JP7247782B2 - 吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム、および、ポジトロンct装置 - Google Patents

吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム、および、ポジトロンct装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7247782B2
JP7247782B2 JP2019116457A JP2019116457A JP7247782B2 JP 7247782 B2 JP7247782 B2 JP 7247782B2 JP 2019116457 A JP2019116457 A JP 2019116457A JP 2019116457 A JP2019116457 A JP 2019116457A JP 7247782 B2 JP7247782 B2 JP 7247782B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorption coefficient
data
image
subject
absorption
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019116457A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021001841A (ja
Inventor
善之 山川
哲哉 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2019116457A priority Critical patent/JP7247782B2/ja
Publication of JP2021001841A publication Critical patent/JP2021001841A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7247782B2 publication Critical patent/JP7247782B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム、および、ポジトロンCT装置に関する。
従来、消滅放射線の飛行時間差情報を含むポジトロンCTの計測データに基づいて吸収係数画像を推定する吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム、および、ポジトロンCT装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、ポジトロンCT装置(PET装置)において消滅放射線の検出(飛行)時間差に関する計測データに基づいて吸収係数画像を推定する吸収係数画像推定方法が開示されている。具体的には、上記計測データに基づいて再構成計算等が行われることにより、吸収係数の相対値を含む非定量的吸収係数画像が算出される。また、非定量的吸収係数画像に基づいて再構成計算等が行われることにより、オフセット画像が算出される。
また、上記特許文献1の吸収係数画像推定方法では、上記計測データに基づいて生成された被検体内の所定の領域が認識可能な画像において吸収係数値が既知である参照領域を抽出する工程が行われる。また、上記特許文献1の吸収係数画像推定方法では、上記参照領域における既知の吸収係数値と、上記参照領域に対応する上記非定量的吸収係数画像の値との誤差を減少させる補正を行うための補正係数を算出する工程が行われる。そして、上記非定量的吸収係数画像に、上記オフセット画像(の分布)と上記補正係数との積を加算することにより定量的吸収係数画像を算出する工程が行われる。
国際公開第2018/220686号
しかしながら、上記特許文献1の吸収係数画像推定方法では、吸収係数値が既知である参照領域に基づいて吸収係数画像の推定(定量的吸収係数画像の算出)が行われている。ここで、上記参照領域は、被検体内の所定の領域における局所的な範囲であるため、被検体内の組織の位置に比較的大きな個人差がある場合などに、適切な位置に参照領域を設けることが困難な(適切な位置からずれる)場合がある。この場合、誤った吸収係数値に基づき吸収係数画像が推定(定量的吸収係数画像が算出)されることになるため、吸収係数画像の推定(定量的吸収係数画像の算出)が不適切になるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、消滅放射線の飛行時間差情報を含むポジトロンCTの計測データに基づいて吸収係数画像を推定する場合に、吸収係数画像の推定が不適切になるのを抑制することが可能な吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム、および、ポジトロンCT装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における吸収係数画像推定方法は、消滅放射線の飛行時間差情報を含むポジトロンCTの計測データに基づいて、被検体内の吸収係数の絶対値の情報を含む、画像化された第1吸収係数分布データを推定する吸収係数画像推定方法であって、被検体内の吸収係数の相対値の情報を含む、画像化された第2吸収係数分布データを、計測データに基づいて算出する第2吸収係数算出工程と、順投影後のデータが、計測データに基づいて生成された投影データである被検体マスク投影データに近づくように構成された再構成アルゴリズムにより、被検体マスク投影データを再構成することによってオフセット画像を生成するオフセット画像生成工程と、被検体内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する領域である参照領域を用いずに、第2吸収係数分布データおよびオフセット画像の各々の吸収係数の分布に基づいて、第2吸収係数分布データを補正して第1吸収係数分布データを算出するための補正係数を決定する補正係数決定工程と、補正係数決定工程において決定された補正係数とオフセット画像の吸収係数の分布との積を第2吸収係数分布データに加算することにより第1吸収係数分布データを算出する第1吸収係数算出工程と、を備える。なお、投影データとは、被検体内の所定の物理量の分布に対して所定の方向(X方向とする)から投影した場合に、X方向と直交する軸上(Y方向の軸上とする)に現れる上記物理量に関するデータである。具体的には、投影データとは、上記物理量をX方向に沿って線積分した値をY方向の軸上に並べたデータである。また、順投影とは、複数の方向に対応する投影データを取得する方法を意味する。
また、この発明の第2の局面における吸収係数画像推定プログラムは、検体内の吸収係数の相対値の情報を含む、画像化された第2吸収係数分布データを、消滅放射線の飛行時間差情報を含むポジトロンCTの計測データに基づいて算出する制御と、順投影後のデータが計測データに基づいて生成された投影データである被検体マスク投影データに近づくように構成された再構成アルゴリズムにより、被検体マスク投影データを再構成することによってオフセット画像を生成する制御と、被検体内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する領域である参照領域を用いずに、第2吸収係数分布データおよびオフセット画像の各々の吸収係数の分布に基づいて、第2吸収係数分布データを補正して第1吸収係数分布データを算出するための補正係数を決定する制御と、補正係数を決定する制御において決定された補正係数とオフセット画像の吸収係数の分布との積を第2吸収係数分布データに加算することにより第1吸収係数分布データを算出する制御と、をコンピュータに実行させる。
また、この発明の第3の局面におけるポジトロンCT装置は、消滅放射線を検出する検出部と、検出部により検出された消滅放射線の飛行時間差情報を含む計測データを取得するデータ取得部と、被検体内の吸収係数の相対値の情報を含む、画像化された第2吸収係数分布データを計測データに基づいて算出し、順投影後のデータが、計測データに基づいて生成された投影データである被検体マスク投影データに近づくように構成された再構成アルゴリズムにより、被検体マスク投影データを再構成することによってオフセット画像を生成し、被検体内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する領域である参照領域を用いずに、第2吸収係数分布データおよびオフセット画像の各々の吸収係数の分布に基づいて、第2吸収係数分布データを補正して第1吸収係数分布データを算出するための補正係数を決定し、補正係数を決定する制御において決定された補正係数とオフセット画像の吸収係数の分布との積を第2吸収係数分布データに加算することにより第1吸収係数分布データを算出する算出部と、を含む制御部と、を備える。
本発明によれば、上記のように、被検体内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する領域である参照領域を用いずに、第2吸収係数分布データおよびオフセット画像の各々の吸収係数の分布に基づいて、第2吸収係数分布データを補正して第1吸収係数分布データを算出するための補正係数が決定される。このように、(第2吸収係数分布データおよびオフセット画像の各々の)吸収係数の分布に基づいて補正係数を決定することにより、参照領域という被検体内の局所的な領域における吸収係数に関する情報に基づいて補正係数を決定する場合と異なり、被検体内の所定の領域における比較的広い範囲の吸収係数に関する情報(吸収係数の分布)に基づいて補正係数を決定することができる。ここで、局所的な領域に対応する情報に比べて、所定の領域における比較的広い範囲に対応する情報の方が(個人差等に起因する)ばらつきが比較的生じにくい。したがって、第2吸収係数分布データおよびオフセット画像の各々の吸収係数の分布に基づいて補正係数を決定することにより、比較的ばらつきが大きい不適切な情報に基づいて吸収係数画像(第1吸収係数分布データ)が推定(算出)されるのを抑制することができる。これにより、消滅放射線の飛行時間差情報を含むポジトロンCTの計測データに基づいて吸収係数画像(第1吸収係数分布データ)を推定する場合に、吸収係数画像(第1吸収係数分布データ)の推定が不適切になるのを抑制することができる。
第1実施形態によるPET装置の構成を示した図である。 第1および第2実施形態によるγ線検出器の構成を示した斜視図である。 第1実施形態による吸収係数画像推定方法を示したフロー図である。 第1実施形態による仮のμのヒストグラムを示した図である。 第2実施形態によるPET装置の構成を示した図である。 第2実施形態による吸収係数画像推定方法を示したフロー図である。 第2実施形態によるμoffおよびμ’のヒストグラムを示した図である。 第1実施形態の変形例による吸収係数画像推定方法を示したフロー図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(PET装置の構成)
図1~図4を参照して、第1実施形態によるPET装置1の構成について説明する。なお、PET装置1は、被検体Tの全身の撮影を行うように構成されている一方、PET装置1は、被検体Tの一部分の撮影を行うように構成されていてもよい。
図1に示すように、PET装置1は、被検体Tの周囲を取り囲む検出器リング2を備えている。検出器リング2は、被検体Tの対軸方向に複数層(図1では4層)積層されるように設けられている。検出器リング2の内部には、複数のγ線検出器3(図2参照)が設けられている。これにより、検出器リング2は、γ線を検出するように構成されている。なお、PET装置1および検出器リング2は、それぞれ、特許請求の範囲の「ポジトロンCT装置」および「検出部」の一例である。
また、PET装置1は、制御部4を備える。制御部4は、同時計数回路40と、演算回路41とを含む。また、制御部4には、吸収係数画像推定プログラム42が記憶されている。演算回路41は、吸収係数画像推定プログラム42による、後述する吸収係数画像推定方法の処理を実行する。なお、図1では、γ線検出器3(図2参照)から制御部4(同時計数回路40)への配線を2つのみ図示しているが、実際には、γ線検出器3の後述する光電子増倍管(PMT: Photo Multiplier Tube)33(図2参照)の総チャンネル数分、制御部4(同時計数回路40)に接続されている。なお、同時計数回路40および演算回路41は、それぞれ、特許請求の範囲の「データ取得部」および「算出部」の一例である。また、制御部4は、特許請求の範囲の「コンピュータ」の一例である。また、PMT以外の、たとえば、SiPM(Silicon Photomultiplier)などのセンサが用いられる場合もある。
図2に示すように、γ線検出器3は、シンチレータブロック31と、ライトガイド32と、光電子増倍管33とを含む。なお、ライトガイド32が用いられない場合もある。
シンチレータブロック31は、放射性薬剤が投与された被検体T(図1参照)から発生したγ線を光に変換する。被検体Tに放射性薬剤が投与されると、ポジトロン放出型のRIのポジトロンが消滅することにより、2本のγ線が発生する。シンチレータブロック31を構成する各シンチレータ素子は、γ線の入射に伴って発光することによって、γ線を光に変換する。なお、γ線は、特許請求の範囲の「消滅放射線」の一例である。
ライトガイド32は、シンチレータブロック31および光電子増倍管33の各々に光学的に結合されている。シンチレータブロック31のシンチレータ素子において発光した光がシンチレータブロック31において拡散され、ライトガイド32を介して光電子増倍管33に入力される。
光電子増倍管33は、ライトガイド32を介して入力された光を増倍させ、電気信号に変換する。この電気信号は、同時計数回路40(図1参照)に送信される。
同時計数回路40(図1参照)は、光電子増倍管33から送信された電気信号に基づいて、検出信号データ(カウント値)を生成する。
具体的には、同時計数回路40(図1参照)は、シンチレータブロック31の位置とγ線の入射タイミングとをチェックし、被検体Tの両側(被検体Tを中心とした対角線上)にある2つのシンチレータブロック31にγ線が同時に入射したときのみ、送信された電気信号を適正なデータと判定する。すなわち、同時計数回路40は、上述した電気信号に基づいて、被検体Tの両側(被検体Tを中心とした対角線上)にある2つのγ線検出器3においてγ線が同時観測(すなわち同時計数)されたことを検出する。
同時計数回路40により同時計数と判定された適正なデータにより構成された検出信号データ(カウント値)は、演算回路41(図1参照)に送信される。演算回路41は、後述するように、図3のフローに従ってPET装置1によって得られた被検体Tの検出信号データから吸収係数画像を推定する。
なお、吸収係数画像推定プログラム42は、制御部4内の図示しないROM(Read-Only Memory)などに代表される記憶媒体に記憶されている。演算回路41は、吸収係数画像推定プログラム42を上記記憶媒体から読み出して、吸収係数画像推定プログラム42を実行することにより、図3のフローに示す吸収係数画像推定方法の処理を行う。演算回路41は、GPU(Graphics Processing Unit)、中央演算処理装置(CPU)、または、プログラムデータに応じて内部の使用するハードウェア回路(例えば論理回路)が変更可能なプログラマブルデバイス(たとえばFPGA(Field Programmable Gate Array))などにより構成されている。
(吸収係数画像推定方法)
次に、図3を参照して、被検体T内の吸収係数の絶対値の情報を含む、画像化された定量的吸収係数分布データ(以下、μとする)を推定(算出)する吸収係数画像推定方法についての説明を行う。
まず、図3に示すように、ステップ101において、PET装置1(図1参照)によって被検体Tの撮影が行われる。そして、同時計数回路40(図1参照)によって、検出器リング2により検出されたγ線の飛行時間(Time Of Flight)差情報を含む計測データが取得される。上記計測データは、リストモード形式のデータである。リストモード形式のデータとは、γ線の検出イベント情報(検出器番号、検出時間、および、γ線のエネルギ等)が時系列で保存されたデータを意味する。なお、同時計数回路40によってサイノグラム形式のデータが取得されてもよい。サイノグラム形式のデータとは、一対のγ線検出器3のペア毎の検出信号データ(カウント値)と、γ線検出器3のペア毎の角度情報との関係を表したデータを意味する。
次に、後述するステップ102およびステップ103において、非定量的吸収係数算出工程が行われる。具体的には、ステップ101において取得された計測データに基づき、画像化された非定量的吸収係数分布データ(以下、μ’とする)が演算回路41(図2参照)により算出される。なお、μ’は、μに対して不均一なオフセット値分ずれた吸収係数を有するとともに、被検体T内の吸収係数の相対値の情報を含む。
ここで、第1実施形態では、非定量的吸収係数算出工程は、ステップ101において取得された計測データに関する評価関数の最適化に基づいてμ’を算出する工程を含む。
具体的には、ステップ102では、ステップ101において取得された計測データに基づき、MLACF(Maximum Likelihood Attenuation Correction Factors)法により非定量的な放射能画像(以下、λ’とする)および非定量的な吸収係数サイノグラム(以下、A’とする)が生成される。MLACF法は、たとえば、与えられたパラメータに対して最も確からしい解を導く尤度関数を用いた処理などを含む手法を意味する。すなわち、MLACF法により、ステップ101において取得された計測データに対して尤度が最大となる(すなわち最も確からしい)λ’およびA’が生成される。なお、サイノグラムとは、複数の角度に対応する投影データを所定の方向に並べたデータを意味する。
次に、ステップ103において、μ’が算出される。μ’は、ステップ102において生成されたA’に基づきML-EM(Maximum Likelihood-Expectatiom Maximization)法により再構成することによって算出される。ML-EM法とは、統計的計算(ばらつきのあるデータから数値上の性質、規則性、および、不規則性を計算すること)を反復することによって、確率的に最も確からしい画像を作成する画像再構成法である。すなわち、ML-EM法により、ステップ102において生成されたλ’に対して尤度が最大となる(すなわち最も確からしい)μ’が算出される。
ここで、第1実施形態では、吸収係数画像推定方法は、ステップ104において行われる、被検体Tに対応する部分と被検体T以外に対応する部分とが二値化処理により区分された被検体マスク投影データ(以下、Mprojとする)を算出するマスク算出工程を備える。すなわち、Mprojは、ステップ101において取得された計測データに基づいて生成された投影データである。
具体的には、ステップ104では、ステップ102において生成されたA’に二値化処理を行うことによってMprojが算出される。この工程では、被検体Tを通過する投影線が1、その他の投影線が0となる二値化データがMprojとして算出される。なお、この二値化処理は、A’全体に対しては、閾値は1つである必要はなく、複数であってもよい。すなわち、A’のスライスごと(投影角度ごと)に閾値が異なっていてもよい。
次に、吸収係数画像推定方法は、ステップ105において行われる、ステップ104において算出されたMprojを再構成することによってオフセット画像(以下、μoffとする)を生成するオフセット画像生成工程を備える。
具体的には、ステップ104において算出されたMprojをML-EM法により再構成することによってμoffが生成される。これにより、μoffの順投影後のデータがMprojに近づく(等しくなる、近似される)ように構成された再構成アルゴリズムによってMprojが再構成され、μoffが生成される。
次に、吸収係数画像推定方法は、ステップ106~ステップ110において行われる、μ’を補正してμを算出するための補正係数αを決定する補正係数決定工程を備える。この補正係数αを用いた補正は、μとμ’との差分がμoffの分布を補正係数α倍した値により近似可能であるという数学的な関係に基づいた補正である。
ここで、第1実施形態では、補正係数決定工程において、ステップ101において取得された計測データに基づいて計算された、被検体T内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値により近似可能な領域である参照領域を用いずに、μ’およびμoffの各々の分布に基づいて補正係数αが決定される。すなわち、上記所定の領域における局所的な領域である参照領域を用いずに、上記所定の領域の全体の吸収係数の情報を有する分布を用いて補正係数αが決定される。
具体的には、μ’およびμoffの各々に対応するヒストグラム(図4参照)に基づいて補正係数αが決定される。このヒストグラムは、吸収係数(線減弱係数)(横軸)と、吸収係数に対応する画素数(頻度)(縦軸)との関係を表している。すなわち、ヒストグラムとは、画像中において各吸収係数を有する画素がいくつ存在しているかを表している。なお、図4では、矢印によりμ’と差しているヒストグラムがμ’のヒストグラムであり、矢印によりμoffと差しているヒストグラムがμoffのヒストグラムを意味する。
また、補正係数決定工程は、複数の仮の補正係数αの各々を用いることにより複数の仮のμを算出する工程を含む。具体的には、複数の仮のμを算出する工程は、仮の補正係数αを複数回変化させながら、複数の仮の補正係数αの各々とμoffの分布との積をμ’に加算する(μ=μ’+α×μoff)工程を含む。以下に、図3および図4を参照して詳細に説明する。
図3に示すように、ステップ106において、仮の補正係数αが所定の初期値である場合の仮のμが、μ=μ’+α×μoffの式から算出(仮定量化)される。上記所定の初期値は、制御部4内の吸収係数画像推定プログラム42において予め設定された値である。
次に、ステップ107では、ステップ106において算出(仮定量化)された仮のμのヒストグラム(図4の矢印μで差されている波形参照)が作成される。
次に、ステップ108では、ステップ107において作成された仮のμのヒストグラムから、被検体T内のある組織(たとえば軟組織)の吸収係数(約0.095)における画素数(頻度)が取得される。取得された画素数(頻度)は、制御部4内の図示しないROM等に記憶される。
次に、ステップ109において仮の補正係数αの値が変化される。その後、ステップ106に戻り、ステップ106~108が再び実施される。このサイクルは、仮の補正係数αをたとえば0.01ずつ変化(増加または減少)させながら、所定の回数(たとえば400回)繰り返される。ステップ106~108の工程が所定の回数繰り返された後、ステップ109に進む。
ここで、第1実施形態では、補正係数決定工程は、ステップ110において行われる、複数の仮のμの各々に対応するヒストグラムのうち、被検体T内のある組織(たとえば軟組織)の吸収係数に対応する画素数(頻度)が最大となる仮の補正係数αを、補正係数αとして決定する工程を含む。具体的には、ステップ108において記憶された複数の画素数(頻度)が比較される。そして、比較された画素数(頻度)のうちの最大の画素数(頻度)に対応する仮の補正係数αが、最適な補正係数として補正係数αに決定される。なお、図4では、複数の仮のμのうち、軟組織の吸収係数に対応する画素数が最大となるμのヒストグラムを実線により表し、その他のμのヒストグラムを一点鎖線により表している。次に、ステップ111に進む。
そして、ステップ111では、μを算出する定量的吸収係数算出工程が行われる。具体的には、補正係数決定工程(ステップ110)において決定された補正係数αとμoffの分布との積(α×μoff)がμ’に加算されることによりμが算出(μ=μ’+ α×μoff)される。
なお、図4のステップ102~111の各制御は、吸収係数画像推定プログラム42(図1参照)が制御部4(演算回路41)(図1参照)に実行させている。
ここで、μoffによりμを算出することが可能である理由を説明する。
μと、定量的な吸収係数サイノグラム(以下、Aとする)との関係は、下記の式(1)により表せられる。
Figure 0007247782000001
また、AとA’との関係は、下記の式(2)により表せられる。なお、下記の式(2)のfは、未知の係数で不定性を有している。
Figure 0007247782000002
ここで、上記の式(1)と上記の式(2)とにより、下記の式(3)が得られる。下記の式(3)のZは、ΣZl=1を満たすように作成されているμoff(順投影(線積分)=1となるような画像)である。
Figure 0007247782000003
したがって、下記の式(4)が導き出される。
Figure 0007247782000004
すなわち、A’に係数fを乗算して定量化を行うことと、μoffに係数f’を乗算した値をμ’に加算(減算)して定量化することは同義である。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、吸収係数画像推定方法は、計測データに基づいて計算された、被検体T内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する参照領域を用いずに、μ’およびμoffの各々の分布に基づいて、μ’を補正してμを算出するための補正係数αを決定する補正係数決定工程を備える。このように、(μ’およびμoffの各々の)分布に基づいて補正係数αを決定することにより、参照領域という被検体T内の局所的な領域における吸収係数に関する情報に基づいて補正係数αを決定する場合と異なり、被検体T内の所定の領域における比較的広い範囲の吸収係数に関する情報(分布)に基づいて補正係数αを決定することができる。ここで、局所的な領域に対応する情報に比べて、所定の領域における比較的広い範囲に対応する情報の方が(個人差等に起因する)ばらつきが比較的生じにくい。したがって、μ’およびμoffの各々の分布に基づいて補正係数αを決定することにより、比較的ばらつきが大きい不適切な情報に基づいて吸収係数画像(μ)が算出(推定)されるのを抑制することができる。これにより、消滅放射線の飛行時間差情報を含むポジトロンCTの計測データに基づいて吸収係数画像(μ)を推定する場合に、吸収係数画像(μ)の推定が不適切になるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、補正係数決定工程は、μ’およびμoffの各々に対応する、吸収係数と吸収係数に対応する画素数との関係を表すヒストグラムに基づいて、補正係数αを決定する工程を含む。これにより、ヒストグラムを用いることによって、上記画素数のピークに対応する吸収係数の情報を取得することができる。その結果、補正係数αを決定する場合に上記ピークに対応する吸収係数の情報に基づいて補正係数αの決定することができるので、補正係数αの決定を容易化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、補正係数決定工程は、複数の仮の補正係数αの各々を用いることにより複数の仮のμを算出する工程と、複数の仮のμの各々に対応するヒストグラムのうち、被検体T内の軟組織の吸収係数に対応する画素数が最大となる仮の補正係数αを、補正係数αとして決定する工程を含む。ここで、体内の軟組織は、全ての被検体Tに共通して、体内において最も比率が大きい(最も量が多い)組織である。したがって、適切な補正係数αによりμが算出された場合、生成されたヒストグラムの中の最も大きいピークに対応する吸収係数と、軟組織に対応する吸収係数とは略一致するはずである。これにより、仮の補正係数αを用いて算出された仮のμのうち軟組織の吸収係数に対応する画素数が最大となる仮の補正係数αを検出することによって、適切な補正係数αを容易に算出することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、複数の仮のμを算出する工程は、仮の補正係数αを複数回変化させながら、複数の仮の補正係数αの各々とμoffの分布との積をμ’に加算する工程を含む。これにより、仮の補正係数αを複数回変化させながら適切な補正係数αを決定することができる。その結果、適切な補正係数αをより容易に算出(検出)することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、被検体Tに対応する部分と被検体T以外に対応する部分とが二値化処理により区分されたMprojを算出するマスク算出工程を備える。これにより、被検体Tに対応する部分と被検体T以外に対応する部分との境界の情報を有するMprojを算出することができる。その結果、Mprojからμoffを生成することによって、被検体Tに対応する部分に適切なオフセット値を有するμoffを容易に生成することができる。これにより、μoffの分布(およびμ’の吸収係数の分布)に基づいてμ’を補正することによって、吸収係数画像(μ)の推定(算出)をより適切に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、非定量的吸収係数算出工程は、計測データに関する評価関数の最適化に基づいてμ’を算出する工程を含む。これにより、計測データに基づいて、最も確からしいμ’を容易に算出することができる。その結果、確からしいμ’のヒストグラムを作成することができるので、吸収係数画像(μ)の推定(算出)をより一層適切に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、吸収係数画像推定プログラム42は、計測データに基づいて計算された、被検体T内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する領域である参照領域を用いずに、μ’およびμoffの各々の分布に基づいて、μ’を補正してμを算出するための補正係数αを決定する制御を制御部4に実行させるように構成されている。これにより、μ’およびμoffの各々の分布に基づいて補正係数αを決定することにより、被検体内の所定の領域における比較的広い範囲の吸収係数に関する情報(分布)に基づいて補正係数αを決定することができる。その結果、比較的ばらつきが大きい不適切な情報に基づいて吸収係数画像(μ)が推定(算出)されるのを抑制することができる。これにより、消滅放射線の飛行時間差情報を含むポジトロンCTの計測データに基づいて吸収係数画像(μ)を推定する場合に、吸収係数画像(μ)の推定が不適切になるのを抑制することが可能な吸収係数画像推定プログラム42を提供することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ポジトロンCT装置1は、計測データに基づいて計算された、被検体T内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する領域である参照領域を用いずに、μ’およびμoffの各々の分布に基づいて、μ’を補正してμを算出するための補正係数αを決定する演算回路41を含む制御部4を備える。これにより、μ’およびμoffの各々の分布に基づいて補正係数αを決定することにより、被検体内の所定の領域における比較的広い範囲の吸収係数に関する情報(分布)に基づいて補正係数αを決定することができる。その結果、比較的ばらつきが大きい不適切な情報に基づいて吸収係数画像(μ)が推定(算出)されるのを抑制することができる。その結果、消滅放射線の飛行時間差情報を含むポジトロンCTの計測データに基づいて吸収係数画像(μ)を推定する場合に、吸収係数画像(μ)の推定が不適切になるのを抑制することが可能なポジトロンCT装置1を提供することができる。
[第2実施形態]
次に、図4および図5を参照して、第2実施形態による吸収係数画像推定方法について説明する。この第2実施形態の吸収係数画像推定方法は、仮の補正係数αを用いてμの算出(推定)を行う上記第1実施形態と異なり、仮の補正係数αを用いずにμを算出(推定)する。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
(PET装置の構成)
図5~図7を参照して、第2実施形態によるPET装置10の構成について説明する。
図5に示すように、PET装置10は、制御部14を備える。制御部14は、同時計数回路40と、演算回路41とを含む。また、制御部14には、吸収係数画像推定プログラム142が記憶されている。演算回路41は、吸収係数画像推定プログラム142による吸収係数画像推定方法の処理を実行する。なお、制御部14は、特許請求の範囲の「コンピュータ」の一例である。
(吸収係数画像推定方法)
次に、図6を参照して、μを推定(算出)する吸収係数画像推定方法についての説明を行う。
図6に示すように、第2実施形態では、補正係数決定工程は、ステップ210において行われる、μ’のヒストグラムにおけるピークの吸収係数から被検体T内の軟組織の吸収係数(以下、Xとする)を減算した値を、μoffのヒストグラムにおけるピークの吸収係数により除算した値を補正係数αとして決定する工程を含む。
具体的には、ステップ103において算出されたμ’のヒストグラムにおいて、最も大きいピークに対応する吸収係数(以下、Pμ’とする)が算出される。また、ステップ105において生成されたμoffのヒストグラムにおいて、最も大きいピークに対応する吸収係数(以下、Pμoffとする)が算出される。そして、α=(Pμ’-X)/Pμoffの式に基づいて補正係数αが算出される。図7を参照すると、Pμ’が約0.012、Pμoffが約0.004、Xが約0.095であるので、補正係数αは約0.625となる。
そして、ステップ111では、ステップ210において決定された補正係数αに基づいてμが算出される。ステップ111の処理は上記第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
なお、図6のステップ102~105、ステップ111、および、ステップ210の各々の制御は、吸収係数画像推定プログラム142(図5参照)が制御部14(演算回路41)(図5参照)に実行させている。
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、補正係数決定工程は、μ’のヒストグラムにおけるピークの吸収係数から被検体T内の軟組織の吸収係数を減算した値を、μoffのヒストグラムにおけるピークの吸収係数により除算した値を補正係数αとして決定する工程を含む。これにより、μ’のヒストグラムにおけるピークと、μoffのヒストグラムにおけるピークと、軟組織の吸収係数とが分かっていれば、これらの値を用いて演算するだけで補正係数αを決定することができる。その結果、補正係数αを決定する制御を簡易化することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果のうち、上記第1実施形態で得られる効果と同様のものの説明は省略する。
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1実施形態では、仮のμのヒストグラムのうち、軟組織の吸収係数における画素数が最大となる仮の補正係数αを、適切な補正係数αと決定する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、軟組織の吸収係数に加えて、他の組織(たとえば骨)の吸収係数における画素にも基づいて補正係数αを決定してもよいし、上記他の組織の吸収係数のみに基づいて補正係数αを決定してもよい。
また、上記第2実施形態では、μ’のヒストグラムのピーク、μoffのヒストグラムのピーク、および、軟組織の吸収係数を用いて補正係数αを決定する方法を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、上記第1実施形態の手法を併用して補正係数αを決定してもよい。
また、上記第1実施形態では、MLACF法により、PET装置1の計測データからλ’およびA’を生成する方法を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、上記計測データからμ’を直接的に生成してもよい。
具体的には、図8に示すように、ステップ202では、ステップ101において取得された計測データに基づき、MLAA(Maximum Likelihood Estimation of Attenuation and Activity)法によりλ’に加えてμ’が直接的に生成される。MLAA法は、MLACF法と同様、与えられたパラメータに対して最も確からしい解を導く尤度関数を用いた処理などを含む手法を意味する。すなわち、MLAA法により、ステップ101において取得された計測データに対して尤度が最大となる(すなわち最も確からしい)λ’およびμ’が生成される。
次に、ステップ203では、ステップ202において生成されたμ’を順投影することによりμ’の投影データ(サイノグラム)が生成される。そして、ステップ204では、ステップ203において生成されたμ’の投影データ(サイノグラム)が二値化処理されることによりMprojが算出される。その後の工程は、上記第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。なお、上記第2実施形態においてもMLAA法を用いてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ML-EM法により、A’からμ’を算出する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、解析的再構成としてのFBP(Filtered Back Projection)法、または、代数的再構成としてのART(Algebraic Reconstruction Technique)法を用いてもよい。また、逐次近似再構成法の1つであるOSEM(Ordered Subsets Expectation Maximization)法を用いてもよい。また、Mprojからμoffを生成する際にも、ML-EM法に代えて上記の各手法を用いてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、計測データから生成されたA’に基づきMprojを算出する例を示したが、本発明はこれに限られない。他の方法でMprojを算出してもよい。たとえば、計測データから直接的に作成されたサイノグラムからMprojを算出してもよい。また、MLACF法およびMLAA法により計測データから生成されたλ’からMprojを算出してもよい。また、補正の有無に関わらず計測データから生成された放射能画像を順投影して生成されたサイノグラムからMprojを算出してもよい。また、μ’または放射能画像において被検体Tの輪郭が抽出された画像を投影することにより生成されたサイノグラムを加工してMprojを生成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、説明の便宜上、制御部4(14)の各処理を「フロー駆動型」のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記各処理をイベント単位で実行する「イベント駆動型」により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
消滅放射線の飛行時間差情報を含むポジトロンCTの計測データに基づいて、被検体T内の吸収係数の絶対値の情報を含む、画像化された定量的吸収係数分布データを推定する吸収係数画像推定方法であって、
前記定量的吸収係数分布データに対して不均一なオフセット値分ずれた吸収係数を有し、前記被検体T内の吸収係数の相対値の情報を含む、画像化された非定量的吸収係数分布データを、前記計測データに基づいて算出する非定量的吸収係数算出工程と、
順投影後のデータが、前記計測データに基づいて生成された投影データである被検体Tマスク投影データに近づくように構成された再構成アルゴリズムにより、前記被検体Tマスク投影データを再構成することによってオフセット画像を生成するオフセット画像生成工程と、
前記計測データに基づいて計算された、前記被検体T内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する領域である参照領域を用いずに、前記非定量的吸収係数分布データおよび前記オフセット画像の各々の分布に基づいて、前記非定量的吸収係数分布データを補正して前記定量的吸収係数分布データを算出するための補正係数αを決定する補正係数決定工程と、
前記補正係数決定工程において決定された前記補正係数αと前記オフセット画像の分布との積を前記非定量的吸収係数分布データに加算することにより前記定量的吸収係数分布データを算出する定量的吸収係数算出工程と、を備える、吸収係数画像推定方法。
(項目2)
前記補正係数決定工程は、前記非定量的吸収係数分布データおよび前記オフセット画像の各々に対応する、吸収係数と吸収係数に対応する画素数との関係を表すヒストグラムに基づいて、前記補正係数αを決定する工程を含む、項目1に記載の吸収係数画像推定方法。
(項目3)
前記補正係数決定工程は、複数の仮の補正係数αの各々を用いることにより複数の仮の定量的吸収係数分布データを算出する工程と、前記複数の仮の定量的吸収係数分布データの各々に対応する前記ヒストグラムのうち、前記被検体T内の吸収係数に対応する画素数が最大となる前記仮の補正係数αを、前記補正係数αとして決定する工程を含む、項目2に記載の吸収係数画像推定方法。
(項目4)
前記複数の仮の定量的吸収係数分布データを算出する工程は、前記仮の補正係数αを複数回変化させながら、前記複数の仮の補正係数αの各々と前記オフセット画像の分布との積を前記非定量的吸収係数分布データに加算する工程を含む、項目3に記載の吸収係数画像推定方法。
(項目5)
前記補正係数決定工程は、前記非定量的吸収係数分布データの前記ヒストグラムにおけるピークの吸収係数から前記被検体T内の吸収係数を減算した値を、前記オフセット画像の前記ヒストグラムにおけるピークの吸収係数により除算した値を前記補正係数αとして決定する工程を含む、項目2に記載の吸収係数画像推定方法。
(項目6)
前記被検体Tに対応する部分と前記被検体T以外に対応する部分とが二値化処理により区分された前記被検体Tマスク投影データを算出するマスク算出工程をさらに備える、項目1~5のいずれか1項に記載の吸収係数画像推定方法。
(項目7)
前記非定量的吸収係数算出工程は、前記計測データに関する評価関数の最適化に基づいて前記非定量的吸収係数分布データを算出する工程を含む、項目1~6のいずれか1項に記載の吸収係数画像推定方法。
(項目8)
被検体T内の吸収係数の絶対値の情報を含む、画像化された定量的吸収係数分布データに対して不均一なオフセット値分ずれた吸収係数を有し、前記被検体T内の吸収係数の相対値の情報を含む、画像化された非定量的吸収係数分布データを、消滅放射線の飛行時間差情報を含むポジトロンCTの計測データに基づいて算出する制御と、
順投影後のデータが前記計測データに基づいて生成された投影データである被検体Tマスク投影データに近づくように構成された再構成アルゴリズムにより、前記被検体Tマスク投影データを再構成することによってオフセット画像を生成する制御と、
前記計測データに基づいて計算された、前記被検体T内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する領域である参照領域を用いずに、前記非定量的吸収係数分布データおよび前記オフセット画像の各々の分布に基づいて、前記非定量的吸収係数分布データを補正して前記定量的吸収係数分布データを算出するための補正係数αを決定する制御と、
前記補正係数αを決定する制御において決定された前記補正係数αと前記オフセット画像の分布との積を前記非定量的吸収係数分布データに加算することにより前記定量的吸収係数分布データを算出する制御と、をコンピュータ4(14)に実行させる、吸収係数画像推定プログラム42(142)。
(項目9)
消滅放射線を検出する検出部2と、
前記検出部により検出された前記消滅放射線の飛行時間差情報を含む計測データを取得するデータ取得部40と、被検体T内の吸収係数の絶対値の情報を含む、画像化された定量的吸収係数分布データに対して不均一なオフセット値分ずれた吸収係数を有し、前記被検体T内の吸収係数の相対値の情報を含む、画像化された非定量的吸収係数分布データを前記計測データに基づいて算出し、順投影後のデータが、前記計測データに基づいて生成された投影データである被検体Tマスク投影データに近づくように構成された再構成アルゴリズムにより、前記被検体Tマスク投影データを再構成することによってオフセット画像を生成し、前記計測データに基づいて計算された、被検体T内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する領域である参照領域を用いずに、前記非定量的吸収係数分布データおよび前記オフセット画像の各々の分布に基づいて、前記非定量的吸収係数分布データを補正して前記定量的吸収係数分布データを算出するための補正係数αを決定し、前記補正係数αを決定する制御において決定された前記補正係数αと前記オフセット画像の分布との積を前記非定量的吸収係数分布データに加算することにより前記定量的吸収係数分布データを算出する算出部41と、を含む制御部4(14)と、を備える、ポジトロンCT装置1(10)。
1、10 PET装置(ポジトロンCT装置)
2 検出器リング(検出部)
4、14 制御部(コンピュータ)
40 同時計数回路(データ取得部)
41 演算回路(算出部)
42、142 吸収係数画像推定プログラム
T 被検体
α 補正係数

Claims (9)

  1. 消滅放射線の飛行時間差情報を含むポジトロンCTの計測データに基づいて、被検体内の吸収係数の絶対値の情報を含む、画像化された第1吸収係数分布データを推定する吸収係数画像推定方法であって、
    前記被検体内の吸収係数の相対値の情報を含む、画像化された第2吸収係数分布データを、前記計測データに基づいて算出する第2吸収係数算出工程と、
    順投影後のデータが、前記計測データに基づいて生成された投影データである被検体マスク投影データに近づくように構成された再構成アルゴリズムにより、前記被検体マスク投影データを再構成することによってオフセット画像を生成するオフセット画像生成工程と、
    記被検体内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する領域である参照領域を用いずに、前記第2吸収係数分布データおよび前記オフセット画像の各々の吸収係数の分布に基づいて、前記第2吸収係数分布データを補正して前記第1吸収係数分布データを算出するための補正係数を決定する補正係数決定工程と、
    前記補正係数決定工程において決定された前記補正係数と前記オフセット画像の吸収係数の分布との積を前記第2吸収係数分布データに加算することにより前記第1吸収係数分布データを算出する第1吸収係数算出工程と、を備える、吸収係数画像推定方法。
  2. 前記補正係数決定工程は、前記第2吸収係数分布データおよび前記オフセット画像の各々に対応する、吸収係数と吸収係数に対応する画素数との関係を表すヒストグラムに基づいて、前記補正係数を決定する工程を含む、請求項1に記載の吸収係数画像推定方法。
  3. 前記補正係数決定工程は、複数の仮の補正係数の各々を用いることにより複数の仮の第1吸収係数分布データを算出する工程と、前記複数の仮の第1吸収係数分布データの各々に対応する前記ヒストグラムのうち、前記被検体内の吸収係数に対応する画素数が最大となる前記仮の補正係数を、前記補正係数として決定する工程を含む、請求項2に記載の吸収係数画像推定方法。
  4. 前記複数の仮の第1吸収係数分布データを算出する工程は、前記仮の補正係数を複数回変化させながら、前記複数の仮の補正係数の各々と前記オフセット画像の吸収係数の分布との積を前記第2吸収係数分布データに加算する工程を含む、請求項3に記載の吸収係数画像推定方法。
  5. 前記補正係数決定工程は、前記第2吸収係数分布データの前記ヒストグラムにおけるピークの吸収係数から前記被検体内の吸収係数を減算した値を、前記オフセット画像の前記ヒストグラムにおけるピークの吸収係数により除算した値を前記補正係数として決定する工程を含む、請求項2に記載の吸収係数画像推定方法。
  6. 前記被検体に対応する部分と前記被検体以外に対応する部分とが二値化処理により区分された前記被検体マスク投影データを算出するマスク算出工程をさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の吸収係数画像推定方法。
  7. 前記第2吸収係数算出工程は、前記計測データに関する評価関数の最適化に基づいて前記第2吸収係数分布データを算出する工程を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の吸収係数画像推定方法。
  8. 検体内の吸収係数の相対値の情報を含む、画像化された第2吸収係数分布データを、消滅放射線の飛行時間差情報を含むポジトロンCTの計測データに基づいて算出する制御と、
    順投影後のデータが前記計測データに基づいて生成された投影データである被検体マスク投影データに近づくように構成された再構成アルゴリズムにより、前記被検体マスク投影データを再構成することによってオフセット画像を生成する制御と、
    記被検体内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する領域である参照領域を用いずに、前記第2吸収係数分布データおよび前記オフセット画像の各々の吸収係数の分布に基づいて、前記第2吸収係数分布データを補正して前記第1吸収係数分布データを算出するための補正係数を決定する制御と、
    前記補正係数を決定する制御において決定された前記補正係数と前記オフセット画像の吸収係数の分布との積を前記第2吸収係数分布データに加算することにより前記第1吸収係数分布データを算出する制御と、をコンピュータに実行させる、吸収係数画像推定プログラム。
  9. 消滅放射線を検出する検出部と、
    前記検出部により検出された前記消滅放射線の飛行時間差情報を含む計測データを取得するデータ取得部と、被検体内の吸収係数の相対値の情報を含む、画像化された第2吸収係数分布データを前記計測データに基づいて算出し、順投影後のデータが、前記計測データに基づいて生成された投影データである被検体マスク投影データに近づくように構成された再構成アルゴリズムにより、前記被検体マスク投影データを再構成することによってオフセット画像を生成し、被検体内の所定の領域が認識可能な画像において既知の吸収係数値を有する領域である参照領域を用いずに、前記第2吸収係数分布データおよび前記オフセット画像の各々の吸収係数の分布に基づいて、前記第2吸収係数分布データを補正して前記第1吸収係数分布データを算出するための補正係数を決定し、前記補正係数を決定する制御において決定された前記補正係数と前記オフセット画像の吸収係数の分布との積を前記第2吸収係数分布データに加算することにより前記第1吸収係数分布データを算出する算出部と、を含む制御部と、を備える、ポジトロンCT装置。
JP2019116457A 2019-06-24 2019-06-24 吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム、および、ポジトロンct装置 Active JP7247782B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019116457A JP7247782B2 (ja) 2019-06-24 2019-06-24 吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム、および、ポジトロンct装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019116457A JP7247782B2 (ja) 2019-06-24 2019-06-24 吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム、および、ポジトロンct装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021001841A JP2021001841A (ja) 2021-01-07
JP7247782B2 true JP7247782B2 (ja) 2023-03-29

Family

ID=73994110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019116457A Active JP7247782B2 (ja) 2019-06-24 2019-06-24 吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム、および、ポジトロンct装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7247782B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007132800A (ja) 2005-11-10 2007-05-31 Shimadzu Corp 核医学診断装置
WO2018220686A1 (ja) 2017-05-29 2018-12-06 株式会社島津製作所 吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム並びにそれを搭載したポジトロンct装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007132800A (ja) 2005-11-10 2007-05-31 Shimadzu Corp 核医学診断装置
WO2018220686A1 (ja) 2017-05-29 2018-12-06 株式会社島津製作所 吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム並びにそれを搭載したポジトロンct装置

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Ahmadreza Rezaei et al.,"Joint Activity and Attenuation Reconstruction of Listmode TOF-PET data",2015 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference(NSS/MIC),2015年,pp.1-3
Ahmadreza Rezaei et al.,"ML-reconstruction for TOF-PET with Simultaneous Estimation of the Attenuation Factors",IEEE Trans Med Imaging,33(7),2014年,1563-72,PMID:24760903
LI, Quanzheng et al.,"Joint estimation of activity image and attenuation sinogram using time-of-flight positron emission,Journal of Medical Imaging,2017年04月26日,Volume 4, Issue 2,pp.023502-1~023502-7

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021001841A (ja) 2021-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10438379B2 (en) In-reconstruction filtering for positron emission tomography (PET) list mode iterative reconstruction
Kemp et al. NEMA NU 2-2007 performance measurements of the Siemens Inveon™ preclinical small animal PET system
EP3494547B1 (en) Time-of-flight (tof) pet image reconstruction using locally modified tof kernels
JP6188418B2 (ja) 偶発イベント削減方法、偶発イベント削減装置及び非一時的コンピュータ可読記憶媒体
CN107636493B (zh) 经由数字实验解决正电子发射断层摄影中的视场外散射校正问题
JP6711450B2 (ja) 散乱推定方法、散乱推定プログラム並びにそれを搭載したポジトロンct装置
JP5925498B2 (ja) 陽電子放出コンピュータ断層撮影装置、陽電子放出コンピュータ断層撮影装置で実行される方法及びプログラム
JP6125309B2 (ja) 偶発同時計数推定方法及び偶発同時計数推定装置
US20110142367A1 (en) Methods and systems for correcting image scatter
US10482634B2 (en) Systems and methods for imaging with anisotropic voxels
US11096634B2 (en) Scatter correction based on energy response
JP6761610B2 (ja) 吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム並びにそれを搭載したポジトロンct装置
JP7247782B2 (ja) 吸収係数画像推定方法、吸収係数画像推定プログラム、および、ポジトロンct装置
JP7001176B2 (ja) データ処理方法、プログラム、データ処理装置および陽電子放出断層撮像装置
US20230206516A1 (en) Scatter estimation for pet from image-based convolutional neural network
Bentourkia et al. Simultaneous attenuation and scatter corrections in small animal PET imaging
Boquet-Pujadas et al. PET Rebinning with Regularized Density Splines
EP4318400A1 (en) Image processing apparatus, image processing method and program
CN115137381A (zh) 核医学诊断装置及方法、医用图像处理装置、存储介质
CN115249283A (zh) 3d散射分布估计
WO2013168778A1 (ja) 偶発同時計数推定方法及び偶発同時計数推定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230227

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7247782

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151