JP4619478B2

JP4619478B2 - 増泡剤及び洗浄剤組成物

Info

Publication number: JP4619478B2
Application number: JP2000061607A
Authority: JP
Inventors: 真希男鐵; 隆也坂井; 誠久保; 明藤生
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 2000-03-07
Filing date: 2000-03-07
Publication date: 2011-01-26
Anticipated expiration: 2020-03-07
Also published as: JP2001247893A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は皮膚に穏和でかつ泡立ち性に優れた増泡剤及び洗浄剤組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
石けん、シャンプー、身体洗浄剤、台所用洗浄剤、住居用洗剤等の洗浄剤においては豊かな泡立ちが要求され、主基剤となる界面活性剤に対して泡安定剤として作用する増泡剤が配合されている。増泡剤としては脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪族ジメチルアミンオキサイド、脂肪酸アミドプロピルベタイン等が用いられている。しかしこれらの増泡剤では特に油汚れの存在下において、増泡剤が油に吸着するなどの要因により、その泡立ち性、洗浄性が十分とは言い難い。
【０００３】
また製品の形態を液体とした場合、これらの増泡剤の幾つかはそれ自体が難水溶性であり、また増泡剤の水溶性が高くても、他の界面活性剤との疎水性相互作用により水不溶性の沈殿が生じる場合があり、そのため安定な配合組成物が得られない場合が多い。
【０００４】
さらに従来の洗浄剤においては皮膚にマイルドな中性〜弱酸性のｐＨ領域では十分な泡立ちが得られないものが多く、使用の際には弱酸性下での十分な泡立ちが求められる。
【０００５】
本発明の課題は、配合安定性に優れ、かつ中性〜弱酸性下、さらに油汚れの存在下においても優れた泡立ちが得られる増泡剤及び洗浄剤組成物を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式（Ｉ）で表される４級化ジアミン化合物（以後化合物（Ｉ）と表記する）からなる増泡剤、及び化合物（Ｉ）を含有する洗浄剤組成物を提供する。
【０００７】
【化２】

【０００８】
〔式中、R¹は炭素数２〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R²及びR³は同一又は異なって、水素原子、炭素数１〜６の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素数１〜３のヒドロキシアルキル基を示し、A は-NR⁴-CO-R⁵-、-CO-NR⁴-R⁵- 、-COO-R⁵-又は-OCO-R⁵-（R⁴は水素原子又は炭素数１〜３のアルキル基、R⁵は炭素数１〜６の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基）を示し、ｎは０又は１を示し、B はカルボキシアルキル基、ヒドロキシ基が置換していてもよいスルホアルキル基又は酸素原子を示す。〕
【０００９】
【発明の実施の形態】
一般式（Ｉ）中、R¹として、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デシレン基等が挙げられ、炭素数２〜８のアルキレン基が好ましく、特に炭素数６〜８のアルキレン基が好ましい。
【００１０】
R²及びR³として、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基、ヒドロキシプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第２ブチル基、第３ブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられ、泡立ち性の向上という観点から、水素原子、炭素数１〜３の直鎖アルキル基又は直鎖ヒドロキシアルキル基が好ましく、特に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が好ましい。これらR²及びR³は同一であっても異なっていてもよい。
【００１１】
A は上記のようなアミドアルキレン基もしくはエステルアルキレン基を示すが、R⁴として、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等、R⁵として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ブチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ、特にA は、アミドエチレン基、アミドプロピレン基又はアミドトリメチレン基が好ましい。
【００１２】
B は上記の意味を示すが、アルキル基の炭素数が１〜４のカルボキシアルキル基、ヒドロキシ基が置換していてもよいアルキル基の炭素数が１〜３のスルホアルキル基又は酸素原子が好ましく、カルボキシメチル基、２−ヒドロキシスルホプロピル基、酸素原子が特に好ましい。
【００１３】
化合物（Ｉ）は、ジアミン化合物（例えば、Ｎ，Ｎ，Ｎ’，Ｎ’−テトラメチルプロパンジアミン、Ｎ，Ｎ’−ビス［３−（ジメチルアミノ）プロピル］アジピンジアミド等）１当量に対し、アルキルクロライド、モノクロロ酢酸ナトリウム、１−クロロ−２−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム等を２当量用いて４級化することにより製造できる。また同様に２当量の過酸化水素を用いて酸化することにより製造することができる。
【００１４】
化合物（Ｉ）は、アルキレン鎖長及び極性基を適宜選択することにより、様々な界面活性剤系において少量添加で界面活性及び泡立ち促進効果を発揮する。
【００１５】
本発明の洗浄剤組成物は化合物（Ｉ）と界面活性剤を含有するが、組成物中の化合物（Ｉ）の含有量は0.5 〜70重量％が好ましい。また組成物中の化合物（Ｉ）と界面活性剤の合計含有量は５〜80重量％が好ましく、界面活性剤／化合物（Ｉ）の重量比率は泡立ち性及び洗浄性の点から99.9／0.1〜70／30が好ましく、より好ましくは99／１〜80／20である。
【００１６】
界面活性剤として、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、この中から１種類以上選ばれる。特に好ましいのは陰イオン界面活性剤である。陰イオン界面活性剤として、炭素数８〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する１級又は２級アルコールの硫酸エステル塩、アルコールエトキシレート化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩及びα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩から選ばれた１種以上が好ましい。これら陰イオン界面活性剤の対イオンとして、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及びアミンが適しているが、特にＮａ、Ｋ、ＮＨ₄、アルカノールアミンが適している。
【００１７】
本発明の洗浄剤組成物は化合物（Ｉ）及び界面活性剤以外の通常用いられる洗浄剤成分を配合することもできる。このような成分として、水、エタノール等の水性媒体、高級アルコール、シリコーン等の油成分、保湿成分、薬効成分、防腐剤、殺菌剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、水性高分子化合物、無機塩、有機酸、パール光沢剤、色素及び香料等が挙げられる。
【００１８】
本発明の洗浄剤組成物は、衣料用洗浄剤、台所用洗浄剤、住居用洗浄剤、毛髪用洗浄剤、身体用洗浄剤、洗顔剤、化粧石けん等の種々の用途に使用され、中でも台所、毛髪又は身体用洗浄剤組成物として用いるのが好ましい。
【００１９】
【発明の効果】
本発明の増泡剤及び洗浄剤組成物は、配合安定性に優れ、油汚れの存在下でも、また中性から酸性のｐＨ領域においても優れた泡立ちが得られる。
【００２０】
【実施例】
実施例１〜６、比較例１及び２
表１に示す成分を均一に溶解し、クエン酸を用いてｐＨを６に調整して液体洗浄剤を製造し、以下の方法で泡立ち性試験及び配合安定性試験を行った。結果を表１に示す。
【００２１】
＜泡立ち性試験＞
液体洗浄剤を４°ＤＨ硬水で30倍に希釈した水溶液25mLと油汚れとしてラノリン0.2ｇとを、内径３cmの250mL活栓付き円筒試験管に入れ、25℃、10秒間、振幅10cmで20回振とうし、その１分後の泡量を測定した。
【００２２】
＜配合安定性試験＞
製造直後と25℃で１週間保存した後の液体洗浄剤の状態を、下記の基準に従って目視で評価した。
【００２３】
○：製造直後も保存後も透明で沈殿が生じない。
△：製造直後は透明で沈殿がないが、保存後に白濁し沈殿が生じる。
×：製造直後に白濁し沈殿が生じる。
【００２４】
【表１】

【００２５】
注）
*1：化合物(I-1)〜(I-6)はそれぞれ以下に示す式で表される。
【００２６】
【化３】

Claims

一般式（Ｉ）で表される４級化ジアミン化合物からなる増泡剤。

〔式中、R¹は炭素数２〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R²及びR³は同一又は異なって、水素原子、炭素数１〜６の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素数１〜３のヒドロキシアルキル基を示し、A は-NR⁴-CO-R⁵-、-CO-NR⁴-R⁵- 、-COO-R⁵-又は-OCO-R⁵-（R⁴は水素原子又は炭素数１〜３のアルキル基、R⁵は炭素数１〜６の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基）を示し、ｎは０又は１を示し、Bは-R⁶-COO⁻、-R⁷-SO₃ ⁻又は-O⁻（R⁶は炭素数１〜４のアルキレン基、R⁷はヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数１〜３のアルキレン基）を示す。〕