JP5616818B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、泡立ちが良く、低刺激性で肌に優しい洗浄剤組成物に関する。本発明に係る洗浄剤組成物は、皮膚洗浄用、頭髪洗浄用に好適に使用することができる。
従来、食器洗浄用の洗浄剤組成物には、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等の親水基としてスルホン酸構造を有するアニオン性界面活性剤が使用されてきていた。しかし、これらは洗浄力に優れるものの、脱脂力、及び皮膚刺激性が強く、更に強いタンパク変性作用を有しているため、手荒れの原因となることが問題であった。また、これらは皮膚や頭髪へ適用すると、障害(例えば、肌のかさつき、肌荒れ、ひび割れ、湿疹、髪のパサツキ等)を引き起こしやすいため、皮膚洗浄用、頭髪洗浄用には使用することが困難であった。
そこで、近年、食器洗浄用の洗浄剤組成物には、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等の親水基としてスルホン酸構造を有するアニオン性界面活性剤に代えて、皮膚刺激性が低いポリオキシエチレン誘導体等の非イオン系界面活性剤が採用される傾向がある。しかしながら、ポリオキシエチレン誘導体は泡立ちが悪く、優れた泡立ち性が求められる皮膚洗浄用、頭髪洗浄用等の用途には不向きであった。
特許文献1、2には、界面活性剤として、アシル化アミノ酸型界面活性剤とモノアシルグリセリンを組み合わせて使用したり、ポリグリセリンアルキルエーテルを使用することにより、皮膚刺激性が低く、且つ、泡立ち性に優れる洗浄剤組成物が得られることが記載されている。しかし、これらも、未だ、皮膚洗浄用、頭髪洗浄用としては泡立ち性、及び皮膚刺激性の点で満足できるものではなかった。
特開平5−156295号公報 特開2006−348084号広報
従って、本発明の目的は、泡立ちが良く、且つ、低刺激性で肌に優しい、皮膚洗浄用、頭髪洗浄用に好適な洗浄剤組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、界面活性剤として、親水基としてのカルボン酸、又はリン酸構造を有する特定のアニオン性界面活性剤と、デカグリセリンモノアルキルエーテルを特定の割合で組み合わせて使用すると、タンパク変性作用を抑制しつつ、優れた泡立ち性を発揮することができることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記成分(A)を1〜15重量%、下記成分(B)を25〜50重量%含有する皮膚洗浄用又は頭髪洗浄用洗浄剤組成物を提供する。
成分(A):アルキルリン酸又はその塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、及びN−アシル−N−カルボキシアルキルグリシン又はその塩から選択される1以上のアニオン性界面活性剤
成分(B):下記式(1)で表されるデカグリセリンモノアルキルエーテル
1O−(C362)n−H (1)
(式中、R1は炭素数14〜18のヒドロキシル基を有していてもよい直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素基を示す。nはグリセリンの重合度を示し、10である)
また、本明細書では、上記発明の他、成分(A)を1〜15重量%、成分(B)を25〜50重量%含有する洗浄剤組成物についても説明する。
本発明に係る洗浄剤組成物は、上記成分(A)と成分(B)とを特定の割合で組み合わせて使用するため、水中で混合すると、デカグリセリンモノアルキルエーテルを含む皮膚浸透性の小さい混合ミセルが形成されることにより、タンパク変性作用を極めて低く抑制することができ、また、デカグリセリンモノアルキルエーテルにより優れた泡立ち性を発揮することができる。そのため、泡立ちが良く、且つ、低刺激性で肌に優しい、皮膚洗浄用、又は頭髪洗浄用洗浄剤組成物として好適に使用することができる。
[成分(A)]
本発明の成分(A)は、アルキルリン酸又はその塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、及びN−アシル−N−カルボキシアルキルグリシン又はその塩から選択される1以上のアニオン性界面活性剤である。
(アルキルリン酸又はその塩)
アルキルリン酸は、例えば下記式(2)
Figure 0005616818
(式中、R2は炭素数8〜36の炭化水素基を示し、X1は水素原子、X2は水素原子又はR2−(OCH2CH2)m、mは0〜5の整数を示す)
で表わされる。
2で表される炭素数8〜36の炭化水素基としては、炭素数8〜36の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基を挙げることができる。炭素数8〜36の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、n−イコシル等の直鎖状アルキル基;イソオクチル、s−オクチル、t−オクチル、イソノニル、s−ノニル、t−ノニル、イソデシル、s−デシル、t−デシル、イソウンデシル、s−ウンデシル、t−ウンデシル、イソドデシル、s−ドデシル、t−ドデシル、イソテトラデシル、s−テトラデシル、t−テトラデシル、イソペンタデシル、s−ペンタデシル、t−ペンタデシル、イソパルミチル、2−ヘキシルデシル、s−パルミチル、t−パルミチル、イソヘプタデシル、s−ヘプタデシル、t−ヘプタデシル、イソステアリル、s−ステアリル、t−ステアリル、イソノナデシル、s−ノナデシル、t−ノナデシル、2−オクチルドデシル、イソエイコシル、s−エイコシル、t−エイコシル基等の分岐鎖状アルキル基を挙げることができる。
炭素数8〜36の直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基としては、例えば、n−オクテニル、n−ノネニル、n−デセニル、n−ウンデセニル、n−ドデセニル、n−オレイル、n−ノナデセニル、n−ガドレイル、n−エイコセニル、n−ヘンエイコセニル、n−ドコセニル、n−トリコセニル、n−ネルボニル、n−テトラコセニル等の直鎖状アルケニル基;イソオクテニル、s−オクテニル、t−オクテニル、イソノネニル、s−ノネニル、t−ノネニル、イソデセニル、s−デセニル、t−デセニル、イソウンデセニル、s−ウンデセニル、t−ウンデセニル、イソペンタデセニル、s−ペンタデセニル、t−ペンタデセニル、イソヘキサデセニル、s−ヘキサデセニル、t−ヘキサデセニル、イソヘプタデセニル、s−ヘプタデセニル、t−ヘプタデセニル、イソオレイル、s−オレイル、t−オレイル、イソノナデセニル、s−ノナデセニル、t−ノナデセニル、イソエイコセニル、s−エイコセニル、t−エイコセニル、イソヘンエイコセニル、s−ヘンエイコセニル、t−ヘンエイコセニル、イソドコセニル、s−ドコセニル、t−ドコセニル、イソトリコセニル、s−トリコセニル、t−トリコセニル、イソテトラコセニル、s−テトラコセニル、t−テトラコセニル基等の分岐鎖状アルケニル基等を挙げることができる。
本発明におけるR2で表される炭素数8〜36の炭化水素基としては、なかでも、炭素数8〜20の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が好ましい。
また、アルキルリン酸の塩(アルキルリン酸塩)としては、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩、アルカノールアミン塩等を挙げることができる。上記式(2)で表されるアルキルリン酸におけるX1、X2が共に水素原子を示す場合(2個のヒドロキシル基を有する場合)、一方のヒドロキシル基のみが塩を形成していても良く、両方が塩を形成していても良い。
1、X2におけるアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等を挙げることができる。塩基性アミノ酸としては、例えば、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン等を挙げることができる。アルカノールアミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等の総炭素数1〜22のモノ、ジまたはトリアルカノールアミン(特に、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基を有するアミン)等を挙げることができる。
mは0〜5の整数を示し、特に0が好ましい。
本発明におけるアルキルリン酸の塩(アルキルリン酸塩)としては、特に、ラウリルリン酸、ミリスチルリン酸、パルミチルリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩またはアルギニン塩が好ましい。
(N−アシルアミノ酸又はその塩)
N−アシルアミノ酸としては、Nに結合した水素原子が炭素数8〜24のアシル基で置換されたアミノ酸が好ましい。アミノ酸としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンを挙げることができる。また、炭素数8〜24のアシル基としては、例えば、カプリノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル基等を挙げることができる。
また、N−アシルアミノ酸の塩(N−アシルアミノ酸塩)としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、総炭素数1〜22のモノ、ジまたはトリアルカノールアミン塩、炭素数1〜22のアルキル基またはアルケニル基置換ピリジニウム塩、総炭素数2〜500及び総アミノ数2〜250のポリアルキレンポリアミン塩、塩基性アミノ酸塩等を挙げることができる。具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、プロピレンジアミン塩、アルギニン塩、ヒスチジン塩、リジン塩等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、N−アシル−β−アラニン塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルグルタミン酸塩等(特に、N−ラウロイル−β−アラニン、N−ラウロイルサルコシンまたはN−ラウロイル−L−グルタミン酸のナトリウム、カリウム、トリエタノールアミンまたはアルギニン塩)が好ましい。
(N−アシル−N−カルボキシアルキルグリシン又はその塩)
N−アシル−N−カルボキシアルキルグリシンは、例えば、下記式(3)
Figure 0005616818
(式中、R3はヒドロキシル基を有していても良い炭素数5〜21の炭化水素基を示し、sは1〜3の整数を示す)
で表される。
3で表されるヒドロキシル基を有していても良い炭素数5〜21の炭化水素基としては、例えば、炭素数5〜21の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基、アルケニル基、及びヒドロキシアルキル基等を挙げることができる。炭素数5〜21の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、n−ペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘプタデシル基等の直鎖状アルキル基;メチルヘキサデシル、エチルペンチル等の分岐鎖状アルキル基を挙げることができる。炭素数5〜21の直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基としては、例えば、ヘプタデセニル基等を挙げることができる。炭素数5〜21の直鎖状または分岐鎖状のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシウンデシル基等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、泡立ち性等に優れる点で炭素数7〜17のアルキル基、アルケニル基が好ましく、特に炭素数9〜15のアルキル基、アルケニル基が好ましい。
sは1〜3の整数を示し、好ましくは1又は2である。
また、N−アシル−N−カルボキシアルキルグリシンの塩(N−アシル−N−カルボキシアルキルグリシン塩)としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、総炭素数1〜22のモノ、ジまたはトリアルカノールアミン塩、炭素数1〜22のアルキル基またはアルケニル基置換ピリジニウム塩、総炭素数2〜500及び総アミノ数2〜250のポリアルキレンポリアミン塩、塩基性アミノ酸塩等を挙げることができる。具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、プロピレンジアミン塩、アルギニン塩、ヒスチジン塩、リジン塩等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、アルカリ金属塩、トリアルカノールアミン塩、塩基性アミノ酸塩(特に好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩、アルギニン塩、最も好ましくはナトリウム塩、カリウム塩)が好ましい。
また、本発明のN−アシル−N−カルボキシアルキルグリシン塩としては、上記式(3)で表されるN−アシル−N−カルボキシアルキルグリシンが有する2個のカルボキシル基のうち、一方のみが塩を形成していても良く、両方が塩を形成していても良い。
本発明におけるN−アシル−N−カルボキシアルキルグリシン塩としては、なかでも、N−ラウロイル−N−カルボキシメチルグリシンナトリウム、N−ラウロイル−N−カルボキシエチルグリシンナトリウム、N−ラウロイル−N−カルボキシエチルグリシンカリウム、N−ラウロイル−N−カルボキシエチルグリシントリエタノールアミン、N−ミリストイル−N−カルボキシエチルグリシンナトリウム、N−ミリストイル−N−カルボキシエチルグリシンカリウム、N−ミリストイル−N−カルボキシエチルグリシントリエタノールアミン、N−ミリストイル−N−カルボキシエチルグリシンアルギニン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチルグリシンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチルグリシンカリウム等が好ましい。
N−アシル−N−カルボキシアルキルグリシン塩は、必ずしも塩として配合する必要はなく、N−アシル−N−カルボキシアルキルグリシンと塩基を別個に配合して、組成物中で塩を形成させてもよい。
N−アシル−N−カルボキシアルキルグリシンと塩を形成する塩基としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニア、炭素数1〜22のモノ、ジまたはトリアルカノールアミン、炭素数1〜22のアルキル基またはアルケニル基置換ピリジン、総炭素数2〜500及び総アミノ数2〜250のポリアルキレンポリアミン、塩基性アミノ酸等を挙げることができる。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、アルギニン、ヒスチジン、リジン等を挙げることができる。
本発明においては、成分(A)として、上記アルキルリン酸又はその塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、及びN−アシル−N−カルボキシアルキルグリシン又はその塩から選択されるアニオン性界面活性剤を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、特に、成分(A)として、少なくとも、N−アシルアミノ酸又はその塩、又はN−アシル−N−カルボキシアルキルグリシン又はその塩を含有することが、より泡立ち性が優れる点で好ましい。
洗浄剤組成物中の成分(A)の配合割合(2種以上を組み合わせて使用する場合は総配合割合)は、1〜15重量%(好ましくは、2〜14重量%、特に好ましくは、3〜9重量%)である。成分(A)の配合割合が上記範囲を下回ると十分な泡立ちが得られない。一方、成分(A)の配合割合が上記範囲を上回ると、タンパク変性作用を抑制することが困難となり、刺激が強くなりすぎ、皮膚や髪の障害(例えば、肌のかさつき、肌荒れ、ひび割れ、湿疹、髪のパサツキ等)の原因となる。
[成分(B)]
本発明の成分(B)は上記式(1)で表され、式中、R1はヒドロキシル基を有していても良い炭素数14〜18の炭化水素基を示す。nはグリセリンの重合度を示し、10である。
式(1)の括弧内のC362は、下記式(4)及び(5)で示される両方の構造を有する。
−CH2−CHOH−CH2O− (4)
−CH(CH2OH)CH2O− (5)
式(1)中、R1はヒドロキシル基を有していても良い炭素数14〜18の炭化水素基としては、例えば、ヒドロキシル基を有していても良い直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素基を挙げることができる。炭素数14〜18の直鎖状脂肪族炭化水素基としては、例えば、n−ミリスチル、n−ペンタデシル、n−パルミチル、n−ヘプタデシル、n−ステアリル、n−ノナデシル、n−エイコシル、n−ヘンエイコシル、n−ドコシル、n−トリコシル、n−テトラコシル基等のC14-18直鎖状アルキル基;n−テトラデセニル、n−ペンタデセニル、n−ヘキサデセニル、n−ヘプタデセニル、n−エライジル、n−オレイル、n−ノナデセニル、n−ガドレイル、n−エイコセニル、n−ヘンエイコセニル、n−ドコセニル、n−トリコセニル、n−ネルボニル、n−テトラコセニル等のC14-18直鎖状アルケニル基等を挙げることができる。
炭素数14−18の分岐鎖状脂肪族炭化水素基としては、例えば、イソテトラデシル、s−テトラデシル、t−テトラデシル、イソペンタデシル、s−ペンタデシル、t−ペンタデシル、イソパルミチル、2−ヘキシルデシル、s−パルミチル、t−パルミチル、イソヘプタデシル、s−ヘプタデシル、t−ヘプタデシル、イソステアリル、s−ステアリル、t−ステアリル、イソノナデシル、s−ノナデシル、t−ノナデシル、2−オクチルドデシル、イソエイコシル、s−エイコシル、t−エイコシル、イソヘンエイコシル、s−ヘンエイコシル、t−ヘンエイコシル、イソドコシル、s−ドコシル、t−ドコシル、イソトリコシル、s−トリコシル、t−トリコシル、2−デシルテトラデシル、イソテトラコシル、s−テトラコシル、t−テトラコシル基等のC14-18分岐鎖状アルキル基;イソテトラデセニル、s−テトラデセニル、t−テトラデセニル、イソペンタデセニル、s−ペンタデセニル、t−ペンタデセニル、イソヘキサデセニル、s−ヘキサデセニル、t−ヘキサデセニル、イソヘプタデセニル、s−ヘプタデセニル、t−ヘプタデセニル、イソオレイル、s−オレイル、t−オレイル、イソノナデセニル、s−ノナデセニル、t−ノナデセニル、イソエイコセニル、s−エイコセニル、t−エイコセニル、イソヘンエイコセニル、s−ヘンエイコセニル、t−ヘンエイコセニル、イソドコセニル、s−ドコセニル、t−ドコセニル、イソトリコセニル、s−トリコセニル、t−トリコセニル、イソテトラコセニル、s−テトラコセニル、t−テトラコセニル等のC14-18分岐鎖状アルケニル基等を挙げることができる。
本発明においては、なかでも、微細泡形成能に優れ、優れたタンパク変性抑制効果を発揮することができる点で、炭素数14〜18の直鎖状脂肪族炭化水素基(特に、直鎖状アルキル基、直鎖状アルケニル基)が好ましく、特に、ミリスリル、パルミチル、ステアリル、オレイル基等が好ましい。
本発明におけるデカグリセリンモノアルキルエーテルとしては、なかでも、デカグリセリンモノミリスチルエーテル、デカグリセリンモノパルミチルエーテル、デカグリセリンモノステアリルエーテル、デカグリセリンモノオレイルエーテル等が好ましい。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記デカグリセリンモノアルキルエーテルの製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、塩基性触媒の存在下、脂肪族アルコールに、該アルコールとグリシドールの存在比(モル比)が特定の値となるようにグリシドールを添加して反応させる方法;ポリグリセリンにα−オレフィンエポキシドを反応させる方法;酸触媒もしくはアルカリ触媒の存在下でアルキルグリシジルエーテルを、ポリグリセリンを用いて開環させる方法等を挙げることができる。
洗浄剤組成物における成分(B)の配合割合は25〜50重量%(好ましくは25〜40重量%、特に好ましくは25〜35重量%)である。成分(B)の配合割合が上記範囲を下回ると、タンパク変性作用を抑制することが困難となり、刺激が強くなりすぎ、皮膚や髪の障害(例えば、肌のかさつき、肌荒れ、ひび割れ、湿疹、髪のパサツキ等)を引き起こしやすくなる。また、泡立ち性が低下する。一方、成分(B)の配合割合が50重量%を上回ると、洗浄剤組成物の調製が困難であり、また十分な泡立ちが得られず使用感に劣る。
[洗浄剤組成物]
本発明に係る洗浄剤組成物は、少なくとも、上記成分(A)を1〜15重量%、上記成分(B)を25〜50重量%含有する。
本発明に係る洗浄剤組成物は、例えば、上記成分(A)と成分(B)を水中で混合することにより製造することができる。ここで、水としてはイオン交換水、純水、精製水等を用いることができる。洗浄剤組成物中の水の配合量は、用途に応じて適宜調整することができ、例えば、1〜74重量%程度、好ましくは、5〜70重量%程度、特に好ましくは35〜70重量%程度、最も好ましくは50〜63重量%程度である。
本発明の洗浄剤組成物は、pH4〜11程度(なかでも、pH5〜10)が好ましい。
本発明に係る洗浄剤組成物には、更に成分(C)として、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤から選択される1種又は2種以上を配合しても良い。これらを配合することにより、泡立ち性、肌感触等をより向上させることができる。
両性界面活性剤としては、通常の洗浄剤組成物に用いられるものであれば特に制限されることがなく、例えば、カルボベタイン系活性剤、アミドベタイン系活性剤、スルホベタイン系活性剤、ホスホベタイン系活性剤、イミダゾリウムベタイン系活性剤、アミンオキサイド系活性剤等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、アルキルアミドプロピルベタイン(例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等)、アルキルヒドロキシスルホベタイン(例えば、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等)、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等)、アルキルヒドロキシホスホベタイン(例えば、ラウリルヒドロキシホスホベタイン等)、2−アルキル−N−カルボキシアルキル−N−ヒドロキシアルキルイミダゾリニウムベタイン(例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等)、アルキルジメチルアミンオキサイド(例えば、ラウリルジメチルアミンオキサイド等)が好ましく、特に、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルヒドロキシホスホベタイン、2−アルキル−N−カルボキシアルキル−N−ヒドロキシアルキルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイドが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、通常の洗浄剤組成物に用いられるものであれば特に制限されることがなく、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、C8-12脂肪酸モノグリセリド、グリセリンモノアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、C6-24脂肪酸ジエタノールアミド、C6-24脂肪酸モノエタノールアミド、グリセリン脂肪酸(C6-24)エステル、アルキルサッカライド系界面活性剤等を挙げることができる。
洗浄剤組成物における成分(C)の配合割合としては、例えば、0.1〜30重量%程度、好ましくは0.5〜25重量%、特に好ましくは0.8〜20重量%である。成分(C)を上記範囲内で配合すると、泡立ちや肌感触をより一層向上させることができる。
本発明に係る洗浄剤組成物には、更にまた、通常の洗浄剤組成物に用いられる成分、例えば、アニオン性、ノニオン性、カチオン性ポリマー等の粘度調整剤;ポリオール類等の保湿成分;アマイド、脂肪酸等の増泡剤;スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、高級アルコール、ラノリン、エステル、シリコーン等の油分;アミド、防腐剤、水溶性高分子、pH調整剤、紫外線吸収剤、パール化剤、酸化防止剤、香料、色素等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
本発明に係る洗浄剤組成物は、低刺激性で、且つ、泡立ち性に優れる。そのため、頭髪洗浄用、皮膚洗浄用(例えば、手指用、顔用、身体用)、油汚れ洗浄用(例えば、衣料用、台所用)等の洗浄剤(特に、頭髪洗浄用、皮膚洗浄用)として好適である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例及び比較例
下記表1に示す配合組成(重量%)により洗浄剤組成物を常法により製造し、泡立ち性、及びタンパク変性抑制作用を下記方法で評価した。
(泡立ち性評価)
実施例及び比較例で得られた各洗浄剤組成物を水で5倍に希釈して、5倍希釈水溶液を調製した。
得られた5倍希釈水溶液 100mL(液温:25℃)を二枚メッシュを備えたポンプフォーマー(商品名「F5L」、大和製罐(株)製)に仕込み、起泡後の泡の平均粒度を測定し下記基準で評価した。尚、泡の平均粒度は、光学顕微鏡を使用し、無作為に選択した泡100個の粒度を測定し、その平均値を求めた。
評価基準
◎:平均粒度が130μm未満
○:平均粒度が130μm以上、150μm未満
△:平均粒度が150μm以上、170μm未満
×:平均粒度が170μm以上
(タンパク変性抑制作用評価)
実施例及び比較例で得られた各洗浄剤組成物を水で100倍に希釈して、100倍希釈水溶液を調製した。
文献(粧技誌 '84 18(2) 96-105)に従い、緩衝液中に卵由来アルブミン0.025gと前記100倍希釈水溶液100mLを添加し、25℃で24時間静置した後、卵由来アルブミン量をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定した。タンパク変性率として、卵由来アルブミンの減少割合を算出し、下記基準により評価した。
評価基準
◎:タンパク変性率が3%未満
○:タンパク変性率が3%以上、10%未満
△:タンパク変性率が10%以上、60%未満
×:タンパク変性率が60%以上
Figure 0005616818

Claims (1)

  1. 下記成分(A)を1〜15重量%、下記成分(B)を25〜50重量%含有する皮膚洗浄用又は頭髪洗浄用洗浄剤組成物。
    成分(A):アルキルリン酸又はその塩、N−アシルアミノ酸又はその塩、及びN−アシル−N−カルボキシアルキルグリシン又はその塩から選択される1以上のアニオン性界面活性剤
    成分(B):下記式(1)で表されるデカグリセリンモノアルキルエーテル
    1O−(C362)n−H (1)
    (式中、R1は炭素数14〜18のヒドロキシル基を有していてもよい直鎖状又は分岐鎖状脂肪族炭化水素基を示す。nはグリセリンの重合度を示し、10である)
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