JP4629454B2 - 既設構造物の下部地盤の液状化抑制工法 - Google Patents

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本発明は、地震時に既設構造物の下部地盤に生じる液状化を抑制する工法に関する。
砂地盤等の軟弱な地盤は、地震時に液状化を起こすおそれがあり、このような軟弱地盤に石油タンク等の既設構造物が建っている場合には、その直下地盤にドレーン管等の排水材を設けることにより、この地盤の液状化を抑制する方法が提案されている。
このような地盤の液状化抑制工法として、例えば、特開2003−119768号公報(特許文献1)には、既設構造物周辺から対象地盤に向けて斜めに削孔し、この斜めの孔から地層に平行する孔を掘削し、これら斜め孔と平行孔に透水材を圧入して充填することにより、軟弱な砂地盤における液状化防止構造を造ることが記載されている。しかしながら、このような補強方法では、斜め孔と平行孔に透水材を圧入する際に、地盤変状を生じ、既設構造物に悪影響を与えることが懸念される。
また特開2000−290989号公報(特許文献2)には、操向性ボーリングにより既設構造物の直下地盤に曲線状埋設孔を設け、この曲線状埋設孔にドレーン材を敷設した後に、ケーシング全長を地上に引き抜いて、ドレーン材と地盤との間に生じた間隙を透水性充填材で埋める方法が提案されている。
このような工法において、ドレーン材として低コストの合成樹脂製管体を使用する場合、これ自体をボーリング装置により引き込もうとすると、合成樹脂製管体は引張耐力が小さいため地中で破断してしまう可能性が高い。そのため、特許文献2ではケーシングを使用する方法が記載されているが、ケーシングの引き抜きにより、ドレーン材と地盤との間に生じてしまった間隙を、透水性充填材で埋めることは、それほど容易なことではない。
特開2003−119768号公報 特開2000−290989号公報
本発明の課題は、地盤や既設構造物に悪影響を与えることなく、且つドレーン材と地盤との間に間隙を生じさせず、ドレーン材を軟弱な地盤に敷設することが可能な既設構造物の下部地盤の液状化抑制工法を提供することである。
本発明の別の課題は、金属以外の材料により形成され、引張耐力が比較的小さいドレーン材を使用した場合にも、ドレーン材を挿入するケーシングを使用せずに敷設することを可能にする既設構造物の下部地盤の液状化抑制工法を提供することである。
また本発明の別の課題は、軟弱な地盤にドレーン材を敷設するため、ケーシング(鞘管)を使用した場合であっても、ケーシング引き抜き作業の省力化を図ることが可能であり、ケーシング引き抜き後のドレーン材と地盤との間の間隙の発生を防止することができる既設構造物の下部地盤の液状化抑制工法を提供することである。
本発明では、既設構造物の下部地盤にドレーン管を設け、地震時に生じる過剰間隙水圧をドレーン管に伝えることにより、下部地盤の地震時の液状化を抑制する工法であって、既設構造物の下部地盤を横断する掘削孔を誘導式ボーリング装置により形成する工程と、該掘削孔内で圧力流体を噴出すると共に振動を加えて拡大掘削しながらドレーン管を引き込む工程とを含み、該ドレーン管に所定間隔で補剛部材を固定し、これら補剛部材間に引張り補強材を接続し、前記ドレーン管の引き込み工程における引張力の少なくとも一部を前記引張り補強材に負担させることを特徴とする地盤の液状化抑制工法が提供される。
ここで、前記引張り補強材としては、鋼製ワイヤー又は細径パイプ等の線状材料を使用することが可能である。
本発明の地盤の液状化抑制工法では、ドレーン管に所定間隔で補剛部材を固定し、補剛部材間を鋼製ワイヤー等の引張り補強材で接続し、これら引張り補強材に引張力を負担させてドレーン管を引き込むので、たとえ、ドレーン管が引張耐力の比較的小さなもの(例えば、開口率20%以上の周面を有する金属以外の材料により形成された管体)であったとしても、ケーシング(鞘管)を使用せずに、地盤内への引き込み敷設が可能になった。これにより、従来、ケーシングを抜き取る際に生じていたドレーン材と地盤との間隙を防止することが可能になり、地盤や既設構造物への悪影響も防止できる。またドレーン管が引張耐力の比較的小さなものであっても施工可能であるため、高い開口率の周面を有する慣用の鋼管を使用する従来工法に比べて、材料コストの大幅な低減が可能になった。
本発明では、既設構造物の下部地盤にドレーン管を設け、地震時に生じる過剰間隙水圧をドレーン管に伝えることにより、下部地盤の地震時の液状化を抑制する工法であって、既設構造物の下部地盤を横断する掘削孔を誘導式ボーリング装置により形成する工程と、該掘削孔内で圧力流体を噴出すると共に振動を加えて拡大掘削しながら鞘管及びドレーン管を引き込む工程と、該引き込み工程において前記ドレーン管が敷設予定位置に到達したときに前記鞘管を所定位置で切り離し、ドレーン管を地盤内に残し、地盤に振動を加えながら鞘管の一方を所定位置まで引き動かす工程とを含むことを特徴とする地盤の液状化抑制工法が提供される。
本発明の地盤の液状化抑制工法では、鞘管及びドレーン管を地中に引き込む工程において、ドレーン管が敷設予定位置に到達したときに鞘管(ケーシング)を所定位置で切り離し、地盤に振動を加えながら鞘管の一方を所定位置まで引き抜き、ドレーン管を地盤内に残すものであるため、ドレーン管と地盤との間に間隙が発生しないように施工することが可能になった。また本発明の地盤の液状化抑制工法では、ドレーン管に大きな引張力を作用させないで敷設することが可能になったので、引張耐力の比較的小さなドレーン管(例えば、開口率20%以上の周面を有する金属以外の材料により形成された管体)を使用することが可能になった。
また本発明では、鞘管の切り離し位置を適宜調整し、且つ鞘管を引き動かす距離を適宜調整するだけで、既設構造物の下部地盤の所要区間のみにドレーン管を敷設し、他の区間を鞘管で補うことが可能であり、これにより鞘管の引き抜き作業の省力化が可能になる。
本発明では、地盤や既設構造物に悪影響を与えることなく、且つドレーン管と地盤との間に間隙を生じさせず、ドレーン管の敷設が可能になった。
また本発明では、ケーシングを使用せずに、引張耐力が比較的小さいドレーン管を地盤内に敷設することが可能である一方で、ケーシングを使用した場合にも、ケーシング引き抜き後のドレーン管と地盤との間の間隙の発生を防止することができて、ケーシング引き抜き作業の省力化を図ることも可能である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<第一の実施形態>
本発明は、地震時に液状化を起こす虞がある軟弱地盤において、既設構造物の下部地盤を横断するようにドレーン管を設け、地震時に生じる過剰間隙水圧をドレーン管を介して地上空間(大気中)まで伝達することにより、この下部地盤に生じる液状化を抑制する工法であり、その主要工程として、ガイド管の敷設工程、及びドレーン管の敷設工程を備えるものである。
[ドレーン管の詳細]
本発明の地盤の液状化抑制工法では、ドレーン管の敷設工程に先立ち、あるいはドレーン管の敷設工程と並行して、ドレーン管に所要部材を固定する等の附随作業を行う。最初に、このドレーン管及び附随作業等について説明する。
図1(a)はドレーン管10、その他の部材及び装置を示した図である。
ドレーン管10は開口率20%以上の周面を有する金属以外の材料により形成された管体を使用するものであり、このようなドレーン管10としては、例えば、高密度ポリエチレンからなるメッシュ状割繊維で管体11が形成され、その外周に補強リブ12が螺旋状に突設されたものを使用することができる。さらに例示すれば、株式会社太陽工業製のマックスドレーンが使用可能である。
上記構成のドレーン管10は、圧縮力に対する耐力が比較的大きく、地中に埋設しても潰れず、管体内部空間を維持することが可能であり、しかも、他のドレーン材(例えば、周面がスクリーン状に形成された鋼管)と比較して、材料コストが安いという利点がある一方で、管体軸方向への引張力や摩擦力に対する耐力は比較的小さいという弱点がある。そのため、ケーシングを使用しないでドレーン管10には、図1(a)又は図2(a)に示したように、キャップ13、補剛部材14及びワイヤー15(引張り補強材)を取り付けて使用する。
すなわち、ドレーン管10の一端にキャップ13を取り付け、所定間隔で管状の補剛部材14を固定し、これら補剛部材14間にワイヤー15を接続する。キャップ13は地盤の摩擦力からドレーン管10を保護すると共に引張り剛性を補うためのものである。補剛部材14はワイヤー15を取付け可能にすると共に引張り剛性を補うためのものであり、ドレーン管10同士の接続部分の継手と兼用させることも可能である。また補剛部材14は、ドレーン管10の敷設工程において孔壁が崩れないように押さえ、砂を外部へ向けて押し得るような形状に形成し、ドレーン管10に摩擦抵抗を負担させないようにするものである。先端キャップ13と補剛部材14はワイヤー15で連結されているため、ドレーン管10の敷設工程で作用する引張力はほとんどドレーン管10に伝達されず、先端キャップ13と補剛部材14とワイヤー15とで負担される。
補剛部材14とワイヤー15との接合部は、図1(b)または図2(a)〜(c)に示したように構成することが可能である。
図1(b)の接合部は、ワイヤー15の端部にフック15aを設け、補剛部材14に孔14aを穿設し、この孔14aにフック15aを掛止したものである。
図2(a)〜(c)の接合部は、連続するワイヤー15の所定位置にストッパー15bを設け、補剛部材14に張出部14b(図2(c)参照)を設け、張出部14bにストッパー15bを掛止したものである。この張出部14bは補剛部材14の外周面に固定された2つの部材からなり、2つの部材間にワイヤー15を通すスリット14cを備え、端部14dにストッパー15bが掛止される。このようにストッパー15bと張出部14bとを構成することで、ドレーン管10の引き込み方向には、ワイヤー15から補剛部材14に引張力を伝達できる一方で、逆に、後方へワイヤー15を引張った場合には張出部14bから容易に引き抜くことが可能である。
さらに、ドレーン管10の内部には、予め複数箇所に振動装置(図示せず)を設置することが望ましい。すなわち、キャップ13からワイヤー(図示せず)を延長し、このワイヤーの複数箇所に振動装置(図示せず)を固定し、各振動装置を各補剛部材14の内側に配置する。振動装置は、ドレーン管10を液状化層21へ引き込む際に起動させるものである。
[ガイド管の敷設工程]
次に、図3(a)(b)は本発明の地盤の液状化抑制工法による各工程を示した図である。
図3(a)において、既設構造物20の下方には液状化層21と支持層22が存在し、この液状化層21に対して、慣用の誘導式ボーリング装置(図示せず)により方向制御しながら、既設構造物20の下方をほぼ平行に横断するように液状化層21を削孔する。この孔はドレーン管10の敷設予定経路に設けられるものであり、この孔には直径60mm程度のガイド管23を敷設する。
[ドレーン管の敷設工程]
次に、地表に突き出たガイド管23の先端部分を取り外し、ここに拡削リーマー24(図1(a)参照)を取り付け、この拡削リーマー24に自在ジョイント25を介して直径250〜260mm程度のドレーン管10を装着する。拡削リーマー24は、振動バイブレーターを応用したものであり、前方の砂地盤を緩めて引き込み易くしつつ、孔壁を締固めながら必要な孔径のみを拡大掘削することにより、排出土砂の低減を図るものである。
この拡削リーマー24をガイド管23により引き込みながら、前記工程により掘削された孔を拡削リーマー24で拡大掘削し、キャップ13を付けたドレーン管10を引き込むことにより、ドレーン管10を液状化層21に敷設する。
また図示はしないが、ドレーン管10の内部には潤滑剤供給チューブを挿入し、この潤滑剤供給チューブを通して拡削リーマー24あるいはキャップ13の前面数箇所から潤滑剤を噴出し、引張抵抗の減少を図り、ドレーン管10の敷設を行うことが可能である。この場合、潤滑剤としては、水、空気、あるいは天然植物油を主成分とする生分解性溶液を使用することが可能であり、生分解性溶液は時間の経過とともに消失するものであり、地震時の過剰間隙水圧の消散に影響を与えるものではない。
さらに、ドレーン管10を液状化層21に引き込む際には、前記した振動装置により液状化層21に振動を加えることで、後方のドレーン管10を引き込み易くするとともに、キャップ13を取り外した後に、振動させながら引き抜くことにより、ドレーン管10と液状化層21との間の間隙を少なくすることができる。
以上のようにドレーン管10を液状化層21に引き込みながら、拡削リーマー24が既設構造物20の逆側まで到達したら、その後、先端のキャップ13は取り外し、ワイヤー15(図2の形態)も後方から引き抜けば、これらの部材は繰り返し使用可能になる。
<第二の実施形態>
第二の実施形態は、既設構造物の直下の地盤のみにドレーン管を敷設し、ドレーン管の両端に管体(鞘管)を接続して地表まで延ばし、これにより地震時に生じる過剰間隙水圧をドレーン管と鞘管を介して地上空間(大気中)に伝達することで、この下部地盤に生じる液状化を抑制する工法であり、その主要工程として、ガイド管の敷設工程とドレーン管の敷設工程とを備えるものである。
[ドレーン管等の詳細]
図4(a)〜(c)は第二の実施形態で使用するドレーン管10、鞘管30及びその他の装置を示した図である。最初に、これら構成について説明する。
ドレーン管10は、前記第一の実施形態と同様のもの、すなわち、高密度ポリエチレンのメッシュ状割繊維からなる管体11と補強リブ12とからなるものを使用し、その長さは、図5(c)に示したように、液状化層21における既設構造物20の直下区間の過剰間隙水圧を吸収可能な程度にする。またドレーン管10の内部には振動装置(図示せず)を複数箇所に固定したワイヤー(図示せず)を延ばし入れ、ワイヤー端部を鞘管30の先端に固定する。振動装置は、ドレーン管10を液状化層21へ引き込む際に起動させて、液状化層21まで振動を伝達させるためのものである。
第一の実施形態では、引張力や摩擦力に対する耐力が比較的小さいというドレーン管10の弱点を補うため、補剛部材14やワイヤー15(引張り補強材)を設けたが、第二の実施形態では、ドレーン管10を鞘管30の内部に挿設して敷設作業を行うことにより、この弱点を補うものである。
このような鞘管30としては、引張耐力がある一方でフレキシブルかつ安価なもの、例えば、塩化ビニール管やポリエチレン管等を使用することができる。
また鞘管30は、第一の鞘管30aと第二の鞘管30bに分離できるように形成し、先端にキャップ30cを螺合する。第一の鞘管30a及び第二の鞘管30bは相互に差し込み可能に形成し、この差し込み部分における第一の鞘管30aの内周面に係止具31を枢着し、第二の鞘管30bの内周面に凹部32を設け、図4(b)のように係止具31が凹部32に係止した状態が保持されるようにバネ33等の付勢手段を設け、図4(c)のように付勢方向とは逆に係止具31を作動させることにより係止状態を解除するためにワイヤー34等の係止解除手段を係止具31に接続する。
[ガイド管の敷設工程]
ガイド管23の敷設工程は、第二の実施形態においても、図5(a)に示したように、慣用の誘導式ボーリング装置を使用して第一の実施形態と同様に行う。
[ドレーン管の敷設工程]
次に、地表に突き出たガイド管23の先端部分を取り外し、ここに拡削リーマー24を取り付け、この拡削リーマー24に自在ジョイント25を介して鞘管30を装着する。鞘管30の内部にはドレーン管10を挿着し、図5(b)に示したように、同時に地中に引き込む。このとき、振動バイブレーターを応用した拡削リーマー24により、前方の砂地盤を緩めて引き込み易くしつつ、孔壁を締固めながら必要な孔径のみを拡大掘削することにより、排出土砂の低減を図る。
ドレーン管10の敷設予定位置に到達するまでは、鞘管30を通じて潤滑剤を送り込み、鞘管の引き込み抵抗を減じるものとする。この潤滑剤としては、水、空気、あるいは天然植物油を主成分とする生分解性溶液を使用することが可能である。
ドレーン管10が敷設予定位置に到達したら、鞘管30を土中で切り離し、第二の鞘管30bのみを引き抜く。この引き抜き工程では、ドレーン管10の内部に配置した前記振動装置を起動し、これを移動させながら液状化層21を振動で締め固め、ドレーン管10と液状化層21との間に間隙ができないようにする。ドレーン管10の後端は、切り離されて土中に残された第一の鞘管30aに接続させて地中に残置する。引き抜き側の第二の鞘管30bが地表に到達した時点で拡削リーマー24による掘削を終了し、さらに、必要な位置に必要な長さのドレーン管が地中に露出するまで、第二の鞘管30bの引き抜き工程を続ける。
以上のように、本発明では、既設構造物20の直下区間のみにドレーン管10を敷設し、ドレーン管10の両端に第一の鞘管30a及び第二の鞘管30bを接続するので、従来のように鞘管の全長を地盤から引き抜く工法よりも、引き抜き長さが短くなるため、引き抜き抵抗を減じることができると共に工期の短縮が図れる。
<第三の実施形態>
第三の実施形態は、既設構造物の下部地盤を横断するようにドレーン管を設け、地震時に生じる過剰間隙水圧をドレーン管を介して地上空間(大気中)まで伝達することにより、この下部地盤に生じる液状化を抑制する工法であり、その主要工程として、ガイド管の敷設工程、ドレーン管の敷設工程及び鞘管全長の引き抜き工程を備えるものである。
[ドレーン管等の詳細]
第三の実施形態では、図示は省略し、第一及び第二の実施形態を参照して説明する。
ドレーン管は第一及び第二の実施形態と同様のものを使用する。またドレーン管の内部には、ワイヤーにより連結された複数の振動装置を設置し、ワイヤーの端部をドレーン管のキャップに接続する。また鞘管は、第二の実施形態と同様に、引張耐力がある一方でフレキシブルかつ安価な塩化ビニール管やポリエチレン管等を使用するものであるが、第二の実施形態とは異なり、中間部分で分離するものではなく、継手などにより連続したものを使用する。
[ガイド管の敷設工程]
ガイド管の敷設工程は、第三の実施形態においても、慣用の誘導式ボーリング装置を使用して第一及び第二の実施形態と同様に行う。
[ドレーン管の敷設工程]
次に、第二の実施形態と同様に、地表に突き出たガイド管の先端に拡削リーマーを取り付け、この拡削リーマーに自在ジョイントを介して鞘管を装着する。鞘管の内部にはドレーン管を挿着し、拡削リーマーにより液状化層を拡大掘削しながら、既設構造物の逆側の地表に向けて鞘管及びドレーン管を同時に引き込む。鞘管及びドレーン管が地表に到達したら、拡削リーマーを取り外す。
[鞘管の引き抜き工程]
拡削リーマーを取り外したら、ドレーン管を液状化層内に残して鞘管のみを引き抜く。この引き抜き工程では、ドレーン管内に配置した前記振動装置を起動し、これを移動させながら振動をドレーン管や鞘管を介して液状化層に伝達し、これにより液状化層を締め固めて、ドレーン管と液状化層との間に生じる間隙を抑制する。
以上のように、第三の実施形態では、液状化層と鞘管の両方に振動を伝達しながら、鞘管の全長を地盤から引き抜くため、地盤との間隙の抑制と共に引き抜き抵抗を減じることが可能になった。
(a)は第一の実施形態で使用するドレーン管、その他の部材及び装置を示した図であり、(b)はワイヤーと補剛部材を示した図である。 (a)〜(c)は図1とは異なるドレーン管及びその他の部材を示した図である。 (a)(b)は第一の実施形態における各工程を示した図である。 (a)は第二の実施形態で使用するドレーン管、鞘管及びその他の装置を示した図であり、(b)(c)は第一の鞘管及び第二の鞘管の接続状態を解除する手段を示した図である。 (a)〜(c)は第二の実施形態における各工程を示した図である。
符号の説明
10 ドレーン管
14 補剛部材
15 ワイヤー(引張り補強材)
20 既設構造物
21 液状化層
23 ガイド管
24 拡削リーマー
30 鞘管
30a 第一の鞘管
30b 第二の鞘管

Claims (2)

  1. 既設構造物の下部地盤にドレーン管を設け、地震時に生じる過剰間隙水圧をドレーン管に伝えることにより、下部地盤の地震時の液状化を抑制する工法であって、
    既設構造物の下部地盤を横断する掘削孔を誘導式ボーリング装置により形成する工程と、該掘削孔内で圧力流体を噴出すると共に振動を加えて拡大掘削しながらドレーン管を引き込む工程とを含み、該ドレーン管に所定間隔で補剛部材を固定し、これら補剛部材間に引張り補強材を接続し、前記ドレーン管の引き込み工程における引張力の少なくとも一部を前記引張り補強材に負担させることを特徴とする地盤の液状化抑制工法。
  2. 既設構造物の下部地盤にドレーン管を設け、地震時に生じる過剰間隙水圧をドレーン管に伝えることにより、下部地盤の地震時の液状化を抑制する工法であって、
    既設構造物の下部地盤を横断する掘削孔を誘導式ボーリング装置により形成する工程と、該掘削孔内で圧力流体を噴出すると共に振動を加えて拡大掘削しながら鞘管及びドレーン管を引き込む工程と、該引き込み工程において前記ドレーン管が敷設予定位置に到達したときに前記鞘管を所定位置で切り離し、ドレーン管を地盤内に残し、地盤に振動を加えながら鞘管の一方を所定位置まで引き動かす工程とを含むことを特徴とする地盤の液状化抑制工法。
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