JP4625421B2 - ハイドロフォーム加工方法および装置 - Google Patents

ハイドロフォーム加工方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4625421B2
JP4625421B2 JP2006108600A JP2006108600A JP4625421B2 JP 4625421 B2 JP4625421 B2 JP 4625421B2 JP 2006108600 A JP2006108600 A JP 2006108600A JP 2006108600 A JP2006108600 A JP 2006108600A JP 4625421 B2 JP4625421 B2 JP 4625421B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
internal pressure
stress
strain
load path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006108600A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007275972A (ja
Inventor
浩一 佐藤
正昭 水村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2006108600A priority Critical patent/JP4625421B2/ja
Publication of JP2007275972A publication Critical patent/JP2007275972A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4625421B2 publication Critical patent/JP4625421B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Description

本発明は、素材となる管体(以下、素材管と記載する)を流体圧を用いて所定形状に成形するハイドロフォーム加工方法および装置に関する。
近年、ハイドロフォーム加工は、部品数削減や軽量化等の手段の一つとして、自動車用の排気系部品やサスペンション系部品等の製造分野で注目を浴びている。
このハイドロフォーム加工は、図10aに示すように、素材管11を分割した上下の金型12にセットし、金型を型締めした後、素材管内に液体を注入して素材管に内圧Pを負荷するとともに、管軸方向の軸押しδを負荷することにより、管軸方向の伸びを抑えながら管周方向に伸びを与え、素材管を所定形状に成形する技術であり、内圧Pと軸押しδについて、例えば図10bのような負荷経路が用いられている。
このようなハイドロフォーム加工は、古くからバルジ加工という名称で配管継ぎ手などの加工に用いられてきた技術ではあるが、上記のような軽量化などのニーズにより、短時間に大量生産する必要のある自動車部品への適用に関しては比較的新しい技術であり、成形条件が複雑なこともあり、種々の技術的課題が残されている。
例えば、加工中に素材管が座屈して、素材管の所定部が金型空間へとスムーズに張り出さないことがあるが、このような素材管の座屈が生じないように、素材管に付与する軸押し力を減らすまたは内圧を増加させるなど、適切な内圧や軸押し力の組み合わせやそれらの負荷経路を求めるために試行錯誤を重ねなければならない。その場合にも、素材管に付与する力を減らせば、座屈は生じにくくなるものの、十分な変形量が得られず、生産性も低下するなどの問題もあり、考慮しなければならない点は多い。
さらに、素材管には電縫鋼管やアルミ押出し管などの金属管が用いられるが、素材管ごとの材質や寸法特性は必ずしも一定ではなく、特にその製造ロットが変わると材質や寸法特性が微妙に変動する。複雑な製品形状になると、そのような変動でも上記のような加工不良が増加する場合がある。
以上のように、ハイドロフォーム加工は、どのような内圧と軸押しの組み合わせを採用するかあるいはどのような負荷経路をとるかによって、加工後の結果が作用されるものであり、座屈などの成形不良が生じないように、加工中に加工状態をセンサで検出して内圧または軸押しを制御する技術も開発されている。
例えば、特許文献1には、素材管の金型空間部への張り出し高さ、該空間部周縁部の張り出し高さ、および該空間部中央部の張り出し高さをそれぞれセンサで検出して、それらの変化があらかじめFEM(有限要素解析法)などで求めた変化に近づくように、素材管に付与する内圧または押込み力を制御することが示されている。
また、特許文献2には、成形中の素材管の外面内の少なくとも1点の拡管方向の移動量を検出するセンサを金型キャビティ内に突出するように設け、素材管の外面とセンサとの接触から前記移動量を測定し、測定した移動量と内圧との関係に基づいて負荷経路を調整することが示されており、さらに、特許文献3、4にも特許文献2と同様の技術が示されている。
しかしながら、上記特許文献1〜4のようにセンサを配置することにより、素材管の成形途中の張り出し状態を検出して、素材管ごとの材質や寸法特性の違いに応じた負荷経路等の調整を行うことはできるが、センサを金型内に突出して設けるなどセンサの設置に制約が多く、かつ、ハイドロフォーム加工の成否を作用する内圧や軸押しの組み合わせや負荷経路を最適なものに決定するために必要な情報を事前に得ることはできないという問題がある。
特開2003−39121号公報 特開2003−311343号公報 特開2004−322165号公報 特開2000−084624号公報
本発明は、上記のような事情に鑑み、センサの設置が容易にでき、かつ、ハイドロフォーム加工にとって最適な負荷経路を決定するために有用な素材管の変形状態や材質等のバラツキについての情報を容易に得ることができるようにすることを課題としてなされたものである。
上記の課題を解決するために、本発明はハイドロフォーム加工用方法及び装置を次のように構成したことを特徴とする。
請求項1のハイドロフォーム加工方法の発明は、該請求項に記載されているように、ハイドロフォーム加工方法において、金型のキャビティ内壁の角部のうち、少なくとも1箇所の角部に近接する金型内部における応力又は歪を、ハイドロフォーム加工中に交差する2方向から測定し、測定された金型内部の応力又は歪と内圧との関係に基づいて負荷経路を調整することを特徴とする。
請求項2のハイドロフォーム加工方法の発明は、請求項1の発明において、予め素材管の材質や寸法特性ごとに、前記金型内部における応力又は歪を測定し、測定した金型内の応力又は歪と内圧との関係から、素材管が金型キャビティ内壁へ接触した時の内圧値を求め、該内圧値に基づいて予め定められた負荷経路における軸押し開始時期を調整することを特徴とする。
請求項3のハイドロフォーム加工方法の発明は、該請求項に記載されているように、素材管を製造ロットの種別ごとに区分けし、金型のキャビティ内壁の角部のうち、少なくとも1箇所の角部に近接する金型内部における応力又は歪を、ハイドロフォーム加工中に交差する2方向から測定し、所定の内圧値における測定された応力又は歪の値を前記製造ロットの種別とともに記録し、記録した応力又は歪の値に基づいて製造ロットの種別ごとの材質のバラツキを検出し、製造ロットの種別ごとに最適な負荷経路に調整することを特徴とする。
請求項4のハイドロフォーム加工装置の発明は、該請求項に記載されているように、金型のキャビティの角部のうち、少なくとも1箇所の角部に近接する金型本体内部に配置され、ハイドロフォーム加工中における金型内の応力又は歪を交差する2方向から測定する測定手段と、該測定手段により測定された金型内部の応力又は歪と内圧との関係に基づいて前記負荷経路を制御する制御手段を有することを特徴とする。
請求項5のハイドロフォーム加工装置の発明は、請求項4の発明において、前記制御手段は、測定した金型内の応力又は歪と内圧との関係から、素材管が金型キャビティ内壁へ接触した時の内圧値を求める内圧値演算手段と、前記求められた内圧値に基づいて予め定められた負荷経路を修正する負荷経路修正手段を有することを特徴とする。
請求項6のハイドロフォーム加工装置の発明は、該請求項に記載されているように、前記金型のキャビティの角部のうち、少なくとも1箇所の角部に近接する金型本体内部に配置され、ハイドロフォーム加工中における金型内の応力又は歪を交差する2方向から測定する測定手段と、所定の内圧値における測定された応力又は歪の値を製造ロットの種別とともに記憶する記憶手段と、記憶した応力又は歪の値に基づいて製造ロットの種別ごとの材質のバラツキを検出し、製造ロットの種別ごとに最適な負荷経路に調整する制御手段を有することを特徴とする。
請求項1、2、4、5の発明によれば、金型に簡単な改造を加えることにより素材管の変形状態に関する情報を得ることができ、その情報を加工前あるいは加工中に得ることにより、ハイドロフォーム加工にとって重要な負荷経路を、事前に最適なものに決定することができ、かつ、素材管ごとの材質や寸法特性の違いがあっても、その違いに応じた負荷経路等の調整を行うことができる。
請求項3、6の発明によれば、製造ロットの種別ごとの素材管の変形状態の違いに関する情報を得ることができ、事前に製造ロットの種別ごとに最適な負荷経路を選択することができるので、加工不良の発生を防止することができる。
以下、本発明の一実施の形態を、図1〜9を用いて詳細に説明する。
本発明者らは、ハイドロフォーム加工中に変化する状態量として、従来着目されていなかったハイドロフォーム加工中に金型が受ける応力に注目した。そして、ハイドロフォーム加工中に金型が受ける応力、あるいは金型に発生する歪の変化を内圧との関係で知ることができれば、素材管の変形状態が金型を通して間接的に得られるのではないかと考え、金型が受ける応力、あるいは金型に発生する歪の変化を内圧との関係で検討した。
図1〜4に、上記関係を検討する際に用いたハイドロフォーム加工用金型を示す。
1は、上下に分割されたハイドロフォーム加工用金型の下金型であり、その分割面2の中央部分には、金型キャビティ3が設けられている。金型キャビティ3は、断面が円形の素材管の中央部を方形に膨出させるために、素材管の外径に対応した半円形凹部3a、bと、中央部の方形部に対応した方形凹部3cと、凹部3aと3cを滑らかに連結するための凹部3dと、これと同様の凹部3eとにより構成されている。
また、下金型に対応する上金型も下金型と同一形状に構成されている。
なお、9は、型締時に上下の金型を位置決めする位置決めピンであり、上金型には、位置決めピンが挿入される位置決め穴が形成されている。
この金型は、金型キャビティ3を形成する内壁に、軸方向断面で上下の金型でそれぞれ2箇所ずつ、合計4箇所の角部4が形成されており、上下の全ての角部に近接する各金型本体内部に、成形加工中の金型内の歪又は金型が受ける応力を測定するセンサとして水晶圧電式センサを設置した。
センサの設置は、図2でより詳細に示すように、金型の底面5および側面6からキャビティ内壁の角部に向かって、先端が前記角部に近接して位置する細孔7を設け、細孔の先端部に前記センサを配置した。また、金型の底面5には、一端が前記細孔7に接続し、他端が前記金型の側面6に達している溝8を設け、センサの配線を該溝によって金型外に引き出せるようにした。
センサの配置位置は、一箇所の角部につき3箇所とし、上下の金型合計で12箇所とした。
次に、この金型を使用して、ハイドロフォーム加工中の金型内の応力あるいは歪を測定することにより得られた知見について説明する。
(1−1)素材管外面の金型キャビティ内壁への接触検知
上記金型に、引張強度が440MPaで、肉厚が2.3mmの素材鋼管をセットし、型締め力15000kNで型締め後、内圧を0〜250MPaまで昇圧した。軸押しは左右各々50mmとした。その際、加工途中におけるセンサの検出値(以下応力値で代表する。)を内圧の変化と合わせて記録するとともに、素材鋼管の変形過程を観察した。
図5に、このときの、内圧とセンサの検出した応力値の変化の一例を示す。また、図6a〜6cに、図5のa〜cで示した各点における素材鋼管の成形状態を示す。
図5に示すように、下金型右側の測定位置と上金型右側の測定位置とではセンサの検出値に多少の差がみられたが、変化の仕方はほぼ同様であった。
なお、上金型および下金型とも左右の測定位置でセンサの検出応力にほとんど差がなかったため、図5にはそれらの値を図示していない。
図5のaは、素材鋼管が膨出し、管外面がより距離の近い金型キャビティの上下の内壁に最初に接触を開始した位置(図6aの状態)を、bは、左右の内壁にも接触を開始した位置(図6bの状態)を、cは、金型内壁のコーナR部以外はほぼ接触した状態となった位置(図6cの状態)をそれぞれ示している。また、dは、金型内壁にほぼ全接触した位置を示している。
内圧の上昇とともに図5のように金型内の応力値が変化するのは、次のように説明できる。
金型は、成形開始時は、素材鋼管の内圧からの応力を受けないから、型締め力に対応した一定の応力を受けている。その後内圧の上昇とともに素材管が膨出を開始し、まずaの点において、管の中央部外面がより近い金型キャビティの上下の内壁に接触する。管はさらに膨出を続け、bの点で左右の内壁にも接触する。それ以降、最終的に金型角部の細かい形状に倣った形状まで変形し、金型内壁にほぼ全接触した状態になるには大きな内圧を必要とするから、検出される応力も内圧の上昇とともに上昇する。
そして、図6に示されるように、鋼管外面が上下左右の金型内壁に接触する位置(図6b)は、図5において、内圧の上昇とともに測定される金型内の応力が上昇を開始する点bとして明確に検出することができる。
(1−2)素材管の材料特性の違いの検出
素材管の材料特性の違いが検出される応力にどのように影響するかを調べるために、肉厚はいずれも2.3mmで同一であるが、引張強度が異なる素材鋼管を複数個用意し、図5を作成したときと同様の条件でハイドロフォーム加工し、内圧が100MPaと200MPaに達した時点における金型の受ける応力をセンサによって測定した。
結果の一例を表1に示す。
表1より、素材鋼管の引張強度が400MPaから500MPaに変化するに応じて、内圧が同じでもそれぞれ検出応力値が異なることがわかった。このことから、同じ材料から製造された素材鋼管でも、材料強度に違いがあれば、ハイドロフォーム加工中の変形状態が異なり、金型に負荷される応力にも差が生じ、それにより測定される応力値に差が生じるから、ある一定の内圧に到達した時点の応力値を測定することにより素材管ごとの材料強度の違いを検出することができる。
Figure 0004625421
以上の検討結果に基づく本発明のハイドロフォーム加工の負荷経路などを制御する手段について説明する。
(2−1)センサの設置
ハイドロフォーム加工によって金型が受ける応力あるいは金型に発生する歪を測定し、素材管の変形状態を検知するために、センサを金型に取付ける。センサは、加工に影響を与えることなく、キャビティ付近の応力をより正確に測定するために、金型のキャビティの角部に近接する金型本体内部に配置されなければならない。
図2のような直角のコーナRを有する金型の場合は、素材管が金型に接触した後、金型角部に負荷される応力の主応力方向が、水平方向および垂直方向となるから、センサの配置も水平方向及び垂直方向に配置するのが好ましい。しかし、キャビティのコーナR部が直角(90度)よりも広角もしくは狭角の場合は、直角の場合とは主応力方向が異なるため、FEM解析などでセンサの配置する向きを事前に評価する必要があり、必ずしも水平方向及び垂直方向の配置に限られるものではない。
センサの配置位置は、金型のキャビティの角部のうち割れが一番発生しやすい角部、例えば素材管が最初に接触する金型内壁に近い角部、に少なくとも設置するのが望ましく、少なくとも1箇所の角部に近接する金型本体内部であればよいが、望ましくは、全てのコーナR部にセンサを設置することである。
金型のキャビティの各角部には、図1〜4に示した金型では3箇所としたが、それに限られるものではなく、角部の長さに応じた個数とすることはもちろんである。
配置されるセンサとしては、例えば歪を測定するものとしては、水晶感圧センサ、歪ゲージ、レーザ歪測定器などが使用でき、応力を測定するものとしては、応力ゲージ、レーザ応力測定器などが使用できる。
センサを配置する方法は、特に図2に示したように、金型の底面および側面から金型キャビティの角部に向かって、先端が金型キャビティの角部に近接して位置する細孔を設け、その細孔の先端部にセンサを配置するのが、既存の金型に適用できるので好ましい。
しかし、例えば金型製造時に細管を埋め込む方法など、細孔を形成する他の方法を採用することもできる。この場合には、細孔を曲線とすることができる。
細孔先端部の位置は、角部から5〜20mm以上離れているのが望ましい。図2の例では、Lとして15mm程度が好ましい。
以上のようにハイドロフォーム加工金型内に配置されたセンサを用い、負荷経路を例えば次のようにして制御する。
(2−2)軸押しの開始時期および負荷経路の制御
ハイドロフォーム加工の適正な加工負荷経路は製品によって異なるが、一般的には図7に示すように、内圧のみ昇圧し、軸押しは管端をシールするのに必要な量とする段階(ステップ1)、次の、内圧を一定にして軸押しする、あるいは軸押しと内圧を両方変化させる段階(ステップ2)、最後のほとんど軸押しせずに内圧のみ昇圧し、最終形状、特にコーナR部の形成を行う段階(ステップ3)によって構成されるが、ステップ1からステップ2に移行する際の内圧Ptを適切に設定することが必要である。
図7の(b)のように適切な内圧Ptに対して、(a)のように設定した内圧が高ければ、ステップ3において製品にワレが発生する危険性があり、(c)のように設定した内圧が低ければ、製品にしわが発生する。そして、図7の(b)の適切な内圧Ptとしては、素材管の外面が上下左右の金型内壁に接触したときの内圧が適当である。
したがって、成形不良を防止するために、あらかじめこれから成形しようとする素材管を用いて、上記のような試験を実施し、図5のようなあらかじめ応力と内圧の関係を求めておき、素材管が金型内面に接触したタイミングを図5のb点として検知することで、第2ステップの軸押しを開始する際の内圧Ptの値を決定することができる。
試験は、素材管の材質や寸法(厚みなど)ごとに行い、それぞれについて第2ステップに移行する内圧値Ptを得ておき、その値を用いて、素材管の材質や寸法ごとに基準の負荷経路を決定する。
また、上記のように、ハイドロフォーム加工で用いる素管材は、素材鋼板自体の材質差やコイル内位置などにより、材料特性にバラツキがあり、また、造管に伴う寸法誤差や加工歪差により肉厚などの寸法特性にもバラツキがある。
そのようなバラツキに対応するために、ハイドロフォーム加工ごとに検出応力の上昇し始める点(図5のb点)の内圧を検出し、予め求められていた加工中の素材管に対応する内圧Ptとの差を求める。
そして、予め求められていた内圧Ptの方が大きければ、素材管外面はすでに上下左右の金型内壁に接触しており、材料強度が所定のものより小さいことが推定でき、基準の負荷経路に対して、たとえば、ステップ3へ移行する時の内圧を下げるなどの修正を行う。内圧Ptの方が小さければ、逆に内圧を上げる修正を行う。
このように、金型内の応力あるいは歪を測定することにより、素材管ごとの材質・寸法特性のバラツキを検出でき、ステップ2からステップ3への負荷経路を、素材管の材質・寸法特性に応じたものに修正することができる。
(2−3)製造ロットの違いに対応した制御
前記のような素材管ごとの材質・寸法特性のバラツキは、同一の製造ロット内では小さいく、ロット間では大きくなる。
そこで、素材管の製造ロットを製造履歴(例えば、コイルのどの部分を素材として作られたかなど)などに基づいて種類ごとに区分けしておく。また、前記のように、素材管の材料強度に応じて検出応力値が異なることから、同じ材料から製造された素材管でも、引張強度にバラツキがあれば、金型に負荷される応力に差が生じるので、素材管ごとに特定の内圧時の金型内応力を、素材管の製造ロットの種別と関連付けて記憶しておけば、製造ロットごとの材質や寸法特性の特徴を把握することができ、それによって基準となる負荷経路をその特徴に合わせて修正することができる。
そして、新たにハイドロフォーム加工をする素材管の製造ロットが変わった場合、そのロットの種別が分かれば、ロットごとの材質特性を事前に把握することができ、材料特性に最適なハイドロフォーム加工条件を採用することができる。
(2−4)制御装置
このような制御は、図8、9に示すような装置で実施される。
図8において、1は、ハイドロフォーム加工金型であり、各金型のコーナR部に近い金型内部には、上記のように金型内の応力や歪を測定するセンサ10が配置されている。11は、金型内の素材鋼管を管端側から軸押し工具12を介して軸押しする油圧ピストン等の軸押し手段であり、13は、軸押し量検出手段である。14は、素材鋼管内に液体を注入して、素材管に内圧を負荷するための内圧負荷手段であり、15は内圧検出手段である。軸押し量検出手段13及び内圧検出手段15からの信号は、負荷経路制御装置16に送られ、該制御装置16の制御部によって所定の負荷経路になるように軸押し手段11及び内圧負荷手段14が制御される。
センサ10の応力あるいは歪についての検出信号は、変換手段17によって応力値に変換され、負荷経路制御装置16に送られる。図9に示されるように、負荷経路制御装置16には、前記変換手段17と内圧検出手段15からの信号に基づいて、素材管が金型キャビティ内壁へ接触した時の内圧値を求める内圧値演算手段18と、前記求められた内圧値に基づいて基準となる負荷経路を演算する基準負荷経路演算手段19と、素材管の材質や寸法ごとに基準となる負荷経路を記憶する基準負荷経路記憶手段20と、基準負荷経路記憶手段に記憶された素材管ごとの負荷経路に基づいて軸押し手段及び内圧負荷手段を制御する制御部21が設けられている。
また、負荷経路制御装置16には、さらに、ハイドロフォーム加工中に前記内圧値演算手段18によって求められた内圧値と基準負荷経路記憶手段20で定められた内圧値を比較してその差を演算する内圧値変動演算手段22と、その差の大きさに応じて基準の負荷経路を修正する負荷経路修正手段23が設けられており、前記制御部21は、修正された負荷経路に基づいて軸押し手段11及び内圧負荷手段14を制御するようになっている。
さらに、前記変換手段17と内圧検出手段15からの信号に基づいて、例えば、内圧値が100MPaの時の応力値を求める応力値演算手段24と、素材管を、その製造履歴などに基づく製造ロットの種別ごとに区分けし、製造ロットの種別ごとに前記応力値を記憶するロット応力値記憶手段25と、記録された応力値に基づいて製造ロットの種別ごとの材質などのバラツキを検出し、前記基準負荷経路記憶手段20に記憶された素材管ごとの負荷経路を製造ロットの種別ごとに最適な負荷経路に修正する基準負荷経路修正手段26が設けられており、製造ロットの種別ごとに最適な負荷経路を選択することができる。
以上説明した実施の形態は本発明の例であり、本発明は、該実施の形態により制限されるものではなく、特許請求の範囲の請求項に記載される事項によってのみ規定されており、上記以外の実施の形態も実施可能である。
本発明のハイドロフォーム加工用金型の上面図である。 図1のハイドロフォーム加工用金型のA−A矢視図および一部拡大図である。 図1のハイドロフォーム加工用金型の側面図である。 図1のハイドロフォーム加工用金型の底面図である。 ハイドロフォーム加工中の内圧とセンサの検出した応力値の変化を示す図である。 ハイドロフォーム加工中の素材管の変形状態を示す図である。 ハイドロフォーム加工における負荷経路の説明図である。 ハイドロフォーム加工装置の概略を説明する図である。 負荷経路制御装置の概略を説明する図である。 従来のハイドロフォーム加工技術の説明図である。
符号の説明
1 ハイドロフォーム加工用金型の下金型
2 金型の分割面
3 金型キャビティ
4 金型キャビティの角部
5 金型の底面
6 金型の側面
7 細孔
8 配線引き出し用溝
9 位置決めピン
10 センサ(金型内の歪又は応力の測定手段)
11 軸押し手段
12 軸押し工具
13 軸押し量検出手段
14 内圧負荷手段
15 内圧検出手段
16 負荷経路制御装置
17 変換手段
18 内圧値演算手段
19 基準負荷経路演算手段
20 基準負荷経路記憶手段
21 制御装置16の制御部
22 内圧値変動演算手段
23 負荷経路修正手段
24 特定内圧値の応力値演算手段
25 ロット応力値記憶手段
26 基準負荷経路修正手段

Claims (6)

  1. 素材管を金型にセットし、金型を型締めした後、予め定められた負荷経路に基づいて素材管に対して内圧を負荷するとともに管軸方向に軸押しし、素材管を所定形状に成形するハイドロフォーム加工方法において、
    金型のキャビティ内壁の角部のうち、少なくとも1箇所の角部に近接する金型内部における応力又は歪を、ハイドロフォーム加工中に交差する2方向から測定し、測定された金型内部の応力又は歪と内圧との関係に基づいて前記負荷経路を調整することを特徴とするハイドロフォーム加工方法。
  2. 予め素材管の材質や寸法特性ごとに、前記金型内部における応力又は歪を測定し、測定した金型内の応力又は歪と内圧との関係から、素材管が金型キャビティ内壁へ接触した時の内圧値を求め、該内圧値に基づいて負荷経路における軸押し開始時期を調整することを特徴とする請求項1に記載のハイドロフォーム加工方法。
  3. 素材管を金型にセットし、金型を型締めした後、予め定められた負荷経路に基づいて素材管に対して内圧を負荷するとともに管軸方向に軸押しし、素材管を所定形状に成形するハイドロフォーム加工方法において、
    素材管を製造ロットの種別ごとに区分けし、金型のキャビティ内壁の角部のうち、少なくとも1箇所の角部に近接する金型内部における応力又は歪を、ハイドロフォーム加工中に交差する2方向から測定し、所定の内圧値における測定された応力又は歪の値を前記製造ロットの種別とともに記録し、記録した応力又は歪の値に基づいて製造ロットの種別ごとの材質のバラツキを検出し、製造ロットの種別ごとに最適な負荷経路に調整することを特徴とするハイドロフォーム加工方法。
  4. 金型と、軸押し手段と、内圧負荷手段を有し、金型にセットされた素材管に内圧を負荷して所定形状に成形するハイドロフォーム加工装置において、
    前記金型のキャビティの角部のうち、少なくとも1箇所の角部に近接する金型本体内部に配置され、ハイドロフォーム加工中における金型内の応力又は歪を交差する2方向から測定する測定手段と、該測定手段により測定された金型内部の応力又は歪と内圧との関係に基づいて前記負荷経路を制御する制御手段を有することを特徴とするハイドロフォーム加工装置。
  5. 前記制御手段は、測定した金型内の応力又は歪と内圧との関係から、素材管が金型キャビティ内壁へ接触した時の内圧値を求める内圧値演算手段と、前記求められた内圧値に基づいて予め定められた負荷経路を修正する負荷経路修正手段を有することを特徴とする請求項4に記載のハイドロフォーム加工装置。
  6. 金型と、軸押し手段と、内圧負荷手段を有し、金型にセットされた素材管に内圧を負荷して所定形状に成形するハイドロフォーム加工装置において、
    前記金型のキャビティの角部のうち、少なくとも1箇所の角部に近接する金型本体内部に配置され、ハイドロフォーム加工中における金型内の応力又は歪を交差する2方向から測定する測定手段と、所定の内圧値における測定された応力又は歪の値を製造ロットの種別とともに記憶する記憶手段と、記憶した応力又は歪の値に基づいて製造ロットの種別ごとの材質のバラツキを検出し、製造ロットの種別ごとに最適な負荷経路に調整する制御手段を有することを特徴とするハイドロフォーム加工装置。
JP2006108600A 2006-04-11 2006-04-11 ハイドロフォーム加工方法および装置 Active JP4625421B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006108600A JP4625421B2 (ja) 2006-04-11 2006-04-11 ハイドロフォーム加工方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006108600A JP4625421B2 (ja) 2006-04-11 2006-04-11 ハイドロフォーム加工方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007275972A JP2007275972A (ja) 2007-10-25
JP4625421B2 true JP4625421B2 (ja) 2011-02-02

Family

ID=38678003

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006108600A Active JP4625421B2 (ja) 2006-04-11 2006-04-11 ハイドロフォーム加工方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4625421B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109351838A (zh) * 2018-12-21 2019-02-19 房县诚信汽配有限责任公司 一种汽车管类零件内高压成形工艺

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4374394B1 (ja) 2008-07-04 2009-12-02 新日本製鐵株式会社 ハイドロフォーム加工装置及びハイドロフォーム加工方法
CN101530866A (zh) * 2009-04-04 2009-09-16 无锡硕恩自动化科技有限公司 油压无缝三通管成型装置及其制造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003211233A (ja) * 2002-01-22 2003-07-29 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形装置および液圧成形方法
JP2005199336A (ja) * 2004-01-19 2005-07-28 Amada Co Ltd 金型及び同金型に使用する歪みセンサユニット
JP2005262241A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Nisshin Steel Co Ltd 管体のハイドロフォーミング方法
JP2007237190A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Nippon Steel Corp ハイドロフォーム加工用金型

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003211233A (ja) * 2002-01-22 2003-07-29 Nissan Motor Co Ltd 液圧成形装置および液圧成形方法
JP2005199336A (ja) * 2004-01-19 2005-07-28 Amada Co Ltd 金型及び同金型に使用する歪みセンサユニット
JP2005262241A (ja) * 2004-03-16 2005-09-29 Nisshin Steel Co Ltd 管体のハイドロフォーミング方法
JP2007237190A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Nippon Steel Corp ハイドロフォーム加工用金型

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109351838A (zh) * 2018-12-21 2019-02-19 房县诚信汽配有限责任公司 一种汽车管类零件内高压成形工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007275972A (ja) 2007-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5170089B2 (ja) 薄板のプレス成形装置及びプレス成形方法
WO2010041662A1 (ja) 金属製プレス成形品の割れ判定方法、装置、プログラム及び記録媒体
JP4935713B2 (ja) プレス品のせん断縁における成形可否判別方法
JP4374394B1 (ja) ハイドロフォーム加工装置及びハイドロフォーム加工方法
US11577297B2 (en) Accurate springback compensation method for hydroforming component based on liquid volume control
JP4808679B2 (ja) 薄板のプレス金型装置及びプレス成形方法
JP4625421B2 (ja) ハイドロフォーム加工方法および装置
CN106216523A (zh) 一种冲压模具及应变成形能力检测的方法
JP4612564B2 (ja) ハイドロフォーム加工用金型
JP4630218B2 (ja) ハイドロフォーム加工における金型の割れ検知方法および装置
JP3756798B2 (ja) 金属管の加工性評価装置及び評価方法
JP2009095877A (ja) 薄板のプレス成形装置及び方法
JP5648172B2 (ja) 板材の曲げ限界値判定方法とこれを用いたプレス加工部品の曲げ割れ判定方法
JP4870018B2 (ja) 薄板のプレス金型装置及びプレス成形方法
JP4823850B2 (ja) ハイドロフォーム成形方法
JP5338453B2 (ja) 歪センサを用いた転造盤
JP2010115702A (ja) プレス成形金型調整用プレス機及び金型調整方法
JP4878806B2 (ja) ダイ金型,折曲げ加工方法及び装置
JP5036356B2 (ja) パイプの曲げ加工方法および装置
JP4808678B2 (ja) 薄板のプレス金型装置及びプレス成形方法
CN112058995B (zh) 一种液室压力加载区间计算方法、装置及存储介质
JP5017999B2 (ja) 鍛造方法および鍛造装置
JP2005205501A (ja) 隙間検出方法および隙間検出装置
RU2562570C1 (ru) Устройство для гидроштамповки полых деталей из трубных заготовок
CN118080671A (zh) 一种高压气瓶的拉深成型方法、装置、设备及介质

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101026

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101105

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4625421

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131112

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350