JP2009098120A - 撮像装置および光源位置算出方法 - Google Patents

撮像装置および光源位置算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定した弁別能力を確保することができる撮像装置および光源位置算出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】光子検出器によって実際に得られた光源に関する分布に基づいて、減衰時間が互いに異なる各々のシンチレータ群ごとに光源に関する分布関数としてガウス(Gauss)関数からなるFitting関数f(x)、g(x)をそれぞれ求め、それぞれ求められたFitting関数f(x)、g(x)における各々の計数ピークa,aがともにn分の一となる位置を弁別パラメータkとして求めるので、安定した弁別能力を確保することができる。
【選択図】図7

Description

この発明は、減衰時間が互いに異なる検出素子を複数組み合わせて構成された検出器を備えた撮像装置および光源位置算出方法に係り、特に、検出素子によって変換された光の発生源である光源の位置を弁別するための弁別物理量を求めることで光源位置を求めて撮像を行う技術に関する。
撮像装置として、核医学診断装置、すなわちECT(Emission Computed Tomography)装置を例に採るとともに、核医学診断装置として、PET(Positron Emission Tomography)装置を例に採って説明する。また、相互作用を起こした深さ方向の光源位置(DOI: Depth of Interaction)を弁別するためのDOI検出器を有する装置として、DOI−PET装置を例に採って説明する(例えば、特許文献1−3、非特許文献1−4参照)。PET装置は、陽電子(Positron)、すなわちポジトロンの消滅によって発生する複数本の光子を検出して複数個の検出器で光子を同時に検出したときのみ被検体の断層画像を再構成するように構成されている。
具体的には、陽電子放出核種を含んだ放射性薬剤を被検体内に投与して、投与された被検体内から放出される511KeVの対消滅光子を多数の検出素子(例えばシンチレータ)群からなる検出器で検出する。そして、2つの検出器で一定時間内に光子を検出した場合に同時に検出したとして、それを一対の対消滅光子として計数し、さらに対消滅発生地点を、検出した検出器対の直線上と特定する。このような同時計数情報を蓄積して再構成処理を行って、陽電子放出核種分布画像(すなわち断層画像)を得る。
このように、検出器の位置情報から光源の情報を求めて、その情報から画像を得て撮像を行う装置では、検出器の詳細な位置情報を得ることで画像の質を向上させている。例えば、上述した特許文献3のように平面方向の検出器には検出器を細分化したマルチアノードの光電子増倍管(PMT: Photo Multiplier Tube)を使用する手法、上述した特許文献2のようにシンチレータと光電子増倍管との間に介在するライトガイドに埋め込まれた光反射材あるいは光遮蔽材からなる区画壁の深さ方向を調整する手法、上述した非特許文献1のように検出素子を深さ方向に多層化する手法、上述したように深さ方向に多層化して、さらに上述した特許文献1や非特許文献2のように深さ方向に減衰時間が互いに異なる検出素子を複数組み合わせて検出器を構成する手法などがある。
その他にも、上述した特許文献4のようにDOI検出器において深さ方向の各層の波形を求める波形弁別法がある。
特開2000−56023号公報 特開2004−245592号公報 特表2006−522925号公報 稲玉 直子、"第4章 DOI測定装置"、[online]、独立行政法人 放射線医学総合研究所(National Institute of Radiological Sciences)、インターネット< URL : http://www.nirs.go.jp/usr/medical-imaging/ja/study/nextgeneration-pet2000/ninadama.html> 田中栄一(浜松ホトニクス、元放医研)、菅野 巌(秋田脳研)、"MIT Virtual Museum PET text14"、[online]、ACADEMIA、インターネット< URL : http://www.ricoh.co.jp/net-messena/ACADEMIA/JAMIT/MITVM/PET/TANAKA04/text14.html> A GSO depth of interaction detector for PET: IEEE Trans. Nucl. Sci., 45: 1078-1082, 1998. S. Yamamoto and H. Ishibashi, A GSO depth of interaction detector for PET, IEEE Trans. Nucl. Sci., 45:1078-1082, 1998. 、[online] 、インターネット< URL : http://ieeexplore.ieee.org/xpl/freeabs_all.jsp?arnumber=681982>
しかしながら、このような従来例の場合には、次のような問題がある。上述した特許文献1のように減衰時間が互いに異なる検出素子を複数組み合わせて構成された検出器を有し、波形を表す出力に対して弁別パラメータを用いてDOI判定を行う場合において、その弁別パラメータの精度はDOI精度に大きく寄与する。一般に、各検出器からの波形を表す出力には、検出素子(シンチレータ)に依存する出力、ノイズ成分などによる出力、検出器周辺にある論理回路やそれらが搭載された基板などによって発生する出力など多数の成分を持っている。これらの成分によって弁別パラメータは変化する場合がある。
また、入射される消滅光子の多層化された各層での相互作用する割合が数倍以上に異なっていた場合には、相互作用する割合の少ない層の波形を表す出力は、相互作用する割合の多い層の波形を表す出力に引きずられて、弁別パラメータが変化、またはその算出精度が落ちる場合がある。さらに、同種の検出素子でも、その出力には個々の検出器(特に検出器の作成精度)に依存するので、検出器毎に弁別パラメータを決定する必要、または検出器系の経年変化に伴って定期的な弁別パラメータの調整が必要である。
このように、様々な要因によって変動する弁別パラメータであるが、仮にそれをある程度に適当な値で設定したとしても、相互作用を起こさないNon-DOI検出器と比較するとDOI検出器の位置分解能は得られる。しかし、弁別パラメータをある程度に適当な値で設定した場合には、DOIの性能を十分に引き出すことができない。また、自己放射能を持つ結晶素子(例えばLuを含むGSO)を用いた場合には、Back Groundによる出力が弁別パラメータの算出を極めて困難にしている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、安定した弁別能力を確保することができる撮像装置および光源位置算出方法を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、入射された放射線を光に変換することで放射線を検出するように構成され、かつ減衰時間が互いに異なる検出素子を複数組み合わせて構成された検出器を備え、前記検出素子によって変換された光の発生源である光源の位置を弁別するための弁別物理量を求めることで光源位置を求めて撮像を行う撮像装置であって、前記装置は、 (A)前記検出器によって実際に得られた光源に関する分布に基づいて、前記減衰時間が互いに異なる各々の検出素子ごとに光源に関する分布関数をそれぞれ求め、(B)それぞれ求められた前記分布関数に基づいて前記弁別物理量を求める前記(A),(B)の演算処理を行う演算手段を備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、入射された放射線を光に変換することで放射線を検出するように構成され、かつ減衰時間が互いに異なる検出素子を複数組み合わせて構成された検出器を有している場合において、下記(A),(B)の演算処理を行う演算手段を備えている。すなわち、(A) 検出器によって実際に得られた光源に関する分布に基づいて、減衰時間が互いに異なる各々の検出素子ごとに光源に関する分布関数をそれぞれ求め、(B)それぞれ求められた分布関数に基づいて弁別物理量を求める。複数の成分からなる波形を表す出力を、複数の成分で表現できる分布関数で設定して、実際に得られた光源に関する分布に基づいて、減衰時間が互いに異なる各々の検出素子ごとに分布関数を求めて、それぞれ求められた分布関数に基づいて弁別物理量を求めるので、波形を表す出力の波形分布に柔軟に対応し、波形を表す出力の各成分比やピークに依存しない弁別物理量を得ることができる。その結果、安定した弁別能力を確保することができる。その結果、撮像においても安定した撮像能力を確保することができる。
また、請求項2に記載の発明は、入射された放射線を光に変換することで放射線を検出するように構成され、かつ減衰時間が互いに異なる検出素子を複数組み合わせて構成された検出器を有している場合において、前記検出素子によって変換された光の発生源である光源の位置を弁別するための弁別物理量を求めることで光源位置を算出する方法であって、(A)前記検出器によって実際に得られた光源に関する分布に基づいて、前記減衰時間が互いに異なる各々の検出素子ごとに光源に関する分布関数をそれぞれ求め、(B)それぞれ求められた前記分布関数に基づいて前記弁別物理量を求めることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項2に記載の発明によれば、入射された放射線を光に変換することで放射線を検出するように構成され、かつ減衰時間が互いに異なる検出素子を複数組み合わせて構成された検出器を有している場合において、(A) 検出器によって実際に得られた光源に関する分布に基づいて、減衰時間が互いに異なる各々の検出素子ごとに光源に関する分布関数をそれぞれ求め、(B)それぞれ求められた分布関数に基づいて弁別物理量を求めるので、安定した弁別能力を確保することができる。
上述した発明において、(C)上述した(B)で求められるべき弁別物理量が適切であるか否かを判定するのが好ましい(請求項3に記載の発明)。具体的な判定手法の例としては以下のようなものである。すなわち、(C)での判定では、検出器によって光に変換されるときに計数される放射線の計数が所定範囲にあれば弁別物理量が適切であるとし、上述した所定範囲になければ弁別物理量が適切でないとする(請求項4に記載の発明)。また、(C)での判定では、上述した(A)でそれぞれ求められた分布関数における各々の計数ピーク位置の間に弁別物理量が存在すれば弁別物理量が適切であるとし、上述した各々の計数ピーク位置の間に弁別物理量が存在しなければ弁別物理量が適切でないとする(請求項5に記載の発明)。このように適切であるか否かを判定することで、全算出結果を目視にて確認する必要でなく、適切でない弁別物理量のみを調整するだけでよく、手間を大幅に省くことができる。
また、(D)上述した(C)での判定結果を出力するのがより好ましい(請求項6に記載の発明)。判定結果を出力することで、多数(例えば数万個)の弁別物理量についての判定結果の閲覧に供することができる。出力の形態は、モニタに代表される表示手段に表示出力する形態であってもよいし、プリンタに代表される印刷手段に印刷出力する形態であってもよい。
また、(E)上述した(C)での判定で弁別物理量が適切でないと判定された場合には、その弁別物理量を調整するのがより好ましい(請求項7に記載の発明)。弁別物理量を調整することで、より一層安定した弁別性能を確保することができる。また、請求項6に記載の発明のように(D)上述した(C)での判定結果を出力し、さらに、その判定結果の出力に基づいて上述した(E)での調整を行うのがより好ましい(請求項8に記載の発明)。判定結果を出力することで、多数の弁別物理量についての判定結果の閲覧に供することができ、その判定結果の出力に基づいて(E)での調整を行いやすくすることができる。
上述したこれらの発明において、(F)上述した(B)での算出では、上述した(A)でそれぞれ求められた分布関数における各々の計数ピークの所定割合となる位置を弁別物理量としてもよいし(請求項9に記載の発明)、(F´)上述した(B)での算出では、上述した(A)でそれぞれ求められた分布関数が互いに交わる交点を弁別物理量としてもよい(請求項10に記載の発明)が、前者の発明(請求項9に記載の発明)の方が弁別物理量をより正確に求める上で好ましい。すなわち、後者の発明(請求項10に記載の発明)の場合には、各分布関数が互いに同程度でなく、一方が極端に大きく他方が極端に小さいと弁別物理量が正確に求められない恐れがあるが、前者の発明の場合には、各分布関数が互いに同程度でなく、一方が極端に大きく他方が極端に小さかったとしても、各々の計数ピークの所定割合となる位置を弁別物理量とすることで、弁別物理量をより正確に求めることができる。要約すると、前者の発明の場合には、各々の分布関数の統計差が影響しないので、結晶の組み合わせやその結晶長の組み合わせなどに対して柔軟に対応することができるとともに、弁別物理量を求めることができる。
上述したこれらの(F)、(F´)以外に、(F´´)上述した(B)での算出では、上述した(A)でそれぞれ求められた分布関数の面積比を表す計数比が、予め求められた検出器の構造に依存した計数比と等しくなる位置を弁別物理量としてもよい(請求項11に記載の発明)。上述したこれらの(F)、(F´)と比較すると、(F´´)では演算時間の短縮、分布関数の統計依存性の低減が可能になる。
上述したこれらの発明において、上述した(A)での算出に用いられる検出器によって実際に得られた光源に関する分布は、放射線源を使用して得られたデータから放射線源を使用せずに得られたデータを除いたデータであるのが好ましい(請求項12に記載の発明)。放射線源を使用して得られたデータから放射線源を使用せずに得られたデータを除いたデータ、すなわちBack Groundを除いたデータを(A)での算出に用いることで、弁別物理量を容易に算出することができる。
上述したこれらの発明において、上述した分布関数の横軸は光の減衰を表す減衰物理量であり、縦軸は放射線の計数値である(請求項13に記載の発明)。なお、これに限定されずに、例えば、横軸を検出位置として、縦軸を放射線の計数値とした分布関数でもよく、分布を表す関数であれば特に限定されない。
この発明に係る撮像装置および光源位置算出方法によれば、入射された放射線を光に変換することで放射線を検出するように構成され、かつ減衰時間が互いに異なる検出素子を複数組み合わせて構成された検出器を有している場合において、(A) 検出器によって実際に得られた光源に関する分布に基づいて、減衰時間が互いに異なる各々の検出素子ごとに光源に関する分布関数をそれぞれ求め、(B)それぞれ求められた分布関数に基づいて弁別物理量を求めるので、安定した弁別能力を確保することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、各実施例に係るPET(Positron Emission Tomography)装置の側面図およびブロック図である。なお、後述する実施例2も含めて、本実施例1では、撮像装置として、核医学診断装置を例に採って説明するとともに、核医学診断装置として、PET装置を例に採って説明する。
後述する実施例2も含めて、本実施例1に係るPET装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1を備えている。この天板1は、上下に昇降移動、被検体Mの体軸Zに沿って平行移動するように構成されている。このように構成することで、天板1に載置された被検体Mは、後述するガントリ2の開口部2aを通って、頭部から順に腹部、足部へと走査されて、被検体Mの投影データや断層画像といった診断データを得る。
天板1の他に、本実施例1に係るPET装置は、開口部2aを有したガントリ2と、投影データ(『エミッションデータ』とも呼ばれる)用の光子検出器3とを備えている。光子検出器3は、被検体Mの体軸Z周りを取り囲むようにしてリング状に配置されており、ガントリ2内に埋設されている。本実施例1の光子検出器3は、後述するシンチレータブロック3aや光電子増倍管3cなどで構成されている(図2を参照)。
また、本実施例1では、点線源4と後述する吸収補正データ(『トランスミッションデータ』とも呼ばれる)用の光子検出器5を備えている。吸収補正データ用の光子検出器5は、投影データ用の光子検出器3と同様にシンチレータブロックや光電子増倍管などで構成されている。点線源4は、被検体Mに投与する放射性薬剤、すなわち放射性同位元素(RI)と同種の放射線(本実施例1ではγ線)を照射させる線源であって、被検体Mの外部に配設されている。本実施例1では、ガントリ2内に埋設されている。点線源4は被検体Mの体軸Z周りに回転する。
その他にも、本実施例1に係るPET装置は、天板駆動部6とコントローラ7と入力部8と出力部9と投影データ導出部10と吸収補正データ導出部11と吸収補正部12と再構成部13とメモリ部14と弁別パラメータ導出部15とを備えている。天板駆動部6は、天板1の上述した移動を行うように駆動する機構であって、図示を省略するモータなどで構成されている。
コントローラ7は、本実施例1に係るPET装置を構成する各部分を統括制御する。コントローラ7は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。
入力部8は、オペレータが入力したデータや命令をコントローラ7に送り込む。入力部8は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。出力部9はモニタなどに代表される表示部やプリンタなどで構成されている。
メモリ部14は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体で構成されている。本実施例1では、投影データ導出部10や再構成部13で処理された診断データや、吸収補正データ導出部11で求められた吸収補正データや、弁別パラメータ導出部15で求められた後述するFitting関数や弁別パラメータなどについてはRAMに書き込んで記憶し、必要に応じてRAMから読み出す。ROMには、各種の核医学診断を含めて撮像を行うためのプログラム等を予め記憶しており、そのプログラムをコントローラ7が実行することでそのプログラムに応じた核医学診断を含む撮像をそれぞれ行う。
投影データ導出部10と吸収補正データ導出部11と吸収補正部12と再構成部13と弁別パラメータ導出部15とは、例えば上述したメモリ部14などに代表される記憶媒体のROMに記憶されたプログラムあるいは入力部8などに代表されるポインティングデバイスで入力された命令をコントローラ7が実行することで実現される。
放射性薬剤が投与された被検体Mから発生した光子をシンチレータブロック3a(図2を参照)が光に変換して、変換されたその光を光電子増倍管3c(図2を参照)が光電変換して電気信号に出力する。その電気信号を画像情報(画素)として、弁別パラメータ導出部15を介して投影データ導出部10に送り込む。
具体的には、被検体Mに放射性薬剤を投与すると、ポジトロン放出型のRIのポジトロンが消滅することにより、2本の光子が発生する。投影データ導出部10は、シンチレータブロック3a(図2を参照)の位置と光子の入射タイミングとをチェックし、被検体Mを挟んで互いに対向位置にある2つのシンチレータブロック3aで光子が同時に入射したときのみ、送り込まれた画像情報を適正なデータと判定する。一方のシンチレータブロック3aのみに光子が入射したときには、投影データ導出部10は、ポジトロンの消滅により生じた光子ではなくノイズとして扱い、そのときに送り込まれた画像情報もノイズと判定してそれを棄却する。なお、シンチレータブロック3aでの入射位置を求めることで、対消滅発生地点を通り、シンチレータブロック3aでの入射位置を通る検出器対の直線を正確に求めることができるが、このシンチレータブロック3aでの入射位置、すなわち入射位置に関する弁別パラメータについては、弁別パラメータ導出部15で詳しく後述する。
投影データ導出部10に送り込まれた画像情報を投影データとして、吸収補正部12に送り込む。吸収補正部12に送り込まれた投影データに、吸収補正データ導出部11から吸収補正部12に送り込まれた吸収補正データ(トランスミッションデータ)を作用させて、被検体Mの体内での光子の吸収を考慮した投影データに補正する。
なお、点線源4が被検体Mの体軸Zの周りを回転しながら被検体Mに向けて光子を照射し、照射された光子を吸収補正データ用の光子検出器5のシンチレータブロック(図示省略)が光に変換して、変換されたその光を光子検出器5の光電子増倍管(図示省略)が光電変換して電気信号に出力する。その電気信号を画像情報(画素)として吸収補正データ導出部11に送り込む。
吸収補正データ導出部11に送り込まれた画像情報に基づいて吸収補正データを求める。吸収補正データ導出部11は、光子またはX線の吸収係数とエネルギーとの関係を表す演算を利用することで、CT用の投影データ、すなわちX線吸収係数の分布データを光子吸収係数の分布データに変換して、光子吸収係数の分布データを吸収補正データとして求める。導出された吸収補正データは上述した吸収補正部12に送られる。
補正後の投影データを再構成部13に送り込む。再構成部13がその投影データを再構成して、被検体Mの体内での光子の吸収を考慮した断層画像を求める。このように、吸収補正部12、再構成部13を備えることで、吸収補正データに基づいて投影データを補正するとともに、断層画像を補正する。補正された断層画像を、コントローラ7を介して出力部9やメモリ部14などに送り込む。
次に、本実施例1に係る投影データ用の光子検出器3や吸収補正データ用の光子検出器5の具体的な構成について、図2を参照して説明する。図2は、光子検出器の具体的構成の概略図である。図2では、投影データ用の光子検出器3を図示しているが、吸収補正データ用の光子検出器5も同様である。
光子検出器3は、深さ方向に減衰時間が互いに異なる検出素子であるシンチレータを複数組み合わせて構成されたシンチレータブロック3aと、シンチレータブロック3aに光学的に結合されたライトガイド3bと、ライトガイド3bに光学的に結合された光電子増倍管3cとを備えて構成されている。シンチレータブロック3a中の各シンチレータは、入射された光子によって発光して光に変換することで光子を検出する。光子検出器3は、この発明における検出器に相当する。
本実施例1では、深さ方向(図2ではr)に減衰時間が互いに異なるシンチレータ群を2つ組み合わせて構成しており、深さ方向に対して入射側から順にシンチレータ群A,シンチレータ群Bとする。このように、深さ方向に減衰時間が互いに異なる検出素子であるシンチレータを複数(図2では2つ)組み合わせて構成することで、深さ方向の光源位置を弁別する。また、本実施例1では、深さ方向に直交する平面に対してシンチレータを複数個組み合わせて構成しており、深さ方向に直交する平面に対しても光源位置を弁別する。後述するBack Groundを除くために自己放射能を持つ結晶素子(例えばLuを含むGSO)を光子検出器3のシンチレータとして使用するのが好ましい。
ライトガイド3bは、シンチレータブロック3aによって変換された光を光電子増倍管3cに案内する。光電子増倍管3cは、ライトガイド3bで案内された光を光電変換して電気信号に出力して、弁別パラメータ導出部15(図1を参照)に送り込む。
次に、弁別パラメータ導出部15およびそれに関する光源位置算出方法について、図3〜図9を参照して説明する。図3は、実施例1に係る光源位置算出方法を含んだ一連の撮像の流れを示すフローチャートであり、図4は、実施例1に係る一連の光源位置算出方法の流れを示すフローチャートであり、図5は、減衰時間が互いに異なる場合の光量の時間変化(波形を表す出力)を模式的にそれぞれ示したグラフであり、減衰率を求めるためのグラフであり、図6は、横軸を減衰率として、縦軸を光子の計数値とした実際のデータおよび各関数を示したグラフであり、図7は、2つのガウス関数(Fitting関数)を構成するパラメータと弁別パラメータとの関係を模式的に示したグラフであり、図8は、表示出力態様の一例を模式的に示した図であり、図9は、表示出力態様の一例および弁別パラメータの調整を模式的に示した図である。
弁別パラメータ導出部15(図1を参照)は、(A)光子検出器3によって実際に得られた光源に関する分布に基づいて、減衰時間が互いに異なる各々のシンチレータ群A,Bごとに光源に関する分布関数としてガウス(Gauss)関数からなるFitting関数をそれぞれ求め、(B)それぞれ求められたFitting関数に基づいて弁別パラメータを求める。Fitting関数は、この発明における光源に関する分布関数に相当し、弁別パラメータは、この発明における弁別物理量に相当し、弁別パラメータ導出部15は、この発明における演算手段に相当する。
(ステップS1)放射性薬剤(放射線源)を使用して収集
先ず、被検体Mに放射性薬剤を投与して、投与された被検体内から放出される光子を光子検出器3で検出する。光子を光子検出器3で検出することで放射線源を使用してデータを収集する。なお、光子検出器3のシンチレータには、自己放射能を持つ結晶素子(例えばLuを含むGSO)を使用している。
(ステップS2)放射性薬剤(放射線源)を使用せずに収集
次に、放射性薬剤を使用せずに、その自己放射能を持つ結晶素子から発生した光子を光子検出器3自身が検出する。自己放射能を持つ結晶素子から発生した光子を光子検出器3自身で検出することで放射線源を使用せずにデータを収集する。
(ステップS3)Back Groundを除く
ステップS1で放射線源を使用して得られたデータからステップS2で放射線源を使用せずに得られたデータを減算することで、放射線源を使用せずに得られたデータを除く。すなわちBack Groundを除く。このBack Groundを除いたデータを弁別パラメータ導出部15(図1を参照)に送り込み、次のステップS4での算出に用いる。
(ステップS4)光源位置算出処理
ステップS4での光源位置算出処理は、下記のステップT1〜T10からなり、弁別パラメータ導出部15(図1を参照)によって、Fitting関数を求めて(ステップT4)、弁別パラメータを求める(ステップT5)。
(ステップT1)計数ピークa、ピーク位置bを探す
上述したステップS3で求められたBack Groundを除いたデータを用いて、図5に示すように波形を表す出力を求める。図5の横軸は時間で、縦軸は光子検出器3(図1、図2を参照)によって実際に得られた光量(ただしBack Groundを除く)である。すなわち、波形の出力はBack Groundを除いた光量の時間変化を表す。図2に示すように減衰時間が互いに異なるシンチレータ群A,Bを光子検出器3で用いたときには、例えば図5(a)、図5(b)に示すように、減衰時間が互いに異なる場合の光量の時間変化をそれぞれ出力する。図5に示すように減衰率をRとする。
具体的には、光量をIとしたときに、図5のグラフにおいてtからtまでの総面積(光量時間的総和)のときにtからtまでの総面積(光量時間的総和)がどの程度変化(すなわち減衰)したのかを求める。なお、tおよびtのタイミングについては限定されないが、tについてはピークから光が減衰を始めた直後を設定するのが好ましい。tからtまでの総面積をSallとするとともに、tからtまでの総面積をSとすると、減衰率RはR=S/Sallで表される。減衰率Rは、この発明における光の減衰を表す減衰物理量に相当する。
総面積Sallを連続的に求める場合には時間積分で求める。すなわち、Sall=∫Idt(ただし、t〜t〜tまでの積分)およびS=∫Idt(ただし、t〜t〜tまでの積分)で求める。もちろん、総面積Sallを離散的に求める場合には時間総和で求める。すなわち、Sall=ΣI(ただし、t=t〜tまでの総和)およびS=ΣI(ただし、t=t〜tまでの総和)で求める。
この減衰率Rを横軸とするとともに、縦軸を光子の計数値としたグラフは、図6に示す通りである。ただし、図6では、減衰時間が互いに異なる検出素子であるシンチレータを3つ組み合わせたときのグラフである。実際に得られたBack Groundを除いたデータを用いて横軸を減衰率Rとして、縦軸を光子の計数値としたグラフを、図6では実線として図示する。同じく、横軸を減衰率Rとして、縦軸を光子の計数値とした、減衰時間が互いに異なるシンチレータごとのFitting関数を、図6では一点鎖線として図示する。これら3つのFitting関数を加算して得られた関数を、図6では点線として図示する。すると、この加算して得られた関数(図6の点線を参照)が、実際に得られたBack Groundを除いたデータのグラフ(図6の実線を参照)に近づくように各々のFitting関数を構成するパラメータを調整することになる。
具体的には、Fitting関数として、減衰時間が互いに異なるシンチレータの個数分のガウス関数をそれぞれ定義する。上述した図6の場合には、減衰時間が互いに異なる検出素子であるシンチレータを3つ組み合わせているので、Fitting関数として3つのガウス関数をそれぞれ定義する。一方、図2に示すように減衰時間が互いに異なるシンチレータ群A,Bを光子検出器3で用いたときには、減衰時間が互いに異なる検出素子であるシンチレータを2つ組み合わせているので、Fitting関数として2つのガウス関数をそれぞれ定義する。図2に示すような減衰時間が互いに異なるシンチレータ群A,Bを光子検出器3で用いたときを例に採って、以下を説明する。シンチレータ群Aに関するFitting関数をf(x)とするとともに、シンチレータ群Bに関するFitting関数をg(x)として、下記(1)、(2)式のようにガウス関数f(x)、g(x)としてそれぞれ表す。
f(x)=a×exp{−(x−b/c } …(1)
g(x)=a×exp{−(x−b/c } …(2)
ただし、x=Rである。このf(x)、g(x)をグラフで表すと、図7のようになる。図7に示すように、シンチレータ群Aに関するFitting関数f(x)では、計数ピークはaとなり、そのピーク位置はbとなる。一方、シンチレータ群Bに関するFitting関数g(x)では、計数ピークはaとなり、そのピーク位置はbとなる。図7では、各々のFitting関数f(x)、g(x)を点線で図示するとともに、これら2つのFitting関数を加算して得られた関数を実線で図示する。
弁別パラメータ導出部15(図1を参照)によって後述するステップT5で求められる弁別パラメータをkとすると、図7に示すように、Fitting関数f(x)、g(x)における各々の計数ピークa,aのn分の一(すなわちa/n,a/n)となる位置を弁別パラメータkとするのが好ましい(図10(a)も参照)。すなわち、Fitting関数f(x)、g(x)における各々の計数ピークa,aがともにn分の一となる位置を弁別パラメータkとしている。この計数ピークのn分の一は、この発明における計数ピークの所定割合に相当する。
具体的には、図7に示すように、シンチレータ群Aに関するFitting関数f(x)における計数ピークaのn分の一(a/n)となる幅をσ(n)とするとともに、シンチレータ群Bに関するFitting関数g(x)における計数ピークaのn分の一(a/n)となる幅をσ(n)とすると、下記(3)、(4)式のように表される。
σ(n)=c×√(logn) …(3)
σ(n)=c×√(logn) …(4)
このn分の一となる幅σ(n),σ(n)を用いると、弁別パラメータkの関係式は、下記(5)、(6)式のように表される。
k=b+σ(n) …(5)
k=b−σ(n) …(6)
これらの(3)〜(6)式を解くと、弁別パラメータkは、下記(7)式のように求められる。
k=(c×b+c×b)/(c+c) …(7)
これは、Fitting関数を構成するパラメータb,b,c,cから弁別パラメータkを容易に求めることができることを示している。
したがって、弁別パラメータkを求めるのに、Fitting関数を構成するパラメータについて適当な初期値を設定するのが好ましい。光子検出器3(図1、図2を参照)によって実際に得られた光量に関する分布(ヒストグラム)(本実施例1では実際に得られたBack Groundを除いたデータを用いて横軸を減衰率Rとして、縦軸を光子の計数値としたグラフ)は、検出素子を構成するシンチレータの結晶毎に異なるが、その傾向は同じである。したがって、ある部分を基準としてFitting関数を構成するパラメータを決定する。
図7のグラフを例に採ると、a>aであり、計数ピークaは、最大のカウント(計数値)であり、そのピーク位置bは、そのときの出力値であるので容易に検索することができる。つまり、図7のグラフ(実際に得られたBack Groundを除いたデータの最大のカウント(計数値)とそのときの出力値)から、計数ピークa、ピーク位置bを探す。
(ステップT2)ピークa≧TH?
ステップT1で得られた計数ピークa、ピーク位置bから後述するステップT3で初期値を設定して他のパラメータを決定すればよいが、計数ピークaがしきい値(Threshold)THを超えているか否かをこのステップT2で統計的に確認する。計数ピークaがしきい値THを超えた範囲(計数ピークaがしきい値THと等しい場合も含む:a≧TH)にあれば後述するステップT5で求められる弁別パラメータkが適切であるとして、次のステップT3に進む。一方、もし、計数ピークaがしきい値THを超えた範囲になければ(a<TH)、弁別パラメータkが適切でないとしてステップT7に進む。しきい値THを本実施例1では“30”とする。本実施例1では、実際に求められる適切な弁別パラメータkに対して顕著に異なるようにして区別するために、ステップT7では弁別パラメータをk=1で設定する。このしきい値THを超えた範囲は、この発明における所定範囲に相当する。このステップT2は、この発明における(C)に相当する。
また、計数ピークaに限定されずに、ピーク位置b,bについても、計数ピークaと同様にしきい値などによる判定条件を設けてもよい。例えば、140<b<160,160<b<200を設定することで、より高精度でFitting関数を構成するパラメータを調整するFittingの合否の判定を行うことができる。
(ステップT3)初期値の設定
ステップT2で計数ピークaがしきい値を超えた範囲(a≧TH)にあると判定された場合には、弁別パラメータkが適切であるとして、ステップT1で得られた計数ピークa、ピーク位置bから、下記(8)、(9)式のように初期値を設定して他のパラメータa,bを決定する。
=a×α …(8)
=b−Δβ …(9)
図7のグラフを例に採ると、計数ピークaよりも低いピークが、計数ピークaで、そのときのピーク位置が、ピーク位置bであるので容易に検索することができる。つまり、図7のグラフ(実際に得られたBack Groundを除いたデータの2番目に大きいカウント(計数値)とそのときの出力値)から、計数ピークa、ピーク位置bを探す。上記(8)式中のαを本実施例1では“0.6”とするとともに、上記(9)式中のΔβを本実施例1では“30”とする。
ところで、Fitting関数を構成するパラメータを調整するFitting範囲については、調整を行うのに必要な領域のみで行うのが好ましい。すなわち、パラメータのとり得る全領域から検索するのでなく、実際に得られたパラメータ(ここでは既に求められたa,a,b,b)から適切な範囲(本実施例1ではbから−90〜40までの範囲)についてのみ調整を行って絞り込む。また、bについても調整を行い、Fitting範囲をbからbまでの範囲に限定して絞り込むことで、弁別パラメータkを求めるまでの時間や演算量を低減させて、高速かつ高精度な弁別パラメータkを求めることができる。
これらの初期値やFitting範囲の限定については必ずしも設定する必要はないが、高速かつ高精度な弁別パラメータkを求めることを考慮すれば、初期値を設定したり、Fitting範囲を限定するのが好ましい。このように初期値やFitting範囲の限定について設定した状態で絞り込んで、減衰時間が互いに異なるシンチレータの個数分(図6では3つ、図2や図7ではシンチレータ群A,Bの2つ)のFitting関数を加算して得られた関数(図6の点線を参照)が実際に得られたBack Groundを除いたデータのグラフ(図6の実線を参照)に近づくように各々のFitting関数を構成するパラメータを調整することで、残りのパラメータをそれぞれ求める。
(ステップT4)Fitting関数を求める
このように求められたパラメータから、弁別パラメータ導出部15(図1を参照)は各々のFitting関数をそれぞれ求める。図7のグラフを例に採ると、シンチレータ群Aに関するFitting関数f(x)およびシンチレータ群Bに関するFitting関数g(x)をそれぞれ求める。このステップT4は、この発明における(A)に相当する。
(ステップT5)弁別パラメータを求める
ステップT4のようにFitting関数が求められると、Fitting関数を構成するパラメータも既知となっているので、各パラメータを上記(7)式に代入することで、弁別パラメータ導出部15(図1を参照)は弁別パラメータkを求める。このステップT5は、この発明における(B)に相当する。また、Fitting関数f(x)、g(x)における各々の計数ピークa,aのn分の一となる位置を弁別パラメータkとしていることから、このステップT5は、この発明における(F)にも相当する。
(ステップT6)b≦k≦b
ステップT5で求められた弁別パラメータkは、図7のグラフを例に採ると、bとbとの間にあるはずなので、ステップT4でそれぞれ求められたFitting関数f(x)、g(x)における各々のピーク位置b,bの間に弁別パラメータkが存在するか否かをこのステップT6で統計的に確認する。bとbとの間に弁別パラメータkが存在すれば(b≦k≦b)、弁別パラメータkが適切であるとして、その弁別パラメータkに基づいて光子の入射位置を求める。弁別パラメータkに基づく光子の入射位置の算出方法については、後述する。一方、もし、bとbとの間に弁別パラメータkが存在しなければ(k<b、またはb<k)、弁別パラメータkが適切でないとしてステップT8に進む。ステップT2でも述べたように、本実施例1では、実際に求められる適切な弁別パラメータkに対して顕著に異なるようにして区別するために、ステップT8では弁別パラメータをk=256で設定する。このステップT6も、ステップT2と同様に、この発明における(C)に相当する。
弁別パラメータkに基づいて光子の入射位置を求めるには、実際に得られたBack Groundを除いた光量の時間的変化(図6を参照)において、1イベント(放射線検出事象)に対してそのイベントのときの減衰率Rを実測で求めることができる。図7のグラフを例に採ると、その実測で得られた減衰率Rが弁別パラメータkよりも大きいと、弁別パラメータkよりも大きい範囲で分布しているシンチレータ群Bに関するFitting関数g(x)に減衰率Rが属しているとして、シンチレータ群BとしてDOI判定(すなわち位置換算)される。一方、実測で得られた減衰率Rが弁別パラメータkよりも小さいと、弁別パラメータkよりも小さい範囲で分布しているシンチレータ群Aに関するFitting関数f(x)に減衰率Rが属しているとして、シンチレータ群AとしてDOI判定される。
(ステップT7)弁別パラメータをk=1で設定
上述したステップT2で計数ピークaがしきい値THを超えた範囲になければ(a<TH)、弁別パラメータkが適切でないとして、弁別パラメータをk=1で設定する。
(ステップT8)弁別パラメータをk=256で設定
上述したステップT6でbとbとの間に弁別パラメータkが存在しなければ(k<b、またはb<k)、弁別パラメータkが適切でないとして、弁別パラメータをk=256で設定する。
(ステップT9)弁別パラメータは不適切
弁別パラメータkが適切でない(不適切)として、ステップT7で弁別パラメータをk=1で設定、ステップT8で弁別パラメータをk=256で設定した場合には、ステップT2,T6での判定結果をモニタなどに代表される表示部やプリンタなどの出力部9(図1を参照)に出力する。
(ステップT10)弁別パラメータの調整
この判定結果の出力は、例えば図8のようになる。このとき、図8に示すように、判定結果のみならず、各々のシンチレータごと、あるいは複数のシンチレータからなる1つの集合体(例えばブロック)ごとの図7と同様のFitting関数などのグラフを出力部9に出力してもよい。本実施例1でのブロックとは、複数の光電子増倍管3c(図2を参照)に対応付けられた複数のシンチレータからなる1つの集合体として説明する。
出力部9のモニタ9Aには、例えば、図8に示すように、左側の領域9aに各々のシンチレータごと、あるいはブロックごとのFitting関数を一覧表示する。そして、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスの入力部8(図1を参照)で拡大表示させたいシンチレータでの、あるいはブロックでのFitting関数を指定することで、指定されたシンチレータでの、あるいはブロックでのFitting関数のみが右側の領域9bに拡大表示される。また、シンチレータごとのFitting関数を左側の領域9aに一覧表示して、あるシンチレータでのFitting関数を指定する場合には、指定されたシンチレータが属するブロックでのFitting関数を右側の領域9bに拡大表示してもよい。この場合には、1ブロック分の各シンチレータごとのFitting関数を総加算することで、指定されたシンチレータが属するブロックでのFitting関数が表示される。また、各々のシンチレータごと、あるいはブロックごとにFitting関数の色を変えて重ねて表示してもよい。弁別パラメータについても、各々のシンチレータごと、あるいはブロックごとに色を変えて重ねて表示すればよい。
特に、図9に示すように、弁別パラメータkが適切でない判定結果をモニタ9Aに表示させる場合には、例えばk=256で設定された(適切でない)弁別パラメータを有したFitting関数を拡大表示させて、その拡大表示された表示態様を9Bとする。このとき、図9(a)に示すように、比較となる適切な弁別パラメータを有したFitting関数を拡大表示させて、その拡大表示された表示態様を9Cとして、図9(b)に示すように、適切でない弁別パラメータを有したFitting関数の表示態様9Bと、適切な弁別パラメータを有したFitting関数の表示態様9Cとを比較して、適切でない弁別パラメータを図9(c)に示すように、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスの入力部8(図1を参照)で入力することで弁別パラメータを調整する。例えば、マウスでドラッグして弁別パラメータを適切な位置にまで移動させることで調整してもよいし、キーボード等で弁別パラメータに適切な値を入力することで調整してもよい。このステップT9は、この発明における(D)に相当し、この発明における(E)にも相当する。
上述の構成を備えた本実施例1に係るPET装置によれば、入射された光子を光に変換することで光子を検出するように構成され、かつ減衰時間が互いに異なる検出素子であるシンチレータを複数組み合わせて構成された光子検出器3を有している場合において、下記(A),(B)の演算処理を行う弁別パラメータ導出部15を備えている。すなわち、弁別パラメータ導出部15は、(A)光子検出器3によって実際に得られた光源に関する分布に基づいて、減衰時間が互いに異なる各々のシンチレータ群A,Bごとに光源に関する分布関数としてガウス(Gauss)関数からなるFitting関数をそれぞれ求め、(B)それぞれ求められたFitting関数に基づいて弁別パラメータkを求める。複数の成分からなる波形を表す出力(図5を参照)を、複数の成分で表現できる分布関数としてFitting関数で設定して、実際に得られた光源に関する分布に基づいて、減衰時間が互いに異なる各々のシンチレータ群A,BごとにFitting関数f(x)、g(x)を求めて、それぞれ求められたFitting関数f(x)、g(x)に基づいて弁別パラメータkを求めるので、たとえ多種類の結晶素子からなる波形であっても、波形を表す出力の波形分布に柔軟に対応し、波形を表す出力の各成分比やピークに依存しない弁別パラメータkを得ることができる。その結果、安定した弁別能力を確保することができる。その結果、撮像においても安定した撮像能力を確保することができる。
本実施例1では、好ましくは、上述したステップT5で求められるべき弁別パラメータkが適切であるか否かを判定している。具体的には、ステップT2では、光子検出器3によって光に変換されるときに計数される光子の計数(すなわち計数ピーク)が所定範囲(実施例1ではしきい値THを超えた範囲)にあれば弁別パラメータkが適切であるとし、上述した所定範囲になければ弁別パラメータkが適切でないとしている。また、ステップT6では、ステップT4でそれぞれ求められたFitting関数f(x)、g(x)における各々の計数ピーク位置b,bの間に弁別パラメータkが存在すれば弁別パラメータkが適切であるとし、上述した各々の計数ピーク位置b,bの間に弁別パラメータkが存在しなければ弁別パラメータkが適切でないとしている。このように適切であるか否かを判定することで、全算出結果を目視にて確認する必要でなく、適切でない弁別パラメータkのみを調整するだけでよく、手間を大幅に省くことができる。
本実施例1では、好ましくは、上述したステップT2,T6での判定結果を出力(実施例1では表示出力)している。判定結果を出力することで、多数(例えば数万個)の弁別パラメータkについての判定結果の閲覧に供することができる。本実施例1では、出力の形態は、モニタ9A(図8、図9を参照)に代表される表示手段に表示出力する形態であったが、プリンタに代表される印刷手段に印刷出力する形態であってもよい。
本実施例1では、好ましくは、上述したステップT2,T6で弁別パラメータkが適切でないと判定された場合には、その弁別パラメータkを調整している。弁別パラメータkを調整することで、より一層安定した弁別性能を確保することができる。また、本実施例1では、好ましくは、上述したようにステップT2,T6での判定結果を出力し、さらに、その判定結果の出力に基づいてステップT10での調整を行っている。判定結果を出力することで、多数の弁別パラメータkについての判定結果の閲覧に供することができ、その判定結果の出力に基づいてステップT10での調整を行いやすくすることができる。
上述したステップT5での算出では、上述したステップT4でそれぞれ求められたFitting関数f(x)、g(x)における各々の計数ピークa,aの所定割合(実施例1ではn分の一)となる位置を弁別パラメータkとしている。なお、上述したステップT5での算出では、図10(b)に示すように、上述したステップT4でそれぞれ求められたFitting関数f(x)、g(x)が互いに交わる交点を弁別パラメータkとしてもよい。ただ、図7、図10(a)のように、Fitting関数f(x)、g(x)における各々の計数ピークa,aの所定割合(n分の一)となる位置を弁別パラメータkとする手法の方が弁別パラメータkをより正確に求める上で好ましい。すなわち、図10(b)に示すように、Fitting関数f(x)、g(x)が互いに交わる交点を弁別パラメータkとする手法の場合には、各Fitting関数が互いに同程度でなく、一方が極端に大きく他方が極端に小さいと弁別パラメータkが正確に求められない恐れがあるが、図7、図10(a)の場合には、各Fitting関数が互いに同程度でなく、一方が極端に大きく他方が極端に小さかったとしても、各々の計数ピークの所定割合となる位置を弁別パラメータkとすることで、弁別パラメータkをより正確に求めることができる。要約すると、図7、図10(a)の場合には、2つの各Fitting関数である分布の統計差が影響しないので、結晶の組み合わせやその結晶長の組み合わせなどに対して柔軟に対応することができるとともに、弁別パラメータkを求めることができる。
本実施例1では、好ましくは、上述したステップT4を含んだステップS4での算出に用いられる光子検出器3によって実際に得られた光源に関する分布は、放射線源を使用して得られたデータから放射線源を使用せずに得られたデータを除いたデータである。放射性薬剤(放射線源)を使用して得られたデータから放射性薬剤(放射線源)を使用せずに得られたデータを除いたデータ、すなわちBack Groundを除いたデータを、ステップT4を含んだステップS4での算出に用いることで、弁別パラメータkを容易に算出することができる。
実際に、Back Groundを除いたデータを用いて求められた各々のFitting関数と、そのBack Groundを除いたデータとを重ね合わせて図11で確認している。図11は、Back Groundを除いたデータを用いたときの結果を示したグラフである。図11(a)は、光子検出器3の全体のブロックを総加算して平均値を求めたときのグラフであり、図11(b)は、1つのブロックのときのグラフである。なお、図11では、自己放射能を持つ結晶素子(Luを含むGSO)を使用したシンチレータで、かつ図2に示すように減衰時間が互いに異なるシンチレータ群A,Bを光子検出器3で用いて確認している。また、図11では、Back Groundを除いたデータを実線として図示するとともに、Fitting関数を点線として図示している。放射線源を使用して得られたデータを用いたときの結果を示したグラフ(図示省略)や放射線源を使用せずに自己放射能を持つ結晶素子から発生した光子に基づいて得られたデータを用いたときの結果を示したグラフ(図示省略)と比べて、各々のFitting関数と、そのBack Groundを除いたデータとの差が少なく、弁別パラメータkを容易に算出することができるのが確認されている。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
図12は、Fitting関数の面積比(計数比)が、予め求められた光子検出器の構造に依存した計数比と等しくなる位置を弁別パラメータとする手法のときのグラフである。上述した実施例1と共通する箇所についてはその説明を省略する。
上述した実施例1で述べた弁別パラメータおよび複数の成分からなる波形を表す出力(図5を参照)を蓄積したデータを解析したところ、深さ方向(図2ではr)に減衰時間が互いに異なるシンチレータ群を複数層(図2ではシンチレータ群A,シンチレータ群Bの2層)積層した光子検出器3において、各層(すなわちDOI層)毎の計数比は光子検出器3の構造(光子検出器のジオメトリ(幾何学的な検出器の配置)や光子検出器を構成する結晶の種類(例えば密度)や結晶の大きさや長さ(例えば結晶の体積、結晶の深さ方向の長さ))に依存する。すなわち、各層(DOI層))毎の計数比は、ジオメトリや結晶の種類や大きさや長さから予め求められた理論値,シミュレーションあるいは経験則にほぼ一致する(参照文献1:“γ線と物質との相互作用 放射線測定 MandC 計測と制御のポータルサイト”、[online]、社団法人 日本電気計測器工業会(JEMIA)、インターネット< URL : http://www.mandc.org/MandC/include/html/tech/5020209.htm>、参照文献2:”GATE - Geant4 Application for Emission Tomography” 、[online] 、インターネット< URL :http://opengatecollaboration.healthgrid.org/>)。
そこで、光子検出器3の構造に応じて各層(DOI層))毎に計数比を、上述した理論値,シミュレーションあるいは経験則から事前に求める。理論値やシミュレーションに基づいて弁別パラメータを求めた場合に実際の弁別パラメータに一致しない場合には、経験則に基づいて弁別パラメータを求めるのがより好ましい。各層毎の計数比を光子検出器3の構造ごとにテーブルとしてメモリ部14(図1を参照)に書き込んで記憶する。このように求められた計数比は、シンチレータ群A,シンチレータ群Bの2層の結晶素子が光子のエネルギに対して相互作用して検出することができる確率にも相当する。
一方、上述した実施例1における図7と同様に、図12に示すようにFitting関数を求める。実施例1でも述べたように、シンチレータ群Aに関するFitting関数f(x)およびシンチレータ群Bに関するFitting関数g(x)をそれぞれ求める。実施例1における図7と同様に、図12においても、各々のFitting関数f(x)、g(x)を点線で図示するとともに、これら2つのFitting関数を加算して得られた関数を実線で図示すると、実線で図示されたFitting関数の面積の総和を求める。
このFitting関数の面積の総和は総計数を表す。総和を求める場合には、図5の総面積を求める手法と同様に、連続的に求めるために積分(∫)を用いてもよいし、離散的に求めるために総和(Σ)を用いてもよい。この総和(総計数)から境界を描画して、境界に区切られた面積比が境界の位置に応じてどのように変化するのか境界を動かす。この面積比は計数比を表す。図12の左側の面積をSとするとともに、右側の面積をSとすると、面積比(すなわち計数比)はS:Sとなり、境界を左側に動かすとSが狭くなるとともにSが広くなり、逆に境界を右側に動かすとSが広くなるとともにSが狭くなる。
この面積比(計数比)が、予め求められたテーブルを参照して、光子検出器3の構造に依存した計数比と等しくなるように境界を動かす。光子検出器3の構造に依存した計数比が、例えば1:2の場合には、S:S=1:2となるように境界を動かし、その境界の位置が弁別パラメータkとなる。
このように、本実施例2では、それぞれ求められたFitting関数f(x)、g(x)の面積比を表す計数比が、予め求められた光子検出器3の構造に依存した計数比と等しくなる位置を弁別パラメータkとしている。上述した実施例1のように、それぞれ求められたFitting関数f(x)、g(x)における各々の計数ピークa,aの所定割合(実施例1ではn分の一)となる位置を弁別パラメータkとする場合(図7、図10(a)を参照)や、それぞれ求められたFitting関数f(x)、g(x)が互いに交わる交点を弁別パラメータkとする場合(図10(b)を参照)と比較すると、本実施例2では、演算時間の短縮、Fitting関数f(x)、g(x)の統計依存性の低減が可能になる。したがって、高速、かつ、分布の形状を問わず、また総面積が狭く(統計が少なく)ても安定した弁別パラメータの算出を行うことができる。減衰時間が互いに異なる検出素子であるシンチレータを3つ以上組み合わせた場合(3層以上の場合)においても、同様に計数比に基づいて弁別パラメータを求めることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、撮像装置として、核医学診断装置を例に採って説明するとともに、核医学診断装置として、PET装置を例に採って説明したが、この発明は、光子以外の放射線を光に変換することで放射線を検出するように構成され、かつ減衰時間が互いに異なる検出素子を複数組み合わせて構成された検出器を備え、検出素子によって変換された光の発生源である光源の位置を弁別するための弁別物理量を求めることで光源位置を求めて撮像を行う撮像装置であれば、例えばX線透視撮影装置やX線CT装置などにも適用することができる。また、PET装置とX線CT装置とを備えたPET−CTにも適用することができる。
(2)上述した各実施例では、核医学診断装置として、PET装置を例に採って説明したが、この発明は、単一の光子を検出して被検体の断層画像を再構成するSPECT(Single Photon Emission CT)装置などにも適用することができる。
(3)上述した各実施例では、シンチレータブロック3aおよび光電子増倍管3cから構成される投影データ用の光子検出器3が静止したままで光子を検出する静止型であったが、シンチレータブロック3aおよび光電子増倍管3cが被検体Mの周りを回転しながら光子を検出する回転型でもよい。
(4)上述した各実施例では、PET装置が点線源4(図1を参照)を備え、点線源4が放射性薬剤と同じ光子を照射して被検体Mを透過することで、その放射線に基づいて生体形態画像として吸収補正データを求めたが、CTなどから吸収補正データを求めてもよい。また、必ずしも吸収補正を行う必要はない。したがって、吸収補正されない生体機能画像を用いて核医学診断を行えばよい。
(5)上述した各実施例では、光源に関する分布関数として、横軸を減衰の減衰率として、縦軸を光子の計数値とした関数を用いたが、横軸を検出位置として、縦軸を計数値とした関数を用いてもよい。このときには、弁別物理量は、検出位置に関するパラメータとなる。また、実施例のような減衰率に限定されず、光の減衰を表す減衰物理量(減衰パラメータ)であれば、例えば、図13に示すような減衰の時間的傾きであってもよい。図5と同様に、図13(a)、図13(b)に示すように、減衰時間が互いに異なる場合の光量の時間変化をそれぞれ出力する。図13に示すように減衰の時間的傾きをRとする。
(6)上述した各実施例では、ガウス関数のみを用いたが、多種の関数を組み合わせてもよい。例えば、ノイズのオフセットに対しては、横軸を減衰率として、縦軸をノイズ成分に関する光子の計数値(散乱同時計数や偶発同時計数など)をした一次関数を適用するとともに、検出素子の出力に対してはガウス関数を適用することなどが挙げられる。
(7)上述した各実施例では、放射線源を使用せずに得られたデータ(すなわちBack Groundデータ)については、撮像毎に測定してもよいし、前回あるいは過去の撮像で得られたデータを規格化して使用してもよい。
(8)上述した各実施例では、Back Groundを除いたデータを用いたが、放射性薬剤を使用して得られたデータをそのまま用いてもよい。また、自己放射能を持つ結晶素子を持つ検出器を必ずしも用いる必要はない。
各実施例に係るPET(Positron Emission Tomography)装置の側面図およびブロック図である。 光子検出器の具体的構成の概略図である。 実施例1に係る光源位置算出方法を含んだ一連の撮像の流れを示すフローチャートである。 実施例1に係る一連の光源位置算出方法の流れを示すフローチャートである。 (a),(b)は、減衰時間が互いに異なる場合の光量の時間変化(波形を表す出力)を模式的にそれぞれ示したグラフであり、減衰率を求めるためのグラフである。 横軸を減衰率として、縦軸を光子の計数値とした実際のデータおよび各関数を示したグラフである。 2つのガウス関数(Fitting関数)を構成するパラメータと弁別パラメータとの関係を模式的に示したグラフである。 表示出力態様の一例を模式的に示した図である。 (a)は、表示出力態様の一例を模式的に示した図、(b)、(c)は、弁別パラメータの調整を模式的に示した図である。 (a)は、Fitting関数における各々の計数ピークの所定割合となる位置を弁別パラメータとする手法のときのグラフ、(b)は、Fitting関数が互いに交わる交点を弁別パラメータとする手法のときのグラフである。 (a)、(b)は、Back Groundを除いたデータを用いたときの結果を示したグラフである。 Fitting関数の面積比(計数比)が、予め求められた光子検出器の構造に依存した計数比と等しくなる位置を弁別パラメータとする手法のときのグラフである。 (a),(b)は、減衰時間が互いに異なる場合の光量の時間変化(波形を表す出力)を模式的にそれぞれ示したグラフであり、減衰の時間的傾きを求めるためのグラフである。
符号の説明
3 … 光子検出器
15 … 弁別パラメータ導出部
TH … しきい値(Threshold)
f(x)、g(x) … Fitting関数
k … 弁別パラメータ
R … 減衰率

Claims (13)

  1. 入射された放射線を光に変換することで放射線を検出するように構成され、かつ減衰時間が互いに異なる検出素子を複数組み合わせて構成された検出器を備え、前記検出素子によって変換された光の発生源である光源の位置を弁別するための弁別物理量を求めることで光源位置を求めて撮像を行う撮像装置であって、前記装置は、 (A)前記検出器によって実際に得られた光源に関する分布に基づいて、前記減衰時間が互いに異なる各々の検出素子ごとに光源に関する分布関数をそれぞれ求め、(B)それぞれ求められた前記分布関数に基づいて前記弁別物理量を求める前記(A),(B)の演算処理を行う演算手段を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 入射された放射線を光に変換することで放射線を検出するように構成され、かつ減衰時間が互いに異なる検出素子を複数組み合わせて構成された検出器を有している場合において、前記検出素子によって変換された光の発生源である光源の位置を弁別するための弁別物理量を求めることで光源位置を算出する方法であって、(A)前記検出器によって実際に得られた光源に関する分布に基づいて、前記減衰時間が互いに異なる各々の検出素子ごとに光源に関する分布関数をそれぞれ求め、(B)それぞれ求められた前記分布関数に基づいて前記弁別物理量を求めることを特徴とする光源位置算出方法。
  3. 請求項2に記載の光源位置算出方法において、(C)前記(B)で求められるべき前記弁別物理量が適切であるか否かを判定することを特徴とする光源位置算出方法。
  4. 請求項3に記載の光源位置算出方法において、前記(C)での判定では、前記検出器によって光に変換されるときに計数される放射線の計数が所定範囲にあれば前記弁別物理量が適切であるとし、前記所定範囲になければ前記弁別物理量が適切でないとすることを特徴とする光源位置算出方法。
  5. 請求項3または請求項4に記載の光源位置算出方法において、前記(C)での判定では、前記(A)でそれぞれ求められた前記分布関数における各々の計数ピーク位置の間に前記弁別物理量が存在すれば前記弁別物理量が適切であるとし、前記各々の計数ピーク位置の間に前記弁別物理量が存在しなければ前記弁別物理量が適切でないとすることを特徴とする光源位置算出方法。
  6. 請求項3から請求項5のいずれかに記載の光源位置算出方法において、(D)前記(C)での判定結果を出力することを特徴とする光源位置算出方法。
  7. 請求項3から請求項6のいずれかに記載の光源位置算出方法において、(E)前記(C)での判定で前記弁別物理量が適切でないと判定された場合には、その弁別物理量を調整することを特徴とする光源位置算出方法。
  8. 請求項7に記載の光源位置算出方法において、(D)前記(C)での判定結果を出力し、その判定結果の出力に基づいて前記(E)での調整を行うことを特徴とする光源位置算出方法。
  9. 請求項2から請求項8のいずれかに記載の光源位置算出方法において、(F)前記(B)での算出では、前記(A)でそれぞれ求められた前記分布関数における各々の計数ピークの所定割合となる位置を前記弁別物理量とすることを特徴とする光源位置算出方法。
  10. 請求項2から請求項8のいずれかに記載の光源位置算出方法において、(F´)前記(B)での算出では、前記(A)でそれぞれ求められた前記分布関数が互いに交わる交点を前記弁別物理量とすることを特徴とする光源位置算出方法。
  11. 請求項2から請求項8のいずれかに記載の光源位置算出方法において、(F´´)前記(B)での算出では、前記(A)でそれぞれ求められた前記分布関数の面積比を表す計数比が、予め求められた前記検出器の構造に依存した計数比と等しくなる位置を前記弁別物理量とすることを特徴とする光源位置算出方法。
  12. 請求項2から請求項11のいずれかに記載の光源位置算出方法において、前記(A)での算出に用いられる前記検出器によって実際に得られた光源に関する分布は、放射線源を使用して得られたデータから放射線源を使用せずに得られたデータを除いたデータであることを特徴とする光源位置算出方法。
  13. 請求項2から請求項12のいずれかに記載の光源位置算出方法において、前記分布関数の横軸は光の減衰を表す減衰物理量であり、縦軸は放射線の計数値であることを特徴とする光源位置算出方法。
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