JP4629567B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

この発明はスクロール圧縮機に関し、特に揺動スクロール台板の両面に渦巻歯を形成した両面スクロール圧縮機の軸と軸受が片当りするのを防止する構造に関するものである。
揺動スクロール台板の片面に渦巻歯を形成し、これに固定スクロールを対向させて圧縮室を形成し、揺動スクロール台板の渦巻歯と反対側の面に揺動スクロールを駆動させる偏心軸部を軸端部に有する主軸を偏心軸部で回転可能に嵌合し、主軸をモータを挟んだ両側に配設した軸受により支承したスクロール圧縮機が知られている。
このようなスクロール圧縮機において、軸と軸受が片当りするのを防止する機構として、主軸が傾動することによる片当りを防止するため、軸受部に回転可能に嵌合される円筒状ブッシュと、円筒状ブッシュと主軸部間における主軸の軸線方向に沿う曲面部と平面部との組合せによる対向係合面部を有するものが開示されている。
従来のスクロール圧縮機は上述のように構成され、揺動スクロールの台板の渦巻歯と反対側の面に揺動スクロールを駆動させる偏心軸部を軸端部に有する主軸を偏心軸部で回転可能に嵌合し、主軸をモータを挟んだ両側に配設した軸受により支承しているため、偏心軸部がいわゆる片持ち梁の構造となり、ガス負荷により発生するモーメントを軸受で支承している。そのため、主軸はガス負荷等により傾くが、駆動ブッシュにより軸受の軸受面は軸方向平行を保ち、適正な油膜形成により軸受信頼性を維持できた(例えば特許文献1参照)。
特許第2712914号公報
ところが、スクロール圧縮機の作動冷媒にCOガスのような高圧冷媒を用いる場合、大きなガス負荷のため偏心軸部の撓み変形が大きくなり、主軸の傾きに加算されて、軸受内の相対的傾きは従来のHFC冷媒と比べ顕著になる。
この場合、偏心軸部のガス負荷等による主軸自体の倒れによる傾きと偏心軸部や主軸の変形による傾きとを合わせた角度で傾くので、例えば揺動軸受の軸線方向中央に作用するガス負荷作用点とこれを受ける偏心軸部の曲面部にある反力作用点との位置が相対的にずれることになる。このずれによりモーメントが発生し、これにより円筒状ブッシュが倒れて、軸受に片当りが発生し、軸受の摩耗や焼付きが生じやすくなるという問題が生じた。
従ってこの発明の目的は、上述のような問題点を解消するためになされたもので、圧縮部を両側で軸支する両持ち軸受構造とするのに加えて、軸受部の片当りを解消する組立性の良い軸受構造を有するスクロール圧縮機を提供することである。
この発明に係るスクロール圧縮機は、揺動台板の両面にほぼ対称的に渦巻歯を形成すると共に、中心部に主軸が貫通固定された揺動スクロールと、主軸を貫通して揺動スクロールの両面に配設され、各渦巻歯と対応してそれぞれ圧縮室を形成する渦巻歯を有する一対の固定スクロールとからなる圧縮部、揺動スクロール、固定スクロールの中心部には主軸を摺動自在に軸支する軸受が設けられ、この軸受には油潤滑されるための給油機構が設けられ、揺動スクロール、固定スクロールの中心部軸受に相対する主軸部の全部、または少なくとも1箇所以上において軸受部に回転可能に嵌合される円筒状ブッシュを主軸に嵌合し円筒状ブッシュと軸部間における主軸軸線方向に沿う曲面部と平面部との組合せによる対向係合面部を有するものである。
この発明に係るスクロール圧縮機は上述のように構成されているので、主軸はいわゆる両持ち構造となり、ガス負荷を発生する揺動軸受を挟んで両側に固定スクロールに設けられた軸受により支承され、軸にモーメントが発生しないので主軸自体が傾くことはなくなる。
更に、ガス負荷によるクランク軸の撓みに対しては、揺動スクロール、固定スクロールの中心部軸受に相対する主軸部の全部、または少なくとも1箇所以上において軸受部に回転可能に嵌合される円筒状ブッシュを主軸に嵌合し円筒状ブッシュと軸部間における主軸軸線方向に沿う曲面部と平面部との組合せによる対向係合面部を有するようにしたので、主軸の剛性変形による軸受に対する相対的な傾きに対し前記曲面部と平面部によるピポッド作用により円筒状ブッシュが常に軸受に対して平行な姿勢を保つことが出来るので、軸受に対する片当りを防止して摩耗や焼付きの発生を抑えることができる。
また、円筒状ブッシュを固定スクロールに設けた軸受のどちらか一方、または両方に設けることができ、これにより軸剛性による撓みにより傾きの大きくなる固定スクロール側の軸受部に円筒ブッシュを設けて片当りを防止することができる。
また、揺動スクロール側に設けた軸受に対応する偏心軸部が偏心量可変となるいわゆるスライド機構を有する円筒状ブッシュであって、かつ軸の傾きに対してピポッド作用を有し軸の片当りを防止する円筒ブッシュと、固定スクロール側に設けた前記円筒状ブッシュの組合せに関するものである。
また、固定スクロール側軸受に対応する円筒状ブッシュをモータと反対側に位置する固定スクロール側の軸受に設けたものであり、モータ側の主軸の倒れによる振れ回りによりモータ・ロータとステータの接触やエアギャップの不均衡を防止する。
更に、曲面部を、相手ブッシュと適度な硬度差を有することにより互いの摩耗を防止すること、そしてその硬度差をつける具体的手段として硬質、軟質表面処理を施すこともできる。
先ず、この発明のベースとなる圧縮機の構成を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1による縦型容器を使用した場合の全体構成の一例を示す概略断面図、図2は、実施の形態1における揺動スクロールの構成を示すもので、(a)は後述する(c)のA−A線に沿った断面図で、左側が上面、右側が下面を示す。(b)は揺動スクロールの上面の構成を示す平面図、(c)は同じく下面の構成を示す平面図である。
また、図3は、図2に示す揺動スクロールの中心部に位置する球根部の構成を示すもので、(a)は球根部の形状を示す斜視図、(b)は球根部の上面及び下面に設けられるシールリングの構成を示す斜視図、図4は、球根部におけるシールリングの作用効果を説明するための説明用断面図、図5は、実施の形態1における固定スクロールのうち、図1において下側の固定スクロールの構成を例示するもので、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。図6は図1の圧縮機における主軸と圧縮部との貫通構造及び主軸の下端部の構造を示す拡大図である。
図1において、スクロール圧縮機は、縦型の密閉容器1内の上方にモータ2を配設し、下方に圧縮部3を配設すると共に、圧縮部3の下方に潤滑油溜め室4を形成している。
また、モータ2と圧縮部3の中間部における密閉容器1に吸入ガスを吸入するための吸入管5が設けられ、モータ2の上部における密閉容器1の上端にはガラス端子6が設けられている。
モータ2はリング状に形成された周知のステータ21と、その内部で回転し得るように支承されたロータ22とから構成されている。また、ロータ22には主軸7が固定され、この主軸7が圧縮部3を貫通して潤滑油溜め室4まで延在されている。圧縮部3と主軸との関係については後述する。
圧縮部3は、揺動台板の上面と下面にそれぞれほぼ対称的で高さもほぼ同じ渦巻歯が形成された揺動スクロール31と、揺動スクロール31の上面に対向配置され、揺動スクロール31の上面渦巻歯と対応して圧縮室32を形成する渦巻歯を有する上側固定スクロール33と、揺動スクロール31の下面に対向配置され、揺動スクロール31の下面渦巻歯と対応して圧縮室32を形成する渦巻歯を有する下側固定スクロール34と、下側固定スクロール34と揺動スクロール31との間に配設された周知のオルダム継手35とを有する。
揺動スクロール31の詳細構成を図2に基づいて説明する。この図に示すように揺動スクロール31は、中心部を構成し、円弧等の曲線からなる球根部31Aと、その外周に延在する円板状の揺動台板31Bとを有する。
球根部31Aは、その拡大図を図3(a)に示すように、中心部には主軸7が貫通する孔31Cが形成され、その内周壁に揺動軸受31Dが設けられると共に、揺動軸受31Dの外周側の球根部の両面にシールリング溝31Eが形成され、この溝に図3(b)に示すような合い口31Fを有するシールリング31Gが挿入されている。シールリング31Gの詳細については後述する。
球根部31Aには本来、インボリュート曲線あるいは円弧による渦巻歯が、その中心から外方に向けて形成されるものであるが、渦巻歯の巻数は圧縮機の圧縮比に比例することから、例えば空調条件でHFCガスが使用される場合には圧縮比3で運転され、渦巻歯の巻数も3巻以上が必要とされるが、低圧縮比のCOガスが使用される場合には圧縮比2で運転され、渦巻歯の巻数も2巻以上となり、HFCガスの場合に比して渦巻歯の巻数を1巻減らすことが可能となる。
従って中心側の1巻相当分以上を減らすことにより、球根部31Aの中心部に主軸貫通用の孔31Cを形成し揺動軸受31Dを設けることが可能になったものである。
これはCOガスに限らず低圧縮比が定格条件となる他のいかなる用途においても適用することができる。
また、揺動台板31Bの上面及び下面には、ほぼ対称的で高さも球根部とほぼ同じ渦巻歯がインボリュート曲線あるいは円弧によって2巻以上形成される。ほぼ対称的とは、図2(a)に示す渦巻歯の厚さt、高さh、ピッチp、巻数nがほぼ等しく、それによりガス圧縮時に発生するスラスト方向の反力が完全に、またはほぼ等しくなるようにされていることを意味する。
このため、揺動スクロール31に作用する圧縮時の上下方向に対するスラスト推力を相殺させ、スラスト方向の負荷が実質ゼロとなるため、スラスト軸受をなくすことができる。
また、スラスト推力を相殺できるため、スクロールの歯高を低くして、その分渦巻の径方向を広げて、いわゆる薄いパンケーキ形状とすることによりラジアル方向力を相対的に小さくすることができ、ジャーナル軸受の信頼性を向上することができる。
なお、上面及び下面の渦巻歯は、ほぼ対称的とされているが、具体的には下方に向けて僅かなスラスト推力が発生するように、例えば上下の圧縮室のガス圧に差が生ずるようにされている。
このため、揺動スクロール31は下方の渦巻歯が下側固定スクロール34に圧接され、上方の渦巻歯は上側固定スクロール33との間に隙間が生じるため、上方の渦巻歯の上端面には図2(a)、(b)に示すように、チップシール溝31Hが形成され、その内部にチップシール36(図6)を装着するようにしている。また、下面の最外周部にはオルダム継手35に対応するオルダム溝31Jが形成されている。
球根部31Aに設けられるシールリング31Gは、図3(b)に示すように、断面矩形で合い口31Fを有するリングとして形成され、図3(a)に示すシールリング溝31Eに挿着される。このシールリング31Gは、圧縮動作時において、主軸7と揺動軸受31Dが低圧であるのに対し、渦巻歯の中心側は高圧となるため、両者間を仕切って漏れを防止するために球根部31Aに配設される。
仕切り作用は図4に示すように、シールする前後の空間の差圧によって高圧側である図4の左方及び下方から矢印で示すように押圧されてシールリング溝31E内でシールリング31Gがシールリング溝31Eの図において右方の壁及び上方の固定スクロール33に押し付けられて接触シールを行なうものである。
この場合、固定スクロール面においては摺動接触となるが、チップシールと同様に、小半径でのミソスリ運動により周速が小さい摺動であるため、摩擦や摺動ロスは小さい。
また、球根部31Aには後述するように揺動スクロール31の両面の圧縮室で圧縮されたガスを合流させて固定スクロールの吐出口に導くために揺動台板31Bを上下方向に貫通する連通口31Kがシールリング溝31Eの外方に形成されている。
この連通口31Kはシールリング溝31Eに沿った長孔として形成され、あるいは複数個の孔を隣接配置して実質的に長孔と同等な作用をする孔として形成され、圧縮室をまたがず、かつ後述する固定スクロールの吐出口と常時連通する位置に設けられる。
次に、固定スクロールの詳細構成を図5にもとづいて説明する。図5は、下側固定スクロール34の一例を示したものである。
図5(a)、(b)に示すように、固定台板34Aの中心部に主軸7が貫通する孔34Bが形成され、この孔の内周面に主軸受34Cが設けられている。
固定台板34Aの中心部である主軸受34Cの外周部には、揺動スクロール31の球根部31Aを収容して揺動スクロール31の旋回駆動を許容する凹部34Dが形成され、その外周に揺動スクロール31のインボリュート曲線あるいは円弧からなる渦巻歯と同一寸法で、かつ位相が180度回転した渦巻歯34Eが2巻以上形成されている。
また、凹部34D内に圧縮ガスを吐出するための吐出口34Fを揺動スクロールのシールリング31Gを跨がないように設けている。
吐出口34Fは、また、固定スクロールの最内側渦巻歯の内面に沿った長孔として形成され、あるいは複数個の孔を隣接配置して実質的に長孔と同等な作用をする孔として形成され、揺動スクロールの連通口31Kと常時連通する位置に設けられている。
更に、吐出口34Fと連通し、圧縮ガスを吐出管8(図1)を経て機外へ導く吐出流路34Gが形成され、吐出流路34G内で吐出口34Fに対向した位置には、図1に示すように、吐出ガスの逆流を阻止する吐出弁34Hが配設されている。
下側固定スクロール34の最外周部には吸入ガスの下側圧縮室への吸入部となる吸入口34Jが設けられると共に、この吸入口34Jから密閉容器下部の潤滑油溜め室4に連通する排出口34K(図1)が設けられ、排出口34Kの潤滑油溜め室4側に、図1に示すように、チェック弁34Lが設けられている。
このチェック弁34Lは圧縮機の起動時に冷媒等が寝込んだ油が発泡して圧縮機外へ流出するのを防止するためのものである。なお、吸入ガスの圧縮室への吸入経路は、図1に示すように、上側固定スクロール33の最外周部に形成された吸入口33Aと上述した下側固定スクロール34の吸入口34Jとを含めて図1に破線矢印Gで示すように形成され、揺動スクロール31の上面及び下面に形成されるそれぞれの圧縮室へ吸入ガスを導入するようにされている。
主軸7は図1に示すように、上端部がモータ2のロータ22に嵌合され、下端部は上側固定スクロール33の貫通孔及び揺動スクロール31の貫通孔31C並びに下側固定スクロール34の貫通孔34Bを貫通して潤滑油溜め室4の潤滑油77中に浸漬されている。
主軸7と圧縮部3との貫通構造及び主軸7の下端部の構造の拡大図を図6に示す。即ち、主軸7と上側固定スクロール33との間には主軸受33Bが設けられ、主軸7の主軸受33Bと接する部分から下端にかけて主軸7の表面に平坦面を形成する切欠き部71が形成され、切欠き部71に対応する平坦面を有する偏心孔(図示せず)が形成されたスライダ72が主軸7の切欠き部71に嵌合され、このスライダ72の外周面が図2に示す揺動スクロール31の揺動軸受31Dの内周面と接するように配設され、主軸7と共に偏心軸を構成して揺動軸受31Dを介して揺動スクロール31を駆動するようにされている。
また、スライダ72の上面と下面には潤滑油の経路となる凹部73が形成され、また、スライダ外周部の揺動軸受31Dと接する面の一部には上面の凹部73と下面の凹部73とを連通する上下方向の給油溝74が形成されている。
主軸7の内部には下端から上側固定スクロール33の主軸受33Bに至る偏心した給油孔75が形成されると共に、主軸7の下端には給油機構即ち給油ポンプ76が装着され、この給油ポンプ76が密閉容器1の下端で潤滑油77中に浸漬するようにされている。
次に、圧縮機の動作について説明する。
吸入管5から密閉容器1内に吸入されたガスは、先ずモータ2の部分に流入し、モータ2を冷却した後に、上側固定スクロール33の外周部に設けられた吸入口33Aから破線矢印Gで示すように、揺動スクロール31の上下面の圧縮室32に取り込まれる。
その後、揺動スクロール31が上側及び下側固定スクロール33及び34に対して自転しない公転運動をし、周知の圧縮原理により形成された一対の三日月形の圧縮室が中心に向かって次第にその容積を縮小し、最後に吐出口34Fのある最内室で一対の圧縮室が連通し、吐出流路34Gを経て圧縮機外へ流出する。
図7は、揺動スクロール31の公転運動によって形成された一対の三日月形の圧縮室が中心に向かって次第にその容積を縮小していく過程を示したもので、図7(a)は揺動スクロール31の公転角度0°の状態を示す。斜線を施した部分が揺動スクロールの渦巻歯であり、黒く塗った部分が固定スクロールの渦巻歯である。
図7(a)の状態で最外周の圧縮室が閉じ込みを終了し、一対の三日月形の圧縮室AとBが形成される。図7(b)は反時計方向に公転角度90°だけ公転した状態を示す。
一対の圧縮室A、Bは容積を縮小しながら中心に向かって移動している。
図7(c)は公転角度が180°の状態を示し、図7(d)は公転角度270°の状態を示す。この状態では吐出口34Fのある最内室で圧縮室AとBが連通し、吐出口34Fから吐出される。
図7において、揺動スクロール31の球根部31Aの形状は、破線で示す部分までインボリュート曲線をなし、圧縮室Bの一方の境界を形成している。これより中心側は圧縮に寄与しない最内室を形成する球根部曲線となり、固定スクロール34の渦巻歯の内面と組み合わされて境界面を形成する。
吐出口34Fは圧縮に寄与しない最内室に設けられており、圧縮工程中に上述したシールリング31Gをまたぐことがないように位置関係が設定され、十分な流路面積が確保できるように設けられている。このため、圧縮工程中に球根部31Aで吐出口34Fを完全に塞ぐことがないように、球根部曲線と固定スクロールの渦巻歯の内面の曲線は空間部を確保できるように形成されている。
スクロール圧縮機のように組込容積比固定タイプの圧縮機においては、設定された圧縮比よりも高圧縮比運転がなされた場合に、最終吐出工程において圧縮不足ロスが生じる。この圧縮不足ロスは、例えば図7(d)のように最内室と圧縮室AとBとの連通時において、最内室の圧力が圧縮室A、Bの圧力よりも高いことを意味し、そのため連通時に最内室から圧縮室A、Bへ逆流が生じ、その分、圧縮動力にロスが生じる。
従って、トップクリアランス容積(吐出弁34Hより上流の容積で、具体的には最内室と吐出口34Fと連通口31Kの和に相当する)は最小限に抑え、かつ圧縮室AとBとの連通時に吐出口34Fへの流路を十分に確保するため、球根部31Aに若干の逃がし部34Mを形成している。逃がし部34Mは換言すれば曲率半径を小さくし幅を広げて流路を確保しようとするものである。
次に、給油について説明する。図6に示すように、給油ポンプ76によって主軸7の下端から矢印で示すように吸引された潤滑油77は、主軸7内の給油孔75を通って矢印で示すように吸い上げられ、上側固定スクロール33の主軸受33B内に給油される。
その後、主軸に形成された切欠き部71の平坦部を通り下降してスライダ72の上面に形成された凹部73を経てスライダ72の外周面に上下方向に形成された給油溝74に流入しスライダ72を潤滑する。
給油溝74を下降した油はスライダ下面に形成された凹部73を経て下側固定スクロール34に形成された戻り孔34Nを通って主軸の中心方向へ流れ、再び主軸7の切欠き部71を下降して下側固定スクロール34の主軸受34Cに給油しながら主軸受34Cの下端部から矢印で示すように主軸外へ排出され、潤滑油溜め室4に戻る。
上述のように潤滑油77は給油から排油まで吸入ガスの流れと直接接触することなく閉ループを構成する一連の循環給油経路を形成している。
従って、吸入ガスに油が巻き込まれて圧縮機外へ流出する事態を防止することができる。
図8は、主軸およびスライダの構成を示すもので、(a)は主軸の構成を示す斜視図、(b)はスライダの構成を示す斜視図である。また、図9は、スライダの動作原理を説明するための説明図である。
図8(a)に示す主軸7は図の右端が図1の上方になり、図の左端が図1の下方になる。切欠き部71は主軸7の下端寄りの部分に平坦面を形成したものであるが、この切欠き部71は図6で説明したように、上側固定スクロール33の主軸受33Bと接する部分から主軸の下端にかけて形成されている。
また、図8(b)に示すように、切欠き部71に対応する平坦なスライド面72Aと、このスライド面72Aを含む偏心孔72Bを有する円筒状のスライダ72を設け、このスライダの偏心孔72Bにスライド面72Aと切欠き部71とが対応するように主軸7の切欠き部71を嵌合すると伴に、図6に示すように、揺動スクロール31の貫通孔31Cに貫通させ、揺動軸受31Dの内面にスライダ72の外周面を摺接させるようにしている。
主軸7の外径とスライダ72の偏心孔72Bの内径は、主軸の外径が若干小さく設定されており、その結果、切欠き部71とスライド面72Aは互いに若干平行にスライドできるようになっている。
図9に基づいてスライダ72の動作原理を説明する。図9(a)に示すように、スライダ72の中心は揺動スクロール31の中心31Xと同一とされ、主軸7の中心は固定スクロールの中心34Xと一致するようにされている。このため、主軸7の中心に対してスライダ72の中心はクランク半径に相当するrだけ偏心しており、これは揺動スクロール31の渦巻歯と固定スクロール33、34の渦巻歯とが理想的に互いに接触して回転する距離に等しい。
主軸7が回転すると揺動スクロール31は遠心力を発生し、図9(a)にFcで示す方向へ力が作用する。一方、これと直角方向にガス圧力による反力Fgが発生するため、スライダ72はスライド面72Aを主軸7の切欠き部71に押し付けると伴に、Fc方向へスライドしようとする。
この結果、図9(b)に示すように、固定スクロールの渦巻歯34Eと揺動スクロールの渦巻歯31Mとが互いに接触するようになるまで接触力FRを受けてスライドするため、固定スクロールと揺動スクロールの渦巻歯間の接触シールが実現するものである。
このように、スライダ72によって渦巻歯間の接触シールが行われるため、渦巻歯間の漏れを最小限に抑制して圧縮効率の高いスクロール圧縮機を得ることができる。特に、COガスのように圧力差が大きく、漏れ易いガスを使用する場合には、スライダ72は必要不可欠である。
図10は、第1のバランサの構成を示す斜視図、図11は、第2のバランサの構成を示す斜視図、図12は、各バランサの作用効果を説明するための説明図である。圧縮機の全体構成は図1と同様であるため図示を省略する。
図10は、揺動スクロールの偏心回転運動に伴うアンバランスを釣合わせるためのバランサの構成を示すものである。ここでは、後述する理由により2つのバランサを装着するものであるが、図10は、そのうちの第1のバランサを示すものである。
第1のバランサ9は主軸7への嵌合孔91を有する筒体92の一側に、バランサとして作用する突出部93を設けたものである。また、筒体92の一端にはスラスト面を形成する鍔部94が形成されている。
第1のバランサ9は図1に示すように、モータ2のロータ22と上側固定スクロール33との間で鍔部94が下方となるようにして主軸7に嵌合され、圧縮機の上部バランサとして作用するようにされている。
第1のバランサ9は、圧縮機に対するバランサの役目と共に、モータ2のロータ22の軸方向位置決めの役目をもなすように、筒体92の長さが設定され、下端部となる鍔部94は、スラスト面を形成し、上側固定スクロール33の固定台板34Aと当接させることにより、主軸7とロータ22の全重量をここで受けて回転摺動するようにされている。
図11は、第2のバランサ76Aの構成を示すもので、図1に示す給油ポンプ76の周面に、バランサとして作用する偏心荷重を給油ポンプの全長にわたって形成あるいは装着したものである。
バランサ76Aはこの例では、給油ポンプの側壁の厚さを局部的に厚く形成したものである。このように構成することにより、アンバランス回転するようにしており、給油ポンプと圧縮機の下部バランサの両方の役目を持たせている。
バランサを給油ポンプ76のほぼ全長にわたって形成することにより、偏心量を小さくすることができるため、油面に偏心部が浸かって回転しても偏心部による油の攪拌ロスを最小限に抑えることができる。
図12は、上述のバランサ作用効果について説明するものである。通常、揺動スクロールのアンバランスを釣合わせるためには、(a)に示すように、主軸7の一端側において動バランス、静バランスをとるようにするため第1のバランサB1、第2のバランサB2を図示のように配置する。各バランサは主軸7に焼嵌め固定されたモータロータのエンドリングに取り付ける場合が多い。この場合、釣合わせは、周知のようにFc=Fc1+Fc2、Fc1×L1=Fc2×L2となるように設定される。
ところが、図12(b)のように、揺動スクロール31と固定スクロール33、34が渦巻歯同士で接触する場合には、揺動スクロール31の遠心力を全て固定スクロール33、34の渦巻歯で受けてしまうため、主軸7にはFc1とFc2によりモーメントM1が発生し、上下の主軸受33B、34Cでこのモーメントを受けることになる。この結果、主軸が図示のように傾動して回転することとなり、いわゆる片当りによって主軸受33B、34Cが損傷したり摩耗したりし易くなる。
そこで図12(c)のように、即ち、上述したように、2つのバランサB1、B2を主軸受33B、34Cを挟んで両側に配置すれば、モーメントの発生をなくして主軸7を主軸受に平行の状態で回転することができ、軸受信頼性を向上させることができる。
この圧縮機は以上のように構成されているため、例えば、空調機省エネのため熱交換器容積を大きくしたり、負荷平準化ピークカット氷蓄熱システムのように、低圧縮比で通常運転されるようにチューニングされた装置で使用する場合や、空調運転で通常運転が低圧縮比となるCOガスのような冷媒を使用する場合に適しており、高効率を維持することができる。
実施の形態1.
以下、この発明のスクロール圧縮機の実施の形態1を図に基づいて説明する。図13および図14は、この発明のスクロール圧縮機における主軸および軸受の構成を示すもので、主軸7と圧縮部3との貫通構造および主軸7の下端部の構造を示す図6の軸受まわりのみ異なり、その他は先に説明した構造と同様である。即ち、主軸7は、揺動スクロール31および一対の固定スクロール33、34の中央部に設けられた貫通孔を貫通して延びており、主軸7の貫通孔内の部分が主軸部であって、スクロールの主軸部によって支持される部分が軸受部である。主軸7と主軸受33Bの間には、円筒状ブッシュ79が主軸7に設けられた曲面部7Cの外周に微少隙間を設けて嵌合され、かつ円筒状ブッシュ79は主軸受33Bと共に固定スクロール33に対して回転可能に嵌合されている。曲面部7Cは主軸受33Bの軸線方向ほぼ中央の位置で図14に示すように主軸7の全周に亘って周方向に形成されている。主軸受33Bと円筒状ブッシュ79は一体に回転するように主軸7に形成されたピン101と円筒状ブッシュに形成された切欠き溝79Aを嵌合させている。また、ピン101により円筒状ブッシュ79は主軸7の軸線方向下方への移動を規制されており、このようにして円筒状ブッシュとスライダ72は互いに端面を接しないようにして構成されている。
スライダ72は、主軸7の切欠き部71に形成された曲面部7Aとスライダ72の平坦なスライド面72Aと当接するように嵌合されている。スライダ72は下側固定スクロール34と端面で接して下方への軸方向規制されている。
また、主軸7と主軸受34Cの間には、円筒状ブッシュ78が主軸7に設けられた曲面部7Bの外周に微少隙間を設けて嵌合され、かつ円筒状ブッシュ78は主軸受34Cと共に固定スクロール34に対して回転可能に嵌合されている。曲面部7Bは主軸受34Cの軸線方向ほぼ中央位置で、図14に示すように切欠き部71を除いて全周に亘って周方向に形成されている。主軸受34Cと円筒状ブッシュ78は主軸7の切欠き部71と円筒状ブッシュ78の内周側に設けた平坦面78Aが当接することにより一体に回転する。また円筒状ブッシュ78は給油ポンプ76と端面同士が当接するように組み立てられ軸方向下方へ規制されている。
図14にクランク軸7および円筒状ブッシュ78、79、スライダ72の斜視図を示す。図14に示すクランク軸7は図の右端が図1の上方になり、図の左端が図1の下方になる。切欠き部71は主軸7の下端寄りの部分に平坦面を形成したものであるが、この切欠き部71は図6で説明したように、上側固定スクロール33の主軸受33Bと接する部分から主軸7の下端にかけて形成されている。
また、図に示すように主軸7には円筒状のスライダ72が嵌合される。スライダ72には、切欠き部71に対応する平坦なスライド面72Aを含む偏心孔72Bが設けてある。主軸7は、スライダの偏心孔72Bにスライド面72Aと切欠き部71とが対応するように主軸7の切欠き部71を合わせてスライダ72内に挿入し、切欠き部71内にあって主軸の軸線方向と直交する曲面部を有する直線上の曲面部7A上にスライド面72Aが乗るまで嵌合させてある。スライダ72は、図6にも示すように、揺動スクロール31の貫通孔31C内に揺動軸受31Dと共に貫通させ、揺動軸受31Dの内面にスライダ72の外周面が摺接するようにしてある。主軸の外径は、スライダ72の偏心孔72Bの内径よりも若干小さく設定されており、その結果、切欠き部71とスライド面72Aは互いに若干平行にスライドできるようになっている。
このように、本発明のスクロール圧縮機は、両面に渦巻歯を有する揺動スクロール31と、この揺動スクロール31の渦巻歯(ラップ)に噛み合って間に圧縮室を形成する一対の固定スクロール33および34と、揺動スクロール31に対して回転可能に偏心して設けられて揺動スクロール31を揺動させる偏心したスライダ72と、スライダ72を貫通して延びてスライダ72と共に回転し、固定スクロール33および34を貫通して延びて、揺動スクロール31を揺動させる主軸7とを備えている。主軸7は、揺動スクロール31の両側に設けられた第1および第2の支承部を有し、これら支承部が固定スクロール33および34の中央部に形成された軸受部によって回転可能に支持されている。主軸7の第1および第2の支承部のうち少なくともいずれか一方の支承部は、固定スクロール33および34の軸受部に対して回転可能に嵌合したブッシュ78、79と、ブッシュの内面に接触して主軸7のブッシュ78、79に対する傾動を許容する曲面部7B、7Cと、傾動を許容しつつブッシュ78、79を主軸7と共に回転させる結合手段71、78A、79A、101とを備えている。
実施の形態2.
次に、この発明のスクロール圧縮機の別の実施の形態を図に基づいて説明する。図15は、主軸および軸受の構造を示すもので、主軸7の上部の軸形状のみ図13と構成が異なる。すなわち、主軸7の上部軸部7Dは曲面部を持たないストレートの通常の軸形態をなし、円筒状ブッシュも嵌合されていない。
上部軸部7Dの軸径Dは、下部偏心軸部7dの主軸径dと比べ十分に太く、通常は下部軸受の円筒状ブッシュ78の外径と同等以上とする。
これは、主軸7の下端よりスライダ72を嵌合させる構造とした場合に可能となる。このようにして、主軸7の上部軸部7Dは主軸受33Bに対し、適正な軸受クリアランスの設定のもと嵌合される。
次に図16によって動作原理を説明する。図16(a)は従来技術における力のかかり方とそれに伴う主軸の変形を強調して描いている。主軸7が回転して揺動スクロールと固定スクロールが協動することにより図7に示す圧縮原理により流体が圧縮すると図16(a)に矢印Fで示す方向の径方向ガス圧縮力が主軸7に作用する。
その結果、主軸7は軸受33Bと34Cの端部B、Cで支持されて結果的に図に示すように弓なりに変形する。その結果、端部B、Cで主軸7と軸受33B、34Cは所謂片当り状態となり、軸と軸受が相対的に傾斜するため油膜形成が出来ずに摩耗、焼損を招いていた。
そこで図16(b)のように、各軸受部に対応して主軸7に曲面部7Cを形成し、これに円筒状ブッシュ79を嵌合させることにより主軸7が変形により傾いても、曲面部7Cの頂点で反力を受けるため頂点の位置と軸受33Bの軸方向位置を一致させておくことにより円筒状ブッシュ79は軸受33Bに対し常に平行を保ち、結果として円筒状ブッシュ79と軸受33Bは平行軸受としての機能を維持し適正な流体潤滑による油膜切れのない、信頼性の高い軸受を提供することが出来る。
図17に、このような軸受構成を実施した場合と従来軸受との対比を模式的に表している。(a)は従来軸受図6の軸受構成を模式的に表した図、(b)は本発明の実施の形態1の軸受構成である図13の模式図、(c)は本発明の他の例である実施の形態2の軸受構成図15の模式図を表す。
(b)の場合、上下の主軸受33B、34Cおよび揺動軸受31Dに対応する主軸7のそれぞれの曲面部7A、7B、7Cと円筒状ブッシュ79、78およびスライダ72により、主軸7が剛性変形してもそれぞれ平行軸受として機能するため、良好な油膜形成と軸受信頼性を保つことができる。
(c)の場合、主軸7の7D部の軸径を十分に太くすることが出来るので、剛性変形を相対的に小さくでき、結果としてこの部分には円筒状ブッシュ79を設けなくとも軸受33Bに対し十分な油膜形成を確保できる。その結果、構成を簡素化でき、より低コスト化を図ることができるとともに、固定スクロール側軸受に対応する円筒状ブッシュをモータ2と反対側に位置する固定スクロール側の軸受に設けたものであり、モータ側の主軸の倒れによる振れ回りによりモータ・ロータとステータの接触やエアギャップの不均衡を防止する。
また、実施の形態1ないし2において、曲面部7A、7B、7Cと円筒状ブッシュ78、79、スライダ72のそれぞれの各局面部との対抗面に相対的に硬度差をつけることにより、この部分の局部当りに対する摩耗を防止して、機能低下を防ぎ、結果として軸受信頼性の相対的低下を防止できる。硬度差をつける手段としてはDLC、CrN、NiPなどの硬質、軟質表面処理が有効である。
この発明は低圧縮比で通常運転されるようにチューニングされた空調機や氷蓄熱システムあるいは通常運転が低圧縮比となるCOガスのような冷媒を使用した空調機に利用し得るものである。
以上説明したように、この発明のスクロール圧縮機は、両面に渦巻歯を有する揺動スクロール31と、この揺動スクロール31の上記渦巻歯に噛み合って間に圧縮室を形成する一対の固定スクロール33、34と、上記揺動スクロール31に対して回転可能に偏心して設けられて上記揺動スクロールを揺動させる偏心したスライダ72と、上記スライダ72を貫通して延びて上記スライダ72と共に回転し、上記固定スクロール33、34を貫通して延びて、上記揺動スクロール31を揺動させる主軸7とを備えたスクロール圧縮機に於いて、上記主軸7は、上記揺動スクロール31の両側に設けられて上記固定スクロール33、34の軸受部によって回転可能に支持された第1および第2の支承部を有し、上記主軸7の上記支承部の少なくともいずれか一方は、上記固定スクロール33、34の軸受部に対して回転可能に嵌合したブッシュ78、79と、上記ブッシュの内周面に接触し、上記主軸7の上記ブッシュ78、79に対する傾動を許容する曲面部7B、7Cと、上記傾動を許容しつつ上記ブッシュ78、79を上記主軸と共に回転させる結合手段71、78A、79A、101とを備えたことを特徴とするものである。
上記曲面部7B、7Cは、上記主軸7のほぼ全周に亘って周方向に延び、上記ブッシュの内周面にほぼ線接触する環状突出部であってもよい。
上記曲面部7B、7Cは、上記固定スクロール33、34の厚さ寸法のほぼ中央部で上記ブッシュに接触していてもよい。
上記主軸7は、上記揺動スクロールを上記スライダ72を介して回転可能に支持する第3の支承部を持ち、上記第3の支承部は、上記スライダ72の内周面に接触し、上記主軸7の上記スライダ72に対する傾動を許容する曲面部7Aと、上記傾動を許容しつつ上記スライダ72を上記主軸7と共に回転させる結合手段71、72Aとを備えたものでもよい。
上記第1の支承部の上記結合手段は、上記主軸7の切り欠き部71と、上記切り欠き部71に係合した上記ブッシュ78の平坦面78Aとであってもよい。
上記第2の支承部の上記結合手段は、上記主軸7に固定されたピン101と、上記ピン101に係合した上記ブッシュ79の切り欠き溝79Aであってもよい。
上記第2の支承部は、上記主軸7に作用する力に抗する剛性を与える大きさの直径Dを持ち、上記固定スクロール33により実質的に傾動不可能に回転可能に支持されていてもよい。
上記曲面部および相対する円筒状ブッシュ面に硬度差をつけるように材質の組合せ、または表面処理等を施すこともできる。
上記表面処理としては、DLC、CrN(クロムナイトライド)、NiP(ニッケルリンメッキ)などの硬質、軟質処理であってもよい。
上記スクロール圧縮機は、COガスを冷媒として使用するものでもよい。
この発明のベースとなる圧縮機の全体構成の一例を示す概略断面図である。 図1の圧縮機における揺動スクロールの構成を示すもので、(a)は断面図、(b)は上面の構成を示す平面図、(c)は下面の構成を示す平面図である。 図2に示す揺動スクロールの中心部に位置する球根部の構成を示すもので、(a)は斜視図、(b)は上面及び下面に設けられるシールリングの構成を示す斜視図である。 球根部におけるシールリングの作用効果を説明するための説明用断面図である。 図1の圧縮機における下側固定スクロールの構成を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。 図1の圧縮機における主軸と圧縮部との貫通構造及び主軸の下端部の構造を示す拡大図である。 図1の圧縮機の動作を説明するため揺動スクロールの公転角度と圧縮室との関係を示す説明図である。 図1の圧縮機における主軸及びスライダの構成を示す斜視図である。 図1の圧縮機におけるスライダの動作原理を説明するための説明図である。 図1の圧縮機における第1のバランサの構成を示す斜視図である。 図1の圧縮機における第2のバランサの構成を示す斜視図である。 図1の圧縮機における作用効果を説明するための説明図である。 この発明のスクロール圧縮機における主軸と圧縮部との貫通構造及び主軸の下端部の軸受構成を示す拡大図である。 図13のスクロール圧縮機の主軸、円筒状ブッシュおよびスライダの構成を示す斜視図である。 図13のスクロール圧縮機における主軸と圧縮部との貫通構造及び主軸の下端部の軸受構成を示す拡大図である。 この発明のスクロール圧縮機の軸受構成の動作原理を説明するための説明図である。 この発明のスクロール圧縮機の軸受構成の作用効果を説明するための説明図である。
符号の説明
1 密閉容器、2 モータ、3 圧縮部、4 潤滑油溜め室、5 吸入管、6 ガラス端子、7 主軸、8 吐出管、31 揺動スクロール、32 圧縮室、33 上側固定スクロール、34 下側固定スクロール、35 オルダム継手、76 給油ポンプ、77 潤滑油、7A、7B、7C 曲面部、7d 偏心軸部、72 スライダ(円筒状ブッシュ)、78、79 円筒状ブッシュ、33B、34C 主軸受、31D 揺動軸受。

Claims (8)

  1. 両面に渦巻歯を有する揺動スクロールと、
    この揺動スクロールの上記渦巻歯に噛み合って間に圧縮室を形成する一対の固定スクロールと、
    上記揺動スクロールに対して回転可能に偏心して設けられて上記揺動スクロールを揺動させる偏心したスライダと、
    上記スライダを貫通して延びて上記スライダと共に回転し、上記固定スクロールを貫通して延びて、上記揺動スクロールを揺動させる主軸とを備えたスクロール圧縮機に於いて、
    上記主軸は、上記揺動スクロールの両側に設けられて上記固定スクロールの軸受部によって回転可能に支持された第1および第2の支承部を有し、
    上記主軸の上記支承部の少なくともいずれか一方は、上記固定スクロールの軸受部に対して回転可能に嵌合したブッシュと、上記ブッシュの内周面に接触し、上記主軸の上記ブッシュに対する傾動を許容する曲面部と、上記傾動を許容しつつ上記ブッシュを上記主軸と共に回転させる結合手段とを備えたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 上記曲面部は、上記主軸のほぼ全周に亘って周方向に延び、上記ブッシュの内周面にほぼ線接触する環状突出部であることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 上記曲面部は、上記固定スクロールの厚さ寸法のほぼ中央部で上記ブッシュに接触していることを特徴とする請求項1あるいは2記載のスクロール圧縮機。
  4. 上記主軸は、上記揺動スクロールを上記スライダを介して回転可能に支持する第3の支承部を持ち、上記第3の支承部は、上記スライダの内周面に接触し、上記主軸の上記スライダに対する傾動を許容する曲面部と、上記傾動を許容しつつ上記スライダを上記主軸と共に回転させる結合手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のスクロール圧縮機。
  5. 上記第1の支承部の上記結合手段は、上記主軸の切り欠き部と、上記切り欠き部に係合した上記ブッシュの平坦面とであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のスクロール圧縮機。
  6. 上記第2の支承部の上記結合手段は、上記主軸に固定されたピンと、上記ピンに係合した上記ブッシュの切り欠き溝であることを特徴とする請求項5記載のスクロール圧縮機。
  7. 上記第2の支承部は、上記主軸に作用する力に抗する剛性を与える大きさの直径を持ち、上記固定スクロールにより実質的に傾動不可能に回転可能に支持されていることを特徴とする請求項5記載のスクロール圧縮機。
  8. 上記スクロール圧縮機は、CO ガスを冷媒として使用することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項記載のスクロール圧縮機。
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