JP4624083B2 - 容器保持機構 - Google Patents
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このようなマイクロプレートにおいて、特に溶液もしくは組織を試料とする装置では、底面が光学的に透明なマイクロプレートを水平に保持し、容器下方より底面を通して測定・観察を行う方式がよく用いられる。このようなマイクロプレートの構成例を図9に示す。図9に示すマイクロプレートは、主に樹脂や金属からなるフレーム部1と、光学的に透明である底面2(以下、「透明部材」と称する場合もある)とを備えている。なお、フレーム部1には、試料を入れる複数のウェル3(試料槽)が形成されており、底面2がフレーム部1に接着されることにより、各ウェル3が分離されている。また、一般にこれらのマイクロプレートでは、フレーム部1の外周が底面2より一段低く形成されている。これにより、非測定時や試料の分注時でも、マイクロプレートの底面2の測定領域2aは机上等に接触しないので、測定に悪影響を与えるようなゴミや汚れが付着せず、また、傷つきも防止される。
図10において、装置の本体部分の基本的な装置構成は共焦点光学顕微鏡をベースとしている。光源5として、アルゴン・レーザー(発振出力10mW、波長:488nm)を用い、対物レンズ6で集光した領域(「共焦点領域」と称する)に試料が当たるように、マイクロプレートの水平位置、垂直位置をステージ7、及び対物レンズ縦軸調整機構8により調整する。
その原因の一つとして、対物レンズの駆動する平面(水平方向)と、底面の透明部材との間の平行度が十分ではないことが挙げられる。この原因として、装置自身の精度とマイクロプレートの形状誤差などが考えられる。装置自身の精度に関しては、工作精度や調整により改善が可能である。マイクロプレートについては、フレーム自体の形状誤差やフレームに対する透明部材(底面)の取り付け誤差等が考えられる。そのため、図12に示すように、ステージ7に保持されるマイクロプレートのフレーム部1の形状が歪んで、左右異なっているような場合には、底面2がステージ7に対して傾くため、対物レンズ6についても、その焦点位置を試料に合わせなくてはならないので、特にサンプルが微少体積で合焦位置の精度が求められる場合には、試料の位置に応じて合焦動作を行う必要がある。
例えば、特許文献1では、あらゆる大きさのマイクロプレートに対応できる分注装置へのマイクロプレートの自動供給装置を提案しているが、マイクロプレートの支持、および水平方向の位置決めは全てフレームを保持することにより行っている。このため、装置本体に対するマイクロプレートの位置決め精度は、フレーム形状精度に大きく依存している。
また、特許文献2では、形状の異なる複数のマイクロプレートを支持固定するために、複数の支持ピンを備えている。このため、このような保持機構は、底面から試料を観察するようなマイクロプレートには応用できない。なぜなら、このようなマイクロプレートには、像を得るために底面は平面であること、かつ、支持機構が測定の支障にならないことが求められるからである。
図1は、本発明の一実施形態に係るマイクロプレート保持機構の概略構成を示す図である。なお、図1において、図11と同じ部分には同じ符号を付している。図1に示すように、本実施形態では、マイクロプレートのフレーム部1の水平位置決め面19に3点(或いはそれ以上)の支持突起21が設けられている。このような保持機構に対して、図2に示すようなマイクロプレートを用意する。図2は、本発明の一実施形態に係る測定容器(マイクロプレート)を背面から見た図である。図2において、図9と同じ部分には同じ符号を付している。
なお、この場合において、支持突起21の突起の量が0.3mm以上に設定されることが好ましい。また、支持突起の形状は先端にRを持った円筒形か円錐形、もしくは半球形状が望ましい。さらに、測定領域2a以外の部分である保持領域2bの寸法Aは、対物レンズ6との干渉を防ぐために、測定領域2aから2mm以上であることが好ましい。
図3は、マイクロプレートとそれを保持するステージ7の断面図である。図3において、図12と同じ部分には同じ符号を付している。図3に示すように、マイクロプレートは、その底面2の保持領域2bに支持突起21が当接することにより、その垂直方向の位置(すなわち底面2とステージ7との平行度)が決定されている。従って、支持突起21の先端部の形成する平面と、対物レンズ6の水平方向への駆動平面(すなわちステージ)との平行度が保たれていれば、対物レンズ6の水平方向への駆動平面と底面2との平行度は底面2の歪のみに依存することになる。従って、フレームの形状誤差や底面の透明部材の接着誤差があっても、それらは全く影響しない。このため、本実施形態によれば、対物レンズ6を図中矢印に示すように、水平方向に駆動した場合でも、焦点位置は変わることがないので、対物レンズ6の移動の度に合焦動作を行う必要がない。
図6において、試料23は微少であり、透明部材2上に滴下、もしくは微細な液滴状態で吹き付けられる。このような測定容器においては、上記の測定容器よりも、さらに試料が微少であるため、測定時のサンプルへの合焦動作をさらに精度良く行うことが求められる。従って、フレーム部1の熱変形等による透明部材2の平面度への影響を防止するため、フレーム部1も最小限な物になっている。また、同じく透明部材2の平面度を保つため、隣り合うウェルを区切ったり、ウェルを識別する目的では印刷や化学処理で微細なマーキングが用いられる。もしくは、区切りや識別マーキング自体が設けられない。
なお、支持部分は、上記と同様に3点でも良いが、透明部材2の平面度をさらに向上させて保持するため、図示のように支持部分24を多く設定しても良い。
また、図7の(b)に示すように、この形状では今回発明したマイクロプレート以外の従来マイクロプレートを使ったとしても、マイクロプレート形状の違いを問題とせずステージ部分29において支持し、計測することが可能である。
図8の(b)、(c)は、図8の(a)の変形例を示す図であって、(a)と同様に、下方からフレーム部を押しており、位置決めがステージに設けられた突起30によりなされている。具体的には、図8の(b)では、バネ33により付勢されたレバー34がフレームを持ち上げている。また、図8の(c)では、ステージとは独立した部材35により、フレームが下方から付勢されているので、より自由度の高い設計が可能となる。
Claims (2)
- 容器表面側に開口部を有する複数の試料槽が形成され、その底面が光学的に透明な部材で形成された測定領域を備え、前記底面がフレーム部の接地部分より内側に位置するように構成され、前記底面が前記測定領域よりも大きく形成されており、その大きさが少なくとも前記測定領域以外の領域で支持部材により支持することが可能な大きさである測定容器を保持するための保持機構において、
前記測定領域以外の領域に少なくとも3個の支持突起を当接することにより前記測定容器を位置決めすることを特徴とする容器保持機構。 - 前記少なくとも3個の支持突起は、それぞれ独立に、または連動して上下方向に移動することを特徴とする請求項1に記載の容器保持機構。
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