JP4619456B2 - 補聴器 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に示されているように、ボタン型電池は、補聴器の本体に開閉自在に設けられた電池ホルダに収納される。特許文献1の補聴器では、補聴器本体に設けられた凸部と、電池ホルダに設けられた凹部とが互いに係止されることで、電池ホルダを本体側にロックしている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、電池ホルダを繰り返し開閉しても、本体側に確実にロックすることが可能な補聴器を提供することを目的とする。
また、本発明の補聴器は、第2の係止状態では電源がオンになり、第1の係止状態では電源がオフになることがより好ましい。
R1>R2
また、本発明の補聴器は、第1凹部におけるスリット部の隙間の大きさr1、第2凹部におけるスリット部の隙間の大きさr2、突起部の直径R1、およびロックバーの直径R2とすると、以下の関係式を満たすことが好ましい。
r1−R1>r2−R2
r1≒r2>R1>R2>r3
また、本発明の補聴器は、ロックバーは金属で形成されていることが好ましい。
また、本発明の補聴器は、本体は、第1の筐体と第2の筐体とを組み合わせて構成されており、ロックバーによって第1の筐体と第2の筐体とが連結されることが好ましい。
本発明の補聴器によれば、上述したロックバーおよび突起部を用いて電池ホルダを本体に係止して、本体から電池ホルダを開閉可能にするので、電池ホルダを繰り返し開閉しても本体側に確実にロックすることができる。
図1は、本実施形態の補聴器100の斜視図である。図2(a)および図2(b)は、それぞれ、図1(a)および図1(b)の補聴器を矢印の方向から見た平面図である。図1(a)および図2(a)は、電池ホルダを開けた状態を示している。図1(b)および図2(b)は、電池ホルダを閉じた状態を示す。図1(c)は、電池ホルダ50の拡大斜視図である。
本実施形態の補聴器100は、図1(a)および図1(b)に示すように、本体10と、本体10に対して開閉可能な電池ホルダ50と、を備えている。
本体10は、図2(a)に示すように、ロックバー12と、2つの突起部14,14とを有する。ロックバー12は、本体10内に形成された電池ホルダ50の収納空間を、ボタン型電池の厚み方向に横断するように設けられている。2つの突起部14,14は、略円柱形状を有し、ともに上記電池ホルダ50の収納空間に向かって突出しており、この収納空間を介して互いに対向する位置に設けられている。
以下、補聴器100の構成をより詳細に説明する。
本体10は、音声信号を電気信号に変換するためのマイク(不図示)、マイクの出力信号を増幅する等補聴処理する補聴処理回路(不図示)、補聴処理回路の出力信号を音声信号に変換するイヤホン回路(不図示)等を収納している。また、本体10は、イヤーフック32および外耳道挿入部34を有している。本体10は、第1の筐体16と第2の筐体18とを組み合わせて構成される。
ロックバー12は、図2(a)に示すように、第1の筐体16側と第2の筐体18側とに設けられた棒状の部材が、第1・第2の筐体16,18を嵌め合わせた際に連結されて構成される。すなわち、電池ホルダ50を収納するために第1の筐体16と第2の筐体18との間に設けられた空間において、ロックバー12は、第1・第2の筐体16,18内の収納空間を横断するように設けられる。
ロックバー12については、樹脂で形成してもよいが、金属で形成することが好ましい。これにより、一般に、金属は樹脂よりも強度が大きいため、本体10の変形や破壊を防止できる。ただし、ロックバー12や突起部14,14をともに金属製とした場合には、電池ホルダ50側の樹脂部材(係止片60)が磨耗し易くなってしまう。このため、突起部14,14については、樹脂で形成することが好ましい。これにより、電池ホルダ50側の係止片60の磨耗による変形を抑制できる。なお、突起部14,14は、樹脂製の本体10とともに一体成型されてもよい。
r1≒r2 ・・・・・(1)
また、略円柱状のロックバー12の直径R2は、以下の関係式(2)のように、同じく略円柱状の突起部14,14の直径R1よりも小さくなるように設計されている(図5(c)参照)。
R1>R2 ・・・・・(2)
これにより、スリット66の奥側のロックバー12付近には、十分な隙間が確保されるため、スリット66の根元部分に負荷がかかりにくいため係止片60が変形しにくい。よって、ロックバー12から係止片60に掛かる負荷が大きくなり過ぎて、電池ホルダ50が確実に閉まらなくなる不具合の発生を回避することができる。また、図5(c)に示すように、スリット66内において、ロックバー12と第2凹部64との間の隙間を大きく確保することで、その隙間によって、本体10と電池ホルダ50の成形サイズのバラツキを吸収できるという効果もある。
さらに、第1・第2凹部62,64以外の部分におけるスリット66の隙間の大きさをr3とすると、r1,r2,r3およびR1,R2は以下の関係式(3)を満たすように設計されていることが好ましい。
r1≒r2>R1>R2>r3 ・・・・・(3)
r1−R1<r2−R2 ・・・・・(4)
これにより、電池ホルダ50を本体10に対して完全に閉めた状態で、スリット66の奥側のロックバー12付近には十分な隙間が確保される。このため、スリット66の根元部分に負荷がかかりにくいため係止片60が変形しにくい。よって、ロックバー12から係止片60に掛かる負荷が大きくなり過ぎて、電池ホルダ50が確実に閉まらなくなる不具合の発生を回避することができる等の効果を同様に得ることができる。
以下、図3(a)から図5(c)を参照しながら、電池ホルダ50の開閉動作を説明する。
図3(a)は、電池ホルダ50を本体10に対して最大まで開けた状態を示す断面図である。図4(a)は、電池ホルダ50を本体10に対して段階的に閉じた状態の断面図である。図5(a)は、電池ホルダ50を本体10に対して完全に閉じた状態の断面図である。なお、図3(a)、図4(a)および図5(a)は、図2のA−A線矢視断面図である。図3(b)、図4(b)および図5(b)は、それぞれ図3(a)の3b部分、図4(a)の4b部分、および図5(a)の5b部分の拡大図である。また、図3(c)は、図3(b)のA方向から見た図である。図3(d)は、図3(b)の係止片の部分拡大図である。さらに、図4(c),図4(d)は、図4(b)における電池ホルダ50を閉めていく際のロックバー12、突起部14,14と係止片60との位置関係を示す部分拡大図である。図5(c)は、図5(b)における電池ホルダ50を完全に閉めた状態でのロックバー12、突起部14,14と係止片60との位置関係を示す部分拡大図である。
図4(c)に示す第1の係止状態から、開閉用つまみ52を指でさらに押し下げると、電池ホルダ50は回動軸20を中心としてさらに時計回りに回動し、ロックバー12は第1凹部62を乗り越えてスリット66内を移動していく。すると、図4(d)に示すように、突起部14,14がスリット66の開口側の先端部に接触する位置まで移動し、さらにスリット66内を移動していく。
これにより、2組の係止機構によって、確実に電池ホルダ50を本体10に対して固定することができる。そして、本実施形態によれば、電池ホルダ50を繰り返し開閉した場合でも、2組の係止機構によって電池ホルダ50を保持できるため、磨耗や変形等によって電池ホルダ50がしっかり閉まらなくなることを回避できる。
これにより、電池ホルダ50を2段階で開閉する場合でも、細く小さい部材である係止片60に対して3つの凹部を形成する必要はない。この結果、係止片60の剛性を十分に確保しつつ、電池ホルダ50を2段階で開閉可能な補聴器100を得ることができる。
逆に、第2の係止状態から電池ホルダ50を開ける際には、開閉用つまみ52を指で押し上げて、回動軸20を中心として反時計回りに電池ホルダ50を回動させる。つまり、電池ホルダ50は、本体10に対して、上述した閉動作と反対に動作する。
次に、補聴器100の使用方法について説明する。
使用者は、図6に示すように、補聴器100を耳介200の後ろ側に配置し、イヤーフック32を耳介200の付け根203の上部に係止し、外耳道挿入部34を外耳道に挿入する。
また、第1の係止状態は、開閉用つまみ52の簡単な操作によって移行できるようにしつつ、電池ホルダ50からボタン型電池が落下しない程度の開度で設定されることが望まれる。このため、電池ホルダ50を閉じた状態から、例えば、約15度以上20度以下の範囲で反時計回りに回動させたときに第1の係止状態になるように、本体10におけるロックバー12の位置を設定することが好ましい。
本実施形態の補聴器100では、第1・第2凹部62,64に対してロックバー12および突起部14,14という2つの係止機構を用いて、本体10に対して電池ホルダ50を開閉可能としている。
上記の実施形態では耳掛けタイプの補聴器を例示したが本発明の補聴器は耳掛けタイプ以外の補聴器にも広く適用可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、電池ホルダ50側に形成された第1・第2凹部62,64において係止される、本体10側に形成されたロックバー12と突起部14,14との直径R1,R2について、上述した関係式(2)を満たすように設計されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
一般的に成形加工上の理由から、係止片60の連結部(スリット66の根元)から距離が近い第2凹部64の方が、第1凹部62よりも隙間の大きさを精度よく作製できる。
このため、R1<R2の関係を満たす場合には、本体10に対して電池ホルダ50を閉じた状態で、第1凹部62と突起部14,14との間に形成される隙間の大きさ(=r1−R1)よりも、第2凹部64とロックバー12と間に形成される隙間の大きさ(=r2−R2)を小さくすることができる。この結果、電池ホルダ50のガタツキを無くして、電池ホルダ50を閉じた状態で確実に保持することができるという効果を奏する。
上記実施形態では、係止片60側に形成された第1・第2凹部62,64に係止される本体10側の部材として、本体10側に形成された第1・第2の筐体16,18間を連結する棒状のロックバー12と、第1・第2の筐体16,18間に隙間を介するように形成された突起部14,14を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、2つの突起部14,14の代わりに、ロックバー12と同様の棒状の部材を用いてもよい。
上記実施形態では、突起部14,14として、第1・第2の筐体16,18にそれぞれ形成された2つの略円柱状の突起部材を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、突起部としては、第1・第2の筐体のいずれか一方から突出する部材を1つだけ設けてもよい。
12 ロックバー
14 突起部
16 第1の筐体
18 第2の筐体
20 回動軸
32 イヤーフック
34 外耳道挿入部
40 金属端子
50 電池ホルダ
52 開閉用つまみ
54 開口部
56 電池収容部
60 係止片(係止部)
62 第1凹部
64 第2凹部
66 スリット
100 補聴器
200 耳介
203 耳介の付け根
Claims (9)
- 本体と、
前記本体に設けられた回動軸と、
前記回動軸を中心に回動することによって前記本体に対して開閉可能な電池ホルダと、
前記本体に設けられており、前記電池ホルダの収納空間を貫通するように設けられたロックバーと、
前記本体に設けられており、前記収納空間に突出する突起部と、
前記電池ホルダに設けられており、前記本体に対して前記電池ホルダを開閉する際に前記本体側の前記ロックバーおよび前記突起部が移動するための切り欠かれた空間を形成するスリットと、前記スリットにおける開口端側に配置され前記ロックバーおよび前記突起部を係止する第1凹部と、前記第1凹部よりも前記スリットの奥側に配置され前記第1凹部において前記突起部が係止されている状態において前記ロックバーを係止する第2凹部と、を有する係止部と、
を備えている補聴器。 - 前記電池ホルダは、前記第1凹部において前記ロックバーが係止される第1の係止状態では前記本体に対して所定の開度で開いた状態で保持されるとともに、前記第1凹部において前記突起部、前記第2凹部において前記ロックバーがそれぞれ係止される第2の係止状態では前記本体に対して完全に閉じた状態で保持される、
請求項1に記載の補聴器。 - 前記第2の係止状態では電源がオンになり、前記第1の係止状態では電源がオフになる、
請求項2に記載の補聴器。 - 前記突起部の直径R1、前記ロックバーの直径R2とすると、以下の関係式を満たす、
請求項1から3のいずれか1項に記載の補聴器。
R1>R2 - 前記第1凹部における前記スリット部の隙間の大きさr1、前記第2凹部における前記スリット部の隙間の大きさr2、前記突起部の直径R1、および前記ロックバーの直径R2とすると、以下の関係式を満たす、
請求項1から3のいずれか1項に記載の補聴器。
r1−R1>r2−R2 - 前記第1凹部における前記スリット部の隙間の大きさr1、前記第2凹部における前記スリット部の隙間の大きさr2、前記第1・第2凹部以外の部分における前記スリット部の隙間の大きさr3、前記突起部の直径R1、および前記ロックバーの直径R2とすると、以下の関係式を満たす、
請求項1から3のいずれか1項に記載の補聴器。
r1≒r2>R1>R2>r3 - 前記電池ホルダを閉じていく際には、前記ロックバー、前記突起部の順に、前記第1・第2凹部において係止される、
請求項1から6のいずれか1項に記載の補聴器。 - 前記ロックバーは、金属で形成されている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の補聴器。 - 前記本体は、第1の筐体と第2の筐体とを組み合わせて構成されており、
前記ロックバーは、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを連結する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の補聴器。
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