JP4620873B2 - Acremoniumtubakii由来の新規抗寄生虫薬であるセファイボール、その製造方法およびその使用 - Google Patents

Acremoniumtubakii由来の新規抗寄生虫薬であるセファイボール、その製造方法およびその使用 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、Acremonium tubakii FH1685DSM12774から発酵時に合成され培養液中に放出される、下記でセファイボールと称される新規なペプタイボール系抗生物質、培養液から前記セファイボールを単離および精製する方法、並びに薬理学的に活性な化合物、特に寄生虫の制御用化合物としてのセファイボールの使用に関する。
【0002】
【従来技術】
寄生虫症は広く蔓延しており、わずかな生理学的異常から重篤な(場合によって致死的な)疾患に及ぶ広範囲の病理学的作用を人および動物に引き起こす。今日、人およびそのペット並びに家畜の健康および生命を脅かす集中的に研究されてきた多くの寄生虫疾患が知られている。
【0003】
全世界的に免疫系の弱体化が多くの人々で認められ増加傾向にある。このような群に属する人々は日和見感染性寄生虫に激しく冒され、毎年数百万人が死亡する。遠距離旅行の時代には、通常は衛生状態が高水準である非第三世界においてすら、外国産の寄生虫を想定する必要がある。これは、通常の衛生条件下において難儀な旅行をすることがこれまでになく増加傾向にあるという事実、および本国で想定される安全性のために衛生上の危険性についての感覚/知識が失われてきているという事実が原因である。人間の健康を護るだけでなく、動物の保護のためにもまた、寄生虫によって引き起こされる苦痛の治療および可能な場合には回避が要求される。経済的理由は特に畜産業で明らかである。この場合、家畜の維持および飼育に不利な条件のために(例えばある種の大量飼育形態の場合)、寄生虫疾患が発生し易く、量的(肉量、卵の数、競争速度)または質的(肉質または羊毛の質)特性の低下をもたらす。人および動物で寄生虫によってもたらされる多大な損害のために、寄生虫の制御は健康や経済の問題として必須でないとしても大いに所望されるところである。
【0004】
寄生虫は単細胞または多細胞生物で、一時的または永久的に異種生物の体内(内部寄生生物)または体外(外部寄生生物)に停留し、ホストの費用で生存する。人および動物では、多くの寄生虫は亜急性疾患をもたらすが、また劇症疾患も引き起こす。単細胞性寄生虫には、例えば形質胞体(マラリア病原体)、トリパノソーマ類(シャーガス病病原体)、アメーバ、トリコモナドまたはトキソプラズマのような原虫が含まれる。重要な単細胞性寄生虫は内部寄生生物(蠕虫)で、とりわけ線虫(線虫類)、条虫類(多節条虫類)およびヒル類(吸虫類)は人および動物で重篤な障害を引き起こす。同様な多細胞性外部寄生生物には、ダニ、ダニ類、ノミおよび他の生物が含まれる。寄生虫疾患を制御および治療するために利用できる多くの薬剤(抗寄生虫薬)があるが、一方ではこれら薬剤の副作用のために、他方では耐性の増加のために、新規で効果の強い抗原虫薬、駆虫剤および他の駆虫薬が希求されている。特に熱帯地方の人々が寄生虫の蔓延に被害を受けている。この地域の罹患者数は数億人と概算され、さらに相当な被害が農業分野で見積もられている。
【0005】
個々の寄生虫または比較的大きな群の寄生虫に対して活性を有し、ホスト(人、動物)における毒性が許容可能な化学物質の使用がなお寄生虫制御ではもっとも重要である。
それらの作用スペクトルにしたがい、寄生虫に対して作用する駆虫薬、原虫に対して活性をもつ抗原虫薬、昆虫に活性を示す殺虫剤およびダニ類(ダニ目)に対して活性なダニ駆除剤に区別される。最後の2つのグループはまた外部寄生生物駆除剤という用語で一括される。
【0006】
特に近代の大規模畜産において長期に及ぶ大量使用によって助長された薬剤耐性の増加のために、またはグローバリゼーションの進行という体制の中で熱帯および亜熱帯で比較的長期間仕事に従事しなければならない人々の特に持続的な医療処置時のいくつかの事例における重篤な副作用の出現、およびある種の化学療法の場合の予防/治療における出費の増大のために、異なる作用メカニズムを有し毒性のより低い安価な他の種類の物質の検索が必須となった。さらにまた単に有効なだけでなく大量に経済的な製造が可能で、なおかつ環境に配慮した抗寄生虫薬が必要とされている。
【0007】
(いくつかの事例では構造的に通常ではない)20までのアミノ酸を含むペプチドが、細菌および真菌からそれらの二次代謝によって非リボソーム系ペプチドシンセターゼにより産生される。ペプチド構造をもつこれまでに知られている二次代謝産物の多くは、抗生物質、酵素抑制物質、強心剤、免疫調節剤、殺虫剤、抗線虫剤、および多くの他の薬剤としての興味深い生物学的作用を有する(例えば以下を参照されたい:U. Graefe, Biochemie der Antibiotika, Spektrum Heidelberg, 1992)。
【0008】
活性ペプチド化合物の構造をもつ種類では、いわゆるペプタイボールは、通常とは異なり多くのアミノ酸(20まで、とりわけα−アミノ酪酸の割合が高い:H. Brueckner, W.A. Koenig, M. Greiner, G. Jung, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 18:476-477(1979))をもつものとして区別されている。さらに、ペプタイボールは極めて頻繁にN−末端でアセチル化されてアルコール基をもつラジカルを含むか(例えばフェニルアラニノール)、またはC−末端にアルデヒド基を含む。
【0009】
上記で述べたペプタイボールの例は、アイベリン(aibellin)(J. Antibiotics, 47:1136-1144(1994));アンピュロスポリン(ampullosporin)(J. Antibiotics, 50:72-728(1997));アンチアメービン(antiamoebin)(Structure, 6:783-792(1998));クロノスタチン(clonostachin)(J. Antibiotics, 50:105-110(1997));エメリミシン(emerimicins)(J. Antibiotics, 27:274-282(1974))またはゼルバミシン(zervamicins)(J. Antibiotics, 27:321-328(1974))である。これらのペプタイボールは、エメリセロプシス(Emericellopsis)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、アピオクレア(Apiocrea)属および他の多くの属の非常に多様な株によって合成される。これらは、グラム陽性細菌、いくつかのタイプの真菌およびアメーバーに対して抗生物質活性を示す。さらにまたアンピュロスポリンの解熱作用および神経安定作用が報告されている。
【0010】
しかしながらこれまでに分かったペプチド活性化合物はしばしば、不満足な作用能力、高い毒性および/または望ましくない副作用という欠点をもつ。
本発明の目的は、したがって改善された特性および/または新規な作用メカニズムをもつ新規な微生物系ペプチド活性化合物を探すことである。
【0011】
この目的は、Acremonium tubakii FH1685DSM12774株を、炭素および窒素源並びに通常の無機塩を含む栄養溶液中で培養液に新規なペプタイボール(以下でセファイボールと称される)が蓄積されるまで培養することによって達成される。さらに前記セファイボールを培養液から単離し、場合によってこれらセファイボールを個々の活性なペプチド化合物に分離する。単離セファイボールは薬理学的に活性を有し、したがって医薬としての使用に適している。それらの抗寄生虫特性、特にそれらの強力な抗蠕虫活性および外部寄生生物に対する殺虫作用のゆえに、それらは特に、動物並びに人の内部および外部寄生生物に対抗する作用を有する抗生物質として用いることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以下に関する。
1.下記式Iの化合物およびそれらの生理学的に許容できるその塩:
AcPhe−Aib−Aib−Aib−x−w−Leu−y−Aib−Hyp−Gln−z−Hyp−Aib−Pro−R (I)
式中、RはPhe−olまたはPhe−alであり、w、x、yおよびzは以下の意味を有する:
a) wはGlyまたはAlaであり、xはAibであり、yおよびzはIvaであり;
b) wはGlyであり、x、yおよびzはIvaであり;
c) wはGlyであり、xおよびzはAibであり、yはIvaであり;
d) wはGlyであり、x、yおよびzはAibであるか;または
e) wはGlyであり、xおよびyはAibであり、zはIvaである、または
下記式IIの化合物および生理学的に許容できるその塩:
AcPhe−Iva−Gln−Aib−Ile−Thr−Aib−Leu−Aib−x−Gln−Aib−Hyp−Aib−Pro−Phe−Ser (II)
式中、xはHypまたはProである。
【0013】
2.式IまたはIIの1つまたは2つ以上の化合物の製造方法で、前記方法は、Acremonium tubakii、特にAcremonium tubakii FH1685 DSM12774を、1つまたは2つ以上の式IまたはIIの化合物が培養液に蓄積するまで前記培養液中で培養し、さらに前記培養液から前記化合物を単離することを含む。
3.薬理学的に活性な物質、特に人または動物の寄生虫、特に好ましくは蠕虫に対抗する抗生物質としての式IまたはIIの化合物の使用。
4.1つまたは2つ以上の式IまたはIIの化合物を含む人および/または動物で使用する医薬調製物。
以下で本発明を詳細に、特にその好ましい実施態様について述べる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
式IまたはIIの化合物はまた、ペプチド活性化合物またはセファイボールと称される。
セファイボールAは、式Iの化合物であって、RがPhe−ol、wがGly、xがAib、さらにyおよびzがIvaであるものを指す。
AcPhe−Aib−Aib−Aib−Aib−Gly−Leu−Iva−Aib−Hyp−Gln−Iva−Hyp−Aib−Pro−Phe−ol(配列番号1)。
【0015】
セファイボールA1は、式Iの化合物であって、RがPhe−ol、wがAla、xがAib、さらにyおよびzがIvaであるものを指す。
AcPhe−Aib−Aib−Aib−Aib−Ala−Leu−Iva−Aib−Hyp−Gln−Iva−Hyp−Aib−Pro−Phe−ol(配列番号8)。
【0016】
セファイボールBは、式Iの化合物であって、RがPhe−ol、wがAla、さらにx、yおよびzがIvaであるものを指す。
AcPhe−Aib−Aib−Aib−Iva−Gly−Leu−Iva−Aib−Hyp−Gln−Iva−Hyp−Aib−Pro−Phe−ol(配列番号2)。
【0017】
セファイボールCは、式Iの化合物であって、RがPhe−ol、wがAla、xおよびzがAib、さらにyがIvaであるものを指す。
AcPhe−Aib−Aib−Aib−Aib−Gly−Leu−Iva−Aib−Hyp−Gln−Aib−Hyp−Aib−Pro−Phe−ol(配列番号3)。
【0018】
セファイボールDは、式Iの化合物であって、RがPhe−ol、wがAla、さらにx、yおよびzがAibであるものを指す。
AcPhe−Aib−Aib−Aib−Aib−Gly−Leu−Aib−Aib−Hyp−Gln−Aib−Hyp−Aib−Pro−Phe−ol(配列番号4)。
【0019】
セファイボールEは、式Iの化合物であって、RがPhe−ol、wがAla、xおよびyがAib、さらにzがIvaであるものを指す。
AcPhe−Aib−Aib−Aib−Aib−Gly−Leu−Aib−Aib−Hyp−Gln−Iva−Hyp−Aib−Pro−Phe−ol(配列番号5)。
【0020】
セファイボールPは、式IIの化合物であって、xがHypであるものを指す。 AcPhe−Iva−Gln−Aib−Ile−Thr−Aib−Leu−Aib−Hyp−Gln−Aib−Hyp−Aib−Pro−Phe−Ser(配列番号6)。
【0021】
セファイボールQは、式IIの化合物であって、xがProであるものを指す。 AcPhe−Iva−Gln−Aib−Ile−Thr−Aib−Leu−Aib−Pro−Gln−Aib−Hyp−Aib−Pro−Phe−Ser(配列番号7)。
【0022】
AcPheはN−アセチルフェニルアラニンで、Aibはα−アミノイソ酪酸で、Alaはアラニンで、Ivaはイソバリンで、Hypはヒドロキシプロリンで、Phe−olはフェニルアラニノールで、Phe−alはフェニルアラニナールで、Pheはフェニルアラニンで、Glyはグリシンで、Leuはロイシンで、Glnはグルタミンで、Proはプロリンで、Ileはイソロイシンで、Thrはスレオニンで、Serはセリンである。
【0023】
本発明のセファイボールはAcremonium tubakii、好ましくはAcremonium tubakii FH1685DSM12774によって産生される。Acremonium tubakii FH1685DSM12774は赤味がかったベージュ色の菌糸体を有し、Acromonium種に特有の分生子柄をもつ。単離株は、ブダペスト条約の規定に基づきDeutsche sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(Mascheroder Weg 1B, D 38124 Brunswick, Germany)に以下の番号で99年3月31日に寄託された:Acremonium tubakii FH1685DSM12774。
【0024】
炭素源および窒素源並びに通常の無機塩を含む栄養溶液(培養液ともいう)中で、Acremonium tubakii FH1685DSM12774は1つまたは2つ以上の本発明の式IまたはIIの化合物を産生する。
【0025】
Acremonium tubakii FH1685DSM12774株の代わりに、1つまたは2つ以上の本発明のセファイボール化合物を合成する前記株の変異体および変種もまた利用できる。そのような変異体は、物理的手段(例えば紫外線またはX線の照射)または変異誘発化学物質(例えばエチルメタンスルホネート(EMS)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(MOB)またはN−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG))によって、または遺伝子工学的な方法を用いて既知の態様で作出できる。
【0026】
1つまたは2つ以上の本発明のセファイボールを合成する変異体および変種についてのスクリーニングは、以下の計画にしたがって実施される:
- 培養後の菌糸体の分離;
- 有機溶媒による菌糸体の抽出;
- 固相または水に不混和性有機溶媒を用いた培養ろ液のセファイボール抽出;
- HPLC、TLCまたは生物学的活性検査による分析。
下記で述べる培養条件はAcremonium tubakii、前記寄託単離株Acremonium tubakii FH1685DSM12774並びにその変異体および変種に適合する。
【0027】
本発明の方法は、実験室規模の培養(ミリリットルからリットルの範囲)および工業的規模(立法メートル規模)に用いることができる。別に記載がなければ、すべての百分率は重量に関する。液体の場合の混合比は、別に詳細が示されなければ溶液の関係である。
炭素源および窒素源並びに通常の無機塩を含む培養液では、Acremonium tubakii FH1685DSM12774は本発明の式IおよびIIの化合物を産生する。
【0028】
好気性培養に適した好ましい炭素源は、同化性炭水化物および糖アルコール(例えばグルコース、ラクトース、シュクロースまたはD−マンニトール)並びに炭水化物含有天然生成物(例えば麦芽抽出物)である。可能な窒素含有栄養物は、アミノ酸、ペプチドおよび蛋白質並びにその分解産物(例えばペプトンまたはトリプトン)の他に獣肉抽出物、酵母抽出物、ひきわり種子(例えばトウモロコシ、小麦、豆類、大豆またはワタ)、アルコール製造の蒸留残留物、ミートミールまたは酵母抽出物、さらにまたアンモニウム塩および硝酸塩である。前記栄養溶液が含むことができる無機塩は、例えばアルカリもしくはアルカリ土類金属、鉄、亜鉛、コバルトおよびマンガンの塩化物、炭酸塩、硫酸塩またはリン酸塩である。
【0029】
本発明のセファイボールの生成は以下を含む培養液中で良好に進行する:約0.1から5%、好ましくは0.3から2%の酵母抽出物および0.2から5%、好ましくは0.5%から3%のシュクロースおよび0.1から10g/L、好ましくは0.2から1.0g/Lの硫酸マグネシウムおよび0.05から1.0g/L、好ましくは0.1から0.5g/Lのリン酸二水素カリウムもしくはナトリウムおよび0.05から1.0g/L、好ましくは0.1から1.0g/Lの硝酸ナトリウムおよび0.01から0.1g/L、好ましくは0.02から0.1g/Lの塩化カリウムおよび0.01から100μm、好ましくは5から20μmの硫酸鉄並びに微量の硫酸亜鉛および硫酸銅。%で示した項目は、各々の事例で全培養液の重量を基準にしている。
【0030】
培養液中でAcremonium tubakii FH1685DSM12774はセファイボール混合物を生成する。培養液の組成に応じて、本発明の1つまたは2つ以上のセファイボールの量的比を変化させることが可能である。さらにまた、個々のセファイボールの合成を培養液の組成によって制御し、それによて1つまたは2つ以上のセファイボールを全く産生させないようにするか、または微生物の検出限界以下の量に抑えることが可能である。
前記混合物は、好ましくは検出可能な8種の異なるセファイボール(セファイボールA、A1、B、C、D、E並びにPおよびQ)から成る。好ましくはセファイボールAからEが産生される。
【0031】
セファイボールA1およびAからE(C末端の特徴的なエレメントとしてフェニルアラニノール(Phe−ol16)をもつ式Iの化合物)の他に、C末端基としてPhe−ol16の代わりにアルデヒドフェニルアラニナール(Phe−al16)をもつ式Iの化合物もまたAcremonium tubakii FH1685DSM12774の培養液中に形成される。原則としてこれらはセファイボールA−Eに対して微量生成物で、セファイボールA−Eとともに培養液から得られる。微生物は好気的に、すなわち例えば、シェーカーフラスコまたは発酵槽で振盪または撹拌しながら、適切な場合には空気または酸素を導入しながら液体中で培養される。培養は、約18〜35℃、好ましくは20〜30℃、特に22〜28℃の温度範囲で実施できる。pHは6〜8、好ましくは6.5〜7.5の範囲であろう。一般に、微生物は前述の条件下で24〜300時間、好ましくは36〜140時間にわたって培養される。
【0032】
培養は以下のようないくつかのステージで有利に実施される。すなわち、先ず最初に1つまたは2つ以上の予備培養を液体培養液で調製し、続いてこれを例えば1:10の容積比で実際の製造培養液(主培養)に接種する。予備培養は、例えば菌糸体を栄養溶液に接種し、約36〜120時間、好ましくは48〜72時間増殖させることによって得られる。菌糸体は、例えば約3〜40日、好ましくは4〜10日間固形または液体栄養培地、例えば麦芽−酵母−寒天またはポテト−デキストロース−寒天(糸状菌用標準培地、例えばDifco社製)で菌株を増殖させることによって得ることができる。
【0033】
培養の経過は、培養物のpHまたは菌糸体の容積によって、さらにクロマトグラフィー法(例えば薄層クロマトグラフィーまたは高圧液体クロマトグラフィー)または生物学的活性の検査によってモニターできる。本発明のセファイボールは、菌糸体および培養ろ液の両方から得られるが、最大部分は菌糸体に見出される。
下記に述べる単離方法は、本発明のセファイボールの精製に、好ましくはセファイボールA、A1、B、CおよびDの精製に用いられる。
【0034】
本発明のセファイボールの培養液からの単離または精製は、本来のセファイボールの化学的、物理的および生物学的特性を考慮しながら、既知の方法にしたがって実施される。培養液または個々の単離工程でのペプチド活性化合物の濃度を調べるために、薄層クロマトグラフィー(例えばシリカゲル上で溶出液としてイソプロパノール/25%濃度のNH3を用いる)またはHPLCを用いることができる。薄層クロマトグラフィー分離の場合の検出は、例えばアニスアルデヒド/硫酸のような染色試薬によって生成された物質量を基準溶液と簡便に比較することによって実施できる。式I(この場合RはPhe−alラジカル)の副産物は、場合によって対応するセファイボールA−Eから当業者に既知の通常の精製方法、例えばクロマトグラフィーまたは再結晶化によって分離できる。
本発明のセファイボールの単離のためには、先ず菌糸体を通常の方法によって培養液から分離し、続いてセファイボールを場合によって水に混和性の有機溶媒を用いて細胞集塊から抽出する。有機溶媒相は本発明のセファイボールを含んでいる。これらセファイボールを場合によって真空中で濃縮し、さらに下記のように精製する。
【0035】
培養ろ液を場合によって菌糸体抽出物の濃縮液と一緒にし、さらに水に混和性の適当な有機溶媒、例えばn−ブタノールで抽出する。続いて分離した有機相を場合によって真空中で濃縮する。重要な生成物の脱脂のために、濃縮物を本発明のセファイボールがほとんど溶解しない非極性溶媒、例えばヘキサン、石油エーテルまたはジエチルエーテルで希釈してもよい。この工程でセファイボールは沈殿し、親油性不純物は溶解したままで通常の固相/液相分離によって除去できる。
沈殿物(これは全てのセファイボールを含んでいる)を最初の容積の1/30の水/メタノールに溶解する。沈殿物はこの過程で完全に溶解し、この溶液を凍結乾燥させる。続いて粗精製物と称するこの凍結乾燥物は5から50%のセファイボールを含み、更なる単離に利用される。
【0036】
本発明の1つまたは2つ以上のセファイボールの更なる精製は、適当な物質、好ましくは例えば分子ふるい、シリカゲルもしくはアルミナ、イオン交換物質または吸着樹脂によるクロマトグラフィーによって、または逆相(RP)クロマトグラフィーによって実施される。このクロマトグラフィーを用いてセファイボールを分離する。クロマトグラフィーによるセファイボールの分離は、緩衝水溶液または水溶液と有機溶媒の混合物を用いて実施する。
水および有機溶媒の混合物は水と混和できる全ての有機溶媒(好ましくはメタノールまたはアセトニトリルを、溶媒の10〜80%、好ましくは溶媒の40〜60%濃度)、そうでなければ有機溶媒と混和できる全ての緩衝水溶液を指すと理解される。
【0037】
その極性の相違に基づくセファイボールの分離は、逆相クロマトグラフィーによって、例えばMCI(登録商標)(吸着樹脂(三菱, 日本))またはアンバーライト(Amberlite)XAD(登録商標)(TOSOHAAS)、またはさらに別の疎水性物質、例えばRP−8またはRP−18の相を用いて実施される。さらにまたこの分離は、通常相によるクロマトグラフィーによって、例えばシリカゲル、アルミナなどを用いて実施できる。
【0038】
セファイボールのクロマトグラフィーは、緩衝または酸性化水溶液または水溶液とアルコールもしくは水に混和性の他の有機溶媒との混合物を用いて実施される。使用有機溶媒は好ましくはプロパノールおよびアセトニトリルである。
緩衝または酸性化水溶液は、例えば水、リン酸緩衝液、酢酸アンモニウム、クエン酸緩衝液(濃度は0.1mMから0.5M)、およびギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸または当業者に知られている通常の全ての酸(好ましくは濃度は0.01から1%で、0.1%が特に好ましい)を指すと理解される。
クロマトグラフィーは、100%の水で始まり、100%の溶媒で終わる濃度勾配を用いて実施される。好ましくは30から60%のプロパノールまたはアセトニトリルの直線状濃度勾配が用いられる。
【0039】
また別には、ゲルクロマトグラフィーまたは疎水相を用いるクロマトグラフィーを実施することもまた可能である。
ゲルクロマトグラフィーは、ポリアクリルアミドゲルまたは混合ポリマーゲル、例えばバイオゲル(Biogel-P2;登録商標)(Biorad)またはフラクトゲル(Fractogel)TSKHW40(登録商標)(Merck, Germany, Toso Haas, USA)またはセファデックス(Sephadex)(登録商標)(Pharmacia, Sweden)で実施される。
上記のクロマトグラフィーの順序は逆にできる。
【0040】
セファイボールの非常に有効なさらに別の精製工程は結晶化である。セファイボールは、有機溶媒溶液から、および水と有機溶媒との混合物から容易に結晶化できる。結晶化は、それ自体既知の態様で、例えばペプチド活性化合物の飽和溶液を濃縮または冷却することにより実施される。
本発明のセファイボールは固体状態で安定で、さらに3から8、特に5から7のpHの溶液で安定で、したがって通常の医薬調製物に取り込むことができる。
【0041】
式IまたはIIの化合物の生理学的に許容できる塩は、その有機および無機塩(例えば成書(Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th Edition, 第1418頁(1985))に記載)の両方を指すと理解される。物理的および化学的安定性並びに溶解性のために、酸性基に対してはとりわけナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩およびアンモニウム塩が好ましい。塩基性基に対してはとりわけ以下の酸の塩が好ましい:塩酸、硫酸、リン酸またはカルボン酸もしくはスルホン酸、例えば酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸およびp−トルエンスルホン酸。
【0042】
本発明は、式IまたはIIの化合物の全ての立体異性型を含む。式IIの化合物に含まれる不斉中心は全てそれぞれ別個にS立体配置またはR立体配置を有することができる。本発明はすべての可能なエナンチオマーおよびジアステレオマーの他に2つまたは3つ以上の立体異性型の混合物、例えば任意の比率にあるエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物を含む。したがって本発明の対象は、純粋な形態(左旋性および右旋性対掌体)として、ラセミ型として、および任意の比率にある2つの鏡像体の混合物としての鏡像体である。シス/トランス異性系の存在下では、シス型およびトランス型並びに任意の比率にあるこれらの形態の混合物は本発明の対象である。
【0043】
明らかに本発明はまた式IまたはIIの化合物の化学的同等物を含む。本タイプの同等物は、例えばエステル、エーテル、付加塩、複合体また他の部分的加水分解産物である。
その重要な薬理学的特性のために、本発明のセファイボールは人および/または動物の医薬としての使用に適している。本発明の物質は、特に寄生虫(特に好ましくは内部および/または外部寄生生物)に対する抗生物質としての薬理活性を有する。
【0044】
したがって本発明は、さらに人または動物の医薬として、特に人および/または動物に病原性を有する内部および/または外部寄生生物に対する化学療法剤として本発明の式IまたはIIの化合物を使用することに関する。これらのペプチド活性化合物の作用メカニズムは不明であるが、蠕虫および内部寄生生物に対する顕著で致死的な作用が検出された。
【0045】
本発明のセファイボールは、例えば動物および人に病原性を有する吸虫(肝蛭(Fasciola hepatica)、ブスキ肥大吸虫(Fasciolopsis buski)、巨大肝蛭(Fasciola gigantica)、ファシオロイデス=マグナ(Fascioloides magna)、槍形吸虫(Dicrocoelium dendriticum)、ネコ肝吸虫(Opisthorchis felineus)、肝吸虫(Clonorchis sinensis)、ヴェステルマン肺吸虫(Paragonimus westermanni)、ケリコット肺吸虫(Paragonimus kellikotti)、ビルハルツ住血吸虫(Schistosoma haematobium)、日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni))、および人および動物に病原性を有する線虫(これらは以下の科に属する:Trichuridae、Trichinellidae、Strongyloididae、Ancylostomatidae、Strongylidae、Trichostrongylidae、Metastrongylidae、Oesophagostomatidae、Dictyocaulidae、Protostrongylidae、Angiostrongylidae、Oxy,uridae、Ascaridae、Toxocaridae、Dracunculidae、HabronematidaeおよびFilariidae)の制御に適している。さらにまた本発明のセファイボールは、動物および人で病原性を有する外部寄生生物で、クモ形動物類(以下の科に属する:Argasidae、Ixodidae、Dermanyssidae、Demodicidae、Sarcoptidae、Psoroptidae、Varroidae)および昆虫類(これらは以下の目を含む:シラミ目(Anoplura、Mallophaga)、ハエ目およびノミ目)に属するものの制御に適している。
【0046】
抗菌作用の他に、本発明の化合物は、植物に病原性を有するカビを含む抗真菌(すなわち抗カビ)特性を有する。
通常の薬剤に対して耐性を獲得した寄生虫の場合、新規な薬剤のみが治療に足る作用を有する。本発明の式IまたはIIのセファイボールはしたがってこれらの問題を有する生物に対してすら優れた潜在作用をもつ。
【0047】
その抗菌、抗真菌および抗原虫活性のために、本発明のセファイボールは成長促進作用を有し、動物の繁殖に有効に用いることができる。飼料利用性の改善は、例えばウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウマまたはウサギのような家畜で用いることができる。この場合、投与量として好ましくは0.05〜50mg/kg/日が用いられる。この場合のセファイボールはまたメタンガスの発生を減少させ、飼料の利用性の改善をもたらす。
【0048】
本発明はまた、1つまたは2つ以上の本発明のセファイボールを含む医薬調製物に関する。適切な賦形剤または担体物質との混合物として使用するのが好ましい。獣医用医薬品で使用できる担体物質は通常の飼料混合物で、人の場合は薬理学的に許容できる全ての担体物質および/または賦形剤を使用できる。
【0049】
本発明はまた前記医薬の製造方法に関し、本方法は、医薬として適当で生理学的に許容できる担体および適切な場合にはさらに適当な活性化合物、添加剤または賦形剤を用いて少なくとも1つの本発明の化合物を適当な投与剤形にすることを含む。
【0050】
一般に本発明の医薬は、経口的、局所的または非経口的に投与されるが、原則的には直腸投与も可能である。適当な固形または液状医薬剤形、例えば顆粒、散剤、錠剤、被覆錠剤、(マイクロ)カプセル、坐薬、シロップ、乳液、懸濁液、エアロゾル、ドロップまたはアンプル型の注射溶液が可能であるが、さらに活性化合物の徐放性調製物も可能である。それらの製造では、担体および添加剤および/または賦形剤、例えば崩壊剤、結合剤、被覆剤、膨潤剤、研摩剤もしくは潤滑剤、香料、甘味剤または可溶化剤が通常用いられる。しばしば用いられる担体または賦形剤を挙げれば、例えば炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトールおよび他の糖、タルク、乳汁蛋白、ゼラチン、澱粉、ビタミン、セルロースおよびその誘導体、動物油または植物油、ポリエチレングリコール並びに溶媒、例えば滅菌水、アルコール、グリセロールおよび多価アルコールである。
【0051】
適当な場合には、単位投与剤形は、放出を遅らせるためまたはより長時間にわたって放出させるために、例えば活性化合物を被覆するか、または活性化合物を適切なポリマーまたはロウなどに包埋して粒子にすることにより経口投与用のミクロカプセルとすることができる。
【0052】
本医薬調製物は好ましくは単位投与剤形として製造され投与される。各単位剤形は活性成分として固有量の1つまたは2つ以上の本発明のセファイボール化合物を含む。固形単位剤形、例えば錠剤、カプセルおよび坐薬の場合、1日の単位用量は約2000mgまで可能であるが好ましくは約1〜1000mgで、アンプル型の注射溶液の場合は約1000mgまでで、好ましくは約10〜300mgである。
【0053】
投与できる日量は、体重、年齢、性別および対象動物の症状により変動する。しかしながら、一定の状況下ではより大量またはより少量の投薬量も適切であろう。毎日の投与は、個々の単位剤形の形でただ1回の投与またはより少量で数個の単位剤形の投与によって実施するか、さらに小分けにした用量を特定の間隔で複数回投与することによって実施できる。
本発明の医薬は、通常の担体および適当な場合には添加剤および/または賦形剤を用いて、1つまたは2つ以上の本発明のセファイボール化合物を適当な投与剤形にすることによって製造される。
【0054】
原則として、蠕虫および外部寄生生物の治療の場合、治療手段、感染後手段および予防手段の間で区別がなされなければならない。これら異なる処置方法は、特定の医薬製剤を必要とする。このタイプの製剤は、例えば準治療量から治療量の抗蠕虫薬または抗外部寄生生物薬の連続投与を保証する。さらに、これらの製剤はその放出態様にしたがって“持続放出ボーラス投与”および“パルス放出ボーラス投与”に区別される。前者はさらに、“徐放性ボーラス投与”(これらは放出速度が遅いものである)および“連続放出ボーラス投与”(これらは一定の放出態様を示すものである)に区別される。他方、“パルス放出ボーラス投与”では、全活性化合物は数時間から数日以内に放出される。活性化合物のマイクロカプセル化を含み、さらに獣医用医薬品で人気が高まっている前記放出技術の他に、いわゆる“スポット=オン”または“ポア=オン”製剤が動物の外用として一般的である。錠剤、ペーストまたは注射溶液の投与、並びにネックバンド(例えば外部寄生生物に対する医薬を含有する)の使用は既に知られている。
本発明を下記の実施例でさらに詳述する。百分率は重量に関するものである。液体の混合比は、特に詳細が示されないかぎり容積に関するものである。
【0055】
【実施例】
実施例1:Acremonium tubakii FH1685DSM12774のグリセロール培養の調製
滅菌した300mlの三角フラスコ中の100mlの栄養溶液(麦芽抽出物2.0%、酵母抽出物0.2%、グルコース1.0%、(NH4)2HPO4 0.05%、pH6.0)にAcremonium tubakii FH1685DSM12774株を接種し、回転式振盪培養機で140rpmで25℃で7日間培養する。続いてこの培養の1.5mlを2.5mlの80%グリセロールで希釈し、−20℃で保存する。
【0056】
実施例2:三角フラスコでのAcremonium tubakii FH1685DSM12774の培養または予備培養の調製
下記の栄養溶液100mlを含む滅菌した300mlの三角フラスコに斜面培養管で増殖させた培養(以下と同じ栄養溶液であるが寒天を2%含む)または1mlのグリセロール培養(実施例1参照)を接種し、振盪培養機で180rpmで30℃で培養する:30g/Lのスクロース、5g/Lの酵母抽出物、1g/LのK2HPO4、3g/LのNaNO3、0.5g/LのMgSO4×7H2O、0.01g/LのFeSO4×7H2O、0.5g/LのKClおよび1.0mlの微量元素溶液(0.2g/LのZnSO4×7H2Oおよび0.7g/LのCuSO4×5H2O)。本発明のセファイボール化合物の1つまたは2つ以上の最大産生は約120時間後に達成される。10から200lの発酵装置に接種した場合は、同じ栄養溶液の48〜96時間の液中培養(接種量は約10%)で十分である。
【0057】
実施例3:セファイボールの製造
30リットルの発酵装置を以下の条件で使用する:
栄養培地:30g/Lのシュクロース
5g/Lの酵母抽出物
3g/LのNaNO3
0.5g/LのKCl
0.5g/LのMgSO4
0.1g/LのK2HPO4
10μMのFeCl3×6H2
1mlの微量元素溶液
pH6.5(滅菌前)
微量元素溶液:2g/LのZnSO4×7H2Oおよび
0.7g/LのCuSO4×5H2
培養時間:50時間
培養温度:25℃
撹拌速度:300rpm
通気:15リットル/分
エタノール系ポリオール溶液の反復添加によって泡沫発生を抑制することができる。最大産生は約96から120時間後に達成される。
【0058】
実施例4:Acremonium tubakii FH1685DSM12774の培養溶液からセファイボール混合物の単離
Acremonium tubakii FH1685DSM12774の培養終了後、実施例3にしたがって得られた3つの発酵装置の培養ブロス(90リットル)を約2%のろ過補助剤(例えばCelite(登録商標))を添加してろ過し、細胞塊(6リットル)を20リットルのメタノールで抽出する。ペプチド活性化合物を含むメタノール溶液をろ過して菌糸体から分離し、真空中で濃縮する。この濃縮物を培養ろ液(83リットル)と一緒にしてその前に用意した4リットルのMCIゲル、CHP20Pカラムに適用する。これを0.1%のトリフルオロ酢酸水溶液からプロパン−2−オール中の0.1%トリフルオロ酢酸の濃度勾配を用いて溶出する。カラムから流出するもの(12リットル/時間)を分画して採集し(各々2.5リットル)、ペプチド活性化合物を含有する分画(21から24)を一緒にする。真空中で濃縮し凍結乾燥することによって4gの青褐色の粉末が得られる。
【0059】
実施例5:ゲルクロマトグラフィーによるセファイボール成分の濃縮
実施例4にしたがって得られた4gの生成物をフラクトゲル(Fractogel(登録商標)TSK MW-40 s)を充填した3.9リットル容量のカラム(幅×高さ=10cm×50cm)に適用する。溶離液のメタノールを50ml/分の流速でポンプでカラム通し、カラムの流出液を分画(65ml)して採集する。セファイボールは主に分画28から33に見出だされる。それらを一緒にし、真空中でメタノールから分離し、1.3gのペプチド活性化合物の混合物が得られる。
【0060】
実施例6:逆相RP−18でのセファイボール成分の分離
500ml容量の調製用HPLCカラム(5.1cm(ID)×25cm H)にヌクレオシル(Nucleosil(登録商標))100−7 C18 HDを充填し、実施例5にしたがって得られたペプチド活性化合物の混合物を適用する。溶出は0.1%のトリフルオロ酢酸水溶液中の40%アセトニトリルを用いて実施する。カラム中の流速は50ml/分で、内容量が各々125mlの分画を採集する。セファイボールDは分画46に、セファイボールCは分画49および50に、セファイボールEは分画51に、セファイボールAは分画60から64に、セファイボールBおよびA1は分画66および67に見出される。分画68はセファイボールの混合物を含む。真空中で濃縮し凍結乾燥させた後、以下のような重量が得られる:
セファイボールA:520mg,ESI+MS:1671Da(M+H)+
セファイボールA1:4mg,ESI+MS:1685DA(M+H)+
セファイボールB:38mg,ESI+MS:1685Da(M+H)+
セファイボールC:195mg,ESI+MS:1657Da(M+H)+
セファイボールD:16mg,ESI+MS:1643Da(M+H)+
セファイボールE:76mg,ESI+MS:1657Da(M+H)+
【0061】
実施例7:セファイボールPおよびQの単離
実施例6にしたがって得られた分画68を凍結乾燥後(4.1mg)に20%のアセトニトリル水溶液に溶解し、250/10のヌクレオシルC18 300−7(登録商標)カラムに適用する。溶出は40%のアセトニトリル中の0.005%酢酸アンモニウム緩衝液で実施する。少しのセファイボールBの他に、乾燥後に1mgのセファイボールPおよび1mgのセファイボールQが得られる。
セファイボールP:ESI+MS、分子量1873(M+H)+ が測定される、
セファイボールQ:ESI+MS、分子量1857(M+H)+ が測定される。
【0062】
実施例8:セファイボールの検出用HPLCシステム
下記に示すシステムによって、粗混合物または培養ろ液中のセファイボールの分離および定量が可能である。保持時間は7.0分(セファイボールD)から18.8分(セファイボールA1)の間である。
溶離液:40%アセトニトリル中の0.1%トリフルオロ酢酸
カラム:ヌクレオシル100C18AB 250/4(Macherey-Nagel)
流量: 1.0ml/分
検出: 210nmでの紫外光吸収
表示条件下でセファイボールは下記の保持時間を示す:
セファイボールA: 12.1分
セファイボールA1:18.8分
セファイボールB: 16.0分
セファイボールC: 9.0分
セファイボールD: 7.1分
セファイボールE: 7.3分
セファイボールP: 17.3分
セファイボールQ: 17.9分
【0063】
実施例9:セファイボールAの性状決定
10μgのセファイボールAを持続的に沸騰している塩酸中で加水分解させ、アミノ酸分析装置で調べる。以下の一般的なアミノ酸が見出された:
ヒドロキシプロリン 11.5nmol
グルタミン酸 5.7nmol
プロリン 5.5nmol
グリシン 5.5nmol
ロイシン 5.6nmol
フェニルアラニン 5.5nmol
例外的なアミノ酸、アミノイソ酪酸およびイソバリンの含有量は査定できなかった。
【0064】
電子噴霧イオン化(ESI+)を用いるフィニガン(Finnigan)MAT LCQイオントラップ質量分析装置による質量分析によって以下のデータが得られた:
ESI質量スペクトルは、単同位体分子量1669.7に対応してm/e 1670.7で強いMH+およびm/e 1692.7で[M+Na]+を示し、これは、計算によって得られた質量1669.9Da(単同位体、C821271720)とよく一致する。MS/MSスペクトルは、表9に太字で表示したフラグメント化を示した。イタリック体で示したフラグメントは計算で得られたが、実際に観察はされていない。
【0065】
【表1】
Figure 0004620873
【0066】
プロトン付加B断片化は第一の欄−および第二の欄(M+ナトリウム)+−Bフラグメント化に表示されている。第三の欄はNa型のAフラグメントシリーズを示している。
【0067】
本発明のセファイボールの物理化学的および分光特性は以下のように要約できる:
セファイボールA:
外観:極性有機溶媒に溶解するが、水にはごくわずか溶解する。無色の物質。中性、弱酸性、および弱アルカリ性媒体中で安定。
実験式:C821271720
構造式:
【化1】
Figure 0004620873
分子量:1671Da
UV吸収(λmax):258nm,logε:2.62
NMRデータ:表1参照
【0068】
セファイボールA1:
外観:極性有機溶媒に溶解するが、水にはごくわずか溶解する。無色の物質。中性、弱酸性、および弱アルカリ性媒体中で安定。
実験式:C831291720
構造式:
【化2】
Figure 0004620873
分子量:1685Da
UVデータ(λmax):258nm,logε:2.62
NMRデータ:表1a参照
【0069】
セファイボールB:
外観:極性有機溶媒に溶解するが、水にはごくわずか溶解する。無色の物質。中性、弱酸性、および弱アルカリ性媒体中で安定。
実験式:C831291720
構造式:
【化3】
Figure 0004620873
分子量:1685Da
UV吸収(λmax):258nm,logε:2.62
NMRデータ:表2参照
【0070】
セファイボールC:
外観:極性有機溶媒に溶解するが、水にはごくわずか溶解する。無色の物質。中性、弱酸性、および弱アルカリ性媒体中で安定。
実験式:C811251720
構造式:
【化4】
Figure 0004620873
分子量:1657Da
UV吸収(λmax):258nm,logε:2.62
NMRデータ:表3参照
【0071】
セファイボールD:
外観:極性有機溶媒に溶解するが、水にはごくわずか溶解する。無色の物質。中性、弱酸性、および弱アルカリ性媒体中で安定。
実験式:C801231720
構造式:
【化5】
Figure 0004620873
分子量:1643Da
UV吸収(λmax):258nm,logε:2.62
NMRデータ:表4参照
【0072】
セファイボールE:
外観:極性有機溶媒に溶解するが、水にはごくわずか溶解する。無色の物質。中性、弱酸性、および弱アルカリ性媒体中で安定。
実験式:C811251720
構造式:
【化6】
Figure 0004620873
分子量:1657Da
UV吸収(λmax):258nm,logε:2.62
NMRデータ:表5参照
【0073】
セファイボールP:
外観:極性有機溶媒に溶解するが、水にはごくわずか溶解する。無色の物質。中性、弱酸性、および弱アルカリ性媒体中で安定。
実験式:C891371925
構造式:
【化7】
Figure 0004620873
分子量:1873Da
UV吸収(λmax):258nm,logε:2.62
NMRデータ:表6参照
【0074】
セファイボールQ:
外観:極性有機溶媒に溶解するが、水にはごくわずか溶解する。無色の物質。中性、弱酸性、および弱アルカリ性媒体中で安定。
実験式:C891371924
構造式:
【化8】
Figure 0004620873
分子量:1857.197Da
UV吸収(λmax):258nm,logε:2.62
NMRデータ:表7参照
【0075】
【表2】
Figure 0004620873
【0076】
【表3】
Figure 0004620873
【0077】
【表4】
Figure 0004620873
【0078】
【表5】
Figure 0004620873
【0079】
【表6】
Figure 0004620873
【0080】
【表7】
Figure 0004620873
【0081】
【表8】
Figure 0004620873
【0082】
【表9】
Figure 0004620873
【0083】
【表10】
Figure 0004620873
【0084】
【表11】
Figure 0004620873
【0085】
【表12】
Figure 0004620873
【0086】
【表13】
Figure 0004620873
【0087】
【表14】
Figure 0004620873
【0088】
【表15】
Figure 0004620873
【0089】
【表16】
Figure 0004620873
【0090】
【表17】
Figure 0004620873
【0091】
【表18】
Figure 0004620873
【0092】
【表19】
Figure 0004620873
【0093】
【表20】
Figure 0004620873
【0094】
【表21】
Figure 0004620873
【0095】
【表22】
Figure 0004620873
【0096】
【表23】
Figure 0004620873
【0097】
【表24】
Figure 0004620873
【0098】
【表25】
Figure 0004620873
【0099】
【表26】
Figure 0004620873
【0100】
【表27】
Figure 0004620873
【0101】
【表28】
Figure 0004620873
【0102】
【表29】
Figure 0004620873
【0103】
【表30】
Figure 0004620873
【0104】
【表31】
Figure 0004620873
【0105】
実施例10:抗蠕虫作用の決定
蠕虫に対するセファイボールの作用を調べるために、in vitro検査(幼虫生育テスト)をニワトリの回虫、Ascaridida galliの幼虫を用いて実施した。 A. galliの胚含有卵を5%濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液で処理して表面を殺菌し、前記溶液を除去した後、ガラスビーズ(5mm)を回転させて機械的に卵を開けた。孵化させたL2の幼虫を幼虫濃縮方法によって濃縮し、栄養培地に採り、41℃で10%CO2で培養した。孵化後48時間して、幼虫をマイクロタイタープレート(96穴)で5日間、200、100、50...0.1μg/mlの濃度の薬剤添加培養液(200μl)中で保温した。5日間の保温中に、運動性、形態および生命活性を顕微鏡で検査し、毎日記録した。薬剤処置後、幼虫培養を0.16%の濃度のニュートラルレッド(Neutral Red)で48時間保温し、培地交換によりニュートラルレッドを除去後、幼虫の腸内の生体染料の濃縮化を能動的食物摂取の指標、したがって生命活性の証拠として査定した。200、100、50および25μg/mlの濃度のセファイボールAによる幼虫の薬剤処理によって100%の死亡率が得られ、12.5μg/mlおよび6.25μg/mlの濃度では死亡率はそれぞれ92%および20%であった。
【0106】
実施例11:外部寄生生物に対する作用
外部寄生生物に対する作用はノミ幼虫検査(ネコノミ=Ctenocephalides felis)で調べた。5mgのセファイボールAを0.5mlのアセトンに溶解し、500mgのブラッドミール(線維素除去ヒツジ血液)と混合した。溶媒を気化させた後、それぞれについて2gの石英砂を薬剤添加ブラッドミールと混合して、濃度2000、1000、500、250ppm等の調製物を得た。各薬剤添加サンプルまたは溶媒コントロール当たり15のノミ卵を薬剤添加血粉と石英砂との混合物に加え、続いてこれを37℃で高い大気湿度で保温した。3−5日間隔で幼虫の発育、サナギ化および成虫への発育をチェックし、死亡率を記録した。溶媒コントロールと比較して90%を越える幼虫の殺虫作用が用量に依存して観察された。
【0107】
実施例12
抗菌作用の決定
表8は、抗菌スペクトルについて最小抑制濃度(MIC)をいくつか示す。
【表32】
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【配列表】
Figure 0004620873
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Claims (19)

  1. 下記式Iの化合物または生理学的に許容されるその塩:
    AcPhe−Aib−Aib−Aib−x−w−Leu−y−Aib−Hyp−Gln−z−Hyp−Aib−Pro−R (I)
    式中、RはPhe−olまたはPhe−alであり、w、x、yおよびzは以下の意味を有する:
    a) wはGlyまたはAlaであり、xはAibであり、yおよびzはIvaであり;
    b) wはGlyであり、x、yおよびzはIvaであり;
    c) wはGlyであり、xおよびzはAibであり、yはIvaであり;
    d) wはGlyであり、x、yおよびzはAibであるか;または
    e) wはGlyであり、xおよびyはAibであり、zはIvaである。
  2. RがPhe−olである請求項1に記載の式Iの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  3. 下記式IIの化合物また生理学的に許容されるその塩:
    AcPhe−Iva−Gln−Aib−Ile−Thr−Aib−Leu−Aib−x−Gln−Aib−Hyp−Aib−Pro−Phe−Ser (II)
    式中、xはHypまたはProである。
  4. 下記式の化合物または生理学的に許容されるその塩:
    AcPhe−Aib−Aib−Aib−Aib−Gly−Leu−Iva−Aib−Hyp−Gln−Iva−Hyp−Aib−Pro−Phe−ol;
    AcPhe−Aib−Aib−Aib−Aib−Ala−Leu−Iva−Aib−Hyp−Gln−Iva−Hyp−Aib−Pro−Phe−ol;
    AcPhe−Aib−Aib−Aib−Iva−Gly−Leu−Iva−Aib−Hyp−Gln−Iva−Hyp−Aib−Pro−Phe−ol;
    AcPhe−Aib−Aib−Aib−Aib−Gly−Leu−Iva−Aib−Hyp−Gln−Aib−Hyp−Aib−Pro−Phe−ol;
    AcPhe−Aib−Aib−Aib−Aib−Gly−Leu−Aib−Aib−Hyp−Gln−Aib−Hyp−Aib−Pro−Phe−ol;
    AcPhe−Aib−Aib−Aib−Aib−Gly−Leu−Aib−Aib−Hyp−Gln−Iva−Hyp−Aib−Pro−Phe−ol;
    AcPhe−Iva−Gln−Aib−Ile−Thr−Aib−Leu−Aib−Hyp−Gln−Aib−Hyp−Aib−Pro−Phe−Ser;または、
    AcPhe−Iva−Gln−Aib−Ile−Thr−Aib−Leu−Aib−Pro−Gln−Aib−Hyp−Aib−Pro−Phe−Ser。
  5. 微生物 Acremonium tubakii FH1685 DSM12774 またはその変種もしくは変異体の1つを、1つまたは2つ以上の式IまたはIIの化合物が培養液に蓄積されるまで適当な条件下で培養液中で培養し、続いて前記化合物を培養液から単離し、適当な場合にはそれらを生理学的に許容される塩に変換することによって製造される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩の製造方法であって、前記方法が、微生物Acremonium tubakii FH1685 DSM12774またはその変種もしくは変異体の1つを、1つまたは2つ以上の式IまたはIIの化合物が培養液に蓄積されるまで適当な条件下で培養液中で培養し、続いて前記化合物を培養液から単離し、適当な場合にはそれらを生理学的に許容される塩に変換することを含む前記化合物または生理学的に許容されるその塩の製造方法。
  7. 培養が好気的条件下で18から35℃の温度で6から8のpHで実施される請求項6に記載の方法。
  8. 医薬として使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  9. 抗生物質として使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  10. 人および/または動物の寄生虫に対する抗生物質として使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  11. 人および/または動物に病原性を有する内部寄生生物および/または外部寄生生物に対する抗生物質として使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  12. 抗蠕虫薬として使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  13. 人および/または動物に病原性を有する吸虫類および/または線虫類に対する抗生物質、または人および/または動物に病原性を有する外部寄生生物であってクモ形類動物または昆虫類に属する寄生虫に対する抗生物質として使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  14. 抗真菌性、抗原虫性物質として、または抗微生物活性を有する物質として使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  15. 細菌性疾患および/または寄生虫疾患並びに真菌感染の治療および/または予防用の請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  16. 家畜の成長促進剤として、また家畜の飼料利用性の改善のために使用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩。
  17. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩の少なくとも1つを含む医薬調製物。
  18. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の式IもしくはIIの化合物または生理学的に許容されるその塩の少なくとも1つを、適当な賦形剤および/または担体を用いて適当な投与剤形とすることを含む請求項17に記載の医薬調製物の製造方法。
  19. 抗生物質、特に人および/または動物の寄生虫に対する抗生物質として、人および/または動物に病原性を有する内部寄生生物および/または外部寄生生物に対する抗生物質として、人および/または動物に病原性を有する吸虫類および/または線虫類に対する抗生物質として、または人および/または動物に病原性を有する外部寄生生物であってクモ形類動物もしくは昆虫類に属するものに対する抗生物質として、抗蠕虫薬、抗真菌薬、抗原虫薬として、または細菌性疾患および/または寄生虫疾患並びに真菌感染の治療用および/または予防用として使用される請求項17に記載の医薬調製物。
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