JP4630261B2 - 磁石装置および磁気共鳴撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は対向する一対の静磁場発生部により均一度の高い静磁場空間を形成する磁石装置、この磁石装置を用いた磁気共鳴撮像装置に関する。
磁気共鳴撮像装置(以下、MRI装置;Magnetic Resonance Imagingという)は、均一な静磁場空間に置かれた被検体(検査体)に高周波パルスを照射したときに生じる核磁気共鳴現象を利用して被検体の物理的、化学的性質を表す画像を得ることができ、特に、医療用として用いられている。
磁気共鳴撮像装置において、画質向上のための要件のひとつに、静磁場の均一度の向上が挙げられる。磁気共鳴撮像装置に用いられる磁石装置は、撮像領域の静磁場空間の均一度を向上させるために、設計、製造、組み立て及び据付の各段階において、磁場調整が行われている。
このうち、特に、組み立て、据付段階における磁場調整は、磁石装置に磁性材料や永久磁石を追加的に配置したり取り除いたりする磁場調整手段を利用して、製作誤差や周囲の環境などによって生じる磁場の不均一成分を調整している。
このような磁場調整手段による磁場の不均一成分を調整する技術として、配置する磁性材料の位置を微調整することが可能な構成とし精密な磁場調整を可能とする技術が公知となっている(例えば、特許文献1)。さらに、効き目の異なる複数の磁場調整手段を組み合わせて一箇所に配置することにより、精密な磁場調整を可能とする技術が公知になっている載されている(例えば、特許文献2)。また、磁場調整手段の取り付け部にザグリを設けることで、体積の異なる二つの磁場調整手段を、同一の取り付け部に設置できるようにして、大規模な磁場調整と小規模な磁場調整を可能にする技術が公知になっている(例えば、特許文献3)。
特開2001−78984号公報 特開2002−165773号公報 特許第3733441号公報
前記した磁場調整手段は、MRI装置の全体適正の観点から、一対の静磁場発生部の対向面(撮像領域側の面)に配置され、それに続いて傾斜磁場発生部やRF発振部等の他の構造物が積層して配置される構成であることが望ましい。
係る構成をとるとなると、前記した他の構造物を静磁場発生部に対して支持する支持部材と磁場調整手段とは、互いに干渉しあう関係をとる。
一方において、前記した傾斜磁場発生部は、MRI装置の動作時において振動ノイズの発生源となる場合があり、この傾斜磁場発生部を支持する支持部材と磁場調整手段とが干渉する部分(貫通孔)を広く設定したい要請がある。
しかし、磁場調整手段に大きな貫通孔を設けるとなると、前記した精密な磁場調整をする本来の機能が犠牲になる問題が生じる。
本発明は、前記した問題を解決することを課題とし、磁場調整手段の本来の機能を損なうことなく、他の構造物を支持する支持部材が磁場調整手段と干渉する部分を広く設定することが可能な磁石装置および磁気共鳴撮像装置を提供するものである。
前記課題を解決するために、本発明に係る磁石装置は、他の構造物を支持する支持部材が貫通する貫通孔は、少なくとも2以上が、磁場調整手段の中心軸からの距離rが相違する箇所に設けられ、複数の前記貫通孔は、前記中心軸からの距離rが大きくなるに従い開口する領域が広くなるように設定されていることを特徴とする。
若しくは、複数の前記貫通孔は、一辺の長さがLである正方形に内接する開口であって、この一辺の長さLは、前記調整子が係合する係合孔が内接する正方形の一辺の長さよりも値が大きく、かつ前記中心軸からの距離rとの関係において、L<0.15r+0.025(単位;m(メートル))で示される不等式を満たすことを特徴とする。
係る構成を発明が備えることにより、貫通孔が設けられる箇所に本来配置される調整子が担うべき磁場調整機能は、貫通孔の周縁に位置する係合孔に係合される調整子により代替させることが可能になる。
本発明によれば、磁場調整手段の本来の機能を損なうことなく、他の構造物を支持する支持部材が磁場調整手段と干渉する部分を広く設定することが可能な磁石装置および磁気共鳴撮像装置を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態に係る磁気共鳴撮像装置(MRI装置)を説明する。
図1に全体の側面図が示されているように、MRI装置10は、垂直方向を向く中心軸Zが回転対称軸となるように第1静磁場発生部30及び第2静磁場発生部40を対向させて支柱12に固定してなる超電導磁石装置11(図2参照)に、撮像領域R(静磁場空間)を挟むようにして配置される傾斜磁場発生部13,13と、RF発振部14,14と、被検体Pを載置して撮像領域Rに位置させるベッド台Dと、を備えている。
この超電導磁石装置11(図2参照)は、撮像領域Rに、磁場強度が高く磁場密度の均一度の高い静磁場空間Rを中心軸Zと同じ方向性をもって形成するものである。
さらに、MRI装置10は、図示されない構成要素として、撮像領域Rからの応答信号を受信する受信コイルと、これら構成要素を制御する制御装置、受信した信号を処理して解析を行う解析装置とを備えている。
このように構成されることによりMRI装置10は、撮像領域Rの関心領域(通常1mm厚のスライス面)だけにNMR現象を発現させて、水素原子核スピンから放出される電磁波に基づいて被検体Pの断層を画像化するものである。
傾斜磁場発生部13,13は、第1静磁場発生部30及び第2静磁場発生部40(以下、静磁場発生部30,40のように記載する)が対向する面にそれぞれ設けられた一対の窪みU(図2参照;片側のみ記載)に配置されている。そして、傾斜磁場発生部13,13は、撮像領域Rにおいて、超電導磁石装置11により形成された撮像領域Rに傾斜磁場を印加し、NMR現象の位置情報を与えるものである。
この傾斜磁場発生部13,13は、MRI装置10の動作時に撮像領域RのX,Y,Zの異なる三方向に対し、それぞれ順番に切り替えながら、傾斜磁場を印加するものである。よって、この切り替えに相当する周波数のパルス電流と静磁場発生部30,40が発する磁場との相互作用による励振力が傾斜磁場発生部13,13に付加される場合がある。
この場合、傾斜磁場発生部13,13は、MRI装置10にとって、振動ノイズの発生源になる場合がある。よって、発生した励振力が、振動ノイズを誘起してMRI装置10に伝達されないように、後記する第1支持部材21により、傾斜磁場発生部13,13は、静磁場発生部30,40に支持されている。
RF発振部14,14(RF;Radio Frequency)は、撮像領域Rに向けてNMR現象を発現せる共鳴周波数の電磁波を照射するものである。このRF発振部14,14は、後記する第2支持部材22により、静磁場発生部30,40に支持されている。
第1静磁場発生部30は、図2にその部分断面図が示されるように、真空容器37の内側にメインコイル31、シールドコイル32、冷媒容器35及び輻射板36が収容され、この真空容器37の外側に磁場調整手段20、第1支持部材21及び第2支持部材22が設けられる構成となっている。
第2静磁場発生部40は、その内部構造の記載が省略されているが、第1静磁場発生部30に対して中心軸Zを共有しかつ撮像領域Rを挟んで鏡面対称となるように構成されている。
一対の第1静磁場発生部30と第2静磁場発生部40とは、支柱12により天地方向に対向して支持されている。この支柱12の内部は、図2の断面部に示されるように、冷媒容器35が、第1静磁場発生部30と第2静磁場発生部40とを連通するように構成されている。また真空容器37も同様に、支柱12の内部において、第1静磁場発生部30と第2静磁場発生部40とを連通している。
メインコイル31は、永久電流が所定の方向(順方向)に循環して撮像領域Rに計測用の静磁場を生成させる超電導コイルであって、中心軸Zを中心として配置されるコイルボビンの周りに超電導線材が巻回して形成される。
ここで、超電導コイルとは、冷媒容器35に充填されている冷媒L(例えば、液体ヘリウム)により臨界温度より低温に冷却されると常電導状態から超電導状態に転移して電気抵抗がゼロとなるものであって、環状の電流が減衰することなく永久に循環するものである。
シールドコイル32は、メインコイル31と中心軸Zを共有するようにかつ直径が大きくなるようにコイルボビンに巻回されている。そして、シールドコイル32には、メインコイル31に流れる順方向とは逆方向に環状の永久電流が流れている。
さらにシールドコイル32は、撮像領域Rからの距離rがメインコイル31よりも遠い位置に配置され、超電導磁石装置11の外部に漏洩する計測用の磁場を打ち消すように作用するものである。
真空容器37は、真空状態に保たれている内部において図示しない部材を介して冷媒容器35を保持するものであって、伝導および対流による冷媒容器35への熱侵入を防止するものである。
冷媒容器35は、メインコイル31及びシールドコイル32を超電導現象が発現する臨界温度以下の温度に保つ冷媒L(液体ヘリウム)を収容するものである。
輻射板36は、真空容器37と冷媒容器35との間に設けられ、真空容器37から冷媒容器35に向かう熱輻射を遮蔽するものである。
このように、冷媒容器35、輻射板36、真空容器37が層構造に配置されて断熱効果を発揮することにより、大気に晒され常温を示す超電導磁石装置11の外表面から冷媒Lに浸漬して極低温に維持される超電導コイル31,32に至るまでの温度勾配が定常的に維持されることになる。
磁場調整手段20は、図3(a)に示されるような円盤形状であって、静磁場発生部30,40の窪みUの平坦面に、図示しない固定部材により固定されている。
磁場調整手段20の平坦面には、ネジ状の磁性材料からなる調整子28(図4参照)が着脱自在に係合する係合孔25が無数に設けられている。なお係合孔25は、磁場調整手段20の平坦面に規則的に配列しているが、その規則性については図示されるものに限定されるものではない。
このように構成される磁場調整手段20は、中心軸Zと直交する面内に調整子28(図4参照)の複数を任意に分布させ静磁場空間R(図2参照)の均一度を向上させるものである。つまり、図2に示されるメインコイル31、シールドコイル32は、静磁場空間Rの磁場が均一になるように配置されているが、静磁場空間Rには、組み立て誤差や設置環境の影響により、誤差磁場が発生するものである。そこで、磁場調整手段20の任意位置の係合孔25に調整子28を分布させこの誤差磁場成分を矯正(調整)するわけである。
磁場調整手段20には、後記する第1支持部材21及び第2支持部材22をそれぞれ通すための第1貫通孔23及び第2貫通孔24が設けられている。
第1貫通孔23は、磁場調整手段20の中心軸からの距離rがr1の箇所に、一辺の長さLがL1である正方形をしている。
第2貫通孔24は、磁場調整手段20の中心軸からの距離rがr2(r2<r1の関係を有する)の箇所に、一辺の長さLがL2(L2<L1の関係を有する)である正方形をしている。
このように、支持部材21,22が貫通する貫通孔23,24は、少なくとも2以上(図では2つ)が、磁場調整手段20の中心軸からの距離rが相違する箇所に設けられている。そして、中心軸からの距離rが相違する箇所に設けられている貫通孔23,24は、図示するように係合孔25よりも大きく、かつ、中心軸からの距離rが大きくなるに従い一辺の長さLが大きくなる正方形となっている。
つまり、貫通孔23,24は、中心軸Zからの距離rが大きくなるに従いその開口する領域が広くなるように設定されている。
なお、後記するように貫通孔23,24の形状は、正方形に限定されるものではなく、中心軸からの距離rと開口する領域が内接する正方形の一辺の長さLとの間には所定の関係を満たしていることが望ましい。
第1支持部材21は、図3(b)においてX1−X1断面図が示されるように、静磁場発生部30,40の中心軸からの距離rがr1の位置に立設し、磁場調整手段20を第1貫通孔23において貫通し、傾斜磁場発生部13を磁場調整手段20に積層させて支持するものである。
ところで、第1支持部材21の傾斜磁場発生部13を支持する支持端とは反対の反対端は、弾性体26を配した台座27を介して静磁場発生部30,40に柔に接続している。
このような態様で第1支持部材21が立設されることにより、前記したような傾斜磁場発生部13において発生した励振力が、振動ノイズを誘起してMRI装置10(図1参照)に伝達することを抑制する。
この弾性体26は、傾斜磁場発生部13の全重量を支えることになるので、容積が大きくなることが避けられず、広い面積で磁場調整手段20と干渉することになる。しかし、この弾性体26は、中心軸からの距離rが離れて位置して広く開口することが許容される第1貫通孔23から突出するように設置することが可能であるので問題はない。
第2支持部材22は、図3(c)においてX2−X2断面図が示されるように、静磁場発生部30,40の中心軸からの距離rがr2の位置に立設し、磁場調整手段20を第2貫通孔24において貫通し、さらに傾斜磁場発生部13を貫通し、RF発振部14を積層して支持するものである。
ところで、第2支持部材22のRF発振部14を支持する支持端とは反対の反対端は、静磁場発生部30,40に剛に接続している。この第2支持部材22は、RF発振部14の全重量を支えることになるが、このRF発振部14は振動することもないので、磁場調整手段20と干渉する面積は狭くてすむことになる。このため、この第2支持部材22は、中心軸からの距離rが近く位置して広く開口することが許容されない第2貫通孔24を貫通させることが可能である。
なお、前記した支持部材は、中心軸からの距離rが相違する2種類の第1支持部材21及び第2支持部材22からなることを例示しているが、これが3種類以上である場合もある。また、第1支持部材21は傾斜磁場発生部13を支持することとして、第2支持部材22はRF発振部14を支持することとして例示されているが、これに限定されることなく他の構造物を支持する場合もあるし、第1支持部材21と第2支持部材22とで一の構造物を支持する場合もある。また、第1支持部材21及び第2支持部材22の静磁場発生部30,40に対する接続は、剛であるか柔であるかの限定はなく、実施形態に示される以外に、両方とも柔に接続されている場合もあるし、第2支持部材22の方のみ柔に接続される場合もある。
なお、第1支持部材21及び第2支持部材22が立設する中心からの距離r1、r2は、主として傾斜磁場発生部13の形状上の要請から定まる。
次に図4を参照して、第1貫通孔23の中心軸Zからの距離r1と一辺の長さL1、および、第2貫通孔24の中心軸Zからの距離r2と一辺の長さL2の関係について説明する。ここで図4(a)は、磁場調整手段20の第1貫通孔23を通るX1−X1方向(図3(a)参照)の断面の拡大図であり、図4(b)は第2貫通孔24を通るX2−X2方向の断面の拡大図である。
磁場調整手段20により静磁場空間Rの均一度を向上させる磁場調整作業とは、磁性材料からなる調整子28を、係合孔25に係合させる作業である。所望の均一磁場を得るために、係合孔25を、どの位置の係合孔25に、どの程度の体積分布をもたせて配置するかについては、たとえば、線形計画法などの数理計画法や、その他の最適化手法を実装したソフトウェアによって算出される。
例えば、磁場調整手段20の中心軸Zから距離r1の箇所に体積Vの調整子28を配置することが最適であるとする。しかし、図4(a)に示されるX1方向において中心軸Zから距離r1の箇所には第1貫通孔23が存在しているので、調整子28を配置させることはできない。そこで、第1貫通孔23の周縁に位置し、この距離r1の箇所から±0.5×L1以上離れている他の係合孔25に、調整子28を少量ずつ分配して配置する。
同様に、磁場調整手段20の中心軸Zから距離r2の箇所に体積Vの調整子28を配置することが最適であるとする。しかし、図4(b)に示されるX2方向において中心軸Zから距離r2の箇所には第2貫通孔24が存在しているので、調整子28を配置させることはできない。そこで、第2貫通孔24の周縁に位置し、この距離r2の箇所から±0.5×L2以上離れている他の係合孔25に、調整子28を少量ずつ分配して配置する。
次に、図5(a)を参照して(適宜図4参照)、貫通孔23,24の位置する中心軸Zから距離rを固定して、貫通孔23,24の一辺の長さLをパラメータとして可変した場合、前記したように分配して位置された調整子28が撮像領域Rの周回方向の軌跡θにおける磁場の調整量Hをシミュレーションした結果を示す。
具体的には、図4において、中心軸Zから距離rがr2の箇所において、○印のプロットは一辺の長さLが0の場合(すなわちその箇所に係合孔25が存在している場合)の結果を示し、△印のプロットは一辺の長さLがL2の場合(すなわちその箇所に貫通孔24が存在している場合)の結果を示し、□印のプロットは一辺の長さLがL1(L1>L2)の場合(すなわちその箇所に貫通孔23が存在している場合)の結果を示している。
図5(a)の結果より、中心軸Zから距離rに係合孔25が存在していなくても、その箇所に配置されている貫通孔の周縁に調整子28を分配して配置することで、同様の静磁場の調整効果が得られることがわかる。さらにこの調整効果は、貫通孔の一辺の長さLが短ければ短いほど誤差ΔHが少なくなることがわかる(ΔH1>ΔH2)。
図5(b)は、図5(a)において示されるΔH2を静磁場の調整効果を妨げない許容誤差量と認定した場合、この許容誤差量を与える貫通孔の一辺の長さL(許容上限Lmax)を、中心軸Zからの距離rをパラメータとして探索した結果である。
図5(b)の結果より、横軸に距離rをとり、縦軸に許容上限Lmaxをとってプロットしたところ、両者の間には良好な線形性が見出された。
すなわち、中心軸Zからの距離rの箇所に位置する貫通孔は、その一辺の長さLが、その箇所に対応する許容上限Lmaxより小さければ、その周縁に調整子28を少量ずつ分配して配置することで、静磁場の調整効果を妨げることにならない。
以上の結果より、中心軸Zからの距離rが相違する箇所に設けられている2以上の貫通孔23,24は、この距離rが大きくなるに従いその一辺の長さLが大きくなるように、すなわち開口する領域が広くなるように設定することが可能であるといえる。
なお、本説明において、距離rが相違する箇所に設けられている貫通孔は2箇所となっているが、本発明が適用される範囲はこれに限定されるものではなく、3箇所以上に設けられている場合も含まれる。
また、そのように距離rが相違する箇所に貫通孔が3箇所以上設けられている場合において、複数の貫通孔の一辺の長さLは、中心軸Zからの距離rに対してそれぞれ線形性を有することが好ましい。これにより、個々の貫通孔は、その箇所における磁場の調整量Hの誤差ΔHを一定に保ちつつ、その開口領域を極力広くとることが許される。
さらに具体的な検討結果について記載する。
磁場調整手段20が撮像領域Rの中心から鉛直方向に0.35〜0.40mの位置に配置され、許容されうる許容誤差量ΔHを10%と設定した場合を想定する。
この場合、貫通孔23,24の一辺の長さL(L1,L2)は、中心軸Zからの距離r(r1、r2)との関係において、次式(1)の関係を満たすことが好ましいことを発明者等はみいだした。
なお、本実施形態では、r1>r2である場合に、L1>L2であるように図示されているが、数式(1)を満たしていれば、L1=L2あるいはL1<L2であってもよい。
L<0.15r+0.025(単位;m(メートル)) (1)
(第2実施形態)
次に、図6(a)を参照して本発明に適用される磁場調整手段20´、図6(b)を参照して本発明に適用される支持部材21´の第2実施形態について説明を行う。
図6に示される構成で、すでに説明がなされている構成に関しては、同一の符号を付して、すでに記載されている説明を援用することとして、省略する。
第2実施形態に係る磁場調整手段20´は、図6(a)に示されるように、貫通孔23´,24´の開口の形状が円形である。
貫通孔23´,24´の開口の形状については、図5を参照した検討結果からも特に制限を設ける理由はなく、任意である。
そして、貫通孔23´,24´の開口する領域の広さが受ける制限は、この開口する領域に内接する正方形(図中破線で示される)を仮想し、その一辺の長さLが受ける制限をあてはめて、間接的に規定することとする。なおここで、正方形に内接する開口の形状とは、その正方形そのものの形状も含む意味である。また一辺の長さLが受ける制限とは、第1実施形態において説明した複数の貫通孔23,24の正方形の一辺の長さLが取り得る関係を意味する。
第2実施形態に係る第1支持部材21´は、図6(b)に示されるように、傾斜磁場発生部13を支持する支持端とは反対の反対端は、静磁場発生部30,40に直接的に剛に接続している。さらに第1支持部材21´は、振動源になり得る傾斜磁場発生部13の全重量を支えることになるので、それ自身のたわみ方向の剛性が高くなるように、第2支持部材22(図6(c)参照)よりも太く構成されている。
このように、第1支持部材21´が太く構成されるとなると、広い面積で磁場調整手段20と干渉することになる。しかし、この第1支持部材21´は、中心軸からの距離rが離れて位置して広く開口することが許容される第1貫通孔23´から突出するように設置することが可能であるので問題はない。
以上より、磁場調整手段20,20´を貫通して他の構造物を柔または剛に支持する複数の支持部材21,22,21´,22´は、支持構造の設計上の要請から、貫通孔23,24,23´,24´の開口する領域を広く設定せざるをえない。
そのように開口する領域を広く設定した場合、精密な磁場調整をするといった磁場調整手段20,20´の本来の機能が犠牲になることが懸念される。しかし、貫通孔23,24,23´,24´の開口する領域が本発明において規定される特徴を備えるとともに、その周縁に調整子28を少量ずつ分配して配置することにより、磁場調整手段20,20´の磁場調整機能が損なわれることはない。
以上の説明において、磁石装置は、磁場の発生源として超電導コイルを用いた超電導電磁石装置であることを前提としているが、磁場の発生源として永久磁石を用いた永久磁石装置にも適用することができる。またそのような永久磁石装置を静磁場の発生部として適用する磁気共鳴撮像装置にも本発明を適用することができる。
本発明の磁気共鳴撮像装置の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の超電導磁石装置の第1実施形態を示す部分断面図である。 (a)は第1実施形態に係る超電導磁石装置に適用される磁場調整手段の平面図であり、(b)は超電導磁石装置において磁場調整手段及び第1支持部材を含む部分の断面図であり、(c)は磁場調整手段及び第2支持部材を含む部分の断面図である。 (a)は第1実施形態に係る超電導磁石装置に適用される磁場調整手段のX1−X1断面の拡大図であり、(b)はX2−X2断面の拡大図である。 (a)は所定位置の係合孔に係合された調整子がなす磁場の調整量ΔHを撮像領域Rの周回方向の軌跡θに対して○印でしたプロットに対し、この所定位置の周縁に分配して配置された調整子がなす磁場の調整量ΔHを同様に△印及び□印でしたプロットを重ね書きしたグラフであり、(b)は静磁場の調整効果を妨げない許容誤差量を与える貫通孔の一辺の長さLの許容上限Lmaxを、中心軸Zから距離rに対してプロットしたグラフである。 (a)は第2実施形態に係る超電導磁石装置に適用される磁場調整手段の平面図であり、(b)は超電導磁石装置において磁場調整手段及び第1支持部材を含む部分の断面図であり、(c)は磁場調整手段及び第2支持部材を含む部分の断面図である。
符号の説明
10 MRI装置(磁気共鳴撮像装置)
11 超電導磁石装置
13 傾斜磁場発生部
14 RF発振部
20,20´ 磁場調整手段
21,21´ 第1支持部材(支持部材)
22,22´ 第2支持部材(支持部材)
23,23´ 第1貫通孔(貫通孔)
24,24´ 第2貫通孔(貫通孔)
25 係合孔
28 調整子
30 第1静磁場発生部(静磁場発生部)
31 メインコイル(超電導コイル)
32 シールドコイル(超電導コイル)
40 第2静磁場発生部
L 冷媒
P 被検体
R 撮像領域(静磁場空間)
Z 中心軸
r,r1,r2 中心軸からの距離

Claims (7)

  1. 中心軸を共有するように対向して配置されこの中心軸と方向が一致する静磁場空間を生成する一対の静磁場発生部と、
    前記中心軸と直交する面内に磁性材料からなる調整子の複数を任意に分布させ前記静磁場空間の均一度を向上させる磁場調整手段と、
    前記磁場調整手段を貫通するとともに前記静磁場発生部に対して他の構造物を支持する複数の支持部材と、を備える磁石装置であって、
    前記支持部材が貫通する複数の貫通孔は、少なくとも2以上が、前記磁場調整手段の前記中心軸からの距離rが相違する箇所に設けられ、
    複数の前記貫通孔は、前記中心軸からの距離rが大きくなるに従い開口する領域が広くなるように設定されていることを特徴とする磁石装置。
  2. 複数の前記支持部材のうち前記中心軸からの距離rがr1の位置に立設する第1支持部材と、
    複数の前記支持部材のうち前記中心軸からの距離rがr2(r2<r1)の位置に立設する第2支持部材と、
    複数の前記貫通孔のうち前記第1支持部材が貫通し一辺の長さLがL1である正方形に内接する開口を有する第1貫通孔と、
    複数の前記貫通孔のうち前記第2支持部材が貫通し一辺の長さLがL2(L2<L1)である正方形に内接する開口を有する第2貫通孔と、を有することを特徴とする請求項1に記載の磁石装置。
  3. 中心軸を共有するように対向して配置されこの中心軸と方向が一致する静磁場空間を生成する一対の静磁場発生部と、
    前記中心軸と直交する面内に磁性材料からなる調整子の複数を任意に分布させ前記静磁場空間の均一度を向上させる磁場調整手段と、
    前記磁場調整手段を貫通するとともに前記静磁場発生部に対して他の構造物を支持する複数の支持部材と、を備える磁石装置であって、
    前記支持部材が貫通する複数の貫通孔は、少なくとも2以上が、前記磁場調整手段の前記中心軸からの距離rが相違する箇所に設けられ、
    複数の前記貫通孔は、一辺の長さがLである正方形に内接する開口であって、この一辺の長さLは、前記調整子が係合する係合孔が内接する正方形の一辺の長さよりも値が大きく、かつ前記中心軸からの距離rとの関係において、L<0.15r+0.025(単位;m(メートル))で示される不等式を満たすことを特徴とする磁石装置。
  4. 前記中心軸からの距離rが相違する箇所に設けられている複数の前記貫通孔の前記一辺の長さLは、前記中心軸からの距離rに対してそれぞれ線形性を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の磁石装置。
  5. 前記調整子はネジ状に着脱自在に係合孔へ係合することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の磁石装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の磁石装置を適用し、前記静磁場空間を撮像領域として磁気共鳴現象を利用した被検体の画像を撮像することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  7. 請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の磁石装置を適用し、
    前記第1支持部材には前記構造物として前記静磁場空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生部が支持され、
    前記第2支持部材には前記構造物として前記静磁場空間にRF波を発振するRF発振部が支持され、
    前記静磁場空間を撮像領域として磁気共鳴現象を利用した被検体の画像を撮像することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
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