JP4627056B2 - 条鋼圧延材の圧延方法 - Google Patents
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かかる圧延装置で製造される条鋼圧延材の寸法精度は、条鋼圧延材に作用するスタンド間張力に大きく影響を受ける。スタンド間張力が大きくなれば、条鋼圧延材の真円度が悪くなって偏径差が大きくなったり、逆に、張力が極端に小さくなるとスタンド間で圧延材が脈動してコブルが発生することが明らかになっている。
このような考えに基づいた条鋼圧延材の圧延技術としては、特許文献1、特許文献2に開示されたものがある。
特許文献2の技術は、条鋼圧延材の先端部の移送速度(トップ速度)と中途部の移送速度(ミドル速度)から、製品の全長にわたる寸法が均一となる線速比を予め求めておき、実際の圧延時に、トップ速度の実測値と線速比から得られたミドル速度を基に、最終仕上げ圧延機の駆動モータの回転数を制御するものとなっている。
しかしながら、スタンド間張力を制御すべく特許文献1の技術を採用しようとしても、特許文献1は条鋼圧延材の「尻抜け時」における技術であって、圧延開始時や圧延中に適用することは困難である。仮に適用したとしても、影響係数を用いてスタンド間張力を推定しているため、推定された張力値は精度が高いものとは言い難い。加えて、制御量である圧延ロールの回転数やロールギャップ量は、張力値を基に幾つかの仮定をおいた計算式から推定されるため、やはり精度に問題があり確実な圧延機の制御を行うことが困難であった。
すなわち、圧延ロールで1条の条鋼圧延材を圧延した場合と、4条の条鋼圧延材を同時に圧延した場合には、圧延機の剛性の問題から圧延ロールのギャップが変動することで圧延材の移送速度が変化するため、1条用に設定した回転数ではスタンド間張力の変動が生じる。また、4条の同時圧延において、ミスロール等の理由でしばらく3条で圧延し、その後、再び4条で圧延するような場合には、圧延ロールのカリバーの摩耗量が各系列によって異なるため、そのままの回転数やロールギャップ量では、条鋼圧延材にたるみ(ループ)が発生し再度ミスロールを生じることもある。特に、条鋼圧延材の鋼種が変わる場合には、鋼種による延伸の変化により、初期の状態で設定した回転数ではスタンド張力が変動し、寸法変動、ループの発生によるミスロール、ガイドとの接触による表面疵などが発生しやすい。
すなわち、本発明に係る条鋼圧延材の圧延方法は、複数のカリバーを有する圧延ロールが多数配備された圧延装置を用いて、条鋼圧延材を多系列で圧延するに際し、
(i) 前記条鋼圧延材の先端部の速度であるトップ速度V0と、前記条鋼圧延材の中途部の速度であるミドル速度V1とから、各系列の条鋼圧延材において最適な圧延が可能な線速比R=(V1−V0)/V0を予め求めておき、
(ii) 最初に圧延が開始される第1系列の条鋼圧延材にあっては、当該条鋼圧延材のトップ速度V0'−1を計測すると共に、該実績値V0'−1と前記線速比Rとから目標ミドル速度V1'−1を求め、当該条鋼圧延材の中途部が目標ミドル速度V1'−1となるように前記トップ速度V0'−1を計測した線速計の設置位置よりも上流側の圧延ロールの回転数を設定し、
(iii) 前記第1系列の条鋼圧延材の圧延開始後に圧延が開始される第2系列の条鋼圧延材にあっては、当該条鋼圧延材のトップ速度V0'−2を計測すると共に、該実績値V0'−2と前記線速比Rとから目標ミドル速度V1'−2を求め、
(iv) 前記第2系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−2が、第1系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−1より大きい場合には、全系列の条鋼圧延材の中途部が目標ミドル速度V1’−2となるように、前記条鋼圧延材の先端部がトップ速度V0'−2を計測した線速計の設置位置に最も近い下流側に配備された圧延ロールに達する前に、前記トップ速度V0'−2を計測した線速計の設置位置よりも上流側に配備された圧延ロールの回転数を変更し、
(v) 前記第2系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−2が、第1系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−1より小さい場合には、前記圧延ロールの回転数を変更せずに、
それぞれの条鋼圧延材の圧延を行うことを特徴とする。
(vi) 前記第3系列の条鋼圧延材のトップ速度V0'−3を計測すると共に、該実績値V0'−3と前記線速比Rとから当該条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−3を求め、
(vii) 前記目標ミドル速度V1'−3が、第1及び第2系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−1,V1'−2の何れよりも大きい場合には、全系列の条鋼圧延材の中途部が目標ミドル速度V1'−3となるように、前記条鋼圧延材の先端部がトップ速度V0'−3を計測した線速計の設置位置に最も近い下流側に配備された圧延ロールに達する前に、前記トップ速度V0'−3を計測した線速計の設置位置よりも上流側に配備された圧延ロールの回転数を変更し、
(viii) 前記第3系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−3が、第1及び第2系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−1,V1'−2の何れか1つより小さい場合には、前記圧延ロールの回転数を変更せずに、
それぞれの条鋼圧延材の圧延を行うとよい。
(ix) 前記第n系列の条鋼圧延材のトップ速度V0'−nを計測すると共に、該実績値V0'−nと前記線速比Rとから当該条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−nを求め、
(x) 前記目標ミドル速度V1'−nが、第1〜第n−1系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−1〜V1'−(n−1)の何れよりも大きい場合には、全系列の条鋼圧延材の中途部が目標ミドル速度V1’−nとなるように、前記条鋼圧延材の先端部がトップ速度V0'−nを計測した線速計の設置位置に最も近い下流側に配備された圧延ロールに達する前に、前記トップ速度V0'−nを計測した線速計の設置位置よりも上流側に配備された圧延ロールの回転数を変更し、
(xi) 前記第n系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−nが、第1〜第n−1系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−1〜V1'−(n−1)の何れか1つより小さい場合には、前記圧延ロールの回転数を変更せずに、
それぞれの条鋼圧延材の圧延を行うとよい。
図1、図2に示すものは、条鋼線材などの条鋼圧延材1を熱間圧延する圧延装置2の概要である。
この圧延装置2は、上流側から、複数の粗圧延機3から構成される粗圧延列4、複数の中間圧延機5から構成される第1中間圧延列6、複数の圧延機から構成される第2中間圧延列7、仕上げ圧延機8、巻き取り装置9(レイングヘッド)が順番に配設されてなる。図示はしていないものの、第2中間圧延列7と仕上げ圧延機8の間には、水冷装置等が設けられている。加熱炉10で加熱されたビレットがこの圧延装置2の上流側から導入され連続的に圧延を施された後、条鋼圧延材1となり、巻き取り装置9でリング状に巻線されるようになっている。
第2中間圧延列7には、ブロックミルが採用され、複数列のワークロール(水平ロールと垂直ロールの組み合わせ)が直列状に配置されており、これらワークロールを回転駆動させるための単一の駆動モータが設けられている。仕上げ圧延機8には、サイジングミルが採用され、複数列のワークロール(水平ロールと垂直ロールの組み合わせ)が直列状に配置されており、これらワークロールを回転駆動する単一の駆動モータが設けられている。
粗圧延列4の各圧延機間(圧延スタンド間)、第1中間圧延列6の各圧延機間(圧延スタンド間)には、条鋼圧延材1の移送速度を測定するための線速度測定手段12が設けられている。この線速度測定手段12は、レーザドップラ線速計から構成されている。
本実施形態の圧延装置2は、多ストランド圧延装置であって、1つの圧延ロール14で複数の条鋼圧延材1を圧延可能なものとなっている。具体的には、1つの圧延ロール14に4つのカリバー(孔型)を備えており、一度に4系列の条鋼圧延材1を圧延可能である。
図3,図4には、制御部11で行われる条鋼圧延材の圧延方法すなわち圧延ロール14の回転数の制御方法が示されている。
まず、条鋼圧延材1を圧延するにあたり、前もって、条鋼圧延材1の圧延条件(圧延速度、温度、圧下率、鋼種など)を基に、最終製品の寸法形状・寸法偏差が所定値内であって表面疵の発生が少なくなる「線速比R」を算出する。かかる線速比Rの算出においては、過去の圧延実績を纏めたデータテーブルや実験結果を用いるとよい。
R=(V1−V0)/V0 ・・・(1)
で算出される[S1]。本実施形態の場合、ミドル速度V1は、トップ速度V0を計測した位置(レーザドップラ線速計12の設置位置)に最も近い下流側の圧延機(#7)へ、条鋼圧延材1が噛み込んだ後の速度としている。
V1'−1=V0'−1+V0'−1×R ・・・(2)
続いて、条鋼圧延材1の先端部がレーザドップラ線速計12に最も近い下流の圧延機(#7圧延機)に達するまでに、第1系列の中途部の移送速度をレーザドップラ線速計12により計測し、その速度が先ほど算出した目標ミドル速度V1'−1と異なっている場合には、レーザドップラ線速計12に最も近い上流の圧延機(#6圧延機)及びそれより上流側の圧延機(#1〜#5圧延機)の各駆動モータを制御し圧延ロール14の周速を変化させて、各位置における第1系列の移送速度が目標ミドル速度V1'−1となるようにする(アップストリーム)。[S2〜S4]
次に、第2系列の条鋼圧延材1(単に、第2系列と呼ぶこともある)を圧延する。第2系列は、第1系列の条鋼圧延材の圧延開始後に圧延が開始される。その際、図3(b)に示す如く、先端検出手段13により第2系列の先端部を検出して、レーザドップラ線速計12でトップ速度の実績値V0'−2を計測する。そして、実績値V0'−2と前記した線速比Rとから、式(3)用いて目標ミドル速度V1'−2を求めるようにする。[S5,S6]
V1'−2=V0'−2+V0'−2×R ・・・(3)
続いて、第2系列の先端部がレーザドップラ線速計12に最も近い下流の圧延機(#7圧延機)に達するまでに、中途部の移送速度をレーザドップラ線速計12により計測し、計測された移送速度に基づいて算出される目標ミドル速度V1'−2と第1系列の目標ミドル速度V1'−1とを比較する。[S7]
S7の結果、第2系列の目標ミドル速度V1'−2が第1系列の目標ミドル速度V1'−1より大きい場合には、前記第1及び第2系列の中途部の移送速度が目標ミドル速度V1'−2となるように、#6圧延機の圧延ロール14の回転数を増加させるようにする。[S8]
S7の結果、第2系列の目標ミドル速度V1'−2が第1系列の目標ミドル速度V1'−1より小さい場合には、#6圧延機の圧延ロール14の回転数はそのままとし、第1及び第2系列の中途部の移送速度を目標ミドル速度V1'−1とする。[S9]
以下、同様に第3系列の条鋼圧延材1、第4系列の条鋼圧延材1を圧延する(以降、単に第3系列、第4系列と呼ぶこともある)。第3系列は、第2系列の条鋼圧延材の圧延開始後に圧延が開始され、第4系列は、第3系列の条鋼圧延材の圧延開始後に圧延が開始される。
V1'−3=V0'−3+V0'−3×R ・・・(4)
その後、目標ミドル速度V1'−3が、第1,第2系列の目標ミドル速度V1'−1,V1'−2の何れよりも大きい場合には、全系列の中途部の移送速度が目標ミドル速度V1'−3となるように、第3系列の先端部が#7圧延機に達しない間に#6圧延機の圧延ロール14の回転数を増加させるようにする。[S12,S13]
第3系列の目標ミドル速度V1'−3が、他系列の目標ミドル速度V1'−1,V1'−2のいずれか一方より小さい場合には、#6圧延機の圧延ロール14の回転数はそのままとする。[S12,S14]
第4系列を圧延する場合は、図3(d)のように、レーザドップラ線速計12により、トップ速度の実績値V0'−4を計測する。そして、実績値V0'−4と線速比Rとから、式(5)を用いて目標ミドル速度V1'−4を求めるようにする。[S15,S16]
V1'−4=V0'−4+V0'−4×R ・・・(5)
その後、目標ミドル速度V1'−3が、第1〜第3系列の目標ミドル速度V1'−1〜V1'−3のどれよりも大きい場合には、前記第1〜第3系列が目標ミドル速度V1'−4となるように、第4系列の先端部が#7圧延機に達するまでに、#6圧延機の圧延ロール14の回転数を増加させるようにする。[S17,S18]
第4系列に対する目標ミドル速度V1'−3が、第1〜第3系列の目標ミドル速度V1'−1,V1'−2,V1'−3のいずれか1つよりも小さい場合には、#6圧延機の圧延ロール14の回転数はそのままとしておく。[S17,S19]
このように圧延ロール14の回転数を制御することで、線速度を計測しているスタンド間に対して、その上流の圧延ロール14については、線速比Rから算出されるロール速度の内、最も早いロール速度となり、下流については最も遅いロール速度となる。
M=Vr/(G×π×D) ・・・(6)
以上述べた条鋼圧延材の圧延方法は、条鋼圧延材1が5,6・・・n系列と増えた場合であっても同様に適用可能である。
・鋼種:JIS SCM435
・製品線径:φ5.5
・圧延速度:80m/s
・ビレット径:□155
・圧延装置入側の温度:1000℃
具体的には、図1,図2に示す圧延装置2の如く、1系列あたり、#1〜#11スタンド間に10台のレーザドップラ線速計12を設置して、前述した条鋼圧延材1の圧延方法を行った結果である。
条件Aの従来法では、張力制御装置の存在する#12以降の圧延機があるにも関わらず、上流側でのスタンド間張力の影響により、4系列の中3系列の寸法公差が「±0.1mm以下」を満たすことができないばかりか、0.02mm〜0.03mmの表面疵が存在したり(図中△)、0.03mm以上の表面疵が発生した(図中×)。
条件Dの場合、条鋼圧延材1全長に亘る寸法公差は±0.1mm以下であって、全てにおいて0.01mm以上の表面疵は発生せず、従来法と比較して寸法精度、表面品質が著しく向上する結果となった。すなわち、本発明の条鋼圧延材の圧延方法を、全てのスタンド間に適用することで、寸法偏差もなく表面疵もほとんど発生しない条鋼圧延材を製造することが可能となる。
本発明に係る条鋼圧延材の圧延方法は、条鋼圧延材1の先端部の圧延に限定されるものではなく、条鋼圧延材1の後端部(尻抜け)にも適用可能である。後端部の線速度(ボトム速度)を計測して線速比Rを求めた場合、制御は次材のプリセットに適用するようにするとよい。
2 圧延装置
4 粗圧延列
6 第1中間圧延列
7 第2中間圧延列
8 仕上げ圧延機
9 巻き取り装置(レイングヘッド)
11 制御部
12 線速度測定手段(レーザドップラ線速計)
13 先端検出手段
14 圧延ロール
Claims (3)
- 複数のカリバーを有する圧延ロールが多数配備された圧延装置を用いて、条鋼圧延材を多系列で圧延するに際し、
(i) 前記条鋼圧延材の先端部の速度であるトップ速度V0と、前記条鋼圧延材の中途部の速度であるミドル速度V1とから、各系列の条鋼圧延材において最適な圧延が可能な線速比R=(V1−V0)/V0を予め求めておき、
(ii) 最初に圧延が開始される第1系列の条鋼圧延材にあっては、当該条鋼圧延材のトップ速度V0'−1を計測すると共に、該実績値V0'−1と前記線速比Rとから目標ミドル速度V1'−1を求め、当該条鋼圧延材の中途部が目標ミドル速度V1'−1となるように前記トップ速度V0'−1を計測した線速計の設置位置よりも上流側の圧延ロールの回転数を設定し、
(iii) 前記第1系列の条鋼圧延材の圧延開始後に圧延が開始される第2系列の条鋼圧延材にあっては、当該条鋼圧延材のトップ速度V0'−2を計測すると共に、該実績値V0'−2と前記線速比Rとから目標ミドル速度V1'−2を求め、
(iv) 前記第2系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−2が、第1系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−1より大きい場合には、全系列の条鋼圧延材の中途部が目標ミドル速度V1’−2となるように、前記条鋼圧延材の先端部がトップ速度V0'−2を計測した線速計の設置位置に最も近い下流側に配備された圧延ロールに達する前に、前記トップ速度V0'−2を計測した線速計の設置位置よりも上流側に配備された圧延ロールの回転数を変更し、
(v) 前記第2系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−2が、第1系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−1より小さい場合には、前記圧延ロールの回転数を変更せずに、
それぞれの条鋼圧延材の圧延を行うことを特徴とする条鋼圧延材の圧延方法。 - 前記第1及び第2系列の条鋼圧延材の圧延開始後に圧延が開始される第3系列の条鋼圧延材にあっては、
(vi) 前記第3系列の条鋼圧延材のトップ速度V0'−3を計測すると共に、該実績値V0'−3と前記線速比Rとから当該条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−3を求め、
(vii) 前記目標ミドル速度V1'−3が、第1及び第2系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−1,V1'−2の何れよりも大きい場合には、全系列の条鋼圧延材の中途部が目標ミドル速度V1'−3となるように、前記条鋼圧延材の先端部がトップ速度V0'−3を計測した線速計の設置位置に最も近い下流側に配備された圧延ロールに達する前に、前記トップ速度V0'−3を計測した線速計の設置位置よりも上流側に配備された圧延ロールの回転数を変更し、
(viii) 前記第3系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−3が、第1及び第2系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−1,V1'−2の何れか1つより小さい場合には、前記圧延ロールの回転数を変更せずに、
それぞれの条鋼圧延材の圧延を行うことを特徴とする請求項1に記載の条鋼圧延材の圧延方法。 - 前記第3系列の条鋼圧延材の圧延開始後に圧延が開始される第n系列(n>3)の条鋼圧延材にあっては、
(ix) 前記第n系列の条鋼圧延材のトップ速度V0'−nを計測すると共に、該実績値V0'−nと前記線速比Rとから当該条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−nを求め、
(x) 前記目標ミドル速度V1'−nが、第1〜第n−1系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−1〜V1'−(n−1)の何れよりも大きい場合には、全系列の条鋼圧延材の中途部が目標ミドル速度V1’−nとなるように、前記条鋼圧延材の先端部がトップ速度V0'−nを計測した線速計の設置位置に最も近い下流側に配備された圧延ロールに達する前に、前記トップ速度V0'−nを計測した線速計の設置位置よりも上流側に配備された圧延ロールの回転数を変更し、
(xi) 前記第n系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−nが、第1〜第n−1系列の条鋼圧延材に対する目標ミドル速度V1'−1〜V1'−(n−1)の何れか1つより小さい場合には、前記圧延ロールの回転数を変更せずに、
それぞれの条鋼圧延材の圧延を行うことを特徴とする請求項2に記載の条鋼圧延材の圧延方法。
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