JP6079593B2 - Pet装置 - Google Patents
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Description
本発明は、PET(Positron Emission Tomography)装置に係り、特に、検出器の位置ずれを検出する技術に関する。
PET装置は、陽電子(positron)の消滅によって発生する2本のγ線(対消滅γ線)を、複数個の検出器で同時に検出したときのみ、被検体の断層画像を再構成するように構成されている。具体的には、陽電子放出核種を含んだ放射性薬剤を被検体に投与して、被検体から180°反対方向に放出される511keVの2本のγ線を多数の検出器素子(例えばシンチレータ)群から構成される検出器で検出する。2本のγ線を検出した2つの検出器を結ぶ線(line of response : LOR)上に陽電子放出核種が存在すると仮定し、また、2本のγ線を2つの検出器で一定時間内に検出した場合に、「同時」に検出したとみなして、同時計数データを収集する。収集された同時計数データは、再構成処理が行われて電子放出核種分布画像(すなわち断層画像)が得られる。
このようなPET装置は、検出感度を向上させるために、被検体を360°囲むように複数の検出器をリング状に配置するのが一般的である。また、別の装置では、複数の検出器(検出器アセンブリ)を、像形成領域を中心に回転させる機構とを備え、像形成領域周りに複数の検出器を回転させることで、再構成画像に必要なデータの収集を行っている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、本発明者は、次のようなPET装置を開発中である。すなわち、PET装置は、被検体を360°囲むようにしてリング状に配置した複数の検出器のうち、例えば、対向する2箇所で検出器を抜き取って、2つのグループに分けた検出器を備えている。なお、グループ単位の検出器を検出器ヘッドと呼ぶものとする。つまり、PET装置は、対向する2つの検出器ヘッドを備えている。
2つの検出器ヘッドは、支持アームで支持され、さらに、その支持アームは、台車に支持されている。すなわち、2つの検出器ヘッドは、台車によって移動可能になっている。そして、検出器ヘッドを円周方向に動かして、既設の例えばX線CT装置に設けられている寝台を取り囲む。これにより、既設モダリティとの融合画像を得ることができる。また、2つの検出器ヘッドを相対的に遠ざけたり近づけたりする半径方向(遠近方向)に動かすことで、被検体に2つの検出器ヘッドを近接させて感度を向上させることができる。これにより、放射性薬剤を低投与でPET撮像することができる。
このようなPET装置は、次のような問題がある。すなわち、特許文献1の記載のように、検出器の配置に位置ずれがあると、再構成画像の精度や分解能に影響する。元々の分解能が低い場合は、位置ずれが問題となりにくいが、分解能が高くする場合は、検出器の位置ずれが問題となる。上述の2つの検出器ヘッドを備えたPET装置は、検出器の重さなどにより、検出器の実際の座標と、検出器の計算上(仮想上)の座標との間に位置ずれが生じる。そのため、検出器(検出器ヘッド)の位置ずれを簡単に検出することが望まれる。
また、PET装置は、既設装置に設けられた寝台に設置されるので、天板等を高さ方向および水平方向に移動させるための寝台等の座標軸と、PET装置の撮像視野の座標軸とが必ずしも一致しない。そのため、寝台等の座標軸と、撮像視野の座標軸との対応関係を確認することが望まれる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、検出器の位置ずれを簡単に検出できるPET装置を提供することを目的とする。また、寝台等の座標軸と撮像視野の座標軸との対応関係を確認できるPET装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係るPET装置は、対消滅γ線を放出する線源を挟んで対向する複数の検出器と、前記検出器で検出した前記対消滅γ線に基づいて同時計数データを収集するデータ収集部と、前記対向する複数の検出器間に前記線源を基準にした平面を設定し、前記平面と前記同時計数データのLORとの交差点の分布である第1交差点分布を含む第1LOR交差断面画像を作成するLOR交差断面画像作成部を有し、前記第1LOR交差断面画像の前記第1交差点分布を用いて前記検出器の位置ずれを検出する位置ずれ検出部と、を備えていることを特徴とする。
すなわち、本発明に係るPET装置は、対消滅γ線を放出する線源を挟んで対向する複数の検出器と、前記検出器で検出した前記対消滅γ線に基づいて同時計数データを収集するデータ収集部と、前記対向する複数の検出器間に前記線源を基準にした平面を設定し、前記平面と前記同時計数データのLORとの交差点の分布である第1交差点分布を含む第1LOR交差断面画像を作成するLOR交差断面画像作成部を有し、前記第1LOR交差断面画像の前記第1交差点分布を用いて前記検出器の位置ずれを検出する位置ずれ検出部と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係るPET装置によれば、位置ずれ検出部は、対向する複数の検出器間に線源を基準にした平面を設定し、平面と同時計数データのLORとの交差点の分布である第1交差点分布を含む第1LOR交差断面画像を作成するLOR交差断面画像作成部を有し、第1LOR交差断面画像の第1交差点分布を用いて検出器の位置ずれを検出する。このように、検出器の実際座標に対する計算座標の位置ずれを、第1LOR交差断面画像の第1交差点分布を用いて検出するので、例えばサイノグラムや再構成などの複雑な処理を行わなくてもよく、比較的簡単に位置ずれを検出することができる。
また、本発明に係るPET装置において、前記位置ずれ検出部は、前記LOR交差断面画像作成部と、前記第1交差点分布が理想分布であるか否かを判定する第1判定部と、前記検出器の計算座標を更新する検出器座標更新部と、前記第1判定部で理想分布でないと判定された場合に、前記検出器座標更新部により前記検出器の計算座標を更新し、更新した前記検出器の計算座標を用いて前記LOR交差断面画像作成部により前記第1LOR交差断面画像を作成し、作成した前記第1LOR交差断面画像の前記第1交差点分布が理想分布であるか否かを前記第1判定部により判定する、これらの処理を繰り返し、前記第1判定部で理想分布であると判定された場合に、最後に判定したときの前記検出器の計算座標を出力する繰り返し制御部と、を備えていることが好ましい。
すなわち、第1判定部は、LOR交差断面画像作成部で作成された第1LOR交差断面画像の第1交差点分布が理想分布であるか否かを判定する。検出器座標更新部は、検出器の計算座標を更新する。繰り返し制御部は、第1判定部で理想分布でないと判定された場合に、検出器座標更新部により検出器の計算座標を更新し、更新した検出器の計算座標を用いてLOR交差断面画像作成部によりLOR交差断面画像を作成し、作成したLOR交差断面画像の交差点分布が理想分布であるか否かを第1判定部により判定する、これらの処理を繰り返す。一方、繰り返し制御部は、第1判定部で理想分布であると判定された場合に、最後に判定したときの検出器の計算座標を出力する。最後に判定したときの検出器の計算座標と最初に判定したときの検出器の計算座標と比較すれば、線源を挟んで対向する複数の検出器の位置ずれ量を取得することができる。
また、本発明に係るPET装置において、前記第1判定部は、前記第1交差点分布が予め設定された広がりの範囲外であれば理想分布でないと判定し、前記第1交差点分布が前記広がりの範囲内であれば理想分布であると判定し、前記検出器座標更新部は、前記検出器の計算座標を移動させて前記検出器の計算座標を更新することが好ましい。第1判定部は、交差点分布が理想分布であるか否かの判定を、交差点分布が予め設定された広がりの範囲の内外で判定し、検出器座標更新部は、検出器の計算座標を移動させて検出器の計算座標を更新する。これにより、線源を挟んで対向する複数の検出器における遠近方向の位置ずれ量を取得することができる。
また、本発明に係るPET装置において、前記データ収集部は、前記線源を一定方向に移動させて複数の前記線源の位置で前記同時計数データを収集し、前記LOR交差断面画像作成部は、複数のうち1つの線源の位置で収集した同時計数データを用いて第1LOR交差断面画像を作成し、前記LOR交差断面画像作成部は、前記第1判定部で最後に判定した前記検出器の計算座標を用いて、前記平面と、その他の線源の位置で収集した同時計数データのLORとの交差点の分布である他の交差点分布を含む他のLOR交差断面画像を生成し、さらに、前記他の交差点分布が前記広がりの範囲外であれば理想分布でないと判定し、前記他の交差点分布が前記広がりの範囲内であれば理想分布であると判定する第2判定部を備えていることが好ましい。
これにより、対向する複数の検出器の計算座標が実際座標に対して、一方のみでなく、他方も位置ずれしている場合であっても、第2判定部は、第1判定部で第1交差点分布が理想分布であると判定された場合において、検出器の計算座標が正しい計算座標であるか確認することができる。
また、本発明に係るPET装置において、前記第1判定部は、前記第1交差点分布の形状が予め設定された歪みの範囲外であれば理想分布でないと判定し、前記第1交差点分布の形状が前記歪みの範囲内であれば理想分布であると判定し、前記検出器座標更新部は、前記検出器の計算座標を回転させて前記検出器の計算座標を更新することが好ましい。第1判定部は、交差点分布が理想分布であるか否かの判定を、第1交差点分布の形状が予め設定された歪みの範囲の内外で判定し、検出器座標更新部は、検出器の計算座標を回転させて検出器の計算座標を更新する。これにより、線源を挟んで対向する複数の検出器における傾きの位置ずれ量を取得することができる。
また、本発明に係るPET装置において、前記データ収集部は、前記線源を移動させる際の同一座標軸上における複数の前記線源の位置で前記同時計数データを収集し、前記LOR交差断面画像作成部は、各々の前記線源の位置で収集した前記同時計数データを用いて前記第1LOR交差断面画像を作成し、さらに、前記第1LOR交差断面画像の各々の前記第1交差点分布に基づき位置ずれ量を算出する位置ずれ算出部を備えていることが好ましい。これにより、例えば寝台等の線源を移動させるための座標軸と、検出器の計算座標や再構成空間などの撮像視野の座標軸との対応関係を知ることができる。その結果、それらの座標軸を一致させることができる。
また、本発明に係るPET装置において、前記平面は、予め設定された距離を隔てて、かつ平行になるように複数枚で構成されることが好ましい。これにより、まず、点線源からの対消滅γ線の広がり方を予め知っていれば、LORの3次元的束の最も細い部分だけでなく、他の位置においても交差点分布が理想分布であるか否かを判定することができる。これにより、1枚のLOR交差断面画像だけでなく、複数枚のLOR交差断面画像で判定を行うので、判定をより正確に行うことができる。また、検出器座標更新部による検出器の計算座標を更新の際に、検出器の計算座標をどの方向に移動させればよいのか知ることができる。また、検出器の計算座標を更新の際に、検出器の計算座標のおおよその移動量を知ることができる。
また、本発明に係るPET装置において、前記複数枚で構成される平面のうち1枚は、前記線源位置を含むように設定されていることが好ましい。LORの三次元的束の最も細い部分が線源の位置であることが推測されるので、比較的簡単に位置ずれを検出することができる。
また、本発明に係るPET装置において、さらに、前記平面に沿った方向における、前記線源の位置と前記第1交差点分布との位置ずれ量を算出する位置ずれ算出部を備えていることが好ましい。これにより、第1交差点分布を含むLOR交差断面画像から平面に沿った方向の位置ずれ量を取得することができる。
本発明に係るPET装置によれば、位置ずれ検出部は、対向する複数の検出器間に線源を基準にした平面を設定し、平面と同時計数データのLORとの交差点の分布である第1交差点分布を含む第1LOR交差断面画像を作成するLOR交差断面画像作成部を有し、第1LOR交差断面画像の第1交差点分布を用いて検出器の位置ずれを検出する。このように、検出器の実際座標に対する計算座標の位置ずれを、第1LOR交差断面画像の第1交差点分布を用いて検出するので、例えばサイノグラムや再構成などの複雑な処理を行わなくてもよく、比較的簡単に位置ずれを検出することができる。
また、本発明に係るPET装置において、データ収集部は、線源を移動させる際の同一座標軸上における複数の線源の位置で同時計数データを収集し、LOR交差断面画像作成部は、各々の線源の位置で収集した同時計数データを用いて第1LOR交差断面画像を作成し、さらに、第1LOR交差断面画像の各々の第1交差点分布に基づき位置ずれ量を算出する位置ずれ算出部を備えている。これにより、例えば寝台などの線源を移動させるための座標軸と、検出器や再構成空間などの計算座標の座標軸との対応関係を知ることができる。その結果、それらの座標軸を一致させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は、実施例1に係るPET装置の概略構成図である。
図1を参照する。PET装置1は、対向する2つの検出器ヘッド3と、検出器ヘッド3を支持する支持アーム5と、支持アーム5を搭載し、移動可能に構成された搬送台車7とを備えている。搬送台車7は、モータ等の駆動部が設けられ、後述する操作部27で操作される。
図2は、2つの検出器ヘッド3を示す図である。2つの検出器ヘッド3は、被検体Mや、後述する点線源51を挟んで対向するように配置されている。すなわち、2つの検出器ヘッド3は、検出面Fが内側を向いて配置されている。各検出器ヘッド3は、円周に沿って複数の検出器9が配置されて構成されている。2つの検出器ヘッド3は、例えば、リング状に配置した複数の検出器9のうち、対向する2箇所で検出器9を取り除いて、2つの検出器9のグループに分けるように構成される。
検出器9は、図3のように、シンチレータブロック11とライトガイド13と光電子増倍管15とで構成される。シンチレータブロック11は、複数個で構成され、複数個のシンチレータブロック11が行列状に配列されている。図3では、行列状に配置された複数のシンチレータブロック11は、1層で構成されるが、多層構造であってもよい。シンチレータブロック11にγ線が入射すると、γ線が光に変換される。変換された光は、ライトガイド13を通じてシンチレータブロック11から光電子増倍管15に送られる。送られた光は、光電子増倍管15により電気信号に変換される。
支持アーム5は、図1および図2のように、各検出器ヘッド3を円周方向Jおよび半径方向Kに移動可能に支持する。支持アーム5に支持された検出器ヘッド3は、検出器ヘッド移動機構17によって、円周方向Jまたは半径方向Kに移動される。なお、検出器ヘッド移動機構17は、図1のように、支持アーム5を軸P周りや軸S周りに回転させたり、鉛直方向Tに移動させたりして、検出器ヘッド3の位置および姿勢を変更させるようになっていてもよい。検出器ヘッド移動機構17は、モータ等の駆動部により構成される。
PET装置1は、搬送台車7によって移動されて、寝台19の周りに設置される。寝台19は、被検体Mまたは後述する点線源51を載置するものである。寝台19は、実際に被検体M等を載置する天板19aと、天板19aを鉛直方向Tや水平方向に移動させる天板移動機構19bとを備えている。天板移動機構19bは、モータ等の駆動部で構成される。
PET装置1は、さらに、図示しない同時計数回路を有し、2つの検出器9で検出した対消滅γ線に基づき、LOR情報を含む同時計数データDを収集するデータ収集部21と、同時計数データDを再構成し、断層画像を生成する再構成部23とを備えている。
また、PET装置1は、この装置1の各構成を統括的に制御する主制御部25と、再構成部23で生成された断層画像を表示する表示部26と、操作者による入力設定や各種操作のための操作部27と、再構成部23で生成された断層画像等を記憶する記憶部28とを備えている。主制御部25は、中央演算処理装置(CPU)などで構成される。表示部26は、モニタ等で構成される。操作部27は、キーボードやマウス、タッチパネル等で構成される。記憶部28は、ROM(Read-only Memory)、RAM(Random-Access Memory)またはハードディスク等、取り外し可能なものを含む記憶媒体で構成される。
〔位置ずれ検出部〕
また、PET装置1は、本発明の特徴部分である位置ずれ検出部31を備えている。検出器ヘッド3の実際の座標A(以下適宜、「実際座標」とする)と、検出器ヘッド3の計算上の座標B(以下適宜、「計算座標」とする)との間には、位置ずれが存在する。位置ずれは、再構成画像の分解能を劣化させるので、高分解能な再構成画像の生成を妨げる。そのため、位置ずれ検出部31は、検出器ヘッド3の実際座標Aに対する検出器ヘッド3の計算座標Bの位置ずれを検出する。これにより、計算座標Bを実際座標Aに合わせることができる。
また、PET装置1は、本発明の特徴部分である位置ずれ検出部31を備えている。検出器ヘッド3の実際の座標A(以下適宜、「実際座標」とする)と、検出器ヘッド3の計算上の座標B(以下適宜、「計算座標」とする)との間には、位置ずれが存在する。位置ずれは、再構成画像の分解能を劣化させるので、高分解能な再構成画像の生成を妨げる。そのため、位置ずれ検出部31は、検出器ヘッド3の実際座標Aに対する検出器ヘッド3の計算座標Bの位置ずれを検出する。これにより、計算座標Bを実際座標Aに合わせることができる。
なお、検出器ヘッド3は、複数の検出器9を備えている。以下の位置ずれ検出の説明において、検出器ヘッド3の位置ずれを検出器9の位置ずれとして説明する。
図4は、位置ずれ検出部31の構成を示す図である。まず、位置ずれ検出部31の概要を説明する。位置ずれ検出部31は、対向する複数の検出器9間に点線源51を含む平面53(図6参照)を設定し、平面53と同時計数データDのLORとの交差点の分布である交差点分布55を含むLOR交差断面画像G1を作成するLOR交差断面画像作成部33と、交差点分布55が理想分布であるか否かを判定する第1理想分布判定部35とを備えている。なお、第1理想分布判定部35は、本発明の第1判定部に相当する。
また、位置ずれ検出部31は、検出器9の計算座標Bを移動させて検出器9の計算座標Bを更新する検出器座標更新部37と、検出器座標更新部37で最初および最後に判定した検出器9の計算座標Bに基づき、検出器9の実際座標Aに対する検出器9の計算座標Bの位置ずれ量Qを算出する位置ずれ量算出部39と、位置ずれ検出部31の各構成を統括的に制御し、CPU等で構成される繰り返し制御部41とを備えている。
繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布でないと判定された場合に、検出器座標更新部37により検出器9の計算座標Bを更新し、更新した検出器9の計算座標Bを用いてLOR交差断面画像作成部33によりLOR交差断面画像G1を作成し、作成したLOR交差断面画像G1の交差点分布55が理想分布であるか否かを第1理想分布判定部35により判定する、これらの処理を繰り返す。また、繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布であると判定された場合に、最後に判定したときの検出器9の計算座標Bを出力し、位置ずれ量算出部39により位置ずれ量Qを算出する。
なお、交差点分布55は、本発明の第1交差点分布に相当し、LOR交差断面画像G1は本発明の第1LOR交差断面画像に相当する。
次に、これらの構成の詳細について説明する。なお、繰り返し制御部41は、現在使用されている検出器9の初期計算座標B0を記憶部28等から読み出し、LOR交差断面画像作成部33に送る。LOR交差断面画像作成部33は、送られた検出器9の初期計算座標B0を計算座標Bとして設定する。
LOR交差断面画像作成部33は、LOR交差断面画像G1を作成する。図5は、点線源51から放出されたγ線が検出器9で検出される様子を示す図である。なお、図5等において、図示および説明の便宜上、PET装置1は、対向する2つの検出器ヘッド3を備え、各々の検出器ヘッド3は、3つの検出器9で構成されているものとする。また、対向する検出器9の検出面Fは、平行になるように配置されている。
図5のように、点線源51から放出されたγ線は、検出器9で検出される。点線源51は、2つの検出器ヘッド3の間であって、予め設定された位置に配置される。図5では、点線源51は、一点鎖線で示す平面上に配置されている。点線源51は、例えばコイン形状で構成されており、180度反対方向に2つのγ線を放出する。点線源51から放出された2本のγ線は、2つの検出器9により同時に検出される。その様子を符号Rで示す。データ収集部21は、検出器ヘッド3で検出した2本のγ線に基づいて同時計数データDを収集する。同時計数データDは、2つの検出器9の検出位置を結ぶ線であるLORの情報を有している。検出位置は、γ線が入射したシンチレータブロック11等の検出素子の位置である。なお、図5等において、上側と下側の検出器9の実際座標Aを区別する場合は、上側を符号A1で示し、下側と符号A2で示す。
図6は、LOR交差断面画像G1を説明する図である。なお、検出器9の計算座標Bを破線で示す。また、図6等において、上側と下側の検出器9の計算座標Bを区別する場合は、上側を符号B1で示し、下側と符号B2で示す。また、検出器9の計算座標Bは、例えば、検出面Fの中央など、任意の位置に設定されることで、図6の破線のように検出器9が配置されている。
LOR交差断面画像作成部33は、LOR交差断面画像G1を作成する。LOR交差断面画像作成部33は、まず、2つの検出器ヘッド3の間を仕切るような(LORの束を横断するような)平面53を設定する。そして、LOR交差断面画像作成部33は、その平面53と、収集された同時計数データDのLORとが交差する交差点(交点)の分布である交差点分布55(図6参照)を含むLOR交差断面画像G1を作成する。交差点分布55は、1イベントずつ、平面53と同時計数データDのLORとの交差点を算出し、その平面53に加算して形成される。LORは、検出器9の実際座標Aではなく、計算座標Bで結ばれる。
図6において、LORの3次元的束の最も細い部分Eと点線源51の位置とが一致すると仮定する。交差点分布55の広がりは、図6のように、平面53がLORの3次元的束の最も細い部分Eを通過すれば、最も小さくなる。一方、平面53が、最も細い部分Eから上下の検出器9側の方に離れるほど、交差点分布55の広がりは大きくなる。すなわち、平面53がLORの3次元的束の最も細い部分Eを通過すれば、部分Eと点線源51とが一致するので、交差点分布55の広がりにより、平面53上に点線源51が存在することがわかる。
また、点線源51の位置を変えた場合も同様に、交差点分布55の広がりは、平面53がLORの3次元的束の最も細い部分Eを通過すれば、最も小さくなる。一方、平面53が、最も細い部分Eから上下の検出器9側に離れるほど、交差点分布55の広がりは大きくなる。すなわち、平面53がLORの3次元的束の最も細い部分Eを通過すれば、平面53上に点線源51が存在することがわかる。つまり、点線源51の位置を変えた場合も同様に、点線源51の位置に対応する部分Eと、部分Eから外れたときの交差点分布55の広がりの関係性は変わらない。
上述の説明では、部分Eは、点線源51の位置と一致すると仮定した。しかしながら、検出器9の重さにより支持アーム5等がたわみ、検出器9の実際座標Aと計算座標Bとの間には、位置ずれが生じる。このように位置ずれが生じる場合、計算上において、点線源51がある実際位置とは異なる位置に部分Eができてしまう。すなわち、点線源51の位置と、LORの3次元的束の最も細い部分Eが一致しない。また、部分Eから上下の検出器9側に離れた位置においても同様に、LOR交差断面画像G1上の交差点分布55の広がりと、実際の符号Rのγ線の広がりとが異なることになる。
次に、図7および図8を参照して、検出器9の実際座標Aと計算座標Bとの位置ずれについて説明する。図7および図8等において、実線は、検出器9の実際座標(実際位置)Aを示し、破線は、検出器9の計算座標Bを示す。また、図7および図8において、検出器9の実際座標Aと計算座標Bは、上側の座標A1,B1で位置ずれが生じ、下側の座標A2,B2で位置ずれが生じていないものとする。
図7を参照する。点線源51から放出された2つのγ線(符号R)は、検出器9の実際座標Aで検出される。しかしながら、検出器9の計算座標Bは、検出器9の実際座標Aと同じ座標に存在していないので、計算上のLORは、実際の符号Rのγ線と異なる線を結ぶ。そのため、LOR交差断面画像作成部33は、図8のように、点線源51を含む平面53を設定し、平面53と同時計数データDのLORとの交差点の分布である交差点分布55を含むLOR交差断面画像G1を作成する。すると、検出器9の実際座標Aと計算座標Bとが位置ずれしているので、LORの3次元的束の最も細い部分Eが点線源51と一致しない。そのため、交差点分布55の広がりが理想分布よりも大きくなる。すなわち、交差点分布55の広がりによって、検出器9の実際座標Aと計算座標Bとの間に位置ずれが生じていることがわかる。この判定は、第1理想分布判定部35により行われる。
なお、LOR交差断面画像作成部33は、点線源51を含む平面53を設定するが、点線源51の実際の座標は、点線源51が載置される寝台19の座標系から得られる。寝台19の座標系から得られた点線源51の座標に基づき、点線源51を含む平面53が設定される。また、平面53は、点線源51を含むように設定されるが、点線源51を基準として予め設定された距離を隔てた位置に設定してもよい。例えば、後述する図16の符号61a,61bのいずれかの位置に1枚の平面53を設置してもよい。第1理想分布判定部35による判定は、点線源51からの2本のγ線の広がり方を予め知っておく必要がある。
第1理想分布判定部35は、交差点分布55が理想分布であるか否かを判定する。交差点分布55が理想分布であるか否かは、交差点分布55が予め設定された広がりの範囲内か否かで判定される。すなわち、第1理想分布判定部35は、交差点分布55が予め設定された広がりの範囲外であれば理想分布でないと判定し、交差点分布55が予め設定された広がりの範囲内であれば理想分布であると判定する。
交差点分布55は、円や楕円の形状で現れると仮定される。予め設定され、閾値となる広がりは、円や楕円の面積、または円の直径、楕円の長径および短径などが用いられる。また、交差点分布55は、円や楕円の形状以外になることがある。この場合、第1理想分布判定部35による判定は、交差点分布55の形状を円または楕円の形状で全体を覆うように領域を抽出して、抽出された円または楕円の領域で判定が行われる。
図8において、第1理想分布判定部35は、交差点分布55が予め設定された広がりの範囲外であり、理想分布で無いと判定する。この場合、検出器座標更新部37は、検出器9の計算座標B1を移動させて検出器9の計算座標B1を更新する。検出器9の計算座標B1の移動は、例えば、検出器9の遠近方向(Z方向)の移動量Uを予め設定しておき、その移動量U分を移動させて、検出器9の計算座標Bを更新する。図9の上側の検出器9の計算座標B1は、図7および図8の計算座標B1と比較し、上方向に移動されている。
繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布でないと判定された場合に、検出器座標更新部37により検出器9の計算座標Bを更新し、更新した検出器9の計算座標Bを用いてLOR交差断面画像作成部33によりLOR交差断面画像G1を作成し、作成したLOR交差断面画像G1の交差点分布55が理想分布であるか否かを第1理想分布判定部35により判定する、これらの処理を繰り返す。
図10において、第1理想分布判定部35は、交差点分布55が予め設定された広がりの範囲内であるとき、理想分布であると判定する。この場合、位置ずれ量算出部39は、第1理想分布判定部35で最初および最後に判定した検出器9の計算座標B1に基づき、検出器9の実際座標A1に対する検出器9の計算座標A1の位置ずれ量Qを算出する。最初に判定した検出器9の計算座標B1は、初期計算座標B0であり、最後に判定した計算座標B1は、理想分布であると判定した際の計算座標B1である。
なお、位置ずれ量算出部39は、検出器座標更新部37による検出器9の計算座標B1の移動量を収集して位置ずれ量Qを算出するようにしてもよい。例えば、検出器9の計算座標B1を+Z方向に移動量Uによって移動させる場合、5回移動させれば、位置ずれ量Qは、5×Uとなる。
なお、図7〜図9では、上側の検出器9のみにおいて、実際座標Aと計算座標Bとの間に位置ずれが生じていた。しかしながら、下側の検出器9のみにおいて、実際座標Aと計算座標Bとの間に位置ずれが生じていてもよい。この場合、位置ずれが生じている下側の検出器9の計算座標B2を更新し、実際座標A2に対する位置ずれ量Qを算出する。
次に、図11のフローチャートを参照してPET装置1の動作を説明する。
〔ステップST01〕点線源を用いた同時計数データの収集
点線源51を寝台19の天板19a上に設置して、図5のように、対向する6つの検出器9(2つの検出器ヘッド3)の間に点線源51を設置する。点線源51の設置後、データ収集部21は、検出器9で検出した2本のγ線に基づき、同時計数データDを収集する。
点線源51を寝台19の天板19a上に設置して、図5のように、対向する6つの検出器9(2つの検出器ヘッド3)の間に点線源51を設置する。点線源51の設置後、データ収集部21は、検出器9で検出した2本のγ線に基づき、同時計数データDを収集する。
〔ステップST02〕検出器の計算座標の設定
繰り返し制御部41は、現在使用されている検出器9の計算座標B0を記憶部28等から読み出し、LOR交差断面画像作成部33に送る。LOR交差断面画像作成部33は、送られた検出器9の初期計算座標B0を計算座標Bとして設定する。
繰り返し制御部41は、現在使用されている検出器9の計算座標B0を記憶部28等から読み出し、LOR交差断面画像作成部33に送る。LOR交差断面画像作成部33は、送られた検出器9の初期計算座標B0を計算座標Bとして設定する。
〔ステップST03〕LOR交差断面画像の作成
LOR交差断面画像作成部33は、図6に示すように、対向する6つの検出器9間に点線源31を含む平面53を設定し、平面53と同時計数データDのLORとの交差点の分布である交差点分布55を含むLOR交差断面画像G1を作成する。なお、図7および図8において、検出器9の実際座標Aと計算座標Bは、上側の座標A1,B1で位置ずれが生じ、下側の座標A2,B2で位置ずれが生じていないものとする。
LOR交差断面画像作成部33は、図6に示すように、対向する6つの検出器9間に点線源31を含む平面53を設定し、平面53と同時計数データDのLORとの交差点の分布である交差点分布55を含むLOR交差断面画像G1を作成する。なお、図7および図8において、検出器9の実際座標Aと計算座標Bは、上側の座標A1,B1で位置ずれが生じ、下側の座標A2,B2で位置ずれが生じていないものとする。
〔ステップST04〕理想分布であるか否かの判定
第1理想分布判定部35は、交差点分布55が理想分布であるか否かを判定する。第1理想分布判定部35は、交差点分布55が予め設定された広がり(例えば面積)の範囲外であれば、すなわち、交差点分布55が予め設定された広がりよりも大きければ、交差点分布55が理想分布でないと判定する。交差点分布55が理想分布でないと判定された場合、上側の検出器9の計算座標B1は、実際座標A1に対して遠近方向(Z方向)に位置ずれが存在することがわかる。この場合は、ステップS05へ進む。
第1理想分布判定部35は、交差点分布55が理想分布であるか否かを判定する。第1理想分布判定部35は、交差点分布55が予め設定された広がり(例えば面積)の範囲外であれば、すなわち、交差点分布55が予め設定された広がりよりも大きければ、交差点分布55が理想分布でないと判定する。交差点分布55が理想分布でないと判定された場合、上側の検出器9の計算座標B1は、実際座標A1に対して遠近方向(Z方向)に位置ずれが存在することがわかる。この場合は、ステップS05へ進む。
一方、第1理想分布判定部35は、交差点分布55が予め設定された広がり(例えば面積)の範囲内であれば、すなわち、交差点分布55が予め設定された広がりよりも小さければ、交差点分布55が理想分布であると判定する。交差点分布55が理想分布であると判定された場合、上側の検出器9の計算座標B1は、実際座標A1に対して遠近方向(Z方向)に位置ずれがないことがわかる。この場合は、ステップS06へ進む。
〔ステップST05〕検出器の計算座標の更新
検出器座標更新部37は、予め設定された移動量により検出器9の計算座標B1を移動させて、検出器9の計算座標B1を更新する。図8においては、対向する検出器9を遠ざける方向(+Z方向)に予め設定された移動量Uにより移動させる。なお、対向する検出器9を近づける方向(−Z方向)に移動させる場合も同様に、予め設定された移動量Uにより移動させる。
検出器座標更新部37は、予め設定された移動量により検出器9の計算座標B1を移動させて、検出器9の計算座標B1を更新する。図8においては、対向する検出器9を遠ざける方向(+Z方向)に予め設定された移動量Uにより移動させる。なお、対向する検出器9を近づける方向(−Z方向)に移動させる場合も同様に、予め設定された移動量Uにより移動させる。
繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布でないと判定された場合に、検出器座標更新部37により検出器9の計算座標B1を更新し、更新した検出器9の計算座標B1を用いてLOR交差断面画像作成部33によりLOR交差断面画像G1を作成し、作成したLOR交差断面画像G1の交差点分布55が理想分布であるか否かを第1理想分布判定部35により判定する、これらの処理を繰り返す。
〔ステップST06〕位置ずれ量の算出
繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布であると判定された場合に、第1理想分布判定部35で最初および最後に判定した検出器9の計算座標B1に基づき、差分によって、検出器9の実際座標A1に対する検出器9の計算座標B1の位置ずれ量Qを算出する。これにより、検出器9の遠近方向(Z方向)の位置ずれ量Qを取得できる。取得した位置ずれ量Q(Z方向)は、記憶部28等に記憶される。
繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布であると判定された場合に、第1理想分布判定部35で最初および最後に判定した検出器9の計算座標B1に基づき、差分によって、検出器9の実際座標A1に対する検出器9の計算座標B1の位置ずれ量Qを算出する。これにより、検出器9の遠近方向(Z方向)の位置ずれ量Qを取得できる。取得した位置ずれ量Q(Z方向)は、記憶部28等に記憶される。
位置ずれ量Qの取得後、主制御部25および繰り返し制御部41等により、記憶部28に記憶されている検出器9の計算座標B1の位置ずれを位置ずれ量Qを用いて補正する。位置ずれの補正後、寝台19の天板19aの点線源51に代えて被検体Mを配置し、放射性薬剤が投与された被検体Mから放出される2本のγ線を検出器9で検出し、データ収集部21により同時計数データDを収集する。再構成部23は、収集した同時計数データDを2次元または3次元の画像再構成し、断層画像等を取得する。断層画像は、表示部26に表示され、記憶部28に記憶される。
本実施例によれば、位置ずれ検出部31は、対向する複数の検出器9間に点線源51を含む平面53を設定し、平面53と同時計数データDのLORとの交差点の分布である交差点分布55を含むLOR交差断面画像G1を作成するLOR交差断面画像作成部33を有し、LOR交差断面画像G1の交差点分布55を用いて検出器9の位置ずれを検出する。このように、検出器9の実際座標Aに対する計算座標Bの位置ずれを、LOR交差断面画像G1の交差点分布55を用いて検出するので、例えばサイノグラムや再構成などの複雑な処理を行わなくてもよく、比較的簡単に位置ずれを検出することができる。
また、位置ずれ検出部31において、第1理想分布判定部35は、LOR交差断面画像作成部33で作成されたLOR交差断面画像G1の交差点分布55が理想分布であるか否かを判定する。検出器座標更新部37は、検出器9の計算座標Bを更新し、位置ずれ量算出部39は、第1理想分布判定部35で最初および最後に判定した検出器9の計算座標Bに基づき、検出器9の実際座標Aに対する検出器9の計算座標Bの位置ずれ量Qを算出する。繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布でないと判定された場合に、検出器座標更新部37により検出器9の計算座標Bを更新し、更新した検出器9の計算座標Bを用いてLOR交差断面画像作成部33によりLOR交差断面画像G1を作成し、作成したLOR交差断面画像G1の交差点分布55が理想分布であるか否かを第1理想分布判定部35により判定する、これらの処理を繰り返す。一方、繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布であると判定された場合に、位置ずれ量算出部39により位置ずれ量Qを算出する。交差点分布55が理想分布であるか否かを判定することにより、点線源51を挟んで対向する複数の検出器9の位置ずれ量Qを取得することができる。
また、第1理想分布判定部35は、交差点分布55が理想分布であるか否かの判定を、交差点分布55が予め設定された広がりの範囲の内外で判定する。検出器座標更新部37は、交差点分布55が予め設定された広がりの範囲外であれば、検出器9の計算座標Bを移動させて検出器9の計算座標Bを更新する。これにより、点線源51を挟んで対向する複数の検出器の遠近方向(Z方向)の位置ずれ量Qを取得することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1と重複する説明は省略する。
図7〜図9のように、実施例1では、検出器9の実際座標Aと計算座標Bとの間において、上側の座標A1,B1で位置ずれが生じ、下側の座標A2,B2で位置ずれが生じていないものであった。この点、実施例2では、上側および下側の両側の座標A,Bで位置ずれが生じているものとする。
本実施例の位置ずれ検出部31は、2つ以上の点線源51位置で収集した同時計数データDを用いて、それぞれLOR交差断面画像を作成し、複数枚(3枚以上でもよい)のLOR交差断面画像を利用することで、上側および下側の両方の位置ずれを検出することができ、位置ずれをより正確に検出することができる。
すなわち、本実施例の位置ずれ検出部31は、図12のように、実施例1の構成に加え、次のように構成される。具体的には、データ収集部21は、点線源51を一定方向(遠近方向、Z方向)に移動させて、予め設定された複数の点線源51の位置で同時計数データDを収集する。LOR交差断面画像作成部33は、複数のうち1つの点線源51の位置で収集した同時計数データDを用いて、第1LOR交差断面画像G1を作成する。なお、本実施例において、LOR交差断面画像G1を第1LOR交差断面画像G1として説明し、交差点分布55を第1交差点分布55として説明する。
繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布でないと判定された場合に、検出器座標更新部37により一方の検出器9の計算座標Bを更新し、更新した検出器9の計算座標Bを用いてLOR交差断面画像作成部33により第1LOR交差断面画像G1を作成し、作成した第1LOR交差断面画像G1の第1交差点分布55が理想分布であるか否かを第1理想分布判定部35により判定する、これらの第1の処理を繰り返す。
繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布であると判定された場合に、LOR交差断面画像作成部33により、第1理想分布判定部35で最後に判定した検出器9の計算座標Bを用いて、その他の点線源51の位置を含む平面53と、その他の点線源51の位置で収集した各々の同時計数データDのLORとの交差点の分布である第2交差点分布56を含む第2LOR交差断面画像G2を作成させる。なお、第2LOR交差断面画像G2を作成するための平面53は、第1LOR交差断面画像G1を作成するための平面53と異なるものであってもよいし、同じであってもよい。
また、位置ずれ検出部31は、第2交差点分布56が予め設定された広がりの範囲外であれば理想分布でないと判定し、第2交差点分布56が予め設定された広がりの範囲内であれば理想分布であると判定する第2理想分布判定部43を備えている。広がりは、上述のように、例えば面積が用いられる。なお、第2理想分布判定部43は、本発明の第2判定部に相当する。また、第2交差点分布56は、本発明の他の交差点分布に相当し、第2LOR交差断面画像G2は、本発明の他のLOR交差断面画像に相当する。
繰り返し制御部41は、第2理想分布判定部43で理想分布でないと判定された場合に、検出器座標更新部37により他方の検出器9の計算座標Bを更新し、上述した第1の処理を繰り返し、第1理想分布判定部35で理想分布であると判定された場合に、LOR交差断面画像作成部33により第2LOR交差断面画像G2を作成し、作成した第2LOR交差断面画像G2の第2交差点分布56が理想分布であるか否かを第2理想分布判定部43により判定する、これらの第2の処理を繰り返す。
繰り返し制御部41は、第2理想分布判定部43で理想分布であると判定された場合に、検出器9の計算座標Bを出力し、位置ずれ量算出部39により位置ずれ量Qを算出する。これにより、検出器9の実際座標Aと計算座標Bとの間において、上側および下側の両側の座標A,Bで位置ずれが生じている場合であっても、点線源51を挟んで対向する複数の検出器9における遠近方向(Z方向)の位置ずれ量Qを取得できる。
なお、LOR交差断面画像作成部33は、その他の点線源51位置のうち、1つの点線源51位置で収集された同時計数データDを用いて、1枚の第2LOR交差断面画像G2を作成してもよい。また、その他の点線源51位置のうち、2つ以上の点線源51位置で収集された複数の同時計数データDを用いて、2枚以上の第2LOR交差断面画像G2を作成してもよい。そして、繰り返し制御部41は、1枚又は2枚以上の第2LOR交差断面画像G2を用いて第2理想分布判定部43で判定してもよい。
次に、本実施例の位置ずれ検出部31の動作を簡単に説明する。まず、図13(a)〜図13(d)について説明し、次に、図14(a)〜図14(d)について説明する。なお、図13〜図15において、図示の便宜上、対向する2つの検出器9を用いて説明する。
図13(a)は、検出器9の実際座標Aと点線源51の位置を示す図であり、図13(b)は、更新前の検出器9の計算座標Bを示す図である。図13(c)は、下側の検出器9の計算座標Bを固定したときの理想分布となった検出器9の計算座標Bを示す図であり、図13(d)は、上側の検出器9の計算座標Bを固定したときの理想分布となった検出器9の計算座標Bを示す図である。
図13(b)は、初期計算座標B0を示している。点線源51が、図13(a)のような、対向する検出器9間の中心に位置する場合に同時計数データDを収集し、収集した同時計数データDを用いて、第1LOR交差断面画像G1を作成する。図13(b)の状態から処理をはじめ、下側の検出器9の計算座標B2を固定して、上側の検出器9の計算座標B1を更新すると、図13(c)のような位置で、第1LOR交差断面画像G1の第1交差点分布55が理想分布となる。同様に、図13(b)の状態から処理をはじめ、上側の検出器9の計算座標B1を固定して、下側の検出器9の計算座標B2を更新すると、図13(d)のような位置で、第1LOR交差断面画像G1の第1交差点分布55が理想分布となる。図13(c)および図13(d)のように、第1交差点分布55が理想分布であっても、それぞれの検出器9の計算座標Bは異なっている。
また、図14(a)は、検出器9の実際座標Aと、図13(a)と異なる点線源51の位置を示す図であり、図14(b)は、更新前の検出器9の計算座標Bを示す図である。図14(c)は、図13(c)と同じ計算座標Bを示す図であり、図14(d)は、図13(d)と同じ計算座標Bを示す図である。
図13(c)および図13(d)では、検出器9の計算座標Bで理想分布となっていても、図14(c)および図14(d)では、理想分布となっていないことが確認される。1つの点線源51の位置で収集した同時計数データDのみでは、図13(c)および図13(d)のように、第1交差点分布55が理想分布となる可能性のある検出器9の計算座標Bが複数得られる。しかしながら、複数の点線源51の位置で収集した同時計数データDがどれも、第1・第2交差点分布55,56が理想分布と判定される場合がある。この場合の検出器9の計算座標Bが、図10のような位置ずれなしの状態になったものといえる。
例えば、図14(c)の第2交差点分布56が理想分布でない場合において、例えば、下方向、かつ予め設定された移動量Uに、固定した下側の検出器9の計算座標B2を移動して検出器9の計算座標B2を更新する。次に、図13(a)で収集した点線源51の位置の同時計数データDを用いて第1LOR交差断面画像G1を作成し、第1交差点分布55が理想分布になるように上側の検出器9の計算座標B1を移動させて検出器9の計算座標B1を更新する。このようにして得られたのが図15(a)の状態である。図15(a)は、第1交差点分布55が理想分布になった検出器9の計算座標Bを示す図である。
再び確認のために、図15(a)の検出器9の計算座標Bを用いて、図14(a)で収集した点線源51の位置の同時計数データDのLORと、図14(a)の点線源51の位置を含む平面53との交差点の分布である第2交差点分布56を含む第2LOR交差断面画像G2を作成する。作成した第2LOR交差断面画像G2の第2交差点分布56が理想分布であるか否か判定する。図15(b)は、図15(a)の場合における第2理想分布判定部43による判定結果を示す図であり、なおも第2交差点分布56が理想分布でないことがわかる。
そして、図15(c)のような第2交差点分布56が理想分布になるまで、例えば、予め設定された移動量Uにより、固定した下側の検出器9の計算座標B2を移動して検出器9の計算座標B2を更新する処理等を繰り返し行う。
本実施例によれば、対向する複数の検出器9の計算座標Bが実際座標Aに対して、一方のみでなく、他方も位置ずれしている場合であっても、第2理想分布判定部43は、第1理想分布判定部35で第1交差点分布55が理想分布であると判定された場合において、検出器9の計算座標Bが正しい計算座標Bであるか確認することができる。また、その結果、両方の検出器9の実際座標Aに対する計算座標Bの遠近方向(Z方向)の位置ずれ量Qを取得することができる。
なお、図12において、LOR交差断面画像作成部33から位置ずれ量算出部39へ、第1LOR交差断面画像G1が送られているが、本実施例では、必ずしも必要ではない。
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。なお、各実施例と重複する説明は省略する。図16(a)は、実施例3に係る3枚の平行な平面を示す図であり、図16(b)は、3枚の平行な平面を設ける場合の1つの効果を説明するための図である。
上述した各実施例では、LOR交差断面画像作成部33は、対向する6つの検出器9(図5等参照)間に点線源31を含む1枚の平面53を設定した。この点、実施例3では、平面53に加え、平面53と互いに平行な2枚の補助平面61a,61bを設定している。すなわち、図16(a)のように、平面は、予め設定された距離dを隔てて、かつ平行になるように合計3枚(複数枚)で構成されている。
平面53と補助平面61a,61bの合計3枚の平面を設定するので、LOR交差断面画像作成部33は、3枚のLOR交差断面画像G1を作成する。これにより、本実施例によれば、次のような効果を有する。
まず、点線源51からの2本のγ線の広がり方を予め知っていれば、LORの3次元的束の最も細い部分Eだけでなく、他の位置においても交差点分布63a,63bが理想分布であるか否かを判定することができる。これにより、1枚のLOR交差断面画像G1だけでなく、3枚(複数枚)のLOR交差断面画像G1で判定を行うので、判定をより正確に行うことができる。
また、検出器座標更新部37による検出器9の計算座標Bを更新の際に、検出器9の計算座標Bをどの方向(Z方向)に移動させればよいのか知ることができる。すなわち、補助平面61a,61bに形成される交差点分布63a,63bの面積や幅を比較する。これにより、例えば、交差点分布63a,63bが小さい方から大きい方に移動する等のように設定しておけば、検出器9の計算座標Bの移動方向(Z方向)が求められる。例えば、図16(a)においては、交差点分布63bは、交差点分布63aよりも幅が小さい。そのため、検出器9の計算座標Bの移動方向(Z方向)は、交差点分布63bから交差点分布63aへ向かう方向(+Z方向)であることがわかる。これにより、繰り返す回数を低減することができる。
また、検出器9の計算座標Bを更新の際に、検出器9の計算座標Bのおおよその移動量を知ることができる。例えば、図16(b)において、LORの3次元的束の最も細い部分Eが補助平面61bよりも外側にあるとする。平面53は、補助平面61a,61bの各々に対して距離d離れている。そのため、平面53に部分Eを近づけるためには、部分Eが少なくとも+Z方向に距離d、移動するように、検出器9の計算座標Bを移動させるように移動量を設定する。これにより、繰り返す回数を低減することができる。
なお、本実施例では、平面53と補助平面61a,61bの合計3枚の平面を設定していたが、これに限定されない。すなわち、平面は、2枚または4枚以上を設定されていてもよい。
次に、図面を参照して本発明の実施例4を説明する。なお、各実施例と重複する説明は省略する。図17は、LOR交差断面画像G1(平面53,61a,61b)の一例を示す図であり、図18は、(a)〜(d)は、動作を説明するための図である。なお、図18において、LORを2点鎖線で示す。
上述した各実施例では、図6のように、検出器ヘッド3は、3つの検出器9の検出面Fが平行になるように配置されており、また、交差点分布55が形成される平面53も各々の検出器9の検出面Fに対して平行に設定された。しかしながら、平面53は、図17のように、各々の検出器9の検出面Fに対して傾いていてもよい。すなわち、点線源51を基準に平面53の角度を変えてLOR交差断面画像G1を作成すると、LOR交差断面画像G1の交差点分布55の形状の歪み、すなわち楕円の歪みから検出器9の実際座標Aに対する計算座標Bの傾きの位置ずれを検出できるというものである。
図18(a)〜図18(d)を参照して本実施例の構成および動作を説明する。図18(a)において、上側の検出器9の実際座標A1は傾いており、上側の計算座標B1との間に位置ずれがあるものとする。一方、下側の検出器9の実際座標Aと計算座標Bとの間には、位置ずれがないものとする。
交差点分布55の形状(楕円)の歪みは、ある角度の1枚の平面53だけでは、平面53の傾きにより生じているのか、検出器9の傾きにより生じているのか判断ができにくい。そのため、LOR交差断面画像作成部33は、図18(b)のように、点線源51を基準として予め設定された角度θごとに複数の平面53を設定し、LOR交差断面画像G1を作成する。第1理想分布判定部35は、各々のLOR交差断面画像G1の交差点分布55の形状の歪みが最も小さい角度のLOR交差断面画像G1を選択する。例えば、図18(b)において、符号WのLOR交差断面画像G1を選択する。
また、第1理想分布判定部35は、選択したLOR交差断面画像G1の交差点分布55の形状が予め設定された歪みの範囲外であれば理想分布でないと判定し、交差点分布55の形状が予め設定された歪みの範囲内であれば理想分布であると判定する。なお、予め設定された歪みは、例えば楕円の長径と短径の比が用いられる。
また、図18(c)のように、平面53と補助平面61a,61bで構成すると、補助平面61a,61bが上下の検出器9側に近づくので、各々の交差点分布の歪みをはっきりと知ることができる。これにより、例えば、補助平面61a,61bに形成される交差点分布のうち、交差点分布の歪みが大きい方に近い検出器9の計算座標Bを優先的に更新するようにしてもよい。
繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で交差点分布55が理想分布でないと判定された場合に、検出器座標更新部37により検出器9の計算座標Bを更新し、更新した検出器9の計算座標Bを用いてLOR交差断面画像作成部33により、第1理想分布判定部35で選択した角度で、LOR交差断面画像G1を作成し、作成したLOR交差断面画像G1の交差点分布55が理想分布であるか否かを第1理想分布判定部35により判定する、これらの処理を繰り返す。
すなわち、図18(d)のように、検出器9の実際座標Aに対する計算座標Bの傾きの位置ずれがなくなる、第1理想分布判定部35で理想分布であると判定されるまで、処理が繰り返される。なお、検出器座標更新部37は、検出器9の計算座標Bの移動および回転の少なくとも一方のうち、回転を行い検出器9の計算座標Bを更新する。また、傾きの位置ずれがない状態ほど、交差点分布55は、円に近づく。
また、繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布であると判定された場合に、最後に判定した検出器9の計算座標Bを出力し、第1理想分布判定部35で最初および最後に判定した検出器9の計算座標Bに基づき位置ずれ量Qを算出する。
本実施例によれば、第1理想分布判定部35は、交差点分布55が理想分布であるか否かの判定を、交差点分布55の形状が予め設定された歪みの範囲の内外で判定し、検出器座標更新部37は、検出器9の計算座標Bを回転させて検出器9の計算座標Bを更新する。これにより、点線源51を挟んで対向する複数の検出器9における傾きの位置ずれ量Qを取得できる。
なお、図18(b)においては、Y軸周りに平面53を傾けていたが、X軸周りにも平面53を傾けてもよい。
次に、図面を参照して本発明の実施例5を説明する。なお、各実施例と重複する説明は省略する。図19は、平面53に沿った方向(X、Y方向)における検出器9に実際座標Aと計算座標Bとの間の位置ずれを説明するための図である。
上述した各実施例では、対向する検出器9間の遠近方向(Z方向)で位置ずれを検出していた。この点、本実施例では、その遠近方向と直交する平面方向(X、Y方向)で位置ずれを検出する。
本実施例の位置ずれ検出部31は、上述した各実施例の構成に加え、次のように構成されている。すなわち、平面53に沿った方向(X、Y方向)における、点線源51の位置と交差点分布55との位置ずれを算出する位置ずれ算出部39を備えている(図4および図12参照)。平面53に沿った方向(X、Y方向)に位置ずれが無ければ、交差点分布55と実際の点線源51の位置は一致するはずである。位置ずれ算出部39は、図19のように、例えば、交差点分布55の中心位置と点線源51の中心位置との位置ずれ量Qを、交差点分布55が形成されたLOR交差断面画像G1を用いて算出する。
本実施例によれば、位置ずれ検出部31は、さらに、平面53に沿った方向(X、Y方向)における、点線源51の位置と交差点分布55との位置ずれ量Qを算出する位置ずれ算出部39を備えている。これにより、交差点分布55を含むLOR交差断面画像G1から平面53に沿った方向(X、Y方向)の位置ずれ量Qを取得できる。すなわち、平面53に沿った方向(X、Y方向)における、検出器9の実際座標Aに対する計算座標Bの位置ずれ量Qを取得することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例6を説明する。なお、各実施例と重複する説明は省略する。図20は、点線源51を移動させた場合を示す図である。LOR交差断面画像G1の交差点分布55は、点線源51の位置に対応する。これにより、寝台19等の点線源51を移動するための座標軸(X、Y、Z軸)と、検出器9の計算座標Bや再構成空間などの撮像視野71の座標軸(X、Y、Z軸)との対応関係がわかる。
本実施例では、上述した各実施例に加え、次のように構成されている。すなわち、データ収集部21は、点線源51を移動させる際の同一の座標軸上における、予め設定された複数の点線源51の位置で同時計数データDを収集する。LOR交差断面画像作成部33は、各々の点線源51の位置で収集した同時計数データDを用いて、LOR交差断面画像G1を作成する。位置ずれ算出部39は、複数のLOR交差断面画像G1に基づき、点線源51を移動させることによる交差点分布55の位置ずれ量Qを算出する。
図21(a)は、1枚のLOR交差断面画像G1に異なる点線源51位置で収集した2つの交差点分布55a,55bを示す図である。図21(a)において、交差点分布55aが形成された位置から寝台19のX方向の座標軸に沿って移動させると、図21(a)中の矢印Vに沿って交差点分布55bが形成されているはずである。しかしながら、矢印Vから外れた位置に交差点分布55bに形成される。これにより、寝台19の移動軸などの点線源51を移動するための座標軸は、検出器9の計算座標Bや再構成空間などの撮像視野71の座標軸が一致していないことが確認される。
位置ずれ算出部39は、図21(a)のように、LOR交差断面画像G1に基づき、位置ずれ量Qを算出する。なお、図21(a)では、1枚のLOR交差断面画像G1に2つの交差点分布55a,55bを示している。この点、位置ずれ算出部39は、2枚のLOR交差断面画像G1を加算して1枚のLOR交差断面画像G1に基づき、位置ずれ量Qを算出してもよいし、収集の位置が異なる2つの同時計数データDから作成した1枚のLOR交差断面画像G1に基づき、位置ずれ量Qを算出してもよい。また、位置ずれ算出部31は、2枚のLOR交差断面画像G1から各々の交差点分布55a,55bの位置を求め、位置ずれ量Qを算出してもよい。また、同時計数データDは、点線源51を移動せずに静止した状態で収集したものであってもよいし、点線源51を移動させながら収集したものであってもよい。
図21(a)では、寝台19により点線源51をX方向に移動させていたが、Y方向に移動させてもよい。また、図21(b)のように、Z方向に移動させるようにしてもよい。図21(a)の場合と同様に、図21(b)において、位置ずれ量算出部39は、点線源51の移動量に対する位置ずれ量Qを算出する。
本実施例によれば、データ収集部21は、点線源51を移動させる際の同一座標軸上における複数の点線源51の位置で同時計数データDを収集し、LOR交差断面画像作成部33は、各々の点線源51の位置で収集した同時計数データDを用いてLOR交差断面画像G1を作成し、さらに、位置ずれ検出部31は、LOR交差断面画像G1の各々の交差点分布55に基づき位置ずれ量Qを算出する位置ずれ量算出部39を備えている。これにより、寝台19等の点線源51を移動するための座標軸と、検出器9の計算座標Bや再構成空間などの撮像視野71の座標軸との対応関係を知ることができる。その結果、それらの座標軸を一致させることができる。
なお、図22(a)および図22(b)は、寝台19等の点線源51を移動させるための座標軸と、検出器9の計算座標Bや再構成空間などの撮像視野71などの座標軸とが位置ずれしている場合を説明する図である。
寝台19の移動軸に沿って被検体Mを移動させない1回の撮像の場合は、影響が現れない。しかしながら、例えば、図22(a)のように、寝台19の移動軸に沿って被検体Mを移動して、被検体Mの全身を複数回に分けて撮像する。このときに、座標軸が一致していないと、図22(b)のように、再構成画像を単純に繋ぎ合わせた場合に位置ずれが生じてしまう。本実施例によれば、寝台19等の点線源51を移動するための座標軸と検出器9の計算座標Bや再構成空間などの撮像視野71の座標軸との対応関係を知ることができる。その結果、それらの座標軸を一致させることができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、図2において、検出器ヘッド3は、複数のγ線検出器9の検出面Fが円弧状になるように配置されていた。この点、図5等のように、検出器ヘッド3は、複数の検出器9の検出面Fが平行になるように配置されていてもよい。この場合、各々の検出器9の検出面Fは、段差がないように配置される。
(2)上述した各実施例および変形例(1)では、繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布であると判定された場合に、第1理想分布判定部35で最初および最後に判定した検出器9の計算座標Bに基づき、検出器9の実際座標Aに対する検出器9の計算座標Aの位置ずれ量Qを算出していた。この点、繰り返し制御部41は、第1理想分布判定部35で理想分布であると判定された場合に、最後に判定したときの検出器9の計算座標Bを出力するようにしてもよい。すなわち、最後に判定したときの検出器9の計算座標Bは、実際座標Aに対する遠近方向(Z方向)の位置ずれが無い状態である。最後に判定したときの検出器9の計算座標Bを記憶部28等にそのまま置き換えて記憶し、検出器9の計算座標Bを再構成処理などに用いるようにしてもよい。
(3)上述した各実施例および各変形例では、図23(a)に示すように、一対の検出器ヘッド3単位で得られる同時計数データDを用いて第1・第2LOR交差断面画像G1,G2を作成し、検出器ヘッド3単位の位置ずれを検出していた。この点、図23(b)のように、検出器ヘッド3を構成する各々の検出器9で位置ずれする場合には、一対の検出器9単位で得られる同時計数データDを用いて第1・第2LOR交差断面画像G1,G2を形成し、検出器9単位の位置ずれを検出してもよい。
(4)上述した各実施例および各変形例では、図23(a)等のように、検出器ヘッド3は、正面で向き合っていたが、図24のように、検出器ヘッド3は、偏って配置されていてもよい。
(5)上述した各実施例および各変形例では、PET装置1は、2つの検出器ヘッド3を有していたが、3つ以上の検出器ヘッド3を備えていてもよい。図25のように、3つの検出器ヘッド3a,3b,3cを有する場合、例えば検出器ヘッド3aと検出器ヘッド3bで得られる同時計数データDを用いて第1・第2LOR交差断面画像G1,G2を形成して位置ずれを検出してもよい。
(6)上述した各実施例および各変形例では、遠近方向をZ方向として、平面53に沿った方向をX、Y方向として説明したが、これに限定されない。また、上述した各実施例および各変形例において、主制御部25や繰り返し制御部41は、取得した位置ずれ量Qに基づき、検出器9の実際座標Aに対する計算座標Bの位置ずれを修正し、寝台19等の座標軸と撮像視野71の座標軸とを一致させる処理を行ってもよい。
1 … PET装置
3 … 検出器ヘッド
9 … 検出器
19 … 寝台
19a … 天板
19b … 天板移動機構
21 … データ収集部
25 … 主制御部
31 … 位置ずれ検出部
33 … LOR交差断面画像作成部
35 … 第1理想分布判定部
37 … 検出器座標更新部
39 … 位置ずれ量算出部
41 … 繰り返し制御部
43 … 第2理想分布判定部
51 … 点線源(点状の線源)
53 … 平面
55(55a,55b),63a,63b… 交差点分布(第1交差点分布)
56 … 第2交差点分布
61a,61b… 補助平面
G1 … LOR交差断面画像(第1LOR交差断面画像)
G2 … 第2LOR交差断面画像
A(A1,A2) … 実際座標
B(B1,B2) … 計算座標
D … 同時計数データ
Q … 位置ずれ量
3 … 検出器ヘッド
9 … 検出器
19 … 寝台
19a … 天板
19b … 天板移動機構
21 … データ収集部
25 … 主制御部
31 … 位置ずれ検出部
33 … LOR交差断面画像作成部
35 … 第1理想分布判定部
37 … 検出器座標更新部
39 … 位置ずれ量算出部
41 … 繰り返し制御部
43 … 第2理想分布判定部
51 … 点線源(点状の線源)
53 … 平面
55(55a,55b),63a,63b… 交差点分布(第1交差点分布)
56 … 第2交差点分布
61a,61b… 補助平面
G1 … LOR交差断面画像(第1LOR交差断面画像)
G2 … 第2LOR交差断面画像
A(A1,A2) … 実際座標
B(B1,B2) … 計算座標
D … 同時計数データ
Q … 位置ずれ量
Claims (9)
- 対消滅γ線を放出する線源を挟んで対向する複数の検出器と、
前記検出器で検出した前記対消滅γ線に基づいて同時計数データを収集するデータ収集部と、
前記対向する複数の検出器間に前記線源を基準にした平面を設定し、前記平面と前記同時計数データのLORとの交差点の分布である第1交差点分布を含む第1LOR交差断面画像を作成するLOR交差断面画像作成部を有し、前記第1LOR交差断面画像の前記第1交差点分布を用いて前記検出器の位置ずれを検出する位置ずれ検出部と、
を備えていることを特徴とするPET装置。 - 請求項1に記載のPET装置において、
前記位置ずれ検出部は、前記LOR交差断面画像作成部と、
前記第1交差点分布が理想分布であるか否かを判定する第1判定部と、
前記検出器の計算座標を更新する検出器座標更新部と、
前記第1判定部で理想分布でないと判定された場合に、前記検出器座標更新部により前記検出器の計算座標を更新し、更新した前記検出器の計算座標を用いて前記LOR交差断面画像作成部により前記第1LOR交差断面画像を作成し、作成した前記第1LOR交差断面画像の前記第1交差点分布が理想分布であるか否かを前記第1判定部により判定する、これらの処理を繰り返し、前記第1判定部で理想分布であると判定された場合に、最後に判定したときの前記検出器の計算座標を出力する繰り返し制御部と、
を備えていることを特徴とするPET装置。 - 請求項2に記載のPET装置において、
前記第1判定部は、前記第1交差点分布が予め設定された広がりの範囲外であれば理想分布でないと判定し、前記第1交差点分布が前記広がりの範囲内であれば理想分布であると判定し、
前記検出器座標更新部は、前記検出器の計算座標を移動させて前記検出器の計算座標を更新することを特徴とするPET装置。 - 請求項3に記載のPET装置において、
前記データ収集部は、前記線源を一定方向に移動させて複数の前記線源の位置で前記同時計数データを収集し、
前記LOR交差断面画像作成部は、複数のうち1つの線源の位置で収集した同時計数データを用いて第1LOR交差断面画像を作成し、
前記LOR交差断面画像作成部は、前記第1判定部で最後に判定した前記検出器の計算座標を用いて、前記平面と、その他の線源の位置で収集した同時計数データのLORとの交差点の分布である他の交差点分布を含む他のLOR交差断面画像を生成し、さらに、前記他の交差点分布が前記広がりの範囲外であれば理想分布でないと判定し、前記他の交差点分布が前記広がりの範囲内であれば理想分布であると判定する第2判定部を備えていることを特徴とするPET装置。 - 請求項2から4のいずれかに記載のPET装置において、
前記第1判定部は、前記第1交差点分布の形状が予め設定された歪みの範囲外であれば理想分布でないと判定し、前記第1交差点分布の形状が前記歪みの範囲内であれば理想分布であると判定し、
前記検出器座標更新部は、前記検出器の計算座標を回転させて前記検出器の計算座標を更新することを特徴とするPET装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載のPET装置において、
前記データ収集部は、前記線源を移動させる際の同一座標軸上における複数の前記線源の位置で前記同時計数データを収集し、
前記LOR交差断面画像作成部は、各々の前記線源の位置で収集した前記同時計数データを用いて前記第1LOR交差断面画像を作成し、
さらに、前記第1LOR交差断面画像の各々の前記第1交差点分布に基づき位置ずれ量を算出する位置ずれ算出部を備えていることを特徴とするPET装置。 - 請求項1から6のいずれかに記載のPET装置において、
前記平面は、予め設定された距離を隔てて、かつ平行になるように複数枚で構成されることを特徴とするPET装置。 - 請求項7に記載のPET装置において、
前記複数枚で構成される平面のうち1枚は、前記線源の位置を含むように設定されていることを特徴とするPET装置。 - 請求項1から8のいずれかに記載のPET装置において、
さらに、前記平面に沿った方向における、前記線源の位置と前記第1交差点分布との位置ずれ量を算出する位置ずれ算出部を備えていることを特徴とするPET装置。
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