JP4629209B2 - 内視鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用、工業用等に用いられる内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野においては、消化管等の検査、治療等のために、内視鏡が用いられている。このような内視鏡は、管腔に挿入する長尺の挿入部と、該挿入部の基端側に設けられた操作部とを有し、挿入部を患者の管状器官(管腔)の内部に挿入して使用する。挿入部の管腔への挿入は、挿入部の基端側(手元側)に押し込み力や捩じりを加えて、挿入部を管腔内に前進させることにより行われる。
【0003】
しかし、体内の管腔は、複雑に屈曲しているため、挿入部の基端部に加えた操作力のみで長尺な挿入部の先端部を前進させることは容易ではない。特に、例えば小腸や大腸のような体腔の深部にまで挿入する場合には、挿入部の基端部に加えた押し込み力や捩じりが先端部まで伝わりづらく、そのため、目的部位まで挿入する操作は、困難で、高度な熟練を要するものとなっている。
【0004】
そこで、このような難しい挿入操作の容易化を図るため、内視鏡に駆動源を設け、その駆動源の駆動により、管腔内で挿入部がその先端方向への推進力を得られるようにした内視鏡が、特許第3009603号公報に開示されている。同公報に開示された内視鏡(以下、「エンドレスベルト式内視鏡」と言う。)は、操作部に駆動源を設け、挿入部の外周部に長手方向に沿って設置した4本のエンドレスベルトを前記駆動源によって無限軌道のように駆動することにより、挿入部がその先端方向への推進力を得るよう構成されている。
【0005】
しかしながら、このエンドレスベルト式内視鏡には、次のような欠点がある。
第一に、従来の内視鏡と比べて、部品点数が大幅に多くなり、構造が極めて複雑化するという欠点がある。すなわち、エンドレスベルト式内視鏡では、前記エンドレスベルトに加え、挿入部の外周面には、4本のエンドレスベルトを保持するガイドフックが多数設置され、また、挿入部の内部には、エンドレスベルトを挿通するガイドパイプがエンドレスベルトと同じ本数だけ設置されている。さらに、操作部には、エンドレスベルトを駆動するモーターやギアボックスが内蔵されている。このような構造の複雑化により、エンドレスベルト式内視鏡には、製造コストが大幅に増大するという問題がある。また、内視鏡の手入れや保守が煩雑となる問題もある。
【0006】
第二に、前述したように挿入部の内部にエンドレスベルトを挿通するための専用のガイドパイプを4本も設置しなければならないことから、挿入部が大径化するという欠点がある。挿入部が大径化すると、細い管腔に対して挿入できなくなり、また、患者の負担・苦痛が増大するという問題がある。
【0007】
第三に、管腔の内壁に対してエンドレスベルトが摺動して推進力を得る構成であるため、その摩擦により、患者の臓器を損傷するおそれがあるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単な構造で、管腔内で挿入部がその先端方向への推進力を得るよう構成することにより、挿入部の前進を補助し、これにより、管腔への挿入を容易に行うことができる内視鏡を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
【0010】
(1) 管腔に挿入する挿入部と、
前記挿入部の基端側に設けられた操作部と、
前記挿入部内に、その長手方向に沿って形成された通路と、
前記通路の先端付近に、前記通路に沿って移動可能に設置された打体と、
前記打体を往復動させる駆動源と、
少なくともその一部が前記通路内に位置し、前記駆動源の駆動力を前記打体に伝達する伝達部材と、
前記打体が衝突する衝突部とを有し、
前記通路は、前記挿入部の中心軸から偏心した位置に、前記中心軸に重ならないように設けられ、
前記駆動源は、前記操作部またはその近傍に着脱自在に設置されており、
前記駆動源により往復動された前記打体が前記衝突部に繰り返し衝突することにより、前記挿入部がその先端方向への推進力を得るよう構成されていることを特徴とする内視鏡。
【0011】
これにより、簡単な構造で、挿入部にその先端方向への推進力を与えて挿入部の前進を補助することができ、管腔への挿入操作が容易な内視鏡を提供することができる。
【0012】
(2) 前記操作部は、前記挿入部の先端部分の湾曲を遠隔操作する操作ノブを有し、前記駆動源は、前記操作ノブより先端側の部位に設置されている上記(1)に記載の内視鏡。
これにより、内視鏡の操作性を向上することができる。
【0013】
(3) 前記衝突部は、前記挿入部に対し着脱自在に設置された衝突部材で構成され、該衝突部材を前記挿入部から取り外した状態では、前記通路の先端が外部に開放する上記(1)または(2)に記載の内視鏡。
【0014】
これにより、推進機構を使用しない場合には、挿入部内の通路を他の用途に使用することができる。
【0015】
(4) 前記挿入部に対し、前記衝突部材を回転させることによって、前記衝突部材が着脱される上記(3)に記載の内視鏡。
これにより、衝突部材の着脱を容易に行うことができる。
【0016】
(5) 前記打体および前記伝達部材が、前記挿入部に対し、着脱自在に設置されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の内視鏡。
【0017】
これにより、推進機構を使用しない場合には、挿入部内の通路に処置具等を挿通して使用することができる。
【0018】
(6) 前記伝達部材が、前記駆動源に対し、着脱自在に接続されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、伝達部材および打体を挿入部から容易に取り外すことができる。
【0019】
(7) 前記伝達部材と前記駆動源との接続部分が外部に露出している上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、伝達部材と駆動源との着脱を容易に行うことができる。
【0020】
(8) 前記打体の衝突条件を調整可能である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、挿入部に作用する推進力を調節することができる。
【0021】
(9) 前記打体の往復動のストロークを調整可能である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、挿入部に作用する推進力を調節することができる。
【0022】
(10) 前記打体の往復動の周期を調整可能である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、挿入部に作用する推進力を調節することができる。
【0023】
(11) 前記伝達部材は、帯状材を螺旋状に巻回して形成されたコイルを有する上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、挿入部に作用する推進力を調節することができる。
【0024】
(12) 前記駆動源は、ソレノイドである上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、簡素な構造で上記効果が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内視鏡を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0026】
<第1実施形態>
図1は、本発明の内視鏡の第1実施形態を示す側面図、図2は、図1中のX−X線横断面図、図3は、図1に示す内視鏡(電子スコープ)1の挿入部2の先端部を示す半縦断面図、図4は、打体5および伝達部材6の側面図、図5は、操作部3に対するロータリーソレノイド4の取り付け状態を示す平面図、図6は、操作部3に対するロータリーソレノイド4の取り付け状態を示す底面図、図7は、ロータリーソレノイド4を制御する回路構成例を示すブロック図である。なお、図3は、通路16、打体5および伝達部材6等の構成例を示すことを目的として、簡素化して表した図であり、後述する挿入部2の内蔵物等の図示は省略されている(後述する図8においても同様)。また、以下の説明では、図1中の左側を「基端」、右側を「先端」、上側を「上」、下側を「下」、図1の紙面に垂直な方向について、奥側を「左」、手前側を「右」と言う。
【0027】
これらの図に示す内視鏡1は、長尺の挿入部2と、挿入部2の基端側に設けられた操作部3と、打体5と、打体5を往復動させる駆動源としてのロータリーソレノイド4と、ロータリーソレノイド4の駆動力を打体5に伝達する伝達部材6と、ロータリーソレノイド4を制御する制御部8と、操作部3に接続された接続部可撓管30とを有している。以下、各部の構成について説明する。
【0028】
挿入部2は、生体の管腔(管状器官)の内部に挿入する部分であり、長尺の管状部材の内部に、後述する各種の内蔵物が配設された構成となっている。
【0029】
挿入部2の全長の大部分(先端付近を除いた部分)は、可撓性(弾力性)を有する可撓管部21で構成されている。可撓管部21の外装は、内視鏡用可撓管で構成されている。内視鏡用可撓管は、帯状材を螺旋状に巻回して形成された螺旋管23と、金属製または非金属製の細線を編組して形成され、螺旋管23の外周を被覆する網状管24と、合成樹脂等の弾性材料で構成され、網状管24の外周を被覆する外皮25とで構成されている。なお、図2に示す構成では、螺旋管23は、2重に設けられている。
【0030】
挿入部2の先端付近の部分は、湾曲部22で構成されている。湾曲部22の外装は、湾曲管で構成されている。湾曲管は、互いに回動自在に連結された複数の節輪(図示せず)と、該節輪の外周に被覆された網状管24と、網状管24の外周に被覆された外皮25とで構成されている。このような湾曲部22は、後述するように、その湾曲を遠隔操作することができるようになっている。
【0031】
挿入部2(湾曲部22)の先端部には、観察部位における被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設けられている。
【0032】
図2に示すように、挿入部2の内部には、光ファイバー束によるライトガイド11と、画像信号ケーブル12と、湾曲操作ワイヤー13と、伝達部材挿通用チューブ14と、送気・送液用チューブ15とが、それぞれ、長手方向に沿って挿通・設置されている。送気・送液用チューブ15の内部を通して、挿入部2の先端から管腔内に送気・送液を行うことができるようになっている。
【0033】
伝達部材挿通用チューブ14の内部(中空部)は、伝達部材6および打体5が設置(挿通)される通路16となるものである。通路16は、図示の構成では挿入部2の中心軸26から図3中の下方向に偏心した位置に設けられているが、このような構成に限らず、挿入部2と同心的に設けられていてもよい。
【0034】
挿入部2の基端部は、操作部3に接続されている。操作部3は、術者が把持して、内視鏡1全体を操作する部分である。操作部3の側部には、基端寄りに、操作ノブ31が設置されている。この操作ノブ31を操作すると、挿入部2内に配設された湾曲操作ワイヤー13が牽引され、湾曲部22の湾曲方向および湾曲の度合いを自由に操作することができる。
【0035】
図1に示すように、操作部3の先端付近には、斜め上方に突出する突出部32が形成されている。通路16は、挿入部2内から操作部3の内部に連続して形成され、さらに、突出部32内に連続して形成されている。そして、突出部32には、通路16の基端開口部17が設けられている。通路16は、この基端開口部17において、やや斜め上方に向かって外部に開放している。
【0036】
操作部3の下部には、接続部可撓管30の一端が接続されており、接続部可撓管30の他端は、光源差込部(図示せず)に接続されている。光源差込部には、画像信号用コネクタ(図示せず)および光源用コネクタ(図示せず)が設けられており、内視鏡1は、この両コネクタを介して、光源プロセッサ装置(図示せず)に接続される。さらに、光源プロセッサ装置は、ケーブルを介してモニタ装置(図示せず)に接続されている。
【0037】
光源プロセッサ装置内の光源から発せられた光は、光源差込部内、接続部可撓管30内、操作部3内、挿入部2内に連続して配設されたライトガイド11を通り、挿入部2(湾曲部22)の先端部より観察部位に照射され、照明する。
【0038】
前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、撮像素子で撮像される。撮像素子で撮像された被写体像に応じた画像信号は、バッファ(図示せず)を介して出力される。
【0039】
この画像信号は、挿入部2内、操作部3内および接続部可撓管30内に連続して配設され、撮像素子と画像信号用コネクタとを接続する画像信号ケーブル12を介して、光源差込部に伝達される。
【0040】
そして、光源差込部内および光源プロセッサ装置内で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理等)がなされ、その後、モニタ装置に入力される。モニタ装置では、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、すなわち動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
【0041】
なお、本発明は、内視鏡1のような電子内視鏡に限らず、ファイバー内視鏡を含め各種の内視鏡に適用することができることは、言うまでもない。
【0042】
図3に示すように、通路16(挿入部2)の先端部には、衝突部27が形成されている。通路16の先端部は、衝突部27により封止されており、閉塞している。
【0043】
通路16の先端付近には、全体形状としてほぼ円柱状をなす打体(ハンマー)5が通路16の長手方向に沿って移動可能に設けられている。すなわち、打体5は、衝突部27の基端側に位置している。打体5は、ロータリーソレノイド4によって、通路16の長手方向に沿って往復動され、その先端面(先端部)51が衝突部27の基端面271に繰り返し衝突することにより、挿入部2に対し、その先端方向への推進力(以下、単に「推進力」と言う。)を与えるものである。
【0044】
打体5の構成材料としては、特に限定されず、金属材料、非金属材料ともに使用することができるが、例えば、鉄、ステンレス鋼、チタン、タングステン、真鍮、または銅等の比較的比重が大きい金属材料が好ましく用いられる。これにより、打体5の外形を小さくした場合でも、大きな推進力が得られる。また、打体5の外面は、樹脂等の膜により被覆されていてもよい。
【0045】
打体5の基端部は、伝達部材6の先端部に連結されている。ここで、打体5は、条件の異なる同様の打体5、例えば重さの異なる打体5に交換できるようになっていてもよい。これにより、打体5が挿入部2に与える打力を調整して、挿入部2の推進力を調節することができる。この場合、打体5の交換は、打体5と伝達部材6とを着脱自在として、伝達部材6に対して交換してもよく、挿入部2に対して打体5と伝達部材6とをセットで交換してもよい。
【0046】
図3および図4に示すように、伝達部材6は、長尺(細長)の部材であり、帯状材を螺旋状に隙間なく巻回して形成された可撓性を有するコイル部61と、コイル部61の基端部に連結された棒状のロッド部62とで構成されている。コイル部61は、伝達部材6の全長の大部分を構成しており、通路16内に長手方向に沿って設けられている。そして、ロッド部62の一部は、通路16の基端開口部17から外部に露出している。
【0047】
伝達部材6のうちの挿入部2内に位置する部分が前記コイル部61で構成されていることにより、伝達部材6が挿入部2の可撓管部21や湾曲部22の湾曲を妨げることがないとともに、可撓管部21や湾曲部22が湾曲状態にあるときでも、ロータリーソレノイド4の駆動力を高い効率(少ない損失で)で打体5に伝達することができる。
【0048】
ロータリーソレノイド4は、打体5を通路16に沿って繰り返し往復動させるものである。図1に示すように、ロータリーソレノイド4は、台座9を介して、操作部3の側部の長手方向ほぼ中央に設置されている。すなわち、ロータリーソレノイド4は、操作ノブ31より先端側の部位に設けられている。これにより、操作ノブ31を操作する際に、ロータリーソレノイド4が邪魔になることがなく、内視鏡1の操作性を損なわない。
【0049】
図5および図6に示すように、台座9は、左カバー91と、右カバー92と、延長板93と、取り付け板94とを有している。
【0050】
左カバー91と右カバー92とは、それぞれ、断面が略「コ」の字状をなす部材である。そして、左カバー91と右カバー92とは、筒状をなすように組み合わせた状態で互いに連結され、その中空部に操作部3の中央部を挿通している。すなわち、左カバー91と右カバー92とは、それぞれ、操作部3を左右から挟むようにして、操作部3に固定されている。
【0051】
右カバー92の下端部には、右方向に突出する延長板93が設けられている。延長板93の上面には、延長板93に対し垂直に、取り付け板94が設置されている。この取り付け板94にロータリーソレノイド4が固定されている。
【0052】
取り付け板94は、延長板93に設けられた2つのネジ孔にそれぞれ挿通した小ネジ97a、97bによって、延長板93に対し固定されている。小ネジ97a、97bのうち基端側に位置する小ネジ97aが挿通するネジ孔は、長孔98になっている。
【0053】
取り付け板94は、操作部3に対して傾斜した向きで設けられており、これにともなって、ロータリーソレノイド4も操作部3に対して傾斜して設置されている。これにより、ロータリーソレノイド4は、通路16の基端部(突出部32内に形成された部分)の傾斜に沿って、伝達部材6のロッド部62を円滑に往復動させることができるようになっている。
【0054】
そして、長孔98に対する小ネジ97aの位置を調整することにより、ロータリーソレノイド4の操作部3に対する傾斜角度を微調整することができる。これにより、通路16の基端部の傾斜に合わせて、ロータリーソレノイド4を設置することができる。
【0055】
図6に示すように、左カバー91および右カバー92の下部同士は、ヒンジ95によって連結されており、左カバー91および右カバー92は、相対的に回動可能になっている。
【0056】
図5に示すように、左カバー91および右カバー92の上部同士は、止め具96によって着脱自在に連結されている。止め具96は、左カバー91の上部に左カバー91に対して回動自在に設けられたレバー961と、レバー961に連結された環状のリング962と、右カバー92の上部に固定されたフック963とを有している。
【0057】
止め具96は、リング962をフック963に引っ掛けて、レバー961を倒すことにより、左カバー91および右カバー92の上部同士を連結する。その状態から、レバー961を起こし、リング962とフック963との係合を解除することにより、左カバー91および右カバー92の上部同士の連結が解除される。
【0058】
止め具96による左カバー91および右カバー92の上部同士の連結を解除した状態で、左カバー91および右カバー92をヒンジ95を回動中心として開くことにより、台座9を操作部3から取り外すことができる。また、逆の手順により、台座9を操作部3に装着することができる。
【0059】
このようにして、ロータリーソレノイド4は、台座9とともに、操作部3に対し容易かつ迅速に着脱することができる。これにより、使用後の洗浄・消毒時には、ロータリーソレノイド4を取り外すことにより、洗浄・消毒を容易かつ確実に行うことができる。また、ロータリーソレノイド4の防水性、耐熱性等が不要であり、より安価に製造することができる。
【0060】
ロータリーソレノイド4は、取り付け板94に固定されたケース(ステーター)41と、ケース41に対し回動可能に設置されたローター42とを有している。
【0061】
また、ロータリーソレノイド4は、制御部8に対し、リード線85で電気的に接続されている。そして、ロータリーソレノイド4は、制御部8から通電されると、ローター42がスタート位置から所定角度回動し、通電が解除されると、ローター42がケース41内に設置されたリターンスプリングの付勢力によりスタート位置に戻る。
【0062】
リード線85は、図示の構成と異なり、操作部3および接続部可撓管30等の内部に配設されていてもよい。これにより、操作性がより向上する。
【0063】
図7に示すように、制御部8は、その内部に電源回路81と駆動回路82とを有し、ロータリーソレノイド4を制御・駆動する。
【0064】
電源回路81は、電源に接続されており、駆動回路82に電力を供給する。電源回路81の電源としては、特に限定されず、例えば、前記光源プロセッサ装置と共通の電源や、それと別系統の電源、または電池等を使用することができる。
【0065】
駆動回路82は、供給された電力を、例えばパルス波(矩形波)状に周期的に変化する電圧を出力するように変換して発振し、ロータリーソレノイド4に供給する。これにより、ロータリーソレノイド4は、通電状態と非通電状態とが周期的に繰り返され、ローター42が周期的に往復回動する。この場合、駆動回路82の発振周波数としては、特に限定されないが、2〜30ヘルツ程度であるのが好ましく、5〜15ヘルツ程度であるのがより好ましい。
【0066】
ローター42には、アーム44の一端部が例えばネジ止めにより固定されている。そして、アーム44の他端部には、その長手方向に沿って長孔45が設けられており、ピンスライダ46が設置されている。このピンスライダ46は、アーム44に対し、回動自在、かつ長孔45に沿って移動自在になっている。
【0067】
図5に示すように、ピンスライダ46には、雌ネジが切られた雌ネジ部461が設けられており、伝達部材6のロッド部62の基端側には、雌ネジ部461に対応する雄ネジが切られた雄ネジ部が形成されている。そして、ロッド部62の前記雄ネジ部がピンスライダ46の雌ネジ部461に螺合することにより、伝達部材6とアーム44とがピンスライダ46を介して接続(連結)されている。これにより、ロッド部62は、アーム44に対し、回動自在、かつ長孔45に沿って移動自在に接続されている。アーム44とロッド部62とは、ローター42が回動する範囲において、アーム44とロッド部62とのなす角が直角に近いような位置関係で接続されているのが好ましい。
【0068】
また、ピンスライダ46は、小ネジ47の固定を解除することにより、アーム44の長孔45から容易に取り外すことができ、これにより、アーム44と伝達部材6のロッド部62とは、着脱自在になっている。よって、アーム44と伝達部材6のロッド部62との接続を解除し、突出部32の基端開口部17から伝達部材6を引き抜けば、伝達部材6および打体5を挿入部2から容易に取り外すことができる。
【0069】
ロータリーソレノイド4が駆動されてローター42が往復回動すると、ローター42に取り付けられたアーム44が伝達部材6のロッド部62を通路16の基端部に沿って往復動させる。このとき、前述したように、ロッド部62がピンスライダ46を介してアーム44に接続されていることにより、ローター42の回転運動が伝達部材6の往復運動に円滑に変換して伝達される。
【0070】
このように、伝達部材6が通路16の長手方向に沿って往復動すると、伝達部材6の先端に取り付けられた打体5もこれに伴なって繰り返し往復動する。このように、ロータリーソレノイド4の駆動力が伝達部材6によって打体5に伝達され、打体5が通路16の長手方向に沿って、周期的に繰り返し往復動する。
【0071】
ここで、本実施形態においては、伝達部材6のロッド部62をピンスライダ46に対して軸周りに回転させることにより、打体5の往復動のストロークを調節することができる。すなわち、前述したように、ロッド部62の基端側に形成された前記雄ネジ部は、ピンスライダ46の雌ネジ部461に螺合しているので、ロッド部62を軸周りに回転させることにより、ロッド部62(伝達部材6)のアーム44(ロータリーソレノイド4)に対する接続位置が移動する。これにより、ロータリーソレノイド4のローター42の前記スタート位置に対応する打体5の位置が移動する。打体5の往復動のストロークは、この位置から衝突部27に衝突するまでの距離であるので、このようにして打体5の往復動のストロークを調節することができる。
【0072】
このようにして打体5の往復動のストロークを調節することにより、ローター42の可動範囲の中のどの位置で、打体5が衝突部27に衝突するかを容易に調整することができる。すなわち、ローター42の可動範囲の途中の一定の範囲で打体5が衝突するように調整すると大きい打力が得られ、ロータリーソレノイド4の駆動力を効率良く挿入部2の推進力に活用することができるが、本実施形態では、その調整を容易に行うことができる。
【0073】
ロータリーソレノイド4により往復動された打体5は、挿入部2の先端部に形成された衝突部27の基端面271に繰り返し衝突する。これにより、打体5が、挿入部2に対し先端方向への力を与え、挿入部2が推進力を得る。
【0074】
この推進力によって、挿入部2が管腔内を先端方向に前進することが補助されるため、内視鏡1は、挿入の操作が極めて容易なものとなる。特に、挿入部2の基端側に加えた押し込み力や捩じりが伝わりにくい挿入部2の先端部に集中して推進力が得られるため、推進力が有効に作用する。
【0075】
また、挿入部2が管腔の屈曲に沿って湾曲した状態のときでも、前述したようにロータリーソレノイド4の駆動力が高い効率で打体5に伝達され、大きな推進力が得られる。
【0076】
また、打体5が挿入部2の先端部に繰り返し衝突することにより、挿入部2が微振動する。これにより、挿入部2と管状器官の内壁とが密着することが防止され、挿入部2と管腔との摩擦が減少して抵抗が小さくなり、さらに容易に挿入することができる。
【0077】
なお、このような、挿入部2に対し推進力を与える機構を、以下、「推進機構」と言う。
【0078】
内視鏡1では、打体5の衝突条件の調整(設定)によって、挿入部2に作用する推進力の強弱(挿入部2が前進するスピード)を調節することができる。ここで、打体5の衝突条件とは、前述したような打体5の重さおよび打体5の往復動のストロークのほか、以下に述べるような、打体5の往復動の周期、打体5の打力(駆動源の駆動力)等を言う。なお、打体5の衝突条件は、前述したものに限定されず、本発明においては、それらの衝突条件の少なくとも1つを調整(設定)可能であるのが好ましい。
【0079】
打体5の往復動の周期は、本実施形態においては、制御部8に設けられた駆動回路82からの発振周波数を変更することにより、調節できるようになっている。すなわち、発振周波数を調整することにより、打体5の往復動の周期が変わり、単位時間当たりに打体5が衝突部27に衝突する回数が増減する。よって、駆動回路82の発振周波数を調整することにより、挿入部2が前進するスピードを調節することができる。ただし、発振周波数が大きすぎると、ローター42の動きが駆動パルスに追従できなくなることがあるので、発振周波数は、前述した範囲にあるのが好ましい。
【0080】
打体5の打力(駆動源の駆動力)は、本実施形態においては、駆動回路82からの出力電圧の大きさを調整することにより、調節できるようになっている。これにより、ローター42の回転力の強弱を調整し、打体5が衝突部27の基端面271を叩く打力の強弱を調整することができる。
【0081】
出力電圧の大きさは、例えば、出力パルスのデューティー比(パルスの1周期のうちの通電時間の割合を百分率で表したもの)を変化させることにより調整することができる。この場合、デューティー比は、電源回路81の出力電圧や内視鏡の種類・用途等によってもその好ましい値は異なるが、通常、10〜75%程度であるのが好ましく、12.5〜50%程度であるのがより好ましい。
【0082】
駆動回路82の発振周波数(挿入部2が前進するスピード)の調整および打体5の打力の調整は、それぞれ、制御部8に設けられた周波数調整ツマミ83および打力調整ツマミ84を操作して調整することができるようになっている。また、周波数調整ツマミ83および打力調整ツマミ84は、操作部3に設けられていてもよい。これにより、操作性がより向上する。
【0083】
次に、第1実施形態の内視鏡1の使用方法(作用)の一例について説明する。
[1]衝突条件の初期設定
挿入の操作開始前に、症例、患者の体格、挿入目的部位等に合わせて、前述した衝突条件を調整することにより、挿入部2に作用する推進力の強弱を調節する。
【0084】
すなわち、所望の重さの打体5を選択して装着し、ロッド部62のアーム44に対する接続位置の調整を行う。また、周波数調整ツマミ83および打力調整ツマミ84を操作して、挿入部2が前進するスピードおよび打体5の打力を調整する。
【0085】
なお、これらの初期設定は、必要に応じて行えばよく、使用の度に調整しなくてもよい。
【0086】
[2]挿入の操作
挿入の操作は、推進機構を有しない従来の内視鏡と同様に、挿入部2の基端部に押し込み力や捩じりを加え、挿入部2を管腔内に前進させる。この場合、本発明によれば、前述したように、推進機構によって挿入部2の管腔内での前進が補助されるため、特に体腔の深部にまで挿入するような場合であっても、極めて容易に挿入することができる。
【0087】
また、挿入の操作の最中においても、周波数調整ツマミ83および打力調整ツマミ84を操作することにより、挿入部2が前進するスピード(挿入部2の推進力)を所望に調節することができる。これにより、管腔の屈曲の度合いや患者の状況などを判断しながら、所望のスピード(推進力)が得られる。
【0088】
目的部位まで挿入が完了したら、必要に応じ、ロータリーソレノイド4を操作部3から取り外してもよい。これにより、操作部3が軽量化され、操作性がより向上する。
【0089】
[3]推進機構を使用しない場合
挿入目的部位が浅い場合などの、推進機構を使用する必要がない場合には、挿入の操作開始前に、打体5および伝達部材6を挿入部2から取り外すとともに、ロータリーソレノイド4を操作部3から取り外す。これにより、内視鏡1は、従来の内視鏡と同等の操作性を有し、従来の内視鏡と同様に使用することができる。
【0090】
<第2実施形態>
図8は、本発明の内視鏡の第2実施形態における挿入部2の先端部を示す半縦断面図である。
【0091】
以下、この図を参照して本発明の内視鏡の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0092】
本実施形態は、衝突部の構成が異なる以外は前記第1実施形態と同様である。
図8に示すように、本実施形態の衝突部は、前記第1実施形態の衝突部27と異なり、通路16の先端部に着脱自在に設置された衝突部材7で構成されている。
【0093】
衝突部材7は、全体形状として略円柱状をなしており、挿入部2の先端部に装着された状態では、通路16の先端を封止する。そして、衝突部材7を挿入部2から取り外した状態では、通路16の先端は、挿入部2の先端において、外部に開放する。
【0094】
ロータリーソレノイド4により往復動された打体5は、衝突部材7の基端面71に繰り返し衝突して、挿入部2に推進力を与える。これにより、本実施形態では、前記第1実施形態と同様に、挿入の操作が容易となる効果が得られる。
【0095】
衝突部材7は、挿入部2に対し、挿入部2の長手方向とほぼ平行な軸の周りに回転することによって着脱されるものであるのが好ましく、その中でも螺合によって着脱されるものであるのがより好ましい。これにより、打体5の衝突方向と異なる方向の操作で衝突部材7の着脱がなされるので、衝突部材7は、打体5から衝撃を繰り返し受けても、挿入部2に対し、固定が緩んだり、外れたりするおそれがない。また、着脱操作が容易である。
【0096】
このように衝突部材7が取り外し可能であることから、本実施形態の内視鏡1は、従来の通常の内視鏡と同様に、洗浄機等での洗浄を容易に行うことができる。すなわち、衝突部材7を取り外すことによって通路16内に入った水などを容易に排出することができるので、基端開口部17に防水栓等を装着する必要がない。
【0097】
また、衝突部材7を挿入部2の先端部に対して着脱する操作は、例えば、衝突部材7の先端面に所定形状の溝を形成し、この溝に係合可能な突起部を備えた治具を使用して、衝突部材7を挿入部2の先端部に対して螺合すること等によって行うことが好ましい。
【0098】
衝突部材7の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等の各種金属材料や各種セラミックス等を挙げることができる。また、X線造影性を有する材料で構成するのが好ましい。これにより、別途X線マーカーを設けなくても、X線透視下で挿入部2の先端位置を確認することができる。
【0099】
次に、第2実施形態の内視鏡1の使用方法(作用)の一例について説明する。
[1]衝突条件の初期設定
前記第1実施形態と同様。
【0100】
[2]挿入の操作
前記第1実施形態と同様。
【0101】
[3]推進機構を使用しない場合
挿入目的部位が浅い場合などの、推進機構を使用する必要がない場合には、挿入の操作開始前に、打体5および伝達部材6を挿入部2から取り外すとともに、ロータリーソレノイド4を操作部3から取り外す。
【0102】
さらに、衝突部材7を挿入部2の先端部から取り外す。これにより、通路16は、基端開口部17から挿入部2の先端まで貫通する。そして、この場合、通路16を他の用途に使用することができる。通路16の他の用途としては、特に限定されず、例えば、以下のようなものが挙げられる。
【0103】
・生検鉗子、把持鉗子等の鉗子類、体温センサー等の各種センサー類、心電測定用等の電極、ナイフ、レーザーメス等の切開具類、造影チューブ、洗浄チューブ、ドレナージチューブ等の各種チューブ類(カテーテル類)、破砕プローブ(破石具)、ヒートプローブ、注射針、結紮具、ワイヤー類等の各種の処置具(検査具)を挿入する処置具挿通チャンネル。
【0104】
・挿入部2の先端から水等の流体を噴射して観察部位の血液や粘膜を除去したり、治療用の薬液の注入等を行うための送液(送気)チャンネル。
【0105】
・体液のサンプリングや、送液した流体の排出等を行うための吸引チャンネル。
【0106】
このように、本実施形態では、推進機構を使用する必要がない場合には、伝達部材6の挿入空間である通路6を他の用途に使用することができる。これにより、内視鏡の多機能性を維持することができる。
【0107】
以上、本発明の内視鏡について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、内視鏡を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0108】
例えば、打体5を往復動させる駆動源は、ロータリーソレノイド4のような構成に限らず、例えばプランジャを直線運動させる直動型ソレノイドや、モーター、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、圧電アクチュエータ等、打体5を往復動させられるものであればいかなるものであってもよい。
【0109】
また、駆動源と伝達部材との間には、回動機構、リンク機構、カム機構、歯車機構、プーリーおよびベルト等の、動力を伝達し得る任意の機構が存在していてもよい。
【0110】
また、伝達部材6は、図示のような構成に限らず、ロータリーソレノイド4の駆動力を打体5に伝達して打体5を往復動させることができるものであって、挿入部2の湾曲を妨げないものあれば、いかなるものであってもよい。
【0111】
また、衝突部27は、図示のような通路16の先端を封止するものに限らず、打体5の形状・姿勢等との関係において打体5が衝突可能なものであればいかなるものでもよく、例えば、通路16の先端部の内径が縮小した縮径部や、複数の小孔を有する格子状の枠部等で構成されていてもよい。また、衝突部材7も図示の構成に限らず、例えば、挿入部2の先端部に装着された状態で、上述したような縮径部や枠部等を形成するような形状のものであってもよい。
【0112】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、駆動源の駆動により、管腔内で挿入部がその先端方向への推進力を得られる。そして、この推進力によって挿入部の前進が補助され、管腔への挿入を容易に行うことができる。
【0113】
また、簡単な構造で上記効果を達成することができ、比較的安価に製造することができるとともに、信頼性が高く、保守も容易である。
【0114】
また、従来の内視鏡に対して設計変更点が少なく、少数の部品を追加することで構成することができるため、通常の内視鏡にオプションとして設定することもできる。
【0115】
また、推進機構を使用する必要がない場合には、駆動源を取り外すことにより、従来の内視鏡と同等の操作性を有する。そして、駆動源を取り外すことにより、洗浄・消毒も従来の内視鏡と同様に行うことができる。
【0116】
さらに、挿入部の外形は、従来の内視鏡とほぼ同様であり、推進機構が挿入部の外部に露出しないので、安全性が極めて高い。
【0117】
また、衝突部材を用いる場合には、推進機構を使用しないときには伝達部材の挿入空間である通路を他の用途にも使用することができるので、挿入部を大径化することなく、内視鏡の多機能性を維持することができる。
【0118】
また、打体の衝突条件を調整可能とした場合には、状況に合わせて最適な衝突状態が得られ、効率よく推進補助効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡の実施形態を示す側面図である。
【図2】図1中のX−X線横断面図である。
【図3】本発明の内視鏡の第1実施形態における挿入部の先端部を示す半縦断面図である。
【図4】打体および伝達部材の側面図である。
【図5】操作部に対するロータリーソレノイドの取り付け状態を示す平面図である。
【図6】操作部に対するロータリーソレノイドの取り付け状態を示す底面図である。
【図7】駆動源を制御する回路構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明の内視鏡の第2実施形態における挿入部の先端部を示す半縦断面図である。
【符号の説明】
1 内視鏡
11 ライトガイド
12 画像信号ケーブル
13 湾曲操作ワイヤー
14 伝達部材挿通用チューブ
15 送気・送液用チューブ
16 通路
17 基端開口部
2 挿入部
21 可撓管部
22 湾曲部
23 螺旋管
24 網状管
25 外皮
26 中心軸
27 衝突部
271 基端面
3 操作部
31 操作ノブ
32 突出部
4 ロータリーソレノイド
41 ケース
42 ローター
44 アーム
45 長孔
46 ピンスライダ
461 雌ネジ部
47 小ネジ
5 打体
51 先端面
6 伝達部材
61 コイル部
62 ロッド部
7 衝突部材
71 基端面
8 制御部
81 電源回路
82 駆動回路
83 周波数調整ツマミ
84 打力調整ツマミ
85 リード線
9 台座
91 左カバー
92 右カバー
93 延長板
94 取り付け板
95 ヒンジ
96 止め具
961 レバー
962 リング
963 フック
97a、97b 小ネジ
98 長孔
30 接続部可撓管

Claims (12)

  1. 管腔に挿入する挿入部と、
    前記挿入部の基端側に設けられた操作部と、
    前記挿入部内に、その長手方向に沿って形成された通路と、
    前記通路の先端付近に、前記通路に沿って移動可能に設置された打体と、
    前記打体を往復動させる駆動源と、
    少なくともその一部が前記通路内に位置し、前記駆動源の駆動力を前記打体に伝達する伝達部材と、
    前記打体が衝突する衝突部とを有し、
    前記通路は、前記挿入部の中心軸から偏心した位置に、前記中心軸に重ならないように設けられ、
    前記駆動源は、前記操作部またはその近傍に着脱自在に設置されており、
    前記駆動源により往復動された前記打体が前記衝突部に繰り返し衝突することにより、前記挿入部がその先端方向への推進力を得るよう構成されていることを特徴とする内視鏡。
  2. 前記操作部は、前記挿入部の先端部分の湾曲を遠隔操作する操作ノブを有し、前記駆動源は、前記操作ノブより先端側の部位に設置されている請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記衝突部は、前記挿入部に対し着脱自在に設置された衝突部材で構成され、該衝突部材を前記挿入部から取り外した状態では、前記通路の先端が外部に開放する請求項1または2に記載の内視鏡。
  4. 前記挿入部に対し、前記衝突部材を回転させることによって、前記衝突部材が着脱される請求項3に記載の内視鏡。
  5. 前記打体および前記伝達部材が、前記挿入部に対し、着脱自在に設置されている請求項1ないし4のいずれかに記載の内視鏡。
  6. 前記伝達部材が、前記駆動源に対し、着脱自在に接続されている請求項1ないし5のいずれかに記載の内視鏡。
  7. 前記伝達部材と前記駆動源との接続部分が外部に露出している請求項1ないし6のいずれかに記載の内視鏡。
  8. 前記打体の衝突条件を調整可能である請求項1ないし7のいずれかに記載の内視鏡。
  9. 前記打体の往復動のストロークを調整可能である請求項1ないし8のいずれかに記載の内視鏡。
  10. 前記打体の往復動の周期を調整可能である請求項1ないし9のいずれかに記載の内視鏡。
  11. 前記伝達部材は、帯状材を螺旋状に巻回して形成されたコイルを有する請求項1ないし10のいずれかに記載の内視鏡。
  12. 前記駆動源は、ソレノイドである請求項1ないし11のいずれかに記載の内視鏡。
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