JP4631353B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機やスロットマシンなどの遊技機に関し、詳しくは、このような遊技機の電源投入時等に実行される初期化処理に関するものである。
従来、この種の遊技機では、遊技中の停電などに備えて、遊技状態に関する種々のパラメータをメモリにバックアップしておくことが行われていた(下記特許文献1参照)。バックアップされるパラメータとしては、例えば、大当たりの抽選に用いられる乱数カウンタや、乱数カウンタの初期値を決定するための初期値カウンタなどが挙げられる。遊技機は、電源が再投入された際に、これらのパラメータをバックアップされたメモリから読み込むことで、停電前の遊技状態に復帰することができる。
特開2004−8793号公報
一方、遊技機によっては、翌営業日に電源を再投入する場合など、バックアップされたパラメータを初期化する場合があり、また、遊技機内で実行されるプログラムが暴走した場合などにも、バックアップされたパラメータを初期化することが必要であった。そのため、このような遊技機には、バックアップされたパラメータを初期化するための押しボタン式の初期化スイッチが設けられており、この初期化スイッチを押しながら電源を投入することで、パラメータの初期化を行うことができる。
しかし、例えば、初期化スイッチは、押しボタンの経年劣化による固着や異物の噛み込み等の原因で常時押下状態となる場合があり、このような状態では、パラメータが予期せずに初期化されてしまう虞があった。また、例えば、初期化スイッチが押下状態のまま電源スイッチのオン・オフを繰り返せば、乱数カウンタの値が常に同じパターンで変動する場合があり、このような現象を利用した不正行為が行われる虞もあった。
本発明は、このような課題に考慮してなされたものであり、バックアップされたパラメータの不慮の初期化を回避するとともに、不正行為を防止することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明は、遊技機であって、該遊技機に電源供給を行う電源供給手段と、前記電源供給手段による電源供給が停止されても、当該遊技機の遊技状態に関する所定のパラメータを記憶するバックアップ記憶手段と、所定の操作に応じてオン状態とオフ状態とにオン・オフ状態が切り替わる初期化スイッチと、前記電源供給手段による電源供給の開始後、所定の期間内に、前記初期化スイッチのオン・オフ状態が、一方の状態から他方の状態に切り替えられたことを検出した場合に、前記パラメータを初期化する初期化手段と、前記パラメータに基づき所定の遊技処理を開始する遊技開始手段とを備えることを要旨とする。
本発明の遊技機は、初期化スイッチのオン状態からオフ状態への切り替わり、あるいは、オフ状態からオン状態への切り替わりを検出すると、遊技状態に関するパラメータを初期化して遊技処理を開始する。このように構成された遊技機によれば、スイッチ部分の固着や異物の噛み込み等によって、初期化スイッチが常にオン状態あるいはオフ状態となっている場合には、パラメータの初期化は行われないため、パラメータが予期せずに初期化されてしまうことを回避することができる。
本発明で用いる初期化スイッチとしては、例えば、押し下げ状態でオン、無操作状態でオフとなる押しボタン式のスイッチや、押し下げ状態でオフ、無操作状態でオンとなる押しボタン式のスイッチを用いることができる。また、1回の押し下げ操作が行われれば、その後の押下状態の継続の有無に関わらず、オン状態から一定期間後に自動的にオフ状態となるスイッチ、あるいは、オフ状態から一定時間後に自動的にオン状態となるスイッチ等を用いることができる。その他、押し下げる毎にオン/オフ状態が切り替わるトグル式のスイッチを用いることもできる。これらのスイッチは、機械的なスイッチとして構成するものとしてもよいが、その他にも、例えば、光学式のスイッチや静電式のスイッチ、音声認識や指紋認証などのバイオメトリクス認証に基づき動作するスイッチなどとして構成することもできる。
上記構成の遊技機において、前記遊技開始手段は、前記電源供給手段による電源供給の開始後、所定の期間内に前記初期化スイッチのオン・オフ状態が、一方の状態から他方の状態に切り替えられたことを検出できなかった場合に、前記バックアップ記憶手段に記憶された前記パラメータに基づき所定の遊技処理を開始する手段を備えるものとしてもよい。このような構成であれば、初期化スイッチが固着してパラメータが初期化できないような場合であっても、バックアップ記憶手段に記憶されたパラメータを用いて遊技処理を開始することができる。
上記構成の遊技機において、前記初期化手段は、前記初期化スイッチのオン・オフ状態が前記一方の状態になったことを検出した場合に、現在のオン・オフ状態が前記一方の状態であることを操作者に報知する手段を備えるものとしてもよい。こうすることにより、初期化スイッチのオン・オフ状態の切り替えを操作者に促すことができる。報知する手段としては、例えば、音を発することにより報知するものとしてもよいし、光を発光することにより報知するものとしてもよい。
前記初期化手段は、前記初期化スイッチのオン・オフ状態が前記一方の状態から前記他方の状態へ切り替わるまでの期間、および、前記所定の期間のうち、いずれか一方の期間が終了した場合に、前記報知を終了する手段を備えるものとしてもよい。こうすることにより、パラメータの初期化が可能な期間が終了したことを操作者に報知することができる。
上記構成の遊技機において、前記バックアップ記憶手段は、前記パラメータとして少なくとも、当該遊技機における遊技の有利さを調整するために用いられる乱数カウンタの値を記憶するものとしてもよい。こうすることにより、電源供給が停止されなければ享受するはずであった遊技者の利益の損失を抑制することができる。遊技の有利さとは、例えば、パチンコ遊技機における普通図柄の当たりや特別図柄の大当たりが発生する確率などのことをいう。
バックアップ記憶手段に記憶される乱数カウンタは、経過時間に応じて所定の規則に基づき値が更新されるものとすることができる。本発明では、初期化スイッチのオン・オフ状態の切り替えを検出してはじめて乱数カウンタの初期化を行う。そのため、例えば、初期化スイッチが不正行為によって故意にテープによって押し下げられたままの状態にされた場合であっても、乱数カウンタが初期化されない。つまり、乱数カウンタが経過時間に応じて所定の規則に基づき値が更新されるようなものであっても、このような乱数カウンタの特性を利用して、故意に初期化を繰り返すような不正行為を抑制することができる。
本発明の遊技機は、更に、開封防止機構を有する主制御ボックスを備え、前記バックアップ記憶手段と前記初期化手段と前記遊技開始手段とは、前記主制御ボックス内に備えられており、前記初期化スイッチは、操作者の操作に供される部分以外の部分が前記主制御ボックス内に配設されるよう、該主制御ボックスに取り付けられているものとしてもよい。こうすることにより、初期化スイッチのオン・オフ状態を強制的に切り替えるような不正な装置が取り付けられることを防止することができる。
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、本発明の実施の形態および好適な実施例について次の順序で説明する。
A.本発明の実施の形態:
B.実施例としてのパチンコ遊技機:
C.パチンコ遊技機の電気的構成:
D.MPUによって実行される処理:
(D1)遊技処理:
(D2)バックアップ処理:
(D3)起動処理:
A.本発明の実施の形態:
まず、図1を用いて本発明の実施の形態について簡単に説明する。
図1は、本発明の実施形態としての遊技機の概略構成を示す説明図である。図示する遊技機1は、遊技の進行を統括して管理する主制御装置2を備えており、主制御装置2は、停電時などに遊技状態に関する所定のパラメータを不揮発的に記憶するバックアップ記憶手段3を備えている。主制御装置2は、例えば、マイクロコンピュータやLSI等によって構成することができ、バックアップ記憶手段3は、RAMやEEPROM等によって構成することができる。
遊技機1は、電源スイッチPSWを備えており、主制御装置2には、この電源スイッチPSWのオン・オフに応じて電源電圧Vccが供給される。また、主制御装置2の所定の入力ポートIPには、ヒステリシス特性を有するシュミットトリガタイプのインバータINVを介して初期化スイッチISWが接続されている。初期化スイッチISWのインバータINV側の端子は、電源スイッチPSWと抵抗器Rを介してプルアップされており、他端は接地されている。このような回路構成によれば、初期化スイッチISWがオン(閉)状態の場合には、主制御装置2の入力ポートIPに対してハイレベルの信号が入力され、オフ(開)状態の場合には、ローレベルの信号が入力される。
ここで、図1の下部に示したタイミングチャートを用いて遊技機1の動作について説明する。まず、遊技機1の電源スイッチPSWがオンにされると、主制御装置2は、1秒間の待機期間T1の後に、初期化スイッチISWがオン状態であるか否かを検出する。このとき、初期化スイッチISWがオン状態であれば、次の5秒間のオフ状態検出期間T2において、初期化スイッチISWがオフ状態に切り替えられたかどうかを検出する。このオフ状態検出期間T2内に、初期化スイッチISWがオン状態からオフ状態に切り替えられれば、主制御装置2は、上述したパラメータを初期化して所定の遊技処理を開始する。待機期間T1経過時に初期化スイッチISWのオン状態が検出されない場合、もしくは、オフ状態検出期間T2内に初期化スイッチISWがオン状態からオフ状態に切り替えられない場合には、主制御装置2は、パラメータを初期化することなく、バックアップ記憶手段3に記憶されたパラメータを用いて所定の遊技処理を開始する。
以上で説明した本発明の実施の形態によれば、遊技機1は、初期化スイッチISWのオン状態からオフ状態への切り替わり検出した場合に、遊技状況に関するパラメータの初期化を行う。このように構成された遊技機1によれば、スイッチ部分の固着や異物の噛み込み等によって、初期化スイッチISWが常にオン状態となっていても、パラメータの初期化は行われない。そのため、遊技状況に関するパラメータが予期せずに初期化されてしまうことを回避することができる。
B.実施例としてのパチンコ遊技機:
次に、本発明をパチンコ遊技機に適用した実施例について詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施例としてのパチンコ遊技機10の斜視図である。図示するように、このパチンコ遊技機10は、遊技店の島設備に取り付けを行うための木製の外枠11を有しており、外枠11の前面には、本体枠12がその左辺を軸として開閉可能に装着されている。本体枠12の上部には遊技盤30が取り付けられる。なお、遊技盤30の詳細な構成は後述する。本体枠12の前面には、遊技盤30と対面する位置にガラス窓13の取り付けられた前面扉14が本体枠12と同様、左辺を軸として開閉可能に装着されている。
本体枠12の前面下部には、ベース部15が取り付けられている。ベース部15には、余剰景品球を溜める球受皿としての下皿16が形成されており、下皿16の奥壁には、音声を出力するためのスピーカ17が備えられている。下皿16の右側には、パチンコ玉を遊技盤30へ打ち出すための操作ハンドル18が設けられている。
図3は、遊技盤30の詳細な構成を示す説明図である。略円形状に形成された遊技盤30には、その表面全体に、パチンコ玉の落下方向を適宜分散させるための多数の釘が植設されており、左側の円周部には、発射されたパチンコ玉を遊技盤30の上部に導くためのガイドレール31が設けられている。遊技盤30の中央部には、8インチサイズの液晶ディスプレイ32が取り付けられており、その左右には、パチンコ玉の落下方向を適宜分散させるための風車34や、パチンコ玉の通過により普通図柄の変動契機となるスルーゲート35が設けられている。液晶ディスプレイ32の下方には、パチンコ玉の入賞により特別図柄の変動契機となる始動口36が配設されており、始動口36には、パチンコ玉の入賞のし易さを調整するための電動チューリップ37が備えられている。更に、始動口36の下方には、大当たり状態において開放される大入賞口38が備えられている。これらの周囲には、更に、パチンコ玉の入賞に応じて所定数の賞球を払い出す一般入賞口39が計6個設けられている。遊技盤30の最下部には、始動口36や一般入賞口39に入らなかったパチンコ玉を盤外に排出するためのアウトロ41が設けられている。
遊技盤30の中央部に設けられた液晶ディスプレイ32は、後述する演出表示装置300によってその表示内容が制御される。液晶ディスプレイ32には、例えば、左、中、右の3つの表示エリアにそれぞれ数字や記号等を表す特別図柄が表示される。始動口36へパチンコ玉が入賞すると、これらの図柄が上下方向にスクロールするように可変表示される。図柄のスクロール表示が停止し、その停止後の確定図柄が予め設定された所定の組合せになると大当たり状態となり、大入賞口38が開放状態になる。パチンコ玉が始動口36へ入った回数は、最大4回まで保留され、その保留数が、液晶ディスプレイの上部に備えられた4つの保留ランプ42の点灯状態によって表示される。なお、この保留数は、液晶ディスプレイ32に表示するものとしてもよい。また、本実施例では、特別図柄を液晶ディスプレイ32に表示させるものとしたが、液晶ディスプレイ32に換えて、有機ELディスプレイやCRT、ドットマトリクス状に配列した発光ダイオード、7セグメントタイプの表示装置、VFD(蛍光表示装置)などを用いるものとしてもよい。
液晶ディスプレイ32の上部には、スルーゲート35へのパチンコ玉の通過を契機として普通図柄を変動表示するための普通図柄表示装置40が備えられている。普通図柄表示装置40は、普通図柄として「○」を表示するための発光ダイオード40aと、「×」を表示するための発光ダイオード40bとによって構成されており、パチンコ玉がスルーゲート35を通過すると、この2つの発光ダイオード40a,40bが所定時間、交互に点灯される。所定の変動時間経過後、「○」で表示が停止した場合には、「当たり」となり、電動チューリップ37が所定時間、開放され、パチンコ玉が始動口36に入賞しやすい状態となる。なお、本実施例では、普通図柄を2つの発光ダイオード40a,40bによって表示するものとしたが、液晶ディスプレイ32に対して表示するものとしてもよい。
図4は、パチンコ遊技機10の背面構成を示す説明図である。パチンコ遊技機10の本体枠12の背面には、図示するように、遊技の進行を統括して管理する主制御装置100や、大当たりランプなどの電飾や音声の出力を制御するサブ制御装置200、液晶ディスプレイ32の表示制御を行う演出表示装置300、パチンコ玉の払出を制御する払出制御装置400、操作ハンドル18による操作を検出し、パチンコ玉の発射制御を行う発射制御装置500、各装置への電源供給を制御する電源供給装置600など、種々の装置が上下左右あるいは前後に重ね合わされるように配置されている。またパチンコ遊技機10の背面には、パチンコ遊技機10に電源を投入するための電源スイッチPSWが設けられている。
図5は、主制御装置100の斜視図である。主制御装置100は、MPUや各種電子部品の実装された主制御基板が透明な樹脂製の主制御ボックス101内に格納されることにより構成されている。主制御ボックス101は、ボックスベースとボックスカバーとによって構成され、これらは開封防止機構102によって結合されている。開封防止機構102は、係止爪と係止孔とがかしめられることによって構成されており、さらにこのかしめ部には封印シールが貼付される。そのため、主制御ボックス101を開封するためには、封印シールを破り、さらにかしめ部を破壊しない限り開封することができず、主制御ボックス101内に格納された主制御基板に対する不正行為を防止することができる。主制御ボックス101には、初期化スイッチISWが、操作者の操作に供される部分以外の部分が主制御ボックス101内に配設されるよう取り付けられている。本実施例では、初期化スイッチISWとして、押し下げ状態でオン、無操作状態でオフとなる押しボタン式のスイッチを用いるものとした。初期化スイッチISWは、停電時にバックアップされた所定のパラメータを初期化するためのスイッチであり、その操作方法等については後述する。
C.パチンコ遊技機の電気的構成:
次に、上述したパチンコ遊技機10の電気的な構成について説明する。
図6は、パチンコ遊技機10の電気的構成を示すブロック図である。図示するように、パチンコ遊技機10は、主制御装置100に対して、サブ制御装置200や払出制御装置400、電源供給装置600等が所定のケーブルを介して接続される構成となっている。
主制御装置100は、CPU111やRAM112、ROM113を内蔵する1チップマイクロコンピュータ(以下、MPUという)110を備えており、更に、このMPU110を中心に、3ステートバッファ120やサブ制御用レジスタ140、払出制御用レジスタ150、ソレノイド制御用レジスタ160等を備えている。3ステートバッファ120や各レジスタ140〜160は、8ビット幅のデータバス170にバス配線され、このデータバス170を介してMPU110の入出力ポートD0〜D7に接続されている。MPU110は、外付けされた水晶発振器OSCで生成されるクロック信号を入力し、8MHzの周波数で動作する。かかるMPU110が、特許請求の範囲に記載した初期化手段と遊技開始手段に相当する。
ここで、MPU110が用いるRAM112のメモリ空間について簡単に説明する。図7は、MPU110が用いるメモリ空間を模式的に示す説明図である。図示するように、MPU110は、アドレス0000H番地からアドレスFFFFH番地までのメモリ空間を有しており、このメモリ空間内には、ROM113に格納された制御プログラムを読み込んで展開するためのプログラムエリアPAと、この制御プログラムの実行の際に作業領域として用いられるワークエリアWAとが確保される。ワークエリアWAには、特別図柄の当否抽選に用いられる大当たり乱数カウンタC1や、この大当たり乱数カウンタC1の初期値となる乱数初期値カウンタCINI、普通図柄の当否抽選に用いられる普通図柄乱数カウンタC2など、遊技の有利さを調整するために用いられる種々のパラメータが格納される。また、このメモリ空間には、プログラムエリアPAとワークエリアWA以外にも、停電発生時に大当たり乱数カウンタC1等のパラメータを待避させるためのバックアップエリアBAが確保されている。
説明を図6に戻す。MPU110のNMI端子には、電源供給装置600が接続されている。電源供給装置600は、主制御装置100など、パチンコ遊技機10を構成する全ての電装品に対する電源供給を制御する装置であり、停電監視回路610と補助電源620とを備えている。停電監視回路610は、停電が発生したことを監視する回路であり、停電が発生した場合には、MPU110のNMI端子に対して、NMI割り込み信号と呼ばれる信号を出力する。MPU110は、この割り込み信号を受信すると、全ての処理を中断して、後述するバックアップ処理を実行する。このバックアップ処理は、上述した大当たり乱数カウンタC1や乱数初期値カウンタCINIなど、遊技の進行に用いられている種々のパラメータをRAM112内のバックアップエリアBAに待避するための処理である。停電時には、大容量コンデンサを備える補助電源620からMPU110のVBB端子に対して、RAM112にバックアップしたパラメータを保持するために必要な電源が供給される。
主制御装置100に備えられた3ステートバッファ120の入力端子A0〜A7には、初期化スイッチISWや、所定のチャタリング防止回路(図示せず)を介して、遊技盤30の各入賞口に設けられたパチンコ玉検出スイッチが接続されている。初期化スイッチISWの回路構成は、図1で説明した回路構成と同様のものであり、図1のインバータINVの出力端子が、図6の3ステートバッファの入力端子A0に接続される。パチンコ玉検出スイッチとしては、スルーゲート35へのパチンコ玉の入賞を検出するスルーゲートスイッチや、一般入賞口39へのパチンコ玉の入賞を検出する3種類の入賞口スイッチ、始動口36へのパチンコ玉の入賞を検出する始動口スイッチ、大入賞口38へ入賞したパチンコ玉の数を検出するためのテンカウントスイッチなどが含まれる。3ステートバッファ120の入力端子には、更に、発射制御装置500が接続されており、操作ハンドル18の操作に応じた発射信号が、この発射制御装置500から入力される。3ステートバッファのイネーブル端子Gは、MPUのチップセレクト端子CS3に接続されており、MPU110は、このチップセレクト端子CS3を用いて、3ステートバッファをイネーブル状態とすることにより、入力端子A0〜A7に入力された信号を、データバス170を介してMPU110の入出力ポートD0〜D7に入力することができる。
サブ制御用レジスタ140、払出制御用レジスタ150、ソレノイド制御用レジスタ160は、それぞれ、8つのDフリップフロップ回路をアレイ状に備える74HC273などのICによって構成されている。各レジスタのクロック端子CKには、MPU110のチップセレクト端子CS0〜CS2のいずれかが接続されており、MPU110は、かかるチップセレクト端子CS0〜CS2から1つの端子を選択することで、データ出力の対象となるレジスタを選択することができる。MPU110は、いずれかのレジスタにデータを出力する際には、データ出力後、その出力が継続中に、そのレジスタのクロック端子CKをハイレベルにすることで、データのセットを行う。この時、その他のレジスタのクロック端子CKはローレベルに保つことで、既にセットされた値が変化しないようにする。また、各レジスタにデータをセットする際には、3ステートバッファ120をディセーブル状態とすることで、パチンコ玉の検出信号等がレジスタに入力されないようにする。
サブ制御用レジスタ140には、所定のケーブルを介してサブ制御装置200が接続され、さらにこのサブ制御装置200を介して演出表示装置300が接続される。サブ制御装置200は、遊技盤30の周囲に配設される大当たりランプや賞球ランプなどを制御するためのランプ制御回路201と、音声の出力を制御するための音声出力回路202を備え、更に、MPU110から送信される制御コマンドを解析するためのマイクロコンピュータを備えている。一方、演出表示装置300は、液晶ディスプレイ32と、この液晶ディスプレイ32に対する表示制御を行う液晶制御回路301とを備えている。液晶制御回路301には、サブ制御装置200から受信する制御コマンドを解析するためのマイクロコンピュータや、液晶ディスプレイ32に表示する図柄を画像データとして記憶するビデオメモリなどが備えられている。
MPU110は、遊技状況に応じて、サブ制御装置200に対して、1バイトのヘッダ部と1バイトのデータ部からなる計2バイトの制御コマンドを出力する。サブ制御用レジスタ140には、このようなコマンドが所定の時間間隔で、1バイトずつセットされる。サブ制御装置200は、このコマンドを1バイトずつ入力し、計2バイトのコマンドを入力し終えると、かかるコマンドを解析し、そのコマンドに応じてランプの点灯制御や、音声の出力制御を行う。また、入力したコマンドが、特別図柄の表示に関するコマンドであれば、かかるコマンドを演出表示装置300に転送する。演出表示装置300は、こうして受信したコマンドを解析し、ビデオメモリから適宜画像データを読み出しては、指定された変動パターンで液晶ディスプレイ32に特別図柄の可変表示を行う。
払出制御用レジスタ150には、所定のケーブルを介して払出制御装置400が接続される。払出制御装置400は、このレジスタを介してMPU110から払出コマンドと呼ばれるコマンドを受信すると、そのコマンドによって指定された数の賞球を遊技者に払い出す。また、払出制御装置400には、プリペイドカードユニット450が接続されており、所定のコマンドに応じて、このプリペイドカードユニット450に対してパチンコ玉の貸し出しを要求したり、プリペイドカードの返却を行ったりすることができる。
ソレノイド制御用レジスタ160には、図示していない所定の増幅回路を介して種々のソレノイドが接続される。接続されるソレノイドとしては、パチンコ玉を遊技盤30に発射するための発射ソレノイドや、パチンコ玉を発射装置に送り出すための球送りソレノイド、電動チューリップ37を開閉するための始動口ソレノイド、大入賞口38を開閉するための大入賞口ソレノイドなどがある。MPU110は、遊技状況に応じて、制御対象とするソレノイドに対応したビットパターンをソレノイド制御用レジスタ160にセットすることで、これらのソレノイドを制御することができる。
D.MPUによって実行される処理:
次に、MPU110がROM113に記録された制御プログラムに基づき実行する遊技処理、バックアップ処理、起動処理について説明する。遊技処理とは、遊技を進行するために実行される処理であり、バックアップ処理とは、停電発生時に大当たり乱数カウンタC1等の値をRAM112のバックアップエリアBAに待避するための処理である。起動処理とは、電源が投入された際に実行される処理である。これらの処理が実行される順序としては、通常、(1)起動処理、(2)遊技処理、(3)バックアップ処理、の順であるが、ここでは、便宜的に、まず、遊技処理から説明する。
(D1)遊技処理:
図8は、遊技処理のフローチャートである。この遊技処理は、パチンコ遊技機10の遊技を進行するために4ミリ秒毎に実行される処理である。
まず、MPU110は、特別図柄の抽選に用いる大当たり乱数カウンタC1や普通図柄の抽選に用いる普通図柄乱数カウンタC2、大当たり乱数カウンタの初期値を決定するための乱数初期値カウンタCINIの更新処理を行う(ステップS100)。大当たり乱数カウンタは、0から676までの値を採るループカウンタであり、その初期値は、乱数初期値カウンタCINIが採る値によって変動する。また、普通図柄乱数カウンタは、0から250までの値を採るループカウンタである。乱数初期値カウンタは、大当たり乱数カウンタと同様に0から676までの値を採るループカウンタである。これらのカウンタは、本ステップS100が実行される度に1つずつインクリメントされる。なお、これらのカウンタの採り得る値は例示であり、他の値を採るものとしてもよい。これらのカウンタは、4ミリ秒毎に遊技処理が実行される度に更新されるため、経過時間に応じて規則的に値が更新されることになる。ただし、大当たり乱数カウンタC1については、乱数初期値カウンタCINIの値によって初期値が変動するため、最初に最大値に達するまでは規則的に値が更新されることになる。
次に、MPU110は、3ステートバッファ120を介して、操作ハンドル18からの発射信号や遊技盤30に設けられた種々のスイッチからのパチンコ玉の検出信号を入力する(ステップS110)。
次に、MPU110は、特別図柄抽選処理を実行する(ステップS120)。この特別図柄抽選処理では、MPU110は、上記ステップS110において、パチンコ玉が始動口36に入賞して始動口スイッチがオンになったことが検出された場合に、大当たり乱数カウンタC1の値に基づき特別図柄の抽選を行う。この抽選においてMPU110は、大当たり乱数カウンタC1の値が所定の値(例えば、337と673)となっている場合に大当たりであると判定し、それ以外の値の場合には、はずれであると判定する。上記ステップS110において、パチンコ玉の始動口36への入賞が検出されなかった場合には、抽選を行わず、次のステップS130へ処理を移行する。MPU110は、抽選の実行後、特別図柄を変動表示する期間の設定や、抽選結果に応じた変動パターンの選定、停止図柄の選定等を行う。抽選の結果が大当たりの場合には、変動表示期間の経過後、大入賞口38を開放する処理を行う。なお、本実施例では詳細な説明は省略するが、パチンコ玉が始動口36に連続して入賞することにより保留玉が発生する場合においても、大当たりか否かの判定は、特別図柄の変動表示が終了するか否かにかかわらず、各パチンコ玉が始動口36へ入賞したタイミングで実行する。
次に、MPU110は、普通図柄抽選処理を実行する(ステップS130)。この普通図柄抽選処理では、MPU110は、上記ステップS110において、パチンコ玉がスルーゲート35に入賞してスルーゲートスイッチがオンになったことが検出された場合に、普通図柄乱数カウンタC2の値に基づき普通図柄の抽選を行う。この抽選においてMPU110は、普通図柄乱数カウンタC2の値が所定の値(例えば、5から153までの値)となっている場合に当たりであると判定し、それ以外の値の場合には、はずれであると判定する。上記ステップS110において、パチンコ玉のスルーゲート35への入賞が検出されなかった場合には、抽選を行わず、次のステップS140へ処理を移行する。MPU110は、抽選の実行後、普通図柄表示装置40に対して所定期間、普通図柄の変動表示を行った後に抽選結果を表示する。その後、抽選結果が当たりの場合には、電動チューリップ37を所定時間開放する処理を行う。
次に、MPU110は、払出制御装置400やサブ制御装置200に対して種々のコマンドを送信するためのコマンド送信処理を実行する(ステップS140)。例えば、払出制御装置400に対しては、一般入賞口39や、大入賞口38へのパチンコ玉の入賞に応じて、賞球を払い出すための賞球払出コマンドが送信され、サブ制御装置200に対しては、ランプの出力を制御するためのコマンドや、特別図柄の表示に関するコマンドが送信される。特別図柄の表示に関するコマンドとしては、例えば、上記ステップS120で選定した特別図柄の変動パターンやその変動表示時間を指定するための変動パターンコマンド、停止図柄を指定するための停止図柄コマンドなどがある。サブ制御装置200は、特別図柄の表示に関するコマンドを受信した場合には、かかるコマンドを演出表示装置300にスルーして出力する。
以上で説明した一連の処理が終了すると、MPU110は、今回の遊技処理の実行開始から現在までに、4ミリ秒の時間が経過しているか否かを判定する(ステップS150)。4ミリ秒経過していない場合には(ステップS150:No)、乱数初期値カウンタCINIを更新する処理を4ミリ秒が経過するまで繰り返して実行する(ステップS160)。上述したステップS100からステップS140に至るまでの処理時間は、遊技状況に応じて変化するため、ステップS140の処理終了後、4ミリ秒に至るまでの残余時間は一定ではない。そのため、かかる残余時間を利用して乱数初期値カウンタCINIの更新を行えば、大当たり乱数カウンタC1の初期値をランダムにすることができ、大当たりのタイミングを不規則にすることができる。上記ステップS150において、4ミリ秒経過したと判定された場合には(ステップS150:Yes)、今回の遊技処理は終了し、再度、ステップS100に戻って次の遊技処理が実行されることになる。
(D2)バックアップ処理:
次に、上述した遊技処理中に停電が発生した際に実行されるバックアップ処理について説明する。
図9は、バックアップ処理のフローチャートである。MPU110は、電源供給装置600からNMI割り込み信号を受信すると、上述した遊技処理を中断し、大当たり乱数カウンタC1や乱数初期値カウンタCINI、普通図柄乱数カウンタC2、その他、MPU110が使用しているレジスタの値やスタックポインタといった種々のパラメータをRAM112のバックアップエリアBAに記録し、待避させる(ステップS200)。
次に、MPU110は、バックアップエリアBAに待避させたデータのチェックサム値を求め、この値もバックアップエリアBAに記録する(ステップS210)。最後に、MPU110は、RAM112へのアクセスを禁止して(ステップS220)、その後、電源が遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、本実施例では、RAM112のバックアップエリアBAにパラメータを待避するものとしたが、MPU110にEEPROMを内蔵させ、もしくはEEPROMを外付けすることにより、このEEPROMにパラメータをバックアップするものとしてもよい。EEPROMは電源供給なしにパラメータを不揮発的に記憶できるため、このような構成によれば、停電中の補助電源620による電源供給が不要となり、構成を簡略化することができる。
(D3)起動処理:
次に、パチンコ遊技機10の電源スイッチPSWが投入された際に実行される起動処理について説明する。
図10は、かかる起動処理のフローチャートである。まず、MPU110は、サブ制御装置200や払出制御装置400など、主制御装置100以外の装置が動作可能な状態になるのを待つため、1秒間待機する(ステップS300)。
次に、MPU110は、初期化スイッチISWがオン状態になっているかどうかを検出する(ステップS310)。例えば、操作者が、初期化スイッチISWを押しながら電源スイッチPSWを投入し、上記ステップS300による待機期間が経過すれば、初期化スイッチISWがオン状態であるものとして検出されることになる。初期化スイッチISWがオン状態であれば(ステップS310:Yes)、MPU110は、操作者に対して初期化スイッチISWがオン状態であることを知らせるとともに、初期化スイッチISWのオフ操作を要求するため、報知音を出力する(ステップS320)。なお、ここでは音を出力するものとしたが、発光ダイオードなどを点滅させることなどにより、光によって報知するものとしてもよい。もちろん、音と光の両者を用いて報知するものとしてもよい。
次に、MPU110は、初期化スイッチISWのオン状態を検出してから5秒以内に初期化スイッチISWがオフ状態に切り替えられたかどうかを判断する(ステップS330,S340)。5秒以内に初期化スイッチがオフ状態に切り替えられれば(ステップS330:Yes)、操作者から、大当たり乱数カウンタC1等の初期化を行う旨の操作があったと判断し、まず、報知音の出力を停止する(ステップS350)。そして、RAM112の全領域を初期化し(ステップS360)、サブ制御装置200など、他の制御装置に対して初期化を行わせるための初期化コマンドを出力する(ステップS370)。さらに、大当たり乱数カウンタC1や乱数初期値カウンタCINI、普通図柄乱数カウンタC2等のパラメータの初期化を行い(ステップS380)、最後に、MPU110は、電源供給装置600等からの割り込みを受け付けるための割り込み設定処理を実施し(ステップS390)、上述した遊技処理へ移行する。以上の処理により、大当たり乱数カウンタC1等のパラメータの初期化を行った上で、遊技処理を開始することができる。
一方、MPU110は、上記ステップS340において、5秒以内に初期化スイッチがオフ状態にならなかった場合には、操作者から初期化を行う旨の操作がなかったものと判断し、まず、報知音を停止した上で(ステップS400)、RAM112のバックアップエリアBAに待避されたデータを用いて遊技を再開させる処理を行う。上記ステップS310において、初期化スイッチISWがオンにされなかった場合も同様である。
この場合、まず、MPU110は、RAM112のバックアップエリアBAに待避されているデータを読み込む(ステップS410)。そして、このバックアップエリアBAからのデータの読み込みに成功したかどうかを判断する(ステップS420)。読み込みに成功した場合には、更に、読み込んだデータのチェックサム値を計算し、バックアップエリアBAに予め記録されていたチェックサム値と一致するかどうかを判断する(ステップS430)。
データの読み込みに失敗した場合(ステップS420:No)、もしくは、チェックサム値が一致しない場合(ステップS430:No)には、バックアップエリアBAに記憶されているデータを用いて遊技を再開させることができないため、処理を上記ステップS360に移し、RAM112や各パラメータの初期化を行った上で、遊技処理を開始する。
一方、バックアップエリアBAからのデータの読み込みに成功し(ステップS420:Yes)、かつ、チェックサム値が一致した場合には(ステップS430:Yes)、MPU110は、まず、サブ制御装置200などの他の制御装置を停電発生前の状態に戻すための復電処理を実施し(ステップS440)、大当たり乱数カウンタC1や乱数初期値カウンタCINI、普通図柄乱数カウンタC2等のパラメータの初期値をバックアップエリアBAから読み込んだ値に設定する(ステップS450)。そして、最後に、電源供給装置600等からの割り込みを受け付けるための割り込み設定処理を実施し(ステップS460)、上述した遊技処理を開始する。以上の処理により、RAM112のバックアップエリアBAに待避されたパラメータを用いて遊技処理を再開することができる。
以上で説明した本実施例のパチンコ遊技機10は、初期化スイッチISWのオン状態からオフ状態への切り替わりを検出した上で、大当たり乱数カウンタC1等のパラメータの初期化を行う。従って、かかるパチンコ遊技機10によれば、スイッチ部分の固着や異物の噛み込み等によって、初期化スイッチISWが常にオン状態になっているような場合には、パラメータの初期化が行われず、パラメータが予期せずに初期化されてしまうことを回避することができる。また、仮に、初期化スイッチの固着などが発生したとしても、バックアップされたパラメータを用いて遊技を再開させることができる。
また、従来のパチンコ遊技機では、例えば、ホール内の電源コンセントと電源供給装置600との間に、外部から電源のオンオフを故意に制御可能にする不正な回路を取り付けられる場合があった。また、始動口36へのパチンコ玉の入賞を検出するセンサと主制御装置100との間に、パチンコ玉の入賞信号を偽装して発生させる不正な回路を取り付けられる場合もあった。このような場合、テープを貼り付けるなどして初期化スイッチを押下状態に固定しつつ、故意に電源の再投入を行うことで、大当たり乱数カウンタC1や乱数初期値カウンタCINIの値を意図的に初期値にリセットすることができた。そうすると、大当たり乱数カウンタC1の値は、初期値(0)から大当たりの値(例えば、337と673)まで規則的にカウントアップすることになるため、大当たりタイミングを容易に予測することができた。従って、不正回路を用いてこの大当たりのタイミングを量り、主制御装置100に対して偽装した入賞信号を入力することで、パチンコ玉を始動口36に入賞させることなく大当たりを発生させる不正行為が行われる虞があった。
しかし、本実施例のパチンコ遊技機10では、大当たり乱数カウンタC1や乱数初期値カウンタCINI等の値を初期化するためには、初期化スイッチISWを必ずオン状態からオフ状態に切り替える必要があるため、テープを貼り付けるなどして、初期化スイッチISWを故意に押下状態に保ちつつ電源を再投入したとしても、大当たり乱数カウンタC1は初期化されない。従って、大当たりのタイミングを容易に予測することはできず、上述した不正な行為を行うことができないことになる。しかも、本実施例では、開封防止機構102を有する主制御ボックス101に初期化スイッチISWを取り付けるものとしたため、初期化スイッチISWのオン・オフ状態を強制的に切り替えるような不正な回路が初期化スイッチISWと主制御基板との間に取り付けられることを防止することができる。
また、本実施例では、バックアップ処理において、遊技の有利さを調整するために用いられる大当たり乱数カウンタC1や乱数初期値カウンタCINI、普通図柄乱数カウンタC2などをRAM112のバックアップエリアBAに待避するものとしたため、停電が発生しなければ享受するはずであった遊技者の利益の損失を抑制することができる。
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
例えば、図6に示した初期化スイッチISWを、図11に示すような回路によって構成することができる。図示する回路はいわゆる微分回路を応用したスイッチ回路である。この回路では、スイッチSWの一端は接地されており、他端が抵抗器R1およびコンデンサC1を介して、インバータINVに接続されている。また、コンデンサC1とインバータINV間の配線は抵抗器R2を介してプルアップされており、インバータINVの出力端子は、3ステートバッファの入力端子A0へ接続される。なお、図示する回路では、ノイズによる誤作動を防止するため、インバータINVとして、ヒステリシス特性を有するシュミットトリガタイプのインバータを用いるものとした。
このスイッチ回路では、スイッチSWが一旦押し下げられると、その押下状態が継続するか否かにかかわらず、パルス信号が1つだけ出力される。このようなスイッチ回路を用いれば、スイッチSWが押下状態のまま保たれたとしても必ずオン状態からオフ状態に信号が切り替わるため、初期化操作を確実に行うことが可能になる。なお、このスイッチ回路から出力されるパルス信号のオン状態となる期間tは、図10に示した起動処理のステップS300における待機期間との関係から、1秒未満であるものとする。こうすることにより、スイッチSWが押し下げられたまま電源スイッチPSWが投入されてもパラメータは初期化されず、ステップS300が経過したタイミングで、スイッチSWが押し下げられることではじめて初期化がされることになる。
また、かかるスイッチ回路を用いる場合には、図10に示した起動処理において、ステップS310を省略し、ステップS330では、スイッチ回路から出力された信号が、オン状態からオフ状態に切り替わったかどうかを判断するものとてもよい。このような処理を行うものとすれば、電源スイッチPSWが投入され、1秒間待機した後に(ステップS300)、まず、5秒間報知音が出力されることになる(ステップS320)。そして、この5秒間にうちに、スイッチSWの操作があれば(ステップS330:Yes)、パラメータの初期化を行ったうえで、遊技処理が開始される。一方、5秒間経過するまでスイッチSWの操作がなければ(ステップS340:No)、RAM112のバックアップエリアBAからパラメータを復帰させたうえで、遊技処理が再開されることになる。
その他、実施例では、初期化スイッチISWがオン状態からオフ状態に切り替えられたことを検出して初期化を行うか否かを判断するものとしたが、オフ状態からオン状態に切り替えられたことを検出して判断するものとしてもよい。また、初期化スイッチISWとしては、機械式のスイッチや光学式のスイッチ、静電式のスイッチ等を用いることができ、その他にも例えば、音声認識や指紋認証などのバイオメトリクス認証に基づき動作するスイッチを用いることができる。
また、実施例では、停電発生時に、大当たり乱数カウンタC1と、普通図柄乱数カウンタC2と、乱数初期値カウンタCINIとをバックアップするものとして説明したが、バックアップするパラメータは、これらに限られず、例えば、確率変動中であるか否かを示すパラメータや、特別図柄の変動表示期間を表すパラメータ、始動口36に入賞して保留されたパチンコ玉の数を表すパラメータなど、種々のパラメータをバックアップすることができる。
本発明の実施の形態としての遊技機の概略構成を示す説明図である。 本発明の一実施例としてのパチンコ遊技機10の斜視図である。 遊技盤30の詳細な構成を示す説明図である。 パチンコ遊技機10の背面構成を示す説明図である。 主制御装置100の斜視図である。 パチンコ遊技機10の電気的構成を示すブロック図である。 メモリ空間を模式的に示す説明図である。 遊技処理のフローチャートである。 バックアップ処理のフローチャートである。 起動処理のフローチャートである。 初期化スイッチの他の態様を示す回路図である。
符号の説明
1...遊技機
2...主制御装置
3...バックアップ記憶手段
10...パチンコ遊技機
11...外枠
12...本体枠
13...ガラス窓
14...前面扉
15...ベース部
16...下皿
17...スピーカ
18...操作ハンドル
30...遊技盤
31...ガイドレール
32...液晶ディスプレイ
34...風車
35...スルーゲート
36...始動口
37...電動チューリップ
38...大入賞口
39...一般入賞口
40...普通図柄表示装置
40a,40b...発光ダイオード
41...アウトロ
42...保留ランプ
100...主制御装置
101...主制御ボックス
102...開封防止機構
110...MPU
111...CPU
112...RAM
113...ROM
120...3ステートバッファ
140...サブ制御用レジスタ
150...払出制御用レジスタ
160...ソレノイド制御用レジスタ
170...データバス
200...サブ制御装置
201...ランプ制御回路
202...音声出力回路
300...演出表示装置
301...液晶制御回路
400...払出制御装置
450...プリペイドカードユニット
500...発射制御装置
600...電源供給装置
610...停電監視回路
620...補助電源
OSC...水晶発振器
ISW...初期化スイッチ
PSW...電源スイッチ

Claims (4)

  1. 遊技機であって、
    該遊技機に電源供給を行う電源供給手段と、
    前記電源供給手段による電源供給が停止されても、当該遊技機の遊技状態に関する所定のパラメータを記憶するバックアップ記憶手段と、
    期化スイッチと、
    前記電源供給手段による電源供給の開始後、所定の期間内に、前記初期化スイッチが押し下げられた状態から無操作状態に切り替えられたことを検出した場合に、前記パラメータを初期化する初期化手段と、
    前記パラメータに基づき所定の遊技処理を開始する遊技開始手段と
    を備える遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機であって、
    前記初期化手段は、前記初期化スイッチが押し下げられたことを報知する手段を備える
    遊技機。
  3. 請求項に記載の遊技機であって、
    前記初期化手段は、前記初期化スイッチが押し下げられた状態から無操作状態に切り替わるまでの期間、および、前記所定の期間のうち、いずれか一方の期間が終了した場合に、前記報知を終了する手段を備える
    遊技機。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の遊技機であって、
    更に、開封防止機構を有する主制御ボックスを備え、
    前記バックアップ記憶手段と前記初期化手段と前記遊技開始手段とは、前記主制御ボックス内に備えられており、
    前記初期化スイッチは、操作者の操作に供される部分以外の部分が前記主制御ボックス内に配設されるよう構成されている
    遊技機。
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