JP2001205318A - 連続圧延法 - Google Patents
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Abstract
系の制御ゲインを変更しても、高い精度で鋼帯の板厚を
制御できない。 【解決手段】 圧延スタンドF1〜F7を一直線に配置
された連続式圧延機100を用いて、被圧延材1の種類
および寸法の少なくとも一方と、温度と、圧延時の長さ
又は圧延時間とに基づいて、連続式圧延機100におけ
る板厚制御系の制御ゲインを複数の圧延スタンドF1〜
F7それぞれ毎に変更して、被圧延材1の板厚を制御し
ながら連続圧延を行う。
Description
圧延材の板厚を一定に制御しながら圧延を行う連続圧延
法に関する。
は「鋼帯」を例にとる。)は、一直線に配置された複数
台の圧延スタンドを有する連続式圧延機に、1本づつあ
るいは入側で他の鋼帯と接合されて、連続的に通板され
て圧延される。
の板厚は、通常、(i) ゲージメータAGC(Automatic G
auge Control) と、(ii)モニタAGCと、(iii) ルーパ
制御とを有する板厚制御系によって制御される。以下、
板厚制御系のこれらの要素について簡単に説明する。
は、圧延ロールの圧下位置をS、圧延荷重をP、ミル剛
性係数をM、圧延ロールの圧下位置の零点をaとする
と、下記(1)式により推定計算される。
Δが微小量を表す場合、下記(2)式として求められ
る。
をKG 、塑性係数をQ、σを張力、Vを圧延速度とする
と、下記(3)式および(4)式に示すように、板厚の
偏差(変動分)の予測値ΔhG が零になるように、圧延
ロールの圧下位置あるいはロール周速度を変更する。
に、圧延ロールの圧下位置あるいはロール周速度を変更
することもある。
タンドの圧延荷重Pから推定計算した、圧延スタンドの
出側における板厚計算値が、それぞれの目標板厚になる
ように、各圧延ロールの圧下位置あるいはロール周速度
を制御するものである。ここで、(3)式および(4)
式、ないしは(3)’式および(4)’式における制御
ゲインKG の値が大きいと、制御応答性が高まるととも
に定常偏差が小さくなって望ましいが、逆に大き過ぎる
と、圧延が不安定になる。このため、ゲージメータAG
Cの制御ゲインKG の値は、圧延状況を勘案した適正な
固定値として、設定されていた。
位置は、圧延ロールの摩耗、圧延ロールの熱膨張に起因
した軸受油膜の変化さらには圧延ロールの偏心等による
誤差を含むため、変更値通りに圧延ロールの圧下位置を
変更しても、各圧延スタンドの出口における板厚hを目
標値に一致させることは難しい。そこで、これを補償す
るためにモニタAGCが行われる。
に設置された例えばエックス線厚み計の板厚測定値を用
いてフィードバック制御を行い、ゲージメータAGCに
より設定された各圧延ロールの圧下位置あるいはロール
周速度をさらに変更する。すなわち、モニタAGCによ
る圧下位置の変更は、エックス線厚み計にて測定された
板厚の実測値hM をフィードバック制御要素として用
い、下記(5)式および(6)式により決定される。
制御ゲインである。このモニタAGCにおいても、制御
ゲインKM の値が大きいと、制御応答性が高まるととも
に定常偏差が小さくなって望ましいが、大き過ぎると、
圧延が不安定になる。このため、モニタAGCの制御ゲ
インKM の値も、圧延状況を勘案した適正な固定値とし
て、設定されていた。
パをそれぞれ配置し、ロール周速度とともにルーパの駆
動トルクを変更することによって、各圧延スタンド間の
鋼帯の張力およびルーパ角度として得られるループ量を
ともに制御して、各圧延スタンド間の圧延状態を安定さ
せ、板厚のみならず板幅の変動を防止するものであり、
張力制御とルーパ角度制御とが行われる。すなわち、張
力制御は、下記(7)式に示すように、鋼帯の材質およ
び寸法(製造板厚、製造板幅)から決定される目標張力
σref に基づいて計算されたトルク指令値となるように
ルーパトルクを変更することにより、ルーパトルクによ
る押し上げ力の反力として鋼帯の張力を制御する。 Δτref =KL Δσref ・・・・・・・(7) この(7)式における符号τref はルーパトルク指令値
を示し、符号KL はルーパ張力制御の制御ゲインを示
し、さらに、符号σref は目標張力を示す。一方、ルー
パ角度制御は、下記(8)式に示すように、隣接する上
流側の圧延スタンドの出口における板速度と、隣接する
下流側の圧延スタンドの入口における板速度との差とし
て生じるループ量を、ルーパ角度θとして検出し、この
検出値が目標角度θref となるように、上流側の圧延ス
タンドのロール周速度を変更する。 ΔVref =KP { (θref −θ) +(1/TI )∫(θref −θ) dt} ・・・・・・・(8) この(8)式における符号Vref はロール周速度指令値
を示し、符号KP はルーパ角度制御の制御ゲインを示
し、さらに符号TI はルーパ角度制御の積分時間を示
す。
値と目標張力との偏差に応じて、上流側の圧延スタンド
のロール周速度Vを変更する方法もあり、一方、ルーパ
角度制御として、ルーパ角度実測値と目標角度との偏差
に応じてルーパ回転速度Nを変更する方法もある。
KP の値が大きいと、制御応答性が高まるとともに定常
偏差が小さくなって望ましいが、大き過ぎると、圧延が
不安定になる。このため、制御ゲインKL 、KP の値
も、圧延状況を勘案した適正な固定値として、設定され
ていた。このように、連続式圧延機の板厚制御系を構成
するゲージメータAGC、モニタAGCおよびルーパ制
御のいずれにおいても、制御ゲインKを大きくすれば制
御の応答が良くなるとともに制御偏差も小さくなって制
御性能は向上するが、過度に大きくすると圧延が不安定
になる。この原因は、連続式圧延機では、ある圧延スタ
ンドと、上流側及び下流側それぞれに隣接して配置され
た圧延スタンドとのいずれにも鋼帯が同時に噛み込んで
圧延されるため、各圧延スタンドが、鋼帯を介して相互
に干渉する系となっているためである。
延スタンドと、第(i+1)番目の第(i+1)圧延ス
タンドとについて、ゲージメータAGCにより、第(i
+1)圧延スタンドにおける圧延荷重実測値に基づいて
第i圧延スタンドの圧延ロールの圧下位置を変更する板
厚制御を行うと、この第i圧延スタンドの圧延ロールの
圧下位置の変更によって、第(i+1)圧延スタンドの
後進率が変化することにより鋼帯のマスフローが変化
し、第i圧延スタンドおよび第(i+1)圧延スタンド
間の張力が変動する。同様に、このゲージメータAGC
による第i圧延スタンドの圧延ロールの圧下位置の変更
によって、第i圧延スタンドの先進率が変化することに
より鋼帯のマスフローが変化し、第i圧延スタンドおよ
び第(i+1)圧延スタンド間の張力が変動する。
トルクの変動によりルーパ角度が変化し、また、ルーパ
角度の変化によりルーパ駆動トルクが変動する。このよ
うに、それぞれの制御系が相互に干渉するため、制御ゲ
インを大きくし過ぎると各圧延スタンド間の鋼帯の張力
が変動してしまう。鋼帯の張力が、過度に大きくなると
鋼帯が破断するトラブルが発生し、一方、過度に小さく
なると鋼帯が蛇行したり大きなループが発生し、いずれ
の場合にも圧延を行うことができなくなる。
は、連続式圧延機のモニタAGCにおいて、エックス線
厚み計が最終圧延スタンドの直近に設置されていないた
めに板厚測定から圧下位置変更までにかなりの時間(以
下、「無駄時間」という)を要することに起因して板厚
制御が不安定になることを防止するため、圧延機と厚み
計との間の距離とともに無駄時間に影響する因子である
圧延速度に応じて、モニタAGCによる板厚制御系の制
御ゲインKM を変更する発明が、開示されている。
は、連続式圧延機のルーパ制御において、圧延時に鋼帯
の温度を測定し、測定された温度実測値と鋼帯の温度−
変形抵抗関係とに基づいて、ルーパ制御による板厚制御
系の制御ゲインKL 、KP を変更する発明が、開示され
ている。
5号公報により開示された発明によれば、モニタAGC
による板厚制御系の制御ゲインKM を固定値とする技術
に比較すれば、鋼帯の板厚制御精度を向上することがで
きる。しかしながら、本発明者の知見によれば、この発
明に基づいて圧延速度に応じて制御ゲインKM を変更し
ても、圧延条件や圧延設備等によっては、所望の高い板
厚制御精度が得られない場合があることがわかった。
り開示された発明における制御ゲインKL 、KP の初期
値は、一部の種類の鋼帯を対象としたものである。この
ため、本発明者の知見によれば、この発明では、特に、
この一部の種類の鋼帯以外の鋼帯の場合に制御開始時の
制御性能が悪く、例えば連続式熱間仕上圧延機において
最も圧延が不安定となり易い鋼帯先端部の通板時のルー
パ制御が不良となって、圧延トラブルを引き起こす可能
性があることがわかった。
の中央部の温度は、温度計が設置されている位置が通常
は連続式圧延機の入口および出口であるためにどの圧延
スタンド間でも測定できるというものではない。このた
め、特開平2−137607号公報により開示された発
明を実施するには、鋼帯長手方向の中央部の温度を、連
続式圧延機の最初の圧延スタンドの入口の近傍に設置さ
れた温度計により、測定し、この実測値に基づいてその
測定点を後続する各圧延スタンド間まで追跡し、この測
定点が各圧延スタンドに到達した時点で制御ゲインを変
更する必要がある。このため、この発明を実施するため
に制御ゲインを変更しようとしても、圧延スケールの影
響などにより温度計による温度の測定を良好に行うこと
ができないときには制御ゲインの変更量が不適切になっ
たり、下流の各圧延スタンドへの測定点の追跡の際に生
じる誤差によって適切なタイミングで制御ゲインを変更
できないと言う課題がある。
も、鋼帯の圧延条件によっては高い精度で板厚を制御す
ることができなかった。
設備等の条件が変動しても、高い精度で、鋼帯等の被圧
延材の板厚を制御することができる連続圧延法を提供す
ることである。
機を用いた圧延において被圧延材の板厚制御の精度に影
響する因子について検討した。連続式圧延機を用いた圧
延では、被圧延材や圧延スタンド等といった圧延条件が
異なると、各圧延スタンド固有のパラメータであるミル
定数Mや鋼帯の変形特性である塑性係数Q等も異なる。
これらミル定数Mや塑性係数Q等は、前述した(1)式
〜(6)式にも示すように制御ゲインK G 、KM を決定
する因子であるため、ミル定数Mや塑性係数Q等が変動
すると、制御ゲインKG 、KM も変動してしまう。この
ため、特公昭61−11685号公報により提案された
圧延速度や、特開平2−137607号公報により提案
された鋼帯の温度だけでなく、被圧延材や圧延スタンド
等といった他の圧延条件を全て勘案して、制御ゲインを
変更する必要がある。
響を与える全ての要因を詳細に検討した結果、鋼帯の板
厚を制御する際には、以下に列記する3種の要因が強く
影響していることがわかった。
抗および塑性係数Qがともに異なる。このため、制御ゲ
インKG 、KM を一定にしておくとこの制御ゲインK
G 、KM を用いた制御の修正量が大きくなり、見掛け
上、制御ゲインKG、KM が大きくなる。
変形抵抗が異なる。すなわち、鋼帯の板厚が異なると変
形抵抗が異なり、上記(1)項の鋼帯の種類の場合と同
様に、見掛け上、制御ゲインKG 、KM が変動する。ま
た、鋼帯の板幅が異なると圧延負荷が変化して圧延機の
弾性変形量が変化する。すなわち、圧延スタンドのミル
定数Mが変化し、この場合も制御ゲインKG 、KM が見
掛け上変化する。
性の違いからミル定数Mが変化し、これにより、制御ゲ
インKG 、KM が見掛け上変化する。
に、さらに下記の2要因も、鋼帯の板厚の制御に影響す
ることを知見した。
水による抜熱さらには圧延ロールへの接触熱伝達等によ
り、鋼帯の温度は徐々に変化・降下する。この温度変化
により、鋼帯の変形抵抗が変化する。鋼帯の温度変化
は、上流工程から下流工程へかけて発生するとともに、
鋼帯の長手方向の先端部に比較して後端部は、大気中へ
の放射時間が長くなるため、鋼帯の長手方向についても
発生する。このように、鋼帯の温度が変化すると、制御
ゲインKG 、KM が見掛け上変化する。
部それぞれにおける温度が変動するが、これ以外に圧延
時間が長くなると、鋼帯から圧延ロールに伝わる熱量が
変動して圧延ロールが熱膨張したり、摩耗により圧延ロ
ールの表面が荒れることによって圧下のメカニズムが変
化し、これにより、制御ゲインKG 、K M が見掛け上変
化する。そこで、本発明者はさらに検討を重ねた結果、
圧延条件のこれらの要因に応じて、制御ゲインを複数台
の圧延スタンドそれぞれ毎に適切に設定することによ
り、圧延条件や圧延設備等の条件が変動しても、高い精
度で鋼帯等の被圧延材の板厚を制御することができるこ
とを知見して、本発明を完成した。
連続式圧延機を用いて被圧延材の板厚を制御しながら連
続圧延を行うに際し、被圧延材の材質および寸法の少な
くとも一方に基づいて、複数台の圧延スタンドそれぞれ
の板厚制御系の制御ゲインを、個別に変更することを特
徴とする連続圧延法である。この本発明にかかる連続圧
延法において、「板厚制御系」とは、ゲージメータAG
C、モニタAGCおよびルーパ制御のうちの少なくとも
一つにより、構成される。
制御系の制御ゲインの変更が、さらに、被圧延材の温度
に基づいて行われることが、望ましい。
板厚制御系の制御ゲインの変更が、さらに、被圧延材の
圧延時の圧延長さまたは圧延時間に基づいて行われるこ
とが、望ましい。
複数台の圧延スタンドのうちの最下流の圧延スタンドの
板厚制御系を構成するゲージメータAGCおよびモニタ
AGCのうちの少なくとも一方の制御ゲインを、最下流
の圧延スタンド以外の他の圧延スタンドそれぞれの板厚
制御系を構成するゲージメータAGCおよびモニタAG
Cのうちの少なくとも一方の制御ゲインよりも、大きく
なるように変更することが、望ましい。
複数台の圧延スタンドそれぞれの板厚制御系を構成する
ゲージメータAGCおよびモニタAGCのうちの少なく
とも一方の制御ゲインを、最上流の圧延スタンドから最
下流の圧延スタンドへ向けて、徐々に大きくなるように
変更することが、望ましい。
板厚制御系の制御ゲインが、被圧延材の少なくとも材質
および寸法のうちの少なくとも一方に基づいた制御ゲイ
ンテーブルに基づいて、変更されることが、望ましい。
制御ゲインテーブルが、被圧延材の材質については10
段階以上、被圧延材の板厚については8段階以上、被圧
延材の板幅については3段階以上、および、被圧延材の
温度については3段階以上のうちの少なくとも一つを満
足するように分割されることが、望ましい。
制御ゲインテーブルが、圧延方向について設定された被
圧延材の複数の領域に分割されて、設けられることが、
望ましい。
では、複数の領域が、圧延方向の先端部、中央部および
後端部の3領域であって、(i) 先端部の圧延の場合に
は、板厚制御系を構成するルーパ制御の制御ゲインを、
他の領域の圧延の際のルーパ制御の制御ゲインよりも、
大きく設定するとともに、ゲージメータAGCおよびモ
ニタAGCのうちの少なくとも一方の制御ゲインを、他
の領域の圧延の際のゲージメータAGCおよびモニタA
GCのうちの少なくとも一方の制御ゲインよりも小さく
設定すること、(ii)中央部の圧延の場合には、ゲージメ
ータAGCおよびモニタAGCのうちの少なくとも一方
の制御ゲインを、他の領域の圧延の際のゲージメータA
GCおよびモニタAGCのうちの少なくとも一方の制御
ゲインよりも大きく設定すること、および(iii) 後端部
の圧延の場合には、ゲージメータAGCおよびモニタA
GCそれぞれの制御ゲインを、中央部の圧延の際のゲー
ジメータAGCおよびモニタAGCそれぞれの制御ゲイ
ンよりも小さく設定するか、またはこれらの制御ゲイン
と略同じに設定することのうちの少なくとも一つを行う
ことが、望ましい。別の観点からは、本発明は、被圧延
材の板厚を制御しながら連続圧延を行う複数台の圧延ス
タンドと、被圧延材の材質および寸法のうちの少なくと
も一方に基づいて、複数台の圧延スタンドそれぞれの板
厚制御系の制御ゲインを、個別に変更する制御装置とを
組み合わせて備えることを特徴とする連続式圧延機であ
る。この本発明にかかる連続式圧延機においても、「板
厚制御系」とは、ゲージメータAGC、モニタAGCお
よびルーパ制御のうちの少なくとも一つにより、構成さ
れる。
置が、さらに、被圧延材の温度に基づいて、板厚制御系
の制御ゲインを変更することが、望ましい。
は、制御装置が、さらに、被圧延材の圧延時の圧延長さ
または圧延時間に基づいて、板厚制御系の制御ゲインを
変更することが、望ましい。
は、制御装置が、複数台の圧延スタンドのうちの最下流
の圧延スタンドの板厚制御系を構成するゲージメータA
GCおよびモニタAGCのうちの少なくとも一方の制御
ゲインを、最下流の圧延スタンド以外の他の圧延スタン
ドそれぞれの板厚制御系を構成するゲージメータAGC
およびモニタAGCのうちの少なくとも一方の制御ゲイ
ンよりも、大きくなるように変更することが、望まし
い。
は、制御装置が、複数台の圧延スタンドそれぞれの板厚
制御系を構成するゲージメータAGCおよびモニタAG
Cのうちの少なくとも一方の制御ゲインを、最上流の圧
延スタンドから最下流の圧延スタンドへ向けて、徐々に
大きくなるように変更することが、望ましい。
は、制御装置が、被圧延材の少なくとも材質および寸法
のうちの少なくとも一方に基づいた制御ゲインテーブル
に基づいて、板厚制御系の制御ゲインを変更すること
が、望ましい。
は、制御ゲインテーブルが、被圧延材の材質については
10段階以上、被圧延材の板厚については8段階以上、
被圧延材の板幅については3段階以上、および被圧延材
の温度については3段階以上のうちの少なくとも一つを
満足するように分割されることが、望ましい。
は、制御ゲインテーブルが、圧延方向について設定され
た被圧延材の複数の領域に分割されて、設けられること
が、望ましい。
機では、制御ゲインテーブルが、圧延方向の先端部、中
央部および後端部の3領域に分割されて設定され、(i)
先端部の圧延の場合には、板厚制御系を構成するルーパ
制御の制御ゲインを、他の領域の圧延の際のルーパ制御
の制御ゲインよりも、大きく設定するとともに、ゲージ
メータAGCおよびモニタAGCのうちの少なくとも一
方の制御ゲインを、他の領域の圧延の際のゲージメータ
AGCおよびモニタAGCのうちの少なくとも一方の制
御ゲインよりも小さく設定すること、(ii)中央部の圧延
の場合には、ゲージメータAGCおよびモニタAGCの
うちの少なくとも一方の制御ゲインを、他の領域の圧延
の際のゲージメータAGCおよびモニタAGCのうちの
少なくとも一方の制御ゲインよりも大きく設定するこ
と、および(iii) 後端部の圧延の場合には、ゲージメー
タAGCおよびモニタAGCそれぞれの制御ゲインを、
中央部の圧延の際のゲージメータAGCおよびモニタA
GCそれぞれの制御ゲインよりも小さく設定するか、ま
たはこれらの制御ゲインと略同じに設定することのうち
の少なくとも一つを行うことが、望ましい。
の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明す
る。なお、以降の説明では、被圧延材が鋼帯であるとと
もに、連続式圧延機が熱間仕上連続式圧延機である場合
を例にとる。
式圧延機100の構成を模式的に示す説明図である。同
図に示すように、本実施形態の熱間仕上連続式圧延機1
00は、7台の圧延スタンドF1〜F7と制御装置8と
を備える。以下、これらの構成要素について順次説明す
る。
式圧延機100は、第1圧延スタンドF1〜第7圧延ス
タンドF7を備える。各圧延スタンドF1〜F7は、互
いに所定距離だけ離れて、圧延方向へ向けて一直線に配
置される。
上下一対のワークロール11a〜17aと、上下一対の
バックアップロール11b〜17bと、各ワークロール
11a〜17aの駆動モータ31〜37と、各ワークロ
ール11a〜17aの圧下装置41〜47と、圧下装置
41〜47を介してゲージメータAGCとモニタAGC
とを行う板厚制御装置61〜67とを備える。
は、それぞれ、ルーパ51〜56と各ルーパ51〜56
のルーパ駆動装置(図示しない。)とが配置されてお
り、各ルーパ51〜56の動作は、ルーパ駆動装置を介
して、ルーパ制御装置71〜76により制御される。
〜56等の構成や配置は、既に周知慣用のものであるた
め、これ以上の説明は省略する。
ドF1〜F7により、鋼帯1の板厚を制御しながら、鋼
帯1の連続圧延が行われる。
式圧延機100は、制御装置として圧延制御演算装置8
を有する。
圧延スタンドF1に噛み込む前に、各圧延スタンドF1
〜F7による圧延後の鋼帯1の板厚がそれぞれの圧延ス
タンドF1〜F7における目標板厚となるように、各圧
延スタンドF1〜F7のワークロール11a〜17aの
圧下位置を計算し、制御信号を図示しない圧下位置制御
装置に出力する。これにより、各ワークロール11a〜
17aの圧下位置が計算値に一致する位置に制御され
る。
のマスフローが一定になるように、各ワークロール11
a〜17aのロール周速度を計算し、制御信号を図示し
ないモータ速度制御装置へ出力する。これにより、各ワ
ークロール11a〜17aの周速度が、計算値に一致す
るロール周速度に制御される。
F1から順次通板され、後端部が最終スタンドである第
7圧延スタンドF7を抜けるまで圧延を行われるが、加
熱時に鋼帯長手方向へ不可避的に発生する加熱むらによ
り、熱間仕上連続式圧延機100による圧延時に、鋼帯
1の板厚およびマスフローが変化するととともに、各圧
延スタンドF1〜F7間の張力が変化する。ここで、鋼
帯1の板厚変動を各圧延スタンドF1〜F7にそれぞれ
設置された荷重計(図示しない)により測定し、測定荷
重から各圧延スタンドF1〜F7の弾性変形に基づく鋼
帯1の板厚を求め、前述したように、求めた鋼帯1の板
厚が目標板厚に一致するように、板厚制御装置61〜6
7から圧下装置41〜47に制御信号を出力して各ワー
クロール11a〜17aの圧下位置を計算値に一致する
位置に制御する。
り、このようにして鋼帯1の板厚制御が行われる。
装置71〜76により鋼帯1のマスフロー変化をルーパ
51〜56の角度の変化としてとらえ、各ルーパ51〜
56よりも上流側に配置されたワークロール11a〜1
6aの駆動モータ31〜36の回転数を変更するととも
に、鋼帯1の張力検出値に基づいて各ルーパ51〜56
の駆動トルクを変更することによりマスフロー変化によ
る鋼帯1のルーパ量と、各圧延スタンドF1〜F7間の
張力とを制御する。
り、ルーパ制御が行われる。
は、圧延する鋼帯1の材質(鋼種)、寸法(板厚および
板幅)さらには圧延温度等の圧延条件に対応した最適な
制御ゲインを、各圧延スタンドF1〜F7毎に記憶した
制御ゲインテーブル9を有する。
帯1の材質(鋼種)、寸法(板厚および板幅)さらには
圧延温度に応じて、ゲージメータAGCの制御ゲインK
G 、モニタAGCの制御ゲインKM およびルーパ制御の
制御ゲインKL 、KP を、各圧延スタンドF1〜F7毎
に、非常に細かく分割して、有する。このため、この制
御ゲインテーブル9によれば、その圧延に最も適した制
御ゲインを設定することができる。
ブル9を過剰に細かく細分化して設定すると、制御ゲイ
ンテーブル9のメンテナンスや、初期値の設定及び調整
に多大な労力を要し、結局中途半端に各制御ゲインKを
設定することになって板厚制御の精度を充分に高めるこ
とができない。そこで、制御ゲインテーブル9の細分化
には、少なくとも、圧延される鋼帯1の材質(鋼種)と
寸法(板厚および板幅)とを勘案して、各圧延スタンド
F1〜F7毎に、設定する必要がある。
1の材質は、炭素鋼帯として、冷延鋼板の圧延母材等と
なる抗張力TSが294N/mm2 以下の鋼帯、自動車
等の各種構成部品あるいは電縫鋼管等に用いられる抗張
力TSが294N/mm2 超392N/mm2 以下、3
92N/mm2 超490N/mm2 以下、490N/m
m2 超588N/mm2 以下、588N/mm2 超98
0N/mm2 以下および980N/mm2 超の鋼帯、Ni
系ステンレス鋼帯、Cr系ステンレス鋼帯さらに電磁鋼帯
の10種類またはこれ以上に分類することが、上述した
観点から望ましい。
延機100では通常、1.2mm〜25mmまで圧延さ
れるが、その圧延の特性から、例えば、1.6mm以
下、1.6mm超2.0mm以下、2.0mm超2.6
mm以下、2.6mm超3.0mm以下、3.0mm超
4.5mm以下、4.5mm超6.0mm以下、6.0
mm超12.0mm以下および12mm超の8種類また
はこれ以上に分類することが、上述した観点から望まし
い。
延機100では通常、650mm〜2000mmまで圧
延されるが、その圧延特性から、例えば、1000mm
以下、1000mm超1500mm以下および1500
mm超の3種類またはこれ以上に分類することが、上述
した観点から望ましい。
圧延機100では通常、最終スタンドF7の出口におけ
る温度が指定されており、この指定温度に基づいて、例
えば800℃以下、800℃超900℃以下および90
0℃超の3種類またはこれ以上に分類することが、上述
した観点から望ましい。
9は、各圧延スタンドF1〜F7毎に、鋼帯1の材質に
ついては10段階、鋼帯1の板厚については8段階、鋼
帯1の板幅については3段階、鋼帯1の温度については
3段階に分割される。
方向へ鋼帯1を複数の領域に分割する。例えば、鋼帯1
の長手方向への圧延特性から、最先端部から鋼帯全長に
対する長さの比率が10%未満の範囲を先端部とし、こ
の長さの比率が10%以上90%未満の範囲を中央部と
し、さらに、長さの比率が90%超から最後端部までの
範囲を後端部として、3分割する。
〜F7にそれぞれ噛み込むときは圧延が最も不安定な状
態になることから、圧延時の通板を安定化するルーパ制
御の制御ゲインを高目に設定し、かつ圧延の外乱となる
板厚制御の制御ゲインを低目に設定する。中央部が各圧
延スタンドF1〜F7にそれぞれ噛み込むときは圧延が
安定するため、板厚制御の制御ゲインを先端部よりかな
り高目に設定し、板厚偏差を極力小さ目に設定する。最
後に、後端部が各圧延スタンドF1〜F7にそれぞれ噛
み込むときは圧延が不安定な状態であるとともに、鋼帯
1の後端部を安定に抜くにはルーパ角度を低下する必要
があるため、ルーパ制御および板厚制御ともに制御ゲイ
ンを下げるように設定する。
基づいた板厚制御系の制御ゲインの変更は、各圧延スタ
ンドF1〜F7それぞれ毎に、鋼帯1の先端部、中央部
および後端部の3領域に分割されて、行われる。本実施
形態の制御ゲインテーブル9の一部の具体例を、表1お
よび表2に示す。なお、表1は抗張力TSが294N/
mm2 以下である鋼帯1の場合を示し、表2は抗張力T
Sが294N/mm2 超392N/mm2 以下である鋼
帯1の場合を示す。また、表1および表2における符号
Tは、鋼帯1の最終圧延スタンドF7出側における指定
温度(℃)を示す。
種類の鋼帯1の全てに対して作成された表1および表2
に示すようなテーブルを、熱間仕上連続式圧延機100
の各圧延スタンドF1〜F7毎に、制御ゲインテーブル
9として保有しており、これらの各表に、適切な制御ゲ
インが登録保存される。
態とは異なり、鋼帯1の材質および寸法のうちの少なく
とも1種に基づいていてもよい。
わりに、圧延する鋼帯1の材質(鋼種)、寸法(板厚お
よび板幅)、圧延温度さらには圧延スタンドF1〜F7
の種類を関数とする制御ゲイン決定関数を設定し、圧延
する鋼帯1に応じてこの制御ゲイン決定関数を用いて制
御ゲインを決定するようにしてもよい。
延長さ)に応じて変化するため、制御ゲインKnew を、
(9)式〜(12)式に示すように、圧延長さLROLLま
たは圧延時間tROLLの関数とすることにより、より精度
良く鋼帯1の板厚を制御できる。
あるいはルーパ制御における制御ゲインを示し、符号Δ
Kは制御ゲインの変更量を示し、符号F、Gはともに制
御ゲイン決定関数を示す。
の後端部にしたがって変化することから、(13)式〜
(16)式に示すように、圧延温度Tの要因を考慮する
ことにより、板厚の制御精度をさらに向上させることが
できる。
さに応じて制御ゲインを変更する方法も有効である。
ル9における、板厚:2.6mm、板幅:1270mm
の低炭素鋼帯に関する板厚制御(AGC)の制御ゲイン
の値をまとめて示す。
8により、鋼帯1の材質および寸法と、鋼帯1の温度
と、鋼帯1の圧延時の圧延長さまたは圧延時間と、圧延
スタンドF1〜F7の種類とに基づいて、板厚制御系の
制御ゲインを変更する場合を例にとった。しかし、圧延
制御演算装置8による板厚制御系の制御ゲインの変更
は、鋼帯1の材質および寸法のうちの少なくとも一方に
基づいて各圧延スタンドF1〜F7毎に行われればよ
く、鋼帯1の温度と、鋼帯1の圧延時の圧延長さまたは
圧延時間とは、これらと組み合わせて用いればよい。
は、以上のように構成される。次に、この熱間仕上連続
式圧延機100により鋼帯1に連続圧延を行う状況を説
明する。
み込む前に、圧延制御演算装置8は、圧延する鋼帯1の
材質(鋼種)、寸法(板厚および板幅)さらには圧延温
度等の圧延条件に基づいて、各圧延スタンドF1〜F7
毎に、鋼帯1の先端部、中央部および後端部の3領域に
ついて、制御ゲインテーブル9から適切な制御ゲインA
1 〜A7 およびB1 〜B7 を検索して読み込み、読み込
まれた制御ゲインA1〜A7 を板厚制御装置61〜67
にそれぞれ出力することにより、板厚制御を行う際に用
いる制御ゲインKG 、KM を変更して設定するととも
に、読み込まれた制御ゲインB1 〜B7 をルーパ制御装
置71〜76にそれぞれ出力することにより、ルーパ制
御を行う際に用いる制御ゲインKL 、KP を変更して設
定する。
タンドF1〜F7による圧延後の鋼帯1の板厚がそれぞ
れの圧延スタンドF1〜F7における目標板厚となるよ
うに各ワークロール11a〜17aの圧下位置を計算
し、制御信号を図示しない圧下位置制御装置に出力する
ことにより、各ワークロール11a〜17aの圧下位置
を計算値に一致する位置に制御するとともに、通板時の
マスフロが一定になるように、各ワークロール11a〜
17aのロール周速度を計算し、制御信号を図示しない
モータ速度制御装置へ出力することにより、各ワークロ
ール11a〜17aの周速度を、計算値に一致するロー
ル周速度に制御する。
鋼帯1の板厚およびマスフローが変化するととともに、
各圧延スタンドF1〜F7間の張力が変化すると、鋼帯
1の板厚変動を各圧延スタンドF1〜F7にそれぞれ設
置された荷重計(図示しない)により測定し、測定荷重
から各圧延スタンドF1〜F7の弾性変形に基づく鋼帯
1の板厚を求め、求めた鋼帯1の板厚が目標板厚に一致
するように、板厚制御装置61〜67から圧下装置41
〜47に制御信号を出力して各ワークロール11a〜1
7aの圧下位置を計算値に一致する位置に制御する。
御装置71〜76により鋼帯1のマスフロー変化をルー
パ51〜56の角度の変化としてとらえ、各ルーパ51
〜56よりも上流側に配置されたワークロール11a〜
16aの駆動モータ31〜36の回転数を変更するとと
もに、鋼帯1の張力検出値に基づいて各ルーパ51〜5
6の駆動トルクを変更することによりマスフロー変化に
よる鋼帯1のルーパ量と、各圧延スタンドF1〜F7間
の張力とを制御する。
御演算装置8により、ゲージメータAGCと、モニタA
GCと、ルーパ制御とを有する板厚制御系の制御ゲイン
が、、圧延する鋼帯1の材質(鋼種)、寸法(板厚およ
び板幅)さらには圧延温度等の圧延条件とに基づいて、
各圧延スタンドF1〜F7毎に、鋼帯1の先端部、中央
部および後端部の3領域について、最適値に変更され
る。そして、鋼帯1は、その先端部が第1圧延スタンド
F1から順次通板され、後端部が最終スタンドである第
7圧延スタンドF7を抜けるまで、制御ゲインを順次最
適値に変更しながら圧延制御演算装置8による鋼帯1の
板厚制御とルーパ制御とを行われて、圧延される。
延機100によれば、圧延条件や圧延設備等の条件が変
動しても、高い精度で鋼帯1の板厚を制御できる。
続式圧延機を、実施例を参照しながら、より具体的に説
明する。
熱間仕上連続式圧延機100を用いて、板厚2.6m
m、板幅1270mmの低炭素鋼からなる熱延鋼帯1の
連続圧延を行った。この連続圧延の圧延条件の一例を表
4に示す。
で鋼帯に温度変動が有る場合に対し、制御ゲインを表4
にそれぞれ示すように、鋼帯1の種類と圧延スタンドの
種類とを考慮して変更して板厚制御及びルーパ制御を行
った本発明例と、制御ゲインを全て同じ1として板厚制
御及びルーパ制御を行った従来例とについて、圧延結果
を求めた。なお、この圧延結果として、熱間仕上連続式
圧延機100の最終圧延スタンドF7の出口における板
厚偏差と、第6圧延スタンドF6および最終圧延スタン
ドF7間♯6のルーパ角度偏差とを求めた。なお、本明
細書では第1圧延スタンドF1〜第2圧延スタンドF2
間を♯1と表記し、以下順に、♯2、♯3、♯4、♯5
および♯6と表記する。
差との結果をそれぞれグラフで示し、図3には本発明例
の板厚偏差とルーパ角度偏差との結果をそれぞれグラフ
で示す。
板厚制御の制御ゲインKG 、KM が高過ぎるとともにル
ーパ制御の制御ゲインKL 、KP が低すぎるため、ワー
クロール11aの圧下位置変更によるマスフロー変化が
大きく、かつこれを抑制するルーパ制御の性能が悪いた
め、ルーパ角度が大きく変動し、圧延トラブルに至る可
能性が高い。そこで、各圧延スタンドF1〜F7ともに
一律に制御ゲインKG、KM を半分に設定したが、板厚
の制御能が大きく低下し、板厚変動が過大となって所定
の板厚精度が得られなくなった。
本発明例では、各圧延スタンドF1〜F7において、板
厚制御の制御ゲインKG 、KM およびルーパ制御の制御
ゲインKL 、KP がいずれも適切に設定されているた
め、鋼帯1の板厚及びルーパ角度それぞれの変動を、い
ずれも小さく抑制できた。
す、板厚4.5mm、板幅956mmの低炭素鋼からな
る熱延鋼帯1の圧延を、第1実施例の表4に示す制御ゲ
インに設定して行った。
ラフで示すように、この場合には、従来のように制御ゲ
インを全て一律に設定していないため、圧延トラブルに
至ることはなかったものの、板厚偏差及びルーパ角度
は、いずれも改善する余地があることがわかった。そこ
で、本実施例では、この熱延鋼帯1に対して、表5に示
す制御ゲインの設定で圧延を行った。この圧延の結果を
図5にグラフで示す。
御ゲインが適切に設定されているため、鋼帯1の板厚及
びルーパ角度の変動がともに極めて小さく抑制された。
より、本発明の効果を充分に得るには、圧延する鋼帯1
の材質(鋼種)、寸法(板厚、板幅)、圧延温度さらに
は圧延スタンドF1〜F7毎に分類した制御ゲインテー
ブル9を作成しておき、圧延する鋼帯1の固有の圧延条
件に応じて、この制御ゲインテーブル9から制御ゲイン
を読み込むことにより、非常に高精度で板厚制御を行う
ことができることが分かる。
4種の熱延鋼帯1a〜1dの圧延を、同じく表6に示す
制御ゲインに設定して、行った。
における板厚偏差を図6に、熱延鋼帯1aの各圧延スタ
ンドF1〜F7における張力を図7に、それぞれグラフ
で示す。また、熱延鋼帯1bの各圧延スタンドF1〜F
7における板厚偏差を図8に、熱延鋼帯1aの各圧延ス
タンドF1〜F7における張力を図9に、それぞれグラ
フで示す。また、熱延鋼帯1cの各圧延スタンドF1〜
F7における板厚偏差を図10に、熱延鋼帯1cの各圧
延スタンドF1〜F7における張力を図11に、それぞ
れグラフで示す。さらに、熱延鋼帯1dの各圧延スタン
ドF1〜F7における板厚偏差を図12に、熱延鋼帯1
aの各圧延スタンドF1〜F7における張力を図13
に、それぞれグラフで示す。
帯1が低炭素鋼からなる中厚材である場合には、変形抵
抗が小さく圧延が容易であるため、板厚制御系の制御ゲ
インを一律に設定しても、板厚偏差および張力がともに
安定し、板厚制御精度が優れた圧延を行うことができ
た。
うに、板厚制御系の制御ゲインを一律に設定したまま
で、鋼帯1が高張力鋼からなる薄物材に変わると、高張
力鋼からなる薄物材は変形抵抗が高いためにオーバーゲ
インとなり、板厚偏差および張力がともに変動し、板厚
制御精度が極めて劣化した。
すように、この高張力鋼からなる薄物材について、板厚
制御系の制御ゲインを、各圧延スタンドそれぞれのミル
定数の差を勘案して、変更して設定すると、図8および
図9にグラフで示す場合に比較すると板厚制御精度が向
上したが、図6および図7にグラフで示す場合程の板厚
制御精度は得られなかった。
すように、各圧延スタンドそれぞれのミル定数の差とと
もに、鋼帯1の材質および寸法(板厚および板幅)を勘
案して、板厚制御系の制御ゲインを変更して設定する
と、図6および図7にグラフで示す場合と同程度の板厚
制御精度が得られた。
熱間仕上連続式圧延機100を用いて、板厚1.6m
m、板幅850mmの高張力鋼からなる熱延鋼帯1の連
続圧延を、以下に列記する本発明法および従来法の2つ
の方法で、行った。
が10%未満の範囲を先端部とし、この長さの比率が1
0%以上90%未満の範囲を中央部とし、さらに、長さ
の比率が90%超から最後端部までの範囲を後端部とし
た。
づいた制御ゲインテーブルを有する圧延制御演算装置8
により、熱延鋼帯1の材質、寸法、温度および圧延時長
さに基づいて、(a)先端部の圧延の場合には、熱間仕
上連続式圧延機100の板厚制御系を構成するルーパ制
御の制御ゲインを、他の領域の圧延の際のルーパ制御の
制御ゲインよりも、大きく設定するとともに、ゲージメ
ータAGCおよびモニタAGCの制御ゲインを、他の領
域の圧延の際のゲージメータAGCおよび/またはモニ
タAGCの制御ゲインよりも小さく設定すること、
(b)中央部の圧延の場合には、ゲージメータAGCお
よびモニタAGCの制御ゲインを、他の領域の圧延の際
のゲージメータAGCおよびモニタAGCの制御ゲイン
よりも大きく設定すること、および(c)後端部の圧延
の場合には、ゲージメータAGCおよびモニタAGCそ
れぞれの制御ゲインを、中央部の圧延の際のゲージメー
タAGCおよびモニタAGCそれぞれの制御ゲインより
も小さく設定するか、またはこの制御ゲインと略同じに
設定することの3条件が全てが成り立つようにして、各
圧延スタンドF1〜F7それぞれの板厚制御系の制御ゲ
インを個別に変更しながら、連続圧延を行った。
の板厚制御系の制御ゲインの変更は、圧延スタンドF7
の板厚制御系を構成するゲージメータAGCおよびモニ
タAGCの制御ゲインを、圧延スタンドF1〜F6それ
ぞれの板厚制御系を構成するゲージメータAGCおよび
モニタAGCの制御ゲインよりも大きくなるとともに、
圧延スタンドF7から圧延スタンドF1へ向けて徐々に
大きくなるように変更した。
の材質については10段階、板厚については8段階、板
幅については3段階、温度については3段階に分割され
ている。
において、制御ゲインを全て同じ1として板厚制御及び
ルーパ制御を行った。
について、圧延スタンドF6〜圧延スタンドF7間♯6
の張力(tf)の経時変化を測定した。本発明法につい
ての測定結果を、圧延スタンドF7について設定したゲ
ージメータAGCおよびルーパ制御それぞれの制御ゲイ
ンとともに、図14にグラフで示すとともに、従来法に
ついての測定結果を、圧延スタンドF7について設定し
たゲージメータAGCおよびルーパ制御それぞれの制御
ゲインとともに、図15にグラフで示す。なお、図14
に示すグラフでは、中央部の圧延の際の制御ゲインを
1.0とし、中央部以外は中央部に対する比率で表示し
た。
ら、本発明により、圧延スタンドF6〜圧延スタンドF
7間の張力の変動を小さくできるとともに、短時間で収
束できることがわかる。また、熱延鋼帯1の後端が圧延
スタンドF7を抜ける際にも、本発明によれば、圧延ス
タンドF6〜圧延スタンドF7間の張力の変動を極めて
軽微に抑制できたことがわかる。このため、本発明法に
よれば、従来法よりも、高い精度で被圧延材の板厚を制
御できることがわかる。
では、被圧延材が鋼帯である場合を例にとった。しか
し、本発明は鋼帯には限定されず、例えばアルミニウム
合金帯のような他の種類の被圧延材にも同様に適用され
る。
連続式圧延機が熱間仕上連続式圧延機である場合を例に
とった。しかし、本発明は熱間仕上連続式圧延機には限
定されず、複数台の圧延スタンドを一直線に配置された
連続式圧延機であれば、同様に適用される。
圧延スタンドが7台設置された場合を例にとった。しか
し、本発明は、圧延スタンドの設置数には何ら限定され
ない。
り、連続式圧延機を用いて被圧延材に連続圧延を行う際
に、圧延条件や圧延設備等の条件が変動しても、高い精
度で被圧延材の板厚を制御することができることとなっ
た。かかる効果を有する本発明の意義は、極めて著し
い。
的に示す説明図である。
である。
フである。
フである。
フである。
ラフである。
である。
ラフである。
である。
すグラフである。
ラフである。
すグラフである。
ラフである。
結果を、圧延スタンドF7について設定したゲージメー
タAGCおよびルーパ制御それぞれの制御ゲインととも
に、示すグラフである。
果を、圧延スタンドF7について設定したゲージメータ
AGCおよびルーパ制御それぞれの制御ゲインととも
に、示すグラフである。
Claims (9)
- 【請求項1】 複数台の圧延スタンドを有する連続式圧
延機を用いて被圧延材の板厚を制御しながら連続圧延を
行うに際し、 前記被圧延材の材質および/または寸法に基づいて、前
記複数台の圧延スタンドそれぞれの板厚制御系の制御ゲ
インを、個別に変更することを特徴とする連続圧延法。 - 【請求項2】 前記板厚制御系の制御ゲインの変更は、
さらに、前記被圧延材の温度に基づいて行われる請求項
1に記載された連続圧延法。 - 【請求項3】 前記板厚制御系の制御ゲインの変更は、
さらに、前記被圧延材の圧延時の圧延長さまたは圧延時
間に基づいて行われる請求項1または請求項2に記載さ
れた連続圧延法。 - 【請求項4】 前記複数台の圧延スタンドのうちの最下
流の圧延スタンドの板厚制御系を構成するゲージメータ
AGCおよび/またはモニタAGCの制御ゲインを、該
最下流の圧延スタンド以外の他の圧延スタンドそれぞれ
の板厚制御系を構成するゲージメータAGCおよび/ま
たはモニタAGCの制御ゲインよりも、大きくなるよう
に変更する請求項1から請求項3までのいずれか1項に
記載された連続圧延法。 - 【請求項5】 前記複数台の圧延スタンドそれぞれの板
厚制御系を構成するゲージメータAGCおよび/または
モニタAGCの制御ゲインを、最上流の前記圧延スタン
ドから最下流の前記圧延スタンドへ向けて、徐々に大き
くなるように変更する請求項1から請求項4までのいず
れか1項に記載された連続圧延法。 - 【請求項6】 前記板厚制御系の制御ゲインは、前記被
圧延材の少なくとも材質および/または寸法に基づいた
制御ゲインテーブルに基づいて、変更される請求項1か
ら請求項5までのいずれか1項に記載された連続圧延
法。 - 【請求項7】 前記制御ゲインテーブルは、前記被圧延
材の材質については10段階以上、前記被圧延材の板厚
については8段階以上、前記被圧延材の板幅については
3段階以上、および前記被圧延材の温度については3段
階以上のうちの少なくとも一つを満足するように分割さ
れる請求項6に記載された連続圧延法。 - 【請求項8】 前記制御ゲインテーブルは、圧延方向に
ついて設定された前記被圧延材の複数の領域に分割され
て、設けられる請求項6または請求項7に記載された連
続圧延法。 - 【請求項9】 前記複数の領域は、圧延方向の先端部、
中央部および後端部の3領域であって、 前記先端部の圧延の場合には、前記板厚制御系を構成す
るルーパ制御の制御ゲインを、他の領域の圧延の際の前
記ルーパ制御の制御ゲインよりも、大きく設定するとと
もに、前記ゲージメータAGCおよび/またはモニタA
GCの制御ゲインを、他の領域の圧延の際のゲージメー
タAGCおよび/またはモニタAGCの制御ゲインより
も小さく設定すること、 前記中央部の圧延の場合には、前記ゲージメータAGC
および/またはモニタAGCの制御ゲインを、他の領域
の圧延の際のゲージメータAGCおよび/またはモニタ
AGCの制御ゲインよりも大きく設定すること、および
前記後端部の圧延の場合には、前記ゲージメータAGC
および前記モニタAGCそれぞれの制御ゲインを、前記
中央部の圧延の際の前記ゲージメータAGCおよび前記
モニタAGCそれぞれの制御ゲインよりも小さく設定す
るか、または該制御ゲインと略同じに設定することのう
ちの少なくとも一つを行う請求項8に記載された連続圧
延法。
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---|---|---|---|
JP2000017529A JP3508672B2 (ja) | 2000-01-26 | 2000-01-26 | 連続圧延法 |
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JP2001205318A true JP2001205318A (ja) | 2001-07-31 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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---|---|---|---|---|
JP2013075326A (ja) * | 2011-09-30 | 2013-04-25 | Jfe Steel Corp | 熱間圧延設備 |
-
2000
- 2000-01-26 JP JP2000017529A patent/JP3508672B2/ja not_active Expired - Fee Related
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