JP7014423B2 - 放射線検出装置、放射線検出方法およびプログラム - Google Patents

放射線検出装置、放射線検出方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、放射線検出装置、放射線検出方法およびプログラムに関する。
特許文献1には、三次元線源分布を求めるコンプトンカメラが開示されている。特許文献1に記載されているコンプトンカメラは、複数の検出器からなる検出器群により構成された凹凸表面を有する検出構造体と、検出構造体について予め求めた応答関数を格納した記憶部と、応答関数を用いて、検出器群からの検出信号列に基づき、検出構造体で検出された放射線を放射している線源の三次元分布を演算する演算部とを備えている。
コンプトンカメラの仕組上、放射線の検出器の数が少ないと、再構成に使用するリングパターンが限定されるため、ゴースト(正しくない像)が発生しやすくなり再構成画像の品質(精度)の低下を招く。再構成画像の高品質化には検出器の個数を増やす必要があるが、例えば結晶シンチレータとPMT(光電子増倍管)等の組み合わせからなる検出器は高価であり、多数用意することが困難である。
特開2011-085418号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、製造コストの増加を抑制しながらも、高品質な線源分布画像を作成することができる放射線検出装置、放射線検出方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、放射線を検出する複数の検出器と、少なくとも1つの前記検出器を移動させる駆動機構と、処理装置と、を備え、前記処理装置は、前記駆動機構に対して前記検出器の移動を指令する駆動指令部と、前記駆動機構の駆動内容に基づき複数の前記検出器の配置位置を特定する配置位置特定処理部と、同一の放射線を検出した2つの前記検出器の前記配置位置と当該2つの前記検出器の各検出信号とに基づき放射線の飛来方向を示すリングパターンを特定し、複数の前記リングパターンの重ね合わせにより線源分布画像を再構成する画像再構成処理部と、を備える放射線検出装置である。
また、本発明の一態様は、上記放射線検出装置であって、前記駆動機構は、複数の前記検出器の相対的な位置関係を固定したまま、複数の前記検出器を移動させる。
また、本発明の一態様は、上記放射線検出装置であって、前記駆動機構は、所定の回転軸回りに回転する回転盤である。あるいは、本発明の一態様は、上記放射線検出装置であって、前記駆動機構は、所定の回転軸回りに回転する回転盤を複数有する。
また、本発明の一態様は、上記放射線検出装置であって、放射線を検出する複数の検出器の少なくとも1つを移動させるステップと、複数の前記検出器の配置位置を特定するステップと、同一の放射線を検出した2つの前記検出器の前記配置位置と当該2つの前記検出器の各検出信号とに基づき放射線の飛来方向を示すリングパターンを特定し、複数の前記リングパターンの重ね合わせにより線源分布画像を再構成するステップと、を有する放射線検出方法である。
また、本発明の一態様は、放射線を検出する複数の検出器と、少なくとも1つの前記検出器を移動させる駆動機構と、を備える放射線検出装置のコンピュータに、複数の前記検出器の少なくとも1つを移動させるステップと、複数の前記検出器の配置位置を特定するステップと、同一の放射線を検出した2つの前記検出器の前記配置位置と当該2つの前記検出器の各検出信号とに基づき放射線の飛来方向を示すリングパターンを特定し、複数の前記リングパターンの重ね合わせにより線源分布画像を再構成するステップと、を実行させるプログラムである。
本発明の一態様によれば、放射線検出装置の製造コストの増加を抑制しながらも、高品質な線源分布画像を作成することができる。
本発明の一実施形態に係る放射線検出装置の全体構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る放射線検出装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る放射線検出装置の動作原理を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る放射線検出装置の動作原理を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る放射線検出装置の動作原理を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る放射線検出装置の動作例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る放射線検出装置の動作例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る放射線検出装置の実験結果を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて、説明を適宜省略する。
(放射線検出装置の全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る放射線検出装置1の全体構成を示す図である。本実施形態に係る放射線検出装置1は、いわゆるコンプトンカメラであって、コンプトン散乱を利用して放射線(γ線(ガンマ線))の入射方向を検出し、放射線源が存在する方向の統計的な分布を示す画像(線源分布画像)を作成する。図1に示すように、放射線検出装置1は、処理装置10と、回転盤11と、複数の検出器12と、信号処理装置13を備えている。
処理装置10は、放射線検出装置1の制御、処理全体を司る。処理装置10は、主に、信号処理装置13を介して検出器12からの検出信号を入力し、検出器12からの検出信号に基づいて放射線の入射方向を検出し、複数回分の入射方向の検出結果に基づき。線源分布画像を再構成して表示する。また、処理装置10は、回転盤11の駆動制御を行う。処理装置10は、例えば汎用のコンピュータであってよい。
回転盤11は、駆動機構の一態様であって、鉛直方向(Z方向)に沿う軸線O軸回りに回動可能な盤面110を有する。回転盤11は、図示しないステッピングモータを具備し、処理装置10からの駆動指令に応じて、所望の回転位置となるように回転駆動する。なお、本実施形態において検出器12を移動させる駆動機構は、すべての検出器12を同時に移動させる回転盤11に限らず、任意であって、例えば、複数の検出器12のうち少なくとも1つの検出器12を水平または垂直方向に移動させたり、回転させたり、あるいは2以上の(回転盤等の)回転機構を組み合わせて立体的に各検出器12を全体的にまたは別々に移動させたりする駆動機構であってもよい。
検出器12は、放射線を検出する放射線検出器であって、検出器12に入射した放射線のエネルギーに対応する値を有する検出信号を出力する。図1に示す例では、検出器12は、結晶シンチレータ120とPMT(光電子増倍管)121との組み合わせからなるγ線検出器である。結晶シンチレータ120は、例えば、CsI(Tl)結晶(タリウム活性化ヨウ化セシウム結晶)でありγ線による散乱、吸収に基づいて発光する。PMT121は、結晶シンチレータ120の発光量を検出する。ただし、検出器12の構成は結晶シンチレータとPMTの組み合わせに限定されず、PMTに代えてシリコン光電子増倍管(SiPM)やフォトダイオードを用いたり、結晶シンチレータとPMTの組み合わせをCdTe(テルル化カドミウム)等の光電変換素子に置き換えたりしてもよい。また、結晶シンチレータ120は、CsI(Tl)に限定されず、例えばNaI(Tl)(タリウム活性化ヨウ化ナトリウム)シンチレータ等としてもよい。
信号処置装置13は、複数の検出器12が出力した検出信号を入力し、所定の信号処理を行った後、所定の形式の通信信号に変換し、検出データとして処理装置10に対して出力する。検出信号に対する所定の信号処理は、検出信号がアナログ信号の場合、検出信号の増幅、フィルタリング、A/D変換(アナログ/デジタル変換)等の処理である。検出信号に対する所定の信号処理は、検出信号がデジタル信号の場合、検出信号を出力した検出器12を識別する情報や検出信号が発生した時刻(放射線が入射した時刻)を示す情報を、デジタル信号に付与する処理である。信号処置装置13は、放射線を散乱または吸収した検出器12から検出信号が出力された場合、検出器12の識別符号、検出信号のレベル、および検出時刻を示すデータを検出データとして処理装置10に対して送信する。
なお、放射線検出装置1では、同一の放射線が、1つの検出器12内でコンプトン散乱し、別の検出器12内で光電吸収されるイベント(同時イベントという)が発生した場合に、放射線の入射方向が検出される。ただし、同時イベントにおいて、2つの検出器12に放射線が入射される時間差は短時間である。信号処置装置13は、同一の放射線が、1つの検出器12内でコンプトン散乱し、別の検出器12内で光電吸収されたことを、2つの検出器が出力した各検出信号に基づき、どちらがコンプトン散乱による検出信号でどちらが光電吸収による検出信号であるかを時間差に基づき判別する機能を有していてもよいし、判別する機能を有していなくてもよい。判別する機能を有している場合、信号処置装置13は、例えば、検出器12の識別符号、検出信号のレベル、および検出時刻を示すデータに加えて、どちらの検出器12がコンプトン散乱を検出し、どちらの検出器12が光電吸収を検出したのかを示す検出データを処理装置10に対して送信する。一方、判別する機能を有していない場合、信号処置装置13は、例えば、所定の時間差内で検出信号を出力した2つの検出器12について、各検出器12の識別符号、検出信号のレベル、および検出時刻を示す検出データを処理装置10に対して送信する。なお、信号処置装置13がコンプトン散乱による検出信号でどちらが光電吸収による検出信号を判別する機能を有していない場合、処理装置10では、2つの検出信号のいずれか一方がコンプトン散乱による検出信号で他方が光電吸収による検出信号であることを前提として(例えば両方の場合を考慮して)、統計的処理を行う。
本実施形態では、16個の検出器12が回転盤11上に固定されている。検出器12は、直接盤面110上に、または複数の異なる高さ(Z方向の長さ)を有する発泡スチロールSTを台座にして盤面110上に並べて配置される。各検出器12は、それぞれ隣り合う検出器12との間隔(距離)がほぼ同等となる相対的な位置関係を有して配置されている。ただし、検出器12の個数は16個に限定されず、回転軸Oを含まない平面上に配置された3個以上を含む複数個であればよい。また、図1に示す例では、Z方向の位置が3種類以上であるが、例えば、Z方向の位置を上層と下層の2層となるようにZ方向の位置を2種類としてもよい。
(放射線検出装置の機能構成)
図2は、図1に示す放射線検出装置1の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、放射線検出装置1の処理装置10は、CPU(中央処理装置)100と、メモリ101と、ストレージ102と、ディスプレイ103と、操作受付部104と、接続インタフェース105とを備えている。
メモリ101は、いわゆる主記憶装置であって、CPU100がプログラムに基づいて動作するための命令およびデータが展開される。
ストレージ102は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等であってよい。ストレージ102には、予め取得された各検出器12の基準位置情報などが記録されている。ここで、基準位置情報とは、各検出器12の基準位置(基準となる配置位置)を示す座標情報である。
ディスプレイ103は、情報を視認可能に表示可能な表示デバイスであって、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどであってよい。
操作受付部104は、オペレータ操作を受け付ける入力デバイスであって、例えば、一般的なマウス、キーボード、タッチセンサなどであってよい。
接続インタフェース105は、回転盤11および信号処理装置13との間で通信するための通信インタフェースである。
CPU100は、の動作全体の制御を司るプロセッサである。CPU100は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、駆動指令部1000、配置位置特定処理部1001、画像再構成処理部1002としての機能を発揮する。
駆動指令部1000は、回転盤11を回転駆動させて、その上に配される複数の検出器12を移動させる。すなわち、駆動指令部1000は、駆動機構である回転盤11に対して検出器12の移動を指令する。
配置位置特定処理部1001は、駆動指令部1000が指令した駆動機構である回転盤11の回転角度の変化(駆動内容)に基づき各検出器12の配置位置を特定する。具体的には、配置位置特定処理部1001は、各検出器12の基準位置(例えば盤面110を基準とする3次元座標における各座標値)と、駆動指令に応じた回転盤11の回転移動量とに基づいて、各検出器12の現在の配置位置(例えば回転盤11の接地面を基準とする3次元座標における各座標値)を演算する。
画像再構成処理部1002は、同一の放射線を検出した2つの検出器12の現在の配置位置とその2つの検出器12の各検出信号とに基づき放射線の飛来方向を示すリングパターンを特定し、複数のリングパターンの重ね合わせにより線源分布画像を再構成する。
次に、図3から図5を参照して、図1および図2に示す放射線検出装置1の動作原理について説明する。図3、図4および図5は、図1および図2に示す放射線検出装置1の動作原理を説明するための模式図である。図3~図5では、説明を簡単化するため、図1に示す盤面110に対応する盤面110aに、図1に示す検出器12に対応する3個の検出器12a、12bおよび12cを配置している。
図3は、検出器12aにおいて放射線のコンプトン散乱にともなうエネルギーEが検出され、検出器12bにおいて放射線の光電吸収にともなうエネルギーEが検出された場合を示す。この場合、放射線の線源(この例では放射線源が線源21であるとする。)は、検出器12bから検出器12aへ向かうベクトルを中心軸30aとして散乱角θで決まる円錐面上(コンプトンコーン上)に線源が位置していることになる。例えば所定の投影面(例えば天球面)20では、円錐面がリングパターン(円環)32aとして投影される。なお、散乱角θは以下に示すコンプトン散乱の式で求まる。
Figure 0007014423000001
ここで、mは電子の静止質量、cは光速である。
また、図4は、検出器12aにおいて放射線のコンプトン散乱にともなうエネルギーEが検出され、検出器12cにおいて放射線の光電吸収にともなうエネルギーEが検出された場合を示す。この場合、放射線の線源は、検出器12cから検出器12aへ向かうベクトルを中心軸30bとして散乱角θで決まる円錐面上に線源が位置していることになる。投影面20では、円錐面がリングパターン32bとして投影される。図4に示す例では、リングパターン32aとリングパターン32bが重なっている位置に線源が位置している確率が高くなる。
次に、図5は、盤面110aを、図3および図4に示す位置から左回りに回転角の分だけ回転させた場合に、検出器12aにおいて放射線のコンプトン散乱にともなうエネルギーEが検出され、検出器12bにおいて放射線の光電吸収にともなうエネルギーEが検出された場合を示す。この場合、放射線の線源は、検出器12bから検出器12aへ向かうベクトルを中心軸30cとして散乱角θで決まる円錐面上に線源が位置していることになる。投影面20では、円錐面がリングパターン32cとして投影される。図5に示す例では、リングパターン32aとリングパターン32bとリングパターン32cが重なっている位置に線源が位置している確率が高くなる。また、図5に示す配置では、検出器12cにおいて放射線のコンプトン散乱にともなうエネルギーEが検出され、検出器12bにおいて放射線の光電吸収にともなうエネルギーEが検出された場合、リングパターン32dが投影面20に投影される。このように、3個の検出器12a~12cの配置位置を移動させた場合、見かけ上、検出器の個数が3個から6個に増加したことになり、投影されるリングパターンの個数が増加することになる。この場合、リングパターンの重なり度合いを数値化した場合、線源21に近い部分のピークがよりシャープになり、ピーク以外はフラットになる。
画像再構成処理部1002は、図5に示すような放射線の飛来方向を示すリングパターン32a~32dの重ね合わせにより線源分布画像を再構成する。すなわち、画像再構成処理部1002は、所定の投影面20上で各方向において線源が存在する確率の度合いを示す画像である線源分布画像を形成することができる。
図3~図5を参照して説明したようにして本実施形態の放射線検出装置1は、複数の検出器12を移動させながら放射線を検出することで、見かけ上、検出器12の個数を増加させることができ、移動させない場合と比較してより精度良く放射線の入射方向(線源の位置)を検出することができる。
なお、リングパターン30a~30dの太さ(幅)は、放射線検出装置1における検出の角度の分解能に対応する。角度の分解能は、検出部(結晶シンチレータ120等)の大きさが大きくなるほど、または隣接する検出器12間の距離が小さくなるほど低下する(検出誤差が大きくなる)。また、結晶シンチレータ120の大きさが一定で、隣接する検出器12間の距離が一定である場合には角度の分解能は一定であるが、隣接する検出器12間の距離を変化させた場合、角度の分解能も変化する。図1に示す例では、回転盤11は、複数の検出器12の相対的な位置関係を固定したまま、複数の検出器12を回転させる(移動させる)。したがって、検出器12を移動させた場合に角度の分解能を一定の条件に保持することができる。
次に、図6を参照して、図1に示す駆動指令部1000の動作例について説明する。図6は、図1に示す駆動指令部1000の動作例を示すフローチャートであり、図6に示す処理は放射線検出装置1が放射線の検出を始めるときに開始される。
図6に示す処理が開始されると、まず、駆動指令部1000は、回転盤11に所定の指令を出力し、回転盤11の回転位置を初期回転角度に制御する(ステップS101)。次に、駆動指令部1000は、変数「回転角」を「0°」に初期化する(ステップS102)。次に、駆動指令部1000は、変数「回転角」の値を所定のファイルに記憶する(ステップS103)。次に、駆動指令部1000は、配置位置特定処理部1001と画像再構成処理部1002に対して、検出の開始を指示する(ステップS104)。
次に、駆動指令部1000は、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS105)。ステップS105で判断される所定時間は、回転盤11の各移動位置で放射線を検出する時間である。所定の時間は、検出器12の感度や線源の線量の大きさ等に応じて設定することができる。
所定の時間が経過した場合(ステップS105でYESの場合)、駆動指令部1000は、変数「回転角」が「90°」未満であるか否かを判断する(ステップS106)。変数「回転角」が「90°」未満でない場合(ステップS106でNOの場合)、駆動指令部1000は、配置位置特定処理部1001と画像再構成処理部1002に対して、検出の終了を指示して(ステップS112)、図6に示す処理を終了する。
一方、変数「回転角」が「90°」未満である場合(ステップS106でYESの場合)、駆動指令部1000は、変数「回転角」を所定量だけ増分する(ステップS107)。ステップS107において駆動指令部1000は変数「回転角」を例えば「1°」ずつ増分する。次に駆動指令部1000は、回転中であることを所定のファイルに記憶する(ステップS108)。次に駆動指令部1000は、回転盤11の回転位置を変数「回転角」に制御する(ステップS109)。次に駆動指令部1000は、変数「回転角」の値を所定のファイルに記憶する(更新する)(ステップS110)。次に駆動指令部1000は、回転中ではないことを所定のファイルに記憶する(ステップS111)。次に駆動指令部1000は、ステップS105へ戻り、所定時間が経過する前で待機し、以降、上記同様に、ステップS106以降の処理を実行する。
以上のようにして、駆動指令部1000は、所定時間おきに回転盤11を所定角度ずつ回転させる。
次に、図7を参照して、図1に示す配置位置特定処理部1001と画像再構成処理部1002の動作例について説明する。図7は、図1に示す配置位置特定処理部1001と画像再構成処理部1002の動作例を示すフローチャートであり、図7に示す処理は放射線検出装置1が放射線の検出を始めるときに開始される。
図7に示す処理が開始されると、画像再構成処理部1002(あるいは配置位置特定処理部1001)は、駆動指令部1000から検出の開始が指示されるまで待機する(ステップS201)。次に画像再構成処理部1002は、信号処理装置13から検出データを受信するまで待機する(ステップS202)。信号処理装置13から検出データを受信した場合(ステップS202でYESの場合)、画像再構成処理部1002は受信した検出データが同時イベントであるか否かを判断する(ステップS203)。ステップS203において、画像再構成処理部1002は、例えば、検出データに同時イベントである旨の情報が含まれていた場合、あるいは、受信したデータに続いて時刻情報が所定の時間差内の検出データを受信した場合、受信した検出データが同時イベントであると判断する。次に画像再構成処理部1002は所定のファイルを読み込み、回転盤11が回転中であるか否かを判断する(ステップS204)。
同時イベントでない場合(ステップS203でNOの場合)、または、回転中である場合(ステップS204でYESの場合)、画像再構成処理部1002は、受信した検出データを処理の対象から除外して新たな検出データを受信するまで待機する(ステップS202)。
一方、回転中でない場合(ステップS204でNOの場合)、画像再構成処理部1002は、所定のファイルから変数「回転角」の値を読み込む(ステップS205)。次に画像再構成処理部1002は、同時イベントが発生した2個の検出器12の検出値に基づき散乱角θを算出する(ステップS206)。
次に、配置位置特定処理部1001が、変数「回転角」と2個の検出器12の配置座標に基づきコンプトンコーンの中心軸ベクトルを特定する(ステップS207)。
次に 画像再構成処理部1002が、特定された中心軸ベクトルと散乱角θに基づいてリングパターンを特定し、複数のリングパターンの重ね合わせにより線源分布画像を再構成し、ディスプレイ103に表示する(ステップS209)。
画像再構成処理部1002は、駆動指令部1000から検出の終了が指示されるまでステップS202以降の処理を繰り返し実行し、駆動指令部1000から検出の終了が指示された場合(ステップS209でYESの場合)、図7に示す処理を終了する。
なお、図6および図7を参照して上述した動作例では、変数「回転角」の値と回転中であることを示す情報を、所定のファイルを介して駆動指令部1000と配置位置特定処理部1001や画像再構成処理部1002の間で受け渡しているが、例えば、共有メモリ上に変数を用意しておき、共有メモリ上の変数を用いて受け渡してもよい。
次に、図8を参照して、本実施形態の放射線検出装置1による実験結果について説明する。図8(a)および(b)は本実施形態の放射線検出装置1において回転盤11を回転させずに放射線を検出した結果を示す。図8(c)および(d)は本実施形態の放射線検出装置1において回転盤11を回転させながら放射線を検出した結果を示す。図8(a)および(c)は、エイトフ(Aitoff)図法を用いて作成した線源分布画像であり、図8(b)および(d)は、線源分布画像を3次元プロットしたものである。図8(c)および(d)に示す本実施形態において回転盤11を回転させて作成した線源分布画像では、図8(a)および(b)に示す回転盤11を回転させずに作成した線源分布画像が含むゴーストが低減されていることが分かる。なお、図8に示す実験結果は、3.5cm角の結晶シンチレータを約10cm間隔で配置し、回転軸Oと垂直の方向に1個の線源を置き、回転盤11を6秒おきに1°ずつ回転させながら放射線を検出したものである。
以上のように、本実施形態の放射線検出装置1は、放射線を検出する複数の検出器12と、少なくとも1つの検出器12を移動させる回転盤11(駆動機構)と、処理装置10とを備える。そして、処理装置10は、回転盤11に対して検出器12の移動を指令する駆動指令部1000と、回転盤11の駆動内容に基づき複数の検出器12の配置位置を特定する配置位置特定処理部1002と、同一の放射線を検出した2つの検出器12の配置位置と当該2つの検出器12の各検出信号とに基づき放射線の飛来方向を示すリングパターンを特定し、複数のリングパターンの重ね合わせにより線源分布画像を再構成する画像再構成処理部1003とを備える。したがって、本実施形態によれば、少ない個数の検出器12でゴーストの少ない線源分布画像を再構成することができ、よって、放射線検出装置1の製造コストの増加を抑制しながらも、高品質な線源分布画像を作成することができる。
すなわち、本実施形態によれば、放射線の検出中において検出器12の配置位置を移動させることができる。そうすると、見かけ上、検出器12の数が増加するため、対応するリングパターンの数も増加する。したがって、ゴーストが低減された再構成画像を得ることができる。
なお、本実施形態の放射線検出装置1は、例えば以下のように用いることができる。すなわち、1つ目としては、放射能汚染箇所、および放射化物質を可視化・同定するための環境放射線可視化装置(放射線環境モニター)としての使用である。具体的には、病院や加速器施設における放射線管理区域内にて放射線モニタリングを行っている放射線管理システムへの新規導入が考えられる。これまでの放射線モニタリングシステムは、施設内の複数個所に設置された電離箱等の放射線検出器(エリアモニター)による検出器位置での空間線量の定点測定にとどまっていたが、本実施形態により施設内での可視化による放射線モニタリングが実用化のレベルに達すると期待できる。また、福島原発事故により東日本全体に飛散した放射性セシウムを屋外で可視化するシステムへの応用が期待される。更に、放射性物質の運搬に関わるテロ対策を目的として、空港などへ設置することによるセキュリティー強化への応用も考えられる。
次に、もう1つの使い方としては、患者体内における放射性物質の集積箇所を可視化するための次世代核医学診断装置への応用である。現在、いくつかのタイプの核医学診断用コンプトンカメラが研究レベルで提案されているが、本実施形態を導入することで、実用化が大きく前進すると期待される。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して説明してきたが、具体的な構成は上記実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。また、CPU100が実行するプログラムの一部または全部は、コンピュータ読取可能な記録媒体や通信回線を介して頒布することができる。
1 放射線検出装置
10 処理装置
11 回転盤
12 検出器
13 信号処理装置
120 結晶シンチレータ
121 PMT
1000 駆動指令部
1001 配置位置特定処理部
1002 画像再構成処理部

Claims (5)

  1. 放射線を検出する複数の検出器と、
    少なくとも1つの前記検出器を移動させる駆動機構と、
    処理装置と、
    を備え、
    前記処理装置は、
    前記駆動機構に対して前記検出器の移動を指令する駆動指令部と、
    前記駆動機構の駆動内容に基づき複数の前記検出器の配置位置を特定する配置位置特定処理部と、
    同一の放射線を検出した2つの前記検出器の前記配置位置と当該2つの前記検出器の各検出信号とに基づき放射線の飛来方向を示すリングパターンを特定し、複数の前記リングパターンの重ね合わせにより線源分布画像を再構成する画像再構成処理部と、
    を備え、
    前記駆動機構は、所定の回転軸回りに回転する回転盤である、
    放射線検出装置。
  2. 放射線を検出する複数の検出器と、
    少なくとも1つの前記検出器を移動させる駆動機構と、
    処理装置と、
    を備え、
    前記処理装置は、
    前記駆動機構に対して前記検出器の移動を指令する駆動指令部と、
    前記駆動機構の駆動内容に基づき複数の前記検出器の配置位置を特定する配置位置特定処理部と、
    同一の放射線を検出した2つの前記検出器の前記配置位置と当該2つの前記検出器の各検出信号とに基づき放射線の飛来方向を示すリングパターンを特定し、複数の前記リングパターンの重ね合わせにより線源分布画像を再構成する画像再構成処理部と、
    を備え、
    前記駆動機構は、所定の回転軸回りに回転する回転盤を複数有する、
    放射線検出装置。
  3. 前記駆動機構は、
    複数の前記検出器の相対的な位置関係を固定したまま、複数の前記検出器を移動させる
    請求項1または請求項2に記載の放射線検出装置。
  4. 放射線を検出する複数の検出器と、少なくとも1つの前記検出器を移動させる駆動機構と、を備え、前記駆動機構は、所定の回転軸回りに回転する回転盤である、放射線検出装置を用いた放射線検出方法であって、
    複数の前記検出器の少なくとも1つを移動させるステップと、
    複数の前記検出器の配置位置を特定するステップと、
    同一の放射線を検出した2つの前記検出器の前記配置位置と当該2つの前記検出器の各検出信号とに基づき放射線の飛来方向を示すリングパターンを特定し、複数の前記リングパターンの重ね合わせにより線源分布画像を再構成するステップと、
    を有する
    放射線検出方法。
  5. 放射線を検出する複数の検出器と、少なくとも1つの前記検出器を移動させる駆動機構と、を備え、前記駆動機構は、所定の回転軸回りに回転する回転盤である、放射線検出装置のコンピュータに、
    複数の前記検出器の少なくとも1つを移動させるステップと、
    複数の前記検出器の配置位置を特定するステップと、
    同一の放射線を検出した2つの前記検出器の前記配置位置と当該2つの前記検出器の各検出信号とに基づき放射線の飛来方向を示すリングパターンを特定し、複数の前記リングパターンの重ね合わせにより線源分布画像を再構成するステップと、
    を実行させるプログラム。
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