JP4627345B2 - 直流エレベータの制御装置 - Google Patents

直流エレベータの制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4627345B2
JP4627345B2 JP2000087018A JP2000087018A JP4627345B2 JP 4627345 B2 JP4627345 B2 JP 4627345B2 JP 2000087018 A JP2000087018 A JP 2000087018A JP 2000087018 A JP2000087018 A JP 2000087018A JP 4627345 B2 JP4627345 B2 JP 4627345B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
field
value
current
load
command value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000087018A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001270662A (ja
Inventor
正博 福田
清治 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2000087018A priority Critical patent/JP4627345B2/ja
Publication of JP2001270662A publication Critical patent/JP2001270662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4627345B2 publication Critical patent/JP4627345B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Elevator Control (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、直流エレベータの巻上機に使用される直流電動機の電機子電流及び界磁電流の制御に係る。
【0002】
【従来の技術】
直流エレベータの巻上機に用いられている従来の直流電動機の界磁電流の制御は、停止期間中、省エネと界磁巻線の温度上昇を抑制するため界磁電流を絞っていた。起動指令が出されると、界磁電流の立上り時間を考慮してブレーキの開放に先立って基準界磁電流を流し始め、ブレーキ開放と共に強め界磁電流に設定して起動させ、かごが加速して高速運転領域に達すると、弱め界磁にして増速して一定速度に到達させるようにしていた。
また、電機子電流の制御は、速度指令値と速度帰還値の偏差から求められるトルク指令値を発生させるために、基準界磁電流に基いたトルク定数で、電機子電流指令値を演算していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の直流エレベータの制御装置は、上記のとおり、かごを昇降駆動するために必要なトルクを発生させるのに、基準界磁電流値でのトルク定数から電機子電流指令値を演算していた。
しかしながら、停止期間中、界磁電流は界磁巻線の温度上昇抑制と省エネのために絞られていた。このため、界磁電流を流し始めてから基準界磁電流に達するまでに時間がかかり、ブレーキが開放された瞬間において、直流電動機のトルク定数が基準界磁電流値になっておらず、結果として直流電動機の発生するトルクがまだトルク指令値に達していないため、負荷トルクに引かれて直流電動機が逆転することがあり、このため、エレベータの乗り心地を害する、という問題があった。
また、各階運転が繰り返される場合は、加減速が連続して強め界磁が維持されるため、界磁巻線の温度が上昇し、結果として界磁巻線を短命化させる虞がある、という問題もあった。
【0004】
この発明は上記問題点を解決するもので、界磁巻線の温度上昇を抑制した直流エレベータの制御装置を提供する。
また、界磁電流が指令値に達成していなくても、直流電動機は必要なトルクを発生するように、応答性をよくした直流エレベータの制御装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る直流エレベータの制御装置は、少なくとも基準界磁と、かごを昇降させるために必要なトルク指令値が所定値を超えるピークとなる速度区間では強め界磁に設定される界磁電流指令値を、かごの運転方向とかごの負荷によってパターン化し、この界磁電流パターンに従って界磁電流指令値を発生させ、この界磁電流指令値に基いて直流電動機の界磁巻線を付勢すると共に、界磁回路から直接検出して得られた界磁電流の実際値に基いてトルク指令値を発生させるために必要な電機子電流指令値を演算し、この電機子電流指令値が電機子に流れるようにし、かごの負荷がバランスロードより所定の不平衡量だけ少ない第1の基準荷重未満の荷重である場合、運転方向がUP運転の時に、かごの減速時のみ強め界磁とする第1の界磁電流パターンを発生させ、運転方向がDOWN運転の時に、かごの加速時のみ強め界磁とする第2の界磁電流パターンを発生させ、かごの負荷がバランスロードより不平衡量だけ重い第2の基準荷重以上の荷重である場合、運転方向がUP運転の時に第2の界磁電流パターンを発生させ、運転方向がDOWN運転の時に第1の界磁電流パターンを発生させると共に、かごの負荷が第1の基準荷重以上かつ第2の基準荷重未満の荷重である場合、運転方向に関わらずかごの加速時及び減速時とも基準界磁とする第3の界磁電流パターンを発生させるようにしたものである。
【0007】
請求項2に係る直流エレベータの制御装置は、検出された界磁電流の実際値が磁束に比例する領域にある場合は、基準界磁のときの電機子電流値に、基準界磁に対する実際値の比の逆数を乗じた値を電機子電流指令値として電機子電流制御回路から出力されるようにしたものである。
【0008】
請求項3に係る直流エレベータの制御装置は、検出された界磁電流の実際値が磁束に比例する領域にない場合は、比例するとした場合に上記磁束と等価となる値に実際値を変換し、基準界磁のときの電機子電流値に、基準界磁に対する上記変換値の比の逆数を乗じた値を上記実際値のときの電機子電流指令値として電機子電流制御回路から出力されるようにしたものである。
【0009】
請求項4に係る直流エレベータの制御装置は、トルク指令値のピーク値が所定値を一定値以上上回ったとき、強め界磁として設定された値を更に強めた界磁となる界磁電流指令値が発生されるようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1から図3は、この発明の実施の形態1を示す。
図1において、1は三相交流電源、2はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)とダイオードの組合わせからなるコンバータで、三相交流から直流への順変換と、回生電力を三相交流電源1側へ返還する逆変換の双方を可能とする。3はコンバータ2によって変換された直流出力を平滑化する平滑コンデンサ、4はIGBTとダイオードを逆並列に接続した回路素子を更にブリッジ形に接続し、PWM制御によってON−OFFされて正逆両方向の直流電圧制御をするDCチョッパ回路である。
【0011】
5はDCチョッパ回路4によって制御される直流電動機、6は三相交流を直流に変換するコンバータで、ダイオードで構成されている。7はコンバータ6による直流を、PWM制御によってON−OFFされて電圧制御をするDCチョッパ回路である。8は直流電動機5の界磁巻線で、DCチョッパ回路7によって付勢される。9は直流電動機5に直結された回転軸、10はこの回転軸9に連結された巻上機、10aは回転軸9を制止するブレーキ、11はこの巻上機10に巻き掛けられた主索、12はこの主索11の一端に吊持されたかご、12aはかご12内の負荷、13は主索11の他端に吊持されたつり合重りである。
【0012】
21は直流電動機5の電機子回路に装着された直流変流器、22は直流変流器21から電機子電流Iaを検出する電機子電流検出回路、23は界磁巻線8の回路に装着された直流変流器、24は直流変流器23から界磁電流Ifの実際値を検出する界磁電流検出回路、25は回転軸9に装着されたエンコーダ、26はこのエンコーダ25から回転軸9の角速度ωを検出する速度検出回路、27はかご内負荷12aを検出するかご内負荷検出回路である。
【0013】
30はエレベータを制御するエレベータ制御回路である。
31は図2(a)に示す速度パターンSpを発生する速度パターン発生回路、32は速度パターンSpに従ってかご12を速度制御するために必要なトルク指令値T*を演算して出力する速度制御回路で、速度パターンSpと速度検出回路26によって検出された実速度Sfとの差値と、かご内負荷12aとからトルク指令値T*を演算する。
【0014】
33は図2(c)に示す界磁電流指令値If*を発生する界磁電流指令発生回路で、かご12が停止中は弱め界磁Ifwを、起動指令が出された場合は基準界磁Ifsを、トルク指令値T*が所定値を超えるピークとなる速度区間では強め界磁Iftを、それぞれ速度パターンSpに応じて発生させる。
34は界磁電流指令値If*と現実に検出された界磁電流の実際値Ifとを比較し、実際値Ifが指令値If*となるように界磁電圧指令を演算する界磁電流制御回路、35は界磁電流制御回路34の界磁電圧指令に基づいてPWM信号を発生するPWM回路、36はPWM回路35の信号によってDCチョッパ回路7のゲートをON/OFF制御して界磁電圧を制御するゲート駆動回路である。
【0015】
37は検出された界磁電流の上記実際値Ifで上記トルク指令値T*を発生させるために必要な電機子電流指令値Ia*を演算する電機子電流制御回路で、更に、この電機子電流指令値Ia*を流すのに必要な電圧指令値として出力するものである。38は電機子電流制御回路37の電圧指令値に基づいてPWM信号を発生するPWM回路、39はPWM回路38の信号によってDCチョッパ回路4のゲートをON/OFF制御するゲート駆動回路である。
【0016】
次に動作を図2に従って説明する。
まず、J:回転軸9における慣性モーメント、ω:回転軸9の角速度、τ:軸トルク、TL:かご12側とつり合重り13との不平衡重量及び走行抵抗による負荷トルク、If:界磁電流、Ia:電機子電流とする。有効磁束Φは、界磁電流Ifの関数で図3に示す関係を有し、Φ(If)とする。
軸トルクτは負荷トルクTLと加減速トルクから求められ、
τ=J・(dω/dt)+TL (1)
となる。定数Ktとして、直流電動機5には下式が成立する。
τ=Kt・Φ(If)・Ia (2)
従って、電機子電流Iaと界磁電流Ifとを適当に配分させて軸トルクτを発生させることにより、電機子電流Iaを抑えて整流子を保護すると共に、界磁巻線8の温度上昇を抑えて、延命化と小型化を図ることができる。
【0017】
以下,全負荷上昇運転について説明する。
エレベータが停止中は図2(b)の「イ」の領域にあり、速度パターンSp及びトルク指令値T*は共に「0」である。界磁電流指令値If*は弱め界磁Ifwとなっており、電機子電流指令値Ia*は「0」である。従って、直流電動機5はトルクを発生しておらず、回転軸9はブレーキ10aによって制止されている。
【0018】
時刻t1で起動指令が出されると「ロ」の領域となり、かご内負荷検出回路27からの信号により、速度制御回路32からは負荷トルクTLがトルク指令値T*として出力される。界磁電流指令発生回路33は界磁電流指令値If*を弱め界磁Ifwから基準界磁Ifsへ漸増させ、界磁電流Ifは上記指令値If*に従って漸増する。電機子電流制御回路37は、界磁電流検出回路24からの界磁電流Ifの実際値に基いて上記トルク指令値T*を発生させるために必要な電機子電流指令値Ia*を演算する。この電機子電流指令値Ia*は界磁電流Ifが弱め界磁Ifwから基準界磁Ifsへ漸増するのに伴って漸減する。
【0019】
時刻t2でブレーキ10aが開放されると「ハ」の領域となり、加速度が漸増する。これに伴ってトルク指令値T*も漸増する。加速領域ではトルク指令値T*が増大するのに合せて、界磁電流指令値If*も漸増して強め界磁Iftになる。電機子電流指令値Ia*はトルク指令値T*の漸増に伴って増大するものの、界磁電流指令値If*の増大によって界磁電流Ifの実際値も増大するので、電機子電流指令値Ia*の増大量は抑制される。
【0020】
時刻t3で加速度一定の「ニ」の領域となる。トルク指令値T*は一定値を出力し、界磁電流指令値If*は強め界磁Iftの一定値となる。これ伴って電機子電流指令値Ia*も一定値となる。
【0021】
時刻t4で加速終了の「ホ」の領域となる。トルク指令値T*は漸減する。これに伴って界磁電流指令値If*は強め界磁Iftから基準界磁Ifsへ漸減し、電機子電流指令値Ia*も減少する。
【0022】
時刻t5で速度一定の「ヘ」の領域となる。トルク指令値T*、界磁電流指令値If*及び電機子電流指令値Ia*は、いずれも一定となる。
【0023】
時刻t6で減速指令が出され、減速領域「ト」となる。ここでは、全負荷上昇運転としているので、トルク指令値T*は減少する。しかし、負荷状態によってはトルク指令値T*が増大する場合もあるので、界磁電流指令値If*は漸増するように設定されている。電機子電流指令値Ia*はトルク指令値T*の減少と界磁電流Ifの増大に伴って減少する。
【0024】
時刻t7で減速度一定の「チ」の領域となる。トルク指令値T*は一定値を出力し、界磁電流指令値If*は強め界磁Iftの一定値となる。これ伴って電機子電流指令値Ia*も一定値となる。
【0025】
時刻t8で減速終了の「リ」の領域となる。トルク指令値T*は減速度の漸減に伴って漸増する。界磁電流指令値If*は強め界磁Iftから基準界磁Ifsへ漸減し、電機子電流指令値Ia*は漸増する。
時刻t9でかご12は実質停止し、時刻t10でブレーキ10aが作動してかご12を保持する。トルク指令値T*は「0」となり、これに伴って電機子電流指令値Ia*も「0」となる。界磁電流指令値If*は弱め界磁Ifwとなる。
【0026】
ここで、電機子電流指令値Ia*の求め方を述べる。有効磁束Φ(If)と界磁電流Ifは、図3に示す関係を有し、界磁電流IfがIfpよりも小さい範囲では両者は比例する。軸トルクτを同じとした場合に、検出された界磁電流Ifの実際値がIf1で、この実際値If1に対する電機子電流指令値Ia1*を、基準界磁Ifsの電機子電流指令値Ia*から演算する方法を述べる。
1.実際値If1と有効磁束Φ(If1)が比例する領域にある場合は、電機子電流指令値Ia*に、基準界磁Ifsに対する上記実際値If1の比の逆数1/(If1/Ifs)を乗じた値が、電機子電流指令値Ia1*となる。即ち、Ia1*=Ia*/(If1/Ifs)となる。
【0027】
2.検出された界磁電流Ifの実際値がIf2で、実際値If2と有効磁束Φ(If2)が比例しない領域にある場合は、比例するとした場合に上記有効磁束Φ(If2)と等価となる界磁電流Ifiに上記実際値If2を変換し、基準界磁Ifsのときの電機子電流値Ia*に、上記基準界磁Ifsに対する上記変換値IfIの比の逆数1/(Ifi/Ifs)を乗じた値が、実際値If2のときの電機子電流指令値Ia2*となる。即ち、Ia2*=Ia*/(Ifi/Ifs)となる。
もっとも、図3の関係をテーブル化し、界磁電流Ifに対する磁束Φ(If)を直読してもよい。即ち、Ia2*=Ia*/{(Φ(If2)/Φ(Ifs)}となる。
【0028】
上記実施の形態1によれば、トルク指令T*が増大する加減速時は、界磁電流指令値If*を強め界磁Iftに設定したので、電機子電流指令値Ia*を抑制することができ、整流子を保護することができる。
また、一定速度で昇降中は、界磁電流指令値If*を強め界磁Iftから基準界磁Ifsに低減し、併せて、停止中は弱め界磁Ifwにしたので、界磁巻線8の温度上昇を抑えて、延命と小型化を図ることができる。
更に、電機子電流指令値Ia*は界磁電流Ifの実際値に基いて演算されるので、界磁電流Ifがまだ界磁電流指令値If*になっていない場合でも、トルク指令値T*は軸トルクτに等しい値を出力する。このため、ブレーキ10aを開放した直後に直流電動機5が負荷トルクTLに引かれて逆回転することはない。このため、乗り心地を害することがない。
【0029】
実施の形態2.
この実施の形態2は、かごの負荷と運転方向に対応させて界磁電流Ifをパターン化したものである。
即ち、かご12内の負荷12aが、つり合重り13と平衡するバランスロードよりも少ない荷重であって、定格荷重に対してX%の荷重と、バランスロードよりも重いY%の荷重を設定する。このX%とY%は、例えば、バランスロードの上下で、不平衡量が等しくなる値に設定される。具体的には、50%バランスの場合は、X=40%、Y=60%に、また、45%バランスの場合は、X=35%、Y=55%に、それぞれ設定される。
かご負荷12aが、0〜X%、X%〜Y%、Y%以上に区分し、更に運転方向を考慮すると、運転モードは表1の如く分類される。
【0030】
【表1】
Figure 0004627345
【0031】
ここで、昇降中の電機子電流Iaに着目すると、電機子電流Iaが大きくなるのは、モードIの減速時(回生制動)と、モードIIの加速時(力行)である。
逆に電機子電流Iaが小さくなるのは、モードIの加速時と、モードIIの減速時である。
モードIIIでは、加速減速共に所定値以上の電機子電流Iaは流れない。
そこで、この実施の形態2は、加減速時であっても電機子電流Iaが大きくならない場合は、界磁電流指令値If*を基準界磁Ifsのままとし、必要な期間に限定して強め界磁Iftにしたものである。
【0032】
図4及び図5は、この発明の実施の形態2を示す。図中、図1及び図2と同符号は同一部分及び同一内容を示す。40は、弱め界磁Ifwと、基準界磁Ifsと、トルク指令値T*がピークとなる速度区間では強め界磁Iftとなるように界磁電流Ifをパターン化し、この界磁電流パターンをかごの負荷12aと運転方向に対応させて発生させる界磁電流パターン発生回路である。具体的には、図5に示したパターンI〜パターンIIIが発生される。33Aはかごの負荷12aと運転方向に対応した界磁電流パターンに基いて速度パターンSpに応じた界磁電流指令値If*を発生させる界磁電流指令発生回路である。
【0033】
次に動作を図5に従って説明する。
1.表1のモードI(回生)の場合
例えば、0〜X%の積載荷重でUP運転とする。加速時は電機子電流Iaが所定値以上に大きくならないので、基準界磁Ifsのままでよい。減速時(t6〜t9)は大きな減速トルクを必要とし、電機子電流Iaが大きくなるので強め界磁Iftを必要とする。従って、界磁電流IfはパターンIが対応する。
Y%以上でDOWN運転の場合も同様である。
【0034】
2.表1のモード2(力行)の場合
例えば、0〜X%の積載荷重でDOWN運転とする。加速時(t2〜t5)は大きな加速トルクを必要とし、電機子電流Iaが大きくなるので強め界磁Iftを必要とする。減速時は基準界磁Ifsのままでよい。従って、界磁電流IfはパターンIIが対応する。
Y%以上でUP運転の場合も同様である。
【0035】
3.表1のモード3の場合
加速時、減速時共に電機子電流Iaは所定値以上に大きくならないので、界磁電流Ifは基準界磁Ifsのままでよく、パターンIIIが対応する。
なお、積載荷重は、3区分としたが、バランスロード未満と、バランスロード以上の2区分としてもよい。
界磁電流Ifから電機子電流Iaの求め方も、上記実施の形態1と同様である。
【0036】
上記実施の形態2によれば、電機子電流Iaが大きくならない場合は、加減速時であっても界磁電流指令値If*を基準界磁Ifsのままとし、必要となる期間に限定して強め界磁Iftにしたので、整流子の保護と界磁巻線8の発熱抑制の双方を、より確実に実現できる。
【0037】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1及び2では、強め界磁Iftは、図2及び図5に示したとおり一定値としたが、図6に示したとおり、トルク指令値T*によって変化させた方がより望ましい場合がある。
即ち、エレベータでは軸トルクτは、かご12の負荷、運転方向及び加減速によって大きく変化し、これに伴ってトルク指令値T*も同様に変化する。このため、強め界磁Iftを上記トルク指令値T*の変化に従って変化させ、電機子電流Iaを減少させた方が、整流子保護の観点から望ましい。
【0038】
図6は、トルク指令値T*が所定値T1*以下の場合は、基準界磁Ifsのままとし、所定値T1*を超えると基準界磁Ifsから漸増させて強め界磁Iftとし、所定値T2*以上の範囲では直流電動機5の仕様から決まる最大値Ifmaxに設定したものである。
このように、トルク指令値T*の変化に応じて強め界磁Iftの値を変化させれば、整流子保護に有効である。なお、トルク指令値T*のピークは短期間であるから、界磁巻線8の温度上昇に与える影響は少ないと考えられる。
【0039】
【発明の効果】
この発明は上記のとおり構成されているので、以下の効果を奏する。請求項1に係る直流エレベータの制御装置は、かごを昇降させるために必要なトルク指令値が所定値を超えるピークとなる速度区間では強め界磁に設定される界磁電流指令値を、かごの運転方向とかごの負荷によってパターン化し、この界磁電流パターンに従って界磁電流指令値を発生させ、この界磁電流指令値に基いて直流電動機の界磁巻線を付勢すると共に、界磁回路から直接検出して得られた界磁電流の実際値に基いて必要な電機子電流指令値を演算し、この電機子電流指令値が電機子に流れるようにし、かごの負荷がバランスロードより所定の不平衡量だけ少ない第1の基準荷重未満の荷重である場合、運転方向がUP運転の時に、かごの減速時のみ強め界磁とする第1の界磁電流パターンを発生させ、運転方向がDOWN運転の時に、かごの加速時のみ強め界磁とする第2の界磁電流パターンを発生させ、かごの負荷がバランスロードより不平衡量だけ重い第2の基準荷重以上の荷重である場合、運転方向がUP運転の時に第2の界磁電流パターンを発生させ、運転方向がDOWN運転の時に第1の界磁電流パターンを発生させると共に、かごの負荷が第1の基準荷重以上かつ第2の基準荷重未満の荷重である場合、運転方向に関わらずかごの加速時及び減速時とも基準界磁とする第3の界磁電流パターンを発生させるようにしたものである。このため、強め界磁は短期間に限られ、界磁巻線の温度上昇を抑制することができる、という効果を奏する。また、電機子電流指令値は、界磁電流の実際値に基いて演算するようにしたので、界磁電流が指令値に達成していない段階でも、直流電動機は必要なトルクを発生し、応答のよい制御が可能となる。このため、負荷トルクに引かれて直流電動機が逆転するのを防止することができ、乗り心地のよい滑らかな運転が可能となる、という効果も奏する。
【0041】
請求項2に係る直流エレベータの制御装置は、検出された界磁電流の実際値が磁束に比例する領域にある場合は、基準界磁のときの電機子電流値に、基準界磁に対する実際値の比の逆数を乗じた値を電機子電流指令値としたものである。このため、電機子電流指令値を容易に算出することができる、という効果を奏する。
【0042】
請求項3に係る直流エレベータの制御装置は、検出された界磁電流の実際値が磁束に比例しない領域にある場合は、比例するとした場合に上記磁束と等価となる値に実際値を変換し、基準界磁のときの電機子電流値に、基準界磁に対する上記変換値の比の逆数を乗じた値を上記実際値のときの電機子電流指令値として電機子電流制御回路から出力されるようにしたものである。このものにあっても、上記と同様の効果を奏する。
【0043】
請求項4に係る直流エレベータの制御装置は、トルク指令値のピーク値が所定値を一定値以上上回ったとき、強め界磁として設定された値を更に強めた界磁とした界磁電流指令値が発生されるようにしたものである。このため、界磁巻線の温度上昇を抑えつつ整流子を、より確実に保護することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における直流エレベータの制御装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】 この発明の実施の形態1における直流エレベータの制御装置の動作説明図。
【図3】 この発明の実施の形態1における直流エレベータの説明用図。
【図4】 この発明の実施の形態2における直流エレベータの制御装置の全体構成を示すブロック図。
【図5】 この発明の実施の形態2における直流エレベータの制御装置の動作説明図。
【図6】 この発明の実施の形態3における直流エレベータの説明用図。
【符号の説明】
1 三相交流電源、 2 コンバータ、 3 平滑コンデンサ、 4 DCチョッパ回路、 5 直流電動機、 6 コンバータ、 7 DCチョッパ回路、8 界磁巻線、 9 回転軸、 10 巻上機、 10a ブレーキ、 11主索、 12 かご、 13 つり合重り、 21 直流変流器、 22 電機子電流検出回路、 23 直流変流器、 24 界磁電流検出回路、 25 エンコーダ、 26 速度検出回路、 27 かご内負荷検出回路、 30 エレベータ制御回路、 31 速度パターン発生回路、 32 速度制御回路、 33 界磁電流指令発生回路、 33A 界磁電流指令発生回路、 34 界磁電流制御回路、 35 PWM回路、 36 ゲート駆動回路、 37 電機子電流制御回路、 38 PWM回路、 39 ゲート駆動回路、 40 界磁電流パターン発生回路。

Claims (4)

  1. 直流電動機を制御してかごを昇降させるエレベータの制御装置において、所定の速度パターンに従って上記かごを昇降させるために必要なトルク指令値を演算する速度制御回路と、少なくとも基準界磁と、上記トルク指令値が所定値を超えるピークとなる速度区間では強め界磁となるように界磁電流をパターン化し、この界磁電流パターンを上記かごの負荷と運転方向に対応させて発生させる界磁電流パターン発生回路と、上記界磁電流パターンに基いて上記速度パターンに応じた界磁電流指令値を発生させる界磁電流指令発生回路と、上記界磁電流指令値に基いて上記直流電動機の界磁巻線を付勢する界磁回路と、この界磁回路の界磁電流の実際値を検出する界磁電流検出回路と、検出された上記界磁電流の実際値に基いて上記トルク指令値を発生させるために必要な電機子電流指令値を演算する電機子電流制御回路と、上記電機子電流指令値に基いて上記直流電動機の電機子を付勢する電機子回路とを備え、上記界磁電流パターン発生回路は、上記かごの負荷がつり合重りと平衡するバランスロードより所定の不平衡量だけ少ない第1の基準荷重未満の荷重である場合、上記運転方向がUP運転の時に、上記かごの減速時のみ上記強め界磁とする第1の界磁電流パターンを発生させ、上記運転方向がDOWN運転の時に、上記かごの加速時のみ上記強め界磁とする第2の界磁電流パターンを発生させ、上記かごの負荷が上記バランスロードより上記不平衡量だけ重い第2の基準荷重以上の荷重である場合、上記運転方向がUP運転の時に上記第2の界磁電流パターンを発生させ、上記運転方向がDOWN運転の時に上記第1の界磁電流パターンを発生させると共に、上記かごの負荷が上記第1の基準荷重以上かつ上記第2の基準荷重未満の荷重である場合、上記運転方向に関わらず上記かごの加速時及び減速時とも上記基準界磁とする第3の界磁電流パターンを発生させる直流エレベータの制御装置。
  2. 電機子電流制御回路は、検出された界磁電流の実際値が磁束に比例する領域にある場合は、基準界磁のときの電機子電流値に、上記基準界磁に対する上記実際値の比の逆数を乗じた値を電機子電流指令値として演算するものとした請求項1に記載の直流エレベータの制御装置。
  3. 電機子電流制御回路は、検出された界磁電流の実際値が磁束に比例しない領域にある場合は、比例するとした場合に上記磁束と等価となる値に上記実際値を変換し、基準界磁のときの電機子電流値に、上記基準界磁に対する上記変換値の比の逆数を乗じた値を上記実際値のときの電機子電流指令値として演算するものとした請求項1に記載の直流エレベータの制御装置。
  4. 界磁電流指令発生回路は、トルク指令値のピーク値が所定値を一定値以上上回ったとき、強め界磁として設定された値を更に強めた界磁となる界磁電流指令値を発生させるものとした請求項1に記載の直流エレベータの制御装置。
JP2000087018A 2000-03-27 2000-03-27 直流エレベータの制御装置 Expired - Fee Related JP4627345B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000087018A JP4627345B2 (ja) 2000-03-27 2000-03-27 直流エレベータの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000087018A JP4627345B2 (ja) 2000-03-27 2000-03-27 直流エレベータの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001270662A JP2001270662A (ja) 2001-10-02
JP4627345B2 true JP4627345B2 (ja) 2011-02-09

Family

ID=18603104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000087018A Expired - Fee Related JP4627345B2 (ja) 2000-03-27 2000-03-27 直流エレベータの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4627345B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5730264U (ja) * 1980-07-25 1982-02-17
JPS61267675A (ja) * 1985-05-20 1986-11-27 株式会社東芝 エレベ−タの制御装置
JPH01278208A (ja) * 1988-04-28 1989-11-08 Hitachi Ltd チヨツパ制御方式
JPH0585470B2 (ja) * 1984-05-31 1993-12-07 Fuji Tetsuku Kk
JPH10136678A (ja) * 1996-11-05 1998-05-22 Fuji Electric Co Ltd 直流電動機の速度制御装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5730264U (ja) * 1980-07-25 1982-02-17
JPH0585470B2 (ja) * 1984-05-31 1993-12-07 Fuji Tetsuku Kk
JPS61267675A (ja) * 1985-05-20 1986-11-27 株式会社東芝 エレベ−タの制御装置
JPH01278208A (ja) * 1988-04-28 1989-11-08 Hitachi Ltd チヨツパ制御方式
JPH10136678A (ja) * 1996-11-05 1998-05-22 Fuji Electric Co Ltd 直流電動機の速度制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001270662A (ja) 2001-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4964903B2 (ja) エレベータ装置
JP2012533488A (ja) 最適化された運動プロフィールを用いた省エネルギー
JPS638033B2 (ja)
JP6950809B1 (ja) エレベーターおよび制御装置
JPWO2005092764A1 (ja) エレベータ制御装置
JP4627345B2 (ja) 直流エレベータの制御装置
JPH05306074A (ja) エレベータの制御装置
KR960003012B1 (ko) 엘리베이터의 조정 장치
US4661757A (en) Controller for AC elevator
JP4663849B2 (ja) エレベータの制御装置
JPS6246474B2 (ja)
JPS601268B2 (ja) 交流エレベ−タの制御装置
JPH04286587A (ja) リニアモータ式エレベータ制御装置
JPS6253435B2 (ja)
JP2513792B2 (ja) インバ―タエレベ―タの起動方法
JP2522251B2 (ja) 交流エレベ−タの制御装置
JPS597679A (ja) 交流エレベ−タの制御装置
JP2001253650A (ja) エレベータの制御装置
JPS58202270A (ja) エレベ−タ−制御装置
JP2001240335A (ja) エレベータの停電時運転装置
CN113979260B (zh) 一种电梯超速保护方法、装置、设备及存储介质
JPH09240935A (ja) 交流エレベータの制御装置
JP2008037568A (ja) エレベーターの制御システム
JPH0570047A (ja) 交流エレベータの制御装置
JP2022128144A (ja) 巻胴式エレベータの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101005

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101102

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101105

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees