JP4625342B2 - 電子部品装置及び電子部品装置の製造方法 - Google Patents

電子部品装置及び電子部品装置の製造方法 Download PDF

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    • H01L24/32Structure, shape, material or disposition of the layer connectors after the connecting process of an individual layer connector

Description

本発明は、電子部品チップを基板などの支持部材に接着してなる電子部品装置及び該電子部品装置の製造方法に関し、より詳細には、例えばダイアタッチフィルムとして知られている接着シートを用いた電子部品装置及び電子部品装置の製造方法に関する。
従来、半導体チップが基板に搭載されている半導体装置の製造に際しては、半導体ウェハーを個々の半導体チップにダイシングし、ダイシングされた半導体チップを基板上に搭載していた。この場合、表面に回路パターンが形成されている基板にペースト状の接着剤を塗布し、半導体チップを置し、硬化させることにより半導体チップを基板に固定していた。
近年、パッケージの高密度化により、半導体装置内により多くの半導体チップを搭載したいとの要望に応じて、半導体チップの厚みが薄くされ、多層積層されている半導体装置が増加している。上記ペースト状接着剤を用いた場合、表面に回路パターンが形成されている基板もしくは半導体チップ上に他の半導体チップを置すると、接着剤が置する半導体チップの側面から上面の回路パターン上のワイヤボンディングパッド上に回り込むことがあった。また、置側基板もしくは半導体チップのワイヤーボンディング用パッドに、押し広げられたペースト状接着剤が被覆することもあった。
半導体チップの上面及び置側基板のワイヤボンディングパッドに接着剤が回り込むと、上記ワイヤボンディングパッドにおいてワイヤーボンディングが行い得なくなったり、基板の上面においてワイヤーボンディングが行えなくなったり、半導体チップが接着剤により汚染されたりすることとなる。
そこで、下記の特許文献1に記載のように、ペースト状の接着剤に代えて、いわゆるダイアタッチフィルムと称されている接着フィルムを用いる方法が提案されている。このような接着フィルムとしては、従来、ポリイミドなどの比較的硬い熱可塑性樹脂からなるフィルムが用いられており、半導体チップを基板に接合するに際しては、基板上に接着フィルム及び半導体チップを積層した状態で、加熱により接着フィルムを軟化させて接合が行われていた。
この際、上記ポリイミドなどの従来の接着フィルムは、熱可塑性樹脂からなるか、耐熱性を確保する必要があるため、比較的軟化温度は高くされていた。たとえば、120〜180℃程度の高い温度に加熱しなければ軟化・流動させることができず、溶融粘度も高いため、上記基板表面に電極ランド等の存在による凹凸が存在する場合、あるいは基板表面の平滑度が十分でないために凹凸が存在する場合には、上記接着フィルムと基板との界面に接着剤が十分に流動して充填せず、界面にボイド(空隙、密着不良)が生じがちであった。
また、上記ボイドの発生を抑制するために、特許文献1に記載の接着フィルムでは、圧着温度での粘度が、1×10 〜1×10Pa・sと比較的低い粘度とされ、それによって、ボイドの発生を抑制することができるとされている。
しかし、比較的凹凸の大きな基板を用いた際には、流動性が低くなりボイドが生じたりし、加熱時の信頼性が充分でなかった。
界面にボイドが生じると、例えばリフロー半田付けなどで250℃程度の高温に曝されたときに、ボイド内の水分が水蒸気となり膨張し、ボイドを起点として上記界面における剥離が進行し、接着フィルムと基板との界面において剥離し、半導体装置の信頼性が大きく損なわれることとなる。
上記のような剥離は、リフロー半田付けだけでなく、ワイヤーボンディング法により半導体装置と外部との電気的接続を果たす場合、あるいは半導体チップの周囲に樹脂モールド層を形成する場合など、様々な加熱処理が行われる工程においても生じるおそれがあった。
特開2000−256628
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、接着シートと支持部材との界面におけるボイドが生じ難く、かつ加熱工程におけるボイドを起点とした剥離が生じ難い電子部品装置及び該電子部品装置の製造方法を提供することにある。
本発明に係る電子部品装置は、電子部品チップが支持部材上に接着シートからなる接着剤層により接着されている電子部品装置であって、前記接着シートが、10℃/分で昇温した際の加熱溶融硬化時の粘度極小値が100〜5000Pa・sの範囲にある接着シートであり、前記接着剤層の厚みを100%としたときに、該接着剤層中に存在する最大のボイドの中心位置が前記接着剤層と支持部材との界面から40%以上の高さ位置にあり、前記接着剤層と支持部材との界面にボイドが存在しないように前記電子部品チップが支持部材に接着されており、前記接着シートが、エポキシ樹脂100重量部と、エポキシ基を有するアクリルポリマー10〜50重量部と、イミダゾール系硬化剤0.5〜30重量部とを含むエポキシ樹脂系熱硬化性組成物からなることを特徴とする。
本発明に係る電子部品装置の製造方法は、10℃/分で昇温した際の加熱溶融硬化時の粘度極小値が100〜5000Pa・sの範囲にある接着シートを介して電子部品チップを支持部材上に積層し、加熱し、該接着シートの粘度が100〜5000Pa・sの範囲内となる温度で養生する工程と、前記養生工程後に、加熱し、前記接着シートからなる接着剤層を硬化する工程とを備え、前記接着シートとして、エポキシ樹脂100重量部と、エポキシ基を有するアクリルポリマー10〜50重量部と、イミダゾール系硬化剤0.5〜30重量部とを含むエポキシ樹脂系熱硬化性組成物からなる接着シートを用いることを特徴とする、電子部品装置の製造方法である。
本発明に係る電子部品装置では、接着剤層と支持部材との界面にボイドが存在しないように電子部品チップが支持部材に接着されているので、リフトハンド付け、ワイヤ−ボンディング法による電気的接続作業、あるいは樹脂モ−ルド層の形成などのさまざまな工程において加熱処理が施されたとしても、界面にボイドが存在しないため、ボイドを起点と
した剥離が進行し難い。従って、電子部品装置の信頼性を高めることができる。
また、接着剤層の厚みを100%としたときに、該接着剤層中に存在する最大のボイドの中心位置が前記界面から40%以上の高さ位置にあるので、たとえボイドが存在したとしても、加熱時に剥離の原因となる最大のボイドが上記特定の高さ位置に存在するため、界面においては最大のボイドがほとんど露出しない。従って、接着剤層と支持部材との界面にほぼボイドが存在しなくなるため、特に最大のボイドと界面との間に接着剤層の薄い層が存在することとなり、それによってボイドが界面に露出しないため、界面における剥離をより効果的に防止することができる。
加えて、接着シ−トが10℃/分で昇温した際の加熱溶融硬化時の粘度極小値が100〜5000Pa・sの範囲にある接着シ−トであるので、接着シートを熱圧着し、上記粘度値を示す温度にて加熱養生することにより、接着シートが十分に流動する。そのため、一つには低い粘度であることから十分な流動性を持ち凹凸間隙に入り込みボイド量を少なくすることができる。二つ目に、支持部材と接着シートとの界面にボイドが生じているときでも、該ボイドが流動した接着シート中に取り込まれ、接着構成体として最も弱いとされる接着界面からボイドを取り除くことができる。
従って、本発明に係る電子部品装置を、リフロー半田付け法、ワイヤーボンディング法、樹脂モールド形成などの高温で加熱される工程に曝したとしても、上記ボイドを起点とした接着シートと樹脂部材との間の剥離を確実に抑制することができる。
本発明に係る電子部品装置の製造方法では、10℃/分で昇温した際の加熱溶融硬化時の粘度極小値が100〜5000Pa・sの範囲にある接着シ−トを介して電子部品チップを支持部材上に積層し、加熱し、該接着シ−トの粘度が100〜5000Pa・sの範囲内となる温度で溶融する工程と、養生工程後に、加熱し、前記接着シ−トからなる接着材層を硬化する工程とを備えるため、前述したように、加熱養生により接着シ−トの流動性が高められ、電子部品チップと支持部材との間の間隙に確実に入り込み、ボイドの発生を抑制することができる。また、たとえ支持部材と接着シ−トとの界面にボイドが生じている場合でも、接着シ−トが流動性を示すため、ボイドが接着シ−ト中に取り込まれ、界面からボイドを確実に除去することができる。従って、このように界面からボイドが除去された状態で、養生工程後の加熱により接着シ−トからなる接着剤層が硬化されるので、界面にボイドが存在しない、本発明に係る電子部品装置を確実に提供することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の電子部品装置の一実施形態を示す略図的正面断面図である。
本実施形態の電子部品装置は、半導体チップが支持基板上に搭載された半導体装置である。半導体装置1は、半導体チップ2を接着シート3を介して支持部材4に接合した構造を有する。なお、半導体チップ2を覆うように、樹脂モ−ルド層5が形成されている。
半導体チップ2は、通常、シリコン系半導体などの適宜の半導体材料により構成されており、特に図示はされていないが、半導体チップ2の上面には、外部と電気的に接続するための電極等が形成されている。
接着シート3は、本発明に従って構成される接着シートであり、半導体チップを支持部
材4に接着・固定している。該接着シート3は、熱硬化性組成物からなるが、このような熱硬化性組成物としては、硬化温度よりも低い温度であって、加熱により粘度の極小値を示した時点の粘度が100〜5000Pa・sの範囲にある限り、特に限定されない。
このような粘度極小値を示す熱硬化性組成物としては、例えば、エポキシ樹脂系熱硬化性組成物であって、エポキシ樹脂100重量部に対して、官能基含有アクリル系ポリマーが10〜50重量部重量部であり、かつイミダゾール系硬化剤を0.5重量部以上含むことを特徴とする組成物が挙げられる。
中でも、ボイドを取り込み得るように粘度極小値における流動性が、十分低く、半導体チップ2の上面に接着シート3を構成している接着成分が移動する現象が生じ難い程度の適度な流動性を実現し得るため、上記粘度極小値は、300〜1000Pa・sの範囲であることが望ましい。
上記各種熱硬化性組成物の中でも、接合後の信頼性及び接合強度に優れているため、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを含むエポキシ樹脂系熱硬化性組成物が好適に用いられる。
上記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ基含有化合物とは、少なくとも1個のオキシラン環を有する有機化合物を言う。
エポキシ基含有化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等のような芳香族エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、並びにこれらの水添化物、上記各種エポキシ基含有化合物にNBR、CTBN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分を含有させたゴム変成エポキシ樹脂;等、従来公知の各種エポキシ基含有化合物が挙げられる
上記エポキシ基含有化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
(アクリル系ポリマー)
上記官能基含有アクリル系ポリマーの官能基としては、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等を有するアクリル系ポリマーが挙げられる。しかし、アミノ基、ウレタン基、イミド基、カルボキシル基を持つ物は他のエポキシモノマーと反応しBステージ化を起こす可能性がある。このとき接着シートとしての流動性は著しく減少することから、水酸基、エポキシ基(グリシジル基)を有することが好ましい。なかでも、反応性、貯蔵安定性の観点から、エポキシ基を有するアクリルポリマーを選択することがより好ましい。
このポリマーの配合部数としては、上記エポキシ樹脂100重量部に対し、官能基含有
アクリルポリマーが10〜50部であることが望ましい。またより好ましくは15―30部の範囲である。これはアクリルポリマーが50部を超えると、流動性が低下し、本願のボイド形状の変化が起きる粘度まで低下しないからである。また、10部以下になると、流動が激しくシート作成が困難になること、また、粘度が100Pa・s以下になることによってチップ上部への樹脂かぶりが生じてくることになる。
(硬化剤・イミダゾール)
上記エポキシ樹脂硬化剤としては、特に限定される物ではなく従来から知られている、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、潜在性硬化剤(ジシアンジアミド等)、ジアミン系硬化剤、イミダゾール系、ホスフィン系いずれの物においても使用することができるが、硬化速度と貯蔵安定性のバランスが取りやすいイミダゾール系硬化剤を少なくとも一種類は含むことが重要である。
上記イミダゾール系硬化剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、2−へプタデシルイ
ミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1,2-ジエチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1)']−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチル−4'−メチルイミダゾリル−(1)']−エチル−
S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1)']−エチル−S−トリアジンイソシアヌール酸付加物、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられる。
上記イミダゾール配合部数は0.5〜30重量部であることが好ましく、より好ましくは1−10重量部である。0.5重量部を切ると、硬化性が遅くなりすぎ、完全架橋をすることが難しくなるためで、また、30重量部を超えると硬化後もイミダゾールが残存し、信頼性性能に悪影響を及ぼすためである。
(支持部材)
上記支持部材4は、半導体装置1のケース材として用いられるものであり、支持部材4を構成する材料は特に限定されないが、アルミナ、窒化チタンなどの適宜の絶縁性化合物あるいはエポキシ、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン、フェノール、液晶ポリマー単体絶縁性樹脂若しくはガラスなどの無機繊維などからなる複合絶縁樹脂からなる基板などが用いられ得る。
好ましくは、機械的強度に優れ、表面平滑性に優れ、従って接着シート3との間の界面においてボイドが生じ難いので、支持部材4はガラスエポキシ積層材により形成される。
(シート粘度、硬化開始温度)
本発明の接着シートは熱硬化型の接着剤であり、特に100℃を超えるような高温での粘度については熱溶融における流動と、熱硬化による粘度上昇ゲル化が同時に進行することがわかっている。
ここではシートサンプルを一定の温度(10℃/分)で昇温させた時の、粘度を連続的に取り込むことで、各温度での粘度値を算出した。
このとき、ある一定の温度で、接着材の流動だけでなく、硬化も進行が開始し、この時粘度上昇を起こし、下に凸のグラフを描く。
ここでの最低溶融粘度を読みとることとした。
本実施形態の半導体装置1の特徴は、上記のように接着シート3が、加熱により粘度の極小値を示す温度における該粘度極小値が100〜5000Pa・sの範囲にあることにある。そのため、接着シート3と支持部材4との間の界面にボイドが生じていたとしも、流動状態にある接着シート3内にボイドが取り込まれる。よって、上記ボイドを接着シート3に取り込んだ後に、硬化温度まで加熱すれば、接着シート3と支持部材4との界面にボイドを存在させることなく、半導体チップ2を支持部材4に強固に接合することが可能となる。
上記粘度極小値における粘度が100Pa・s未満の場合には、流動性が高くなりすぎ、接着シートを構成している成分が半導体チップ2の側面を超えて上面にまで至り、上面の電極ランド等における接続不良が生じるおそれがある。また、接着シート3が横にはみ出し、半導体チップ2を支持部材4に対して高精度にかつ適切な向きに接合することが困難となることがある。他方、上記粘度極小値が5000Pa・sを超えると、接着シート3が十分に流動することができず、ボイドを接着シート中に確実に取り込むことができず、接着界面にボイド、すなわち発泡起点が存在することになり、信頼性を低下することとなる。
また、この粘度値としてより好ましくは、上記粘度極小値は、300〜1000Pa・sの範囲とされる。その場合には、より一層ボイドを接着し接着シート中に確実に取り込むことができるとともに、接着シートを構成していた接着成分の半導体チップ2の上面への回り込みをより確実に防止することができる。
次に、上記電子部品装置としての半導体装置1の具体的な製造方法につき説明する。半導体装置1を製造するに際しては、半導体チップ2に上記接着シート3を常温にて貼り合わせし、上記接着シート3付き半導体チップ2を支持部材4側に圧着する。このようにして、先ず、半導体チップ2が支持部材4に対して仮着される。
次に、この接合体については粘度が100〜5000Pa・sになる温度範囲にて硬化養生をおこなう。図2(a)〜(c)は、この加熱養生前、加熱養生中及び加熱養生後のボイドの状態を示す各部分正面断面図である。図2(a)に示すように、加熱養生前においては、接着シ−ト3と支持部材4との界面に、凹凸等に起因するボイドAが存在する。このボイドAは界面において薄く広がっている。次に、加熱養生により、接着シ−ト3が軟化し、流動する。従って、接着シート3が十分流動することができ、たとえ、支持部材4と接着シート3との間の界面にボイドが生じていたとしても、図2(b)に略図的に示すようにボイドAが接着シート3内に取り込まれることになる。さらに、ボイドAが上方に移動することとなり、図2(c)に示すようにボイドAが接着シ−ト3内に完全に取り込まれる。すなわち、ボイド内には若干の空気もしくは湿気が存在しているが、ボイドの比重は接着シート3を構成している組成物の比重よりも空気であるため当然小さく、接着シート3が十分に流動をおこした際には、ボイドAが界面から上方に移動し、接着シート3に取り込まれる。
なお、ボイドAの影響を判断する場合、最大のボイドAのみに注目すれば良い。すなわち、通常界面には、複数のボイドが形成されることがあるものの、上記接着シ−ト3が流動するに従い、複数のボイドが結合したりし、大きなボイドが形成されることとなる。この場合、界面には、実際には、1個〜数個のボイドが存在しがちとなるが、これらが上方
に移動する場合、最大のボイドAが少なくとも界面から上方に移動すれば、界面における後工程におけるボイドを起点とした剥離を防止することができる。従って、最大のボイドAの中心位置が、本発明に従って界面から40%%以上の高さ位置にあれば良い。
なお、ボイドの中心位置とは、ボイドの上端と下端の中点で表される。
なお、本発明のシートを用いる際の、接着層つきチップの圧着温度としては一例として、80℃〜100℃程度の温度とすればよく、圧着時間は1〜2秒程度とすればよい。圧着時間が1秒未満では、接着シート3を介して半導体チップ2を支持部材4に確実に仮着することが困難となり、2秒以上圧着した場合には、生産性が低下するおそれがある。
次に、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。
(実施例1)
ナフタレン型エポキシ樹脂(大日本インキ社製、品番:HP4032D)50重量部と、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ社製、品番:HP7200)50重量部と、エポキシ含有アクリル樹脂(日本油脂社製:マープルーフG−2050M、懸濁重合法、エポキシ当量:340、重量平均分子量:20万、ガラス転移温度:80℃)15重量部と、アルキル置換無水フタル酸(JER社製、品番:YH−309)50重量部と、イミダゾール(四国化成社製、品番:2MAOK−PW)4重量部と、アミノシラン(チッソ社製、S320)1重量部とにメチルエチルケトンを加えて接着剤ワニスとした。これをバーコーターを用いて離型PETの上に塗布し、110℃で3分加熱乾燥し、厚み35μmの接着テープを作製した。
(実施例2)
実施例1のエポキシ含有アクリル樹脂の添加部数を25重量部にしたこと以外は実施例1と同様にして厚み35μmの接着テープを作製した。
(実施例3)
ナフタレン型エポキシ樹脂(大日本インキ社製、品番:HP4032D)50重量部と、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ社製、品番:HP7200)50重量部と、エポキシ基含有アクリルゴム(エチルアクリレート/グリシジルメタクリレート=99/1,溶液ラジカル重合法にて作成)45重量部と、ジシアンジアミド(旭電化社製、品番:EH3636AS)8重量部と、イミダゾール(四国化成社製、品番:2MAOK−PW)2重量部と、アミノシラン(チッソ社製、S320)1重量部とにメチルエチルケトンを加えて接着剤ワニスとした。これをバーコーターを用いて離型PETの上に塗布し、110℃で3分加熱乾燥し、厚み35μmの接着テープを作製した。
(実施例4)
実施例3においてエポキシ含有アクリルゴムの配合割合を50重量部に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、厚み35μmの接着テープを作製した。
(比較例1)
実施例1のエポキシ含有アクリル樹脂の添加部数を5重量部にしたこと以外は実施例1と同様にして、厚み35μmの接着テープを作製した。
(比較例2)
実施例3においてエポキシ含有アクリルゴムを60部配合したこと以外は実施例3と同様にして、厚み35μmの接着テープを作製した。
(評価方法)
(加熱溶融時の最低粘度η測定)
硬化前の上記接着シートを複数枚熱ラミネーターで積層して約600μmの厚みの積層体とした。この積層体を昇温速度10℃/分で35℃から200℃まで昇温し、周波数1rad/秒でコーンプレート剪断時の粘度(η)を測定した。このとき、接着シートの溶融と硬化とが同時に起こっており、このときの最低の値を示す粘度と、そのときの温度とを読み取った。
(接合体の作成・リフロー評価)
実施例及び比較例で得た各接着テープを用い、以下の要領で半導体チップのダイボンディングを行い、評価サンプルを得た。
上記各接着テープ(厚み35μm)上に、半導体ウェハー(20.32cm径
のミラーシリコンウェーハ、厚み50μm)を20℃にて貼り合わせ、接着テープ付き半導体ウェハーを用意した。この接着テープ付き半導体ウェハーをダイシング装置を用いて7mm×7mmの正方形の平面形状の小片にカットした。この小片を取り出し、支持部材としてのガラスエポキシ基板上に80℃の温度で5Nの圧力で半導体チップ側から2秒間圧着した。次に、150℃で60分間維持した後、樹脂モールドにより封止して、半導体装置を得た。
上記のようにして得られた半導体装置を、120℃で6時間予備加熱した後、85℃及び相対湿度85%で72時間吸湿処理した。直後にこの半導体装置を最高温度260℃の半田リフロー工程に供した。
(ボイド評価)
上記半導体装置のリフロー評価に際し、半田リフロー工程前及び半田リフロー工程後のそれぞれにおいて、超音波探傷画像装置を用い、半導体装置中のボイドの有無を評価した。すなわち、超音波探傷画像装置により、半導体装置を平面視した際に、ボイドが存在すると黒く表示される部分が認められる。このように、黒く表示される部分が存在する場合に、半導体装置を上記界面と直交する方向に切断し、約1000μmの範囲の切断部分中において、ボイドが存在するか否かを光学顕微鏡により観察した。すなわち、養生した図2(c)に示すように、観察された断面構造において、ボイドAが接着シートの硬化物から接着層3A内に存在する場合、最も大きなボイドAの中心位置を求めた。なお、最も大きなボイドとは、観察されている部分において最大の面積のボイドであり、該最大のボイドの中心位置は、ボイドの上端と下端との中点とした。なお、中心の位置は、接着層の厚みを100%としたとき、上記界面からの高さ位置を割合で示した。結果を下記の表1に示す。また、下記の表1では、上記最大のボイドが図2(c)に示す状態ではなく、図2(a)に示すように界面に薄層、すなわち線状となって存在している場合には、「線状」と表現した。加えて、接着層のチップ上面への這い上がりの有無を目視により確認した。結果を表1に示す。
Figure 0004625342
表1から明らかなように、実施例1〜4では、上記接着層と支持部材との界面にボイドが存在しないか、あるいは最大のボイドの中心位置が40%以上の高さ位置にあるため、リフロー耐性に優れていることがわかる。
比較例1では、リフロー耐性が良好であったが、接着層のチップ上面への這い上がりが生じていた。また、比較例2では、線状のボイドが界面に残存しており、従ってリフロー耐性が低かった。
本発明に一実施形態に係る半導体装置を示す略図的正面断面図。 (a)〜(c)は、それぞれ本発明の一実施形態の半導体装置の製造工程においてボイドが接着シートに取り込まれる過程を説明するための模式的正面断面図。
符号の説明
1…半導体装置
2…半導体チップ
3…接着シート
4…支持部材
5…樹脂モ−ルド層

Claims (2)

  1. 電子部品チップが支持部材上に接着シートからなる接着剤層により接着されている電子部品装置であって、
    前記接着シートが、10℃/分で昇温した際の加熱溶融硬化時の粘度極小値が100〜5000Pa・sの範囲にある接着シートであり、
    前記接着剤層の厚みを100%としたときに、該接着剤層中に存在する最大のボイドの中心位置が前記接着剤層と支持部材との界面から40%以上の高さ位置にあり、
    前記接着剤層と支持部材との界面にボイドが存在しないように前記電子部品チップが支持部材に接着されており、
    前記接着シートが、エポキシ樹脂100重量部と、エポキシ基を有するアクリルポリマー10〜50重量部と、イミダゾール系硬化剤0.5〜30重量部とを含むエポキシ樹脂系熱硬化性組成物からなることを特徴とする、電子部品装置。
  2. 10℃/分で昇温した際の加熱溶融硬化時の粘度極小値が100〜5000Pa・sの範囲にある接着シートを介して電子部品チップを支持部材上に積層し、加熱し、該接着シートの粘度が100〜5000Pa・sの範囲内となる温度で養生する工程と、
    前記養生工程後に、加熱し、前記接着シートからなる接着剤層を硬化する工程とを備え
    前記接着シートとして、エポキシ樹脂100重量部と、エポキシ基を有するアクリルポリマー10〜50重量部と、イミダゾール系硬化剤0.5〜30重量部とを含むエポキシ樹脂系熱硬化性組成物からなる接着シートを用いることを特徴とする、電子部品装置の製造方法。
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