することができる。したがって、モータを安定駆動することが可能である。また、モータコイルへの印加電圧を制御して、容易に相電流が所定値以上となるようにすることができる。さらに、相電流の位相情報は、複数相の相電流が相互にクロスするタイミングからも容易に検出することが可能である。
具体的には、請求項3に記載の発明のように、印加電圧を下降させ、電流が増大する方向に電流の位相を進ませて、電流が所定値以上となるように制御することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、印加電圧を上昇させ、電流が増大する方向に電流の位相を遅らせて、電流が所定値以上となるように制御することもできる。
また、請求項5に記載の発明では、複数相を有するモータコイルに流れる相電流の位相情報を検出し、モータコイルに印加する印加電圧と相電流との位相差に基づいて、位置センサを用いることなく同期モータを駆動制御するための制御装置であって、相電流がゼロクロスするタイミングから相電流の位相情報を検出し、相電流が、電流振幅の減少に伴い増大する位相情報の検出誤差に基づいて定めた所定値以上となるように、印加電圧と相電流との位相差の制御目標値である目標位相差を予め設定したことを特徴としている。
これによると、モータの運転負荷が小さいときであっても、相電流を所定値以上として、電流位相情報の検出誤差を抑制することができる。したがって、モータを安定駆動することが可能である。また、印加電圧と相電流との位相差の制御目標値である目標位相差を予め設定することにより、容易に相電流が所定値以上となるようにすることができる。さらに、相電流の位相情報は、相電流がゼロクロスするタイミングから容易に検出することができる。
また、請求項6に記載の発明では、複数相を有するモータコイルに流れる相電流の位相情報を検出し、モータコイルに印加する印加電圧と相電流との位相差に基づいて、位置センサを用いることなく同期モータを駆動制御するための制御装置であって、複数相の相電流が相互にクロスするタイミングから相電流の位相情報を検出し、相電流が、電流振幅の減少に伴い増大する位相情報の検出誤差に基づいて定めた所定値以上となるように、印加電圧と相電流との位相差の制御目標値である目標位相差を予め設定したことを特徴としている。
これによると、モータの運転負荷が小さいときであっても、相電流を所定値以上として、電流位相情報の検出誤差を抑制することができる。したがって、モータを安定駆動することが可能である。また、印加電圧と相電流との位相差の制御目標値である目標位相差を予め設定することにより、容易に相電流が所定値以上となるようにすることができる。さらに、相電流の位相情報は、複数相の相電流が相互にクロスするタイミングからも容易に検出することが可能である。
具体的には、請求項7に記載の発明のように、電流の位相が、電流が最小になる位相から進んだ位相で電流が所定値以上となるように目標位相差を設定することにより、電流が所定値以上となるように制御することができる。
また、請求項8に記載の発明のように、電流の位相が、電流が最小になる位相から遅れた位相で電流が所定値以上となるように目標位相差を設定することによっても、電流が所定値以上となるように制御することができる。
また、請求項9に記載の発明では、電流の目標位相と実位相との位相偏差情報を制御目標にフィードバックする駆動制御装置であって、モータが運転する負荷の負荷情報に応じて、フィードバックされる位相偏差情報に乗じられるゲインを変更することを特徴としている。
これによると、電流位相情報の誤差の影響を調整することが可能である。
具体的には、請求項10に記載の発明のように、モータの運転負荷が減少するに応じてゲインを小さくすることで、電流位相情報の誤差の影響を抑制することができる。したがって、モータを一層安定駆動することが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態は、本発明に係るモータ駆動制御装置を、二酸化炭素を冷媒とするヒートポンプ式給湯装置のヒートポンプサイクル1中の電動圧縮機10の制御装置として適用したものであり、図1は、本実施形態に係るヒートポンプ給湯装置の概略要部構成を示す模式図である。また、図2は、本実施形態における同期モータの位置センサレス駆動制御装置である電動圧縮機10の同期モータ12のモータ駆動制御部120概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ヒートポンプサイクル1は、圧縮機10、給湯用熱交換器(水冷媒熱交換器)20、エジェクタ(減圧手段)30、アキュムレータ40、室外熱交換器(熱源用熱交換器)50、内部熱交換器60、およびこれらを環状に接続する冷媒配管70で構成されている。
圧縮機10は、内蔵する同期モータ12(図2参照)によって圧縮機構11(図2参照)が運転されて、気相冷媒を臨界圧力以上まで圧縮して吐出する電動コンプレッサである。
給湯用熱交換器20は、圧縮機10の吐出口より吐出された高温高圧の冷媒によって水を湯に昇温させる水−冷媒熱交換器であり、冷媒が流通する冷媒通路部と水が流通する水通路部とにより構成されている。給湯用熱交換器20の冷媒通路部は冷媒流路管により構成され、冷媒通路部が水通路部の表面に熱交換可能に密着するように配置された熱交換構造となっている。
給湯用熱交換器20の水通路部は、給水を流通する給水通路(流水路)80の一部を構成しており、ポンプ90の作動により給水通路80内を流れる水を、給湯用熱交換器20内で高温高圧冷媒との熱交換によって給湯用の高温の湯とするようになっている。
室外熱交換器(蒸発器)50は、外気と液相冷媒とを熱交換させて液相冷媒を蒸発させることにより外気から吸熱するための熱交換器である。また、エジェクタ30は給湯用熱交換器20から流出する冷媒を減圧膨張させて室外熱交換器50にて蒸発した気相冷媒を吸引するとともに、膨張エネルギーを圧力エネルギーに変換して圧縮機10の吸入圧を上昇させるものである。
ここで、エジェクタ30は、給湯用熱交換器20から流出した高圧冷媒の圧力エネルギーを速度エネルギーに変換して冷媒を略等エントロピ的に減圧膨張させるノズル部と、ノズル部から噴射する高い速度の冷媒流により室外熱交換器50にて蒸発した気相冷媒を吸引しながら、ノズル部から噴射する冷媒流と混合する混合部、およびノズル部から噴射する冷媒と室外熱交換器50から吸引した冷媒とを混合させながら速度エネルギーを圧力エネルギーに変換して冷媒の圧力を昇圧させるディフューザ等の昇圧部からなるものである。
エジェクタ30のノズル部は、ノズル開度を調節するための図示しないニードル弁を有しており、ニードル弁は図示しないステッピングモータの作動によりノズル部の軸線方向に駆動するようになっている。
また、アキュムレータ40は、エジェクタ30から流出した冷媒が流入するとともに、その流入した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して冷媒を蓄える気液分離器であり、分離された気相冷媒は内部熱交換器60を介して圧縮機10に吸引され、分離された液相冷媒は室外熱交換器50側に吸引されるようになっている。
内部熱交換器60は、アキュムレータ40から導出され室外熱交換器50の一部において外気と熱交換した低圧気相冷媒と、エジェクタ30にて減圧される前の高圧側の冷媒とを熱交換する熱交換器であり、この内部熱交換器60により圧縮機10吸入側での冷媒のエンタルピを上昇させて、超臨界ヒートポンプサイクル1の能力を向上させている。
また、ヒートポンプサイクル1には、圧縮機10の吐出側と室外熱交換器50の上流側とを連通する連通配管78と、この連通配管78の経路を開閉する電磁弁79が設けられている。この連通配管78は除霜用の冷媒配管であって、電磁弁79が開弁すると、連通配管78を介して高温冷媒が室外熱交換器50に導入され、室外熱交換器50の除霜を行なうことができるようになっている。
図1に示すように、冷媒配管70には、圧縮機10の吐出冷媒温度を検出する吐出温サーミスタ71、給湯用熱交換器20下流側の冷媒温度を検出する冷媒出口サーミスタ72、室外熱交換器50上流側の冷媒温度を検出するエバ入口サーミスタ73、室外熱交換器50下流側の冷媒温度を検出するフロストサーミスタ74、およびエジェクタ30上流側においてヒートポンプサイクル1の高圧側冷媒圧力を検出する圧力センサ75が設けられている。
また、室外熱交換器50の空気流れ上流側面には、電動ファン51の作動により室外熱交換器50を通過する前の外気の温度を検出する外気サーミスタ52が設けられている。
一方、給水通路80には、給湯用熱交換器20上流側の水温を検出する給水サーミスタ81、および給湯用熱交換器20下流側の水温を検出する給湯サーミスタ82が設けられている。
上記各サーミスタ52、71〜74、81、82から温度情報、および圧力センサ75からの圧力情報は、制御ユニット100に入力される。そして、この制御ユニット100は、上記各情報および図示しない操作手段や検出手段からの入力信号に基づいて、圧縮機10、エジェクタ30、電動ファン51、電磁弁79、ポンプ90等を作動制御するようになっている。
図2に示すように、圧縮機10は、同期モータ12により負荷としての圧縮機構11を回転運動させ、冷媒を圧縮して吐出するものであり、本実施形態の同期モータ12は、磁石を埋設したロータを回転駆動する4極3相コイルを有する同期モータである。
外部電源19からの交流電圧が入力線13を介してAC/DCコンバータ回路14に入力され、直流電圧に変換されて母線15を介してインバータ回路16に入力される。インバータ回路16は、後述する制御ユニット100のモータ制御部120からの信号に基づいて同期モータ12のステータコイルの各相(U、V、W相)に電圧を印加し、ロータが回転駆動される。
制御ユニット100は、共通のマイコン内に、ヒートポンプサイクル1を含むヒートポンプ式給湯装置本体部を制御するための給湯器制御部110と、本実施形態における同期モータの位置センサレス駆動制御装置としてのモータ制御部120とを備えている。
モータ制御部120は、本実施形態における目標位相差設定手段としての目標位相差制御部121、目標電流位相設定手段としての目標位相制御部122、位相偏差検出手段としての位相偏差検出部123、負荷情報検出手段としての電流振幅情報検出部124、印加電圧設定手段としての電圧振幅制御部125およびモータ印加電圧波形生成部126、電流低下抑止手段としての目標電流制御部131を備えている。
電流振幅情報検出部124では、配線17の複数相(本例では2相)における検出電流から電流振幅情報をROMに格納した演算式もしくはマップ(本例では演算式)に基づいて負荷情報として検出する。
目標位相差制御部121では、上位制御部である給湯器制御部110からの回転数指令と電流振幅情報検出部124からの負荷情報に基づいて、ROMに格納したマップもしくは演算式(本例ではマップ)により、同期モータ12の駆動制御におけるコイルへの印加電圧とモータコイル電流との目標位相差が設定される。
また、目標位相制御部122では、給湯器制御部110からの回転数指令に応じて目標電流位相が更新される。そして、位相偏差検出部123では、目標位相制御部122で更新された目標電流位相と、配線17において検出した検出電流位相(本例では電流ゼロクロスタイミング)とから位相偏差を検出する。
また、目標電流制御部131では、電流振幅情報検出部124からの負荷情報(電流振幅情報)に基づいて、同期モータ12のモータコイルに流れるモータ電流が所定値(本例では2A)を下回ると判断した場合には、電流が所定値となるような電圧補正情報を電圧振幅制御部125に出力するようになっている。
電圧振幅制御部125では、給湯器制御部110からの回転数指令に基づいて基底電圧振幅を設定するとともに、位相偏差検出部123で検出された位相偏差に基づいて印加電圧振幅を制御する。さらに、目標電流制御部131から電圧補正情報が入力された場合には、この情報に基づいて印加電圧振幅を補正する。
位相偏差検出部123と電圧振幅制御部125との間には、ローパスフィルタ128が設けられている。そして、電圧振幅制御部125には、位相偏差検出部123で検出された電流位相偏差をローパス処理した値が入力され、電圧振幅制御部125では、電流位相偏差をローパス処理した値が所定値になるように印加電圧振幅を制御する。
また、ローパスフィルタ128前後の値の差に適切なゲインKを乗じて、目標電流位相にフィードバックするようになっている。
モータ印加電圧波形生成部126では、目標位相差制御部121において設定された目標位相差、目標位相制御部122において更新された目標電流位相、および電圧振幅制御部125において設定された印加電圧振幅から、モータ12への印加電圧波形情報を生成し、前述のインバータ回路16に出力する。
図2に示すように、位相偏差検出部123と電圧振幅制御部125の間に、ローパスフィルタ128を設けるとともに、ローパスフィルタ128前後の値の差に、適切なゲインを掛けて目標電流位相にフィードバックすることで、一回転中の位相変動(速度変動)を修正し、安定化をはかっている。
これは、簡易的な微分制御に相当するものであり、ローパス処理前後の値の差を位相偏差の微分値に置き換えることも可能である。
図2に示したように、本実施形態の構成では、電流のゼロクロスタイミングから位相情報を検出し、その情報を基に制御を行なう。
一般的に、負荷トルクが小さく、モータ電流が小さいときには、モータの誘起電圧波形の歪みの影響等により、電流波形に歪みが生じ、電流ゼロクロスの検出誤差が大きくなり易い。そして、その誤差を含んだ情報に基づき制御を行なうと、位相ずれが生じ(不正確な位相情報により)脱調に至る危険がある。
そこで、図3に示すように、負荷トルクが小さく電流振幅値が所定値(閾値、例えば2A)を下回る場合は、電流振幅が所定値となるよう制御を行なう。
図4は、モータ電流一定時のモータ電流位相とモータ出力トルクとの関係を示すグラフである。図4に示すように、制御する電流位相に応じ、モータの出力トルクが変化し、効率を重視すると、定常時は最も出力トルクが大きくなる電流位相付近(例えば図4図示A領域)になるように制御を行なう。
本実施形態の目標電流制御部131は、モータ電流が所定値(閾値)以下になると、所定値(閾値)を保つよう電圧補正情報を出力して補正制御を行なう。具体的には、印加電圧を低減させて、モータ電流が増大する方向に電流位相を進ませて、モータ電流を所定値に維持する。すなわち、電流低下抑止手段である目標電流制御部131は、電圧補正手段である。
図5は、モータトルクが変動した場合の電流位相とモータ電流との関係を示す特性図である。
図5に示すように、定常時には効率を重視した電流位相となるように印加電圧が制御される。すなわち、図5に実線矢印で示すように、トルクが低減してきた場合には、閾値に至るまではモータ電流を低減させて高効率を維持する。
モータ電流が閾値に至り、閾値未満になった場合には、速やかに印加電圧を低下させ、所望のトルクが出力されるa点に電流位相を進ませる。a点では、効率は若干犠牲になるものの、モータ電流は閾値を維持する。
これによると、モータトルクが減少した場合であっても、モータ電流のゼロクロスの検出誤差を抑制して、同期モータ12を安定駆動することができる。
目標電流制御部131において電圧補正を行なわず、図5に破線矢印で示すようにモータトルクの減少に伴なってモータ電流が小さくなるに任せると、例えば、図6(a)に示すように、電流波形が歪み、電流のゼロクロスタイミングの検出誤差が大きくなり易い。
これに対し、本実施形態によれば、モータ電流は閾値以上に保たれるので、例えば、図6(b)に示すように、電流のゼロクロスタイミングを精度よく検出することができる。
なお、本実施形態では、モータ電流が閾値より小さくなった場合には、印加電圧を低下させて電流位相を図5中のa点(進み側)としたが、モータ電流が閾値を切る前の電流位相等によっては、印加電圧を上昇させて電流位相を図5中のb点(遅れ側)としてモータ電流を閾値に維持するものであってもよい。
(第2の実施形態)
前述の第1の実施形態では、目標電流制御部131の電圧補正により印加電圧を制御することでモータ電流が所定値を保つようにしたが、目標電流制御部131を設けずに、目標位相差制御部121にモータ電流が所定値を保つような目標位相差を予め設定してもよい。
すなわち、モータ電流が所定値以下になる場合の負荷トルクにおける目標位相差を、電流位相が図5に示すa点(モータ電流が最小になる位相から進んだ位相でモータ電流が所定値となる点)またはb点(モータ電流が最小になる位相から遅れた位相でモータ電流が所定値となる点)となるような位相差に設定しておくことで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
前述の第1、第2の実施形態では、効率を若干犠牲にして電流ゼロクロス検出精度を確保していた。効率向上のためにモータ電流の閾値を下げると、電流ゼロクロス誤差が残存し制御性が悪化する。そこで本実施形態では、モータ電流の閾値を第1の実施形態より低下させるのに合わせて、モータ電流(電流振幅、負荷情報)に応じて、図2に示すローパスフィルタ128前後の値の差を目標電流位相にフィードバックするときのゲインK、すなわち、位相誤差情報を目標電流位相にフィードバックするゲインKを変更している。
具体的には、図7に例示するように、電流振幅(モータの運転負荷)が減少するに応じてゲインKを小さくすることで、電流ゼロクロス(電流位相情報)の誤差の影響を抑制することができる。したがって、同期モータ12を確実に安定駆動することができる。
なお、電流振幅(モータの運転負荷)に対するゲインKの関係は図7に示すものに限定されるものではなく、電流振幅が減少するに応じてゲインKを小さくするものであればよい。
また、本実施形態では負荷情報はモータ電流から検出していたが、母線15を流れる母線電流や入力線13を流れる入力電流などから負荷情報を検出し、これに基づいてゲインKを変更してもよい。
(第4の実施形態)
前述の第1〜第3の実施形態では、図6(b)に示したように、電流ゼロクロスタイミングを検出して電流位相情報を得ていたが、図8に示すように、3相のモータ電流が相互にクロスするタイミング(相電流のクロス点)から電流位相情報を得る場合にも適用することができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、位相偏差検出部123において、目標位相制御部122で更新された目標電流位相と、配線17において検出した検出電流位相とから位相偏差(位相誤差)を検出するものであったが、位相偏差検出手段である位相偏差検出部123では、目標位相差と、印加電圧と検出電流との実位相差との位相偏差(位相差誤差)を検出するものであってもよい。
また、上記各実施形態では、同期モータ12は、二酸化炭素を冷媒とするヒートポンプサイクル1の圧縮機構11を運転するモータであったが、これに限定されるものではない。冷媒が二酸化炭素以外のヒートポンプサイクル(冷凍サイクル)の圧縮機モータであってもよいし、負荷は圧縮機構ではなくポンプ機構等であってもよい。位置センサを用いることなく同期モータを駆動制御する場合に、本発明は広く適用して有効である。
本発明を適用した第1の実施形態におけるヒートポンプ給湯装置の概略要部構成を示す模式図である。 第1の実施形態におけるモータ駆動制御部120概略構成を示すブロック図である。 運転負荷(モータトルク)と電流振幅(モータ電流)との関係を示すグラフである。 モータ電流一定時のモータ電流位相とモータ出力トルクとの関係を示すグラフである。 モータトルクが変動した場合の電流位相とモータ電流との関係を示す特性図である。 モータ電流のゼロクロスを示す図であり、(a)は本発明の制御を行なわなかった場合、(b)は本発明の制御を行なった場合を示す。 第3の実施形態における負荷情報(電流振幅)と位相誤差情報を目標電流位相にフィードバックするゲインKとの関係を示すグラフである。 第4の実施形態における電流位相情報の検出例を示す図である。
符号の説明
1 ヒートポンプサイクル
10 圧縮機
11 圧縮機構(負荷)
12 同期モータ
13 入力線
14 AC/DCコンバータ回路
15 母線
16 インバータ回路
17 配線
100 制御ユニット
120 モータ制御部(モータ駆動制御部、同期モータの位置センサレス駆動制御装置)
121 目標位相差制御部(目標位相差設定手段)
122 目標位相制御部(目標電流位相設定手段)
123 位相偏差検出部(位相偏差検出手段)
124 電流振幅情報検出部(負荷情報検出手段)
125 電圧振幅制御部(印加電圧設定手段の一部)
126 モータ印加電圧波形生成部(印加電圧設定手段の一部)
128 ローパスフィルタ
131 目標電流制御部(電流低下抑止手段、電圧補正手段)
K ゲイン(フィードバックゲイン)

Claims (10)

  1. 複数相を有するモータコイルに流れる相電流の位相情報を検出し、前記モータコイルに印加する印加電圧と前記相電流との位相差に基づいて、位置センサを用いることなく同期モータを駆動制御するための制御装置であって、
    前記相電流がゼロクロスするタイミングから前記相電流の位相情報を検出し、
    前記相電流が、電流振幅の減少に伴い増大する前記位相情報の検出誤差に基づいて定めた所定値以上となるように、前記印加電圧を制御することを特徴とする同期モータの位置センサレス駆動制御装置。
  2. 複数相を有するモータコイルに流れる相電流の位相情報を検出し、前記モータコイルに印加する印加電圧と前記相電流との位相差に基づいて、位置センサを用いることなく同期モータを駆動制御するための制御装置であって、
    前記複数相の前記相電流が相互にクロスするタイミングから前記相電流の位相情報を検出し、
    前記相電流が、電流振幅の減少に伴い増大する前記位相情報の検出誤差に基づいて定めた所定値以上となるように、前記印加電圧を制御することを特徴とする同期モータの位置センサレス駆動制御装置。
  3. 前記印加電圧を下降させ、前記電流が増大する方向に前記電流の位相を進ませて、前記電流が前記所定値以上となるように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の同期モータの位置センサレス駆動制御装置。
  4. 前記印加電圧を上昇させ、前記電流が増大する方向に前記電流の位相を遅らせて、前記電流が前記所定値以上となるように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の同期モータの位置センサレス駆動制御装置。
  5. 複数相を有するモータコイルに流れる相電流の位相情報を検出し、前記モータコイルに印加する印加電圧と前記相電流との位相差に基づいて、位置センサを用いることなく同期モータを駆動制御するための制御装置であって、
    前記相電流がゼロクロスするタイミングから前記相電流の位相情報を検出し、
    前記相電流が、電流振幅の減少に伴い増大する前記位相情報の検出誤差に基づいて定めた所定値以上となるように、前記印加電圧と前記相電流との位相差の制御目標値である目標位相差を予め設定したことを特徴とする同期モータの位置センサレス駆動制御装置。
  6. 複数相を有するモータコイルに流れる相電流の位相情報を検出し、前記モータコイルに印加する印加電圧と前記相電流との位相差に基づいて、位置センサを用いることなく同期モータを駆動制御するための制御装置であって、
    前記複数相の前記相電流が相互にクロスするタイミングから前記相電流の位相情報を検出し、
    前記相電流が、電流振幅の減少に伴い増大する前記位相情報の検出誤差に基づいて定めた所定値以上となるように、前記印加電圧と前記相電流との位相差の制御目標値である目標位相差を予め設定したことを特徴とする同期モータの位置センサレス駆動制御装置。
  7. 前記電流の位相が、前記電流が最小になる位相から進んだ位相で前記電流が前記所定値以上となるように、前記目標位相差を設定したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の同期モータの位置センサレス駆動制御装置。
  8. 前記相電流の位相が、前記相電流が最小になる位相から遅れた位相で前記相電流が前記所定値以上となるように、前記目標位相差を設定したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の同期モータの位置センサレス駆動制御装置。
  9. 前記相電流の目標位相と実位相との位相偏差情報を制御目標にフィードバックする同期モータの位置センサレス駆動制御装置であって、
    前記モータが運転する負荷の負荷情報に応じて、フィードバックされる前記位相偏差情報に乗じられるゲインを変更することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の同期モータの位置センサレス駆動制御装置。
  10. 前記モータの運転負荷が減少するに応じて、前記ゲインを小さくすることを特徴とする請求項9に記載の同期モータの位置センサレス駆動制御装置。
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