JPH08259990A - 乳液状洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 起泡力を有し、しかもヌルツキを抑え、使用
感が向上した乳液状洗浄剤組成物の提供。 【構成】 本発明の乳液状洗浄剤組成物は、（ａ）下記
〔化１〕の一般式（Ｉ）で表されるアミドエーテルカル
ボン酸塩、（ｂ）下記〔化２〕の一般式（II）で表され
るアミドエーテル及び（ｄ）脂肪酸残基の炭素数が１６
〜２４であり、且つモノグリセライドを７５重量％以上
含有するグリセリン脂肪酸エステルを含有し、（ａ）成
分の含有量と（ｂ）成分の含有量との重量比〔（ａ）／
（ｂ）〕が０．１〜１００であり、且つ（ｃ）グリセリ
ン又は特定のグリセリルエーテルを実質的に含有しない
か又は該（ｃ）成分の含有量が（ａ）成分及び（ｂ）成
分の含有量の合計に対して１０重量％以下である乳液状
の洗浄剤組成物である。 【化１】 【化２】

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、乳液状洗浄剤組成物に
関し、詳しくは、アミドエーテルカルボン酸塩、アミド
エーテル及びモノグリセリン脂肪酸エステルを含有し、
且つグリセリン又は特定のグリセリルエーテルを含有し
ないか又は少量含有するもので、起泡力を有し、しかも
ヌルツキを抑え、使用感が向上した乳液状洗浄剤組成物
に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】人体に
対する安全性意識が益々高まっている今日、衣料用洗浄
剤、台所用洗浄剤、住居用洗浄剤、毛髪用洗浄剤、及び
身体用洗浄剤等の人間に触れる機会の多い洗浄剤におい
ては、皮膚に対する作用を温和にするために様々な試み
がなされている。例えば、洗浄剤組成物のｐＨを５〜６
（弱酸性）に調整し、人間の皮膚のｐＨに近づけ、皮膚
に対してその作用が温和になるようにしたり、主洗浄基
剤にできるだけ低刺激性のものを使用する等の方法がと
られている。

【０００３】この様な低刺激性の洗浄基剤としては、ア
ミノ酸系の界面活性剤やアルキルリン酸系の界面活性剤
が使用されている（特公昭５０−４０１２５号公報、特
公昭５５−９０３３５号公報、特公昭５８−２７３１９
号公報等参照）。しかし、これらの界面活性剤は、低刺
激性であるものの、単独では必ずしも充分な起泡力及び
洗浄力を発揮し得ない上、溶解性が悪い等の欠点を有し
ている。

【０００４】また、台所用洗浄剤においては、従来より
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが、優れた洗浄
性能を持つ基剤として広く知られているが、皮膚からの
脱脂力が強く、手荒れが起きやすいと言う難点を有して
いる。

【０００５】そのため、最近では、皮膚に対してより低
刺激なアルキルエトキシ硫酸ナトリウムを主洗浄基剤と
した台所洗浄剤が主流を占めるようになっており、更に
は第三級アミンアオキサイドや高級脂肪酸ジエタノール
アミド等の補助界面活性剤を併用することにより、諸性
能を向上させると同時に、皮膚に対する作用が、よりマ
イルド化されてきている。

【０００６】しかしながら、このように各種洗浄剤の皮
膚に対する作用が従来に比べ温和になってきてはいるも
のの、未だ充分満足しうる水準に達していないのが現状
である。また、いずれも使用時のヌルツキが強く、使用
感が良好であると言い難い。

【０００７】一方、糖誘導体界面活性剤のアルキルグリ
コシドは、低刺激性界面活性剤であり、しかも非イオン
性界面活性剤であるにもかかわらず、それ自身安定な泡
を生成するだけでなく、他の陰イオン性界面活性剤に対
して泡安定剤として作用することが知られており、近年
注目されつつある。例えば、特開昭５８−１０４６２５
号公報には、アルキルグリコシド及び陰イオン／両性界
面活性剤を含有する起泡性界面活性剤組成物が記載さ
れ、特開昭５８−１８６４２９号公報には、アルキルグ
リコシド、陰イオン／両性界面活性剤及びアミド／アミ
ンオキサイドを含有する起泡性界面活性剤組成物が記載
されている。また、特開昭６４−６９６９５号公報に
は、アルキルグリコシド及び両性界面活性剤を特定の比
率で含有する洗浄剤組成物が記載されている。

【０００８】しかしながら、これらの公報に記載の界面
活性剤組成物及び洗浄剤組成物は、諸性能が従来のポリ
オキシエチレンアルキルエーテルを主基剤とする洗浄剤
より優れてはいるものの、皮膚に対するマイルド性の面
においても充分満足できるレベルには達していないとい
う問題を有している。特に、アルキルグリコシドに対
し、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンス
ルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエトキシ硫酸
塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩等のサルフェート基、
若しくはスルホネート基を有する陰イオン性界面活性剤
を併用した場合、洗浄力、起泡力あるいは経済性と言っ
た面では好ましいものの、皮膚に対するマイルド性の低
下は避けられない問題であった。

【０００９】この皮膚マイルド性の低下は、皮膚を構成
するタンパク質に対する変性作用の増悪によりもたらさ
れるものと考えられ、かねてから問題となっていた。ま
た、アルキルグリコシドは高起泡性ではあるが、洗浄時
やすすぎ時のキシミが強く、シャンプー等に多量に配合
する事は技術的に容易ではないのが現状である。

【００１０】また、アミドエーテルカルボン酸塩は、低
刺激性の界面活性剤として知られており、ドイツＣＨＥ
Ｍ−Ｙ社よりアキポの商品名で市販されている。アミド
エーテルカルボン酸塩の使用感はアルキルグリコシドの
ようなキシミ感は無い。しかしながら、陰イオン性界面
活性剤特有のヌルツキが強く、食器用洗浄剤等に配合し
た場合、食器が滑って洗い難く、必ずしも良好であると
は言い難かった。また、単独では起泡性に乏しく、洗浄
剤への応用は、補助界面活性剤として使用されるにとど
まった。

【００１１】これまでにアミドエーテルカルボン酸系界
面活性剤の洗浄剤への応用に関して知られている技術と
しては、アミドエーテルカルボン酸と、ポリオキシエチ
レンアルキル硫酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミ
ド、高級アルコールアルキレンオキシド付加物、アシル
ザルコシネート等とを組合わせた洗浄剤（ヨーロッパ特
許第１０２１１８号公報）、アミドエーテルカルボン酸
系界面活性剤とポリオキシエチレンアルキル硫酸エステ
ルを併用する方法（ヨーロッパ特許第２１５５０４号公
報）、油脂を出発原料としたアミドエーテルカルボン酸
と、ラウリル硫酸エステル、ラウリルエーテル硫酸エス
テル、アルキルエーテルカルボン酸、ラウリン酸とグリ
シジルトリメチルアンモニウムクロリドを反応させた４
級化物等とを組合わせたフォームバス用剤、シャンプー
用剤、シャワー用剤等（特公昭６３−２９１９９６号公
報、ヨーロッパ特許第２１９８９３号公報）、石鹸を主
成分としてアミドエーテルカルボン酸やアルキルエーテ
ルカルボン酸塩を配合した洗浄剤（米国特許第４８６５
７５７号明細書）等が挙げられる。しかしながら、これ
らの洗浄剤は、いずれも起泡力の点で未だ満足できるも
のではない。

【００１２】また、モノグリセリン脂肪酸エステルは、
低手荒れ性を有するものとして使用されているが、該モ
ノグリセリン脂肪酸エステルを用いた洗浄剤は、ヌルツ
キが高く使用感が悪い。

【００１３】従って、本発明の目的は、起泡力を有し、
しかもヌルツキを抑え、使用感が向上した乳液状洗浄剤
組成物を提供するこにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、アミドエ
ーテルカルボン酸塩の皮膚に対するマイルド性に着目
し、その欠点を克服すべく鋭意検討を行った結果、特定
のアミドエーテルカルボン酸塩、特定のアミドエーテル
及び特定のグリセリン脂肪酸エステルを特定の比率で含
有し、且つグリセリン又は特定のグリセリルエーテルを
含有しないか又は少量含有してなる洗浄剤組成物が、上
記目的を達成し得ることを知見した。

【００１５】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、下記（ａ）、（ｂ）及び（ｄ）成分を含有し、
（ａ）成分の含有量と（ｂ）成分の含有量との重量比
〔（ａ）／（ｂ）〕が０．１〜１００であり、且つ下記
（ｃ）成分を実質的に含有しないか又は該（ｃ）成分の
含有量が（ａ）成分及び（ｂ）成分の含有量の合計に対
して１０重量％以下である乳液状洗浄剤組成物を提供す
るものである。

【００１６】（ａ）下記〔化４〕（前記〔化１〕と同
じ）の一般式（Ｉ）で表されるアミドエーテルカルボン
酸塩。

【００１７】

【化４】

【００１８】（ｂ）下記〔化５〕（前記〔化２〕と同
じ）の一般式（II）で表されるアミドエーテル。

【００１９】

【化５】

【００２０】（ｃ）下記〔化６〕（前記〔化３〕と同
じ）の一般式(III) で表されるグリセリン又はグリセリ
ルエーテル。

【００２１】

【化６】

【００２２】（ｄ）脂肪酸残基の炭素数が１６〜２４で
あり、且つモノグリセライドを７５重量％以上含有する
グリセリン脂肪酸エステル。

【００２３】以下、本発明の乳液状洗浄剤組成物につい
て詳細に説明する。

【００２４】本発明に用いられる（ａ）成分である前記
一般式（Ｉ）で表されるアミドエーテルカルボン酸塩
は、皮膚に対するマイルド性を向上させるものとして用
いられるものである。上記一般式（Ｉ）において、Ｒ₂
で示されるアルキル基又はアルケニル基としては、アル
キル基、特に直鎖アルキル基が好ましく、更に溶解性、
起泡性及び洗浄性の点から、炭素数９〜１７、特に１０
〜１４のものが好ましい。また、ｎは起泡性の点で１〜
７、更に２〜５、特に２〜３のものが好ましい。また、
ｍは起泡性の点で０〜５、特に０〜２のものが好まし
い。また、Ａは起泡性の点で水素原子であることが特に
好ましい。Ａが示す基中のｋは起泡性の点で０〜５のも
のが好ましく、ｊは起泡性の点で０〜２のものが好まし
い。また、Ｍで示されるアルカリ金属としては、ナトリ
ウム、カリウムが、アルカリ土類金属としては、マグネ
シウム、カルシウムが、アルカノールアンモニウムとし
ては、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアン
モニウム、トリエタノールアンモニウムが好ましく、中
でも、アルカリ土類金属、特にマグネシウム、カルシウ
ムがより好ましい。

【００２５】上記（ａ）成分の含有量は、本発明の組成
物中、好ましくは３〜７０重量％、更に好ましくは５〜
４０重量％である。上記含有量が３重量％未満では起泡
力が不足し、また、７０重量％を超えると組成物の製造
が困難になったり、製造できた場合でも、組成物の安定
性が悪化するため好ましくない。

【００２６】本発明に用いられる（ｂ）成分である前記
一般式（II）で表されるアミドエーテルは、起泡剤とし
て用いられるものである。前記一般式（II）において、
Ｒ₂ で示されるアルキル基又はアルケニル基は、アルキ
ル基、特に直鎖アルキル基が好ましく、更に溶解性、起
泡性及び洗浄性の点から、炭素数９〜１７、特に１０〜
１４のものが好ましい。また、ｎは起泡性の点で１〜
７、特に２〜５のものが好ましい。また、ｍは起泡性の
点で０〜５、特に０〜２のものが好ましい。また、Ｂは
起泡性の点で水素原子であることが特に好ましい。Ｂが
示す基中のｋは起泡性の点で０〜５、特に０〜２のもの
が好ましく、ｊは起泡性の点で０〜２のものが好まし
い。

【００２７】上記（ｂ）成分の含有量は、本発明の組成
物中、好ましくは１〜７０重量％、更に好ましくは３〜
４０重量％である。上記含有量が１重量％未満では十分
な起泡力が得られず、また、７０重量％を超えると組成
物の製造が困難になったり、製造できた場合でも、組成
物の安定性が悪化するため好ましくない。

【００２８】また、上記（ａ）成分の含有量と上記
（ｂ）成分の含有量との重量比〔（ａ）／（ｂ）〕は、
０．１〜１００、好ましくは０．１〜２０、更に好まし
くは０．１〜１０、最も好ましくは０．５〜３である。
上記重量比が０．１未満ではヌルツキ感が生じてしま
い、また、１００を超えると起泡力が不足する。

【００２９】また、上記（ａ）成分及び上記（ｂ）成分
の含有量の合計〔（ａ）＋（ｂ）〕は、好ましくは１〜
８０重量％、更に好ましくは５〜４０重量％である。上
記含有量の合計が１重量％未満では起泡力が不足し、ま
た、８０重量％を超えると製造が困難になったり、製造
できた場合でも、組成物の安定性が悪化するため好まし
くない。

【００３０】本発明に用いられる前記（ａ）成分である
アミドエーテルカルボン酸塩〔以下、「アミドエーテル
カルボン酸塩（ａ）」ということがある〕は、例えば、
ヨーロッパ特許第２１９８９３号公報記載の方法により
製造できる。また、前記（ａ）成分と上記（ｂ）成分と
の混合物（以下、「アミドエーテル誘導体混合物」とい
うことがある）の製造方法は特に限定されるものではな
く、前記（ｂ）成分であるアミドエーテル〔以下、「ア
ミドエーテル（ｂ）」ということがある〕の一部にハロ
ゲン酢酸を反応させて直接製造することもでき、また上
記アミドエーテルカルボン酸塩（ａ）に上記アミドエー
テル（ｂ）を後添加することもできる。

【００３１】上記アミドエーテルカルボン酸塩（ａ）の
製造中間体である上記アミドエーテル（ｂ）を合成する
方法としては、脂肪酸メチルエステル等の脂肪酸低級ア
ルコールエステルを出発原料としてアルカノールアミン
を反応させ、次いでポリオキシエチレン化する方法、油
脂を出発原料としてアルカノールアミンを反応させ、次
いでポリオキシエチレン化する方法、脂肪酸を出発原料
としてアルカノールアミンを反応させ、次いでポリオキ
シエチレン化する方法等が挙げられる。このうち、脂肪
酸メチルエステル等の脂肪酸低級アルコールエステルを
出発原料として製造する方法が、着色も少なく、不純物
であるグリセリン又はグリセリン誘導体も実質上含まれ
ないため好ましい。

【００３２】上記アミドエーテル（ｂ）を合成する他の
方法、例えば、ヤシ油脂肪酸組成の油脂を出発原料と
し、直接アルカノールアミンを反応させた後ポリオキシ
エチレン化する方法においては、油脂に由来する下記
〔化７〕（前記〔化３〕及び〔化７〕と同じ）の一般式
(III) で表されるグリセリン又はグリセリルエーテル
〔（ｃ）成分〕が多く生成し、上記（ｂ）成分ひいては
上記（ａ）成分の収率が低くなるため、実用上好ましく
ない。また、上記アミドエーテル誘導体混合物の製造方
法においては、得られるアミドエーテル誘導体混合物中
のアミドエーテルカルボン酸塩（ａ）とアミドエーテル
（ｂ）との比率は、アミドエーテル（ｂ）にモノハロ酢
酸アルカリ塩等を反応させる際のモル比や混合方法等の
反応条件を選択することによって調整することができ
る。

【００３３】

【化７】

【００３４】本発明の洗浄剤組成物においては、上記
（ｃ）成分である一般式(III) で表されるグリセリン若
しくはグリセリルエーテルを実質的に含有しないか、又
は該グリセリン若しくはグリセリルエーテルの含有量が
上記（ａ）成分及び上記（ｂ）成分の含有量の合計に対
して、１０重量％以下、好ましくは５重量％以下、更に
好ましくは０重量％（実質的に含有しない）である。上
記含有量が１０重量％を超えると、組成物の起泡力を著
しく低下させ、組成物の低温安定性を大幅に悪化させ
る。

【００３５】前記（ａ）成分であるアミドエーテルカル
ボン酸塩としては、例えば、ドイツＣＨＥＭ−Ｙ社より
「アキポ」の商品名で市販されているものがあるが、そ
の製法に起因して、上記（ｃ）成分であるグリセリン又
はグリセリルエーテルを含有しているため、本発明の目
的に使用することができない。

【００３６】本発明に用いられる（ｄ）成分である脂肪
酸残基の炭素数が１６〜２４であり、且つモノグリセラ
イドを７５重量％以上含有するグリセリン脂肪酸エステ
ルは、手荒れを抑制するために用いられるものである。

【００３７】上記グリセリン脂肪酸エステルにおける脂
肪酸残基の炭素数は、１６〜２４であるが、特に高温安
定性の点で、１８〜２２であるのが好ましい。

【００３８】上記グリセリン脂肪酸エステルは、モノグ
リセライド（モノグリセリン脂肪酸エステル）を７５重
量％以上、好ましくは８５重量％以上、最も好ましくは
１００重量％含有するものである。該モノグリセライド
の含有量が７５重量％未満であると、乳液の安定性を阻
害してしまう。

【００３９】上記グリセリン脂肪酸エステルを構成する
脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、ベヘン酸、パ
ルミチン酸等が挙げられる。

【００４０】上記グリセリン脂肪酸エステルは、通常公
知の方法により、脂肪酸とグリセリンとをエステル化反
応させることにより得ることができる。

【００４１】上記（ｄ）成分の含有量は、本発明の組成
物中、好ましくは１〜２０重量％、更に好ましくは２〜
１０重量％である。上記含有量が１重量％未満では、皮
膚のマイルド性が十分でなくなる場合があり、また、２
０重量％を超えると、ヌルツキ感が生じる場合があるた
め好ましくない。

【００４２】また、本発明の組成物に、更に、（ｅ）成
分として、炭素数５〜２３、好ましくは８〜１６の直鎖
又は分岐鎖の脂肪酸塩０．１〜１０重量％、好ましくは
０．５〜７％を含有させることにより更なる高起泡性能
を得ることができる。上記脂肪酸塩を構成する脂肪酸と
しては、牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸
等、中でもヤシ油脂肪酸が好ましく、上記脂肪酸塩を構
成する塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアル
カリ金属塩、モノエタノールアンモニウム塩、ジエタノ
ールアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩等
のアルカノールアンモニウム塩、又はアンモニウム塩
等、中でもナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属
塩が好ましい。

【００４３】本発明の組成物に、更に、（ｆ）成分とし
て、水溶性二価金属塩を含有させることにより、ヌルツ
キ感を抑え、使用感を向上させることができる。上記水
溶性二価金属塩としては、アルカリ土類金属の無機塩等
が挙げられ、例えば、塩化マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、臭化マ
グネシウム、塩化カルシウム、ヨウ化カルシウム、臭化
カルシウム、硝酸カルシウム等の水溶性マグネシウム塩
又は水溶性カルシウム塩が、溶解性及び保存安定性の点
で好ましく、特に、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化カルシウムが好ましい。これらの水溶性二価金
属塩は、１種又は２種以上で使用することができる。

【００４４】上記（ｆ）成分の含有量は、本発明の組成
物中、好ましくは０．０５〜４０重量％、更に好ましく
は０．１〜１０重量％である。上記含有量が０．０５重
量％未満ではヌルツキ感を生じる場合があり、また、４
０重量％を超えると塩が析出して組成物の安定性が悪化
する場合があるため好ましくない。

【００４５】また、本発明の組成物全体における上記
（ｆ）成分（水溶性二価金属塩を構成する金属イオン）
を含む全二価金属イオン（Ｘとする）と上記（ａ）成分
を含む全陰イオン性界面活性剤（Ｙとする）とのモル比
（Ｘ／Ｙ）は、好ましくは０．０２５〜１０、更に好ま
しくは０．０５〜１である。上記モル比が０．０２５未
満では、ヌルツキ感が生じる場合があり、また、１０を
超えると、製造が困難になったり、製造できた場合で
も、組成物の安定性が悪化する場合がある。

【００４６】また、本発明の組成物に、更に、（ｇ）成
分として、アルキル（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）硫酸塩、ポリオキシ
エチレン（平均付加モル数１〜１０）アルキル（Ｃ₈ 〜
Ｃ₁₈）エーテル硫酸塩、直鎖アルキル（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）ベ
ンゼンスルホン酸塩、α−オレフィン（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）ス
ルホン酸塩、アルカン（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）スルホン酸塩、α
−スルホ脂肪酸（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）メチルエステル塩、ポリ
オキシエチレン（平均付加モル数１〜１０）アルキル
（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）エーテル酢酸塩、アルキル（Ｃ₈〜
Ｃ₁₈）グリセリルエーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸
（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）塩及びポリオキシエチレングリコール
（平均付加モル数１〜１０）α−スルホ脂肪酸（Ｃ ₈ 〜
Ｃ₁₈）エステル塩から成る群より選ばれる１種又は２種
以上の陰イオン性界面活性剤を含有させ、且つ該（ｇ）
成分の含有量と組成物全体における全界面活性剤の含有
量との重量比（前者／後者）を好ましくは１／２以下、
更に好ましくは１／３以下とすることにより、更なる高
起泡性能を得ることができる。

【００４７】上記（ｇ）成分の中でも、ポリオキシエチ
レン（平均付加モル数１〜１０）アルキル（Ｃ₈ 〜
Ｃ₁₈）エーテル硫酸塩、α−スルホ脂肪酸（Ｃ₈ 〜
Ｃ₁₈）メチルエステル塩、α−スルホ脂肪酸（Ｃ₈ 〜Ｃ
₁₈）塩及びポリオキシエチレングリコール（平均付加モ
ル数１〜１０）α−スルホ脂肪酸（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）エステ
ル塩が好ましく、特にポリオキシエチレン（平均付加モ
ル数１〜１０）アルキル（Ｃ₈〜Ｃ₁₈）エーテル硫酸
塩、α−スルホ脂肪酸（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）塩及びポリオキシ
エチレングリコール（平均付加モル数１〜１０）α−ス
ルホ脂肪酸（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）エステル塩が好ましい。

【００４８】本発明の組成物には、更に、必要に応じて
公知の洗浄剤用の他の界面活性剤を、洗浄力、起泡力を
向上させる目的で、適宜添加することができる。上記他
の界面活性剤としては、特に、非イオン性活性剤及び両
性活性剤が好ましい。

【００４９】上記非イオン性界面活性剤としては、ポリ
オキシエチレン（平均付加モル数２〜２０）アルキル
（炭素数８〜２０の直鎖または分岐鎖）エーテル、アル
キル（炭素数８〜１８の直鎖または分岐鎖）グリセリル
エーテル、脂肪酸（炭素数８〜１８）アルカノールアミ
ド、アルキル（炭素数８〜１８の直鎖または分岐鎖）グ
リコシド等が挙げられ、中でも、アルキルグリセリルエ
ーテルが好ましい。

【００５０】上記両性界面活性剤としては、第３級アミ
ンオキサイド、カルボベタイン、スルホベタイン、イミ
ダゾリニウムベタイン等が挙げらる（いずれも炭素数８
〜１８のアルキル基、又はアルケニル基を有するも
の）、中でも、第３級アミンオキサイドが好ましい。

【００５１】また、本発明の組成物には、該組成物の分
離安定性、洗浄性能及び起泡性能を損なわない範囲で、
他の任意成分を添加することができる。上記他の任意成
分としては、例えば、エチルアルコール等の低級脂肪族
アルコール、トルエンスルホン酸やキシレンスルホン酸
のナトリウム塩やカリウム塩及び尿素等の可溶化剤、粘
土鉱物や水溶性高分子物質等の粘度調整剤、方解石、珪
石、リン酸カルシウム、ゼオライト、ポリエチレン、ナ
イロン、ポリスチレン等の水不溶性研磨剤、グリセリ
ン、ソルビトール等の保湿剤、カチオン化セルロース等
の感触向上剤、その他酵素、香料、色素、防腐、防黴剤
等が挙げられる。

【００５２】本発明の組成物は、常法に従い、上記必須
成分である（ａ）、（ｂ）及び（ｄ）成分、更に必要に
より、上記（ｅ）成分、上記（ｆ）成分、上記（ｇ）成
分、公知の界面活性剤、その他の任意成分を配合し、こ
れに水を加えることにより水溶液〔通常、目的に応じ、
有効成分（水以外の成分）濃度５〜８０重量％から選択
される〕として調製される。（この際、上記（ｃ）成分
は、実質的に含有していないか又は上記（ａ）及び
（ｂ）成分の含有量の合計に対して１０重量％以下で含
有していればよい。）

【００５３】本発明の組成物は、その形態が乳液状であ
り、また、組成物原液のｐＨが、４〜１０、特にｐＨ５
〜８であるように調製されているのが好ましい。また、
本発明の組成物中の水は、２０〜８０重量％配合されて
いるのが好ましい。

【００５４】本発明の乳液状洗浄剤組成物は、衣料用洗
浄剤組成物、台所用洗浄剤組成物、住居用洗浄剤組成
物、毛髪用洗浄剤組成物、身体用洗浄剤組成物等、種々
の用途に使用され、中でも台所、毛髪又は身体用洗浄剤
組成物、特に台所用洗浄剤組成物として用いるのが好ま
しい。。

【００５５】

【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。

【００５６】合成例１（アミドエーテルを含むアミドエ
ーテルカルボン酸塩の合成） ラウリン酸メチル２１４．４ｇ（１モル）、モノエタノ
ールアミン６１．７ｇ（１．０２モル）及びナトリウム
メトキシドの３０重量％メタノール溶液１５．３ｇを９
０℃、５０mmHgで５時間加熱して得られた生成物に、エ
チレンオキサイド８８．２ｇ（２モル）を、１００〜１
１０℃、ゲージ圧０〜３．５気圧で導入した。反応混合
物３３１ｇを７０〜７５℃に加熱し、モノクロル酢酸ナ
トリウム（ＳＭＣＡ）１７４．８ｇ（１．５モル）及び
固体水酸化ナトリウム６５．２ｇを４時間かけて添加し
た。ＳＭＣＡ及び水酸化ナトリウムは５分割し、反応開
始時及び反応開始後１、２、３、４時間目に添加した。
４時間目に添加した後、１時間熟成した。次に、反応温
度を８５℃にし、水５．３ｇを加えて更に１時間熟成
し、反応混合物５９２ｇを得た。この反応混合物に水５
００ｇを加え、９０℃で３６％塩酸水溶液を加えてpH
２．８に調整し、１時間攪拌した後、１時間静置分層さ
せて酸型の生成物５４５ｇを得た。この酸型の化合物を
３０％水酸化ナトリウム水溶液でpH７とし、水を加え透
明な溶液とし、次に示すアミドエーテル誘導体混合物を
得た。この方法によれば、前記一般式(III) で表される
グリセリン又はグリセリルエーテルは含まれない。

【００５７】 〔アミドエーテル誘導体混合物〕 含有率 ・アミドエーテルカルボン酸塩（ａ）〔前記一般式（Ｉ） において、Ｒ₂ ＝C₁₁H₂₃、ｎ＝３、ｍ＝０、Ａ＝Ｈ、 Ｍ＝Naである化合物〕 ８２重量％ ・アミドエーテル（ｂ）〔前記一般式（II）において、 Ｒ₂ ＝C₁₁H₂₃、ｎ＝３、ｍ＝０、Ｂ＝Ｈである化合物〕 １４重量％ ─────────── （ａ）及び（ｂ）〔（ａ）：（ｂ）＝８５：１５〕計９６重量％ ・その他（塩化ナトリウム、グリコール酸塩類） ４重量％

【００５８】〔試験法及び評価基準〕

【００５９】（１）手荒れ性試験 洗剤（洗浄剤組成物）濃度５重量％の洗剤水溶液（水の
硬度３．５°ＤＨ、４０℃）を調製し、液温を３０℃に
保ち、２０分間手を浸漬した後、よく水洗する。この操
作を１日一回、３日間繰り返し、被験者５人の手の状態
を４日後に次の評価基準により目視判定し、平均点で示
した。この試験においては、平均点が４点以上であるこ
とが好ましい。 手荒れが殆ど認められない・・・・・・・・５ 手荒れがほんの僅かに認められる・・・・・４ 手荒れが若干認められる・・・・・・・・・３ 手荒れがかなり認められる・・・・・・・・２ 手荒れが著しく認められる・・・・・・・・１

【００６０】（２）使用感試験 洗剤濃度５重量％の洗剤水溶液（水の硬度３．５°Ｄ
Ｈ、４０℃）を調製する。この洗剤水溶液１リットルを
２リットルビーカーに入れ、水溶液中に磁器製るつぼを
浸漬させる。片方の手をサンプル水溶液、もう片方の手
を３．５°ＤＨの硬水に同時に浸漬させ、るつぼの表面
のぬるつきの違いを５人の専門パネラーにより評価を行
い、その平均を示した。この試験においては平均点の１
点以下であることが望ましい。 違いがない・・・・・・・・・・・・・・０ 若干ぬるつきがある・・・・・・・・・・１ 大きくぬるつきがある・・・・・・・・・２

【００６１】（３）起泡力試験 洗剤濃度１．０重量％の洗剤水溶液（水の硬度３．５°
ＤＨ、４０℃）に、汚れ成分として市販のバターを１．
０重量％添加した時の起泡を測定する。測定方法は、直
径５cm×高さ１２cmのガラス製円筒容器に、バターを添
加した上記洗剤溶液４０mlを入れ、１０分間回転攪拌を
行い、停止直後の泡高さを測定する。

【００６２】実施例１ 下記〔表１〕及び〔表２〕に示す組成の乳液状洗浄剤組
成物を調製し、上記の評価方法によって手荒れ性、使用
感及び起泡力の評価を行った。それらの結果を下記〔表
１〕及び〔表２〕に併せて示す。尚、各表中の（ａ）成
分／（ｂ）成分は、合成例１と同様の方法により調製し
たものを使用した。また、（ｂ）成分を実質的に含有し
ない（ａ）成分は、カラム分離により（ｂ）成分を分離
除去したものを使用した。

【００６３】

【表１】

【００６４】

【表２】

【００６５】上記〔表１〕及び〔表２〕の結果から、前
記（ａ）、（ｂ）及び（ｄ）成分を含有し、且つ前記
（ｃ）成分を含有しない本発明の乳液状洗浄剤組成物
（本発明品１〜７）、並びに前記（ａ）、（ｂ）、
（ｄ）及び（ｃ）成分を含有し、且つ該（ｃ）成分の含
有量が（ａ）成分及び（ｂ）成分の含有量の合計に対し
て１０重量％以下である本発明の乳液状洗浄剤組成物
（本発明品８及び９）は、他の洗浄剤組成物（比較品１
〜７）に比べて、手荒れ性、使用感及び起泡力の何れに
も優れたものであることが判る。

【００６６】

【発明の効果】本発明の乳液状洗浄剤組成物（請求項
１）は、起泡力を有し、且つヌルツキを抑え、使用感が
向上したものである。本発明の乳液状洗浄剤組成物（請
求項２）は、更なる高起泡性能を有するものである。本
発明の乳液状洗浄剤組成物（請求項３）は、更にヌルツ
キ感を抑え、使用感が向上したものである。本発明の乳
液状洗浄剤組成物（請求項４）は、更なる高起泡性能を
有するものである。本発明の乳液状洗浄剤組成物（請求
項５）は、起泡性及び溶解性のより優れたものである。
本発明の乳液状洗浄剤組成物（請求項６、７、８）は、
上記効果のより優れたものである。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下記（ａ）、（ｂ）及び（ｄ）成分を含
   有し、（ａ）成分の含有量と（ｂ）成分の含有量との重
   量比〔（ａ）／（ｂ）〕が０．１〜１００であり、且つ
   下記（ｃ）成分を実質的に含有しないか又は該（ｃ）成
   分の含有量が（ａ）成分及び（ｂ）成分の含有量の合計
   に対して１０重量％以下である乳液状洗浄剤組成物。 （ａ）下記〔化１〕の一般式（Ｉ）で表されるアミドエ
   ーテルカルボン酸塩。 【化１】 （ｂ）下記〔化２〕の一般式（II）で表されるアミドエ
   ーテル。 【化２】 （ｃ）下記〔化３〕の一般式(III) で表されるグリセリ
   ン又はグリセリルエーテル。 【化３】 （ｄ）脂肪酸残基の炭素数が１６〜２４であり、且つモ
   ノグリセライドを７５重量％以上含有するグリセリン脂
   肪酸エステル。
2. 【請求項２】 更に、（ｅ）成分として、炭素数５〜２
   ３の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸塩０．１〜１０重量％を含
   有する請求項１記載の乳液状洗浄剤組成物。
3. 【請求項３】 更に、（ｆ）成分として、水溶性二価金
   属塩を含有し、且つ組成物全体における該（ｆ）成分を
   含む全二価金属イオン（Ｘとする）と上記（ａ）成分を
   含む全陰イオン性界面活性剤（Ｙとする）とのモル比
   （Ｘ／Ｙ）が０．０２５〜１０である請求項１又は２記
   載の乳液状洗浄剤組成物。
4. 【請求項４】 更に、（ｇ）成分として、アルキル（Ｃ
   ₈ 〜Ｃ₁₈）硫酸塩、ポリオキシエチレン（平均付加モル
   数１〜１０）アルキル（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）エーテル硫酸塩、
   直鎖アルキル（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）ベンゼンスルホン酸塩、α
   −オレフィン（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）スルホン酸塩、アルカン
   （Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）スルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸（Ｃ₈
   〜Ｃ₁₈）メチルエステル塩、ポリオキシエチレン（平均
   付加モル数１〜１０）アルキル（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）エーテル
   酢酸塩、アルキル（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）グリセリルエーテル硫
   酸塩、α−スルホ脂肪酸（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）塩及びポリオキ
   シエチレングリコール（平均付加モル数１〜１０）α−
   スルホ脂肪酸（Ｃ₈ 〜Ｃ₁₈）エステル塩から成る群より
   選ばれる１種又は２種以上の陰イオン性界面活性剤を含
   有し、且つ該（ｇ）成分の含有量と組成物全体における
   全界面活性剤の含有量との重量比（前者／後者）が１／
   ２以下である請求項１〜３の何れかに記載の乳液状洗浄
   剤組成物。
5. 【請求項５】 上記一般式（Ｉ）におけるＡが水素原
   子、ｍが０であり、上記一般式（II）におけるＢが水素
   原子、ｍが０である請求項１〜４の何れかに記載の乳液
   状洗浄剤組成物。
6. 【請求項６】 上記重量比〔（ａ）／（ｂ）〕が１〜２
   ０であり、上記モル比（Ｘ／Ｙ）が０．０５〜１である
   請求項１〜５記載の何れかに乳液状洗浄剤組成物。
7. 【請求項７】 上記（ｆ）成分が、水溶性マグネシウム
   塩又は水溶性カルシウム塩である請求項３記載の乳液状
   洗浄剤組成物。
8. 【請求項８】 上記水溶性マグネシウム塩又は水溶性カ
   ルシウム塩が、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、
   ヨウ化マグネシウム、硝酸マグネシウム、臭化マグネシ
   ウム、塩化カルシウム、ヨウ化カルシウム、臭化カルシ
   ウム及び硝酸カルシウムから成る群より選ばれる１種又
   は２種以上である請求項７記載の乳液状洗浄剤組成物。