JP2003181514A - 金属帯の調質圧延方法および調質圧延装置 - Google Patents

金属帯の調質圧延方法および調質圧延装置

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JP2003181514A JP2001386017A JP2001386017A JP2003181514A JP 2003181514 A JP2003181514 A JP 2003181514A JP 2001386017 A JP2001386017 A JP 2001386017A JP 2001386017 A JP2001386017 A JP 2001386017A JP 2003181514 A JP2003181514 A JP 2003181514A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調質圧延において圧延速度によらず安定して
所望の伸び率を得ることを可能にする。 【解決手段】 調質圧延されている金属帯の伸び率、金
属帯に負荷されている圧延荷重および金属帯の圧延速度
を検出し、圧延速度が加速または減速されるとき、圧延
速度の変化量に対応して増加または減少させるべき圧延
荷重の変化量を金属帯の変形抵抗値に基づいて求め、圧
延速度を速くするときには圧延荷重を増加し、圧延速度
を遅くするときには圧延荷重を減少するように制御す
る。このことによって、圧延速度によらず金属帯の伸び
率が予め定める値になるように圧延することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属帯の機械的性
質および形状などの調整を目的として行われる調質圧延
に関し、特に圧延速度が変化した場合においても安定し
た金属帯の伸び率を得ることができる金属帯の調質圧延
方法および調質圧延装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、金属帯には、その機械的性
質、形状および表面粗さなどの調整を目的として、高く
ても数パーセントの圧下率で調質圧延と呼ばれる圧延が
施されている。金属帯の調質圧延に際しては、予め定め
る伸び率を得るために、金属帯に負荷される圧延荷重P
は、金属帯の種類、金属帯の幅、金属帯の厚み、伸び率
および張力が定まれば式(1)によって決定される。 P=w・fp(ε,T,H,V,L) …(1) ここで、 W:金属帯の幅 ε:伸び率 T:張力 H:金属帯の厚み V:圧延速度 L:接触孤長
【0003】しかしながら、金属帯の塑性変形である伸
びに関係する性質である変形抵抗値は、圧延速度すなわ
ち金属帯が変形を受けるひずみ速度の影響によって変化
するので、圧延速度を変化させると圧延の初期に設定さ
れた条件において得られた伸び率が変化し、予め定める
伸び率を安定して得ることができないという問題があっ
た。この問題を解決するために、従来圧延速度を変化さ
せたとき、圧延荷重または圧延装置の入側出側の張力を
手動もしくはフィードバック制御によって変化させて補
正し、所望の伸び率を得ている。
【0004】図5は、圧延速度の変化に対応して圧延荷
重を変化させる補正方法の概略を示す図である。図5に
示す時刻t0〜t1の期間は圧延の初期すなわち金属帯
の圧延方向前方側の端部である頭部を圧延している時期
に相当し、圧延速度v1は比較的遅く、圧延速度v1で
圧延されている状態で、予め定める所望の伸び率EL1
になるように圧延荷重P1が設定される。圧延荷重P1
が設定された後、時刻t1〜t2の期間においては、生
産能率の観点から圧延速度v1が、v1<v2である圧
延速度v2まで加速される。このとき、圧延速度の増加
にともない金属帯の変形抵抗値が変化するので、圧延荷
重がP1のままでは、図5に示すように金属帯の伸び率
は低下する。
【0005】したがって、伸び率が所望の値であるEL
1になるように、圧延荷重P1をP1<P2である圧延
荷重P2まで増加させて補正する。圧延荷重P2に増加
された時刻t2〜t3の期間では、圧延速度v2および
圧延荷重P2において伸び率EL1を安定して得ること
ができる。
【0006】さらに時刻t3〜t4の期間では、圧延さ
れている金属帯の圧延方向後方側の端部である尾部近く
に達するので、圧延を終了するべく圧延速度は圧延初期
と同様の圧延速度v1にまで減速される。このとき、圧
延速度の減少にともない金属帯の変形抵抗値が変化する
ので、圧延荷重がP2のままでは、図5に示すように金
属帯の伸び率は向上する。したがって、伸び率が所望の
値であるEL1になるように、圧延荷重P2を圧延荷重
P1まで減少させて補正する。圧延荷重に代えて張力を
変化させて補正をする場合についても、前述の圧延荷重
を変化させて補正をする場合とほぼ同様にして行われて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】圧延速度の変化に応答
し、圧延荷重または圧延装置の入側出側の張力を手動も
しくはフィードバック制御によって補正し、所望の伸び
率を得るという従来の補正方法では、以下のような問題
がある。単に伸び率の変化のみをとらえて、圧延速度変
化に対して圧延荷重を変化させるので、圧延速度変化に
対する圧延荷重変化の応答に時間を要する。したがっ
て、圧延速度が速いと金属帯の伸び率が、金属帯の長手
方向全長に対して高い割合で、所望の伸び率を外れるい
わゆる伸び率外れになるという問題がある。特に手動に
よって補正する場合には、伸び率の変動を感知し圧延速
度変化に追随して圧延荷重を変化させる応答が遅くなる
ので、金属帯の全長に対する前記伸び率外れの割合がさ
らに多くなる。
【0008】圧延速度の変化量を小さくすることによっ
て、すなわち圧延速度v1に対して圧延速度v2を余り
速くしなければ、金属帯の伸び率に及ぼす影響が小さく
なるので、所望の伸び率に対するずれ量すなわち補正し
なければならない伸び率のずれ量は小さくなる。また伸
び率の所望の値からのずれを補正するために圧延速度の
変化に追随して変化させるべき圧延荷重の変化量も小さ
くなり、圧延荷重変化の応答に要する時間が短縮される
ので、伸び率外れの割合は少なくなる。しかしながら、
実際の生産時における圧延速度として選択される圧延速
度v2の値を小さくすることによって金属帯の伸び率外
れは少なくなるけれども、調質圧延の生産能率が低下す
るので、生産性の観点から好ましくないという問題があ
る。
【0009】本発明の目的は、圧延速度によらず安定し
て所望の伸び率を得ることができる金属帯の調質圧延方
法および調質圧延装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属帯の調質
圧延方法において、調質圧延されている金属帯の伸び
率、金属帯に負荷されている圧延荷重および金属帯の圧
延速度を検出し、圧延速度が加速または減速されると
き、圧延速度の変化量に対応して増加または減少させる
べき圧延荷重の変化量を金属帯の変形抵抗値に基づいて
求め、圧延速度を速くするときには圧延荷重を増加し、
圧延速度を遅くするときには圧延荷重を減少するように
制御することによって、金属帯の伸び率が予め定める値
になるように圧延することを特徴とする金属帯の調質圧
延方法である。
【0011】また本発明は、金属帯の調質圧延装置であ
って、金属帯の伸び率を検出する伸び率検出手段と、金
属帯に負荷されている圧延荷重を検出する荷重検出手段
と、金属帯の圧延速度を検出する圧延速度検出手段と、
圧延速度検出手段および荷重検出手段の検出出力に応答
し、加速または減速される圧延速度の変化量に対応して
増加または減少させるべき圧延荷重の変化量を金属帯の
変形抵抗値に基づいて演算する演算手段と、演算手段の
演算結果の出力に応答し、圧延速度の加速に従って圧延
荷重を増加し圧延速度の減速に従って圧延荷重を減少さ
せて、金属帯の伸び率が予め定める値になるように制御
する制御手段とを含むことを特徴とする金属帯の調質圧
延装置である。
【0012】本発明に従えば、圧延速度が加速または減
速されるとき、圧延速度の変化量に対応して増加または
減少させるべき圧延荷重の変化量が、金属帯の変形抵抗
値に基づいて求められる。圧延に必要とされる圧延荷重
は金属帯の変形抵抗値に比例し、金属帯の変形抵抗値
は、ひずみ速度すなわち圧延速度に比例する。したがっ
て、圧延速度の変化に追随して変化させるべき圧延荷重
の変化量を、金属帯の変形抵抗値に基づいて求めること
によって、その精度を高めることができる。
【0013】さらにこのようにして求められる圧延荷重
の変化量を用いて、圧延速度を速くするときには圧延荷
重を増加し、圧延速度を遅くするときには圧延荷重を減
少するように制御することによって、金属帯の伸び率を
予め定める値になるように圧延することができるので、
圧延速度が変化した場合においても安定して所望の伸び
率を得ることが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある金属帯の調質圧延装置1の概略構成を示す図であ
る。金属帯の調質圧延装置1(以後、単に調質圧延装置
1と略称する)には、入側ブライドルロール3と、第1
張力検出器4と、圧延ロール5と、第2張力検出器6
と、出側ブライドルロール7とが、矢符8にて示す金属
帯である鋼帯2が走行しかつ圧延される方向の上流側か
ら下流側に向ってこの順序で設けられる。入側および出
側ブライドルロール3,7は、調質圧延装置1において
走行する鋼帯2の入側および出側の張力の調整や伸び率
の調整を行うために設けられる。
【0015】また入側および出側ブライドルロール3,
7には、圧延前後における鋼帯2の走行速度の差に基づ
いて鋼帯2の伸び率を検出する伸び率検出手段17が設
けられる。第1張力検出器4は圧延ロール5の入側に設
けられ、第2張力検出器6は圧延ロールの出側に設けら
れ、圧延されている鋼帯2の張力をそれぞれ検出する。
【0016】圧延ロール5は、一対のワークロール18
a,18bと、一対の中間ロール19a,19bと、一
対のバックアップロール20a,20bとを含み、鋼帯
2の走行方向に垂直な方向に軸線を有し、図示しないロ
ールハウジングに軸受によって回転自在に支持される。
対をなす各ロールは鋼帯2に関して対称な位置にそれぞ
れ配置される。すなわち鋼帯2に接してワークロール1
8a,18bが配置され、ワークロール18a,18b
の外方に中間ロール19a,19bが配置され、さらに
中間ロール19a,19bの外方にバックアップロール
20a,20bが配置される。
【0017】バックアップロール20bには、バックア
ップロール20bを回転駆動する駆動源である電動機2
1が接続される。電動機21には、たとえばパルスジェ
ネレータなどのロール回転速度を検出する圧延速度検出
手段22が設けられる。圧延ロール5が支持されるロー
ルハウジングには、圧下シリンダ23が設けられ、圧下
シリンダ23を動作させることによって圧延ロール5を
圧下し、圧延される鋼帯2に圧延荷重を負荷する。圧下
シリンダ23によって負荷される圧延荷重は、ロールハ
ウジングに設けられる荷重検出手段24によって検出さ
れる。
【0018】図2は、図1に示す調質圧延装置1のシス
テム構成を示すブロック図である。調質圧延装置1のシ
ステムには、上位コンピュータ30(以後、上位CPU
と呼ぶ)と、制御手段31とが備えられ、制御手段31
は上位CPU30に接続される。制御手段31は、たと
えばProgrammable Logic Controller(PLC)によっ
て実現される。制御手段31には、前述の圧下シリンダ
23、荷重検出手段24、電動機21、圧延速度検出手
段22、伸び率検出手段17、第1および第2張力検出
器4,6が、それぞれ接続される。
【0019】制御手段31は、荷重検出手段24、圧延
速度検出手段22および伸び率検出手段17などの検出
出力と、金属帯の変形抵抗値とに基づいて、加速または
減速される圧延速度の変化量に対応して増加または減少
させるべき圧延荷重の変化量を演算する。すなわち制御
手段31は、演算手段でもある。制御手段31は演算結
果に応答する制御信号を、圧下シリンダ23などに与
え、演算結果に基づく設定値に従い圧延が実行される。
【0020】以下鋼帯2が調質圧延されるとき、圧延速
度vの加速または減速にともなって、鋼帯2の延び率を
予め定める所望の値に安定して得ることができるように
圧延荷重Pを増加または減少させる制御について説明す
る。図3は、鋼帯2が調質圧延されている状態を示す概
略図である。鋼帯2が、図3に示すように調質圧延され
ているとき、鋼帯2の変形抵抗値Kは、式(2)によっ
て求めることができる。また式(2)中のひずみ速度ε
vは、式(3)に示すように鋼帯2の入側圧延速度v0
に比例する。 K=K´(1+a・εv m) …(2) εv∝v0・√(r)/√(R´h1) …(3) ここで、 K´:鋼帯の静的変形抵抗値 a :定数 εv :ひずみ速度 m :ひずみ速度指数 v0:入側の圧延速度 r :圧下率 R´:偏平ワークロールの半径 h1:圧延入側の鋼帯の厚み
【0021】式(2)および式(3)に示すように、鋼
帯2の変形抵抗値Kは、ひずみ速度εvすなわち入側の
圧延速度v0によって影響を受ける。さらに鋼帯2が圧
延されるときの圧延荷重Pは、式(4)に示すように鋼
帯2の変形抵抗値Kに比例する。したがって、圧延速度
vが加速または減速されるとき、圧延速度vの変化量Δ
vに対応して増加または減少させるべき圧延荷重Pの変
化量ΔPを、圧延速度v0の影響を受ける変形抵抗値K
に基づいて定めることによって、鋼帯2の伸び率を所望
の値に保つべき圧延荷重の変化量ΔPを精度良く求める
ことができる。 圧延荷重P∝変形抵抗値K …(4)
【0022】実際の制御における圧延荷重Pの変化量Δ
Pは、次のようにして求められている。式(2)〜
(4)に示すように圧延荷重Pには入側圧延速度v0と
いう圧延速度vの成分を含むので、圧延荷重Pを圧延速
度vによって偏微分することができる。前記偏微分によ
って得られる∂P/∂vは、鋼帯2の圧延方向に垂直な
幅方向の単位長さにおける圧延速度変化に対する圧延荷
重変化の比を表し、以後この∂P/∂vを線圧変化率と
呼ぶ。圧延速度vに加速または減速の速度変化があると
き、まず線圧変化率∂P/∂vを求め、線圧変化率∂P
/∂vに圧延速度vの変化量Δvと、鋼帯2の幅wとを
乗算することによって、圧延速度の変化量Δvに対応す
る圧延荷重の変化量ΔPを演算する。演算結果が制御手
段31によって圧下シリンダ23に指示され、圧下シリ
ンダ23が動作して圧延荷重を変化量ΔPだけ変化させ
る。
【0023】このような演算および圧延速度変化に追随
する圧延荷重変化の制御は、図2に示すシステム構成に
よって実現される。図4は、図2に示すシステム構成の
動作を説明するフローチャートである。ステップs0で
は、調質圧延されるべき鋼帯2の所望の伸び率および伸
び率に対する圧延荷重Pおよび張力などが、上位CPU
30に入力されメモリ33にストアされている状態にあ
る。これらの情報は、鋼帯2と同種の鋼帯を製造した過
去の実績に基づき選定された値が初期設定値として入力
されている。また前記線圧変化率∂P/∂vの演算に用
いられる鋼帯2の静的変形抵抗値K´、定数a、ひずみ
指数m、圧下率r、偏平ワークロールの半径R´、鋼帯
2の圧延前の厚みである元厚h1および鋼帯2の幅wな
どの情報は、メモリ33に予めストアされていたものが
読出されている状態である。
【0024】ステップs1では、メモリ33にストアさ
れている圧延荷重P、張力および所望の伸び率が読出さ
れる。ステップs2では、読出された圧延荷重P、張力
および伸び率に従って、調質圧延条件の初期設定が行わ
れる。ステップs3では、初期設定された条件において
調質圧延が開始される。
【0025】ステップs4では、圧延速度検出手段22
の検出出力に基づいて圧延速度vが加速または減速され
ている状態にあるか否かが制御手段31において判断さ
れる。この判断が肯定であるとき、すなわち圧延速度v
が加速または減速され速度変化が生じているときはステ
ップs5に進む。
【0026】ステップs5では、圧延速度の変化量Δv
に対応する圧延荷重の変化量ΔPを制御手段31によっ
て算出する。すなわち圧延速度検出手段22の検出出力
である圧延速度vにおける圧延荷重Pを式(2)〜
(4)に基づいて求め、次に圧延荷重Pを圧延速度成分
によって偏微分して線圧変化率∂P/∂vを求め、さら
に線圧変化率∂P/∂vに圧延荷重の変化量Δvと鋼帯
2の幅wとを乗算して、圧延荷重の変化量ΔPを算出す
る。
【0027】ステップS6では、演算結果である圧延荷
重の変化量ΔPに応答して制御手段31は圧下シリンダ
23に制御信号を与える。ステップS7では、制御手段
31からの制御信号に従って圧下シリンダ23が動作
し、圧延荷重Pが変更される。圧延荷重Pの変化は、荷
重検出手段24によって検出され、検出出力は制御手段
31に入力される。制御手段31では、圧延荷重の変化
量ΔPが達成されたとき、圧下シリンダ23に対して動
作停止の制御信号を出力し、圧延荷重Pの変更が終了す
る。圧延荷重Pの変更が終了するとステップs4に戻
り、以降のステップに進行する。
【0028】ステップS4における判断が否定であると
き、すなわち圧延速度に変化が生じていないとき、ステ
ップS8に進む。ステップS8では、圧延速度に変化が
生じていないので、設定された圧延条件を変更すること
なく圧延が継続される。
【0029】ステップs9では、鋼帯2の圧延方向後方
側の端部である尾端が調質圧延される位置に達したか否
かが判断される。なお鋼帯2の尾端が調質圧延される位
置に達したか否かは、次のようにして判断することがで
きる。鋼帯2の長さを製造情報として予め上位CPU3
0に入力し、この鋼帯2の長さの情報を制御手段31に
与える。調質圧延装置1には、たとえばメジャーリング
ロールなどの距離計が備えられ、メジャーリングロール
によって調質圧延される鋼帯2の長さを計測し、計測結
果を制御手段31に与える。計測された長さと、予め入
力されている鋼帯2の長さとを制御手段31において比
較することによって、鋼帯2の尾端が調質圧延位置に到
達したか否かを判断することができる。
【0030】ステップs9における判断が否定であると
き、ステップs4に戻り以降のステップに進む。判断が
肯定であるときは、ステップs10に進む。ステップs
10では、鋼帯2を調質圧延する一連の動作が終了す
る。
【0031】本実施の形態では、線圧変化率∂P/∂v
を制御手段31によって演算するように構成されるけれ
ども、鋼帯の鋼種、鋼帯の圧延前の元厚、鋼帯の幅およ
び所望の伸び率などの条件に対応する線圧変化率∂P/
∂vを製造実績から求め、求められた線圧変化率∂P/
∂vをテーブルとしてメモリ33にストアするように構
成されてもよい。この場合、上位CPU30のメモリ3
3から読出した線圧変化率∂P/∂vのうち、実行され
ている調質圧延の諸条件に対応する線圧変化率∂P/∂
vを選択し、それを用いて圧延荷重の変化量ΔPを演算
し、演算結果に基づいて圧延荷重を制御する。
【0032】このように、本実施の形態では調質圧延に
おいて圧延速度vが変化するとき、圧延速度vの変化に
追随して変化させるべき圧延荷重の変化量ΔPを、鋼帯
2の変形抵抗値Kに基づいて求めるので、その精度を高
くすることができる。この精度の高い圧延荷重の変化量
ΔPを用いて、圧延速度vを速くするときには圧延荷重
Pを増加し、圧延速度vを遅くするときには圧延荷重P
を減少するように制御するので、圧延速度vが変化した
場合においても所望の伸び率を安定して得ることができ
る。
【0033】以上に述べたように、本実施の形態では、
金属帯は鋼帯であるけれども、これに限定されることな
く、銅帯など他の金属からなるものであってもよい。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、圧延速度が加速または
減速されるとき、圧延速度の変化量に対応して増加また
は減少させるべき圧延荷重の変化量が、金属帯の変形抵
抗値に基づいて求められる。圧延に必要とされる圧延荷
重は金属帯の変形抵抗値に比例し、金属帯の変形抵抗値
は、ひずみ速度すなわち圧延速度に比例する。したがっ
て、圧延速度の変化に追随して変化させるべき圧延荷重
の変化量を、金属帯の変形抵抗値に基づいて求めること
によって、その精度を高めることができる。
【0035】さらにこのようにして求められる圧延荷重
の変化量を用いて、圧延速度を速くするときには圧延荷
重を増加し、圧延速度を遅くするときには圧延荷重を減
少するように制御することによって、金属帯の伸び率が
予め定める値になるように圧延することができるので、
圧延速度が変化した場合においても安定して所望の伸び
率を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である金属帯の調質圧延
装置1の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す調質圧延装置1のシステム構成を示
すブロック図である。
【図3】鋼帯2が調質圧延されている状態を示す概略図
である。
【図4】図2に示すシステム構成の動作を説明するフロ
ーチャートである。
【図5】圧延速度の変化に対応して圧延荷重を変化させ
る補正方法の概略を示す図である。
【符号の説明】
1 調質圧延装置 2 鋼帯 17 伸び率検出手段 22 圧延速度検出手段 24 荷重検出手段 30 上位CPU 31 制御手段 33 メモリ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯の調質圧延方法において、 調質圧延されている金属帯の伸び率、金属帯に負荷され
    ている圧延荷重および金属帯の圧延速度を検出し、 圧延速度が加速または減速されるとき、圧延速度の変化
    量に対応して増加または減少させるべき圧延荷重の変化
    量を金属帯の変形抵抗値に基づいて求め、 圧延速度を速くするときには圧延荷重を増加し、圧延速
    度を遅くするときには圧延荷重を減少するように制御す
    ることによって、金属帯の伸び率が予め定める値になる
    ように圧延することを特徴とする金属帯の調質圧延方
    法。
  2. 【請求項2】 金属帯の調質圧延装置であって、 金属帯の伸び率を検出する伸び率検出手段と、 金属帯に負荷されている圧延荷重を検出する荷重検出手
    段と、 金属帯の圧延速度を検出する圧延速度検出手段と、 圧延速度検出手段および荷重検出手段の検出出力に応答
    し、加速または減速される圧延速度の変化量に対応して
    増加または減少させるべき圧延荷重の変化量を金属帯の
    変形抵抗値に基づいて演算する演算手段と、 演算手段の演算結果の出力に応答し、圧延速度の加速に
    従って圧延荷重を増加し圧延速度の減速に従って圧延荷
    重を減少させて、金属帯の伸び率が予め定める値になる
    ように制御する制御手段とを含むことを特徴とする金属
    帯の調質圧延装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008006453A (ja) * 2006-06-28 2008-01-17 Nippon Steel Corp 調質圧延方法
CN100438998C (zh) * 2005-03-28 2008-12-03 宝山钢铁股份有限公司 带钢平整延伸率和板形综合控制方法
KR101431019B1 (ko) 2012-11-27 2014-08-18 주식회사 포스코 압연스탠드 제어장치 및 제어방법
KR101455102B1 (ko) 2012-11-28 2014-10-28 현대제철 주식회사 스킨패스밀의 벤더력 제어방법

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