JP6711450B2 - 散乱推定方法、散乱推定プログラム並びにそれを搭載したポジトロンct装置 - Google Patents

散乱推定方法、散乱推定プログラム並びにそれを搭載したポジトロンct装置 Download PDF

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Description

本発明は、散乱推定方法、散乱推定プログラム並びにそれを搭載したポジトロンCT装置における、検出器に到達した2つの消滅放射線の検出時間差を計測するTOF(Time Of Flight)計測型PET(Positron Emission Tomography)のデータ補正技術に関する。
ポジトロンCT装置、すなわちPET(Positron Emission Tomography)装置は、陽電子(Positron)の消滅によって発生する2本のγ線を、複数個の検出器で同時に検出したときのみ(つまり同時計数したときのみ)有効な信号と見なして計測し、計測データに基づいて被検体の断層画像を再構成するように構成されている。具体的には、陽電子放出核種を含んだ放射性薬剤を被検体に投与して、投与された被検体から放出される511keVの対消滅γ線を多数の検出器素子(例えばシンチレータ)群からなる検出器で検出する。そして、2つの検出器で一定時間内にγ線を検出した場合に“同時”に検出したとして、それを一対の対消滅γ線として計数し、さらに対消滅発生位置を検出した2つの検出器を結ぶ直線(LOR: Line Of Response)を特定する。このように検出された同時計数情報を蓄積して再構成処理を行って、陽電子放出核種画像(すなわち断層画像)を得る。
ポジトロンCT(PET)において、被検体内の放射能濃度を定量計測するためには、様々なデータ補正処理が必要である。代表的な補正処理には、感度補正,減弱補正,散乱補正,ランダム補正,減衰補正,デッドタイム補正がある。本発明は、消滅放射線の検出時間差(「飛行時間差」とも呼ばれる)(TOF: Time Of Flight)情報を計測するPET(以下、「TOF-PET」と表記する)の散乱補正に関する。散乱補正を行うためには散乱線の分布を推定する散乱推定を行う必要がある。
散乱推定とは、PETの計測データに混入する散乱線の分布を推定することである。散乱補正とは、推定した散乱線の分布を計測データから差分して散乱線の影響(バイアス)が排除されたデータに変換すること、もしくは、推定した散乱線の分布を画像再構成の計算式に組み込んで散乱線の影響が排除された再構成画像を取得することを指す。
ここで、PETの計測データのデータ形式としては、サイノグラム,ヒストグラム,リストモードのいずれかである。サイノグラムデータは、投影角度方向の要素および半径方向の要素毎に割り振られた信号値配列データである。ヒストグラムデータは、同時計数した検出器の対毎に割り振られた信号値配列データである。リストモードデータは、γ線を検出した事象(「イベント」とも呼ばれる)および同時計数した検出器の対毎に割り振られた時系列の信号値配列データである。
データ形式がサイノグラムまたはヒストグラムの場合、TOF情報を計測しないPET(以下、「non-TOF-PET」と表記する)の計測データは4次元配列データである。それに対して、TOF-PETの計測データは、TOF情報の時間的区切りを加えた5次元配列データである。データ形式がサイノグラムまたはヒストグラムの場合での散乱推定とは、この5次元配列データの各要素に含まれる散乱線の絶対量を推定することである。
被検体の周囲を取り囲む検出器リングを被検体の体軸方向に積層配置する場合、データ形式がサイノグラムのときには、TOF-PETの計測データはP[t][r0][r1][θ][s]の5次元配列データとなり、non-TOF-PETの計測データはP[r0][r1][θ][s]の4次元配列データとなる。ここで、tはTOF情報の時間的区切りの要素、r0およびr1は個々の検出器リングの番号、θは投影角度方向の要素、sは半径方向の要素である。なお、検出器リングが1つの場合には、[r0][r1]の要素が省略されることに留意されたい。
TOF-PETの計測データに対する散乱推定方法として、様々な手法が提案されている(例えば、特許文献1〜5,非特許文献1〜3参照)。
例えば、特許文献1:米国特許第7,129,496号公報では、TOF情報の計測誤差がない場合の仮想的な散乱線の分布を推定し、TOF情報の計測誤差を表す関数(タイミング応答関数)を、推定した散乱線の分布のTOF情報の時間的区切りで畳み込むことで、実際の散乱線の分布を推定する(特許文献1の第5欄第60行の散乱推定計算式を参照)。これは非特許文献1に記載されている方法である。
また、特許文献2:米国特許第7,397,035号公報では、non-TOF-PETの散乱線の分布を推定する単一散乱シミュレーション(SSS: Single Scatter Simulation)アルゴリズム(特許文献2の(1)式を参照)を、TOF-PETの散乱線の分布が推定できるように拡張している。具体的には、散乱点Sと検出点A(B)とを結ぶ直線上(特許文献2のFIG.3を参照)の放射能分布λ(・)の線積分値を、特許文献2の(2)式を用いて計算する際に、それぞれのTOF offset binの検出効率関数εTOF,n(・)(特許文献2の(3)式を参照)を考慮している。この方法は、後に非特許文献2で公開されている。なお、ここでビン(bin)とは、離散化すること(区切ること)を意味する。画像の場合には画素がビンに対応する。TOFビンはTOF情報の時間的区切りを意味し、例えばTOFビンが100[ps]の場合には、100[ps],200[ps],300[ps],…と100[ps]毎のビンに時間的に区切られる。
また、特許文献4:米国特許第8,265,365号公報では、特許文献2:米国特許第7,397,035号公報のように数式に基づいてTOF-PETの散乱線の分布を直接的に計算するのではなく、バイアスを含まない再構成画像をnon-TOF投影データから事前に計算する。そして、その画像のTOF順投影データ(特許文献4のClaim 1における”TOF trues distribution”)を、散乱線が混入している即発同時計数データ(特許文献4のClaim 1における”TOF prompt coincidence events”)から差分することで、散乱線の分布を間接的に推定している。
また、特許文献5:国際公開第WO2013/175352号では、特許文献2:米国特許第7,397,035号公報や特許文献4:米国特許第8,265,365号公報のように解析的な計算に基づいて散乱線の分布を推定するのではなく、モンテカルロシミュレーションに基づいて散乱線の分布を推定する。
また、非特許文献3では、散乱成分を含んだTOF投影データを作成し、当該TOF投影データをTOF情報の時間的区切り(「TOF方向」とも呼ばれる)で積分(すなわち加算)して得られたnon-TOF投影データにおける信号値と各々のTOF投影データにおける信号値との比率を、TOF情報の時間的区切り(TOF方向)毎にデータを分配する分配比率として算出する。
一方、非特許文献3では、non-TOF-SSSアルゴリズム,エネルギーウィンドウ法,コンボリューション法などの公知技術によってnon-TOF散乱線の分布(non-TOF散乱投影データ)を求め、non-TOF散乱投影データを上記の分配比率に応じて複数に分配することで、分配された各々のデータを、TOF情報の時間的区切り(TOF方向)毎の散乱投影データであるTOF散乱投影データ(TOF散乱線の分布)として算出する。
非特許文献3の手法について詳しく説明する。データ形式がサイノグラムにおける未知のTOF散乱投影データ(5次元配列データ)をTOF情報の時間的区切り(TOF方向)で積分(圧縮)した投影データ(分布)は、non-TOF散乱投影データ(4次元配列データ)となる。
したがって、4次元配列データの各要素(各検出器のペアに相当)において、散乱線量がTOF情報の時間的区切り(TOF方向)にどのように変化しているかを示したプロファイル(以下、「TOF方向プロファイル」とも呼ぶ)が解れば、そのプロファイルにしたがってnon-TOF散乱投影データをTOF方向に拡張(TOFビンの個数と同数に分配)することは容易である。その結果、TOF方向に拡張された各々のデータをTOF散乱投影データとして推定することができたことになる。つまり、non-TOF散乱投影データ(non-TOF散乱線の分布)が既知の場合、TOF散乱投影データの推定を実施することは「TOF方向プロファイルを決定する」ことと同義である。
非特許文献3における図6の概念図を参照して具体的に説明する。散乱成分を含んだTOF投影データにおける信号値配列データを、図6の上段に示すようにPとする。TOFビンの個数を9個とし、TOF方向に並べると、TOF投影データにおける各々の信号値配列データPを、{0,1,3,8,4,2,1,1,0}とする。TOF投影データPをTOF情報の時間的区切り(TOF方向)で積分(すなわち加算)すると、non-TOF投影データにおける信号値は”20”( 図6の上段の「合計:20」を参照)となる。
図6の中段に示すように、図6の上段に示すTOF投影データにおける各々の信号値配列データP{0,1,3,8,4,2,1,1,0}をそれぞれ分子とし、non-TOF投影データにおける信号値”20”を分母とすると、TOF方向プロファイルは{0/20,1/20,3/20,8/20,4/20,2/20,1/20,1/20,0/20}となる。このTOF方向プロファイルを、TOF情報の時間的区切り(TOF方向)毎にデータを分配する分配比率とみなすことができる。
一方、上述したように、non-TOF-SSSアルゴリズム,エネルギーウィンドウ法,コンボリューション法などの公知技術によってnon-TOF散乱投影データを求めることができる。non-TOF散乱投影データにおける信号値を、図6の中段に示すようにSNTとする。したがって、TOF方向プロファイルに相当する分配比率に応じてnon-TOF散乱投影データにおける信号値SNTを、TOFビンの個数と同数(図6では9)に分配すれば、分配された個々のデータを、TOF情報の時間的区切り(TOF方向)毎の散乱投影データであるTOF散乱投影データとして求めることができる。最も簡単な分配方法は、non-TOF散乱投影データにおける信号値SNTと分配比率とを乗算して、得られた各々のデータをTOF散乱投影データとして求める(非特許文献3の(3)式を参照)。
図6の下段には、non-TOF散乱投影データにおける信号値SNTと分配比率とを乗算して、得られたTOF散乱投影データにおける信号値配列データを示す。TOF散乱投影データにおける信号値配列データを、図6の下段に示すようにSTOFとする。TOF散乱投影データにおける信号値配列データSTOFは、{0/20, SNT/20,3SNT/20,8SNT/20,4SNT/20,2SNT/20, SNT/20, SNT/20,0/20}となる。このように、non-TOF散乱投影データが既知の場合、TOF投影データをTOF情報の時間的区切り(TOF方向)で積分して得られたnon-TOF投影データにおける信号値と各々のTOF投影データにおける信号値との比率をTOF方向プロファイルに相当する分配比率として算出することができる。さらに、non-TOF散乱投影データを分配比率に応じて複数に分配すれば、散乱推定を簡易に行うことができる。
米国特許第7,129,496号公報 米国特許第7,397,035号公報 米国特許第8,809,791号公報 米国特許第8,265,365号公報 国際公開第WO2013/175352号
M. Iatrou et al., "Comparison of two 3D implementations of TOF scatter estimation in 3D PET", Nuclear Science Symposium Conference Record, 2007. NSS’07. IEEE (Volume:5), 3474-3477. C. Watson, "Extension of Single Scatter Simulation to Scatter Correction of Time-of-Flight PET", IEEE Transactions on Nuclear Science (Volume:54, Issue:5), pp.1679-1686, 2007. X. Jin et al., "List-mode reconstruction for the Biograph mCT with physics modeling and event-by-event motion correction", Phys. Med. Biol. 58 (2013) 5567-5591
しかしながら、非特許文献3における散乱推定方法では、散乱線のTOF方向プロファイルを正確に求めることができないという問題点がある。
先ず、画像再構成に用いるデータの計測を目的とした通常のエネルギーウィンドウ(例えば400keV-600keV)において実測された即発同時計数(prompt coincidence)のTOF投影データyp(5次元配列データ)を作成する。上記のエネルギーウィンドウで実測(または計算)された偶発同時計数(random coincidence)のTOF投影データyrを作成する。ypからyrを減算すると、真の同時計数(true coincidence)および散乱同時計数(scatter coincidence)のみを含んだTOF投影データyt+sが得られる。5次元配列データであるyt+sのTOF方向の計数値プロファイルを算出し、それをTOF方向プロファイルとする。
この方法では、通常のエネルギーウィンドウ(例えば400keV-600keV)に含まれる真の同時計数および散乱同時計数の和のTOF投影データyt+sからTOF方向プロファイルを推定しているので、関心領域である散乱線のTOF方向プロファイルは厳密には求まらない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、散乱推定を正確に行うことができる散乱推定方法、散乱推定プログラム並びにそれを搭載したポジトロンCT装置を提供することを目的とする。
発明者は、上記の問題を解決するために鋭意研究した結果、次のように推定した。
すなわち、上述したように、真の同時計数および散乱同時計数を含むTOF投影データyt+sからTOF方向プロファイルを推定しているので、散乱線のTOF方向プロファイルを正確に求めることができない。一方、通常のエネルギーウィンドウにおける中心エネルギーよりも低い中心エネルギーを有したエネルギーウィンドウ(例えば450keV以下)において実測された投影データは真の同時計数を多少含むが、非特許文献3で通常のエネルギーウィンドウにおいて実測された投影データと比較すると、投影データに含まれる真の同時計数の割合が少なくなった分、散乱同時計数の割合が多くなる。
したがって、450keV以下のエネルギーウィンドウは散乱線用のエネルギーウィンドウと見なされ、当該散乱線用のエネルギーウィンドウ(以下、「低エネルギーウィンドウ」とも呼ぶ)で計測されたデータから散乱線のTOF方向プロファイルを推定し、さらに分配比率を求めれば、散乱推定を正確に行うことができると推定した。
このような推定に基づく本発明は、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る散乱推定方法は、ポジトロンCTの測定データに対する散乱推定方法であって、ポジトロンCTで得られる再構成データを取得するために設定される再構成データ用のエネルギーウィンドウで計測された検出信号データを、検出器に到達した2つの消滅放射線の検出時間差であるTime Of Flight情報の時間的区切り毎に割り振ることにより、前記時間的区切り毎の投影データである第1のTOF投影データを作成する第1のTOF投影データ作成工程と、前記再構成データ用のエネルギーウィンドウにおける中心エネルギーよりも低い中心エネルギーを有した散乱線用のエネルギーウィンドウで計測された検出信号データを、前記時間的区切り毎に割り振ることにより、前記時間的区切り毎の投影データである第2のTOF投影データを作成する第2のTOF投影データ作成工程と、前記第2のTOF投影データを前記時間的区切りで積分して得られたnon-TOF投影データにおける信号値と各々の前記第2のTOF投影データにおける信号値との比率を、前記時間的区切り毎にデータを分配する分配比率として算出する分配比率算出工程と、前記第1のTOF投影データを前記時間的区切りで積分して得られたnon-TOF投影データに対して散乱推定処理を行うことで、前記再構成データ用のエネルギーウィンドウに含まれるnon-TOF散乱投影データを作成するnon-TOF散乱投影データ作成工程と、前記non-TOF散乱投影データにおける信号値と前記分配比率とを乗算することで、乗算して得られた信号値からなる投影データを、前記再構成データ用のエネルギーウィンドウに含まれる前記時間的区切り毎の散乱投影データであるTOF散乱投影データとして算出するTOF散乱投影データ算出工程とを備えるものである。
本発明に係る散乱推定方法によれば、再構成データ用のエネルギーウィンドウは通常のエネルギーウィンドウであって、第1のTOF投影データ作成工程では、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)で計測された検出信号データを、検出器に到達した2つの消滅放射線の検出時間差であるTime Of Flight情報(TOF情報)の時間的区切り毎に割り振ることにより、時間的区切り毎の投影データである第1のTOF投影データを作成する。
一方、通常のエネルギーウィンドウにおける中心エネルギーよりも低い中心エネルギーを有した散乱線用のエネルギーウィンドウは低エネルギーウィンドウであって、第2のTOF投影データ作成工程では、散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)で計測された検出信号データを、TOF情報の時間的区切り毎に割り振ることにより、時間的区切り毎の投影データである第2のTOF投影データを作成する。上述したように、低エネルギーウィンドウにおいて実測された第2のTOF投影データには散乱同時計数の割合が多く含まれるが、真の同時計数を多少含んでおり、かつ通常のエネルギーウィンドウにおけるTOF散乱投影データとは一致しない。したがって、第2のTOF投影データは最終的に求められる通常のエネルギーウィンドウにおけるTOF散乱投影データではない。
そこで、下記のような工程を行うことで、通常のエネルギーウィンドウにおけるTOF散乱投影データを求める。分配比率算出工程では、第2のTOF投影データを時間的区切りで積分して得られたnon-TOF投影データにおける信号値と各々の第2のTOF投影データにおける信号値との比率を、時間的区切り毎にデータを分配する分配比率として算出する。
一方、non-TOF散乱投影データ作成工程では、第1のTOF投影データを時間的区切りで積分して得られたnon-TOF投影データに対して散乱推定処理を行うことで、通常のエネルギーウィンドウに含まれるnon-TOF散乱投影データを作成する。そして、TOF散乱投影データ算出工程では、non-TOF散乱投影データにおける信号値と分配比率とを乗算することで、乗算して得られた信号値からなる投影データを、通常のエネルギーウィンドウに含まれる時間的区切り毎の散乱投影データであるTOF散乱投影データとして算出する。
上述したように、低エネルギーウィンドウで計測されたデータ(第2のTOF投影データ)から分配比率を求めれば、散乱推定を正確に行うことができる。さらに、分配の対象は、通常のエネルギーウィンドウでのnon-TOF散乱投影データであるので、分配後のTOF散乱投影データは、通常のエネルギーウィンドウにおけるTOF散乱投影データとして近似的に求められ、散乱推定をより正確に行うことができる。
なお、同時計数回路から直接的に収集された第1のTOF投影データおよび第2のTOF投影データには、偶発同時計数が含まれている。そこで、偶発同時計数を除去するために、第1のTOF投影データ作成工程では、即発同時計数のTOF投影データから偶発同時計数のTOF投影データを減算することで得られたTOF投影データを第1のTOF投影データとして作成するのが好ましい。同様に、偶発同時計数を除去するために、第2のTOF投影データ作成工程では、即発同時計数のTOF投影データから偶発同時計数のTOF投影データを減算することで得られたTOF投影データを第2のTOF投影データとして作成するのが好ましい。上述した第1のTOF投影データ作成工程および第2のTOF投影データ作成工程の両方の工程で即発同時計数のTOF投影データから偶発同時計数のTOF投影データをそれぞれ減算するのがより好ましい。
また、上述したnon-TOF散乱投影データ作成工程における散乱推定処理は、例えば下記のような手法における散乱推定処理がある。
non-TOF散乱投影データ作成工程における散乱推定処理の一例は、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)および散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)を用いて散乱線分布を推定するエネルギーウィンドウ法における散乱推定処理である。また、non-TOF散乱投影データ作成工程における散乱推定処理の他の一例は、放射能分布画像および吸収係数画像を入力データとして散乱線分布を推定する単一散乱シミュレーション法における散乱推定処理である。
また、本発明に係る散乱推定プログラムは、本発明に係る散乱推定方法をコンピュータに実行させるものである。
本発明に係る散乱推定プログラムによれば、本発明に係る散乱推定方法をコンピュータに実行させることによって、散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)で計測された第2のTOF投影データから分配比率を求め、分配の対象は、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)でのnon-TOF散乱投影データであるので、分配後のTOF散乱投影データは、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)におけるTOF散乱投影データとして近似的に求められ、散乱推定を正確に行うことができる。
また、本発明に係るポジトロンCT装置は、本発明に係る散乱推定プログラムを搭載したポジトロンCT装置において、当該散乱推定プログラムを実行する演算手段を備えるものである。
本発明に係るポジトロンCT装置によれば、本発明に係る散乱推定プログラムを実行する演算手段を備えることによって、散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)で計測された第2のTOF投影データから分配比率を求め、分配の対象は、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)でのnon-TOF散乱投影データであるので、分配後のTOF散乱投影データは、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)におけるTOF散乱投影データとして近似的に求められ、散乱推定を正確に行うことができる。
本発明に係る散乱推定方法、散乱推定プログラム並びにそれを搭載したポジトロンCT装置によれば、散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)で計測された第2のTOF投影データから分配比率を求め、分配の対象は、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)でのnon-TOF散乱投影データであるので、分配後のTOF散乱投影データは、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)におけるTOF散乱投影データとして近似的に求められ、散乱推定を正確に行うことができる。
各実施例に係るPET装置の概略斜視図およびブロック図である。 γ線検出器の概略斜視図である。 実施例1に係る散乱推定方法の処理手順およびデータの流れを示したフローチャートである。 実施例2に係る散乱推定方法の処理手順およびデータの流れを示したフローチャートである。 実施例2に係る散乱推定方法のnon-TOF散乱推定アルゴルズムでの単一散乱シミュレーション法における散乱推定処理のフローチャートである。 非特許文献3における概念図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は、各実施例に係るPET装置の概略斜視図およびブロック図であり、図2は、γ線検出器の概略斜視図である。また、図1および図2は各実施例とも共通の構成である。
図1に示すように、PET装置1は、被検体の周囲を取り囲む検出器リング2を被検体の体軸方向に積層配置して備えている。検出器リング2内には複数のγ線検出器3が埋設されている。PET装置1は、本発明におけるポジトロンCT装置に相当する。また、γ線検出器3は、本発明における検出器に相当する。
その他にも、PET装置1は、同時計数回路4と演算回路5とを備えている。図1では、γ線検出器3から同時計数回路4への結線を2つのみ図示しているが、実際には、γ線検出器3の光電子増倍管(PMT: Photo Multiplier Tube)33(図2を参照)の総チャンネル数分、同時計数回路4に接続されている。演算回路5は、散乱推定プログラム6による、後述する図3に示す散乱推定方法の処理を実行する。演算回路5は、本発明における演算手段に相当する。
放射性薬剤が投与された被検体(図示省略)から発生したγ線をγ線検出器3のシンチレータブロック31(図2を参照)が光に変換して、変換されたその光をγ線検出器3の光電子増倍管(PMT)33(図2を参照)は増倍させて電気信号に変換する。その電気信号を同時計数回路4に送り込み、カウント値の検出信号データを生成する。
具体的には、被検体(図示省略)に放射性薬剤を投与すると、ポジトロン放出型のRIのポジトロンが消滅することにより、2本のγ線が発生する。同時計数回路4は、シンチレータブロック31(図2を参照)の位置とγ線の入射タイミングとをチェックし、被検体の両側にある2つのシンチレータブロック31でγ線が同時に入射したときのみ、送り込まれた電気信号を適正なデータと判定する。一方のシンチレータブロック31のみにγ線が入射したときには、同時計数回路4は棄却する。つまり、同時計数回路4は、上述した電気信号に基づいて、2つのγ線検出器3においてγ線が同時観測(すなわち同時計数)されたことを検出する。
同時計数回路4により同時計数と判定された適正なデータにより構成された検出信号データ(カウント値)を、演算回路5に送り込む。演算回路5は、後述するステップS1〜S5(図3を参照)を行って、PET装置1によって得られた被検体(図示省略)の検出信号データ(カウント値)から散乱推定を行う。演算回路5の具体的な機能については後述する。
なお、ROM(Read-only Memory)などに代表される記憶媒体(図示省略)に散乱推定プログラム6が記憶されており、当該散乱推定プログラム6を記憶媒体から散乱推定プログラム6を演算回路5に読み出して、散乱推定プログラム6を演算回路5が実行することで、図3のフローチャートに示す散乱推定方法の処理を行う。演算回路5は、GPU(Graphics Processing Unit),中央演算処理装置(CPU)あるいはプログラムデータに応じて内部の使用するハードウェア回路(例えば論理回路)が変更可能なプログラマブルデバイス(例えばFPGA(Field Programmable Gate Array))などで構成されている。
γ線検出器3は、図2に示すようにシンチレータブロック31と、そのシンチレータブロック31に対して光学的に結合されたライトガイド32と、そのライトガイド32に対して光学的に結合された光電子増倍管(以下、単に「PMT」と略記する)33とを備えている。シンチレータブロック31を構成する各シンチレータ素子は、γ線の入射に伴って発光することでγ線から光に変換する。この変換によってシンチレータ素子はγ線を検出する。シンチレータ素子において発光した光がシンチレータブロック31で十分に拡散されて、ライトガイド32を介してPMT33に入力される。PMT33は、シンチレータブロック31で変換された光を増倍させて電気信号に変換する。その電気信号は画素値として同時計数回路4(図1を参照)に送り込まれる。
また、γ線検出器3は、図2に示すように、3次元的に配置されたシンチレータ素子からなり、深さ方向に複数の層からなるDOI検出器である。図2では、4層のDOI検出器を図示しているが、層の数については、複数であれば特に限定されない。
ここで、DOI検出器は、各々のシンチレータ素子を放射線の深さ方向に積層して構成されたものであり、相互作用を起こした深さ(DOI: Depth of Interaction)方向と横方向(入射面に平行な方向)との座標情報を重心演算により求める。DOI検出器を用いることにより深さ方向の空間分解能をより一層向上させることができる。よって、DOI検出器の層の数は、深さ方向に積層されたシンチレータ素子の層の数である。
次に、演算回路5の具体的な機能について、図3を参照して説明する。図3は、実施例1に係る散乱推定方法の処理手順およびデータの流れを示したフローチャートである。
先ず、図1に示すPET装置1によって被検体の撮影を行い、同時計数回路4(図1を参照)によってリストモードデータを取得する。リストモードデータには、検出した光子のエネルギー情報が記録されている。
(ステップS1)第1のTOF投影データ作成
通常のエネルギーウィンドウ(例えば400keV-600keV)、すなわち再構成データ用のエネルギーウィンドウ、およびTOF投影データのTOF方向の計測範囲とビン幅とをそれぞれ設定する。その設定にしたがって、リストモードデータから、偶発同時計数を含まない第1のTOF投影データを作成する。具体的には、同時計数する対の検出器の一方を遅延回路(図示省略)によって遅らせた状態で同時計数されたデータを偶発同時計数のTOF投影データとして計測して、即発同時計数のTOF投影データから偶発同時計数のTOF投影データを減算することで、偶発同時計数を除去した第1のTOF投影データを作成する。
この第1のTOF投影データは、通常のエネルギーウィンドウで設定されたデータである。データ形式がサイノグラムのときには、第1のTOF投影データにおける信号値配列データを、P_std[t][r0][r1][θ][s]とする。「背景技術」の欄でも述べたように、tはTOF情報の時間的区切りの要素、r0およびr1は個々の検出器リングの番号、θは投影角度方向の要素、sは半径方向の要素である。ステップS1は、本発明における第1のTOF投影データ作成工程に相当する。
(ステップS2)第2のTOF投影データ作成
一方、低エネルギーウィンドウ(例えば450keV以下)、すなわち散乱線用のエネルギーウィンドウ、およびTOF投影データのTOF方向の計測範囲とビン幅とをそれぞれ設定する。その設定にしたがって、リストモードデータから、偶発同時計数を含まない第2のTOF投影データを作成する。偶発同時計数を除去する具体的な手法については、ステップS1と同様であるので、その説明を省略する。
この第2のTOF投影データは、低エネルギーウィンドウで設定されたデータである。データ形式がサイノグラムのときには、第2のTOF投影データにおける信号値配列データを、P_low[t][r0][r1][θ][s]とする。ステップS2は、本発明における第2のTOF投影データ作成工程に相当する。
(ステップS3)TOF方向の分配比率の算出
ステップS2で作成された第2のTOF投影データにおける信号値配列データP_low[t][r0][r1][θ][s]をTOF情報の時間的区切りで積分して、non-TOF投影データにおける信号値配列データΣP_low[t’][r0][r1][θ][s](ただし、Σは要素t’のTOF方向の計測範囲でのP_low[t’][r0][r1][θ][s]の総和)を取得する。このnon-TOF投影データにおける信号値配列データΣP_low[t’][r0][r1][θ][s]と各々の第2のTOF投影データにおける信号値配列データP_low[t][r0][r1][θ][s]との比率、すなわちP_low[t][r0][r1][θ][s]/Σ’P_low[t’][r0][r1][θ][s]をTOF情報の時間的区切り毎にデータを分配する分配比率(TOF方向の分配比率)として算出する。ステップS3は、本発明における分配比率算出工程に相当する。
(ステップS4)non-TOF散乱推定アルゴルズム
ステップS1で作成された第1のTOF投影データをTOF情報の時間的区切りで積分して得られたnon-TOF投影データに対して散乱推定処理(「non-TOF散乱推定アルゴルズム」と称す)を行う。non-TOF散乱推定アルゴルズムについては、本実施例1ではエネルギーウィンドウ法における散乱推定処理を例に採って説明する。
エネルギーウィンドウ法は、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)および散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)を用い用いて散乱線分布を推定する公知の手法であるが、本実施例1ではエネルギーウィンドウ法について概念的に説明する。
エネルギーウィンドウ法では、通常のエネルギーウィンドウで投影データ(サイノグラム)P_stdを作成するとともに、低エネルギーウィンドウで投影データ(サイノグラム)P_lowを作成する。P_lowの定数倍をP_stdから差分することで、真の同時計数サイノグラムTを求める。つまり、T=P_std-k×P_lowの式によって、真の同時計数サイノグラムTを求める。ここで、kは事前に求められた係数である。
したがって、ステップS2で作成された第2のTOF投影データにおける信号値配列データP_low[t][r0][r1][θ][s]をTOF情報の時間的区切りで積分して、得られたnon-TOF投影データにおける信号値配列データΣP_low[t’][r0][r1][θ][s]を定数倍した値(k×ΣP_low[t’][r0][r1][θ][s])が推定散乱サイノグラムにおける信号値配列データになる。ここで、推定散乱サイノグラムは、通常のエネルギーウィンドウに含まれるnon-TOF散乱投影データに相当し、このnon-TOF散乱投影データにおける信号値配列データをSNT[r0][r1][θ][s]とすると、SNT[r0][r1][θ][s]=k×ΣP_low[t’][r0][r1][θ][s]で表される。
なお、事前に、線源を用いた撮影を行って、あるいは撮影対象をファントム(例えば被検体と同等サイズのファントム)とした撮影を行って、得られた通常のエネルギーウィンドウでの投影データP_std,低エネルギーウィンドウでの投影データP_lowから求められた真の同時計数サイノグラムTが散乱線を含まないようにkを調整して、調整されたkを事前に求められた係数として用いる。エネルギーウィンドウ法の具体的な手法については、参考文献を参照されたい(参考文献:S Grootoonk et al., "Correction for scatter in 3D brain PET using a dual energy window method", Phys. Med. Biol. 41 (1996) 2757-2774.)。ステップS4は、本発明におけるnon-TOF散乱投影データ作成工程に相当する。
(ステップS5)TOF散乱投影データの算出
ステップS4で作成された通常のエネルギーウィンドウに含まれるnon-TOF散乱投影データ(推定散乱サイノグラム)における信号値配列データ(SNT[r0][r1][θ][s]=k×ΣP_low[t’][r0][r1][θ][s])と、ステップS3で求められた分配比率P_low[t][r0][r1][θ][s]/Σ’P_low[t’][r0][r1][θ][s]とを乗算する。この乗算式は下記(1)式のように表される。
Figure 0006711450
ここで、STOF[t][r0][r1][θ][s]はTOF散乱投影データにおける信号値配列データである。上記(1)式のように乗算することで、通常のエネルギーウィンドウに含まれるTOF散乱投影データが最終的に求められる。なお、ステップS4でのエネルギーウィンドウ法においてΣP_low[t’][r0][r1][θ][s]をk倍しているので、ステップS5でP_low[t][r0][r1][θ][s]/Σ’P_low[t’][r0][r1][θ][s]を乗算しても、乗算によって最終的に求められるTOF散乱投影データにおける信号値配列データが、元のP_low[t’][r0][r1][θ][s]に戻ることはない。ステップS5は、本発明におけるTOF散乱投影データ算出工程に相当する。
ステップS5で求められたTOF散乱投影データが、散乱補正を行うための散乱線の分布となる。「背景技術」の欄でも述べたように、推定した散乱線の分布を計測データから差分して散乱線の影響(バイアス)が排除されたデータに変換する、あるいは推定した散乱線の分布を画像再構成の計算式に組み込んで散乱線の影響が排除された再構成画像を取得することによって、散乱補正を行う。
なお、ステップS1,S4と、ステップS2,S3との順番については、特に限定されない。ステップS2,S3の後にステップS1,S4を行ってもよいし、ステップS1,S4と、ステップS2,S3とを並列的に行ってもよい。ただし、本実施例1の場合には、ステップS4では、ステップS2で作成された散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)での第2のTOF投影データを用いるので、ステップS2の後にステップS4を行うようにする。
本実施例1に係る散乱推定方法によれば、再構成データ用のエネルギーウィンドウは通常のエネルギーウィンドウであって、ステップS1(第1のTOF投影データ作成)では、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)で計測された検出信号データを、検出器に到達した2つの消滅放射線の検出時間差であるTime Of Flight情報(TOF情報)の時間的区切り毎に割り振ることにより、時間的区切り毎の投影データである第1のTOF投影データ(信号値配列データP_std[t][r0][r1][θ][s])を作成する。
一方、通常のエネルギーウィンドウにおける中心エネルギーよりも低い中心エネルギーを有した散乱線用のエネルギーウィンドウは低エネルギーウィンドウであって、ステップS2(第2のTOF投影データ作成)では、散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)で計測された検出信号データを、TOF情報の時間的区切り毎に割り振ることにより、時間的区切り毎の投影データである第2のTOF投影データ(信号値配列データP_low[t][r0][r1][θ][s])を作成する。「課題を解決するための手段」の欄でも述べたように、低エネルギーウィンドウにおいて実測された第2のTOF投影データには散乱同時計数の割合が多く含まれるが、真の同時計数を多少含んでおり、かつ通常のエネルギーウィンドウにおけるTOF散乱投影データとは一致しない。したがって、第2のTOF投影データは最終的に求められる通常のエネルギーウィンドウにおけるTOF散乱投影データではない。
そこで、図3のステップS3〜S5を行うことで、通常のエネルギーウィンドウにおけるTOF散乱投影データを求める。ステップS3(TOF方向の分配比率の算出)では、第2のTOF投影データを時間的区切りで積分して得られたnon-TOF投影データにおける信号値と各々の第2のTOF投影データにおける信号値との比率(P_low[t][r0][r1][θ][s]/Σ’P_low[t’][r0][r1][θ][s])を、時間的区切り毎にデータを分配する分配比率として算出する。
一方、ステップS4(non-TOF散乱推定アルゴルズム)では、第1のTOF投影データを時間的区切りで積分して得られたnon-TOF投影データに対して散乱推定処理(本実施例1ではエネルギーウィンドウ法における散乱推定処理)を行うことで、通常のエネルギーウィンドウに含まれるnon-TOF散乱投影データ(信号値配列データSNT[r0][r1][θ][s]=k×ΣP_low[t’][r0][r1][θ][s])を作成する。そして、ステップS5(TOF散乱投影データの算出)では、non-TOF散乱投影データにおける信号値と分配比率とを乗算することで、乗算して得られた信号値からなる投影データを、通常のエネルギーウィンドウに含まれる時間的区切り毎の散乱投影データであるTOF散乱投影データ(信号値配列データSTOF[t][r0][r1][θ][s])として算出する。
「課題を解決するための手段」の欄でも述べたように、低エネルギーウィンドウで計測されたデータ(第2のTOF投影データ)から分配比率を求めれば、散乱推定を正確に行うことができる。さらに、分配の対象は、通常のエネルギーウィンドウでのnon-TOF散乱投影データであるので、分配後のTOF散乱投影データは、通常のエネルギーウィンドウにおけるTOF散乱投影データとして近似的に求められ、散乱推定をより正確に行うことができる。
なお、同時計数回路4から直接的に収集された第1のTOF投影データおよび第2のTOF投影データには、偶発同時計数が含まれている。そこで、偶発同時計数を除去するために、ステップS1(第1のTOF投影データ作成)では、即発同時計数のTOF投影データから偶発同時計数のTOF投影データを減算することで得られたTOF投影データを第1のTOF投影データとして作成している。同様に、偶発同時計数を除去するために、ステップS2(第2のTOF投影データ作成)では、即発同時計数のTOF投影データから偶発同時計数のTOF投影データを減算することで得られたTOF投影データを第2のTOF投影データとして作成している。したがって、本実施例1では、ステップS1(第1のTOF投影データ作成)およびステップS2(第2のTOF投影データ作成)の両方のステップで即発同時計数のTOF投影データから偶発同時計数のTOF投影データをそれぞれ減算している。
また、本実施例1では、ステップS4(non-TOF散乱推定アルゴルズム)における散乱推定処理は、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)および散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)を用いて散乱線分布を推定するエネルギーウィンドウ法における散乱推定処理である。
本実施例1に係る散乱推定プログラム6(図1を参照)によれば、本実施例1に係る散乱推定方法をコンピュータ(各実施例では図1に示す演算回路5を構成するGPU,CPUまたはプログラマブルデバイス)に実行させることによって、散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)で計測された第2のTOF投影データから分配比率を求め、分配の対象は、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)でのnon-TOF散乱投影データであるので、分配後のTOF散乱投影データは、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)におけるTOF散乱投影データとして近似的に求められ、散乱推定を正確に行うことができる。
本実施例1に係るPET装置1(図1を参照)によれば、本実施例1に係る散乱推定プログラム6を実行する演算手段(各実施例では図1に示す演算回路5を構成するGPU,CPUまたはプログラマブルデバイス)を備えることによって、散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)で計測された第2のTOF投影データから分配比率を求め、分配の対象は、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)でのnon-TOF散乱投影データであるので、分配後のTOF散乱投影データは、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)におけるTOF散乱投影データとして近似的に求められ、散乱推定を正確に行うことができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。図4は、実施例2に係る散乱推定方法の処理手順およびデータの流れを示したフローチャートであり、図5は、実施例2に係る散乱推定方法のnon-TOF散乱推定アルゴルズムでの単一散乱シミュレーション法における散乱推定処理のフローチャートである。
上述した実施例1では、non-TOF散乱推定アルゴルズムとして、エネルギーウィンドウ法における散乱推定処理を行った。これに対して、本実施例2では、non-TOF散乱推定アルゴルズムとして、単一散乱シミュレーション(SSS: Single Scatter Simulation)法における散乱推定処理を行う。
(ステップS11)第1のTOF投影データ作成
図4のステップS11は、上述した実施例1のステップS1と同じであるので、その説明については省略する。ステップS11は、本発明における第1のTOF投影データ作成工程に相当する。
(ステップS12)第2のTOF投影データ作成
図4のステップS12は、上述した実施例1のステップS2と同じであるので、その説明については省略する。ステップS12は、本発明における第2のTOF投影データ作成工程に相当する。
(ステップS13)TOF方向の分配比率の算出
図4のステップS13は、上述した実施例1のステップS3と同じであるので、その説明については省略する。ステップS13は、本発明における分配比率算出工程に相当する。
(ステップS14)non-TOF散乱推定アルゴルズム
ステップS11で作成された第1のTOF投影データをTOF情報の時間的区切りで積分して得られたnon-TOF投影データに対して散乱推定処理(non-TOF散乱推定アルゴルズム)を行う。上述したように、non-TOF散乱推定アルゴルズムについては、本実施例2では単一散乱シミュレーション法における散乱推定処理を例に採って説明する。
単一散乱シミュレーション法は、放射能分布画像および吸収係数画像を入力データとして散乱線分布を推定する公知の手法であるが、本実施例2では単一散乱シミュレーション法について概念的に説明する。
単一散乱シミュレーション(SSS)法では、放射能分布画像および吸収係数画像を入力データとして、コンプトン散乱の理論式(クライン−仁科の公式)に基づいて、散乱線分布を推定する。ここで、上記の放射能分布画像は散乱補正済みであることが前提であるが、SSS法で散乱分布を求めたいのに、散乱補正済みの画像が必要であるというのは矛盾する。そこで、実際にSSS法で散乱分布を求める場合には、図5のステップT2〜T3を繰り返し行う。
繰り返し回数については、特に限定されない。予め設定された繰り返し回数に達したら、図4のステップS14(non-TOF散乱推定アルゴルズム)を終了してもよいし、術者がリアルタイムに繰り返しの終了を手動で操作することによって、図4のステップS14(non-TOF散乱推定アルゴルズム)を手動で終了してもよい。
(ステップT1)散乱補正なしの再構成
図4のステップS11で作成された第1のTOF投影データをTOF情報の時間的区切りで積分して得られたnon-TOF投影データに対して再構成を行う。ステップT1での処理は、散乱補正なしの再構成である。
(ステップT2)SSS法で散乱推定
単一散乱シミュレーション(SSS)法で、ステップT1で再構成された放射能分布画像、および吸収係数画像を入力データとして、散乱線分布を推定する。単一散乱シミュレーション(SSS)法の具体的な手法については、上述した特許文献2:米国特許第7,397,035号公報や非特許文献3(X. Jin et al., "List-mode reconstruction for the Biograph mCT with physics modeling and event-by-event motion correction", Phys. Med. Biol. 58 (2013) 5567-5591)を参照されたい。
(ステップT3)散乱補正ありの再構成
ステップT2で推定された散乱線分布(散乱サイノグラム)に対して再構成を行う。ステップT3での処理は、散乱補正ありの再構成である。
図5のステップT2〜T3を繰り返し行い、繰り返しを終了することで図4のステップS14(non-TOF散乱推定アルゴルズム)を終了する。図4のフローチャートに戻って以下を説明する。単一散乱シミュレーション(SSS)法で得られた推定散乱サイノグラムは、上述した実施例1と同様に、通常のエネルギーウィンドウに含まれるnon-TOF散乱投影データに相当し、このnon-TOF散乱投影データにおける信号値配列データをSNT[r0][r1][θ][s]とする。
なお、上述した実施例1のエネルギーウィンドウ法では、第2のTOF投影データ(低エネルギーウィンドウで設定されたデータ)を用いたが、図4のフローチャートから明らかなように本実施例2の単一散乱シミュレーション(SSS)法では第2のTOF投影データ(低エネルギーウィンドウで設定されたデータ)を用いない。本実施例2の単一散乱シミュレーション(SSS)法では、第1のTOF投影データ(通常のエネルギーウィンドウで設定されたデータ)のみで、通常のエネルギーウィンドウに含まれるnon-TOF散乱投影データ(推定散乱サイノグラム)を推定することができる。ステップS14は、本発明におけるnon-TOF散乱投影データ作成工程に相当する。
(ステップS15)TOF散乱投影データの算出
図4のステップS15は、上述した実施例1のステップS5と同じであるので、その説明については省略する。ステップS15は、本発明におけるTOF散乱投影データ算出工程に相当する。
上述した実施例1と同様に、ステップS11,S14と、ステップS12,S13との順番については、特に限定されない。ステップS12,S13の後にステップS11,S14を行ってもよいし、ステップS11,S14と、ステップS12,S13とを並列的に行ってもよい。なお、本実施例2の場合には、ステップS14では、ステップS12で作成された散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)での第2のTOF投影データを用いずに、ステップS11で作成された同一の再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)での第1のTOF投影データのみを用いるので、ステップS11,S14の後にステップS12,S13を行ってもよい。
本実施例2に係る散乱推定方法によれば、上述した実施例1と同様に、散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)で計測された第2のTOF投影データから分配比率を求め、分配の対象は、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)でのnon-TOF散乱投影データであるので、分配後のTOF散乱投影データは、再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)におけるTOF散乱投影データとして近似的に求められ、散乱推定を正確に行うことができる。
また、本実施例2では、ステップS14(non-TOF散乱推定アルゴルズム)における散乱推定処理は、放射能分布画像および吸収係数画像を入力データとして散乱線分布を推定するエネルギーウィンドウ法における散乱推定処理である。上述した実施例1では、散乱線用のエネルギーウィンドウ(低エネルギーウィンドウ)で計測された第2のTOF投影データを用いたが、本実施例2では、同一の再構成データ用のエネルギーウィンドウ(通常のエネルギーウィンドウ)で計測された第1のTOF投影データのみで、通常のエネルギーウィンドウに含まれるnon-TOF散乱投影データ(推定散乱サイノグラム)を推定する。したがって、上述した実施例1と比較して、散乱推定をより一層正確に行うことができるという効果をも奏する。
本実施例2に係る散乱推定プログラム6(図1を参照)や本実施例2に係るPET装置1(図1を参照)の作用・効果については、上述した実施例1と同じであるので、その説明については省略する。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例において撮影対象については、特に限定されない。被検体の全身を撮影する装置や、被検体の頭部を撮影する装置や、被検体の乳房を撮影する装置に適用してもよい。
(2)上述した各実施例では、DOI検出器であったが、深さ方向を弁別しない検出器に適用してもよい。
(3)上述した各実施例では、検出器リングを被検体の体軸方向に積層配置する構成であったが、検出器リングが1つのみの構成であってもよい。
(4)上述した各実施例では、データ形式がサイノグラムのときであったが、サイノグラムに限定されない。投影データであれば、例えばデータ形式がヒストグラムであってもよい。
(5)上述した実施例1ではエネルギーウィンドウ法を用いてnon-TOF散乱投影データを作成し、上述した実施例2では単一散乱シミュレーション法を用いてnon-TOF散乱投影データを作成したが、non-TOF投影データに対する散乱推定処理については、これらの方法に限定されない。例えばコンボリューション法を用いてnon-TOF散乱投影データを作成してもよい。
以上のように、本発明は、TOF計測型PET装置のための散乱推定に適している。
1 … PET装置
3 … γ線検出器
5 … 演算回路
6 … 散乱推定プログラム
P_std[t][r0][r1][θ][s] … 第1のTOF投影データ
P_low[t][r0][r1][θ][s] … 第2のTOF投影データ
SNT[r0][r1][θ][s] … non-TOF散乱投影データ
STOF[t][r0][r1][θ][s] … TOF散乱投影データ

Claims (7)

  1. ポジトロンCTの測定データに対する散乱推定方法であって、
    ポジトロンCTで得られる再構成データを取得するために設定される再構成データ用のエネルギーウィンドウで計測された検出信号データを、検出器に到達した2つの消滅放射線の検出時間差であるTime Of Flight情報の時間的区切り毎に割り振ることにより、前記時間的区切り毎の投影データである第1のTOF投影データを作成する第1のTOF投影データ作成工程と、
    前記再構成データ用のエネルギーウィンドウにおける中心エネルギーよりも低い中心エネルギーを有した散乱線用のエネルギーウィンドウで計測された検出信号データを、前記時間的区切り毎に割り振ることにより、前記時間的区切り毎の投影データである第2のTOF投影データを作成する第2のTOF投影データ作成工程と、
    前記第2のTOF投影データを前記時間的区切りで積分して得られたnon-TOF投影データにおける信号値と各々の前記第2のTOF投影データにおける信号値との比率を、前記時間的区切り毎にデータを分配する分配比率として算出する分配比率算出工程と、
    前記第1のTOF投影データを前記時間的区切りで積分して得られたnon-TOF投影データに対して散乱推定処理を行うことで、前記再構成データ用のエネルギーウィンドウに含まれるnon-TOF散乱投影データを作成するnon-TOF散乱投影データ作成工程と、
    前記non-TOF散乱投影データにおける信号値と前記分配比率とを乗算することで、乗算して得られた信号値からなる投影データを、前記再構成データ用のエネルギーウィンドウに含まれる前記時間的区切り毎の散乱投影データであるTOF散乱投影データとして算出するTOF散乱投影データ算出工程と
    を備える、散乱推定方法。
  2. 請求項1に記載の散乱推定方法において、
    前記第1のTOF投影データ作成工程では、即発同時計数のTOF投影データから偶発同時計数のTOF投影データを減算することで得られたTOF投影データを前記第1のTOF投影データとして作成する、散乱推定方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の散乱推定方法において、
    前記第2のTOF投影データ作成工程では、即発同時計数のTOF投影データから偶発同時計数のTOF投影データを減算することで得られたTOF投影データを前記第2のTOF投影データとして作成する、散乱推定方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の散乱推定方法において、
    前記non-TOF散乱投影データ作成工程における前記散乱推定処理は、前記再構成データ用のエネルギーウィンドウおよび前記散乱線用のエネルギーウィンドウを用いて散乱線分布を推定するエネルギーウィンドウ法における前記散乱推定処理である、散乱推定方法。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の散乱推定方法において、
    前記non-TOF散乱投影データ作成工程における前記散乱推定処理は、放射能分布画像および吸収係数画像を入力データとして散乱線分布を推定する単一散乱シミュレーション法における前記散乱推定処理である、散乱推定方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の散乱推定方法をコンピュータに実行させる、散乱推定プログラム。
  7. 請求項6に記載の散乱推定プログラムを搭載したポジトロンCT装置において、
    当該散乱推定プログラムを実行する演算手段を備える、ポジトロンCT装置。
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