JP2003129969A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2003129969A JP2001323058A JP2001323058A JP2003129969A JP 2003129969 A JP2003129969 A JP 2003129969A JP 2001323058 A JP2001323058 A JP 2001323058A JP 2001323058 A JP2001323058 A JP 2001323058A JP 2003129969 A JP2003129969 A JP 2003129969A
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隆士 石垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロール圧縮機において、揺動
スクロールをスライドさせるために設けられたスライダ
の穴(スリット)の内壁がスライド時に主軸との間に発
生する摩擦により摩耗してしまい寿命が短かった。特に
冷媒を低温に保つ状況下では、潤滑剤の能力が低下する
ため、この摩耗が著しかった。 【解決手段】 スリットに主軸を挿入する部分の
スリットの内壁と主軸との間に面粗さがそれぞれの材料
よりも細かく、硬い鋼材を設けるとともに、主軸内部を
流れている油をバイパスさせる管路を主軸に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空調機および冷
凍機等に搭載されるスクロール圧縮機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図7は、特開平5−187366号公報
に開示されている密閉形スクロール圧縮機の断面図であ
る。図中、スクロール圧縮機101は、圧縮機本体に対
して固定された固定スクロール102と、固定スクロー
ル102の中心に対して偏心した回転中心を有する揺動
スクロール103と、電動機構部を構成する固定子10
4及び回転子105と、電動機により回転駆動される主
軸106と、揺動スクロール103を公転運動させるた
めに揺動スクロール103を支承するスライダ107
と、スライダ107が主軸106に対して偏心するよう
に主軸106の上部に設置されたスライダ装着軸である
偏心軸部108と、偏心軸部108に装着され、固定ス
クロール102や揺動スクロール103等からなる圧縮
室および電動機構部を収容する密閉形のシェル109
と、外部よりスクロール圧縮機101に冷媒ガスを導入
するための吸入管110と、スクロール圧縮機101で
圧縮された冷媒ガスを外部に吐出するための吐出管11
1と、揺動スクロール103及び主軸106を支承し、
固定スクロール102に対してボルト等で固定されたフ
レーム112と、圧縮室に底部に溜まった油を吸い上げ
る容積形油ポンプ113と、この容積形油ポンプ113
により、底部から主軸106内の管路を通ってスライダ
107まで吸い上げられた油を再び底部に落とすための
油落とし114とを有している。
【0003】次に動作について説明する。スクロール圧
縮機101に設けられた電源端子(図示せず)に通電す
ると、固定子104と回転子105にトルクが発生し、
主軸106が回転する。これにより、主軸106の偏心
軸部108に装着されたスライダ107に支承された揺
動スクロール103が回転しはじめて、固定スクロール
102と協動する。
【0004】この際、流体ガスは、吸入管110から吸
引され、シェル109内の固定スクロール102と揺動
スクロール103によって構成された圧縮室へ吸入さ
れ、圧縮された後、吐出管111を介してシェル109
外へ排出される。
【0005】またシェル109の底部にある潤滑油は、
主軸106が回転すると容積形油ポンプ113により吸
引され、主軸106内に設けられた給油通路を通り、各
軸等に給油潤滑された後、油落とし114から再びシェ
ル109の底部に戻る。
【0006】図8は、一般的なスクロール圧縮機の運転
時にスライダ107近傍に作用する力の関係を示す一部
横断面図である。図中、スライダ107は中央近傍に略
長方形の穴(以下、スリット)115が形成され、偏心
軸部108の端部はこのスリット115に嵌合されるよ
うに略長方形の断面を有するように加工されている。こ
のようにすることで、スライダ107が主軸106の軸
方向に直角な面上の一定方向(図8での斜め方向)にし
か摺動しないようになっている。
【0007】このようなスクロール圧縮機101で、主
軸106の回転に対応して行われる揺動スクロール10
3の公転運動時に発生する揺動スクロール103とスラ
イダ107との遠心力をFc、この遠心力Fcと直角方
向であり揺動スクロール103に作用する圧縮負荷をF
go、この遠心力Fcと反対方向であり揺動スクロール
103に作用する圧縮負荷をFgr、スライダ107の
スリット115とスライダ装着軸である偏心軸部108
との接触面間の接触力Fn、スリット115とスライダ
装着軸である偏心軸部108との接触面間の摩擦係数μ
n、固定スクロール102と揺動スクロール103の両
渦巻体側面間の接触力(押し付け力)をFR、摩擦係数
をμR、固定スクロール102と両渦巻体の半径方向の
すきまをCとする。
【0008】こうすると、遠心力Fc、圧縮負荷Fgo
及び圧縮負荷Fgrの合力のスライド方向への分力によ
りスライダ107がスリット115によって規制される
スライド方向、すなわち、揺動スクロール103を固定
スクロール102に接触させる方向にスライドし、固定
スクロール102と揺動スクロール103の両渦巻間の
半径方向の隙間Cを常に零にするように動作して、圧縮
時の漏れ損失を低減させている。
【0009】このようにスクロール圧縮機101は偏心
軸部108の回転により、スライダ107がスライドす
ることで、スクロール圧縮をなすものであるから、スラ
イダ107にスリット形状の加工を施すことが必要であ
った。そのため、スライダ107には加工性が高く、コ
ストを低減可能な焼結材を用いるのが一般的である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、焼結材は密度
が低いため硬度もそれほど大きくなく(Hv=400程
度)、鋼に比べて摩耗しやすく、焼結材の代わりに別の
材料を用いても加工容易な材料を用いると同じように硬
度が足りず摩耗しやすく、また、スリット107の内壁
には、その形状上、研磨機が使用できないため、偏心軸
部108からの負荷を受ける負荷面の面粗度を向上させ
ることが難しいので摩耗しやすく、特に、潤滑材の能力
が劣化し、摩擦係数が高くなりやすい低温用途で使用さ
れるものや、低温かつ高圧のHFC系冷媒での用途で使
用されるものでは、スライダ107の軸負荷面が摩耗し
やすく、寿命が短いという問題があった。
【0011】この発明は、このような問題点を解決する
ためになされたものであり、スリット形状の加工性を保
ちながら耐摩耗性の高いスライダを用いたスクロール圧
縮機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】主軸が穴に格納される部
分における主軸と穴の内壁との間にスライダ以上の硬度
を有する鋼材を設ける。
【0013】また、鋼材の穴の内壁と接触する面の面粗
さ、及び、鋼材の主軸と接触する面の面粗さの少なくと
も一方はそれぞれの接触する面の面粗さ以下とする。
【0014】主軸が穴に格納される部分における穴の内
壁にスライダ以上の硬度を有する鋼材を固定する。
【0015】また、鋼材の主軸と接触する面の面粗さは
接触する主軸の面の面粗さ以下とする。
【0016】さらに、主軸が穴に格納される部分におけ
る穴の内壁に鋼材を格納する溝部を設ける。
【0017】またさらに、鋼材が、溝部の電動機と反対
側の主軸の軸方向からは抜けない構成である。
【0018】主軸が穴に格納される部分における主軸
に、給気通路と主軸外部とを連通する管を設ける。
【0019】また、主軸が穴に格納される部分における
主軸と穴の内壁との間にスライダ以上の硬度を有する鋼
材を設ける。
【0020】さらに、スライダは、焼結により作成され
ている。
【0021】冷媒は、HFC系冷媒である。
【0022】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
のスクロール圧縮機の縦断面図である。図中、スクロー
ル圧縮機1は、圧縮機本体に対して固定された固定スク
ロール2と、固定スクロール2の中心に対して偏心した
回転中心を有する揺動スクロール3と、電動機構部を構
成する固定子4及び回転子5と、電動機により回転駆動
される主軸6と、揺動スクロール3を公転運動させるた
めに揺動スクロール3を支承するスライダ7と、スライ
ダ7が主軸6に対して偏心するように主軸6の上部に設
置されたスライダ装着軸である偏心軸部8と、偏心軸部
8に装着され、固定スクロール2や揺動スクロール3等
からなる圧縮室および電動機構部を収容する密閉形のシ
ェル9と、外部よりスクロール圧縮機1に冷媒ガスを導
入するための吸入管10と、スクロール圧縮機1で圧縮
された冷媒ガスを外部に吐出するための吐出管11と、
揺動スクロール3及び主軸6を支承し、固定スクロール
2に対してボルト等で固定されたフレーム12と、圧縮
室に底部に溜まった油を吸い上げる容積形油ポンプ13
と、この容積形油ポンプ13により、底部から主軸6内
の給油通路を通ってスライダ7まで吸い上げられた油を
再び底部に落とすための油落とし14とを有している。
【0023】次に動作について説明する。スクロール圧
縮機1に設けられた電源端子(図示せず)に通電する
と、固定子4と回転子5にトルクが発生し、主軸6が回
転する。これにより、主軸6の偏心軸部8に装着された
スライダ7に固定された揺動スクロール3が回転運動し
はじめて、固定スクロール2と協動する。
【0024】これら固定スクロール2と揺動スクロール
3はそれぞれ渦巻形状をしており、互いに180度位相
がずれた位置となるように組み合わされている。また、
それぞれの渦巻の中心は偏心している。
【0025】この際、流体ガスは、吸入管10から吸引
され、シェル9内の固定スクロール2と揺動スクロール
3によって構成された圧縮室へ吸入され、圧縮された
後、吐出管11を介してシェル9外へ排出される。
【0026】またシェル9の底部にある潤滑油は、主軸
6が回転すると容積形油ポンプ13により吸引され、主
軸6内に設けられた給油通路を通り、各軸等に給油潤滑
された後、再びシェル9の底部に戻る。
【0027】図2は、この発明の実施の形態1における
スクロール圧縮機の運転時にスライダ7近傍に作用する
力の関係を示す一部横断面図である。図中、スライダ7
は中央近傍に略長方形の穴であるスリット15が形成さ
れ、偏心軸部8の端部はこのスリット15に嵌合される
ように略長方形の横断面を有するように加工されてい
る。このようにすることで、スライダ7が主軸6の軸方
向に直角な面上の一定方向(図2での斜め方向)にしか
摺動しないようにしている。
【0028】また、このスライダ7のスリット15は、
前述したように略長方形であるが、そのうちの偏心軸部
8と主に接触する一辺に溝部16を作成し、そこに鋼材
17を収納し偏心軸部8の軸負荷面18と接触するよう
にしている。なお、図では溝部16を明確にするため、
鋼材17との間に大きな隙間があるように記している
が、実際にはこれほどの隙間はない。
【0029】このようなスクロール圧縮機1で、主軸6
の回転に対応して行われる揺動スクロール3の公転運動
時に発生する揺動スクロール3とスライダ7との遠心力
をFc、この遠心力Fcと直角方向であり揺動スクロー
ル3に作用する圧縮負荷をFgo、この遠心力Fcと反
対方向であり揺動スクロール3に作用する圧縮負荷をF
gr、スライダ7のスリット15とスライダ装着軸であ
る偏心軸部8との接触面間の接触力Fn、スリット15
とスライダ装着軸である偏心軸部8との接触面間の摩擦
係数μn、固定スクロール2と揺動スクロール3の両渦
巻体側面間の接触力(押し付け力)をFR、摩擦係数を
μR、固定スクロール2と両渦巻体の半径方向のすきま
をCとする。
【0030】こうすると、遠心力Fc、圧縮負荷Fgo
及び圧縮負荷Fgrの合力のスライド方向への分力によ
りスライダ7がスリット15によって規制されるスライ
ド方向、すなわち、揺動スクロール3を固定スクロール
2に接触させる方向にスライドする動作時に、偏心軸部
8の軸負荷面15と接触するのが、鋼材17であるた
め、摩擦力μnFnで焼結材からなるスライダ7が摩耗
することを防ぐことができる。
【0031】また、鋼材17には硬度Hv=400以上
の硬度を持つスウェーデン鋼、表面処理を施したステン
レス鋼が適している。
【0032】さらに、鋼材17は表面面粗度が偏心軸部
8やスライダ7のスリット15の内壁のそれよりも小さ
いものが適している。このようにすることで、スライド
中に鋼材17と偏心軸部8との接触により偏心軸部8に
摩耗が生じることを防ぐことができるとともに、溝部1
6を加工するにあたって、溝部16を鋼材17が完全に
固定されるように寸法精度を高めなくても、焼結材で製
作されたスライダ7に設けられた穴であるスリット15
の内壁が鋼材17に削られるのを防ぐことができる。
【0033】このようにすることで、潤滑特性の厳しい
低温用途で使用されるものや、HFC系冷媒での用途で
使用されるものにおいても、スライダの材料にコスト、
生産性で有効な焼結材を使用したままで、スクロール圧
縮機の寿命を延ばすことができる。
【0034】図3は、溝部16に鋼材17を圧入して固
定したスクロール圧縮機の一部横断面図である。
【0035】図中、スライダ7のスリット15に設けた
溝部16は、偏心軸部8の直線部分よりも長く形成して
いる。これにより溝部16に格納した鋼材17の両端部
はスライダ7内で固定されることになる。実際に製造す
る場合には、予めスライダ7に設けた溝部16に鋼材1
7を圧入して固定することになる。なお、この図では図
2と異なり溝部16と鋼材17とを明確に区別していな
いが、これは、鋼材17は溝部16に圧入されているた
め、隙間がほとんどないことを示している。
【0036】このようにすることで、スクロール圧縮機
が動作して軸に負荷が加わることで、鋼材17が上下方
向や、偏心軸部8の軸負荷面と溝部16との間に生じる
隙間内に生じた、いわゆるあそびにより、微小な動いた
り、変形したりするのを防止することができるため、高
い負荷能力を持った軸特性を持つ圧縮機を構成すること
ができる。
【0037】図4はスクロール圧縮機1の運転時に鋼材
17が上方へ抜けないように構成した場合のスリット1
5部分の斜視図である。スリット15が偏心軸部8の負
荷面18と接触する部分に、スクロール圧縮機1の底部
側(主軸の電動機が接続された側)の下辺より、それと
は反対側のスクロール圧縮機1上部側の上辺のほうが短
い台形形状の溝部16を設け、そこに溝部16とほぼ同
じ形状を有した鋼材17を格納している。
【0038】このようにすることで、運転時に鋼材17
が上方へ抜けないようにしている。また、スクロール圧
縮機1の組み立て手順からすると、スライダ7のスリッ
ト15に鋼材17を取付けてから、主軸6の偏心軸部8
を組み付けるため、予め略台形形状の溝部16に、同じ
ような形状を有した鋼材17を嵌め込むだけで上下方向
への鋼材17の抜けが防止できるため、作業性が向上す
る。
【0039】なお、この実施の形態では、一方向への鋼
材17の抜けを防止するため、加工が簡単な略台形形状
としているが、要は溝部16に対して鋼材17自体がく
さびとしての働きを持つ形状であればよい。
【0040】このように溝部を設けそこに鋼材を格納す
る方法では溝部を加工する手間が増えるが、主軸は今ま
でと同じ太さのものが使えるため、スクロール圧縮機を
大きくせずに主軸の強度を保つことができる。
【0041】図5は、溝部16を設けずに鋼材17を固
定した場合のスライダと偏心軸部の縦断面図である。
【0042】図中、スライダ7に設けられたスリット1
5には偏心軸部8が格納され、この偏心軸部8と接触
し、軸負荷面となるスリット15の内壁には鋼材17が
ねじ19によって固定されている。この場合、鋼材17
の厚みに合わせて大きめに形成したスリット15の内壁
に直接鋼材17を固定するため、溝部を形成する必要が
なくなる。
【0043】こうすることで、スリット15に鋼材17
を装着する作業の作業性が向上され、また、鋼材17を
確実に固定できる。
【0044】なお、この実施の形態1におけるスクロー
ル圧縮機1の主軸6に装着された偏心軸部8の負荷面1
8にはクラウニング形状部20が設けられている。これ
は主軸6が軸受負荷を受けて変形しても、スライダ7と
揺動スクロール3の軸面を平行に保つための措置であ
り、負荷面18の縦断面形状を円弧状に加工すること
で、スライダ7と揺動スクロール3の軸受面を平行に保
っている。
【0045】実施の形態2.図6は、実施の形態2にお
けるスライダと偏心軸部の断面図である。なお、実施の
形態1と同じ機構には同じ番号を付するとともに説明を
省略する。
【0046】図6の構成を有するスクロール圧縮機1で
は、本来であれば主軸6内の給油通路を通じて容積形油
ポンプ13によりスライダ7の上部まで汲み上げられる
油の一部を、スリット15の内壁と接触する偏心軸部8
の負荷面18に主軸6に設けた油管路21から流しこ
み、油落とし14から底部に戻すものである。このよう
にすることで、負荷面18に確実に油を流し込むことが
でき、摩擦係数を小さくすることができる。
【0047】なお、この図6では油管路21を3本設け
ているが、スクロール圧縮機1の能力、油管路21の
径、油管路21を設ける位置によって油管路21の数は
増減しうるものである。
【0048】また、負荷面18に油を流し込むための油
管路21は主軸6内の管より分岐している構成のため、
図6のように主軸6内の管と略直角に設けるよりも、主
軸6内の油の流れる方向に傾けて設けた方が効率がよ
い。
【0049】また、実施の形態1において説明した鋼材
17をスライダ7の内壁と負荷面18の間に介在させる
構成と併用することで、スライダ7や偏心軸部8の耐摩
耗性が著しく向上する。
【0050】いずれの構造でも、負荷面18、特に、ク
ラウニング形状部20が確実に油で保護されることが重
要である。
【発明の効果】主軸が穴に格納される部分における主軸
と穴の内壁との間にスライダ以上の硬度を有する鋼材を
設けるので、主軸の回転により働く力の向きから、鋼材
がスライダ側と一体となって動くので、スライダをカバ
ーすることになり、スライダの摩耗速度を遅らせること
ができる。
【0051】また、鋼材の穴の内壁と接触する面の面粗
さ、及び、鋼材の主軸と接触する面の面粗さの少なくと
も一方はそれぞれの接触する面の面粗さ以下とするの
で、スライダと主軸が直接摺動している場合よりもスラ
イダと主軸の摩耗速度を遅らせることができる。
【0052】主軸が穴に格納される部分における穴の内
壁にスライダ以上の硬度を有する鋼材を固定するので、
鋼材は確実にスライダと一体となって動くので、スライ
ダをカバーすることになり、スライダの摩耗速度を遅ら
せることができる。
【0053】また、鋼材の主軸と接触する面の面粗さは
接触する主軸の面の面粗さ以下とするので、スライダを
カバーすることになり、スライダの摩耗速度を遅らせる
ことができるとともに、主軸の摩耗速度を遅らせること
ができる。
【0054】さらに、主軸が穴に格納される部分におけ
る穴の内壁に鋼材を格納する溝部を設けるので、主軸の
スリットと嵌め合う部分の寸法を細くしないで済むた
め、回転運動に対する主軸の強度が保てる。
【0055】またさらに、鋼材が、溝部の電動機と反対
側の主軸の軸方向からは抜けない構成であるので、回転
中に溝内部から鋼材が抜けるのを防ぐことができる。
【0056】主軸が穴に格納される部分における主軸
に、給気通路と主軸外部とを連通する管を設けるので、
主軸の負荷面とスリットの内壁との摩擦抵抗を低減でき
る。
【0057】また、主軸が穴に格納される部分における
主軸と穴の内壁との間にスライダ以上の硬度を有する鋼
材を設けるので、スライダの耐摩耗性を向上できる。
【0058】さらに、スライダは、焼結により作成され
ているので、スライダにスリットを作成する加工は容易
なまま、耐摩耗性を向上できる。
【0059】またさらに、冷媒は、HFC系冷媒である
ので、環境問題に対応した冷媒を使用した圧縮機の寿命
を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるスクロール
圧縮機の縦断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1におけるスクロール
圧縮機の横断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1におけるスクロール
圧縮機の横断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1におけるスリット部
分の斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態1におけるスリット部
分の縦断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態2におけるスリット部
分の縦断面図である。
【図7】従来のスクロール圧縮機の縦断面図である
【図8】 従来のスクロール圧縮機の横断面図である
【符号の説明】
1 スクロール圧縮機、 2 固定スクロール、 3
揺動スクロール、 4固定子、 5 回転子、 6 主
軸、 7 スライダ、 8 偏心軸部、 9シェル、
10 吸入管、 11 吐出管、 12 フレーム、
13 容積形油ポンプ、 14 油落とし、 15 ス
リット、 16 溝部、 17 鋼材、 18 軸負荷
面、 19 ねじ、 20 クラウニング形状部、 2
1油管路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松木 哲三 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AB03 BB01 BB31 CC03 CC05 CC07 CC08 CC09 CC16 CC23 CC38 3H039 AA03 AA04 AA12 BB04 BB07 BB11 CC02 CC03 CC10 CC12 CC27 CC35

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機と、前記電動機に連結され回転する
    主軸と、前記主軸の一部が格納される穴を有し、前記主
    軸の回転により運動するスライダと、前記スライダに固
    定され渦巻形状を有する揺動スクロールと、前記揺動ス
    クロールに対して180度ずれた位相の渦巻形状を有す
    る固定スクロールとを有し、前記揺動スクロールと前記
    固定スクロールとが偏心し、冷媒を圧縮する圧縮室を形
    成するスクロール圧縮機において、前記主軸が前記穴に
    格納される部分における前記主軸と前記穴の内壁との間
    に前記スライダ以上の硬度を有する鋼材を設けることを
    特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】鋼材の穴の内壁と接触する面の面粗さ、及
    び、鋼材の主軸と接触する面の面粗さの少なくとも一方
    はそれぞれの接触する面の面粗さ以下とすることを特徴
    とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】電動機と、前記電動機に連結され回転する
    主軸と、前記主軸の一部が格納される穴を有し、前記主
    軸の回転により運動するスライダと、前記スライダに固
    定され渦巻形状を有する揺動スクロールと、前記揺動ス
    クロールに対して180度ずれた位相の渦巻形状を有す
    る固定スクロールとを有し、前記揺動スクロールと前記
    固定スクロールとが偏心し、冷媒を圧縮する圧縮室を形
    成するスクロール圧縮機において、前記主軸が前記穴に
    格納される部分における前記穴の内壁に前記スライダ以
    上の硬度を有する鋼材を固定することを特徴とするスク
    ロール圧縮機。
  4. 【請求項4】鋼材の主軸と接触する面の面粗さは接触す
    る主軸の面の面粗さ以下とすることを特徴とする請求項
    3に記載のスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】前記主軸が前記穴に格納される部分におけ
    る前記穴の内壁に鋼材を格納する溝部を設けることを特
    徴とする請求項1から請求項4いずれか記載のスクロー
    ル圧縮機。
  6. 【請求項6】前記鋼材が、前記溝部の電動機と反対側の
    主軸の軸方向からは抜けない構成であることを特徴とす
    る請求項5記載のスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】電動機と、前記電動機に連結され回転し、
    内部に油が流れる給油通路を有する主軸と、前記主軸の
    一部が格納される穴を有し、前記主軸の回転により運動
    するスライダと、前記スライダに固定され渦巻形状を有
    する揺動スクロールと、前記揺動スクロールに対して1
    80度ずれた位相の渦巻形状を有する固定スクロールと
    を有し、前記揺動スクロールと前記固定スクロールとが
    偏心し、冷媒を圧縮する圧縮室を形成するスクロール圧
    縮機において、前記主軸が前記穴に格納される部分にお
    ける前記主軸に、前記給気通路と主軸外部とを連通する
    管を設けることを特徴とするスクロール圧縮機。
  8. 【請求項8】主軸が穴に格納される部分における前記主
    軸と前記穴の内壁との間に前記スライダ以上の硬度を有
    する鋼材を設けることを特徴とする請求項6記載のスク
    ロール圧縮機。
  9. 【請求項9】スライダは、焼結により作成されているこ
    とを特徴とする請求項1から請求項7いずれか記載のス
    クロール圧縮機。
  10. 【請求項10】冷媒は、HFC系冷媒であることを特徴
    とする請求項1から請求項8いずれか記載のスクロール
    圧縮機。
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