JP4611556B2 - 内視鏡 - Google Patents
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- A61B1/00071—Insertion part of the endoscope body
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用、工業用等に用いられる内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野においては、消化管等の検査、治療等のために、内視鏡が用いられている。このような内視鏡は、管腔に挿入する長尺の挿入部と、該挿入部の基端側に設けられた操作部とを有し、挿入部を患者の管状器官(管腔)の内部に挿入して使用する。挿入部の管腔への挿入は、挿入部の基端側(手元側)に押し込み力や捩じりを加えて、挿入部を管腔内に前進させることにより行われる。
【0003】
しかし、体内の管腔は、複雑に屈曲しているため、挿入部の基端部に加えた操作力のみで長尺な挿入部の先端部を前進させることは容易ではない。特に、例えば小腸や大腸のような体腔の深部にまで挿入する場合には、挿入部の基端部に加えた押し込み力や捩じりが先端部まで伝わりづらく、そのため、目的部位まで挿入する操作は、困難で、高度な熟練を要するものとなっている。
【0004】
そこで、このような難しい挿入操作の容易化を図るため、内視鏡に駆動源を設け、その駆動源の駆動により、管腔内で挿入部がその先端方向への推進力を得られるようにした内視鏡が、特許第3009603号公報に開示されている。同公報に開示された内視鏡(以下、「エンドレスベルト式内視鏡」と言う。)は、操作部に駆動源を設け、挿入部の外周部に長手方向に沿って設置した4本のエンドレスベルトを前記駆動源によって無限軌道のように駆動することにより、挿入部がその先端方向への推進力を得るよう構成されている。
【0005】
しかしながら、このエンドレスベルト式内視鏡には、次のような欠点がある。
第一に、従来の内視鏡と比べて、部品点数が大幅に多くなり、構造が極めて複雑化するという欠点がある。すなわち、エンドレスベルト式内視鏡では、前記エンドレスベルトに加え、挿入部の外周面には、4本のエンドレスベルトを保持するガイドフックが多数設置され、また、挿入部の内部には、エンドレスベルトを挿通するガイドパイプがエンドレスベルトと同じ本数だけ設置されている。さらに、操作部には、エンドレスベルトを駆動するモーターやギアボックスが内蔵されている。このような構造の複雑化により、エンドレスベルト式内視鏡には、製造コストが大幅に増大するという問題がある。また、内視鏡の手入れや保守が煩雑となる問題もある。
【0006】
第二に、前述したように挿入部の内部にエンドレスベルトを挿通するための専用のガイドパイプを4本も設置しなければならないことから、挿入部が大径化するという欠点がある。挿入部が大径化すると、細い管腔に対して挿入できなくなり、また、患者の負担・苦痛が増大するという問題がある。
【0007】
第三に、管腔の内壁に対してエンドレスベルトが摺動して推進力を得る構成であるため、その摩擦により、患者の臓器を損傷するおそれがあるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単な構造で、駆動源によって挿入部に推進力を与えることにより、管腔への挿入を容易に行うことができる内視鏡を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(15)の本発明により達成される。
【0010】
(1) 管腔に挿入する挿入部と、
前記挿入部の基端側に設けられた操作部と、
前記挿入部内に、その長手方向に沿って形成された通路と、
前記通路の先端付近に、前記通路に沿って移動可能に設置された打体と、
前記打体を往復動させる駆動源と、
前記駆動源の駆動力を前記打体に伝達する機能を有し、少なくともその一部が前記通路内に挿入され、少なくともその一部が可撓性を有する長尺な伝達部材と、
前記打体が衝突する衝突部とを備え、
前記駆動源により往復動された前記打体が前記衝突部に繰り返し衝突することにより、前記挿入部がその先端方向への推進力を得るよう構成されており、
前記伝達部材の少なくとも一部の可撓性を調整する可撓性調整手段を設けたことを特徴とする内視鏡。
【0011】
これにより、駆動源から高い効率で挿入部に推進力を与えることができ、管腔への挿入を容易に行うことができる。
【0012】
(2) 前記伝達部材は、螺旋状をなすコイル部を有する上記(1)に記載の内視鏡。
【0013】
これにより、駆動源からより高い効率で挿入部に推進力を与えることができる。
【0014】
(3) 前記可撓性調整手段は、前記コイル部を軸方向に圧縮することにより、前記コイル部の可撓性を調整する上記(2)に記載の内視鏡。
これにより、コイル部の可撓性を容易に調整することができる。
【0015】
(4) 前記可撓性調整手段は、前記コイル部の内側に挿入された線状体を有し、該線状体の張力により前記コイル部を軸方向に圧縮した状態を維持する上記(3)に記載の内視鏡。
これにより、コイル部の圧縮状態を確実に維持することができる。
【0016】
(5) 前記線状体の先端部は、前記コイル部の先端部またはその近傍に連結されており、
前記可撓性調整手段は、前記コイル部の基端側に設けられ、前記線状体を基端方向に牽引する牽引機構を有する上記(4)に記載の内視鏡。
これにより、コイル部を容易かつ確実に圧縮することができる。
【0017】
(6) 前記線状体の先端部は、前記コイル部の先端部またはその近傍に連結されており、
前記可撓性調整手段は、前記線状体の基端部が接続された第1部材と、該第1部材に対し軸方向に移動可能に連結されるとともに前記コイル部の基端部を先端方向に押圧する第2部材とを有し、前記第2部材を前記第1部材に対し先端方向に移動することにより、前記コイル部を軸方向に圧縮する上記(4)に記載の内視鏡。
これにより、コイル部を容易かつ確実に圧縮することができる。
【0018】
(7) 前記第2部材は、前記第1部材に対し螺合により軸方向に移動可能に連結されている上記(6)に記載の内視鏡。
【0019】
これにより、繰り返しの衝撃が作用しても、第1部材と第2部材との連結状態を確実に維持することができる。
【0020】
(8) 前記打体および前記伝達部材が、前記挿入部に対し、着脱自在に装着されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の内視鏡。
【0021】
これにより、推進機構を使用しない場合には、挿入部内の通路を他の用途に使用することができる。
【0022】
(9) 前記伝達部材が前記挿入部に装着された状態で前記伝達部材の可撓性を調整可能である上記(8)に記載の内視鏡。
これにより、挿入操作の途中で伝達部材の可撓性を調整することができる。
【0023】
(10) 前記衝突部は、前記挿入部に対し着脱自在に設置された衝突部材で構成され、該衝突部材を前記挿入部から取り外した状態では、前記通路の先端が外部に開放する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の内視鏡。
【0024】
これにより、推進機構を使用しない場合には、挿入部内の通路に処置具等を挿通して使用することができる。
【0025】
(11) 前記挿入部に対し、前記衝突部材を回転させることによって、前記衝突部材が着脱される上記(10)に記載の内視鏡。
これにより、衝突部材の着脱を容易に行うことができる。
【0026】
(12) 前記打体の衝突条件を調整可能である上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、挿入部に作用する推進力を調節することができる。
【0027】
(13) 前記打体の往復動のストロークを調整可能である上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、挿入部に作用する推進力を調節することができる。
【0028】
(14) 前記打体の往復動の周期を調整可能である上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、挿入部に作用する推進力を調節することができる。
【0029】
(15) 前記駆動源は、ソレノイドである上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の内視鏡。
これにより、簡素な構造で上記効果が得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内視鏡を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0031】
<第1実施形態>
図1は、本発明の内視鏡の第1実施形態を示す側面図、図2は、図1中のX−X線横断面図、図3は、図1に示す内視鏡における挿入部の先端部を示す半縦断面図、図4は、図1中のY−Y線視図、図5は、図1に示す内視鏡における打体および伝達部材の側面図、図6は、図5に示す伝達部材におけるコイル部およびワイヤーを拡大して示す側面図、図7は、図5に示す伝達部材における第1部材および第2部材の縦断面図、図8は、図1に示す内視鏡におけるロータリーソレノイドを制御する回路構成を示すブロック図である。
【0032】
なお、図3は、通路16、打体5および伝達部材6等の構成を示すことを目的として、簡略化して表した図であり、挿入部2の内蔵物等を省略して図示している(後述する図9においても同様)。また、以下の説明では、図1および図3ないし図7中の左側を「基端」、右側を「先端」、上側を「上」、下側を「下」と言う。
【0033】
図1に示す内視鏡(電子スコープ)1は、長尺の挿入部2と、挿入部2の基端側に設けられた操作部3と、挿入部2の内部に形成された通路16の先端部に設置された打体5と、打体5を往復動させる駆動源としてのロータリーソレノイド4と、ロータリーソレノイド4の駆動力を打体5に伝達する伝達部材6と、ロータリーソレノイド4を制御する制御部8とを有している。以下、各部の構成について説明する。
【0034】
挿入部2は、生体の管腔(管状器官)の内部に挿入する部分であり、可撓性(弾力性)を有する挿入部可撓管(内視鏡用可撓管)21と、該挿入部可撓管21の先端に接続された湾曲部22とを有している。
【0035】
挿入部可撓管21は、挿入部2の全長の大半を構成するものであり、図2に示すように、帯状材を螺旋状に巻回して形成された螺旋管23と、金属製または非金属製の細線を編組して形成され、螺旋管23の外周を被覆する網状管24と、合成樹脂等の弾性材料で構成され、網状管24の外周を被覆する外皮25とで構成されている。なお、図2に示す構成では、螺旋管23は、2重に設けられている。
【0036】
挿入部可撓管21の先端側に設けられた湾曲部22は、互いに回動自在に連結された複数の節輪(図示せず)と、該節輪の外周に被覆された網状管24と、網状管24の外周に被覆された外皮25とで構成されている。このような湾曲部22は、後述するように、その湾曲を遠隔操作することができるようになっている。
【0037】
挿入部2(湾曲部22)の先端部には、観察部位における被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設けられている。
【0038】
図2に示すように、挿入部2の内部には、光ファイバー束によるライトガイド11と、画像信号ケーブル12と、湾曲操作ワイヤー13と、伝達部材挿通用チューブ14と、送気・送液用チューブ15とが、それぞれ、長手方向に沿って挿通・設置されている。送気・送液用チューブ15の内部を通して、挿入部2の先端から管腔内に送気・送液を行うことができるようになっている。
【0039】
伝達部材挿通用チューブ14の内部(中空部)は、伝達部材6および打体5が設置(挿入)される通路16となるものである。通路16は、図示の構成では挿入部2の中心軸26から図3中の下方向に偏心した位置に設けられているが、このような構成に限らず、挿入部2と同心的に設けられていてもよい。
【0040】
挿入部2の基端部は、操作部3に接続されている。操作部3は、術者が把持して、内視鏡1全体を操作する部分である。操作部3の側部には、基端寄りに、操作ノブ31が設置されている。この操作ノブ31を操作すると、挿入部2内に配設された湾曲操作ワイヤー13が牽引され、湾曲部22の湾曲方向および湾曲の度合いを自由に操作することができる。
【0041】
図1および図4に示すように、操作部3の先端付近には、斜め上方に突出する突出部32が形成されている。通路16は、挿入部2内から操作部3の内部に連続して形成され、さらに、突出部32内に連続して形成されている。そして、突出部32には、通路16の基端開口部17が設けられている。通路16は、この基端開口部17において、やや斜め上方に向かって外部に開放している。
【0042】
操作部3の下部には、接続部可撓管10の一端が接続されており、接続部可撓管10の他端は、光源差込部(図示せず)に接続されている。光源差込部には、画像信号用コネクタ(図示せず)および光源用コネクタ(図示せず)が設けられており、内視鏡1は、この両コネクタを介して、光源プロセッサ装置(図示せず)に接続された状態、すなわち、光源プロセッサ装置と電気的および光学的に接続された状態で使用される。なお、光源プロセッサ装置は、ケーブルを介してモニタ装置(図示せず)に接続される。
【0043】
光源プロセッサ装置内の光源から発せられた光は、光源差込部内、接続部可撓管10内、操作部3内、挿入部2内に連続して配設されたライトガイド11を通り、挿入部2(湾曲部22)の先端部より観察部位に照射され、照明する。
【0044】
前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、撮像素子で撮像される。撮像素子で撮像された被写体像に応じた画像信号は、バッファ(図示せず)を介して出力される。
【0045】
この画像信号は、挿入部2内、操作部3内および接続部可撓管10内に連続して配設され、撮像素子と画像信号用コネクタとを接続する画像信号ケーブル12を介して、光源差込部に伝達される。
【0046】
そして、光源差込部内および光源プロセッサ装置内で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理等)がなされ、その後、モニタ装置に入力される。モニタ装置では、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、すなわち動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
【0047】
なお、本発明は、内視鏡1のような電子内視鏡に限らず、ファイバー内視鏡を含め各種の内視鏡に適用することができることは、言うまでもない。
【0048】
図3に示すように、通路16(挿入部2)の先端部には、打体5が衝突する衝突部27が設けられている。通路16の先端部は、この衝突部27により封止されており、閉塞している。
【0049】
通路16(挿入部2)の先端付近には、全体形状としてほぼ円柱状をなす打体(ハンマー)5が通路16の長手方向に沿って移動可能に設けられている。すなわち、打体5は、衝突部27の基端側に位置している。打体5は、ロータリーソレノイド4によって、通路16の長手方向に沿って往復動され、その先端面(先端部)51が衝突部27の基端面271に繰り返し衝突することにより、挿入部2に対し、その先端方向への推進力(以下、単に「推進力」と言う。)を与えるものである。
【0050】
打体5の構成材料としては、特に限定されず、金属材料、非金属材料ともに使用することができるが、例えば、鉄、ステンレス鋼、チタン、タングステン、真鍮、または銅等の比較的比重が大きい金属材料が好ましく用いられる。これにより、打体5の外形を小さくした場合でも、大きな推進力が得られる。また、打体5の外面は、樹脂等の膜により被覆されていてもよい。
【0051】
打体5の基端部には、伝達部材6の先端部が連結されている。ここで、打体5は、条件の異なる同様の打体5、例えば重さの異なる打体5に交換できるようになっていてもよい。これにより、打体5が挿入部2に与える打力を調整して、挿入部2の推進力を調節することができる。この場合、打体5の交換は、打体5と伝達部材6とを着脱自在として、伝達部材6に対して交換してもよく、挿入部2に対して打体5と伝達部材6とをセットで交換してもよい。
【0052】
図5に示すように、伝達部材6は、長尺(細長い)の部材であり、ロータリーソレノイド4の駆動力(ロータリーソレノイド4が発生する往復動)を打体5に伝達する機能を有するものである。すなわち、伝達部材6は、ロータリーソレノイド4の駆動により、打体5とともに通路16に沿って繰り返し往復動し、これにより、打体5を衝突部27に繰り返し衝突させる。
【0053】
この伝達部材6は、第1部材61と、該第1部材61の先端側に連結された第2部材62と、第2部材62の先端に接続された螺旋状をなすコイル部63とを有しており、該コイル部63の先端に前記打体5が固定(固着)されている。伝達部材6については、後に詳述する。
【0054】
図1および図4に示すように、打体5および伝達部材6を通路16に沿って繰り返し往復動させるロータリーソレノイド4は、台座9を介して、操作部3の側部の長手方向ほぼ中央に設置されている。すなわち、ロータリーソレノイド4は、操作ノブ31より先端側の部位に設けられている。これにより、操作ノブ31を操作する際に、ロータリーソレノイド4が邪魔になることがなく、内視鏡1の操作性を損なわない。
【0055】
ロータリーソレノイド4が固定された台座9は、操作部3に対し着脱自在になっている。すなわち、ロータリーソレノイド4は、台座9とともに操作部3から取り外し可能になっている。これにより、使用後の洗浄・消毒時には、ロータリーソレノイド4を取り外すことにより、洗浄・消毒を容易かつ確実に行うことができる。また、ロータリーソレノイド4の防水性、耐熱性等が不要であり、より安価に製造することができる。
【0056】
ロータリーソレノイド4は、ケース(ステーター)41と、ケース41に対し回動可能に設置されたローター42とを有している。
【0057】
また、ロータリーソレノイド4は、制御部8に対し、リード線85で電気的に接続されている。そして、ロータリーソレノイド4は、制御部8から通電されると、ローター42がスタート位置から所定角度回動し、通電が解除されると、ローター42がケース41内に設置されたリターンスプリングの付勢力によりスタート位置に戻る。
【0058】
リード線85は、図示の構成と異なり、操作部3および接続部可撓管10等の内部に配設されていてもよい。これにより、操作性がより向上する。
【0059】
図8に示すように、制御部8は、その内部に電源回路81と駆動回路82とを有し、ロータリーソレノイド4を制御・駆動する。
【0060】
電源回路81は、電源に接続されており、駆動回路82に電力を供給する。電源回路81の電源としては、特に限定されず、例えば、前記光源プロセッサ装置と共通の電源や、それと別系統の電源、または電池等を使用することができる。
【0061】
駆動回路82は、供給された電力を、例えばパルス波(矩形波)状に周期的に変化する電圧を出力するように変換して発振し、ロータリーソレノイド4に供給する。これにより、ロータリーソレノイド4は、通電状態と非通電状態とが周期的に繰り返され、ローター42が周期的に往復回動する。この場合、駆動回路82の発振周波数としては、特に限定されないが、2〜30ヘルツ程度であるのが好ましく、5〜15ヘルツ程度であるのがより好ましい。
【0062】
ローター42には、アーム44の一端部が例えばネジ止めにより固定されている。そして、アーム44の他端部には、その長手方向に沿って長孔45が設けられており、ピンスライダ46が設置されている。このピンスライダ46は、アーム44に対し、回動自在、かつ長孔45に沿って移動自在になっている。
【0063】
図4に示すように、ピンスライダ46には、雌ネジ部(ネジ孔)が形成された接続部461が設けられている。該接続部461の雌ネジ部には、伝達部材6の第1部材61の外周面に形成された雄ネジ部611が螺合しており、これにより、第1部材61は、接続部461の内側に挿入されている。
【0064】
このような構成により、伝達部材6の第1部材61は、ピンスライダ46を介して、アーム44に対し、回動自在、かつ長孔45に沿って移動自在に連結(接続)されている。また、アーム44と第1部材61とは、ローター42が回動する範囲において、アーム44と第1部材61とのなす角が直角に近いような位置関係で接続されているのが好ましい。
【0065】
また、ピンスライダ46は、小ネジ47を緩めることにより、アーム44の長孔45から容易に取り外すことができ、これにより、アーム44と伝達部材6の第1部材61とは、着脱自在になっている。よって、アーム44と伝達部材6の第1部材61との接続を解除し、突出部32の基端開口部17から伝達部材6を引き抜けば、伝達部材6および打体5を挿入部2から容易に取り外すことができる。
【0066】
ロータリーソレノイド4が駆動されてローター42が往復回動すると、ローター42に取り付けられたアーム44が伝達部材6を通路16に沿って往復動させる。このとき、前述したように、第1部材61がピンスライダ46を介してアーム44に接続されていることにより、ローター42の回転運動が伝達部材6の往復運動に円滑に変換して伝達される。
【0067】
このように、伝達部材6が通路16の長手方向に沿って往復動すると、伝達部材6の先端に取り付けられた打体5もこれに伴なって繰り返し往復動する。このように、ロータリーソレノイド4の駆動力が伝達部材6によって打体5に伝達され、打体5が通路16の長手方向に沿って、周期的に繰り返し往復動する。
【0068】
ここで、本実施形態においては、伝達部材6の第1部材61をピンスライダ46に対して軸周りに回転させることにより、打体5の往復動のストロークを調節することができる。すなわち、前述したように、第1部材61の外周面に形成された雄ネジ部611は、ピンスライダ46の接続部461に螺合しているので、第1部材61を軸周りに回転させることにより、第1部材61(伝達部材6)のアーム44(ロータリーソレノイド4)に対する接続位置が移動する。これにより、ロータリーソレノイド4のローター42の前記スタート位置に対応する打体5の位置が移動する。打体5の往復動のストロークは、この位置から衝突部27に衝突するまでの距離であるので、このようにして打体5の往復動のストロークを調節することができる。
【0069】
このようにして打体5の往復動のストロークを調節することにより、ローター42の可動範囲の中のどの位置で、打体5が衝突部27に衝突するかを容易に調整することができる。すなわち、ローター42の可動範囲の途中の一定の範囲で打体5が衝突するように調整すると大きい打力が得られ、ロータリーソレノイド4の駆動力を効率良く挿入部2の推進力に活用することができるが、本実施形態では、その調整を容易に行うことができる。
【0070】
ロータリーソレノイド4により往復動された打体5は、挿入部2の先端部に形成された衝突部27の基端面271に繰り返し衝突する。これにより、打体5が、挿入部2に対し先端方向への力を与え、挿入部2が推進力を得る。
【0071】
この推進力によって、挿入部2が管腔内を先端方向に前進することが補助されるため、内視鏡1は、挿入の操作が極めて容易なものとなる。特に、挿入部2の基端側に加えた押し込み力や捩じりが伝わりにくい挿入部2の先端部に集中して推進力が得られるため、推進力が有効に作用する。
【0072】
また、打体5が挿入部2の先端部に繰り返し衝突することにより、挿入部2が微振動する。これにより、挿入部2と管状器官の内壁とが密着することが防止され、挿入部2と管腔との摩擦が減少して抵抗が小さくなり、さらに容易に挿入することができる。
【0073】
なお、このような、挿入部2に対し推進力を与える機構を、以下、「推進機構」と言う。
【0074】
内視鏡1では、打体5の衝突条件の調整(設定)によって、挿入部2に作用する推進力の強弱(挿入部2が前進するスピード)を調節することができる。ここで、打体5の衝突条件とは、前述したような打体5の重さおよび打体5の往復動のストロークのほか、以下に述べるような、打体5の往復動の周期、打体5の打力(駆動源の駆動力)等を言う。なお、打体5の衝突条件は、前述したものに限定されず、本発明においては、それらの衝突条件の少なくとも1つを調整(設定)可能であるのが好ましい。
【0075】
打体5の往復動の周期は、本実施形態においては、制御部8に設けられた駆動回路82からの発振周波数を変更することにより、調節できるようになっている。すなわち、発振周波数を調整することにより、打体5の往復動の周期が変わり、単位時間当たりに打体5が衝突部27に衝突する回数が増減する。よって、駆動回路82の発振周波数を調整することにより、挿入部2が前進するスピードを調節することができる。ただし、発振周波数が大きすぎると、ローター42の動きが駆動パルスに追従できなくなることがあるので、発振周波数は、前述した範囲にあるのが好ましい。
【0076】
打体5の打力(駆動源の駆動力)は、本実施形態においては、駆動回路82からの出力電圧の大きさを調整することにより、調節できるようになっている。これにより、ローター42の回転力の強弱を調整し、打体5が衝突部27の基端面271を叩く打力の強弱を調整することができる。
【0077】
出力電圧の大きさは、例えば、出力パルスのデューティー比(パルスの1周期のうちの通電時間の割合を百分率で表したもの)を変化させることにより調整することができる。この場合、デューティー比は、電源回路81の出力電圧や内視鏡の種類・用途等によってもその好ましい値は異なるが、通常、10〜75%程度であるのが好ましく、12.5〜50%程度であるのがより好ましい。
【0078】
駆動回路82の発振周波数(挿入部2が前進するスピード)の調整および打体5の打力の調整は、それぞれ、制御部8に設けられた周波数調整ツマミ83および打力調整ツマミ84を操作して調整することができるようになっている。また、周波数調整ツマミ83および打力調整ツマミ84は、操作部3に設けられていてもよい。これにより、操作性がより向上する。
【0079】
以上説明したような本発明の内視鏡1は、伝達部材6の少なくとも一部の可撓性を調整する可撓性調整手段を有している。以下、伝達部材6の可撓性調整手段について詳しく説明する。
【0080】
図5に示すように、伝達部材6は、第1部材61と、該第1部材61に対し螺合により連結された第2部材62と、第2部材62の先端に接続された螺旋状をなすコイル部63と、第1部材61、第2部材62およびコイル部63の内腔に挿入されたワイヤー(線状体)64とを有している。
【0081】
図5および図7に示すように、第1部材61は、先端に開放端、基端に閉塞端を有するほぼ円筒状をなしている。
【0082】
第1部材61の外周面には、雄ネジ部611が形成されており、前述したように、第1部材61は、該雄ネジ部611がピンスライダ46の接続部461に形成された雌ネジ部に螺合することにより、ロータリーソレノイド4のアーム44に接続されている。
【0083】
また、第1部材61の内周面(内腔613の内壁)には、雌ネジ部612が形成されている。
【0084】
図5および図7に示すように、第2部材62は、中空部621を有する棒状(管状)をなしている。この第2部材62の基端側の約半分程度の部分の外周面には、雄ネジ部622が形成されており、第2部材62は、該雄ネジ部622が第1部材61の雌ネジ部612に螺合することにより、第1部材61に連結されている。すなわち、第2部材62の基端側の部分は、第1部材61の内腔613に挿入されている。
【0085】
また、第2部材62の基端側の約半分程度の部分の外周面には、滑り止めのためのローレット(微小な凹凸)623が形成されている。このローレット623に指などを当てて第2部材62を回転することにより、第2部材62の第1部材61に対する挿入深さがネジの送りによって変化し、第2部材62を第1部材61に対し軸方向に移動させることができる。
【0086】
このように、第1部材61と第2部材62とが螺合により連結されていることにより、軸方向(伝達する力の方向)と異なる方向の操作で第1部材61と第2部材62との接続位置の調整が行われることから、軸方向の衝撃が繰り返し作用しても、第1部材61と第2部材62の連結状態が緩んだり、外れたりするおそれがない、という利点がある。
【0087】
図1に示すように、第2部材62の先端側の一部は、基端開口部17から、突出部32における通路16内に挿入されている。
【0088】
図5に示すように、第2部材62の先端には、可撓性を有するコイル部63が固定(固着)されている。図6に示すように、このコイル部63は、帯状材を螺旋状に巻回して形成されている。コイル部63は、伝達部材6の全長の大半を構成しており、主に挿入部2における通路16内に挿入されている。
【0089】
伝達部材6のうちの挿入部2内に位置する部分がこのようなコイル部63で構成されていることにより、伝達部材6が挿入部2の挿入部可撓管21や湾曲部22の湾曲を妨げることがないとともに、挿入部可撓管21や湾曲部22が湾曲状態にあるときでも、ロータリーソレノイド4の駆動力を高い効率(少ない損失で)で打体5に伝達することができる。
【0090】
図3および図7に示すように、第1部材61、第2部材62およびコイル部63の中心部(内腔)には、ワイヤー64が連続して配設されている。
【0091】
図3に示すように、このワイヤー64の先端部は、打体5の基端部にリング状に突設された連結部52に接続(連結)されている。
【0092】
図7に示すように、ワイヤー64は、第2部材62の中空部621および第1部材61の内腔613を挿通し、さらに、ワイヤー64の基端部は、第1部材61の基端部に形成された貫通孔614を貫通して、外側に出ている。
【0093】
この、外側に出たワイヤー64の基端部には、例えばほぼ半球状をなす係止部材65が固着されている。この係止部材65が第1部材61の基端面に係止することにより、ワイヤー64の基端部は、第1部材61に対し接続されている。すなわち、ワイヤー64は、係止部材65により第1部材61に対し先端方向に抜け止めがなされている。
【0094】
このような構成により、伝達部材6では、ワイヤー64の張力によって、コイル部63を圧縮することができる。
【0095】
例えば、図7に示す状態から第2部材62を回転させて第1部材61に対して先端方向に移動させると、第2部材62がコイル部63の基端部を先端方向に押圧し、これにより、コイル部63が圧縮される。
【0096】
換言すれば、第2部材62を第1部材61に対して先端方向に移動させると、第1部材61がワイヤー64を基端方向に牽引することとなり、これにより、打体5がコイル部63の先端部を基端方向に押圧して、コイル部63が圧縮される。すなわち、第1部材61および第2部材62は、ワイヤー64を基端方向に牽引する牽引機構になっている。
【0097】
なお、第2部材62を第1部材61に対して回転させると、コイル部63およびワイヤー64も第2部材62とともに回転するが、ワイヤー64は、第1部材61の貫通孔614に対して自由に回転可能になっていることから、ワイヤー64の捩じれを防止することができる。
【0098】
伝達部材6は、このようにしてコイル部63を圧縮することにより、コイル部63の可撓性を調整することができる。
【0099】
すなわち、コイル部63が圧縮されると、コイル部63を構成する帯状材同士の隙間(図6中のSで示す長さ)が狭まる。換言すれば、コイル部63の螺旋のピッチ(図6中のPで示す長さ)が短くなる。よって、コイル部63が密巻きになり、コイル部63は、その曲げ剛性が大きくなる(硬くなる)。
【0100】
第2部材62が第1部材61に対し最も先端側にあるとき(第2部材62が第1部材61に最も深く挿入されているとき)は、コイル部63は、最も伸長した状態にあり、その曲げ剛性は、最も小さい(最も軟らかい)。この状態から、ローレット623に指などを当てて第2部材62を所定方向に回し、第1部材61に対する第2部材62の位置を先端方向に移動させていくと、これにともなって、コイル部63が圧縮され、コイル部63の曲げ剛性は、徐々に大きくなる(コイル部63が硬くなる)。そして、第2部材62を前記と反対方向に回すと、コイル部63の圧縮が開放されていき、コイル部63の曲げ剛性は、徐々に小さくなる(コイル部63が軟らかくなる)。
【0101】
このように、第1部材61、第2部材62およびワイヤー64でコイル部63の可撓性を調整する可撓性調整手段が構成されている。
【0102】
ロータリーソレノイド4の駆動力(往復動)を高い効率で(少ない損失で)打体5に伝達するには、挿入部2とともに曲がった状態となるコイル部63が適度な可撓性を有していることが必要であるが、本発明では、前述したようにコイル部63の可撓性を調整することができることから、コイル部63の可撓性を最適化することができ、これにより、挿入部2に対しより大きな推進力が得られる。
【0103】
また、挿入操作を行っている途中で、例えば挿入部2の曲がり具合等の状態に合わせて、コイル部63の可撓性の調整を行ってもよい。
【0104】
例えば、挿入部2がほぼまっすぐな状態のときには、コイル部63を比較的硬い状態とすることにより、ロータリーソレノイド4の駆動力をダイレクトに打体5に伝達することができる。一方、挿入部可撓管21が曲がった状態のときには、コイル部63を比較的軟らかい状態とすることにより、通路16の内壁との摩擦が低減され、ロータリーソレノイド4の駆動力を高い効率で打体5に伝達することができる。そして、操作ノブ31が操作されて湾曲部22が湾曲した(アングルがかけられた)状態のときには、コイル部63をより軟らかい状態とすることにより、小さい曲率半径で湾曲した湾曲部22においても通路16の内壁と摩擦を低減することができ、ロータリーソレノイド4の駆動力の損失を減少させることができる。
【0105】
このように、本発明では、例えば挿入部2の曲がり具合等の状況にかかわらず、ロータリーソレノイド4の駆動力を常に高い効率で(少ない損失で)打体5に伝達することができることから、挿入部2の推進力がより確実に得られ、挿入部2の挿入操作をさらに容易に行うことができる。
【0106】
また、コイル部63の可撓性を調整することにより、挿入部可撓管21の見かけの可撓性(コイル部63と挿入部可撓管21とを合わせた可撓性)を調整することもできる。すなわち、挿入目的部位や挿入の状況などに合わせ、挿入部可撓管21を適度な硬さとする目的で、コイル部63の可撓性を調整してもよい。
【0107】
なお、このような伝達部材6では、コイル部63を圧縮しても、第1部材61から打体5までの長さは変化しない。すなわち、コイル部63の可撓性を調整しても、打体5の衝突部27に対する位置が不変であるため、好ましい。
【0108】
次に、第1実施形態の内視鏡1の使用方法(作用)の一例について説明する。
[1]コイル部63の可撓性および衝突条件の初期設定
挿入の操作開始前に、症例、患者の体格、挿入目的部位等に合わせて、コイル部63の可撓性および衝突条件の調整を行う。
【0109】
すなわち、伝達部材6の第2部材を回転させて、コイル部63の可撓性を調整する。
【0110】
また、所望の重さの打体5を選択して装着し、第1部材61のアーム44に対する接続位置の調整を行う。また、周波数調整ツマミ83および打力調整ツマミ84を操作して、挿入部2が前進するスピードおよび打体5の打力を調整する。
【0111】
なお、これらの初期設定は、必要に応じて行えばよく、使用の度に調整しなくてもよい。
【0112】
[2]挿入の操作
挿入の操作は、推進機構を有しない従来の内視鏡と同様に、挿入部2の基端部に押し込み力や捩じりを加え、挿入部2を管腔内に前進させる。この場合、本発明によれば、前述したように、推進機構によって挿入部2の管腔内での前進が補助されるため、特に体腔の深部にまで挿入するような場合であっても、極めて容易に挿入することができる。
【0113】
また、挿入の操作の途中において、周波数調整ツマミ83および打力調整ツマミ84を操作することにより、挿入部2が前進するスピード(挿入部2の推進力)を所望に調節することができる。これにより、管腔の屈曲の度合いや患者の状況などを判断しながら、所望のスピード(推進力)が得られる。
【0114】
また、挿入の操作の途中において、ローレット623に指などを当てて第2部材62を回してコイル部63の可撓性を調整することにより、挿入部2の曲がり具合等に合わせて、高い効率で打体5を駆動(往復動)することができる。よって、挿入部2の曲がり具合等にかかわらず、安定した推進力が得られ、挿入操作をより容易に行うことができる。
【0115】
目的部位まで挿入が完了したら、必要に応じ、ロータリーソレノイド4を操作部3から取り外してもよい。これにより、操作部3が軽量化され、操作性がより向上する。
【0116】
[3]推進機構を使用しない場合
挿入目的部位が浅い場合などの、推進機構を使用する必要がない場合には、挿入の操作開始前に、打体5および伝達部材6を挿入部2から取り外すとともに、ロータリーソレノイド4を操作部3から取り外す。これにより、内視鏡1は、従来の内視鏡と同等の操作性を有し、従来の内視鏡と同様に使用することができる。
【0117】
<第2実施形態>
図9は、本発明の内視鏡の第2実施形態における挿入部2の先端部を示す半縦断面図である。
【0118】
以下、この図を参照して本発明の内視鏡の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0119】
本実施形態は、衝突部の構成が異なる以外は前記第1実施形態と同様である。
図9に示すように、本実施形態の衝突部は、前記第1実施形態の衝突部27と異なり、通路16の先端部に着脱自在に設置された衝突部材7で構成されている。
【0120】
衝突部材7は、全体形状として略円柱状をなしており、挿入部2の先端部に装着された状態では、通路16の先端を封止する。そして、衝突部材7を挿入部2から取り外した状態では、通路16の先端は、挿入部2の先端において、外部に開放する。
【0121】
ロータリーソレノイド4により往復動された打体5は、衝突部材7の基端面71に繰り返し衝突して、挿入部2に推進力を与える。これにより、本実施形態では、前記第1実施形態と同様に、挿入の操作が容易となる効果が得られる。
【0122】
衝突部材7は、挿入部2に対し、挿入部2の長手方向とほぼ平行な軸の周りに回転することによって着脱されるものであるのが好ましく、その中でも螺合によって着脱されるものであるのがより好ましい。これにより、打体5の衝突方向と異なる方向の操作で衝突部材7の着脱がなされるので、衝突部材7は、打体5から衝撃を繰り返し受けても、挿入部2に対し、固定が緩んだり、外れたりするおそれがない。また、着脱操作が容易である。
【0123】
このように衝突部材7が取り外し可能であることから、本実施形態の内視鏡1は、従来の通常の内視鏡と同様に、洗浄機等での洗浄を容易に行うことができる。すなわち、衝突部材7を取り外すことによって通路16内に入った水などを容易に排出することができるので、基端開口部17に防水栓等を装着する必要がない。
【0124】
また、衝突部材7を挿入部2の先端部に対して着脱する操作は、例えば、衝突部材7の先端面に所定形状の溝を形成し、この溝に係合可能な突起部を備えた治具を使用して、衝突部材7を挿入部2の先端部に対して螺合すること等によって行うことが好ましい。
【0125】
衝突部材7の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等の各種金属材料や各種セラミックス等を挙げることができる。また、X線造影性を有する材料で構成するのが好ましい。これにより、別途X線マーカーを設けなくても、X線透視下で挿入部2の先端位置を確認することができる。
【0126】
次に、第2実施形態の内視鏡1の使用方法(作用)の一例について説明する。
[1]衝突条件の初期設定
前記第1実施形態と同様。
【0127】
[2]挿入の操作
前記第1実施形態と同様。
【0128】
[3]推進機構を使用しない場合
挿入目的部位が浅い場合などの、推進機構を使用する必要がない場合には、挿入の操作開始前に、打体5および伝達部材6を挿入部2から取り外すとともに、ロータリーソレノイド4を操作部3から取り外す。
【0129】
さらに、衝突部材7を挿入部2の先端部から取り外す。これにより、通路16は、基端開口部17から挿入部2の先端まで貫通する。そして、この場合、通路16を他の用途に使用することができる。通路16の他の用途としては、特に限定されず、例えば、以下のようなものが挙げられる。
【0130】
・生検鉗子、把持鉗子等の鉗子類、体温センサー等の各種センサー類、心電測定用等の電極、ナイフ、レーザーメス等の切開具類、造影チューブ、洗浄チューブ、ドレナージチューブ等の各種チューブ類(カテーテル類)、破砕プローブ(破石具)、ヒートプローブ、注射針、結紮具、ワイヤー類等の各種の処置具(検査具)を挿入する処置具挿通チャンネル。
【0131】
・挿入部2の先端から水等の流体を噴射して観察部位の血液や粘膜を除去したり、治療用の薬液の注入等を行うための送液(送気)チャンネル。
【0132】
・体液のサンプリングや、送液した流体の排出等を行うための吸引チャンネル。
【0133】
このように、本実施形態では、推進機構を使用する必要がない場合には、伝達部材6の挿入空間である通路16を他の用途に使用することができる。これにより、内視鏡の多機能性を維持することができる。
【0134】
以上、本発明の内視鏡について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、内視鏡を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0135】
例えば、打体5を往復動させる駆動源は、ロータリーソレノイド4のような構成に限らず、例えばプランジャを直線運動させる直動型ソレノイドや、モーター、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、圧電アクチュエータ等、打体5を往復動させられるものであればいかなるものであってもよい。
【0136】
また、衝突部27は、図示のような通路16の先端を封止するものに限らず、打体5の形状・姿勢等との関係において打体5が衝突可能なものであればいかなるものでもよく、例えば、通路16の先端部の内径が縮小した縮径部で衝突部を構成し、通路16の先端が開放しているものであってもよい。この場合には、推進機構を使用して挿入を行った後、伝達部材6および打体5を挿入部から取り外して、通路16を処置具挿通チャンネルや送気・送水チャンネルとして使用することができる。
【0137】
また、駆動源と伝達部材との間には、回動機構、リンク機構、カム機構、歯車機構、プーリーおよびベルト等の、動力を伝達し得る任意の機構が存在していてもよい。
【0138】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、駆動源の駆動により、管腔内で挿入部がその先端方向への推進力を得られる。そして、この推進力によって挿入部の前進が補助され、管腔への挿入を容易に行うことができる。
【0139】
特に、伝達部材の少なくとも一部の可撓性を調整する可撓性調整手段を用いて、挿入部の曲がり具合等に合わせて伝達部材の可撓性を最適に調節することにより、駆動源の駆動力を高い効率で打体に伝達することができる。これにより、例えば挿入部の曲がりの状態等にかかわらず、挿入部の挿入を容易に行うことができる。
【0140】
また、簡単な構造で上記効果を達成することができ、比較的安価に製造することができるとともに、信頼性が高く、保守も容易である。
【0141】
また、従来の内視鏡に対して設計変更点が少なく、少数の部品を追加することで構成することができるため、通常の内視鏡にオプションとして設定することもできる。
【0142】
さらに、挿入部の外形は、従来の内視鏡とほぼ同様であり、推進機構が挿入部の外部に露出しないので、安全性が極めて高い。
【0143】
また、衝突部材を用いる場合には、推進機構を使用しないときには伝達部材の挿入空間である通路を他の用途にも使用することができるので、挿入部を大径化することなく、内視鏡の多機能性を維持することができる。
【0144】
また、打体の衝突条件を調整可能とした場合には、状況に合わせて最適な衝突状態が得られ、さらに高い効率で推進補助効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内視鏡の第1実施形態を示す側面図である。
【図2】図1中のX−X線横断面図である。
【図3】図1に示す内視鏡における挿入部の先端部を示す半縦断面図である。
【図4】図1中のY−Y線視図である。
【図5】図1に示す内視鏡における打体および伝達部材の側面図である。
【図6】図5に示す伝達部材におけるコイル部およびワイヤーを拡大して示す側面図である。
【図7】図5に示す伝達部材における第1部材および第2部材の縦断面図である。
【図8】図1に示す内視鏡におけるロータリーソレノイドを制御する回路構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の内視鏡の第2実施形態における挿入部の先端部を示す半縦断面図である。
【符号の説明】
1 内視鏡
11 ライトガイド
12 画像信号ケーブル
13 湾曲操作ワイヤー
14 伝達部材挿通用チューブ
15 送気・送液用チューブ
16 通路
17 基端開口部
2 挿入部
21 挿入部可撓管
22 湾曲部
23 螺旋管
24 網状管
25 外皮
26 中心軸
27 衝突部
271 基端面
3 操作部
31 操作ノブ
32 突出部
4 ロータリーソレノイド
41 ケース
42 ローター
44 アーム
45 長孔
46 ピンスライダ
461 接続部
47 小ネジ
5 打体
51 先端面
52 連結部
6 伝達部材
61 第1部材
611 雄ネジ部
612 雌ネジ部
613 内腔
614 貫通孔
62 第2部材
621 中空部
622 雄ネジ部
623 ローレット
63 コイル部
64 ワイヤー
65 係止部材
7 衝突部材
71 基端面
8 制御部
81 電源回路
82 駆動回路
83 周波数調整ツマミ
84 打力調整ツマミ
85 リード線
9 台座
10 接続部可撓管
Claims (15)
- 管腔に挿入する挿入部と、
前記挿入部の基端側に設けられた操作部と、
前記挿入部内に、その長手方向に沿って形成された通路と、
前記通路の先端付近に、前記通路に沿って移動可能に設置された打体と、
前記打体を往復動させる駆動源と、
前記駆動源の駆動力を前記打体に伝達する機能を有し、少なくともその一部が前記通路内に挿入され、少なくともその一部が可撓性を有する長尺な伝達部材と、
前記打体が衝突する衝突部とを備え、
前記駆動源により往復動された前記打体が前記衝突部に繰り返し衝突することにより、前記挿入部がその先端方向への推進力を得るよう構成されており、
前記伝達部材の少なくとも一部の可撓性を調整する可撓性調整手段を設けたことを特徴とする内視鏡。 - 前記伝達部材は、螺旋状をなすコイル部を有する請求項1に記載の内視鏡。
- 前記可撓性調整手段は、前記コイル部を軸方向に圧縮することにより、前記コイル部の可撓性を調整する請求項2に記載の内視鏡。
- 前記可撓性調整手段は、前記コイル部の内側に挿入された線状体を有し、該線状体の張力により前記コイル部を軸方向に圧縮した状態を維持する請求項3に記載の内視鏡。
- 前記線状体の先端部は、前記コイル部の先端部またはその近傍に連結されており、
前記可撓性調整手段は、前記コイル部の基端側に設けられ、前記線状体を基端方向に牽引する牽引機構を有する請求項4に記載の内視鏡。 - 前記線状体の先端部は、前記コイル部の先端部またはその近傍に連結されており、
前記可撓性調整手段は、前記線状体の基端部が接続された第1部材と、該第1部材に対し軸方向に移動可能に連結されるとともに前記コイル部の基端部を先端方向に押圧する第2部材とを有し、前記第2部材を前記第1部材に対し先端方向に移動することにより、前記コイル部を軸方向に圧縮する請求項4に記載の内視鏡。 - 前記第2部材は、前記第1部材に対し螺合により軸方向に移動可能に連結されている請求項6に記載の内視鏡。
- 前記打体および前記伝達部材が、前記挿入部に対し、着脱自在に装着されている請求項1ないし7のいずれかに記載の内視鏡。
- 前記伝達部材が前記挿入部に装着された状態で前記伝達部材の可撓性を調整可能である請求項8に記載の内視鏡。
- 前記衝突部は、前記挿入部に対し着脱自在に設置された衝突部材で構成され、該衝突部材を前記挿入部から取り外した状態では、前記通路の先端が外部に開放する請求項1ないし9のいずれかに記載の内視鏡。
- 前記挿入部に対し、前記衝突部材を回転させることによって、前記衝突部材が着脱される請求項10に記載の内視鏡。
- 前記打体の衝突条件を調整可能である請求項1ないし11のいずれかに記載の内視鏡。
- 前記打体の往復動のストロークを調整可能である請求項1ないし12のいずれかに記載の内視鏡。
- 前記打体の往復動の周期を調整可能である請求項1ないし13のいずれかに記載の内視鏡。
- 前記駆動源は、ソレノイドである請求項1ないし14のいずれかに記載の内視鏡。
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