JP4626110B2 - 電子部品のリード端子切断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子部品のリード端子切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品に設けた複数のリード端子の長さを合わすためのリード端子切断装置としては、各リード端子を順に切断するものと一度に複数のリード端子を切断するものがある。
【0003】
前者のリード端子を順に切断するものは、一度セットした電子部品、または、切断刃を移動させながら、それらのリード端子を切断していくので作業性が悪く、後者の一度に複数のリード端子を切断するものが好まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の電子部品ではそれに複数設けられたリード端子は電子部品のX方向、または、Y方向の同じ方向に向けて引き出されたものであったが、近年、電子部品からX方向とY方向にそれぞれ向けて引き出されたものが提案されてきた。
【0005】
このようにリード端子がX方向とY方向に向けて引き出されたものではそれらを連続的に切断することが難しく、作業性を低下させている。そこで、本発明は上述のごとくリード端子がX方向とY方向に引き出されたものでも連続的に切断してその作業性を高めることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そしてこの目的を達成するために本発明の請求項1の発明は、基台と、この基台上をX方向への摺動後Y方向に摺動、または、Y方向への摺動後X方向に摺動する摺動体とを備え、前記基台に前記X方向へ延伸して開口したX方向基台スリット部と前記Y方向へ延伸して開口したY方向基台スリット部と、前記摺動体に前記X方向へ延伸して開口したX方向摺動体スリット部と前記Y方向へ延伸して開口したY方向摺動体スリット部とを形成し、前記X方向基台スリット部と前記X方向摺動体スリット部と、および前記Y方向基台スリット部と前記Y方向摺動体スリット部とはそれぞれ対向配置させたうえで前記X方向基台スリット部は前記X方向摺動体スリット部よりも長く、前記Y方向基台スリット部は前記Y方向摺動体スリット部よりも長く延伸させ、前記X方向が長手方向となる断面形状のリード端子を前記X方向基台スリット部と前記X方向摺動体スリット部とに貫通させ、あるいは前記Y方向が長手方向となる断面形状のリード端子を前記Y方向基台スリット部と前記Y方向摺動体スリット部とに貫通させたうえで、前記摺動体を前記X方向に摺動させることにより前記Y方向リード端子を、あるいは前記Y方向へ摺動させることにより前記X方向リード端子を摺動体の摺動により連続的に切断することができ、その生産性が高くなる。
【0007】
また、請求項2の発明は、摺動体の上面側に電子部品を収納する凹部を設け、この凹部の底部にX方向基台スリット部とY方向基台スリット部とを設けたものであって、電子部品を凹部に設置するので電子部品の設置作業が、スムーズに行なえる。
【0008】
さらに、請求項3の発明は、摺動体のX方向前端側には第1のガイド体とカムフォロア、同X方向後端側には第2のガイド体をそれぞれ設け、前記第1のガイド体は基台の第1のガイド溝内、第2のガイド体は同基台の第2のガイド溝内にそれぞれ挿入され、前記第1のガイド溝はX方向の後端側がY方向に曲がったL字形とし、第2のガイド溝はX方向の直線状とし、前記カムフォロアには基台に設けたカムを当接したものであって、摺動体の上述各部に第1、第2のガイド体とカムフォロアを設け、基台に第1、第2のガイド溝とカムを設けることによりカムを駆動するだけで摺動体をX方向、Y方向に摺動させて電子部品のX方向、Y方向のリード端子を連続的に切断することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面を用いて説明する。図1において、1は基台で、この基台1の中央部には矩形状の開口部2が設けられ、この開口部2には図2のごとく板体3が装着されている。
【0010】
また、基台1の上面には摺動体4が摺動自在に装着されている。この摺動体4にもその中央部に矩形状の開口部5が設けられ、この開口部5には図2のごとく板体6が装着されている。なお、基台1の上面及び摺動体4の下面は上記板体3,6がそれぞれ装着された状態でも平面を保っており、これにより基台1上を摺動体4がスムーズに摺動するようにしている。
【0011】
また、摺動体4のY方向の両側には図1に示すごとくこの摺動体4の摺動時に上方への浮き上がりを防止するための規制体7が所定間隔をおいて設けられている。
【0012】
さらに摺動部4のX方向前端側には第1のガイド体8とカムフォロア9、同X方向後端側には第2のガイド体10をそれぞれ設けている。そしてこれらの第1のガイド体8は基台1の第1のガイド溝11内、第2のガイド体10は同基台1の第2のガイド溝12内にそれぞれ挿入されている。
【0013】
前記第1のガイド溝11はX方向の後端側がY方向に曲がったL字形とし、第2のガイド溝12はX方向の直線状としている。また、前記カムフォロア9には基台1の孔13内に設けたカム14を当接している。前記ガイド体8,10はカムフォロア9と共に回転自在となっており、スムーズな摺動が行われるようになっている。
【0014】
さらに基台1のX方向前端側には孔15が設けられ、この孔15内には摺動体4のピン16が挿入され、下方においてこのピン16と基台1下面のピン17間にはスプリング18が張架されている。
【0015】
前記基台1の板体3と摺動体4の板体6はそれぞれ対向する部分にX方向のスリット状開口部3c,3d,6c,6dとY方向のスリット状開口部3a,3b,6a,6bを設けているが、いずれも基台1の板体3側の方が長い寸法となるようにしている。
【0016】
さて、図10はインダクタンスを有する電子部品19を示しており、この電子部品19は図9に示すごとく上、下のケース20,21とそれらによって覆われるインダクタンス素子22から構成されている。
【0017】
インダクタンス素子22は図9に示すごとくX方向前端側と後端側にそれぞれ4本のリード端子22a〜22d,22e〜22hを有している。そしてこれらのリード端子22a〜22hのうち22c,22dだけはこの図のごとくX方向を向いており、後のものはいずれもY方向を向いている。
【0018】
さて、この電子部品19のインダクタンス素子22は当初図6に示すとごく各リード端子22a〜22hが長寸法となっている。
【0019】
これを図3のごとく摺動体4の板体6のスリット状開口部6a〜6dを介してその下方のスリット状開口部3a〜3dに挿入する。
【0020】
そして、その状態でカム14、カムフォロア9を介して図4のごとく摺動体4をスプリング18の張力に対してX方向に後退させるとY方向に向いたリード端子22a,22b,22e〜22hが図7のごとくその長さを揃えた状態で切断されることになる。
【0021】
この後これに連続してカム14によりカムフォロア9をX方向に押すと図5のごとく第1のガイド体8がL字形の第1のガイド溝11に沿ってY方向に押されることになり、これにより今度は図8のごとくリード端子22c,22dが他のリード端子22a,22b,22e〜22hと長さを揃えた状態で切断されることになる。
【0022】
その後はカム14が連続的に回転することでカムフォロア9への押力を解除するとスプリング18の張力により摺動体4は図3の初期状態へと戻り、この状態でインダクタンス素子22を板体6上から取り上げ、次に図9のごとく上、下ケース20,21間に装着し、組立を完了する。
【0023】
なお、摺動体4は開口部5の下面に板体6を設けることでインダクタンス素子22を収納する凹部4aを形成した状態となっており、この凹部4aの底部にX方向とY方向のスリット状開口部6a〜6dを設けているのでインダクタンス素子22の設置作業がスムーズに行なえる。
【0024】
【発明の効果】
以上のように本発明は、基台と、この基台上をX方向への摺動後Y方向に摺動、または、Y方向への摺動後X方向に摺動する摺動体とを備え、前記基台に前記X方向へ延伸して開口したX方向基台スリット部と前記Y方向へ延伸して開口したY方向基台スリット部と、前記摺動体に前記X方向へ延伸して開口したX方向摺動体スリット部と前記Y方向へ延伸して開口したY方向摺動体スリット部とを形成し、前記X方向基台スリット部と前記X方向摺動体スリット部と、および前記Y方向基台スリット部と前記Y方向摺動体スリット部とはそれぞれ対向配置させたうえで前記X方向基台スリット部は前記X方向摺動体スリット部よりも長く、前記Y方向基台スリット部は前記Y方向摺動体スリット部よりも長く延伸させ、前記X方向が長手方向となる断面形状のリード端子を前記X方向基台スリット部と前記X方向摺動体スリット部とに貫通させ、あるいは前記Y方向が長手方向となる断面形状のリード端子を前記Y方向基台スリット部と前記Y方向摺動体スリット部とに貫通させたうえで、前記摺動体を前記X方向に摺動させることにより前記Y方向リード端子を、あるいは前記Y方向へ摺動させることにより前記X方向リード端子を摺動体の摺動により連続的に切断することができ、その生産性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の分解斜視図
【図2】同断面図
【図3】同平面図
【図4】同平面図
【図5】同平面図
【図6】同インダクタンス素子の斜視図
【図7】同斜視図
【図8】同斜視図
【図9】同電子部品の分解斜視図
【図10】同斜視図
【符号の説明】
1 基台
4 摺動体
8 第1のガイド体
9 カムフォロア
10 第2のガイド体
11 第1のガイド溝
12 第2のガイド溝
14 カム
22a〜22h リード端子

Claims (3)

  1. 基台と、この基台上をX方向への摺動後Y方向に摺動、または、Y方向への摺動後X方向に摺動する摺動体とを備え、前記基台に前記X方向へ延伸して開口したX方向基台スリット部と前記Y方向へ延伸して開口したY方向基台スリット部と、前記摺動体に前記X方向へ延伸して開口したX方向摺動体スリット部と前記Y方向へ延伸して開口したY方向摺動体スリット部とを形成し、前記X方向基台スリット部と前記X方向摺動体スリット部と、および前記Y方向基台スリット部と前記Y方向摺動体スリット部とはそれぞれ対向配置させたうえで前記X方向基台スリット部は前記X方向摺動体スリット部よりも長く、前記Y方向基台スリット部は前記Y方向摺動体スリット部よりも長く延伸させ、前記X方向が長手方向となる断面形状のX方向リード端子を前記X方向基台スリット部と前記X方向摺動体スリット部とに貫通させ、あるいは前記Y方向が長手方向となる断面形状のY方向リード端子を前記Y方向基台スリット部と前記Y方向摺動体スリット部とに貫通させたうえで、前記摺動体を前記X方向に摺動させることにより前記Y方向リード端子を切断し、あるいは前記Y方向へ摺動させることにより前記X方向リード端子を切断する電子部品のリード端子切断装置。
  2. 摺動体の上面側には電子部品を収納する凹部を有し、この凹部の底部にX方向基台スリット部とY方向基台スリット部とを設けた請求項1に記載の電子部品のリード端子切断装置。
  3. 摺動体のX方向前端側には第1のガイド体とカムフォロア、同X方向後端部には第2のガイド体をそれぞれ設け、前記第1のガイド体は基台の第1のガイド溝内、第2のガイド体は同基台の第2のガイド溝内にそれぞれ挿入され、前記第1のガイド溝はX方向の後端側がY方向に曲がったL字形とし、第2のガイド溝はX方向の直線状とし、前記カムフォロアには基台に設けたカムを当接した請求項1に記載の電子部品のリード端子切断装置。
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