JP4628586B2 - 光検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、受光した光像における動体を抽出する光検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CMOS技術を用いた光検出装置は、低コストであって、A/D変換回路や周辺デジタル回路をも含めて1チップ化が可能である。このことから、単なる光検出または撮像だけでなく種々の処理機能(例えば輪郭抽出や動体抽出など)を含んで1チップ化された光検出装置が開発されてきている。
【0003】
動体抽出機能を有する光検出装置は、例えば文献「石渡、他、”3次元ジェスチャ認識用CMOSイメージセンサ”、映像情報メディア学会技術報告、Vol.23,No.30,pp.13-16 (1999)」に記載されている。この文献に記載されている光検出装置は、1画素あたり2つの容量素子および多数のスイッチ素子を設け、或るフレームの撮像の際には画素データを第1の容量素子に記憶し、次のフレームの撮像の際には画素データを第2の容量素子に記憶して、その後、第1および第2の容量素子それぞれに記憶されている画素データの差分を求める。このようにして、この光検出装置は、チップ上で画像処理を行って動体抽出を行うものである。この光検出装置によれば、従来では別に設けた画像メモリに画像データを蓄積した後に画像処理をせざるを得なかったところ、画像メモリを別に設ける必要がない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記文献に記載された動体抽出機能を有する光検出装置は、1画素あたり2つの容量素子および多数のスイッチ素子を設け、更に、第1および第2の容量素子それぞれに記憶されている画素データの差分を求める為の差分回路を設ける必要がある。したがって、この光検出装置は、1画素当たりに占める回路部占有面積が大きく、このことから、センサの光応答特性を支配する開口率を高めることができないという致命的な欠点があり、このため、高画質の画像を得ることができない。
【0005】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、受光した光像における動体を抽出する光検出装置であって、1画素当たりに占める回路部占有面積が小さく、開口率が高く光応答特性が優れたものを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の光検出装置は、(1) 入射光強度に応じた電荷を発生する光検出素子と、容量値Cdを有し光検出素子で発生した電荷を蓄積するセル容量部と、セル容量部に蓄積される電荷を外部との間で入出力するための入出力用スイッチ素子と、を各々有し2次元配列された複数の光検出セルと、(2) アンプと初期化用スイッチ素子と容量値Cf2の積分容量部(ただし、Cf2=Cd)とが入力端子と出力端子との間に並列的に設けられ、初期化用スイッチ素子が閉じているときに積分容量部を放電して初期化し、初期化用スイッチ素子が開いているときに入力端子に入力した電荷を積分容量部に蓄積して、その蓄積された電荷の量に応じた値の積分信号を出力端子より出力する積分回路と、(3) 光検出セルと積分回路の入力端子との間に設けられ、セル容量部に蓄積された電荷を積分容量部に移動させるための第1のスイッチ素子と、(4) 積分回路の出力端子と光検出セルとの間に設けられ、積分回路から出力される積分信号の値に応じた電荷をセル容量部に蓄積させるための第2のスイッチ素子と、(5) 積分回路の出力端子から出力された積分信号を入力し、この積分信号をA/D変換して、この積分信号に応じたデジタル信号を出力するA/D変換回路と、(6) A/D変換回路から出力されたデジタル信号を入力し、このデジタル信号に基づいて重心位置を求めるデジタル演算を行って、その演算結果を出力するデジタル演算回路と、を備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係る第1の光検出装置では、複数の光検出セルに対して、積分回路,第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子を1組備え、第1フレームおよびこれに続く第2フレームそれぞれにおいて複数の光検出セルそれぞれの入出力用スイッチ素子が順次に所定期間だけ閉状態となり、第1フレームの所定期間前に初期化用スイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、第1フレームの所定期間中に、第1のスイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、その後に第2のスイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、第2フレームの所定期間前に初期化用スイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、第2フレームの所定期間中に、第1のスイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、その後に初期化用スイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となることを特徴とする。
【0007】
この第1の光検出装置によれば、或る一定期間に、光検出セルの光検出素子が入射光強度に応じて発生した電荷はセル容量部に蓄積されていく。この一定期間が経過した時点で第1のスイッチ素子が閉じると、それまでセル容量部に蓄積されていた電荷は、積分回路の積分容量部に移動する。その結果、光検出素子の一方の端子の電位は、ΔVだけ変化してリセットレベルとなり、積分回路から出力される積分信号は、積分容量部に蓄積された電荷に応じたレベルとなる。第1のスイッチ素子が開いた後に第2のスイッチ素子が閉じると、積分回路から出力される積分信号の値に応じた電圧がセル容量部に設定される。積分容量部の容量値はセル容量部の容量値と等しいので、この結果、光検出素子の一方の端子の電位は、リセットレベルからΔVだけ変化する。
【0008】
その後の一定期間に、光検出素子が入射光強度に応じて発生した電荷はセル容量部に蓄積されていく。この一定期間が経過した時点でセル容量部に蓄積されている電荷は、以前に第2のスイッチ素子が閉じたときに積分信号の値に応じて設定された電圧に比例した電荷と、この一定期間に入射光によって光検出素子が発生した電荷とが、重畳されたものである。ただし、重畳される電荷の符号は互いに異なる。したがって、この一定期間が経過した時点で第1のスイッチ素子が閉じると、積分回路から出力される積分信号は、光検出素子へ入射する光強度の増減に応じたものである。
【0009】
以上のような第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子の開閉動作は、複数の光検出セルそれぞれについて行われる。したがって、積分回路から出力される積分信号は、複数の光検出セルそれぞれに含まれる光検出素子が受光した光の光量の増減に応じた時系列信号となる。この積分信号はA/D変換回路によりA/D変換され、この積分信号に応じたデジタル信号がA/D変換回路より出力される。そして、デジタル演算回路により、このデジタル信号に基づいて重心位置を求めるデジタル演算が行われて、その演算結果が出力される。
【0010】
本発明に係る第2の光検出装置は、(1) 入射光強度に応じた電荷を発生する光検出素子と、容量値Cdを有し光検出素子で発生した電荷を蓄積するセル容量部と、セル容量部に蓄積される電荷を外部との間で入出力するための入出力用スイッチ素子と、を各々有し2次元配列された複数の光検出セルと、(2) アンプと初期化用スイッチ素子と積分容量部とが入力端子と出力端子との間に並列的に設けられ、積分容量部の容量値を容量値Cdおよびこれより小さい値の何れかに切り替える容量値切替手段を有し、初期化用スイッチ素子が閉じているときに積分容量部を放電して初期化し、初期化用スイッチ素子が開いているときに入力端子に入力した電荷を積分容量部に蓄積して、その蓄積された電荷の量に応じた値の積分信号を出力端子より出力する積分回路と、(3)光検出セルと積分回路の入力端子との間に設けられ、セル容量部に蓄積された電荷を積分容量部に移動させるための第1のスイッチ素子と、(4) 積分回路の出力端子と光検出セルとの間に設けられ、積分回路から出力される積分信号の値に応じた電荷をセル容量部に蓄積させるための第2のスイッチ素子と、(5) 積分回路の出力端子から出力された積分信号を入力し、この積分信号をA/D変換して、この積分信号に応じたデジタル信号を出力するA/D変換回路と、(6) A/D変換回路から出力されたデジタル信号を入力し、このデジタル信号に基づいて重心位置を求めるデジタル演算を行って、その演算結果を出力するデジタル演算回路と、を備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係る第2の光検出装置では、複数の光検出セルに対して、積分回路,第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子を1組備え、第1フレームおよびこれに続く第2フレームそれぞれにおいて複数の光検出セルそれぞれの入出力用スイッチ素子が順次に所定期間だけ閉状態となり、第1フレームの所定期間に積分容量部が容量値C d に設定され、第2フレームの所定期間に積分容量部が容量値C d より小さい値に設定され、第1フレームの所定期間前に初期化用スイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、第1フレームの所定期間中に、第1のスイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、その後に第2のスイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、第2フレームの所定期間前に初期化用スイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、第2フレームの所定期間中に、第1のスイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、その後に初期化用スイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となることを特徴とする。
【0011】
この第2の光検出装置によれば、或る一定期間に、光検出セルの光検出素子が入射光強度に応じて発生した電荷はセル容量部に蓄積されていく。この一定期間が経過した時点で第1のスイッチ素子が閉じると、それまでセル容量部に蓄積されていた電荷は、積分回路の積分容量部に移動する。その結果、光検出素子の一方の端子の電位は、ΔVだけ変化してリセットレベルとなり、積分回路から出力される積分信号は、積分容量部に蓄積された電荷に応じたレベルとなる。第1のスイッチ素子が開いた後に第2のスイッチ素子が閉じると、積分回路から出力される積分信号の値に応じた電圧がセル容量部に設定される。このとき、容量値切替手段により、積分容量部の容量値はセル容量部の容量値と等しくされており、この結果、光検出素子の一方の端子の電位は、リセットレベルからΔVだけ変化する。
【0012】
その後の一定期間に、光検出素子が入射光強度に応じて発生した電荷はセル容量部に蓄積されていく。この一定期間が経過した時点でセル容量部に蓄積されている電荷は、以前に第2のスイッチ素子が閉じたときに積分信号の値に応じて設定された電圧に比例した電荷と、この一定期間に入射光によって光検出素子が発生した電荷とが、重畳されたものである。ただし、重畳される電荷の符号は互いに異なる。このとき、容量値切替手段により、積分容量部の容量値はセル容量部の容量値より小さい値とされている。したがって、この一定期間が経過した時点で第1のスイッチ素子が閉じると、積分回路から出力される積分信号は、光検出素子へ入射する光強度の増減に応じたものであり、しかも、光強度変化を高感度に検出するものである。
【0013】
以上のような第1のスイッチ素子および第2のスイッチ素子の開閉動作は、複数の光検出セルそれぞれについて行われる。したがって、積分回路から出力される積分信号は、複数の光検出セルそれぞれに含まれる光検出素子が受光した光の光量の増減に応じた時系列信号となる。この積分信号はA/D変換回路によりA/D変換され、この積分信号に応じたデジタル信号がA/D変換回路より出力される。そして、デジタル演算回路により、このデジタル信号に基づいて重心位置を求めるデジタル演算が行われて、その演算結果が出力される。
【0014】
また、本発明に係る第1または第2の光検出装置は、複数の光検出セルがM行N列(M≧2,N≧2)に2次元配列され、積分回路、第1のスイッチ素子、第2のスイッチ素子およびA/D変換回路それぞれが複数の光検出セルの列毎に設けられている、ことを特徴とする。積分回路、第1のスイッチ素子、第2のスイッチ素子およびA/D変換回路それぞれは、光検出セル毎に設けられていてもよいが、光検出セルの列毎に設けられていることにより、光検出装置の回路規模は更に小さくなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。以下で、MおよびNそれぞれは2以上の整数であり、mは1以上M以下の任意の整数であり、nは1以上N以下の任意の整数である。
【0016】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態に係る光検出装置1の構成について図1〜図4を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係る光検出装置1の概略構成図である。この光検出装置1は、N個のユニット1001〜100Nおよびデジタル演算回路40を備える。各ユニット100nは、互いに同様の構成であって、M個の光検出セル101,n〜10M,n、積分回路20n、A/D変換回路30n、スイッチ素子SWn01、スイッチ素子SWn02およびスイッチ素子SWn03を備える。M×N個の光検出セル101,1〜10M,NはM行N列に2次元配列されており、光検出セル10m,nは第m行第n列に位置している。
【0017】
各ユニット100nにおいて、M個の光検出セル101,n〜10M,nそれぞれは、スイッチ素子SWn01を介して積分回路20nの入力端子と接続され、スイッチ素子SWn02を介して積分回路20nの出力端子と接続されている。積分回路20nの出力端子は、A/D変換回路30nの入力端子と接続されている。A/D変換回路30nの出力端子は、スイッチ素子SWn03を介してデジタル演算回路40の入力端子と接続されている。ユニット1001〜100Nそれぞれのスイッチ素子SWn03が順次に閉じて、ユニット1001〜100NそれぞれのA/D変換回路30nの出力端子はデジタル演算回路40の入力端子と接続される。デジタル演算回路40は、各ユニット100nのA/D変換回路30nからスイッチ素子SWn03を介して順次に出力されたデジタル信号を入力し、このデジタル信号に基づいて重心位置を求めるデジタル演算を行って、その演算結果を出力する。
【0018】
図2は、第1の実施形態に係る光検出装置1の各光検出セル10m,nの回路図である。各光検出セル10m,nは、フォトダイオード(光検出素子)PD、セル容量部Cdおよびスイッチ素子SW0を有する。フォトダイオードPDのアノード端子は接地されている。フォトダイオードPDのカソード端子は、セル容量部Cdを介して接地され、また、スイッチ素子SW0を介して、スイッチ素子SWn01およびスイッチ素子SWn02と接続されている。各ユニット100nにおいて、M個の光検出セル101,n〜10M,nそれぞれのスイッチ素子SW0が順次に閉じて、光検出セル101,n〜10M,nそれぞれのフォトダイオードPDのカソード端子は、順次にスイッチ素子SWn01およびスイッチ素子SWn02と接続される。光検出セル101,1〜10M,Nそれぞれのセル容量部Cdの容量値は互いに等しい。なお、セル容量部Cdは、フォトダイオードPDの接合容量であってもよいし、これとは別に設けたものであってもよい。
【0019】
図3は、第1の実施形態に係る光検出装置1の各積分回路20nの回路図である。各積分回路20nは、入力端子と出力端子との間に互いに並列にアンプA2、積分容量部Cf2およびスイッチ素子SW21が接続されている。アンプA2は、その反転入力端子がスイッチ素子SWn01と接続され、非反転入力端子が基準電圧値Vinp1とされ、出力端子がスイッチ素子SWn02と接続されている。積分容量部Cf2およびスイッチ素子SW21は、アンプA2の反転入力端子と出力端子との間に設けられている。積分容量部Cf2の容量値は、各光検出セル10m,nのセル容量部Cdの容量値と等しい。積分回路20nは、スイッチ素子SW21が閉じているときには、積分容量部Cf2を放電して初期化する。一方、積分回路20nは、スイッチ素子SW21が開いているときには、入力端子に入力した電荷を積分容量部Cf2に蓄積して、その蓄積された電荷の量に応じた値の電圧信号(これを積分信号と呼ぶ。)を出力端子から出力する。
【0020】
図4は、第1の実施形態に係る光検出装置1の各A/D変換回路30nの回路図である。各A/D変換回路30nは、積分回路20nの出力端子から出力された積分信号(アナログ信号)を入力してA/D変換し、この積分信号の値に応じた値のデジタル信号を、スイッチ素子SWn03を介してデジタル演算回路40へ出力する。この図に示されたA/D変換回路30nは、結合容量素子C301、帰還容量素子C302、スイッチ素子SW302、アンプ301、比較部302、容量制御部303、可変容量部310,320および330を含む。
【0021】
アンプ301は、積分回路20nから出力された積分信号(アナログ値)を、結合容量素子C301を介して反転入力端子に入力し、基準電圧値Vcomを非反転入力端子に入力する。帰還容量素子C302は、アンプ301の反転入力端子と出力端子との間に設けられ、入力した電圧値に応じて電荷を蓄える。スイッチ素子SW302は、アンプ301の反転入力端子と出力端子との間に設けられ、開いているときには帰還容量素子C302に電荷の蓄積を行わせ、閉じているときには帰還容量素子C302における電荷蓄積をリセットする。そして、アンプ301は、帰還容量素子C302に蓄積された電荷量に応じた電圧値を、出力端子より比較部302へ出力する。比較回路302は、アンプ301から出力された電圧値を反転入力端子に入力し、基準電圧値Vcomを非反転入力端子に入力し、これら2つの入力信号の値を大小比較して、この比較結果を示す信号を容量制御部303へ出力する。
【0022】
可変容量部310は、4つの容量素子C311〜C314および4つのスイッチ素子SW311〜SW314を含む。容量素子C311は、一端がアンプ301の反転入力端子と接続され、他端がスイッチ素子SW311を介して参照電圧値Vref1および基準電圧値Vcomの何れかと接続される。容量素子C312は、一端がアンプ301の反転入力端子と接続され、他端がスイッチ素子SW312を介して参照電圧値Vref1および基準電圧値Vcomの何れかと接続される。容量素子C313は、一端がアンプ301の反転入力端子と接続され、他端がスイッチ素子SW313を介して参照電圧値Vref1および基準電圧値Vcomの何れかと接続される。また、容量素子C314は、一端がアンプ301の反転入力端子と接続され、他端がスイッチ素子SW314を介して参照電圧値Vref1および基準電圧値Vcomの何れかと接続される。
【0023】
可変容量部320は、4つの容量素子C321〜C324および4つのスイッチ素子SW321〜SW324を含む。容量素子C321は、一端がアンプ301の反転入力端子と接続され、他端がスイッチ素子SW321を介して参照電圧値Vref2および基準電圧値Vcomの何れかと接続される。容量素子C322は、一端がアンプ301の反転入力端子と接続され、他端がスイッチ素子SW322を介して参照電圧値Vref2および基準電圧値Vcomの何れかと接続される。容量素子C323は、一端がアンプ301の反転入力端子と接続され、他端がスイッチ素子SW323を介して参照電圧値Vref2および基準電圧値Vcomの何れかと接続される。また、容量素子C324は、一端がアンプ301の反転入力端子と接続され、他端がスイッチ素子SW324を介して参照電圧値Vref2および基準電圧値Vcomの何れかと接続される。
【0024】
可変容量部330は、4つの容量素子C331〜C334および4つのスイッチ素子SW331〜SW334を含む。容量素子C331は、一端がアンプ301の反転入力端子と接続され、他端がスイッチ素子SW331を介して参照電圧値Vref3および基準電圧値Vcomの何れかと接続される。容量素子C332は、一端がアンプ301の反転入力端子と接続され、他端がスイッチ素子SW332を介して参照電圧値Vref3および基準電圧値Vcomの何れかと接続される。容量素子C333は、一端がアンプ301の反転入力端子と接続され、他端がスイッチ素子SW333を介して参照電圧値Vref3および基準電圧値Vcomの何れかと接続される。また、容量素子C334は、一端がアンプ301の反転入力端子と接続され、他端がスイッチ素子SW334を介して参照電圧値Vref3および基準電圧値Vcomの何れかと接続される。
【0025】
可変容量部310,320および330それぞれに含まれる各容量素子、結合容量素子C301、帰還容量素子C302それぞれの容量値は、
【0026】
【数1】
なる関係式を満たす。ここで、Cは或る一定容量値である。また、可変容量部310に供給される参照電圧値Vref1、可変容量部320に供給される参照電圧値Vref2、可変容量部330に供給される参照電圧値Vref3、および、基準電圧値Vcomそれぞれは、
【0027】
【数2】
なる関係式を満たす。なお、基準電圧値Vcomは一般には接地電位とされるので、以降ではVcom=0とする。このとき、上記(2)式は、
【0028】
【数3】
なる式で表される。また、これら参照電圧値Vref1,Vref2およびVref3それぞれは、図示しない参照電圧供給回路より供給される。この参照電圧供給回路は、例えば、抵抗器が縦続接続された抵抗分割回路である。
【0029】
容量制御部303は、スイッチ素子SW311〜SW314、SW321〜SW324およびSW331〜SW334それぞれにおける切替動作を制御する。また、容量制御部303は、これらの12個のスイッチ素子それぞれにおける切替状況を記憶しており、この切替状況および比較部302から出力された信号に基づいて、12ビットのデジタル値(D11〜D0)を出力する。すなわち、容量制御部303より出力されるデジタル値の最上位ビットD11はスイッチ素子SW311の切替状況に応じたものであり、ビットD10はスイッチ素子SW312の切替状況に応じたものであり、ビットD9はスイッチ素子SW313の切替状況に応じたものであり、ビットD8はスイッチ素子SW314の切替状況に応じたものである。ビットD7はスイッチ素子SW321の切替状況に応じたものであり、ビットD6はスイッチ素子SW322の切替状況に応じたものであり、ビットD5はスイッチ素子SW323の切替状況に応じたものであり、ビットD4はスイッチ素子SW324の切替状況に応じたものである。また、ビットD3はスイッチ素子SW331の切替状況に応じたものであり、ビットD2はスイッチ素子SW332の切替状況に応じたものであり、ビットD1はスイッチ素子SW333の切替状況に応じたものであり、最下位ビットD0はスイッチ素子SW334の切替状況に応じたものである。
【0030】
次に、第1の実施形態に係る光検出装置1の動作について図5〜図9を用いて説明する。なお、各スイッチ素子の開閉を制御する制御信号、デジタル演算回路40の動作を制御する制御信号およびアドレス信号は、図示しない制御回路から所定のタイミングで出力される。以下に説明する光検出装置1の動作は、この制御回路による制御の下に行われる。
【0031】
図5は、第1の実施形態に係る光検出装置1の各光検出セル10m,nのスイッチ素子SW0の開閉タイミングを示すタイミングチャートである。この図に示すように、各フレーム期間内に、各ユニット100nにおいて、M個の光検出セル101,n〜10M,nそれぞれのスイッチ素子SW0は順次に閉じる。各光検出セル10m,nのフォトダイオードPDおよびセル容量部Cdは、自己のスイッチ素子SW0が閉じている期間には、スイッチ素子SWn01を介して積分回路20nの入力端子と接続され、スイッチ素子SWn02を介して積分回路20nの出力端子と接続される。また、各光検出セル10m,nは、自己のスイッチ素子SW0が開いている期間には、自己のフォトダイオードPDが入射光により発生させた電荷を、自己のセル容量部Cdに蓄積する。
【0032】
図6は、第1の実施形態に係る光検出装置1の各ユニット100nの動作タイミングを示すタイミングチャートである。同図(a)は、各スイッチ素子の開閉タイミングを示す。同図(b)は、第1フレームと第2フレームとで光検出セル10m,nへ入射する光の強度が等しい場合の各信号レベルを示す。また、同図(c)は、第1フレームより第2フレームで光検出セル10m,nへ入射する光の強度が大きい場合の各信号レベルを示す。
【0033】
第1フレームと第2フレームとで光検出セル10m,nへ入射する光の強度が等しい場合における動作を、図6(a)および(b)を参照して説明する。
【0034】
時刻t0に光検出セル10m,nのスイッチ素子SW0は開く。時刻t0では、光検出セル10m,nのセル容量部Cdに蓄積されている電荷は無く、光検出セル10m,nのフォトダイオードPDのカソード端子の電位はリセットレベルである。時刻t0以降、スイッチ素子SW0が閉じる時刻t2まで、光検出セル10m,nでは、自己のフォトダイオードPDが入射光により発生した電荷は、自己のセル容量部Cdに蓄積されていく。時刻t0と時刻t2との間の時刻t1に、積分回路20nのスイッチ素子SWn21が一旦閉じた後に開くことで、積分回路20nは、積分容量部Cf2の電荷が放電されて初期化され、出力される積分信号はリセットレベルとなる。
【0035】
第1フレームにおける時刻t2から時刻t4までの期間、光検出セル10m,nのスイッチ素子SW0は閉じる。この期間中に、先ず時刻t2にスイッチ素子SWn01が一旦閉じた後に開き、続いて時刻t3にスイッチ素子SWn02が一旦閉じた後に開く。スイッチ素子SWn01が閉じている期間には、それまで光検出セル10m,nのセル容量部Cdに蓄積されていた電荷は、積分回路20nの積分容量部Cf2に移動する。その結果、光検出セル10m,nのフォトダイオードPDのカソード端子の電位は、ΔVだけ変化してリセットレベルとなり、また、積分回路20nから出力される積分信号は、積分容量部Cf2に蓄積された電荷に応じたレベルとなる。その後のスイッチ素子SWn02が閉じている期間には、光検出セル10m,nのセル容量部Cdに、積分回路20nから出力される積分信号の値に応じた電荷が蓄積される。積分容量部Cf2の容量値は光検出セル10m,nのセル容量部Cdの容量値と等しいので、この結果、光検出セル10m,nのフォトダイオードPDのカソード端子の電位は、リセットレベルからΔVだけ変化する。
【0036】
時刻t4に光検出セル10m,nのスイッチ素子SW0は開く。時刻t4では、光検出セル10m,nのフォトダイオードPDのカソード端子の電位はΔVである。時刻t4以降、スイッチ素子SW0が閉じる時刻t6まで、光検出セル10m,nでは、自己のフォトダイオードPDが入射光により発生した電荷は、自己のセル容量部Cdに蓄積されていく。時刻t4と時刻t6との間の時刻t5に、積分回路20nのスイッチ素子SW21が一旦閉じた後に開くことで、積分回路20nは、積分容量部Cf2の電荷が放電されて初期化され、出力される積分信号はリセットレベルとなる。
【0037】
時刻t0〜t2までの時間と時刻t4〜t6までの時間とが等しく、第1フレームと第2フレームとで光検出セル10m,nへ入射する光の強度が等しければ、時刻t6において光検出セル10m,nのセル容量部Cdに蓄積されている電荷は、時刻t3に積分回路20nから出力される積分信号の値に応じて蓄積された電荷と、時刻t4から時刻t6までの期間にフォトダイオードPDが入射光により発生した電荷とが相殺されている。したがって、時刻t6では、光検出セル10m,nのフォトダイオードPDのカソード端子の電位はリセットレベルとなる。
【0038】
第2フレームにおける時刻t6から時刻t8までの期間、光検出セル10m,nのスイッチ素子SW0は閉じる。この期間中の時刻t6にスイッチ素子SWn01が一旦閉じた後に開く。スイッチ素子SWn01が閉じる時刻t6においては、光検出セル10m,nのセル容量部Cdに蓄積されていた電荷は無く、光検出セル10m,nのフォトダイオードPDのカソード端子の電位はリセットレベルであるので、積分回路20nから出力される積分信号はリセットレベルのままである。すなわち、第1フレームと第2フレームとで光検出セル10m,nへ入射する光の強度が等しければ、第2フレームの時刻t6以降において、積分回路20nから出力される積分信号はリセットレベルとなる。
【0039】
次に、第1フレームより第2フレームで光検出セル10m,nへ入射する光の強度が大きい場合における動作を、図6(a)および(c)を参照して説明する。
【0040】
各スイッチ素子の開閉動作は、既に説明したものと同様である。時刻t0〜t2までの時間と時刻t4〜t6までの時間とが等しく、第1フレームより第2フレームで光検出セル10m,nへ入射する光の強度が大きければ、時刻t6において光検出セル10m,nのセル容量部Cdに蓄積されている電荷は、時刻t3に積分回路20nから出力される積分信号の値に応じて蓄積された電荷と、時刻t4から時刻t6までの期間にフォトダイオードPDが入射光により発生した電荷とが相殺されることはない。したがって、時刻t6では、光検出セル10m,nのフォトダイオードPDのカソード端子の電位はリセットレベルより小さいレベルとなる
第2フレームにおける時刻t6から時刻t8までの期間、光検出セル10m,nのスイッチ素子SW0は閉じる。この期間中の時刻t6にスイッチ素子SWn01が一旦閉じた後に開く。スイッチ素子SWn01が閉じる時刻t6においては、光検出セル10m,nのフォトダイオードPDのカソード端子の電位はリセットレベルより小さいので、積分回路20nから出力される積分信号はリセットレベルより大きくなる。すなわち、第1フレームと第2フレームとで光検出セル10m,nへ入射する光の強度が異なれば、第2フレームの時刻t6以降において、積分回路20nから出力される積分信号は、リセットレベルとは異なるレベルとなる。そして、時刻t6以降の積分信号が読み出された後、時刻t7に積分回路20nのスイッチ素子SW21は一旦閉じた後に開き、積分回路20nはリセットされる。
【0041】
積分回路20nから時刻t6以降に出力される積分信号は、光検出セル10m,nのフォトダイオードPDが或るフレームおよび次のフレームそれぞれで入射光強度の差に応じたものである。すなわち、この積分信号は、入力した光像における画素毎の入射光強度の増減を表し、動体を抽出した結果を表す。
【0042】
この積分回路20nから出力された積分信号は、A/D変換回路30nによりA/D変換されて、12ビットのデジタル信号が出力される。各ユニット100nのA/D変換回路30nは以下のように動作する。
【0043】
A/D変換処理の第1段階においては、スイッチ素子SW302は閉じていて、帰還容量素子C302は放電されている。また、スイッチ素子SW311〜SW314、SW321〜SW324およびSW331〜SW334それぞれは、基準電圧値Vcomの方に切り替えられている。そして、スイッチ素子SW302が開いて、積分回路20から出力された電圧値Vinに応じた電荷量Qが帰還容量素子C302に蓄積される。ここで、電荷量Qは、
【0044】
【数4】
なる式で表される。その後、実際のA/D変換処理が開始される。
【0045】
A/D変換処理の第2段階では、可変容量部310に含まれる4つのスイッチ素子SW311〜SW314それぞれの切替動作が行われる。先ず、4つの容量素子C311〜C314のうち最も容量値が大きい容量素子C311に対応するスイッチ素子SW311が参照電圧値Vref1の方に切り替わる。これにより、帰還容量素子C302に蓄積されていた電荷Q(上記(4)式)のうち、
【0046】
【数5】
なる式で表される電荷量Q311が容量素子C311に移動し、
【0047】
【数6】
なる式で表される電荷量Q302が帰還容量素子C302に残る。
【0048】
そして、アンプ301より電圧値(Vin−Vref1/2)が出力される。比較部302により、アンプ301より反転入力端子に入力する電圧値(Vin−Vref1/2)と、非反転入力端子に入力する基準電圧値Vcom(=0)とが、大小比較されて、電圧値(Vin−Vref1/2)の符号が判定される。この結果は、容量制御部303に入力され、出力すべき最上位ビットD11の値として記憶される。すなわち、電圧値(Vin−Vref1/2)が正であればD11=1とされ、そうでなければD11=0とされる。
【0049】
もし、電圧値(Vin−Vref1/2)が正であれば、次に容量値が大きい容量素子C312に対応するスイッチ素子SW312が参照電圧値Vref1の方に切り替わる。これにより、これまで帰還容量素子C302に蓄積されていた電荷Q302(上記(6)式)のうち、
【0050】
【数7】
なる式で表される電荷量Q312が容量素子C312に移動し、
【0051】
【数8】
なる式で表される電荷量Q302が帰還容量素子C302に残る。
【0052】
そして、アンプ301より電圧値(Vin−3Vref1/4)が出力される。比較部302により、アンプ301より反転入力端子に入力する電圧値(Vin−3Vref1/4)と、非反転入力端子に入力する基準電圧値Vcom(=0)とが、大小比較されて、電圧値(Vin−3Vref1/4)の符号が判定される。この結果は、容量制御部303に入力され、出力すべきビットD10の値として記憶される。すなわち、電圧値(Vin−3Vref1/4)が正であればD10=1とされ、そうでなければD10=0とされる。
【0053】
さらに、電圧値(Vin−3Vref1/4)が正であれば、その次に容量値が大きい容量素子C313に対応するスイッチ素子SW313が参照電圧値Vref1の方に切り替わる。これにより、これまで帰還容量素子C302に蓄積されていた電荷Q302(上記(8)式)のうち、
【0054】
【数9】
なる式で表される電荷量Q313が容量素子C313に移動し、
【0055】
【数10】
なる式で表される電荷量Q302が帰還容量素子C302に残る。
【0056】
そして、アンプ301より電圧値(Vin−7Vref1/8)が出力される。比較部302により、アンプ301より反転入力端子に入力する電圧値(Vin−7Vref1/8)と、非反転入力端子に入力する基準電圧値Vcom(=0)とが、大小比較されて、電圧値(Vin−7Vref1/8)の符号が判定される。この結果は、容量制御部303に入力され、出力すべきビットD9の値として記憶される。すなわち、電圧値(Vin−7Vref1/8)が正であればD9=1とされ、そうでなければD9=0とされる。
【0057】
逆に、最上位ビットD11の値の決定の際に電圧値(Vin−Vref1/2)が負であれば、スイッチ素子SW311が基準電圧値Vcomの方に戻って、電荷量Q(上記(4)式)の全てが帰還容量素子C302に戻る。その後、次に容量値が大きい容量素子C312に対応するスイッチ素子SW312が参照電圧値Vref1の方に切り替わる。これにより、帰還容量素子C302に蓄積されていた電荷Q(上記(4)式)のうち、
【0058】
【数11】
なる式で表される電荷量Q312が容量素子C312に移動し、
【0059】
【数12】
なる式で表される電荷量Q302が帰還容量素子C302に残る。
【0060】
そして、アンプ301より電圧値(Vin−Vref1/4)が出力される。比較部302により、アンプ301より反転入力端子に入力する電圧値(Vin−Vref1/4)と、非反転入力端子に入力する基準電圧値Vcom(=0)とが、大小比較されて、電圧値(Vin−Vref1/4)の符号が判定される。この結果は、容量制御部303に入力され、出力すべきビットD10の値として記憶される。すなわち、電圧値(Vin−Vref1/4)が正であればD10=1とされ、そうでなければD10=0とされる。
【0061】
このようにして、可変容量部330に含まれる4つのスイッチ素子SW311〜SW314それぞれの切替状況が順次に決定され、ビットD11〜D8それぞれの値が順次に決定される。図7は、A/D変換回路30nに入力する電圧値Vinと4つのビットD11〜D8それぞれの値との関係を示す図表である。これら4つのビットD11〜D8それぞれの値が決定された時点では、帰還容量素子C302に残っている電荷量Q1はC・Vref1以下であり、アンプ301から出力される電圧値V1は、Vref1/24以下であって、以上の第2段階においてA/D変換し切れなかった残差である。
【0062】
以上のA/D変換処理の第2段階に続く第3段階では、第2段階終了時に帰還容量素子C302に残っている電荷量Q1について、可変容量部320に含まれる4つのスイッチ素子SW321〜SW324それぞれの切替動作が、第2段階の処理と同様に行われる。すなわち、先ず、4つの容量素子C321〜C324のうち最も容量値が大きい容量素子C321に対応するスイッチ素子SW321が参照電圧値Vref2の方に切り替わる。これにより、帰還容量素子C302に蓄積されていた電荷Q1のうち、
【0063】
【数13】
なる式で表される電荷量Q321が容量素子C321に移動し、
【0064】
【数14】
なる式で表される電荷量Q302が帰還容量素子C302に残る。
【0065】
そして、アンプ301より電圧値(V1−Vref2/2)が出力される。比較部302により、アンプ301より反転入力端子に入力する電圧値(V1−Vref2/2)と、非反転入力端子に入力する基準電圧値Vcom(=0)とが、大小比較されて、電圧値(V1−Vref2/2)の符号が判定される。この結果は、容量制御部303に入力され、出力すべきビットD7の値として記憶される。電圧値(V1−Vref2/2)が正であればD7=1とされ、そうでなければD7=0とされる。すなわち、電圧値(V1−Vref1/32)が正であればD7=1とされ、そうでなければD7=0とされる。
【0066】
以降も同様にして、可変容量部320に含まれる4つのスイッチ素子SW321〜SW324それぞれの切替状況が順次に決定され、ビットD7〜D4それぞれの値が順次に決定される。図8は、電圧値V1と4つのビットD7〜D4それぞれの値との関係を示す図表である。これら4つのビットD7〜D4それぞれの値が決定された時点では、帰還容量素子C302に残っている電荷量Q2はC・Vref2以下(C・Vref1/24以下)であり、アンプ301から出力される電圧値V2は、Vref2/24以下(Vref1/28以下)であって、以上の第3段階においてもA/D変換し切れなかった残差である。
【0067】
以上のA/D変換処理の第3段階に続く第4段階では、第3段階終了時に帰還容量素子C302に残っている電荷量Q2について、可変容量部330に含まれる4つのスイッチ素子SW331〜SW334それぞれの切替動作が、第2段階の処理と同様に行われる。すなわち、先ず、4つの容量素子C331〜C334のうち最も容量値が大きい容量素子C331に対応するスイッチ素子SW331が参照電圧値Vref3の方に切り替わる。これにより、帰還容量素子C302に蓄積されていた電荷Q1のうち、
【0068】
【数15】
なる式で表される電荷量Q331が容量素子C331に移動し、
【0069】
【数16】
なる式で表される電荷量Q302が帰還容量素子C302に残る。
【0070】
そして、アンプ301より電圧値(V2−Vref3/2)が出力される。比較部302により、アンプ301より反転入力端子に入力する電圧値(V2−Vref3/2)と、非反転入力端子に入力する基準電圧値Vcom(=0)とが、大小比較されて、電圧値(V2−Vref3/2)の符号が判定される。この結果は、容量制御部303に入力され、出力すべきビットD3の値として記憶される。電圧値(V2−Vref3/2)が正であればD3=1とされ、そうでなければD3=0とされる。すなわち、電圧値(V2−Vref1/512)が正であればD3=1とされ、そうでなければD3=0とされる。
【0071】
以降も同様にして、可変容量部330に含まれる4つのスイッチ素子SW331〜SW334それぞれの切替状況が順次に決定され、ビットD3〜D0それぞれの値が順次に決定される。図9は、電圧値V2と4つのビットD3〜D0それぞれの値との関係を示す図表である。これら4つのビットD3〜D0それぞれの値が決定された時点では、帰還容量素子C302に残っている電荷量Q3はC・Vref3以下(C・Vref1/28以下)であり、アンプ301から出力される電圧値V3は、Vref3/24以下(Vref1/212以下)であって、以上の第4段階においてもA/D変換し切れなかった残差である。
【0072】
以上のA/D変換処理の第4段階が終了した時点では、12個のスイッチ素子SW311〜SW314、SW321〜SW324およびSW331〜SW334それぞれにおける切替状況に応じた12ビットのデジタル値D11〜D0が容量制御部303に記憶されている。そして、第4段階が終了した後、この12ビットのデジタル値D11〜D0が容量制御部303より出力される。
【0073】
このA/D変換回路30nでは、可変容量部310,320および330それぞれに含まれる容量素子ならびに帰還容量部C302の全体がチップ上で占有する面積は、容量値61C(=3(8C+4C+2C+C)+16C)の容量素子1つ分の占有面積に相当する。一方、従来の12ビットデジタル値を出力するA/D変換回路では、12個の容量素子が占有する面積は、容量値212Cの容量素子1つ分の占有面積に相当する。このように、本実施形態に係るA/D変換回路30nは、従来のものと比較して、容量素子の占有面積が1/67である。
【0074】
したがって、このような占有面積が小さいA/D変換回路30nを含む光検出装置1は、積分回路20毎にA/D変換回路30を設けることにより高速化を図ることができ、A/D変換回路30nから出力されるデジタル値のビット数を多くすることにより高精度化を図ることもでき、また、フォトダイオードPDの個数を多くすることにより高解像度化を図ることもできる。また、従来のA/D変換回路における最大容量値が211Cであるのに対して、本実施形態に係るA/D変換回路30nにおける最大容量値は16Cであるので、本実施形態に係るA/D変換回路30nでは、寄生容量が小さく、この点でもA/D変換処理を高速に行うことができる。
【0075】
以上のようにして、各ユニット100nのA/D変換回路30nより、M個の光検出セル101,n〜10M,nそれぞれに対応するM個のデジタル値D1,n〜DM,nが時系列に並んだデジタル信号が出力される。また、N個のユニット1001〜100nそれぞれは並列動作する。したがって、各ユニット100nのスイッチ素子SWn03が順次に閉じると、第1行のデジタル値D1,1〜D1,N,第2行のデジタル値D2,1〜D2,N,……,第m行のデジタル値Dm,1〜Dm,N,……,第M行のデジタル値DM,1〜DM,Nは、この順にデジタル演算回路40に入力し、デジタル演算回路40内のレジスタに記憶される。
【0076】
そして、デジタル演算回路40において、このデジタル信号に基づいてデジタル演算が行われて、その演算結果が出力される。例えば、入力したデジタル信号に基づいて各行の重心位置Pmを求めるには、
【0077】
【数17】
なる式に基づいてデジタル演算が行われる。このようにすることで、画像中において或る方向に向かって動いている動体のうち当該進行方向側のエッジを求めることができる。このような光検出装置1は、例えば、ベルトコンベア上を搬送されてくる物の先端位置を検出するのに好適である。
【0078】
以上のように、本実施形態に係る光検出装置1は、1画素当たりに必要な素子がフォトダイオードPD、セル容量部Cdおよびスイッチ素子SW0のみであり、従来技術のものと比べて回路規模が格段に小さい。特に、セル容量部CdとしてフォトダイオードPDの接合容量を利用する場合には、更に回路規模が小さい。したがって、この光検出装置1は、1画素当たりに占める回路部占有面積が小さく、各画素の開口率が高く、光応答特性が優れたものとなる。
【0079】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る光検出装置について説明する。第2の実施形態に係る光検出装置は、第1の実施形態に係る光検出装置1と比べて積分回路20nの構成が異なる。図10は、第2の実施形態に係る光検出装置の各積分回路20nの回路図である。積分回路20nは、入力端子と出力端子との間に互いに並列に、アンプA2、積分容量部Cf21、スイッチ素子SW21、ならびに、互いに直列的に接続されたスイッチ素子SW22(容量値切替手段)および積分容量部Cf22が接続されている。アンプA2は、その反転入力端子がスイッチ素子SWn01と接続され、非反転入力端子が基準電圧値Vinp1とされている。積分容量部Cf21、スイッチ素子SW21、ならびに、互いに直列的に接続されたスイッチ素子SW22および積分容量部Cf22は、アンプA2の反転入力端子と出力端子との間に設けられている。積分容量部Cf21および積分容量部Cf22それぞれの容量値の和は、各光検出セル10m,nそれぞれのセル容量部Cdの容量値と等しい。
【0080】
第2の実施形態に係る光検出装置の各積分回路20nの動作について説明する。図11は、第2の実施形態に係る光検出装置の各ユニット100nの動作タイミングを示すタイミングチャートである。同図(a)は、各スイッチ素子の開閉タイミングを示す。同図(b)は、第1フレームと第2フレームとで光検出セル10m,nへ入射する光の強度が等しい場合の各信号レベルを示す。また、同図(c)は、第1フレームより第2フレームで光検出セル10m,nへ入射する光の強度が大きい場合の各信号レベルを示す。第2の実施形態に係る光検出装置の動作は、第1の実施形態に係る光検出装置1の動作と略同様である。本実施形態では、積分回路20nのスイッチ素子SW22は、第1フレームでは閉じていて、第2フレームでは開いている。
【0081】
積分回路20nのスイッチ素子SW22が閉じている第1フレーム(時刻t4を経過するまで)では、積分回路20nにおいて電荷を蓄積するものは、互いに並列的に設けられた積分容量部Cf21および積分容量部Cf22の双方である。また、積分容量部Cf21および積分容量部Cf22それぞれの容量値の和は、光検出セル10m,nのセル容量部Cdの容量値と等しい。したがって、この第1フレームでは、光検出装置の動作は、図7を用いて説明したものと同様である。
【0082】
一方、積分回路20nのスイッチ素子SW22が開いている第2フレーム(時刻t8を経過するまで)では、積分回路20nにおいて電荷を蓄積するものは、積分容量部Cf21のみであって、その容量値が小さくなる。したがって、第1の実施形態の場合と同様の入射光強度変化があるとすると、第2の実施形態に係る光検出装置では、時刻t6以降に積分回路20nから出力される積分信号は、第1の実施形態の場合と比較して((Cf21+Cf22)/Cf21)倍だけ大きくなり、感度が高くなる。
【0083】
以上のように、第2実施形態に係る光検出装置は、第1の実施形態に係る光検出装置1が奏する効果と同様の効果を奏する他、第1フレームよりも第2フレームにおいて積分回路20nの積分容量部の容量値を小さくすることにより、入力した光像における画素毎の入射光強度の増減を高感度に検出することができ、これにより動体を高感度に抽出することができる。
【0084】
(変形例)
一般に、本発明に係る光検出装置1の各A/D変換回路20nに含まれる可変容量部の個数Mは1以上であり、M個の可変容量部のうち第m(1≦m≦M)の可変容量部に含まれる容量素子の個数Nmは1以上であり、第mの可変容量部に含まれるNm個の容量素子それぞれの他端(アンプの入力端子に接続される一端とは逆の側)に入力する参照電圧値のレベル数Pmは1以上としてよい。第mの可変容量部に含まれるNm個の容量素子それぞれの容量値をCm,1〜Cm,Nmとし、第mの可変容量部に供給される参照電圧値をVref,m,1〜Vref,m,Pmとすると、各m値、各n値(1≦n≦Nm)および各p値(1≦p≦Pm)について、Cm,n・Vref,m,p の各値が互いに異なるように設定される。また、Cm,n・Vref,m,p の各値は、昇順に並べたときに公比が2である等比数列であるのが好適である。A/D変換回路から出力されるデジタル値のビット数は、
【0085】
【数18】
なる式で表される。
【0086】
上記の各実施形態では、A/D変換回路から出力されるデジタル値のビット数は12であったが、他の任意の数であってもよい。上記実施形態では M=3、各Nm=4、各Pm=1 であったが、一般にはMが2以上の任意の数であって、各Nmも2以上の任意の数であってよい。また、M=1、N1が2以上の任意の数であって、P1も2以上の任意の数であってよく、この場合には、N1個の容量素子がチップ上で占有する面積が更に小さい。また、M=1、N1=1、P1が2以上の任意の数であってよく、この場合には、1個の容量素子がチップ上で占有する面積が更に小さい。また、Mが2以上の任意の整数であって、各Nm=1、各Pm=1 であってもよい。Mが2以上の整数であって、各Nmが異なっていてもよいし、各Pmが異なっていてもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明に係る光検出装置によれば、或る一定期間に、光検出セルの光検出素子が入射光強度に応じて発生した電荷はセル容量部に蓄積されていく。この一定期間が経過した時点で第1のスイッチ素子が閉じると、それまでセル容量部に蓄積されていた電荷は、積分回路の積分容量部に移動する。その結果、光検出素子の一方の端子の電位は、ΔVだけ変化してリセットレベルとなり、積分回路から出力される積分信号は、積分容量部に蓄積された電荷に応じたレベルとなる。第1のスイッチ素子が開いた後に第2のスイッチ素子が閉じると、積分回路から出力される積分信号の値に応じた電圧がセル容量部に設定される。積分容量部の容量値はセル容量部の容量値と等しいので、この結果、光検出素子の一方の端子の電位は、リセットレベルからΔVだけ変化する。
【0088】
その後の一定期間に、光検出素子へ入射した光強度に応じて発生した電荷はセル容量部に蓄積されていく。この一定期間が経過した時点でセル容量部に蓄積されている電荷は、以前に第2のスイッチ素子が閉じたときに積分信号の値に応じて設定された電圧に比例した電荷と、この一定期間に光検出素子が入射光により発生した電荷とが、重畳されたものである。ただし、重畳される電荷の符号は互いに異なる。したがって、この一定期間が経過した時点で第1のスイッチ素子が閉じると、積分回路から出力される積分信号は、光検出素子へ入射した光強度の増減に応じたものである。
【0089】
そして、この積分回路から出力された積分信号は、A/D変換回路によりデジタル信号に変換される。A/D変換回路から出力されたデジタル信号に基づいて、デジタル演算回路により、重心位置を求めるデジタル演算が行われる。この光検出装置は、2次元配列された複数の光検出セルを備えており、入力した光像における画素毎の入射光強度の増減を検出することができ、これにより動体を抽出することができる。
【0090】
このように本発明に係る光検出装置は、1画素当たりの回路規模が従来技術のものと比べて格段に小さい。特に、セル容量部として光検出素子の接合容量を利用する場合には、更に回路規模が小さい。したがって、この光検出装置は、1画素当たりに占める回路部占有面積が小さく、各画素の開口率が高く、光応答特性が優れる。
【0091】
また、積分回路の積分容量部の容量値を切替可能とする場合には、入力した光像における画素毎の入射光強度の増減を高感度に検出することができ、これにより動体を高感度に抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る光検出装置1の概略構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る光検出装置1の各光検出セル10m,nの回路図である。
【図3】第1の実施形態に係る光検出装置1の各積分回路20nの回路図である。
【図4】第1の実施形態に係る光検出装置1の各A/D変換回路30nの回路図である。
【図5】第1の実施形態に係る光検出装置1の各光検出セル10m,nのスイッチ素子SW0の開閉タイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る光検出装置1の各ユニット100nの動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】A/D変換回路30nに入力する電圧値Vinと4つのビットD11〜D8それぞれの値との関係を示す図表である。
【図8】電圧値V1と4つのビットD7〜D4それぞれの値との関係を示す図表である。
【図9】電圧値V2と4つのビットD3〜D0それぞれの値との関係を示す図表である。
【図10】第2の実施形態に係る光検出装置の各積分回路20nの回路図である。
【図11】第2の実施形態に係る光検出装置の各ユニット100nの動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…光検出装置、101,1〜10M,N…光検出セル、201〜20M…積分回路、301〜30M…A/D変換回路、40…デジタル演算回路、301…アンプ、302…比較部、303…容量制御部、310,220,230…可変容量部。
Claims (3)
- 入射光強度に応じた電荷を発生する光検出素子と、容量値Cdを有し前記光検出素子で発生した電荷を蓄積するセル容量部と、前記セル容量部に蓄積される電荷を外部との間で入出力するための入出力用スイッチ素子と、を各々有し2次元配列された複数の光検出セルと、
アンプと初期化用スイッチ素子と容量値Cf2の積分容量部(ただし、Cf2=Cd)とが入力端子と出力端子との間に並列的に設けられ、前記初期化用スイッチ素子が閉じているときに前記積分容量部を放電して初期化し、前記初期化用スイッチ素子が開いているときに前記入力端子に入力した電荷を前記積分容量部に蓄積して、その蓄積された電荷の量に応じた値の積分信号を前記出力端子より出力する積分回路と、
前記光検出セルと前記積分回路の前記入力端子との間に設けられ、前記セル容量部に蓄積された電荷を前記積分容量部に移動させるための第1のスイッチ素子と、
前記積分回路の前記出力端子と前記光検出セルとの間に設けられ、前記積分回路から出力される積分信号の値に応じた電荷を前記セル容量部に蓄積させるための第2のスイッチ素子と、
前記積分回路の前記出力端子から出力された積分信号を入力し、この積分信号をA/D変換して、この積分信号に応じたデジタル信号を出力するA/D変換回路と、
前記A/D変換回路から出力されたデジタル信号を入力し、このデジタル信号に基づいて重心位置を求めるデジタル演算を行って、その演算結果を出力するデジタル演算回路と、
を備え、
前記複数の光検出セルに対して、前記積分回路,前記第1のスイッチ素子および前記第2のスイッチ素子を1組備え、
第1フレームおよびこれに続く第2フレームそれぞれにおいて複数の前記光検出セルそれぞれの前記入出力用スイッチ素子が順次に所定期間だけ閉状態となり、
前記第1フレームの前記所定期間前に前記初期化用スイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、前記第1フレームの前記所定期間中に、前記第1のスイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、その後に前記第2のスイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、
前記第2フレームの前記所定期間前に前記初期化用スイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、前記第2フレームの前記所定期間中に、前記第1のスイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、その後に前記初期化用スイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となる、
ことを特徴とする光検出装置。 - 入射光強度に応じた電荷を発生する光検出素子と、容量値Cdを有し前記光検出素子で発生した電荷を蓄積するセル容量部と、前記セル容量部に蓄積される電荷を外部との間で入出力するための入出力用スイッチ素子と、を各々有し2次元配列された複数の光検出セルと、
アンプと初期化用スイッチ素子と積分容量部とが入力端子と出力端子との間に並列的に設けられ、前記積分容量部の容量値を容量値Cdおよびこれより小さい値の何れかに切り替える容量値切替手段を有し、前記初期化用スイッチ素子が閉じているときに前記積分容量部を放電して初期化し、前記初期化用スイッチ素子が開いているときに前記入力端子に入力した電荷を前記積分容量部に蓄積して、その蓄積された電荷の量に応じた値の積分信号を前記出力端子より出力する積分回路と、
前記光検出セルと前記積分回路の前記入力端子との間に設けられ、前記セル容量部に蓄積された電荷を前記積分容量部に移動させるための第1のスイッチ素子と、
前記積分回路の前記出力端子と前記光検出セルとの間に設けられ、前記積分回路から出力される積分信号の値に応じた電荷を前記セル容量部に蓄積させるための第2のスイッチ素子と、
前記積分回路の前記出力端子から出力された積分信号を入力し、この積分信号をA/D変換して、この積分信号に応じたデジタル信号を出力するA/D変換回路と、
前記A/D変換回路から出力されたデジタル信号を入力し、このデジタル信号に基づいて重心位置を求めるデジタル演算を行って、その演算結果を出力するデジタル演算回路と、
を備え、
前記複数の光検出セルに対して、前記積分回路,前記第1のスイッチ素子および前記第2のスイッチ素子を1組備え、
第1フレームおよびこれに続く第2フレームそれぞれにおいて複数の前記光検出セルそれぞれの前記入出力用スイッチ素子が順次に所定期間だけ閉状態となり、
前記第1フレームの前記所定期間に前記積分容量部が容量値C d に設定され、前記第2フレームの前記所定期間に前記積分容量部が容量値C d より小さい値に設定され、
前記第1フレームの前記所定期間前に前記初期化用スイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、前記第1フレームの前記所定期間中に、前記第1のスイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、その後に前記第2のスイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、
前記第2フレームの前記所定期間前に前記初期化用スイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、前記第2フレームの前記所定期間中に、前記第1のスイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となり、その後に前記初期化用スイッチ素子が一旦閉状態となった後に開状態となる、
ことを特徴とする光検出装置。 - 前記複数の光検出セルがM行N列(M≧2,N≧2)に2次元配列され、
前記積分回路、前記第1のスイッチ素子、前記第2のスイッチ素子および前記A/D変換回路それぞれが前記複数の光検出セルの列毎に設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光検出装置。
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