JP4629835B2 - アッベ数測定装置及びアッベ数測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡レンズのアッベ数を、その屈折度数に起因する測定精度の低下を極力回避しつつ測定することのできるアッベ数測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、眼鏡レンズのアッベ数の測定は、その眼鏡レンズに使用する材料と同じ材料を用いて頂角σが既知の試験プリズム1Aを図1に示すように作成し、この試験プリズム1AにF線、d線、C線(又はF’線、e線、C’線)の各波長の測定光線を入射させ、各最小ふれ角μを測定して、下記(1)式によりその材料の各波長についての屈折率nを求め、この各屈折率nに基づき、下記(2)式に基づきアッベ数νを求めている。
n=(sin(μ+σ)/2)/(sin(σ/2)) …(1)
νe=(ne−1)/(nF'−nC') …(2)
その(2)式において、neはe線についての屈折率、nF'はF’線についての屈折率、nC'はC’線についての屈折率、νeはe線についてのアッベ数である。
【0003】
アッベ数νは、測定光線にF線、d線、C線を用いたときは、下記の(2)’式を用いても求められる。
ν=(nd−1)/(nF−nC) …(2)’
ndはd線についての屈折率、nFはF線についての屈折率、nCはC線についての屈折率である。
【0004】
この従来のアッベ数測定方法では、眼鏡レンズのアッベ数を求めるために、試験プリズム1Aを試作する必要があり、アッベ数の測定に手間がかかるという問題がある。
【0005】
そこで、レンズメータに異なる波長の測定光線を発生する測定光源を設け、これらの波長の測定光線を用いて被検レンズとしての眼鏡レンズの度数を測定し、測定光線の波長毎の被検レンズの屈折度数の差からアッベ数を求めるものも提案されている。
【0006】
図2は眼鏡レンズのアッベ数の測定に用いるレンズメータの光学図である。
【0007】
その図2において、1は光源部、2はコリメートレンズ、3は複数個の開口3aを有するパターン板、4はエリアセンサである。光源部1はF’線波長の測定光線を発生する光源1a、e線波長の測定光線を発生する光源1b、C’線波長の測定光線を発生する光源1c、光路合成ミラーとしてのダイクロイックミラー5、6を有する。
【0008】
各波長(F’線、e線、C’線)の測定光線PF'、Pe、PC'はコリメートレンズ2により平行光束とされ、被検レンズTLに導かれ、被検レンズTLを透過することにより屈折され、パターン板3の開口3aを通過して、エリアセンサ4に受像される。
【0009】
被検レンズTLが測定光路中にないときには、エリアセンサ4の受像面上の所定位置に開口3aの像が形成され、被検レンズTLが測定光路中に挿入されると、その受像面上での開口3aの像の形成位置がその被検レンズTLの屈折度数に基づき変化するので、この受像面上での開口3aの像の形成位置を検出することにより、被検レンズTLの各測定光線の波長毎の屈折度数を求め、この屈折度数から被検レンズTLのアッベ数を求めている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このレンズメータを用いてアッベ数を測定する方法では、アッベ数の測定感度が被検レンズの屈折度数に依存し、屈折度数(強度)が大きな被検レンズの場合には、満足のゆく測定精度でアッベ数を測定することができるが、屈折度数の小さい被検レンズの場合には、満足のゆく測定精度でアッベ数を測定できず、どちらかといえば、測定の際に頻出回数の少ない強度の被検レンズのアッベ数の測定精度が良好で、測定の際の頻出回数の多い弱度の被検レンズのアッベ数の測定精度が良好とはいえず、眼鏡レンズのアッベ数を、その屈折度数に起因する測定精度の低下を極力回避しつつ測定することのできるアッベ数測定装置の開発が望まれている。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、眼鏡レンズのアッベ数を、その屈折度数に起因する測定精度の低下を極力回避しつつ測定することのできるアッベ数測定装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のアッベ数測定装置は、被検レンズのアッベ数を測定するために測定光源部から発生された波長の異なる測定光線に対し、前記被検レンズの光軸を偏心させて支持した前記被検レンズの入射面に対して前記測定光線が略垂直に入射するように前記被検レンズの測定光路中に設けられて前記被検レンズをサポートするレンズサポート部材と、前記レンズサポート部材を境に前記測定光源部とは反対側の位置に設けられて前記被検レンズを通過して屈折された測定光線を検出する検出センサと、前記検出センサの検出出力に基づき前記アッベ数を演算する演算装置と、前記レンズサポート部材と前記測定光源部との間に設けられて前記測定光線を前記レンズサポート部材に向けて透過させるためのスリット開口を有するスリット板と、前記被検レンズが前記測定光路に挿入されていない状態で前記スリット板と前記検出センサとの共役関係を保持させる結像レンズと、を備え、前記検出センサは一次元ラインセンサであることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載のアッベ数測定装置は、前記結像レンズが前記被検レンズの度数に応じて交換可能に複数個準備されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載のアッベ数測定装置は、前記結像レンズが前記被検レンズの度数に応じて交換可能に複数個準備されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載のアッベ数測定装置は、前記測定光源部と前記スリット板との間に前記測定光源部の各測定光源と前記ピンホール板との共役関係を保持させるレンズが設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載のアッベ数測定装置は、前記スリット開口は、前記一次元ラインセンサを横切る方向に延びるスリットと、このスリットを挟んで測定光軸を原点として点対称に形成された一対のスリットとを備えていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図3は本発明に係わるアッベ数測定装置の光学図である。その図3において、10は光源部、11はレンズ、12は結像レンズ、13はラインセンサである。レンズ11の直後にはスリット板14が設置されている。このスリット板14には図4に示すようにスリット14a、14b、14cが形成されている。
【0020】
そのスリット14aは測定光軸Oを横切る方向に延びており、このスリット14aを挟んでその両側にスリット14b、14cが測定光軸Oを原点として点対称に形成されている。
【0021】
光源部10は測定光源15〜17、光路合成ミラーとしてのダイクロイックミラー18、19から構成され、光源15はF’線波長(479.99nm)の測定光線PF'を発生し、測定光源16はe線波長(546.97nm)の測定光線Peを発生し、測定光源17はC’線波長(643.85nm)の測定光線Pc'を発生する。ダイクロイックミラー18は、F’線波長の測定光線PF'を透過しかつe線波長の測定光線Peを反射し、ダイクロイックミラー19は、F’線波長、e線波長の測定光線PF'、Peを透過しかつC’線波長の測定光線Pc'を反射する。各光源15〜17はレンズ11から光学的に等距離の位置に設けられている。
【0022】
結像レンズ12の直後にはピンホール板20が設けられ、各光源15〜17とピンホール板20とはレンズ11に関して共役であり、各光源15〜17の測定光線PF'、Pe、PC'は、スリット板14の各スリット14a〜14cを透過してピンホール板20のピンホール20aに光源像を形成する。
【0023】
スリット板14とラインセンサ13とは結像レンズ12に関して共役位置に設けられ、被検レンズTLが測定光路SOにセットされていないときには、そのスリット板14の投影像がラインセンサ13を含む面Q内の所定位置に投影される。
【0024】
ピンホール板20の背後にはレンズサポート部材21が設けられている。このレンズサポート部材21は被検レンズTLの凸面側の表面を受ける。このレンズサポート部材21は円環状に形成され、被検レンズTLはこのレンズサポート部材21に均一に押しつけられることにより、被検レンズTLの凸面側の表面を測定光軸Oに対して略垂直に保持させることができる。なお、図示を略すレンズ押さえを用いて被検レンズTLの裏面側から一定荷重で均一にその被検レンズTLを押しつける構成とすることもできる。
【0025】
被検レンズTLを測定光路SOに挿入すると、スリット板14とラインセンサ13を含む面Qとの共役関係がずれるが、ピンホール板20のピンホール20aの径を小さくすることにより、焦点深度を深くすることができるので、ラインセンサ13を含む面Q内でスリット板14の投影像がぼけることを防止できる。
【0026】
なお、ピンホール20aの径を小さくしすぎると、ピンホール20aを通過する測定光線の光量が少なくなり、像照度が低下し、かえってスリット像のボケが発生し、S/N比が劣化するので、焦点深度をピンホール20aを用いて深くする代わりに、被検レンズTLの度数範囲を複数段階に区分し、被検レンズTLの度数に応じて複数個の結像レンズ12を準備し、この結像レンズ12を取り替え使用するかあるいはズームによって可変とすることによって、スリット像のラインセンサ13上でのボケを回避する構成とすることもできる。
【0027】
挿入する被検レンズTLの度数によって、ラインセンサ13上の大きさが変化するため、後述するピーク間隔L1とピーク間隔L2との和を見れば被検レンズTLの概略の度数を求めることができる。
【0028】
また、得られた度数から自動的に結像レンズ12を適正なものに切り替える機構を有していても良い。
【0029】
ラインセンサ13上の大きさは結像レンズ12の焦点距離によっても異なるため、いずれの結像レンズ12が光路中にあるかを知る機構が設けられている。
【0030】
被検レンズTLの光軸O1を測定光軸Oに対して偏心させてその被検レンズTLの凸面側を測定光軸Oに対してほぼ垂直にして測定光路SOにセットして、ピンホール20aを介して細い各測定光線PF'、Pe、PC'を被検レンズTLの凸面側の入射面TLaに入射させると、各測定光線が屈折されて、出射面TLbから出射されて、ラインセンサ13に導かれる。
【0031】
その図3において、符号PRF'はF’線の測定光線PF'を入射面TLaに入射させたときに出射面TLbから出射される屈折光線を示し、符号PReはe線の測定光線Peを入射面TLaに入射させたときに出射面TLbから出射される屈折光線を示し、符号PRC'はC’線の測定光線PC'を入射面TLaに入射させたときに出射面TLbから出射される屈折光線を示し、ラインセンサ13上での各測定光線の結像位置Q1’〜Q3’に基づき、ふれ角を検出することができる。
【0032】
被検レンズTLの入射面TLaと出射面TLbとの為す角度(すなわち、プリズムの頂角に相当する角度)をσとし、材料の屈折率をnとし、角度σが小さくかつ被検レンズTLの厚さが薄いと仮定すると、偏角量εとσ、nとの関係は以下の(3)式により表すことができる。
【0033】
ε=(n−1)σ … (3)
従って、F’線の測定光線PF'、e線の測定光線Pe、C’線の測定光線PC'を用いて各偏角量εF'、εe、εC'を求め、この各偏角量εF'、εe、εC'に基づき、各屈折率nF'、ne、nC'を下記(4)〜(6)式に基づいて求めれば、アッベ数νeを(2)式に基づいて求めることができる。
【0034】
ただし、各測定光線の被検レンズTLへの入射位置を同じものとする。
nF'=1+(εF'/σ) …(4)
ne=1+(εe/σ) …(5)
nC'=1+(εC'/σ) …(6)
又は、
εF'=(nF'−1)σ …(4)’
εe=(ne−1)σ …(5)’
εC'=(nC−1)σ …(6)’
を用いて下記の(7)式に基づき、アッベ数を求めることができる。
νe=(ne−1)σ/((nF'−1)σ−(nC−1)σ)
=εe/(εF'−εC') …(7)
偏角量εが十分に小さいと仮定すると、下記の(8)式が成り立つので、被検レンズTLからラインセンサ13までの光軸方向の距離xとラインセンサ13上での像の移動量yとに基づいて、偏角量εを求めることができる。
ε≒tanε=y/x …(8)
距離xは一定であるから、各測定光線について、像の移動量ye、yF'、yC'を用いて、下記の式(9)に基づいて、アッベ数νeを測定することができる。
νe=ye/(yF'−yC') …(9)
従って、ラインセンサ13の検出出力に基づき移動量ye、yF'、yC'を求め、式(9)を用いてアッベ数νeを測定する構成を採用することにすると、演算時間の短縮を図ることができる。
【0035】
被検レンズTLの光軸O1と測定光路SOの光軸Oとが一致しているとき、ラインセンサ13を含む面Q上でのスリット像の位置は、被検レンズTLを挿入する前のスリット像の位置と同じであり、変化しない。
【0036】
被検レンズTLを図3に示す矢印A−A方向に移動させると、図5に示すように、スリット像14a’〜14c’はラインセンサ13の画素13aの配列方向に移動する。このスリット像14a’〜14c’は被検レンズTLが凸レンズのときはその被検レンズTLの移動方向と同方向に移動し、被検レンズTLが凹レンズのときは、スリット像14a’〜14c’は被検レンズTLの移動方向と反対方向に移動する。
【0037】
このとき、図6に示すように、ラインセンサ13上に形成されたスリット像14a’〜14c’に基づき画素13aから出力される検出出力Q1〜Q3のピーク間隔L1、L2が図6に示すように等しい値(L1=L2)に保たれたまま、スリット像14a’〜14c’が矢印B−B方向に移動する。
【0038】
被検レンズTLを紙面に直交する平面内で、紙面に対して垂直方向に移動させると、スリット像14a’〜14c’は図7に示すようにラインセンサ13の各画素13aの配列方向と直交する方向(矢印C−C方向)に移動し、ラインセンサ13上に形成されたスリット像14a’〜14c’に基づき出力される検出出力Q1〜Q2のピーク間隔L1、L2は、スリット像14a’〜14c’が全体に右に移動したときには、図8に示すようにL1>L2となり、スリット像14a’〜14c’が全体に逆に左に移動したときには、検出出力Q1〜Q3のピーク間隔L1、L2は図9に示すようにL2>L1となり、ラインセンサ13の検出出力Q1〜Q3のピーク間隔L1、L2とスリット像14a’〜14c’の移動方向とに基づき、被検レンズTLの測定光学系に対する上下左右方向の移動方向を検出できる。その検出出力Q1〜Q3は図3に示す演算回路22に入力され、演算回路22はその演算結果としてのアッベ数νを表示装置23に向けて出力する。
【0039】
レンズサポート部材21の頂点21aからラインセンサ13までの光軸方向距離Xは既知の値であり、ラインセンサ13上でのスリット像14a’〜14c’の形成位置から偏角量εを求めることができるが、被検レンズTLの厚さが未知であるので、被検レンズTLの厚さ分の誤差が偏角量εに含まれる。
【0040】
しかしながら、被検レンズTLの厚さは眼鏡レンズの場合、一定の範囲内にあり、光軸方向距離Xをその被検レンズTLの厚さに対して十分大きくすれば、被検レンズTLの厚さに起因する偏角量εの誤差を無視できる程度に小さくできる。
【0041】
次に、測定手順を説明する。
【0042】
測定光源15〜17のうちの一つをアライメント用光源として用いる。このアライメント用光源にはe線波長の測定光線Peを発生する測定光源16を用いるのが、測定精度の向上を図る観点から望ましい。e線波長の測定光線Peに基づき得られる偏角量εeはF’線波長の測定光線PF'に基づき得られる偏角量εF'とC’線波長の測定光線PC'に基づき得られる偏角量εC'との間の略中間の値を有するからである。
【0043】
まず、測定光源のうちのアライメント用光源を点灯させ、被検レンズTLを図3に示すように、矢印A−A方向に移動させて被検レンズTLの光軸O1を測定光路SOの測定光軸Oに対して偏心させ、スリット像14a’〜14c’を一定量移動させる。
【0044】
その際、図3に示す表示装置23に被検レンズTLの移動方向を表示装置23に表示させ、表示の指示に従って被検レンズTLを移動させるようにすると良い。
【0045】
演算回路22はスリット像14a’〜14c’の移動量を基準値と比較する比較手段を有する。この基準値は、被検レンズTLの屈折力に拘わらず常に一定とする。
スリット像14a’〜14c’の移動量と基準値とが一致すると、演算回路22はアライメント完了信号を出力し、表示装置23はそのアライメント完了信号に基づいて「アライメント完了」の表示を行い、測定者がこの状態で図示を略す測定ボタンを押すと、各測定光源15〜17が順次点灯され、各スリット像14a’〜14c’の移動量が検出され、これによって、演算回路22がアッベ数νeを演算する。
【0046】
ここでは、図示を略す測定ボタンを押すことによりアッベ数の測定を実行させることにしたが、アライメント完了信号を用いて自動的に、各測定光源15〜17を点灯させ、アッベ数νeを測定する構成とすることができる。
【0047】
このような構成とすることにより、屈折力の大きい被検レンズTLは小さい偏心量でアライメント完了となり、屈折力の小さい被検レンズTLはより大きい偏心量でアライメント完了となるが、偏角量εは常に同一となる。このため、被検レンズTLの屈折力の大小に拘わらず、測定精度を一定に保つことができる。
【0048】
被検レンズTLの光軸O1と測定光軸Oとの偏心量HLが大きくなれば感度が大きくなるが、被検レンズTLの光軸O1と測定光軸Oとの偏心量HLが大きすぎると、強度の被検レンズTLの場合、ラインセンサ13からスリット像14a’〜14c’がはみ出す場合がある。一方、弱度の被検レンズTLの場合には、より一層被検レンズTLの光軸O1と測定光軸Oとの偏心量HLを大きくしなければならず、被検レンズTLが径の小さな眼鏡レンズの場合には測定できない事態が生じるので、偏心量は5Δ程度が望ましい。ここで、1Δは1m当たり1cmのふれ角を与えるプリズムの度をいう。
【0049】
レンズの偏心量とプリズムとの関係は概略PRENTICEの式で表すことができる。
【0050】
プリズム値=偏心量(mm)×度数/10
例えば、5D(ディオプター)の被検レンズTLで5プリズムを得るためには、その光学中心から10mm、3Dの場合には15mm偏心させて測定する必要がある。
【0051】
加工して眼鏡枠に取り付けた被検レンズTLを測定する際には一般的に横幅に較べて縦は短く加工されているため、被検レンズTLを上下方向に偏心させると、5プリズム分偏心できない場合がある。従って、被検レンズTLを横方向にスライドして測定する構造が望ましい。
【0052】
なお、測定光源としてLEDを用いる場合、LEDにより発生する光の波長が必ずしもF’線波長、e線波長、C’線波長と一致するとは限らないので、アッベ数νの既知の眼鏡レンズを用いて較正するようにしても良い。
【0053】
すなわち、アッベ数νが既知の標準の眼鏡レンズを測定光路SOに挿入してアッベ数νを測定し、その既知のアッベ数ν’と測定により得られたアッベ数νとの差に基づき補正値を求め、この補正値により補正する構成とすれば、測定光線の波長のずれに基づく誤差を低減させることができる。
【0054】
なお、測定光源としてLEDを用いる代わりに、白熱ランプとフィルターとを組み合わせ、フィルターとしてF’線波長、e線波長、C’線波長の光を透過させる特性を持たせる構成としても良い。
【0055】
【発明の効果】
本発明のアッベ数測定装置によれば、眼鏡レンズのアッベ数を、その屈折度数に起因する測定精度の低下を極力回避しつつ測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試験プリズムを用いて分散を測定するための説明図である。
【図2】 眼鏡レンズの分散を測定するために使用するレンズメータの光学図である。
【図3】 本発明に係わるアッベ数測定装置の光学図である。
【図4】 図3に示すスリット板の平面図である。
【図5】 図3に示すラインセンサに形成されたスリット像の説明図である。
【図6】 図4に示すラインセンサから出力された検出出力のピーク間隔の説明図である。
【図7】 図3に示す被検レンズを紙面に対して垂直な面内で光軸に対して垂直に移動させたときにラインセンサ上に形成されるスリット像の説明図である。
【図8】 図7に示すスリット像が右に移動したときにラインセンサから出力される検出出力のピーク間隔を説明するための説明図である。
【図9】 図7に示すスリット像が左に移動したときにラインセンサから出力される検出出力のピーク間隔を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10…測定光源部
13…検出センサ
21…レンズサポート部材
22…演算回路
TL…被検レンズ
Claims (5)
- 被検レンズのアッベ数を測定するために測定光源部から発生された波長の異なる測定光線に対し、前記被検レンズの光軸を偏心させて支持した前記被検レンズの入射面に対して前記測定光線が略垂直に入射するように前記被検レンズの測定光路中に設けられて前記被検レンズをサポートするレンズサポート部材と、
前記レンズサポート部材を境に前記測定光源部とは反対側の位置に設けられて前記被検レンズを通過して屈折された測定光線を検出する検出センサと、
前記検出センサの検出出力に基づき前記アッベ数を演算する演算装置と、
前記レンズサポート部材と前記測定光源部との間に設けられて前記測定光線を前記レンズサポート部材に向けて透過させるためのスリット開口を有するスリット板と、
前記被検レンズが前記測定光路に挿入されていない状態で前記スリット板と前記検出センサとの共役関係を保持させる結像レンズと、を備え、
前記検出センサは一次元ラインセンサであることを特徴とするアッベ数測定装置。 - 前記結像レンズが前記被検レンズの度数に応じて交換可能に複数個準備されていることを特徴とする請求項1に記載のアッベ数測定装置。
- 前記結像レンズと前記レンズサポート部材との間にピンホール板が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のアッベ数測定装置。
- 前記測定光源部と前記スリット板との間に前記測定光源部の各測定光源と前記ピンホール板との共役関係を保持させるレンズが設けられていることを特徴とする請求項3に記載のアッベ数測定装置。
- 前記スリット開口は、前記一次元ラインセンサを横切る方向に延びるスリットと、このスリットを挟んで測定光軸を原点として点対称に形成された一対のスリットとを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアッベ数測定装置。
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