JP4621102B2 - ハイドロタルサイト化合物の連続合成方法及びそのための装置 - Google Patents

ハイドロタルサイト化合物の連続合成方法及びそのための装置 Download PDF

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Description

本発明は、ハイドロタルサイト化合物を連続して合成する方法とそのための装置に関し、特に汚染水などから有害物質を効率よく除去することができ、排水処理などに好適に使用することができるハイドロタルサイト化合物を連続して合成する方法とそのための装置に関する。
ハイドロタルサイトの代表的な形は、MgAl(OH)16CO・4HOで表される天然鉱物(マナセアイト,ハイドロタルク石)であり,これに類似な不定比化合物は通常ハイドロタルサイト様物質又はハイドロタルサイト化合物(以下、ハイドロタルサイト化合物又はHTという)といわれている。ハイドロタルサイト化合物もハイドロタルサイトと同様に優れた陰イオン交換機能を有している。このハイドロタルサイト化合物の優れた陰イオン交換機能により、砒素、フッ素、ホウ素、セレン、六価クロム、亜硝酸イオン、その他の陰イオン系の有害物質を固定化することができれば、廃棄物の安全性向上技術、無害化環境改善技術において、汚染水の水質改善、有害物質の溶出防止、土壌改良、廃棄物処分場での有害物質の安定化促進などに寄与できるものと期待される。
ハイドロタルサイト化舎物(HT)はアニオン交換機能を有する無機層状化合物である。
HTは、次の一般式
〔M2+ 1-X3+ 1-X(OH)x+〔An- x/n・mHO〕x-で表され、xの値がおよそ0.25から0.33の間で連続的に変化できる。このハイドロタルサイトは層状複水酸化物であり、組成式中の「M2+ 1-X3+ 1-X(OH)」の部分が主骨格層で、この主骨格層と主骨格層の間に陰イオンが存在し,陰イオン同士の隙間を埋めるように水分子が存在する、即ち、主骨格層と主骨格層との間を組成式中の「An- x/n・mHO」の部分が埋めている構造である。An-はn価の交換性陰イオンである。なお、M2+とM3+は、それぞれ2価と3価の金属イオンを表している。
HTの陰イオシ交換性能を利用した、排水中の有害陰イオンの吸着除去についての研究がなされていることは知られている。しかし、その吸着性能は必ずしも満足するものではなかった。本発明者等は陰イオン交換特性、特にホウ素の陰イオン交換性能を改良するため鋭意研究を重ねて本発明に至った。即ち、HTの合成方法と生成物のHTの吸着性能との関係を詳細に調べて、HTの結晶を構成する結晶子の大きさとHTの陰イオン交換による陰イオン吸着性能との間に関係があることを見出すと共に、その好ましい性状を有するHTを工業的に製造する方法を開発し本発明を完成するに至った。
以下、本発明を完成するに至った経緯を、従来技術と比較しながら、詳細に説明する。
層状化合物であるハイドロタルサイトは、インターカレーションによる機能材料化が可能である。インターカレーションとは、層状結晶の層間の弱い結合を破って、様々な原子や分子或はイオンが層間に挿入される反応を意味し、その大きな特徴は、反応の前後で結晶の基本構造が保持される点にある。イオン性層状結晶であるハイドロタルサイトでは、層間のイオンの交換によってインターカレーション(層間への物質の出入り)が起こるため、優れた陰イオン交換機能を有している。また、ハイドロタルサイトは、300℃以上までの広い温度範囲で機能するという優れた性能がある。
しかしながら、従来の高結晶質のハイドロタルサイト製品は、空気中の炭酸ガスや水中の炭酸イオンと優先的にイオン交換するために通常の方法では目的とする陰イオンとイオン交換せず、陰イオン系の有害物質の固定化において期待されるような効果は得られなかった。その原因の一つとして、従来の技術において製造される高結晶質のハイドロタルサイト化合物は、結晶粒子サイズが大きく陰イオン交換性能が低くなっているためと考えられる。
そこで、目的とする陰イオンとイオン交換するようにするためには、ハイドロタルサイト化合物の結晶子サイズをナノメートル単位でコントロールし、層間の陰イオン選択性を高める必要がある。即ち、従来のハイドロタルサイト化合物は、一旦炭酸ガスを吸着してしまうと、これが他の陰イオンとのイオン交換を阻害するという弱点があるため、ハイドロタルサイト化合物の層間の陰イオン選択性を、ナノ結晶サイズでコントロールすることが必要となる。なお、結晶子サイズは、ハイドロタルサイト化合物の製造段階における結晶の成長度合いが大きく寄与していると推測されるため、この結晶の成長度合いをコントロールすることが必要となる。ここで、結晶子とは、多結晶体の構成要素でそれ自体を単結晶とみなすことができる微結晶をいう。また、結晶の成長度合いとは、微結晶のハイドロタルサイト化合物(結晶子)が成長して肉眼で識別できる程度の大きさの結晶粒子になる割合をいう。因みに、ナノメートルサイズの結晶子の吸着率が高いのは、サイズが小さいと結晶の表面積の総和が大きくなるためであると推測される。
また、目的とする陰イオンとイオン交換するようにするためには、上述した組成式中の陰イオン「An-」の部分を、炭酸イオンのほか、硫酸イオン、水酸化物イオン、塩素イオン、硝酸イオンなどにすることも検討する必要がある。因みに、炭酸イオン型ハイドロタルサイト化合物の製造方法としては特許文献1が、水酸化物イオン型,硫酸イオン型ハイドロタルサイト化合物の製造方法としては特許文献2が、また、硝酸イオン型ハイドロタルサイト化合物の製造方法としては、特許文献3が、それぞれ例示される。
上記の硝酸イオン型ハイドロタルサイト化合物は、その製造段階において結晶粒子の含有率や結晶子サイズをある程度制御できるため、目的とする陰イオンとイオン交換する機能を有している。しかし、この硝酸イオン型ハイドロタルサイト化合物を汚染水の水質改善や排水処理などに使用してフッ素やホウ素、六価クロムなどの有害物質とイオン交換したとしても、硝酸イオンがこれらの汚染水や排水中に放出されてしまうため、設備を傷めたり、亜硝酸などとなって異臭を発生するなどの別の問題が生じる。またフッ素やホウ素のほか、亜硝酸も有害イオンとして水質汚濁防止法の排水規制項目に追加される可能性が高いため、今後、排水処理などに使用することができないという問題があった。
次に、ハイドロタルサイト化合物の製造方法については、従来は、原料成分をその都度反応させて製造するいわゆるバッチ式で製造されるものが殆どで、ハイドロタルサイト化合物を連続して製造する方法や装置については、殆ど提案されていなかった。例えば、特許文献4や特許文献5には、粒度が40乃至 100オングストローム、即ち、4〜10nmのハイドロタルサイト化合物を製造する方法が開示されているが、バッチ式で製造して得られたゲル状のハイドロタルサイト化合物の沈殿を分離して得る方法がベースとなっている。特許文献4には、汚染された排出溶液から汚染物質を除去するために、排出溶液にハイドロタルサイトを添加し、その粒子の表面に汚染物質を吸収する方法のほか、排出溶液に金属溶液とアルカリ溶液を異なる管からそれぞれ添加して排出溶液中でハイドロタルサイトを製造する過程で汚染物質を同時に除去する方法も開示されている。しかし、この排出溶液中でハイドロタルサイトを製造する方法は、ハイドロタルサイト化合物のみを連続して製造する方法といえるものではなく、また、絶えず流れ出ているような排出溶液中ではハイドロタルサイト化合物が合成されるのか明確でない。
上記のように、従来、ハイドロタルサイト化合物を連続して製造する方法や装置が殆ど提案されていないのは、この物質が合成後沈殿し、直ぐにゲル状になって高い粘性を持つため、取扱いが難しかったからであると考えられる。その結果、ハイドロタルサイト化合物を連続して大量に製造することができず、製品としての価格が高くなってしまい、優れた機能を有していても現状では価格の面から普及するに至っていないという問題があった。なお、特許文献6には、バッチ式と連続式のハイドロタルサイト化合物の合成法が開示されているが、連続式といっても、オーバーフロー装置付ステンレス製反応槽に定量ポンプで各原料を供給し、均一な反応を行なわせてオーバーフローしてくるスラリーのうち反応後1時間程度のものを取り、濾過して洗浄するもので、これでは工業的に大量生産が可能な連続合成法といえるものではなかった。
特開平6−329410号公報 特開2003−26418号公報 特開2004−217444号公報 特開平7−284657号公報 特開平6−7672号公報 特公昭48−29478号公報
上記の通り、ハイドロタルサイト化合物は、アルミニウム源とマグネシウム源を溶解した溶液Aとアルカリを含む溶液Bを混合することによって合成されるが、この反応は常温できわめて短い反応時間で起き、ハイドロタルサイト結晶を含む高粘度のゲルを生成する。ハイドロタルサイト結晶の生成過程は核発生と成長の2段階があるが、結晶子の小さい吸着性能のよいハイドロタルサイトを生成するためには、核発生の段階で原料溶液に濃度の高いものを使い、きわめて短い時間で微結晶をたくさん作ることが有利である。一方濃度の高い原料を使うとチクソトロピックな性質を持つ極めて粘度の高いゲルが生成し、流動性がなくなり、連続装置の閉塞を起こす可能性がある。本発明はこの2つの相反する特性を考慮し新たなハイドロタルサイト化合物の連続合成方法とそのための装置を提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決することを目的としてなされた本発明連続合成方法の構成は、アルミニウム源とマグネシウム源を溶解し、アルミニウムイオンとマグネシウムイオンのモル比が1:2〜1:5になるように調製した高濃度の酸性溶液Aと高濃度のアルカリ性溶液Bを、両液A,Bの比率を流量で制御しつつ溶液Aは旋回流路を通し旋回流に変換し溶液Bはそのままで、前記旋回流路に続く撹拌合成流路に連続的に供給するとき、前記両液A,Bを0.1〜10秒で当該攪拌合成流路内を通過させることにより、両液A,Bを攪拌合成流路内において連続的に反応させると同時に生じる生成物のゲル化を当該流路の攪拌作用により阻止して反応生成物の流動性を確保し、pH7〜9、結晶子サイズ3〜8nmのハイドロタルサイト化合物を連続的に得ることを特徴とするものである。
本発明は、上記方法の構成において、撹拌合成流路内における反応時間は、0.1〜30秒、好ましくは0.1〜10秒であるのが望ましい。また、結晶子サイズは3〜8nm、好ましくは3〜6nm、含有率は20〜50%、好ましくは20〜40%であるのが望ましい。更に、旋回流路は、内部が螺旋状の流路であるのが好ましい。
次に、上記課題を解決することを目的としてなされた本発明連続合成装置の構成は、アルミニウム源とマグネシウム源を溶解し、アルミニウムイオンとマグネシウムイオンのモル比が1:2〜1:5になるように調製する高濃度の溶液Aの混合槽と、高濃度のアルカリ性溶液Bを調製するアルカリ溶液槽と、前記混合槽からの溶液Aとアルカリ溶液槽からの溶液Bの比率を制御する流量制御装置と、該装置により流量制御された溶液Aに旋回流を付与する旋回流路と、該旋回流路に接続し旋回流に変換された溶液Aを受入れると共に溶液Bを直接受入れ、連続運転が可能な流動性を確保したまま結晶の成長を抑える時間で反応を完結させる撹拌合成流路と、当該流路に接続した洗浄装置を少なくとも備え、pH7〜9、好ましくはpH7.4〜8.6で劣化が少なく、結晶子サイズの小さい吸着性能の高いハイドロタルサイト化合物を得ることを特徴とするものである。
本発明は、上記装置の構成において、撹拌合成流路内における反応時間は、0.1〜30秒、好ましくは0.1〜10秒であるのが望ましい。また、結晶子サイズは3〜8nm、好ましくは3〜6nm、含有率は20〜50%、好ましくは20〜40%であるのが望ましい。更に、旋回流路は、内部が螺旋状の流路であるのが好ましい。加えて、撹拌合成流路における撹拌は、流路の内周面に不規則な凹凸乃至は螺旋状の溝などを設け、或は、流路の途中に障害壁を設けるなどして当該流路を流れる液に乱流を起こして行なうのが好ましい。
ここで本発明がなされるに至った経緯について説明すると、本発明の発明者は、バッチ式でハイドロタルサイト様物質を合成するとこの物質はゲル状になるが、この物質の合成直後に強力に撹拌するとゾル状になり流動性を呈する、いわゆるチクソトロピー的挙動を呈することを知得し、実験により流動性を維持する方法を取得考案し、本発明を完成するに至った。
本発明は以上の通りであって、本発明によれば、pHを7以上に保持した状態でナノメートルサイズの結晶子の含有率が高いハイドロタルサイト化合物を連続して大量に合成することができるので従来より製造コストを低減することができ、優れたイオン交換機能,吸着力のあるハイドロタルサイト化合物を安い価格で提供することができるという効果が得られる。特に、結晶子サイズが3〜6nmのものは、排水中のホウ素やフッ素などの目的とする陰イオンと容易にイオン交換し、これらを吸着することができる。また、本発明により合成されるハイドロタルサイト化合物は、サイズが小さい結晶子を多く含有しているので結晶の表面積の総和が大きくなり、その結果優れた陰イオン交換能,吸着力を有し、しかも結晶子が成長する過程で様々な不純物を吸着することができるという効果が得られる。
また、主骨格層と主骨格層の間の陰イオンを塩素イオンにしたハイドロタルサイト化合物は、イオン交換により有害物質であるフッ素やホウ素、或は、六価クロムなどを吸着しても塩素イオンしか放出しないため、排水処理に使用しても水質汚濁防止法による規制を受けることがないという効果が得られる。
次に、本発明の実施の形態例を図に拠り説明する。図1は、本発明方法を実施する装置の一例の概略図、図2は、図1の装置の旋回流路・撹拌合成流路の要部拡大断面図、図3は、ハイドロタルサイト化合物の連続合成が可能な装置の概略図、図4は、図3の装置における合流流部,混合反応流路,撹拌合成流路の要部拡大図、図5は、HT合成に及ぼすアルカリ濃度の影響を示すグラフ図、図6は、NaOH濃度によるHT結晶子サイズの制御を示すグラフ図、図7は、Mg/Al比率によるHT結晶子サイズの制御を示すグラフ図、図8は、HT合成におけるアルカリ濃度の影響(結晶子サイズと結晶化度との関係)を示すグラフ図、図9は、HT合成におけるアルカリ濃度の影響(結晶化度とMg反応率との関係)を示すグラフ図、図10は、アルカリ濃度一定下でのHT合成においてMg/Alモル比の影響(結晶子サイズと結晶化度の関係)示すグラフ図、図11は、アルカリ濃度一定下でのHT合成においてMg/Alモル比の影響(結晶化度とMg反応率の関係)示すグラフ図、図12は、HTのホウ素イオン吸着性能を示すグラフ図、図13は、HTのホウ素イオン吸着性能(吸着量)を示すグラフ図、図14は、NaCl除去への水洗回数の効果を示すグラフ図、図15は、吸着量向上への水洗回数の効果を示すグラフ図、図16は、ハイドロタルサイト化合物のX線回折図である。
図1において、1は、原料となるアルミニウム源とマグネシウム源を溶解して混合し溶液Aを調製するための混合槽である。ここではアルミニウム源として塩化アルミニウム(AlCl)を使用し、マグネシウム源として塩化マグネシウム(MgCl)を使用している。なお、溶媒には、水又は塩酸水溶液を使用することができる。
アルミニウム源としては、水中でアルミニウムイオンを生成するものであればよく、特定の物質に限定されるものではない。従って、上記の塩化アルミニウムのほか、粉体アルミニウム,アルミナ,アルミン酸ソーダ,水酸化アルミニウム,硝酸アルミニウム,ボーキサイト,ボーキサイトからのアルミナ製造残渣,アルミスラッジのいずれか1又は2以上を用いることができる。また、マグネシウム源としては、水中でマグネシウムイオンを生成するものであればよく、特定の物質に限定されるものではなく、上記の塩化マグネシウムのほか、粉体マグネシウム,ブルーサイト,水酸化マグネシウム,マグネサイト,マグネサイトの焼成物の1又は2以上を用いることができる。
混合槽1に投入するアルミニウム源とマグネシウム源の量は、溶解したときの溶液A中におけるアルミニウムイオンとマグネシウムイオンのモル比が1:2〜1:5になる量で、ここでは規定量の塩化アルミニウムと塩化マグネシウムを加える。因みに、マグネシウムイオン/アルミニウムイオンの比が2より小さい場合、即ち、マグネシウムイオンが少ない場合は、結晶化が十分なされず、逆に5より大きい場合、即ち、マグネシウムイオンが多い場合は、結晶子サイズが大きくなりすぎて吸着性能に劣るHTしか得られない。
1aは、混合槽1中の溶液Aを撹拌混合するための撹拌翼、1bは、この撹拌翼1aを駆動するモータである。
2は、アルカリを含む溶液Bを調製するためのアルカリ溶液槽である。ここではアルカリとして、水酸化ナトリウム(NaOH)を使用しているが、水酸化カルシウム,石灰,セメントの固化材のいずれか1又は2以上を用いることもできる。2aはアルカリ溶液槽2中における溶液Bを撹拌混合するための撹拌翼、2bは、この撹拌翼2aを駆動するモータである。
本発明では、溶液Aと溶液Bには高い濃度のものを使用する。具体的には、溶液Aの濃度は、AlCl・6HOとMgCl・6HOを水(HO)に溶解したときの塩化アルミニウムと塩化マグネシウムの重量%が60重量%以上のものを使用する。また、溶液Bの濃度は、NaOHを水(HO)に溶解したときのNaOHの重量%が20重量%以上のものを使用する。これらの濃度以下であるとHTの合成率が低くなってしまうからである。
3は、流量制御装置となる比例制御システム、4は、旋回流路で、比例制御システム3は、混合槽1から旋回流路4に至る輸送ラインL1の途中に設けられている流量調節バルブV1と、アルカリ溶液槽から旋回流路4に至る輸送ラインL2の途中に設けられている流量調節バルブV2の開閉を制御し、混合槽1からポンプP1により送られる溶液Aの流量と、アルカリ溶液槽2からポンプP2により送られる溶液Bの流量を比例制御するためのものである。この比例制御システム3により、pH7〜9、好ましくはpH7.4〜8.6で劣化が少なく、結晶子サイズの小さい吸着性能の高いハイドロタルサイト化合物が得られる比率になるように流量が厳密に制御される。pHが9より大きい場合は、結晶が成長し過ぎて結晶粒子の含有率が高くなりイオン交換による有害物質の吸着効果が低下してしまうからであり、pHが7より小さい場合は、結晶が生成され難くなるため、吸着効果が著しく低下してしまうからである。
上記の旋回流路4においては、図2に示したように供給された溶液Aを螺旋状の流路により旋回流に変換する。即ち、溶液Aは旋回流路4を通し旋回流に変換して次に述べる撹拌合成流路5に供給すると共に溶液Bは直接撹拌合成流路5に供給する。
5は、旋回流路4に接続した撹拌合成流路で、結晶の成長を抑えるように溶液Aと溶液Bを撹拌しながら短時間で反応させるための装置である。撹拌合成流路5内では、遠心力を利用し、例えばこの流路5内に設けたA/Bリボン型固定撹拌体によりナノ粒子群となり衝突しあい溶液Aと溶液Bの2液は拡散し完全合成を達成することができる(図2参照)。この撹拌合成流路5における反応時間は、0.1〜30秒、好ましくは0.1〜10秒である。反応時間が0.1秒以下では、物理的に不可能であり、30秒以上である場合は、流路5内における拡散反応が充分に行われないからである。
上記の撹拌合成流路5内における反応は常温で行なうのが望ましいが、HT合成反応は発熱反応であるため反応温度が上昇し易い。そのため80℃より高い温度にならないようにする必要がある。反応温度が80℃より高くなると結晶化が進みすぎてイオン交換による吸着効果が低下してしまうからである。そのため撹拌合成流路5を外部から水などにより冷却しながら行なうのが好ましい。
次に、撹拌合成流路5における撹拌も、静的に行なうのが好ましい。撹拌合成流路5内に回転翼などを設け、外部モータでこの回転翼を回転させて撹拌することもできるが、回転翼に生成したハイドロタルサイト化合物が付着して内部が詰まり易くなるので、ここではこのような回転翼による撹拌は行なっていない。撹拌合成流路5における撹拌としては、例えば、撹拌合成流路5内の流路の内周面に不規則な凹凸や螺旋状の溝を設け、また、途中に障害壁を設けるなどして、流れる溶液に乱流を起こすことにより静的に撹拌することができる。勿論、超音波撹拌装置により外部から撹拌するようにすることもできる。なお、障害壁としては、例えば、複数枚の捩れた羽根を長さ方向に適宜間隔を開けそれぞれ向きを変えて配置することなどが挙げられる。このように撹拌することにより粘度の高いゲル状態になるのを防止すると共に、結晶の成長を抑止することができる。
ここで、本発明方法における反応は、一例として次のように表すことができる。
6MgCl・6HO+2AlCl・6HO+16NaOH
→ MgAl(OH)16Cl・4HO+4HO+16NaCl+44H
この反応式からわかるように反応時には多量の塩化ナトリウム(NaCl)が生成する。
従って、水などにより洗浄して塩化ナトリウムを除去することにより、純度の高いハイドロタルサイト化合物を得ることができる。
6は、撹拌合成流路5の流出口に輸送ラインL3により接続した水による洗浄装置で、この洗浄装置6により、上述した塩化ナトリウムを殆ど除去することができる。なお、洗浄装置を複数設け、洗浄を複数回行なうこともある。
L4は、洗浄装置8で洗浄後のハイドロタルサイト化合物を取出すための輸送ラインで、図示しないが、合成されたハイドロタルサイト化合物はこの輸送ラインL4を経て冷却装置,貯蔵装置などに送られる。
次に、図3,図4により、ハイドロタルサイト化合物の連続合成が可能な他の装置について説明する。なお、図1に示した符号と同一の符号は、同一の部材を示している。図3に示した装置は、図1に示した装置における旋回流路4の代わりに、合流流部41と混合反応流路42を設け、混合反応流路42と撹拌合成流路5の間に、水供給部7を設けている。
上記の合流流部41では、輸送ラインL1を構成する配管と輸送ラインL2を構成する配管とが適当な角度で接合している。これらの配管の角度は12〜60度、好ましくは15〜45度である。ここでは30度で合流するようにしている。この角度が12度より小さいと、溶液Aと溶液Bの混合が不十分となってHTの収率が悪くなり、逆に60度より大きいと溶液Aと溶液Bは十分混合されるが、合流流部41で流速が落ちてしまいHTがゲル化し易くなるため好ましくないからである。
また、合流流部41に接続した混合反応流路42は、合流流部41からの溶液Aと溶液Bを短時間で撹拌・混合すると共に、連続運転が可能なように液の流動性を確保するためのものである。なお、撹拌・混合は、静的に行なうのが好ましいが、動的に行なってもよい。例えば、超音波振動装置を混合反応流路42の外側に設け、この振動装置により混合反応流路42内の溶液Aと溶液Bを撹拌・混合するようにしてもよい(図示せず)。この混合反応流路42における溶液Aと溶液Bの撹拌・混合時間は、0.1〜10秒、好ましくは0.1〜1.0秒である。この時間が0.1秒より短いと十分混合されず、10秒より長いと反応が進みすぎて生成したHTのゲル化が起こり、混合反応流路42を詰まらせてしまうからである。
上記の混合反応流路42に接続した撹拌合成流路51は、図1に示した撹拌合成流路5と同様に結晶の成長を抑えるように溶液Aと溶液Bを撹拌しながら短時間で反応させるための装置である。また、反応時間や反応温度、撹拌合成流路51における撹拌等についても図1に示した撹拌合成流路5の場合と同様である。
なお、水供給部7から水を供給することにより、生成物に十分な流動性を付与することができる。7aは水供給管である。この水供給部7を設けない場合もある。
本発明方法を実施するための装置の構成は上記の通りであり、上記装置により、結晶子サイズ3〜8nm、好ましくは3〜6nm、含有率20〜50%、好ましくは20〜40%のHTを連続合成することができる。なお、結晶の含有率が20%より少ない場合は、吸着性能が弱く、製品としてのハイドロタルサイト化合物の価値がなくなる。逆に、結晶の含有率が50%より大きい場合は、吸着性能は高いが、撹拌合成流路5内においてゲル化して流路5が詰まり易くなるため、この流路5内の洗浄、或は、流路5の取り替えの作業が必要となり、製品コストが高くなってしまう。
また、本発明方法を実施するための装置は、上記に例示した装置に限定されるものではなく、例えば、撹拌合成流路5,51として、溶液Aと溶液Bを混合した溶液を、蛇行する反応管、或は、コイル状の反応管に通し、それらの反応管中を移動する過程で反応させるようにしたものなどを使用することもできる(図示せず)。
次に、図1,図2に示した装置により実施した本発明の実施例について説明する。なお、図3,図4に示した装置においても、図1,図2に示した装置により実施した場合と同様の結果が得られている。
実施例1〜11において反応条件を変えてハイドロタルサイト化合物を合成した。実施例1〜7までは、アルミニウムイオンとマグネシウムイオンのモル比を1:3にし、溶液Aと溶液Bの流量比(溶液A/溶液B)を順次変化させて合成した。なお、実施例6,7は、撹拌・混合時間を0.2秒、反応時間を5秒に設定して行なった。また、実施例11もアルミニウムイオンとマグネシウムイオンのモル比が1:3であるが、反応温度を50℃にして合成した。更に、実施例8.9.10は、アルミニウムイオンとマグネシウムイオンのモル比をそれぞれ1:2.0、1:2.5、1:3.5に変化させ、溶液Aと溶液Bの流量比(溶液A/溶液B)を1.20にしてハイドロタルサイト化合物を合成した。
その詳細は、下記の表1に示す通りである。

Figure 0004621102
なお、HTの結晶化度(結晶含有率)は、市販のハイドロタルサイト(協和化学工業株式会社製のハイドロタルサイト Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)のXRDの2θが11.3°付近の(003)面、22,8°付近の(006)面、34,5°付近の(009)面の総ピーク面積(積分強度)S0を結晶化度100%として、HTのそれをSとして次式から求めた。
結晶化度(結晶含有率)=S/S0×100
また、結晶子の大きさは、回折線の幅の広がりと結晶子の大きさの間の関係として示されるScherrerの式から算出した。
Scherrerの式 結晶子サイズD(Å)=λ/βcosθ
λ:測定X線の波長(Å)
β:結晶子の大きさに基づくところの回折線幅の広がり(rad)
θ: 回折ピークに対応するブラッグ角
上記の表1から、結晶子サイズ(nm)が最も小さいのは実施例8のアルミニウムイオンとマグネシウムイオンのモル比が1:2.0の場合であることが分かる。また、この実施例8によるハイドロタルサイト化合物の性能試験において、廃液からのホウ素イオンの吸着量も0.70mmol/g(残存量23.8mg/l)と高く、また、フッ素イオンの吸着量も0.50mmol/g(残存量5.3mg/l)と高いことが分かる。なお、実施例8の場合は、マグネシウムの反応率が89.8%であり、実施例5の56.9%、実施例7の60.2%よりは良いが、実施例1の96.4%よりは悪い。従って、マグネシウムの使用効率は、実施例1の場合のほうが優れているといえる。
因みに、実施例1の場合は、生成物(HT)のpHが9.0で結晶子サイズも7.5nmと比較的大きいが、それでも、廃液からのホウ素イオンの吸着量は0.57mmol/g(残存量38.1mg/l)と高く、また、フッ素イオンの吸着量は0.49mmol/g(残存量6.6mg/l)で、十分に実用可能な性能を有していることが分かる。
次に、本発明により合成したハイドロタルサイト化合物(HT)について、その性能試験を行なった。結果は、図5〜図13に示した通りである。
生成量や物性値などの質を問題にしなければ、HTの結晶化はpH7〜14の広い範囲で生起する。しかし、陰イオンの吸着性能(吸着容量,吸着速度など)の面からは、特定の物性値、特に結晶を構成する結晶子のサイズが小さいHT結晶が望ましいことが判っているので、合成時のpHにも好ましい領域が存在する。陰イオン、特にホウ素陰イオンの吸着にとって吸着剤のHT結晶を構成する結晶子の好ましい大きさは4nm〜8nmである。図8,9から明らかなようにpH7〜9の範囲で好ましい結晶子サイズのHTを合成することができる。HT合成におけるアルカリ濃度の影響に関して、結晶子サイズ、結晶化度、MgとAl特にMgの反応率について検討した。Mg,Al,ClイオンからなるA液とNaOHからなるB液との混合直後のゲル状生成物のpHと結晶子サイズ,結晶化度,Mg反応率との関係は図8と図9に示した通りである。これらの図で示されたことからも明らかのように結晶子サイズ,結晶化度,Mg反応率は相互に関係している。pHが9を超える高アルカリ濃度領域は望ましい物性を有するHT合成にとって好ましい領域ではない。アルカリ濃度が必要以上に高すぎるとHT製造での洗浄工程において多量の水を必要とするため経済的ではない。出来る限り低濃度のアルカリで、目的の物性を有するHTを合成することが望ましい。生成ゲルのpHが7以下になるような低アルカリ濃度におけるHT合成は、HTの結晶化度(HT含有率)が極端に低くなり過ぎて製造効率が悪くなるので望ましくない。反応率とは、原料溶液A中にイオンとして存在しているMgイオン,Alイオンが、アルカリ溶液Bと接した時点で溶液から固体生成物(HT,HT前駆体,水酸化物など)に転換した割合を示したものである。ゲル状生成物のpHが7〜9になるようにアルカリ濃度を制御することで、結晶化度(HT含有率)が約20%〜40%であり、その結晶を構成する結晶子の大きさが4nm〜8nmであるハイドロタルサイト化合物を含有する生成物を製造することができる。
また、図10,図11からも明らかのように原料組成Mg/Alモル比が2〜4の範囲でHT合成を行うことで、4nm〜8nmの好ましい大きさの結晶子からなるハイドロタルサイト化合物を得ることができる。Mg/Alが4以上では結晶子サイズが大きくなる傾向があるので好ましくないことが判る。
なお、図14,図15は、合成直後の水性生成物からのNaClの水洗除去を実施例4について行なったもので、本発明による工業的製造法に基づいて合成したゲル状生成物を60g用いた。洗浄水の量は水洗一回につき30ml使用した。水洗・ろ過した後、濾別した固形物は、実施例1と同様な方法で処理して乾燥物のハイドロタルサイト化合物(HT)とした。得られたHTのX線回折分析により、NaCl含有率,HT結晶含有率を測定した。その結果は、図14にまとめて示した通りである。また、各HT試料について実施例2に記載した方法に基づいてホウ素とフッ素の陰イオン吸着性能試験を行った。その結果は、図15に示した通りである。この結果は、NaClの存在がいかに吸着性能にとって好ましくないかを示すものであった。
生成物(HT)の粉末X線回折測定により得られたXRD(X−Ray Diffraction Patterns)スペクトルとハイドロタルサイト(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)のXRDパターンと比較したHTのXRDパターンを図16に示す。いずれのX線回折線図もハイドロタルサイトの特有の回折ピークを示した。
本発明は、従来、ハイドロタルサイト化合物は合成直後にゲル化してしまい連続合成することが難しいとされていたが、ハイドロタルサイト化合物はその合成直後に撹拌するとチキソトロピー的挙動を示し、流動性が高まることを知得し、その性質を利用してハイドロタルサイト化合物を連続して合成する方法とそのための装置を完成することができたので、ハイドロタルサイト化合物を大量に低価格で提供することができる。しかもその合成に際し、結晶を成長させないで結晶子サイズ3〜8nmという微結晶の結晶子を多く含有するハイドロタルサイト化合物を合成することができるので、目的とする陰イオンとのイオン交換が可能で、特に、陰イオンが塩素イオンの場合は、排水処理などに好適に用いることができるので、きわめて利用価値が高く、環境保全に有用である。
本発明方法を実施する装置の一例の概略図。 図1の装置の旋回・撹拌合成流路の要部拡大断面図。 ハイドロタルサイト化合物の連続合成が可能な装置の概略図。 図3の装置における合流流部,混合反応流路,撹拌合成流路の要部拡大図。 HT合成に及ぼすアルカリ濃度の影響を示すグラフ図。 NaOH濃度によるHT結晶子サイズの制御を示すグラフ図。 Mg/Al比率によるHT結晶子サイズの制御を示すグラフ図。 HT合成におけるアルカリ濃度の影響(結晶子サイズと結晶化度との関係)を示すグラフ図。 HT合成におけるアルカリ濃度の影響(結晶化度とMg反応率との関係)を示すグラフ図。 アルカリ濃度一定下でのHT合成においてMg/Alモル比の影響(結晶子サイズと結晶化度の関係)示すグラフ図。 アルカリ濃度一定下でのHT合成においてMg/Alモル比の影響(結晶化度とMg反応率の関係)示すグラフ図。 HTのホウ素イオン吸着性能を示すグラフ図。 HTのホウ素イオン吸着性能(吸着量)を示すグラフ図。 NaCl除去への水洗回数の効果を示すグラフ図。 吸着量向上への水洗回数の効果を示すグラフ図。 ハイドロタルサイト化合物のX線回折図。
1 混合槽
1a,2a 撹拌翼
1b,2b モータ
2 アルカリ溶液槽
3 流量制御装置
4 旋回流路
41 合流流部
42 混合反応流路
5,51 撹拌合成流路
6 洗浄装置
7 水供給部
P1,P2 輸送ポンプ
L1〜L4 輸送ライン
V1,V2 流量調節バルブ
θ 合流角度

Claims (6)

  1. アルミニウム源とマグネシウム源を溶解し、アルミニウムイオンとマグネシウムイオンのモル比が1:2〜1:5になるように調製した高濃度の酸性溶液Aと高濃度のアルカリ性溶液Bを、両液A,Bの比率を流量で制御しつつ溶液Aは旋回流路を通し旋回流に変換し溶液Bはそのままで、前記旋回流路に続く撹拌合成流路に連続的に供給するとき、前記両液A,Bを0.1〜10秒で当該攪拌合成流路内を通過させることにより、両液A,Bを攪拌合成流路内において連続的に反応させると同時に生じる生成物のゲル化を当該流路の攪拌作用により阻止して反応生成物の流動性を確保し、pH7〜9、結晶子サイズ3〜8nmのハイドロタルサイト化合物を連続的に得ることを特徴とするハイドロタルサイト化合物の連続合成方法。
  2. ハイドロタルサイト化合物の含有率を、20〜50%にする請求項1のハイドロタルサイト化合物の連続合成方法。
  3. 旋回流路は、内部が螺旋状の流路である請求項1又は2のいずれかのハイドロタルサイト化合物の連続合成方法。
  4. アルミニウム源とマグネシウム源を溶解し、アルミニウムイオンとマグネシウムイオンのモル比が1:2〜1:5になるように調製する高濃度の酸性溶液Aの混合槽と、高濃度のアルカリ性溶液Bを調製するアルカリ溶液槽と、前記混合槽から供給される溶液Aとアルカリ溶液槽から供給される溶液Bの比率を制御する流量制御装置と、該流量制御装置により制御された溶液Aに旋回流を付与する旋回流路と、該旋回流路に接続されて旋回流に変換された溶液Aを連続的に受入れると共に溶液Bをそのまま連続的に受入れて両液A,Bを通過させるとき、両液A,Bを0.1〜10秒の時間で連続的に通過させることにより、両液A,Bを連続的に反応させつつ流動性を確保しかつ結晶の成長を抑えることができる撹拌合成流路を少なくとも備え、pH7〜9、結晶子サイズ3〜8nmの吸着性能高いハイドロタルサイト化合物を連続的に得ることを特徴とするハイドロタルサイト化合物の連続合成装置。
  5. 旋回流路は、内部螺旋状の流路に形成した請求項4のハイドロタルサイト化合物の連続合成装置。
  6. 撹拌合成流路における撹拌は、流路の内周面に不規則な凹凸乃至は螺旋状の溝などを設けるか、或は、流路の途中に障害壁を設けて当該流路を流れる液に乱流を起こして反応生成され結晶子のゲル化を阻止するために行なうようにした請求項4又は5のハイドロタルサイト化合物の連続合成装置。
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